JP6133557B2 - ゲル状組成物 - Google Patents

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Description

本発明はゲル状組成物に関する。より詳しくは、芳香剤、消臭剤等に用いられるゲル状組成物に関する。
従来、芳香剤、消臭剤等に用いられるゲル状組成物には、芳香成分、消臭成分等の非水溶性液状成分を均一に安定してゲル状組成物中に分散させるために、例えば約3重量%〜約9重量%の多量の界面活性剤が添加されているものが多く存在する(特許文献1〜3)。しかし、多量の界面活性剤が添加されることで、使用の経過と共に、芳香成分、消臭成分等の発散速度が低下して効果が妨げられる場合があり、当該製品の最終段階で残渣が多量に残るために取り換え時期が見極め難いとの問題があった。
そこで、多量の界面活性剤を用いずに非水溶性液状成分を分散させるゲル状組成物について検討がなされている。特許文献4および5には、ジェランガムとキサンタンガムの組合せ、またはカラギーナンとネイティブジェランガムの組合せを用いて、芳香成分、消臭成分または粒状物を分散させたゲル状組成物が開示されている。しかし、これらの技術は、ゲル化、増粘が始まる温度が高く、製造において厳密な温度管理が要求され、ハンドリングが煩雑である。
特開昭64−74239号公報 特開昭62−41661号公報 特開昭60−135058号公報 特開2002−291859号公報 特開2005−73926号公報
多量の界面活性剤を用いた従来の芳香剤、消臭剤等には、上記の通り、使用の経過と共に、芳香成分、消臭成分等の発散速度が低下して効果が妨げられる場合があり、当該製品の最終段階で残渣が多量に残るために取り換え時期を見極め難いとの問題があった。
他方、使い始めから使い終わりまで一定して有効な芳香消臭効果等を発揮させるためには、芳香成分、消臭成分等を内部に均一な状態で溶解または分散保持させることが必要であるが、多量の界面活性剤を用いない場合には、ゲル状組成物の製造の際、固化(ゲル化)するまで一定の時間を必要とするため、その間に分散した芳香成分、消臭成分等が凝集、分離して底部または上部に分離浮遊し、その均一性が損なわれるという問題がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、芳香成分、消臭成分等を内部に均一な状態で溶解または分散保持させた、界面活性剤を全くまたは多量には用いないゲル状組成物を提供することであり、また、操作性が優れたゲル状組成物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、2種類のゲル化剤を組合せて、第1ゲル化剤によってフルイドゲル(マイクロゲル)を形成させ、続いて第2ゲル化剤によって全体をゲル化させる2段階のゲル化を行うことで、界面活性剤を使用しなくても、製造時に内部に配合した芳香成分、消臭成分等が凝集、分離することなく均一な溶解ないし分散状態を維持したままで固化したゲル状組成物が得られることを見出して、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤、
冷時にゲル化する第2ゲル化剤、
多価金属イオン、
非水溶性液状成分、および
水を、少なくとも含有するゲル状組成物。
[2] 第1ゲル化剤がLMペクチンまたはアルギン酸類である、[1]記載のゲル状組成物。
[3] 冷時にゲル化する第2ゲル化剤が、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、タマリンドシードガム、デンプン、キサンタンガムとガラクトマンナン類(ローカストビーンガム、グルコマンナン、カシアガム、タラガム等)との反応物、およびこれらの混合物から選択される、[1]または[2]記載のゲル状組成物。
[4] さらに、その他のゲル化剤、増粘剤、糊料、分散安定剤、ゲル化助剤、親水性溶媒および/または界面活性剤を含有する、[1]〜[3]のいずれか記載のゲル状組成物。
[5](1)多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤、冷時にゲル化する第2ゲル化剤、および水を、混合し、加温して溶解させる工程、
(2)多価金属イオンの水溶液および非水溶性液状成分を、同時にまたは続けて、工程(1)で得られた溶液に撹拌しながら、添加する工程、ならびに
(3)工程(2)で得られた混合物を、冷却する工程
からなる、ゲル状組成物の製造方法。
[6] 第1ゲル化剤がLMペクチンまたはアルギン酸類である、[5]記載の製造方法。
[7] 冷時にゲル化する第2ゲル化剤が、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、タマリンドシードガム、デンプン、キサンタンガムとガラクトマンナン類(ローカストビーンガム、グルコマンナン、カシアガム、タラガム等)との反応物、およびこれらの混合物から選択される、[5]または[6]記載の製造方法。
