JP6975093B2 - 鉄道車両用ダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両用ダンパに関する。
従来、この種の鉄道車両用ダンパにあっては、たとえば、鉄道車両に車体の進行方向に対して左右方向の振動を抑制すべく、車体と台車との間に介装されて使用されるものが知られている。
より詳しくは、鉄道車両用ダンパは、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、シリンダ内に挿入されてピストンに連結されるロッドと、タンクと、圧側室から伸側室へ向かう作動油の流れのみを許容する通路と、タンクから圧側室へ向かう作動油の流れのみを許容する通路と、伸側室とタンクとを連通する通路と、伸側室とタンクとを連通する通路の途中に設けられた二つの比例リリーフ弁と、これら比例リリーフ弁に並列されるフェールセーフ弁とを備えている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2011−88623号公報
このように従来の鉄道車両用ダンパでは、それぞれソレノイドで駆動される二つの比例リリーフ弁と一つのフェールセーフ弁を備えており、制御中は必ず三つの弁のうち二つの弁のソレノイドに通電されるので、電力消費量が多い。また、三つの弁のそれぞれが電磁弁であるので、鉄道車両用ダンパの製造コストが高くなってしまう。
そこで、本発明の目的は、消費電力と製造コストの双方を低減できる鉄道車両用ダンパの提供である。
本発明の鉄道車両用ダンパは、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるとともにシリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、タンクと、伸側室と圧側室とを連通する第一通路と第一バイパス路と、圧側室とタンクとを連通する第二通路と第二バイパス路と、第一通路に設けられる第一可変リリーフ弁と第一バイパス路に設けられる第一開閉弁と第一可変リリーフ弁の開弁圧の調整および第一開閉弁を開閉させる第一ソレノイドとを有する第一電磁弁ユニットと、第二通路に設けられる第二可変リリーフ弁と第二バイパス路に設けられる第二開閉弁と第二可変リリーフ弁の開弁圧の調整および第二開閉弁を開閉させる第二ソレノイドとを有する第二電磁弁ユニットとを備えている。
このように構成された鉄道車両用ダンパは、セミアクティブダンパとして機能する場合に減衰力を出すために通電が必要なのは、第一電磁弁ユニットと第二電磁弁ユニットのいずれか一方で済む。
また、鉄道車両用ダンパは、第一ソレノイドが通電時に第一開閉弁を閉弁させつつ第一可変リリーフ弁の開弁圧を調整し、非通電時に第一開閉弁を開弁させ、第二ソレノイドが通電時に第二開閉弁を閉弁させつつ第二可変リリーフ弁の開弁圧を調整し、非通電時に第二開閉弁を開弁させてもよい。このように構成された鉄道車両用ダンパによれば、簡易な構造で第一電磁弁ユニットと第二電磁弁ユニットを実現できる。
さらに、鉄道車両用ダンパは、第一バイパス路に設けた第一減衰弁と、第二バイパス路に設けた第二減衰弁とを備えていてもよい。このように構成された鉄道車両用ダンパによれば、セミアクティブダンパとして機能しつつも通電不能なフェール時にはパッシブダンパとして機能して車体の振動を抑制できる。
また、鉄道車両用ダンパは、圧側室から伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する整流通路と、タンクから圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路とを備え、伸長時のみ減衰力を発揮する場合に第一ソレノイドのみに通電され、収縮時のみ減衰力を発揮する場合に第二ソレノイドのみに通電されるようにしてもよい。このように構成された鉄道車両用ダンパによれば、減衰力を出したくない方向へ伸縮する場合にも、第一電磁弁ユニットと第二電磁弁ユニットの双方への通電が不要で一方にのみ通電を行えばよいので、消費電力が効果的に低減される。また、鉄道車両用ダンパは、前記圧側室に接続する共有通路を備え、前記第一通路と前記第一バイパス路と前記第二通路と前記第二バイパス路は、それぞれ前記共有通路を介して前記圧側室に連通されてもよい。
本発明の鉄道車両用ダンパによれば、消費電力と製造コストの双方を低減できる。
