JP6134182B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器に関する。
従来、この種の緩衝器にあっては、たとえば、鉄道車両に車体の進行方向に対して左右方向の振動を抑制すべく、車体と台車との間に介装されて使用されるものが知られている。
そして、この緩衝器は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、シリンダ内に挿入されてピストンに連結されるロッドと、シリンダ内にピストンで区画したロッド側室とピストン側室と、タンクと、ロッド側室とタンクとを連通する減衰通路の途中に設けた電磁リリーフ弁とで構成されている(たとえば、特許文献1参照)。
この緩衝器は、電磁リリーフ弁でシリンダ内の圧力を制御することで、発生減衰力を高低調節することができ、鉄道車両の車体の振動を抑制するのに最適な減衰力を発揮して車体振動を効果的に抑制することができる。
また、この緩衝器にあっては、失陥時には電磁リリーフ弁で減衰力調整することができなくなるが、電磁リリーフ弁に並列されて当該失陥時に減衰力を発生する絞りを備えている。
特開2000−238637号公報
ところで、鉄道車両が走行中に強い地震が発生する場合、車体が大きく揺れて脱線する恐れがあるので、このような場合には、緩衝器に高い減衰力を発揮させることで当該脱線を未然に防止することが好ましい。また、地震発生時には、電力供給を受けられなくなる場合があるので、制御失陥時に相当する状況下で高い減衰力の発揮が緩衝器に要望される。
制御失陥時に緩衝器に高い減衰力を発揮させるには、失陥時に有効となる絞りの圧力損失を大きくすればよいことになるが、この絞りに対して電磁リリーフ弁が並列されており、電磁リリーフ弁は上流側の圧力が開弁圧に達すると開弁してしまう。よって、絞りの圧力損失を大きくしても、このように電磁リリーフ弁が開弁してしまっては、緩衝器が高い減衰力を発揮することはできず、地震時の鉄道車両の脱線をより効果的に防止するうえでは、より高減衰力の発揮が要望される。
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、地震時の脱線を効果的に防止することができる緩衝器を提供することである。
上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、シリンダと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダ内に挿入されて上記ピストンに連結されるロッドと、上記シリンダ内に上記ピストンで区画したロッド側室とピストン側室と、タンクと、上記ロッド側室と上記タンクとを連通する減衰通路の途中に設けた減衰弁とを備えた緩衝器において、上記ロッド側室と上記ピストン側室とを連通する第一通路の途中に設けた第一開閉弁と、上記ピストン側室と上記タンクとを連通する第二通路の途中に設けた第二開閉弁と、上記ピストン側室から上記ロッド側室へ向かう流れのみを許容する整流通路と、上記タンクから上記ピストン側室へ向かう流れのみを許容する吸込通路とを備えるとともに、上記減衰通路は、平常時通路と、上記平常時通路に並列される非常時通路とを有し、上記減衰弁は、上記平常時通路の途中に設けた可変リリーフ弁と上記可変リリーフ弁に直列配置されて非通電時に閉弁するノーマルクローズ型開閉弁と、上記非常時通路の途中に設けたパッシブ弁と上記パッシブ弁に直列配置されて非通電時に開弁するノーマルオープン型開閉弁とを有することを特徴とする。他の手段としては、シリンダと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダ内に挿入されて上記ピストンに連結されるロッドと、上記シリンダ内に上記ピストンで区画したロッド側室とピストン側室と、タンクと、上記ロッド側室と上記タンクとを連通する減衰通路の途中に設けた減衰弁とを備えた緩衝器において、上記ロッド側室と上記ピストン側室とを連通する第一通路の途中に設けた第一開閉弁と、上記ピストン側室と上記タンクとを連通する第二通路の途中に設けた第二開閉弁とを備えるとともに、上記第一開閉弁は、上記第一通路の遮断時に上記ピストン側室から上記ロッド側室へ向かう流れのみを許容し、上記第二開閉弁は、上記第二通路の遮断時に上記タンクから上記ピストン側室へ向かう流れのみを許容するものであって、上記減衰通路は、平常時通路と、上記平常時通路に並列される非常時通路とを有し、上記減衰弁は、上記平常時通路の途中に設けた可変リリーフ弁と上記可変リリーフ弁に直列配置されて非通電時に閉弁するノーマルクローズ型開閉弁と、上記非常時通路の途中に設けたパッシブ弁と上記パッシブ弁に直列配置されて非通電時に開弁するノーマルオープン型開閉弁とを有することを特徴とする。
