JP6133557B2 - ゲル状組成物 - Google Patents
ゲル状組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6133557B2 JP6133557B2 JP2012161259A JP2012161259A JP6133557B2 JP 6133557 B2 JP6133557 B2 JP 6133557B2 JP 2012161259 A JP2012161259 A JP 2012161259A JP 2012161259 A JP2012161259 A JP 2012161259A JP 6133557 B2 JP6133557 B2 JP 6133557B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gelling agent
- gel
- gum
- gels
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
- Colloid Chemistry (AREA)
- Catching Or Destruction (AREA)
- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
Description
そこで、多量の界面活性剤を用いずに非水溶性液状成分を分散させるゲル状組成物について検討がなされている。特許文献4および5には、ジェランガムとキサンタンガムの組合せ、またはカラギーナンとネイティブジェランガムの組合せを用いて、芳香成分、消臭成分または粒状物を分散させたゲル状組成物が開示されている。しかし、これらの技術は、ゲル化、増粘が始まる温度が高く、製造において厳密な温度管理が要求され、ハンドリングが煩雑である。
他方、使い始めから使い終わりまで一定して有効な芳香消臭効果等を発揮させるためには、芳香成分、消臭成分等を内部に均一な状態で溶解または分散保持させることが必要であるが、多量の界面活性剤を用いない場合には、ゲル状組成物の製造の際、固化(ゲル化)するまで一定の時間を必要とするため、その間に分散した芳香成分、消臭成分等が凝集、分離して底部または上部に分離浮遊し、その均一性が損なわれるという問題がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、芳香成分、消臭成分等を内部に均一な状態で溶解または分散保持させた、界面活性剤を全くまたは多量には用いないゲル状組成物を提供することであり、また、操作性が優れたゲル状組成物の製造方法を提供することである。
[1] 多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤、
冷時にゲル化する第2ゲル化剤、
多価金属イオン、
非水溶性液状成分、および
水を、少なくとも含有するゲル状組成物。
[2] 第1ゲル化剤がLMペクチンまたはアルギン酸類である、[1]記載のゲル状組成物。
[3] 冷時にゲル化する第2ゲル化剤が、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、タマリンドシードガム、デンプン、キサンタンガムとガラクトマンナン類(ローカストビーンガム、グルコマンナン、カシアガム、タラガム等)との反応物、およびこれらの混合物から選択される、[1]または[2]記載のゲル状組成物。
[4] さらに、その他のゲル化剤、増粘剤、糊料、分散安定剤、ゲル化助剤、親水性溶媒および/または界面活性剤を含有する、[1]〜[3]のいずれか記載のゲル状組成物。
(2)多価金属イオンの水溶液および非水溶性液状成分を、同時にまたは続けて、工程(1)で得られた溶液に撹拌しながら、添加する工程、ならびに
(3)工程(2)で得られた混合物を、冷却する工程
からなる、ゲル状組成物の製造方法。
[6] 第1ゲル化剤がLMペクチンまたはアルギン酸類である、[5]記載の製造方法。
[7] 冷時にゲル化する第2ゲル化剤が、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、タマリンドシードガム、デンプン、キサンタンガムとガラクトマンナン類(ローカストビーンガム、グルコマンナン、カシアガム、タラガム等)との反応物、およびこれらの混合物から選択される、[5]または[6]記載の製造方法。
[8] 工程(1)において、さらに、その他のゲル化剤、増粘剤、糊料、分散安定剤、ゲル化助剤、親水性溶媒および/または界面活性剤を添加する、[5]〜[7]のいずれか記載の製造方法。
[9] [5]〜[8]のいずれか記載の製造方法で製造されたゲル状組成物。
本発明のゲル状組成物の製造方法において、LMペクチン、アルギン酸類等の第1ゲル化剤が多価金属イオンと反応して形成するゲルは、フルイドゲル(マイクロゲル)の状態にある。非水溶性液状成分はマイクロゲルの存在によって均一に安定して分散しており、凝集が生じにくく、他方、撹拌などを行えば、安易に流動性の良好な液状になり、製造上の操作性が優れている。
さらに、本発明のゲル状組成物の製造方法では、2種類のゲル化剤を当初から混合して溶液にしているため、余分な混合操作および混合設備が必要ではなく、必要最低限の加熱タンク、充填機などの簡単な設備があれば十分であり、製造上の操作性が極めて優れている。
「多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤」としては、多価金属イオンと反応してゲル化するものであれば、いかなるものも用いることができる。かかる第1ゲル化剤は、通常、複数のカルボキシル基を有しており、そのカルボキシル基が多価金属イオンとイオン架橋を形成して、例えば卵箱モデルの状態を形作ってゲル化する。具体的には、例えば、LMペクチン、アルギン酸類(アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム等)等が挙げられ、好ましくはLMペクチン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。なお、多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤は、1種類だけではなく、異なる2種類以上を用いても良い。「多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤」の使用量としては、ゲル状組成物に対して約0.01重量%〜約5重量%が挙げられ、好ましくは約0.02重量%〜約2重量%が挙げられ、より好ましくは約0.05重量%〜約1重量%が挙げられる。