一実施の形態における鉄道車両用ダンパを搭載した鉄道車両の断面図である。 一実施の形態の鉄道車両用ダンパの回路図である。 一実施の形態の鉄道車両用ダンパにおける第一電磁弁ユニットおよび第二電磁弁ユニットの概略断面図である。 一実施の形態の第一変形例における鉄道車両用ダンパの回路図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。一実施の形態における鉄道車両用ダンパ1は、本例では、鉄道車両の車体Bの制振装置として使用され、図1に示すように、台車Tと車体Bとの間に設置される。そして、本例の鉄道車両用ダンパ1は、発揮する減衰力で車体Bの車両進行方向に対して水平横方向の振動を抑制するようになっている。
鉄道車両用ダンパ1は、本例では、図2に示すように、鉄道車両の車体Bに連結されるシリンダ2と、シリンダ2内に摺動自在に挿入されるとともにシリンダ2内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン3と、シリンダ2内に挿入されて一端がピストン3に連結されるとともに他端が台車Tに連結されるロッド4と、タンク5と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する第一通路6と第一バイパス路7と、圧側室R2とタンク5とを連通する第二通路8と第二バイパス路9と、第一電磁弁ユニットV1と、第二電磁弁ユニットV2とを備えている。
また、伸側室R1と圧側室R2には、本例では、作動液体として作動油が充填されるとともに、タンク5には、作動油のほかに気体が充填されている。なお、タンク5内は、特に、気体を圧縮して充填して加圧状態とする必要は無い。また、作動流体は、作動油以外にも他の液体を利用してもよい。
以下、鉄道車両用ダンパ1の各部について詳細に説明する。シリンダ2は筒状であって、その図2中右端は蓋10によって閉塞され、図2中左端には環状のロッドガイド11が取り付けられている。また、前記ロッドガイド11内には、シリンダ2内に移動自在に挿入されるロッド4が摺動自在に挿入されている。このロッド4は、一端をシリンダ2外へ突出させており、シリンダ2内の他端をシリンダ2内に摺動自在に挿入されるピストン3に連結している。
なお、ロッドガイド11の外周とシリンダ2との間は図示を省略したシール部材によってシールされており、これによりシリンダ2内は密閉状態に維持されている。そして、シリンダ2内にピストン3によって区画される伸側室R1と圧側室R2には、前述のように作動油が充填されている。また、鉄道車両用ダンパ1の場合、ロッド4の断面積をピストン3の断面積の二分の一にして、ピストン3の伸側室R1側の受圧面積が圧側室R2側の受圧面積の二分の一となるようになっている。
また、本実施の形態の鉄道車両用ダンパ1では、ピストン3には、圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する整流通路12が設けられている。この整流通路12は、途中にチェック弁12aを備えている。整流通路12は、チェック弁12aによって圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路として機能する。なお、整流通路12は、ピストン3以外に設けられてもよい。
さらに、本実施の形態の鉄道車両用ダンパ1では、タンク5から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路13が設けられている。この吸込通路13は、途中にチェック弁13aを備えている。吸込通路13は、チェック弁13aによってタンク5から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路として機能する。
そして、第一通路6と第一バイパス路7は、伸側室R1と圧側室R2とを連通している。第一通路6と第一バイパス路7は、図示したところでは、一つの通路を途中で分岐させた構造を採用しているが、互いに独立して伸側室R1と圧側室R2とを連通していてもよい。
また、第二通路8と第二バイパス路9は、圧側室R2とタンク5とを連通している。第二通路8と第二バイパス路9は、図示したところでは、一つの通路を途中で分岐させた構造を採用しているが、互いに独立して圧側室R2とタンク5とを連通していてもよい。また、図2に示すように、第一通路6と第一バイパス路7および第二通路8と第二バイパス路9は、途中で互いに接続されて圧側室R2に連通されており、接続点から圧側室R2までの一つの通路を互いに共有している。この共有されている通路を共有通路27としている。