したがって、この緩衝器にあっては、鉄道車両の走行中に大きな地震が発生するなどして、電力供給が途絶えた制御失陥時には、ノーマルクローズ型開閉弁は閉弁して平常時通路を無効とし、ノーマルオープン型開閉弁は開弁して非常時通路を有効とする。
以上より、本発明の緩衝器によれば、制御失陥時において非常時通路を有効としてパッシブ弁にて確実に高い減衰力を発揮させることができるので、車体が著大な振動を呈しても高減衰力を発揮して車体振動を低減することができ、鉄道車両が走行中に地震が発生しても車体振動が速やかに低減されて脱線を効果的に抑制することができる。
一実施の形態における緩衝器の回路図である。 一実施の形態における緩衝器の減衰特性を示す図である。 一実施の形態の一変形例における緩衝器の回路図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。一実施の形態における緩衝器1は、基本的には、図1に示すように、シリンダ2と、シリンダ2内に摺動自在に挿入されるピストン3と、シリンダ2内に挿入されてピストン3に連結されるロッド4と、シリンダ2内にピストン3で区画したロッド側室5とピストン側室6と、タンク7と、ロッド側室5とタンク7とを連通する減衰通路8と、当該減衰通路8の途中に設けた減衰弁Vとを備えて構成されており、所謂片ロッド型のシリンダ装置として構成されている。
また、上記ロッド側室5とピストン側室6には作動油等の液体が充填されるとともに、タンク7には、液体のほかに気体が充填されている。なお、タンク7内は、特に、気体を圧縮して充填することによって加圧状態とする必要は無い。
以下、各部について詳細に説明する。シリンダ2は筒状であって、その図1中右端は蓋13によって閉塞され、図1中左端には環状のロッドガイド14が取り付けられている。また、上記ロッドガイド14内には、シリンダ2内に移動自在に挿入されるロッド4が摺動自在に挿入されている。このロッド4は、一端をシリンダ2外へ突出させており、シリンダ2内の他端を同じくシリンダ2内に摺動自在に挿入されているピストン3に連結してある。
なお、ロッド4の外周とシリンダ2との間は図示を省略したシール部材によってシールされており、これによりシリンダ2内は密閉状に維持されている。そして、シリンダ2内にピストン3によって区画されるロッド側室5とピストン側室6には、上述のように液体として作動油が充填されている。
また、この緩衝器1の場合、ロッド4の断面積をピストン3の断面積の二分の一にして、ピストン3のロッド側室5側の受圧面積がピストン側室6側の受圧面積の二分の一となるようになっており、緩衝器1の伸長時と収縮時とでシリンダ2内から減衰通路8を通じてタンク7へ排出される流量が等しくなるようになっている。
戻って、ロッド4の図1中左端とシリンダ2の右端を閉塞する蓋13には、図示しない取付部を備えており、この緩衝器1を車両における車体と台車枠との間に介装することができるようになっている。
そして、この緩衝器1の場合にあっては、ロッド側室5とピストン側室6とが第一通路9によって連通されており、この第一通路9の途中には、第一開閉弁10が設けられている。この第一通路9は、シリンダ2外でロッド側室5とピストン側室6とを連通しているが、ピストン3に設けられてもよい。
第一開閉弁10は、この実施の形態の場合、電磁開閉弁とされており、第一通路9を開放してロッド側室5とピストン側室6とを連通する連通ポジション10bと、ピストン側室6からロッド側室5へ向かう液体の流れのみを許容する遮断ポジション10cとを備えた弁体10aと、遮断ポジション10cを採るように弁体10aを附勢するバネ10dと、通電時に弁体10aをバネ10dに対抗して連通ポジション10bに切換えるソレノイド10eとを備えて構成されている。