[8] 工程(1)において、さらに、その他のゲル化剤、増粘剤、糊料、分散安定剤、ゲル化助剤、親水性溶媒および/または界面活性剤を添加する、[5]〜[7]のいずれか記載の製造方法。
[9] [5]〜[8]のいずれか記載の製造方法で製造されたゲル状組成物。
本発明のゲル状組成物によって、界面活性剤を用いずに、製造時に内部に配合した芳香成分、消臭成分等の非水溶性液状成分が凝集、分離することなく均一な溶解ないし分散状態を維持したままで固化したゲル状組成物を提供することができる。
本発明のゲル状組成物の製造方法において、LMペクチン、アルギン酸類等の第1ゲル化剤が多価金属イオンと反応して形成するゲルは、フルイドゲル(マイクロゲル)の状態にある。非水溶性液状成分はマイクロゲルの存在によって均一に安定して分散しており、凝集が生じにくく、他方、撹拌などを行えば、安易に流動性の良好な液状になり、製造上の操作性が優れている。
さらに、本発明のゲル状組成物の製造方法では、2種類のゲル化剤を当初から混合して溶液にしているため、余分な混合操作および混合設備が必要ではなく、必要最低限の加熱タンク、充填機などの簡単な設備があれば十分であり、製造上の操作性が極めて優れている。
実施例1〜8、比較例1および2で調製したゲル状芳香剤に関する芳香性試験の結果を表わす図である。 実施例1〜8、比較例1および2で調製したゲル状芳香剤に関する重量変化試験の結果を表わす図である。
本発明について、以下にさらに説明する。
「多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤」としては、多価金属イオンと反応してゲル化するものであれば、いかなるものも用いることができる。かかる第1ゲル化剤は、通常、複数のカルボキシル基を有しており、そのカルボキシル基が多価金属イオンとイオン架橋を形成して、例えば卵箱モデルの状態を形作ってゲル化する。具体的には、例えば、LMペクチン、アルギン酸類(アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム等)等が挙げられ、好ましくはLMペクチン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。なお、多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤は、1種類だけではなく、異なる2種類以上を用いても良い。「多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤」の使用量としては、ゲル状組成物に対して約0.01重量%〜約5重量%が挙げられ、好ましくは約0.02重量%〜約2重量%が挙げられ、より好ましくは約0.05重量%〜約1重量%が挙げられる。
「多価金属イオン」としては、上記の第1ゲル化剤をゲル化させるものであれば、いかなるものも使用できる。具体的には、例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ニッケルイオン、亜鉛イオン等の2価金属イオン、鉄イオン、コバルトイオン等の3価以上の金属イオン等が挙げられ、好ましくは、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等が挙げられる。多価金属イオンは、本発明の目的に適合する任意の陰イオンと塩を形成していても良く、かかる陰イオンとしては、例えば、塩素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、水酸化イオン等の無機陰イオン、乳酸イオン、クエン酸イオン、酢酸イオン等の有機陰イオン等が挙げられる。好ましくは、多価金属イオンの塩としては、塩化カルシウム、乳酸カルシウム等が挙げられる。なお、多価金属イオンは、1種類だけではなく、異なる2種類以上を用いても良い。「多価金属イオン」の使用量としては、「多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤」に対して約0.5重量%〜約30重量%が挙げられ、好ましくは約1重量%〜約10重量%が挙げられる。
多価金属イオンは、通常、水溶液の状態で添加される。水溶液中の多価金属イオンの濃度としては、滴下された部分での極端に高い局所濃度による急激なゲル化を避けるために、低い濃度とすることが好ましい。水溶液中の多価金属イオンの濃度としては、例えば、約0.01重量%〜約10重量%が挙げられ、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%が挙げられる。
「冷時にゲル化する第2ゲル化剤」としては、加温した際に均一に溶解し、冷却した際にゲル化するものであれば、いかなるものも用いることができる。ここで、冷時(冷却した際)とは、本発明のゲル状組成物を使用する際の温度(例えば、室温等)より低い温度ではゲル化している必要があるため、例えば、約0℃〜約50℃が挙げられ、好ましくは約0℃〜約30℃が挙げられる。一方、加温した際、均一に溶解する温度としては、例えば、約60℃〜約100℃、好ましくは約70℃〜約100℃、より好ましくは約80℃〜約95℃が挙げられる。冷時にゲル化する第2ゲル化剤としては、具体的には、例えば、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、タマリンドシードガム、デンプン、キサンタンガムとガラクトマンナン類(ローカストビーンガム、グルコマンナン、カシアガム、タラガム等)との反応物等が挙げられる。好ましくは、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ゼラチン等が挙げられる。なお、冷時にゲル化する第2ゲル化剤は、1種類だけではなく、異なる2種類以上を用いても良い。「冷時にゲル化する第2ゲル化剤」の使用量としては、ゲル状組成物に対して、約0.05重量%〜約5重量%が挙げられ、好ましくは約0.1重量%〜約4重量%が挙げられ、より好ましくは約0.2重量%〜約3重量%が挙げられる。
「非水溶性液状成分」は、ゲル状組成物の使用目的に応じて任意に選択することができる。例えば、芳香成分、消臭成分、殺虫成分、防カビ成分等の実質的に水に不溶の液体が挙げられる。なお、これらの非水溶性液状成分は、1種類だけではなく、異なる2種類以上を用いても良い。
芳香成分としては、例えば医薬品、医薬部外品、香粧品(化粧料、芳香料を含む)、食品等の分野において従来より使用されている香料等を広く挙げることができる。具体的には、オレンジ油、レモン油、ラベンダー油、ラバンジン油、ベルガモット油、パチュリ油、シダーウッド油等の天然精油;α−ピネン、β−ピネン、リモネン、p−サイメン、ターピノレン、α−ターピネン、γ−ターピネン、α−フェランドレン、ミルセン、カンフェン、オシメン等の炭化水素テルペン;ヘプタナール、オクタナール、デカナール、ベンズアルデヒド、サリシリックアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、シトロネラール、ハイドロキシシトロネラール、ハイドロトロピックアルデヒド、リグストラール、シトラール、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、リリアール、シクラメンアルデヒド、リラール、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、ヘリオナール、バニリン、エチルバニリン等のアルデヒド類;エチルフォーメート、メチルアセテート、エチルアセテート、メチルプロピオネート、メチルイソブチレート、エチルイソブチレート、エチルブチレート、プロピルブチレート、イソブチルアセテート、イソブチルイソブチレート、イソブチルブチレート、イソブチルイソバレレート、イソアミルアセテート、イソアミルプロピオネート、アミルプロピオネート、アミルイソブチレート、アミルブチレート、アミルイソバレレート、アリルヘキサノエート、エチルアセトアセテート、エチルヘプチレート、ヘプチルアセテート、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、エチルオクチレート、スチラリルアセテート、ベンジルアセテート、ノニルアセテート、ボルニルアセテート、リナリルアセテート、安息香酸リナリル、エチルシンナメート、ヘキシルサリシレート、メンチルアセテート、ターピニルアセテート、アニシルアセテート、フェニルエチルイソブチレート、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、エチレンブラシレート、γ−ウンデカラクトン、γ−ノニルラクトン、シクロペンタデカノライド、クマリン等のエステル・ラクトン酸;アニソール、p−クレジルメチルエーテル、ジメチルハイドロキメン、メチルオイゲノール、β−ナフトールメチルエーテル、β−ナフトールエチルエーテル、アネトール、ジフェニルオキサイド、ローズオキサイド、ガラクソリド、アンブロックス等のエーテル類;イソプロピルアルコール、シス−3−ヘキセノール、ヘプタノール、2−オクタノール、ジメトール、ジヒドロミルセノール、リナロール、ベンジルアルコール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、ターピネオール、テトラハイドロゲラニオール、l−メントール、セドロール、サンタロール、チモール、アニスアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール類;ジアセチル、メントン、アセトフェノン、α−またはβ−ダマスコン、α−またはβ−ダマセノン、α−、β−またはγ−ヨノン、α−、β−またはγ−メチルヨノン、メチル−β−ナフチルケトン、ベンゾフェノン、テンタローム、アセチルセドレン、α−またはβ−イソメチルヨノン、α−、β−またはγ−イロン、マルトール、エチルマルトール、シス−ジャスモン、ジヒドロジャスモン、l−カルボン、ジヒドロカルボン等のケトン類等が挙げられる。