第一電磁弁ユニットV1は、第一通路6に設けられる第一可変リリーフ弁21と、第一バイパス路7に設けられる第一開閉弁22と、第一可変リリーフ弁21の開弁圧の調整および第一開閉弁22を開閉させる第一ソレノイド23とを備えて構成されている。
そして、第一ソレノイド23は、第一開閉弁22を介して第一可変リリーフ弁21に推力を与えられるようになっていて、通電時に第一開閉弁22を閉弁させつつ第一可変リリーフ弁21の開弁圧を調整し、非通電時に第一開閉弁22を開弁させる。
第二電磁弁ユニットV2は、第二通路8に設けられる第二可変リリーフ弁24と、第二バイパス路9に設けられる第二開閉弁25と、第二可変リリーフ弁24の開弁圧の調整および第二開閉弁25を開閉させる第二ソレノイド26とを備えて構成されている。
そして、第二ソレノイド26は、第二開閉弁25を介して第二可変リリーフ弁24に推力を与えられるようになっていて、通電時に第二開閉弁25を閉弁させつつ第二可変リリーフ弁24の開弁圧を調整し、非通電時に第二開閉弁25を開弁させる。
より詳細には、第一電磁弁ユニットV1および第二電磁弁ユニットV2は、共に同じ構成とされている。第一電磁弁ユニットV1および第二電磁弁ユニットV2は、図3に示すように、筒状のハウジング30内に移動自在に挿入される開閉弁体31とリリーフ弁体32と、開閉弁体31に附勢力を作用させ得るソレノイド33と、リリーフ弁体32を開閉弁体31側へ向けて附勢するばね34とを備えて構成される。
ハウジング30は、内径が大径となっている二つの内径大径部30a,30bを備えている。また、ハウジング30は、外方から開口して内周であって内径大径部30aと内径大径部30bとの間に通じるポート30c,30dと、外方から開口して図3中左側の内径大径部30aに通じるポート30eと、外方から開口して図3中右側の内径大径部30bに通じるポート30fとを備えている。そして、ポート30dからハウジング30内を介してポート30fに到る通路が第一通路6或いは第二通路8の一部を形成し、ポート30eからハウジング30内を介してポート30cに到る通路が第一バイパス路7或いは第二バイパス路9の一部を形成している。
開閉弁体31は、ハウジング30の内径大径部30a,30bより小径な小径部位に摺接可能な本体部31aと、本体部31aの先端からリリーフ弁体32側に伸びる本体部31aより小径のプッシュロッド31bを備えており、ハウジング30内を図3中左右方向となる軸方向へ移動できる。そして、開閉弁体31がハウジング30の内周であって内径大径部30aの両側の小径部位に摺接するとポート30eとポート30cとの連通を断ち、本体部31aが内径大径部30bの図3中左側であるソレノイド側の小径部位にのみ摺接するとポート30eとポート30cとを連通させる。このように、第一開閉弁22および第二開閉弁25は、開閉弁体31とハウジング30とで構成されている。
リリーフ弁体32は、ハウジング30の内周であってポート30cの開口よりも右側と内径大径部30bとの間の小径部位に摺接する本体部32aと、本体部32aの先端から反開閉弁体側に伸びる小径部32bと、小径部32bの先端に設けた円錐状の弁頭32cとを備えている。そして、リリーフ弁体32は、開閉弁体31と同様に、ハウジング30内を図3中左右方向となる軸方向へ移動できる。そして、リリーフ弁体32は、ハウジング30の内径大径部30b内に収容されるばね34によって開閉弁体31側へ向けて附勢されていて、弁頭32cがハウジング30の内径大径部30bの図3中で左端の段部を弁座として着座するようになっている。弁頭32cがハウジング30の前記弁座に着座する状態ではポート30dとポート30fとの連通が絶たれ、弁頭32cが前記段部から離座するとポート30dとポート30fとが連通される。このように、第一可変リリーフ弁21および第二可変リリーフ弁24は、リリーフ弁体32とハウジング30とで構成されている。
そして、ソレノイド33は、開閉弁体31を駆動できるようになっていて、第一ソレノイド23および第二ソレノイド26に対応している。ソレノイド33は、通電されるとばね34を押し縮めて開閉弁体31を図3中右方向へ附勢して開閉弁体31でポート30eからポート30cへ至る通路を遮断する。ソレノイド33に通電する状態では、開閉弁体31のプッシュロッド31bがリリーフ弁体32に当接してソレノイド33の付勢力がリリーフ弁体32に伝達される。よって、ソレノイド33に通電する状態では、リリーフ弁体32にはソレノイド33の付勢力とこの附勢力に対抗するばね34の付勢力が作用する。そして、電流量の調整でソレノイド33の付勢力を調節するとリリーフ弁体32の弁頭32cを前記弁座に押さえつける力が変化するのでリリーフ弁体32が弁座から離座する開弁圧が調節される。
反対に、ソレノイド33に通電しないと、開閉弁体31がソレノイド33によって押圧されないので、開閉弁体31は、第一バイパス路7或いは第二バイパス路9の上流から圧力を受けるとソレノイド33側へ後退する。すると、本体部31aがハウジング30の内周であって内径大径部30aの図3中左方の小径部位のみに摺接して、開閉弁体31は、ポート30eからポート30cへ至る通路を開放する。なお、リリーフ弁体32には、ばね34の付勢力のみが作用し弁座に着座する。
このように、ソレノイド33に通電すると第一バイパス路7および第二バイパス路9に接続されるポート30eからポート30cまでの通路が遮断されるともに第一通路6および第二通路8に接続されるポート30dからポート30fまでの通路に設けられたリリーフ弁体32の開弁圧を調節できる。また、ソレノイド33に通電しない非通電時では、開閉弁体31が第一バイパス路7および第二バイパス路9に接続されるポート30eからポート30cまでの通路を開放する。
よって、第一電磁弁ユニットV1は、図3に示したように構成されると、通電時に第一開閉弁22を閉弁させつつ第一可変リリーフ弁21の開弁圧を調整し、非通電時に第一開閉弁22を開弁させ得る。同様に、第二電磁弁ユニットV2は、図3に示したように構成されると、電時に第二開閉弁25を閉弁させつつ第二可変リリーフ弁24の開弁圧を調整し、非通電時に第二開閉弁25を開弁させる。
鉄道車両用ダンパ1は、以上のように構成されており、以下、作動を説明する。まず、第一電磁弁ユニットV1および第二電磁弁ユニットV2に通電する場合、第一バイパス路7が第一開閉弁22によって遮断され、第二バイパス路9が第二開閉弁25によって遮断される。他方、第一可変リリーフ弁21は第一ソレノイド23への通電量によって開弁圧が制御され、第二可変リリーフ弁24は第二ソレノイド26への通電量によって開弁圧が制御される。なお、第一ソレノイド23で第一通路6に設けられる第一可変リリーフ弁21の開弁圧の調整と、第一バイパス路7に設けられる第一開閉弁22の開閉が可能であれば、第一電磁弁ユニットV1の具体的な構成は、前述した具体的な構成以外の構成であってもよい。同様に、第二ソレノイド26で第二通路8に設けられる第二可変リリーフ弁24の開弁圧の調整と、第二バイパス路9に設けられる第二開閉弁25の開閉が可能であれば、第二電磁弁ユニットV2の具体的な構成は、前述した具体的な構成以外の構成であってもよい。
この状況で、鉄道車両用ダンパ1が伸長すると、伸側室R1から第一通路6を通じて圧側室R2へ作動油が排出され、拡大する圧側室R2には第一通路6を通じて伸側室R1から作動油が供給されるとともに吸込通路13を通じてタンク5から作動油が供給される。よって、鉄道車両用ダンパ1における伸側室R1の圧力は、第一可変リリーフ弁21の開弁圧となり、鉄道車両用ダンパ1は伸長を妨げる減衰力を発揮する。第一可変リリーフ弁21の開弁圧で伸側室R1の圧力を調節できるので、第一ソレノイド23の通電量で鉄道車両用ダンパ1の伸側の減衰力を制御できる。また、この状況で、鉄道車両用ダンパ1が収縮すると、圧側室R2から第二通路8を通じてタンク5へ作動油が排出され、拡大する伸側室R1には整流通路12を通じて圧側室R2から作動油が供給される。よって、鉄道車両用ダンパ1における伸側室R1および圧側室R2の圧力は、第二可変リリーフ弁24の開弁圧となり、鉄道車両用ダンパ1は収縮を妨げる減衰力を発揮する。シリンダ2内の圧力は第二可変リリーフ弁24の開弁圧で調節できるので、第二ソレノイド26の通電量で鉄道車両用ダンパ1の圧側の減衰力を制御できる。
また、前述したように、本実施の形態の鉄道車両用ダンパ1の場合、ロッド4の断面積をピストン3の断面積の二分の一にして、ピストン3の伸側室R1側の受圧面積が圧側室R2側の受圧面積の二分の一となっている。よって、伸長作動時と収縮作動時とで第一可変リリーフ弁21と第二可変リリーフ弁24の開弁圧を等しくしておけば、鉄道車両用ダンパ1の伸側減衰力と圧側減衰力は等しくなる。つまり、鉄道車両用ダンパ1の伸側減衰力と圧側減衰力等しくする場合、第一ソレノイド23および第二ソレノイド26へ与える電流量が同じとなるので減衰力調整が容易となる。
つづいて、第一電磁弁ユニットV1に通電して、第二電磁弁ユニットV2には通電しない場合、第一バイパス路7が第一開閉弁22によって遮断され、第二バイパス路9が第二開閉弁25によって開放される。第一可変リリーフ弁21は第一ソレノイド23への通電量によって開弁圧が制御され、第二可変リリーフ弁24は開弁圧が最大となる。この状況で、鉄道車両用ダンパ1が伸長すると、伸側室R1から第一通路6を通じて圧側室R2へ作動油が排出され、拡大する圧側室R2には第一通路6を通じて伸側室R1から作動油が供給されるとともに吸込通路13を通じてタンク5から作動油が供給される。よって、鉄道車両用ダンパ1における伸側室R1の圧力は、第一可変リリーフ弁21の開弁圧となり、鉄道車両用ダンパ1は伸長を妨げる減衰力を発揮する。第一可変リリーフ弁21の開弁圧で伸側室R1の圧力を調節できるので、第一ソレノイド23の通電量で鉄道車両用ダンパ1の伸側の減衰力を制御できる。また、この状況で、鉄道車両用ダンパ1が収縮すると、圧側室R2から第二バイパス路9を通じてタンク5へ作動油が排出され、拡大する伸側室R1には整流通路12を通じて圧側室R2から作動油が供給される。よって、伸側室R1と圧側室R2の圧力はともにタンク圧となるので、鉄道車両用ダンパ1は収縮作動ではアンロードされて収縮を妨げる減衰力を発揮しない。
さらに、第一電磁弁ユニットV1には通電せず、第二電磁弁ユニットV2に通電する場合、第一バイパス路7が第一開閉弁22によって開放され、第二バイパス路9が第二開閉弁25によって遮断される。第一可変リリーフ弁21は開弁圧が最大となり、第二可変リリーフ弁24は第二ソレノイド26への通電量によって開弁圧が制御される。この状況で、鉄道車両用ダンパ1が伸長すると、伸側室R1から第一バイパス路7を通じて圧側室R2へ作動油が移動し、拡大する圧側室R2には吸込通路13を通じてタンク5から作動油が供給される。よって、伸側室R1と圧側室R2の圧力はともにタンク圧となるので、鉄道車両用ダンパ1は伸長作動ではアンロードされて伸長を妨げる減衰力を発揮しない。また、鉄道車両用ダンパ1が収縮すると、圧側室R2から第二通路8を通じてタンク5へ作動油が排出され、拡大する伸側室R1には整流通路12を通じて圧側室R2から作動油が供給される。よって、鉄道車両用ダンパ1における伸側室R1および圧側室R2の圧力は、第二可変リリーフ弁24の開弁圧となり、鉄道車両用ダンパ1は収縮を妨げる減衰力を発揮する。シリンダ2内の圧力は第二可変リリーフ弁24の開弁圧で調節できるので、第二ソレノイド26の通電量で鉄道車両用ダンパ1の圧側の減衰力を制御できる。
そしてさらに、第一電磁弁ユニットV1および第二電磁弁ユニットV2に通電しないと、第一バイパス路7が第一開閉弁22によって開放され、第二バイパス路9が第二開閉弁25によって開放される。すると、伸側室R1と圧側室R2がともに第一バイパス路7および第二バイパス路9を通じてタンク5に連通されるので、鉄道車両用ダンパ1は、伸長しても収縮しても減衰力を発揮しない。
このように鉄道車両用ダンパ1では、第一電磁弁ユニットV1と第二電磁弁ユニットV2のいずれか一方にのみ通電すると、片効きのダンパとして機能できる。よって、減衰力を発揮する方向が鉄道車両の台車Tの振動により車体Bを加振する方向である場合、そのような方向には減衰力を出さないように鉄道車両用ダンパ1を片効きのダンパとして機能させ得る。したがって、この鉄道車両用ダンパ1は、カルノップ理論に基づくセミアクティブ制御を容易に実現できるため、セミアクティブダンパとして機能できる。つまり、鉄道車両用ダンパ1をセミアクティブダンパとして機能させるうえで通電が必要となるのは、第一電磁弁ユニットV1と第二電磁弁ユニットV2のいずれか一方のみとなる。
なお、整流通路12と吸込通路13を廃止する場合に鉄道車両用ダンパ1を片効きのダンパとして機能させる場合、第一電磁弁ユニットV1と第二電磁弁ユニットV2の双方に通電する必要があるが、減衰力を出す場合には第一電磁弁ユニットV1と第二電磁弁ユニットV2の一方にのみ通電すればよい。