また、緩衝器1の場合にあっては、ピストン側室6とタンク7とが第二通路11によって連通されており、この第二通路11の途中には、第二開閉弁12が設けられている。第二開閉弁12は、この実施の形態の場合、電磁開閉弁とされており、第二通路11を開放してピストン側室6とタンク7とを連通する連通ポジション12bと、タンク7からピストン側室6へ向かう液体の流れのみを許容する遮断ポジション12cとを備えた弁体12aと、遮断ポジション12cを採るように弁体12aを附勢するバネ12dと、通電時に弁体12aをバネ12dに対抗して連通ポジション12bに切換えるソレノイド12eとを備えて構成されている。
したがって、この緩衝器1にあっては、第一開閉弁10および第二開閉弁12が遮断ポジション10c,12cを採る場合にあって、外力を受けて伸長すると、圧縮されるロッド側室5から液体が減衰通路8を通じてタンク7へ押し出され、拡大するピストン側室6にはタンク7から液体が供給される。したがって、この伸長作動時には、緩衝器1は、減衰弁Vで減衰通路8を通過する液体の流れに抵抗を与えて、ロッド側室5内の圧力を上昇せしめて伸長に対抗する減衰力を発揮する。なお、この場合、減衰弁Vを通過する液体量は、ピストン3の断面積からロッド4の断面積を引いた値にピストン3の移動量を乗じた量になる。反対に、第一開閉弁10および第二開閉弁12が遮断ポジション10c,12cを採る場合にあって、外力を受けて緩衝器1が収縮すると、圧縮されるピストン側室6からロッド側室5へ液体が移動するとともに、ロッド4がシリンダ2内に侵入するため、このロッド4がシリンダ2内に侵入する量の液体がシリンダ2内で過剰となって減衰通路8を通じてタンク7へ排出される。したがって、この収縮作動時には、緩衝器1は、減衰弁Vで減衰通路8を通過する液体の流れに抵抗を与えて、シリンダ2内の圧力を上昇せしめて収縮に対抗する減衰力を発揮する。なお、この場合、減衰弁Vを通過する液体量は、ロッド4の断面積にピストン3の移動量を乗じた量になる。ここで、ロッド4の断面積は、ピストン3の断面積の二分の一に設定されているので、緩衝器1が伸長しても収縮してもピストン3の移動量が同じであれば、減衰通路8を通過する液体量は等しくなるのである。よって、緩衝器1は、伸縮両側でピストン3の移動速度が同じであれば、等しい減衰力を発揮することができる。
なお、第一開閉弁10も第二開閉弁12も非通電時に遮断ポジション10c,12cを採るので、電力供給不能な失陥時には、緩衝器1は、伸縮に対して必ず減衰力を発揮できるようになっている。
また、この実施の形態の緩衝器1にあっては、第一開閉弁10を連通ポジション10bとして第二開閉弁12を遮断ポジション12cとする場合、外力を受けて収縮する場合には、上記したところと同様に収縮に対抗する減衰力を発揮するのであるが、伸長に対しては、ロッド側室5からピストン側室6へ液体が移動可能となるとともに、シリンダ2から外出するロッド4の体積に見合った液体が第二開閉弁12を通じてタンク7から供給されるので、この伸長作動時には液体が減衰弁Vを通過しないので緩衝器1は減衰力を発揮しない。さらに、この実施の形態の緩衝器1にあっては、第一開閉弁10を遮断ポジション10cとして第二開閉弁12を連通ポジション12bとする場合、外力を受けて伸長する場合には、上記したところと同様に伸長に対抗する減衰力を発揮するのであるが、収縮に対しては、ピストン側室6からロッド側室5へ液体が移動可能となるとともに、シリンダ2内に侵入するロッド4の体積に見合った液体が第二開閉弁12を通じてタンク7へ排出されるので、この収縮作動時には液体が減衰弁Vを通過しないので緩衝器1は減衰力を発揮しない。このように、この緩衝器1では、伸長と収縮のいずれか一方を選択して減衰力を発揮する片利きの緩衝器として機能することができるようになっている。
つづいて、減衰通路8は、途中で分岐されて平常時通路8aと、平常時通路8aに並列される非常時通路8bとに分かれており、ロッド側室5とタンク7とを連通している。また、減衰通路8は、平常時通路8aと非常時通路8bを合流させてタンク7へ通じるタンク側通路8cを備えている。
減衰弁Vは、平常時通路8aの途中に設けた可変リリーフ弁20と、当該可変リリーフ弁20に直列配置されて非通電時に閉弁するノーマルクローズ型開閉弁21と、非常時通路8bの途中に設けたパッシブ弁22と当該パッシブ弁22に直列配置されて非通電時に開弁するノーマルオープン型開閉弁23とを備えて構成されている。