消臭成分としては、具体的には、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロリネート、シトロネリルセネシオネート、テルペンアルデヒド類またはポリフェノールを主成分とする植物抽出物型消臭剤;ベタイン化合物、二価鉄イオンまたは安定化二酸化炭素を主成分とする反応型消臭剤等が挙げられる。
殺虫成分としては、具体的には、パラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳、アレスリン、プラレトリン、フタルスリン、レスメトリン、ペルメトリン、フェノトリン、フェンバレレート、シペルメトリン、シフェノトリン、エンペントリン、テラレスリン、イミプロスリン、トランスフルスリン、フェンプロパトリン、フェンフルスリン、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル(1R)−トランス−3−(2−クロロ−2−フルオロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート等が挙げられる。
防カビ成分としては、具体的には、チモール、α−ブロムシンナミックアルデヒド、パラクロロメタキシレノール、オルトフェニルフェノール、3−ヨード−2−プロピルブチルカーバメート、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、N−ジクロロフルオロメチルチオ−N’,N’−ジメチル−N−フェニルスルファミド等が挙げられる。
また、本発明のゲル状組成物は、油分を含有するジュレタイプドレッシング等の食品分野、および有効成分が水性、油性の混合物である化粧品や医薬部外品等の分野で用いることもできる。例えば、油分を含有するジュレタイプドレッシングとしてゲル状組成物を用いる場合は、非水溶性液状成分として、具体的には、大豆油、菜種油、オリーブ油、ごま油などの食用油、スクワランオイル、馬油、アルガンオイル、ビタミンE、ひまし油、クルミ油等の機能性油脂等を用いることができる。
「その他のゲル化剤、増粘剤、糊料および分散安定剤」としては、例えば、ファーセルラン等の海藻多糖類;グアーガム、サイリウムシードガム等の種子多糖類;アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム等の樹脂多糖類;HMペクチン等の果皮多糖類;スクレロガム、プルラン等の発酵多糖類;アロエベラ抽出物、トロロアオイ等の植物多糖類;カゼインナトリウム、グルテン等の蛋白質;キチン、キトサン等の動物性食物繊維;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、発酵セルロース、それらのアルカリ金属塩等のセルロース類もしくはそれらの誘導体;デンプングリコール酸ナトリウム等のデンプン誘導体;メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の加水分解物等の合成ポリマー等が挙げられる。
「ゲル化助剤」としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン;クエン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、無水コハク酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アスパラギン酸等の有機酸もしくはそれらの塩;塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸もしくはそれらの塩等が挙げられる。具体的には、塩化カリウム、塩化ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸水素カリウム、L−酒石酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。これらのゲル化助剤の種類やその含有量は、ゲル状組成物が備える所望のゲル強度に応じて適宜選択することができ、使用するゲル化助剤の種類によっても異なるが、通常、ゲル状組成物全体に対して約0.01重量%〜約3重量%の範囲で使用される。
「親水性溶媒」としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;プロピレングリコール、エチレングリコール等のグリコール類;3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類等が挙げられる。親水性溶媒を添加することで、揮散に伴うゲル表面の乾燥防止、芳香成分等の揮発調整、および寒冷地等での凍結防止等が可能となる。