以上、本発明の鉄道車両用ダンパ1は、シリンダ2と、シリンダ2内に移動自在に挿入されるとともにシリンダ2内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン3と、タンク5と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する第一通路6と第一バイパス路7と、圧側室R2とタンク5とを連通する第二通路8と第二バイパス路9と、第一通路6に設けられる第一可変リリーフ弁21と第一バイパス路7に設けられる第一開閉弁22と第一可変リリーフ弁21の開弁圧の調整および第一開閉弁22を開閉させる第一ソレノイド23とを有する第一電磁弁ユニットV1と、第二通路8に設けられる第二可変リリーフ弁24と第二バイパス路9に設けられる第二開閉弁25と第二可変リリーフ弁24の開弁圧の調整および第二開閉弁25を開閉させる第二ソレノイド26とを有する第二電磁弁ユニットV2とを備えている。
このように構成された鉄道車両用ダンパ1は、セミアクティブダンパとして機能する場合に減衰力を出すために通電が必要なのは、第一電磁弁ユニットV1と第二電磁弁ユニットV2のいずれか一方で済むので消費電力が低減されるとともに、設置される電磁弁が第一電磁弁ユニットV1と第二電磁弁ユニットV2のみで済むから製造コストも低減される。よって、本発明の鉄道車両用ダンパ1によれば、消費電力と製造コストを低減できる。
さらに、鉄道車両用ダンパ1は、電磁弁としては第一電磁弁ユニットV1と第二電磁弁ユニットV2の二つの電磁弁のみを備えるので、従来の鉄道車両用ダンパに比べて小型化でき鉄道車両への搭載性が向上するとともに、鉄道車両用ダンパ1を制御するコントローラも電磁弁を駆動するドライバも小型化できる。
また、本実施の形態の鉄道車両用ダンパ1は、圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する整流通路12と、タンク5から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路13とを備えている。このように整流通路12と吸込通路13を備えた鉄道車両用ダンパ1では、セミアクティブダンパとして機能する場合に通電が必要なのは、第一電磁弁ユニットV1と第二電磁弁ユニットV2のいずれか一方のみで済むので消費電力をより効果的に低減できる。つまり、この場合、鉄道車両用ダンパ1が減衰力を出したくない方向へ伸縮する場合にも、第一電磁弁ユニットV1と第二電磁弁ユニットV2の双方への通電が不要で一方にのみ通電を行えばよいので、消費電力が効果的に低減されるのである。
また、本実施の形態の鉄道車両用ダンパ1は、第一ソレノイド23が通電時に第一開閉弁22を閉弁させつつ第一可変リリーフ弁21の開弁圧を調整し、非通電時に第一開閉弁22を開弁させ、第二ソレノイド26が通電時に第二開閉弁25を閉弁させつつ第二可変リリーフ弁24の開弁圧を調整し、非通電時に第二開閉弁25を開弁させる。このように構成された鉄道車両用ダンパ1によれば、図3に示した簡易な構造で第一電磁弁ユニットV1と第二電磁弁ユニットV2を実現できる。
なお、図4に示すように、第一バイパス路7に第一減衰弁14を設け、第二バイパス路9に第二減衰弁15を設けてもよい。第一減衰弁14および第二減衰弁15は、上流側の圧力で開弁する減衰弁とされており、図4に示すように、流量が少ない場合には圧力損失が非常に小さく、流量が増加すると流量増加に対する圧力損失の増加率が大きくなる特性を備えている。鉄道車両用ダンパ1が常用伸縮速度で伸縮する場合に第一減衰弁14および第二減衰弁15を通過すると見込まれる流量の範囲で圧力損失が非常に小さくなっていればよい。この範囲は、鉄道車両用ダンパ1が適用される鉄道車両に応じて決定すればよい。
このような第一減衰弁14を設けると、第一バイパス路7を開放する場合、鉄道車両用ダンパ1の伸長速度が低い場合には、第一減衰弁14による非常に低い減衰力が発揮されて鉄道車両用ダンパ1がアンロードされる。また、このような第二減衰弁15を設けると、第二バイパス路9を開放する場合、鉄道車両用ダンパ1の収縮速度が低い場合には、第二減衰弁15による非常に低い減衰力が発揮されて鉄道車両用ダンパ1がアンロードされる。
他方、第一バイパス路7と第二バイパス路9を共に開放する場合、鉄道車両用ダンパ1の伸縮速度が高くなると、第一減衰弁14および第二減衰弁15を通過する流量が増えて圧力損失が大きくなるで、鉄道車両用ダンパ1は大きな減衰力を発揮して車体Bの振動を抑制する。よって、鉄道車両用ダンパ1は、通電不能なフェール時には第一減衰弁14および第二減衰弁15で減衰力を発揮してパッシブダンパとして機能し得る。以上、第一バイパス路7に第一減衰弁14を設け、第二バイパス路9に第二減衰弁15を設けると、鉄道車両用ダンパ1がセミアクティブダンパとして機能しつつも通電不能なフェール時にはパッシブダンパとして機能して車体Bの振動を抑制できる。なお、第一減衰弁14および第二減衰弁15は、オリフィス等の絞り弁とされてもよく、その場合、流量が少ない場合の圧力損失が非常に小さく流量が多くなると圧力損失が大きいものを利用すればよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。
1・・・鉄道車両用ダンパ、2・・・シリンダ、3・・・ピストン、5・・・タンク、6・・・第一通路、7・・・第一バイパス路、8・・・第二通路、9・・・第二バイパス路、12・・・整流通路、13・・・吸込通路、14・・・第一減衰弁、15・・・第二減衰弁、21・・・第一可変リリーフ弁、22・・・第一開閉弁、23・・・第一ソレノイド、24・・・第二可変リリーフ弁、25・・・第二開閉弁、26・・・第二ソレノイド、27・・・共有通路、R1・・・伸側室、R2・・・圧側室、V1・・・第一電磁弁ユニット、V2・・・第二電磁弁ユニット

Claims (5)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に移動自在に挿入されるとともに前記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、
    タンクと、
    前記伸側室と前記圧側室とを連通する第一通路と第一バイパス路と、
    前記圧側室と前記タンクとを連通する第二通路と第二バイパス路と、
    前記第一通路に設けられる第一可変リリーフ弁と、前記第一バイパス路に設けられる第一開閉弁と、前記第一可変リリーフ弁の開弁圧の調整および前記第一開閉弁を開閉させる第一ソレノイドとを有する第一電磁弁ユニットと、
    前記第二通路に設けられる第二可変リリーフ弁と、前記第二バイパス路に設けられる第二開閉弁と、前記第二可変リリーフ弁の開弁圧の調整および前記第二開閉弁を開閉させる第二ソレノイドとを有する第二電磁弁ユニットとを備えた
    ことを特徴とする鉄道車両用ダンパ。
  2. 前記第一ソレノイドは、通電時に前記第一開閉弁を閉弁させつつ前記第一可変リリーフ弁の開弁圧を調整し、非通電時に前記第一開閉弁を開弁させ、
    前記第二ソレノイドは、通電時に前記第二開閉弁を閉弁させつつ前記第二可変リリーフ弁の開弁圧を調整し、非通電時に前記第二開閉弁を開弁させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用ダンパ。
  3. 前記第一バイパス路に設けられる第一減衰弁と、
    前記第二バイパス路に設けられる第二減衰弁とを備えた
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の鉄道車両用ダンパ。
  4. 前記圧側室から前記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する整流通路と、
    前記タンクから前記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路とを備え
    伸長時のみ減衰力を発揮する場合に前記第一ソレノイドのみに通電され、
    収縮時のみ減衰力を発揮する場合に前記第二ソレノイドのみに通電される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の鉄道車両用ダンパ。
  5. 前記圧側室に接続する共有通路を備え、
    前記第一通路と前記第一バイパス路と前記第二通路と前記第二バイパス路は、それぞれ前記共有通路を介して前記圧側室に連通している
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の鉄道車両用ダンパ。
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