可変リリーフ弁20は、この場合、電磁リリーフ弁とされており、弁体20aと、弁体20aを閉弁方向に附勢するバネ20bと、弁体20aを開弁方向に附勢する推力を発生可能なソレノイド20cとを備えて構成されている。したがって、この可変リリーフ弁20にあっては、ソレノイド20cへ通電すると弁体20aにバネ20bに抗する推力を作用させることができ、通電量を大きくして推力を大きくすると開弁圧が小さくなり、通電量を小さくして推力を小さくすると開弁圧が大きくなるようになっている。そして、ソレノイド20cに対して電力供給しない非通電時には、可変リリーフ弁20は開弁圧を最大とするようになっている。
ノーマルクローズ型開閉弁21は、電磁開閉弁とされており、平常時通路8aを開放してロッド側室5をタンク7に連通する連通ポジション21bと、平常時通路8aを遮断する遮断ポジション21cとを備えた弁体21aと、遮断ポジション21cを採るように弁体21aを附勢するバネ21dと、通電時に弁体21aをバネ21dに対抗して連通ポジション21bに切換えるソレノイド21eとを備えて構成されている。よって、ノーマルクローズ型開閉弁21は、電力供給不能な失陥時には、平常時通路8aを遮断するようになっている。
パッシブ弁22は、この場合、開弁圧が一定のリリーフ弁とされており、弁体22aと、弁体22aを閉弁方向に附勢するバネ22bとを備えて構成されている。したがって、このパッシブ弁22にあっては、ロッド側室5内の圧力が予め設定される開弁圧に達すると開弁して非常時通路8bを通じてロッド側室5をタンク7へ連通するようになっている。また、このパッシブ弁22の開弁圧は、可変リリーフ弁20に対して電力供給しない状態における可変リリーフ弁20の最大開弁圧よりも小さく設定してあって、緩衝器1のピストン速度が高速域にある場合に可変リリーフ弁20の最大開弁圧よりも圧力損失が大きくなるようになっている。さらに、パッシブ弁22に並列にオリフィス25が設けられている。
ノーマルオープン型開閉弁23は、電磁開閉弁とされており、非常時通路8bを開放してロッド側室5をタンク7に連通する連通ポジション23cと、非常時通路8bを遮断する遮断ポジション23bとを備えた弁体23aと、連通ポジション23cを採るように弁体23aを附勢するバネ23dと、通電時に弁体23aをバネ23dに対抗して遮断ポジション23bに切換えるソレノイド23eとを備えて構成されている。よって、ノーマルオープン型開閉弁23は、電力供給不能な失陥時には、非常時通路8bを開放するようになっている。
また、減衰通路8の非常時通路8bの途中には、絞り24が設けられている。この絞り24は、上記した可変リリーフ弁20に対しては並列されパッシブ弁22に対して直列配置されており、非常時通路8bを通過する液体は、この絞り24を介してタンク7へ流れるようになっている。絞り24は、設けなくともよいが、これを設けることで、通過流量が多くなる場合に、緩衝器1が発生する減衰力を非常に大きくすることができる。また、絞り24の圧力損失は、パッシブ弁22が流路面積を最大とする場合の圧力損失よりも大きくなるように設定されている。
なお、この緩衝器1の場合、シリンダ2内に混入したエアをロッド側室5からタンク7へ排出させることができるようにエア抜き用のオリフィス26が設けられている。
さて、このように構成された緩衝器1は、第一開閉弁10および第二開閉弁12を遮断ポジション10c,12cとする場合、外力によって伸縮すると減衰弁Vを介してシリンダ2内から液体がタンク7へ排出される。そして、ノーマルクローズ型開閉弁21に通電して平常時通路8aを有効とし、ノーマルオープン型開閉弁23に通電して非常時通路8bを無効とする状態では、液体は可変リリーフ弁20のみを通過することになり、可変リリーフ弁20のソレノイド20cへ供給する電流量を調節することで緩衝器1が発生する減衰力を調節することができる。
また、第一開閉弁10を連通ポジション10bとして第二開閉弁12を遮断ポジション12cとする場合および第一開閉弁10を遮断ポジション10cとして第二開閉弁12を連通ポジション12bとする場合には、上述したように、伸長或いは収縮のいずれか一方に対してのみ緩衝器1が減衰力を発揮するモードとなることから、たとえば、このモードを選択することによって、緩衝器1が減衰力を発揮することによって鉄道車両の台車の振動で車体を加振してしまうような場合に減衰力を発揮せずに済むカルノップ制御を容易に実現することができる。
つづいて、鉄道車両の走行中に大きな地震が発生するなどして、電力供給が途絶えた制御失陥時には、第一開閉弁10および第二開閉弁12を遮断ポジション10c,12cを採り、ノーマルクローズ型開閉弁21は閉弁して平常時通路8aを無効とし、ノーマルオープン型開閉弁23は開弁して非常時通路8bを有効とする。この状態では、シリンダ2内から排出された液体は、常に、パッシブ弁22および絞り24を通過してタンク7へ流入する。したがって、この制御失陥時にあっては、非常時通路8bのみが有効となって、パッシブ弁22と絞り24が協同して減衰力を発揮することになる。そして、可変リリーフ弁20は、平常時通路8aが無効とされており、液体はこれを通過することはない。
パッシブ弁22の圧力損失は、ピストン速度が高速域にある場合、可変リリーフ弁20よりも圧力損失が大きい。そのため、パッシブ弁22による緩衝器1の減衰力特性は、図2中の実線で示すように、ピストン速度が高速域に達すると、緩衝器1の減衰力が図2の破線で示す可変リリーフ弁20で発生可能な最大減衰力よりも高くなる。以上より、本発明の緩衝器1にあっては、制御失陥時においてピストン速度が高速域に達するような振動に対して確実に高い減衰力を発揮することができるので、車体が著大な振動を呈しても高減衰力を発揮して車体振動を低減することができ、鉄道車両が走行中に地震が発生しても車体振動が速やかに低減されて脱線を効果的に抑制することができる。
また、パッシブ弁22に絞り24を直列配置しているので、図2の一点鎖線に示すように、緩衝器1のピストン速度が高速域に到達すると、ピストン速度が高速域にある場合のパッシブ弁22による減衰力に絞り24の効果により、非常に大きな減衰力を発揮することができる。このように、当該絞り24を設けることによって、より一層効果的に鉄道車両の脱線を防止することができる。なお、絞り24の圧力損失は、ピストン速度が高速域に達するとパッシブ弁22の圧力損失よりも大きくなるように設定してあるので、ピストン速度が高速域に達すると、絞り24の効果が表れるようになっているが、絞り24が効き始めるピストン速度は任意に設定することができる。また、パッシブ弁22の圧力損失が可変リリーフ弁20の最大開弁圧を上回るようになる緩衝器1のピストン速度は、つまり、ピストン速度の高速域を決する境界の速度は、任意に設定することができ、たとえば、鉄道車両が脱線する可能性のあるような大きな地震が緩衝器1に入力された場合の当該緩衝器1のピストン速度とするようにしてもよい。また、図2中、ピストン速度が低速域にある場合の減衰力特性は、オリフィス25,26による二乗特性が表れており、パッシブ弁22が開弁するとパッシブ弁22による特性が表れるようになっている。
また、上記したところでは、本実施の形態の緩衝器1にあっては、ロッド側室5とピストン側室6とを連通する第一通路9の途中に設けた第一開閉弁10と、ピストン側室6とタンク7とを連通する第二通路11の途中に設けた第二開閉弁12とを設け、第一開閉弁10が第一通路9の遮断時にピストン側室6からロッド側室5へ向かう流れのみを許容し、第二開閉弁12が第二通路11の遮断時にタンク7からピストン側室6へ向かう流れのみを許容するようになっているので、制御失陥時には緩衝器1を伸縮両側で減衰力を発揮するパッシブダンパとして機能させることができるとともに、制御可能な状態では、カルノップ制御を可能としてセミアクティブダンパとして機能させることができる。なお、第一開閉弁10が遮断ポジション10cにてピストン側室6からロッド側室5へ向かう流れのみを許容するのではなく、図3に示すように、第一開閉弁10が遮断ポジション10cにて完全に第一通路9を遮断し、別途、ピストン側室6からロッド側室5へ向かう流れのみを許容する整流通路30を設け、さらに、第二開閉弁12が遮断ポジション12cにてタンク7からピストン側室6へ向かう流れのみを許容するのではなく、第二開閉弁12が遮断ポジション12cにて完全に第二通路11を遮断し、別途、タンク7からピストン側室6へ向かう流れのみを許容する吸込通路31を設けるようにしても、制御失陥時には緩衝器1をパッシブダンパとして機能させるとともに、制御可能な状態では、カルノップ制御を可能としてセミアクティブダンパとして機能させることができる。但し、第一開閉弁10が遮断ポジション10cにてピストン側室6からロッド側室5へ向かう液体の流れのみを許容し、第二開閉弁12が遮断ポジション12cにてタンク7からピストン側室6へ向かう液体の流れのみを許容するようにしておくことで、別途、整流通路30および吸込通路31を設けずに済むのでコストの低減と加工が容易になる利点がある。