多価金属イオンは、通常、水溶液の状態で添加される。水溶液中の多価金属イオンの濃度としては、滴下された部分での極端に高い局所濃度による急激なゲル化を避けるために、低い濃度とすることが好ましい。水溶液中の多価金属イオンの濃度としては、例えば、約0.01重量%〜約10重量%が挙げられ、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%が挙げられる。
(1)多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤、冷時にゲル化する第2ゲル化剤、および水を、混合し、加温して溶解させる工程、
(2)多価金属イオンの水溶液および非水溶性液状成分を、同時にまたは続けて、上記工程(1)で得られた溶液に撹拌しながら、添加する工程、ならびに
(3)(2)で得られた混合物を、冷却する工程
からなる、ゲル状組成物の製造方法を用いることで、製造することができる。ここで、本製造方法で用いる成分は、例えば、前記の重量比の量で用いることができる。工程(1)で用いる水は、各成分の前記重量比の量の残りの部分の量を占めるため、相対的には多量に用いることになる。
表1および2に記載の種々成分を、表1および2に記載の量、用いてゲル状組成物を調製した。
アルギン酸ナトリウム:ニッタアルギン(新田ゼラチン製)
LMペクチン :ペクチンP−62(新田ゼラチン製)
カラギーナン :ニッタカラギーナンK−18(新田ゼラチン製)
キサンタンガム :VS−900(新田ゼラチン製)
ローカストビーンガム:VS−400(新田ゼラチン製)
寒天 :AG−7(新田ゼラチン製)
グァーガム :VS−200(新田ゼラチン製)
界面活性剤 :N−2308Y(日本乳化剤製)
界面活性剤 :ノイゲンXL−100(第一工業製薬製)
香料 :FLORAL ROSE(大鹿香料製)
第1ゲル化剤、第2ゲル化剤、防腐剤、プロピレングリコール、および必要に応じて、その他のゲル化剤、ゲル化助剤等を反応容器に計り取り、イオン交換水に加えた。均一分散させて、反応容器を95℃の温浴中で撹拌しながら、85℃まで昇温させて、溶解させた。得られた溶液を65℃に冷却し、乳酸カルシウム水溶液を撹拌しながら添加して、マイクロゲルを調製した。得られたマイクロゲルに、香料および(比較例では)界面活性剤を撹拌しながら添加して、その後容器に充填した。容器を常温で静置し、全体をゲル化させた。
実施例1〜8、比較例1および2で調製したゲル状芳香剤を、時間の経過と共に10段階(香りの質、強さ)で10人のパネラーに評価してもらい、その平均点を算出した。その結果を表3に記載し、また図1に表わした。
実施例1〜8、比較例1および2で調製したゲル状芳香剤を、室内で常温(約15℃〜約20℃)下放置して、時間の経過と共にその重量変化(g)を求めた。その結果を表4に記載し、また製造後2週間から製造後4週間の結果を図2に表わした
Claims (8)
- 多価金属イオンと反応してフルイドゲルを形成する第1ゲル化剤、
冷時にゲル化する第2ゲル化剤、
多価金属イオン、
非水溶性液状成分、および
水を、少なくとも含有するゲル状組成物であって、
前記ゲル状組成物は、前記第2ゲル化剤によって全体がゲル状態であり、その内部に前記フルイドゲルの状態の前記第1ゲル化剤が存在し、かつ前記非水溶性液状成分が分散保持されている、ゲル状組成物。 - 第1ゲル化剤がLMペクチンまたはアルギン酸類である、請求項1記載のゲル状組成物。
- 冷時にゲル化する第2ゲル化剤が、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、タマリンドシードガム、デンプン、キサンタンガムとガラクトマンナン類(ローカストビーンガム、グルコマンナン、カシアガム、タラガム等)との反応物、およびこれらの混合物から選択される、請求項1または2記載のゲル状組成物。
- さらに、その他のゲル化剤、増粘剤、糊料、分散安定剤、ゲル化助剤、親水性溶媒および/または界面活性剤を含有する、請求項1〜3のいずれか記載のゲル状組成物。
- (1)多価金属イオンと反応してゲル化する第1ゲル化剤、冷時にゲル化する第2ゲル化剤、および水を、混合し、加温して溶解させる工程、
(2)多価金属イオンの水溶液および非水溶性液状成分を、同時にまたは続けて、工程(1)で得られた溶液に撹拌しながら、添加し、前記第1ゲル化剤をゲル化する工程、ならびに
(3)工程(2)で得られた混合物を、冷却し、前記第2ゲル化剤をゲル化する工程
からなる、ゲル状組成物の製造方法。 - 第1ゲル化剤がLMペクチンまたはアルギン酸類である、請求項5記載の製造方法。
- 冷時にゲル化する第2ゲル化剤が、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ゼラチン、カードラン、タマリンドシードガム、デンプン、キサンタンガムとガラクトマンナン類(ローカストビーンガム、グルコマンナン、カシアガム、タラガム等)との反応物、およびこれらの混合物から選択される、請求項5または6記載の製造方法。
- 工程(1)において、さらに、その他のゲル化剤、増粘剤、糊料、分散安定剤、ゲル化助剤、親水性溶媒および/または界面活性剤を添加する、請求項5〜7のいずれか記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012161259A JP6133557B2 (ja) | 2012-07-20 | 2012-07-20 | ゲル状組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012161259A JP6133557B2 (ja) | 2012-07-20 | 2012-07-20 | ゲル状組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014019818A JP2014019818A (ja) | 2014-02-03 |
JP6133557B2 true JP6133557B2 (ja) | 2017-05-24 |
Family
ID=50195091
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012161259A Active JP6133557B2 (ja) | 2012-07-20 | 2012-07-20 | ゲル状組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6133557B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018084295A (ja) * | 2016-11-24 | 2018-05-31 | 株式会社ユーテック | 水圧駆動システム |