本発明のゲル状組成物には、その使用目的や用途に応じて、さらに、芳香成分、消臭成分、防虫成分等を添加することができ、それらを乳化または可溶化させるために界面活性剤を添加することもできる。さらに着色成分、忌避成分、ゲル状組成物自身の防カビ成分、防腐成分、抗菌成分、界面活性剤、紫外線吸収剤等を含有させることもできる。これらは、医薬部外品分野、香粧品分野、食品分野において通常使用されるものを任意に用いることができる。
本発明のゲル状組成物は、以下の工程:
(1)多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤、冷時にゲル化する第2ゲル化剤、および水を、混合し、加温して溶解させる工程、
(2)多価金属イオンの水溶液および非水溶性液状成分を、同時にまたは続けて、上記工程(1)で得られた溶液に撹拌しながら、添加する工程、ならびに
(3)(2)で得られた混合物を、冷却する工程
からなる、ゲル状組成物の製造方法を用いることで、製造することができる。ここで、本製造方法で用いる成分は、例えば、前記の重量比の量で用いることができる。工程(1)で用いる水は、各成分の前記重量比の量の残りの部分の量を占めるため、相対的には多量に用いることになる。
工程(1)において、多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤、冷時にゲル化する第2ゲル化剤、および水を、混合し、加温して第1ゲル化剤および第2ゲル化剤を溶解させる。工程(1)において、前記の任意成分を添加することもできる。例えば、プロピレングリコール等の親水性溶媒を添加することも好ましい。加温の際の混合物の温度としては、例えば、約60℃〜約100℃、好ましくは約70℃〜約100℃、より好ましくは約80℃〜約95℃を挙げることができる。加温を長時間継続すると、両ゲル化剤が徐々に劣化するため、溶解した時点、例えば30分間以内に、続く工程(2)に移行することが望ましい。
工程(2)において、多価金属イオンの水溶液および非水溶性液状成分を、同時にまたは続けて、上記工程(1)で得られた溶液に撹拌しながら、添加する。多価金属イオンの水溶液および非水溶性液状成分は、同時に添加しても、時期をずらして続けて添加しても良い。添加する際の温度としては、工程(1)の混合物の温度のままでも良いが、変更することもでき、例えば、約50℃〜約90℃、好ましくは約55℃〜約80℃、より好ましくは約60℃〜約70℃を挙げることができる。なお、非水溶性液状成分が揮発性であるか、分解し易い場合には、温度をより低く設定することが望ましい。添加が終了した後、非水溶性液状成分が均一に分散し、フルイドゲルが生成していることを確認する。その後、続く工程(3)に移行する。
工程(3)において、必要に応じて、工程(2)で得られた混合物を所定の容器に充填して、その後、冷却する。充填する際、混合物は、全体のゲル化が起こらない程度に高い温度に保っておく必要があり、例えば、約45℃〜約80℃、好ましくは約45℃〜約70℃、より好ましくは約50℃〜約60℃を挙げることができる。その後、冷却する温度としては、第2ゲル化剤がゲル化する温度にする必要があり、例えば約0℃〜約50℃が挙げられ、好ましくは約10℃〜約30℃が挙げられる。
なお、工程(1)〜工程(3)は、ゲル状組成物が製造できる範囲で、任意に順序等を変更することができる。また、最終製品のゲル状組成物が酸性である場合は、工程(1)で、第1ゲル化剤、第2ゲル化剤および水に加えて、多価金属イオンおよびクエン酸ナトリウム等のキレート効果のある成分を添加しておき、その後、工程(2)で、酸を添加して混合物のpHを酸性にすることでキレートから多価金属イオンをフリー化させて、第1ゲル化剤をフルイドゲル化することもできる。
本発明のゲル状組成物は、例えば、芳香剤、消臭剤、殺虫剤、防虫剤、食品、化粧品、医薬部外品等、その性質が応用できるいかなる製品にも用いることができる。
以下、本発明を参考例および実施例によって詳細に説明する。なお、これらの実施例は本発明の説明のためにのみ与えられており、何ら本発明を限定するものではない。
実施例1〜8、比較例1および2
表1および2に記載の種々成分を、表1および2に記載の量、用いてゲル状組成物を調製した。
Figure 0006133557
Figure 0006133557
また、表1および2に記載の種々成分として、それぞれ以下の製品を用いた。
アルギン酸ナトリウム:ニッタアルギン(新田ゼラチン製)
LMペクチン :ペクチンP−62(新田ゼラチン製)
カラギーナン :ニッタカラギーナンK−18(新田ゼラチン製)
キサンタンガム :VS−900(新田ゼラチン製)
ローカストビーンガム:VS−400(新田ゼラチン製)
寒天 :AG−7(新田ゼラチン製)
グァーガム :VS−200(新田ゼラチン製)
界面活性剤 :N−2308Y(日本乳化剤製)
界面活性剤 :ノイゲンXL−100(第一工業製薬製)
香料 :FLORAL ROSE(大鹿香料製)
実施例1〜8、比較例1および2は、具体的には以下のようにして調製した。ただし、表1または2に成分の記載がない場合は当該成分を添加しなかった。
第1ゲル化剤、第2ゲル化剤、防腐剤、プロピレングリコール、および必要に応じて、その他のゲル化剤、ゲル化助剤等を反応容器に計り取り、イオン交換水に加えた。均一分散させて、反応容器を95℃の温浴中で撹拌しながら、85℃まで昇温させて、溶解させた。得られた溶液を65℃に冷却し、乳酸カルシウム水溶液を撹拌しながら添加して、マイクロゲルを調製した。得られたマイクロゲルに、香料および(比較例では)界面活性剤を撹拌しながら添加して、その後容器に充填した。容器を常温で静置し、全体をゲル化させた。
試験例1(芳香性試験)
実施例1〜8、比較例1および2で調製したゲル状芳香剤を、時間の経過と共に10段階(香りの質、強さ)で10人のパネラーに評価してもらい、その平均点を算出した。その結果を表3に記載し、また図1に表わした。
Figure 0006133557
この結果から、製造直後は、実施例1〜8と比較例1、2との間で芳香性に大きな差は無いが、製造後2週間を過ぎると、実施例1〜8に比べて比較例1および2は評価が有意に劣り始めて、製造後4週間経過すると、実施例1〜8に比べて比較例1および2は香りの質・強さに大きな差が認められている。このことは、ゲル状組成物中の水および香料成分が製造後時間の経過と共に、揮発するに従って、界面活性剤の濃度が相対的に多くなっていく為に、芳香性がマスキングされ阻害されたためと考えられる。
試験例2(重量変化試験)
実施例1〜8、比較例1および2で調製したゲル状芳香剤を、室内で常温(約15℃〜約20℃)下放置して、時間の経過と共にその重量変化(g)を求めた。その結果を表4に記載し、また製造後2週間から製造後4週間の結果を図2に表わした
Figure 0006133557
この結果から、製造後2〜4週間は、実施例1〜8と比較例1、2との間で重量変化に大きな差は無いが、製造後4週間を過ぎると、実施例1〜8に比べて比較例1および2は重量変化が少なく、製造後8週間経過すると、実施例1〜8に比べて比較例1および2は重量変化に大きな差が認められた。
本発明によって、芳香成分、消臭成分等の非水溶性液状成分を内部に均一な状態で溶解または分散保持させた、界面活性剤を全くまたは多量には用いないゲル状組成物が提供され、また操作性が優れたゲル状組成物の製造方法が提供される。

Claims (8)

  1. 多価金属イオンと反応してフルイドゲルを形成する第1ゲル化剤、
    冷時にゲル化する第2ゲル化剤、
    多価金属イオン、
    非水溶性液状成分、および
    水を、少なくとも含有するゲル状組成物であって、
    前記ゲル状組成物は、前記第2ゲル化剤によって全体がゲル状態であり、その内部に前記フルイドゲルの状態の前記第1ゲル化剤が存在し、かつ前記非水溶性液状成分が分散保持されている、ゲル状組成物。
  2. 第1ゲル化剤がLMペクチンまたはアルギン酸類である、請求項1記載のゲル状組成物。
  3. 冷時にゲル化する第2ゲル化剤が、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、タマリンドシードガム、デンプン、キサンタンガムとガラクトマンナン類(ローカストビーンガム、グルコマンナン、カシアガム、タラガム等)との反応物、およびこれらの混合物から選択される、請求項1または2記載のゲル状組成物。
  4. さらに、その他のゲル化剤、増粘剤、糊料、分散安定剤、ゲル化助剤、親水性溶媒および/または界面活性剤を含有する、請求項1〜3のいずれか記載のゲル状組成物。
  5. (1)多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤、冷時にゲル化する第2ゲル化剤、および水を、混合し、加温して溶解させる工程、
    (2)多価金属イオンの水溶液および非水溶性液状成分を、同時にまたは続けて、工程(1)で得られた溶液に撹拌しながら、添加し、前記第1ゲル化剤をゲル化する工程、ならびに
    (3)工程(2)で得られた混合物を、冷却し、前記第2ゲル化剤をゲル化する工程
    からなる、ゲル状組成物の製造方法。
  6. 第1ゲル化剤がLMペクチンまたはアルギン酸類である、請求項5記載の製造方法。
  7. 冷時にゲル化する第2ゲル化剤が、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、タマリンドシードガム、デンプン、キサンタンガムとガラクトマンナン類(ローカストビーンガム、グルコマンナン、カシアガム、タラガム等)との反応物、およびこれらの混合物から選択される、請求項5または6記載の製造方法。
  8. 工程(1)において、さらに、その他のゲル化剤、増粘剤、糊料、分散安定剤、ゲル化助剤、親水性溶媒および/または界面活性剤を添加する、請求項5〜7のいずれか記載の製造方法。
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