なお、平常時にあっても、非常時通路8bを有効として、平常時通路8aを無効とし、パッシブ弁22によって減衰力を発揮させることも可能であるし、平常時通路8aと非常時通路8bをともに有効として、可変リリーフ弁20とパッシブ弁22とで緩衝器1に減衰力を発揮させることも可能である。また、パッシブ弁22は、上記説明ではリリーフ弁とされているが、リリーフ弁以外にも通過流量に対して上記可変リリーフ弁20よりも圧力損失が大きな弁を採用することができる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
1 緩衝器
2 シリンダ
3 ピストン
4 ロッド
5 ロッド側室
6 ピストン側室
7 タンク
8 減衰通路
8a 平常時通路
8b 非常時通路
9 第一通路
10 第一開閉弁
11 第二通路
12 第二開閉弁
20 可変リリーフ弁
21 ノーマルクローズ型開閉弁
22 パッシブ弁
23 ノーマルオープン型開閉弁
24 絞り
30 整流通路
31 吸込通路
V 減衰弁

Claims (5)

  1. シリンダと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダ内に挿入されて上記ピストンに連結されるロッドと、上記シリンダ内に上記ピストンで区画したロッド側室とピストン側室と、タンクと、上記ロッド側室と上記タンクとを連通する減衰通路の途中に設けた減衰弁とを備えた緩衝器において、
    上記ロッド側室と上記ピストン側室とを連通する第一通路の途中に設けた第一開閉弁と、上記ピストン側室と上記タンクとを連通する第二通路の途中に設けた第二開閉弁と、上記ピストン側室から上記ロッド側室へ向かう流れのみを許容する整流通路と、上記タンクから上記ピストン側室へ向かう流れのみを許容する吸込通路とを備えるとともに、
    上記減衰通路は、平常時通路と、上記平常時通路に並列される非常時通路とを有し
    上記減衰弁は、上記平常時通路の途中に設けた可変リリーフ弁と上記可変リリーフ弁に直列配置されて非通電時に閉弁するノーマルクローズ型開閉弁と、上記非常時通路の途中に設けたパッシブ弁と上記パッシブ弁に直列配置されて非通電時に開弁するノーマルオープン型開閉弁とを有する
    ことを特徴とする緩衝器。
  2. シリンダと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダ内に挿入されて上記ピストンに連結されるロッドと、上記シリンダ内に上記ピストンで区画したロッド側室とピストン側室と、タンクと、上記ロッド側室と上記タンクとを連通する減衰通路の途中に設けた減衰弁とを備えた緩衝器において、
    上記ロッド側室と上記ピストン側室とを連通する第一通路の途中に設けた第一開閉弁と、上記ピストン側室と上記タンクとを連通する第二通路の途中に設けた第二開閉弁とを備えるとともに、
    上記第一開閉弁は、上記第一通路の遮断時に上記ピストン側室から上記ロッド側室へ向かう流れのみを許容し、上記第二開閉弁は、上記第二通路の遮断時に上記タンクから上記ピストン側室へ向かう流れのみを許容するものであって、
    上記減衰通路は、平常時通路と、上記平常時通路に並列される非常時通路とを有し、
    上記減衰弁は、上記平常時通路の途中に設けた可変リリーフ弁と上記可変リリーフ弁に直列配置されて非通電時に閉弁するノーマルクローズ型開閉弁と、上記非常時通路の途中に設けたパッシブ弁と上記パッシブ弁に直列配置されて非通電時に開弁するノーマルオープン型開閉弁とを有する
    ことを特徴とする緩衝器。
  3. 上記パッシブ弁は、ピストン速度が高速域にある場合、上記可変リリーフ弁の最大開弁圧よりも高い圧力損失を発揮する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器。
  4. 上記パッシブ弁は、上記可変リリーフ弁の最大開弁圧よりも低い開弁圧で開弁するリリーフ弁である
    ことを特徴とする請求項に記載の緩衝器。
  5. 上記非常時通路の途中に上記パッシブ弁直列に絞りを設けた
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の緩衝器。
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