JP2018090709A (ja) * | 2016-12-05 | 2018-06-14 | エステー株式会社 | 貼付用ゲル状薬剤含有体およびその製造方法 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5332134A (en) * | 1976-09-04 | 1978-03-27 | Katsuraya Fine Goods | Aromatic compound and its preparation method |
JPS5814183B2 (ja) * | 1978-08-31 | 1983-03-17 | キユーピー株式会社 | 球状食品の製造方法 |
JP3801277B2 (ja) * | 1996-09-30 | 2006-07-26 | 雪印乳業株式会社 | ゼリー食品の製造方法 |
GB0115761D0 (en) * | 2001-06-28 | 2001-08-22 | Quest Int | Capsules |
RU2302749C2 (ru) * | 2001-12-20 | 2007-07-20 | Сосьете Де Продюи Нестле С.А. | Пищевой или кормовой продукт, содержащий гелеобразные капсулы или таблетки |
JP2004298061A (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-28 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | ゲル状の水中油型乳化組成物およびその製造方法 |
JP5320091B2 (ja) * | 2009-02-02 | 2013-10-23 | 大蔵製薬株式会社 | 医薬成分が長期安定化された経口投与医薬ゼリー製剤 |
-
2012
- 2012-07-20 JP JP2012161259A patent/JP6133557B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014019818A (ja) | 2014-02-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN106729870A (zh) | 一种含有茶多酚的空气净化剂及其制备方法 | |
CN110236070A (zh) | 一种纯精油抗菌乳液、制备方法及其应用 | |
JP6133557B2 (ja) | ゲル状組成物 | |
US20130157922A1 (en) | Water-based gel with low syneresis | |
JP5183984B2 (ja) | 浴用剤 | |
JP5307362B2 (ja) | 透明ゲル状組成物及び透明ゲル状薬剤の製造方法 | |
JP6585360B2 (ja) | アルコール系ゲル組成物およびその製造法 | |
CN106178045A (zh) | 精油空气净化剂 | |
JP5670660B2 (ja) | 浴用剤組成物 | |
JPH0517338A (ja) | 浴用剤組成物 | |
JP6017120B2 (ja) | 固形揮散製剤およびこれに用いる組成物 | |
JP2005073926A (ja) | ゲル化組成物 | |
JP6328739B2 (ja) | 加熱蒸散剤 | |
KR20180036976A (ko) | 셀룰로오스, 헤미셀룰로오스, 리그닌을 포함하는 방향제 겔 | |
JP3699038B2 (ja) | 水性ゲル組成物 | |
JP2002291859A (ja) | ゲル状組成物 | |
JP2014530032A (ja) | 低溶解性固体酸性ゲル及びその製造方法 | |
WO2017034745A1 (en) | Aqueous-based gels, free-standing air fresheners, and method for manufacturing aqueous-based gels | |
JP2017025183A (ja) | ゲル状組成物 | |
JP2009001526A (ja) | ゲル状薬剤及びその製造方法 | |
JP2009160526A (ja) | ゲル製品の製造方法 | |
JPH0226982B2 (ja) | ||
JP2005194419A (ja) | 香料カプセルおよびそれを含有する入浴剤 | |
JP7204660B2 (ja) | 水系ゲル状組成物 | |
JP2008194446A (ja) | 噴霧用消臭・芳香剤及びその製造方法ならびに噴霧式消臭・芳香器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120924 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150401 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160315 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160509 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160927 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161117 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20170125 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20170125 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170328 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170420 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6133557 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |