JP6133298B2 - 流体取扱装置および流体取扱方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体試料の分析や処理などに用いられる流体取扱装置および流体取扱方法に関する。
近年、タンパク質や核酸などの微量な物質の分析を高精度かつ高速に行うために、マイクロ流路チップが使用されている。マイクロ流路チップは、試薬および試料の量が少なくてよいという利点を有しており、臨床検査や食物検査、環境検査などの様々な用途での使用が期待されている。
マイクロ流路チップを用いた処理を自動化するために、マイクロ流路チップ内にバルブ構造を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、流体の流路の出入口をフィルムで開閉するダイヤフラム弁構造のマイクロバルブを有するマイクロ流路チップが開示されている。このマイクロ流路チップでは、流体の流路とその壁に開口する流体の出入口とこれらを覆うフィルムとを有する第1のチップと、第1のチップの流体の出入口に向けてフィルムを押し出すアクチュエータを含む第2のチップとが形成されている。第1のチップは第2のチップと分離可能である。前記アクチュエータは、エア供給装置やピエゾ素子である。前記アクチュエータが前記フィルムを前記流体の出入口に向けて押し出すことによって前記流体の出入口が閉じる。前記アクチュエータの押し出しを解除することで前記流体の出入口が開く。このような前記流体の出入口の開閉によって、前記流路内の流体の流れを制御することができる。
特開2002−228033号公報
しかしながら、特許文献1に記載のマイクロ流路チップには、マイクロ流路チップを用いる検査装置が大きいという問題がある。すなわち、特許文献1に記載の技術では、前記検査装置は、前記アクチュエータまたはそれを駆動させるための装置を含む必要がある。このため、前記検査装置のさらなる小型化や簡素化が困難である。
本発明の目的は、外部からの機械的な力を要さずに流体を取り扱うことができる流体取扱装置、および前記流体取扱装置を用いた流体取扱方法を提供することである。
本発明の流体取扱装置は、第1の溝を一方の面に有する第1の基板と、前記第1の基板の前記一方の面に貼り付けられた第1のフィルムと、前記第1のフィルムおよび前記第1の溝から構成される流体流路内に配置される隔壁と、を有する第1のチップと、第2の溝および前記第2の溝に連通する凹部を一方の面に有する第2の基板と、前記第2の基板の前記一方の面に貼り付けられた第2のフィルムと、前記第2のフィルムおよび前記第2の溝から構成される液体流路の長手方向に電圧を印加することが可能な少なくとも一対の領域と、を有する第2のチップと、を含み、前記第1のチップおよび前記第2のチップは、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムを介して前記隔壁と前記凹部とが向かい合うように積層され、前記液体流路内の対となっている前記領域間の液体に電圧を印加したとき、電気浸透流により前記凹部へ流入する前記液体によって、前記凹部を覆う前記第2のフィルムおよびそれに対向する前記第1のフィルムが前記隔壁に向けて押し出され、前記第1のフィルムが前記隔壁と接触して前記流体流路が閉じられる。
本発明の他の流体取扱装置は、第1の溝を一方の面に有する第1の基板と、前記第1の基板の前記一方の面に貼り付けられた樹脂からなる第1のフィルムと、前記第1のフィルムおよび前記第1の溝から構成される流体流路内に配置される隔壁と、を有する第1のチップと、第2の溝および前記第2の溝に連通する凹部を一方の面に有する第2の基板と、前記第2の基板の前記一方の面に貼り付けられたエラストマーからなる第2のフィルムと、前記第2のフィルムおよび前記第2の溝から構成される液体流路の長手方向に電圧を印加することが可能な少なくとも一対の領域と、を有する第2のチップと、を含み、前記第1のチップおよび前記第2のチップは、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムを介して前記隔壁と前記凹部とが向かい合うように積層され、前記液体流路内の対となっている前記領域間の液体に電圧を印加したとき、電気浸透流により前記凹部から前記液体が流出して前記凹部内が陰圧になることによって、前記凹部を覆う前記第2のフィルムが前記凹部内に引き込まれるとともに、前記第1のフィルムが前記凹部に向けて湾曲して、前記第1のフィルムと前記隔壁との間に隙間が生じて前記流体流路が開かれる。
本発明の流体取扱方法は、上記の流体取扱装置を使用して流体を取り扱う方法であって、前記流体流路内に流体を導入するステップと、前記液体流路内の前記少なくとも一対の領域間の液体に電圧を印加し、電気浸透流によって前記液体を前記凹部に流入させるステップと、を含み、前記凹部に流入する前記液体によって、前記凹部を覆う前記第2のフィルムおよびそれに対向する前記第1のフィルムが前記隔壁に向けて押し出され、前記第1のフィルムが前記隔壁と接触することによって前記流体流路が閉じられる。
本発明の他の流体取扱方法は、上記の流体取扱装置を使用して流体を取り扱う方法であって、前記流体流路内に流体を導入するステップと、前記液体流路内の前記少なくとも一対の領域間の液体に電圧を印加し、電気浸透流によって前記液体を前記凹部から流出させて前記凹部内を陰圧にするステップと、を含み、前記凹部内が陰圧になることによって、前記凹部を覆う前記第2のフィルムが前記凹部内に引き込まれるとともに、前記第1のフィルムが前記凹部に向けて湾曲して、前記第1のフィルムと前記隔壁との間に隙間が生じて前記流体流路が開かれる。
本発明によれば、外部からの機械的な力を要さずに流体を取り扱うことができる流体取扱装置、および前記流体取扱装置を用いた流体取扱方法を提供することができる。
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流路チップの平面図であり、図1Bは、図1Aに示されるB−B線の断面図であり、図1Cは、図1Aに示されるC−C線の断面図である。 図2Aは、第1の基板の平面図であり、図2Bは、図2Aに示されるB−B線の断面図であり、図2Cは、図2Aに示されるC−C線の断面図である。 図3Aは、第2の基板の平面図であり、図3Bは、図3Aに示されるB−B線の断面図であり、図3Cは、図3Aに示されるC−C線の断面図である。 図4Aは、第1のフィルムの平面図であり、図4Bは、図4Aに示されるB−B線の断面図であり、図4Cは、図4Aに示されるC−C線の断面図である。 図5Aは、第2のフィルムの平面図であり、図5Bは、図5Aに示されるB−B線の断面図であり、図5Cは、図5Aに示されるC−C線の断面図である。 図6Aは、図1Cの領域Eを拡大して示す図であり、図6Bは、図1Bの領域Dを拡大して示す図である。 図7Aおよび図7Bは、マイクロ流路チップの使用態様を説明するためのマイクロ流路チップの部分拡大断面図である。 図8Aおよび図8Bは、マイクロ流路チップの使用態様を説明するためのマイクロ流路チップの部分拡大断面図である。 図9Aは、第2の実施形態に係るマイクロ流路チップの平面図であり、図9Bは、図9Aに示されるB−B線の断面図であり、図9Cは、図9Aに示されるC−C線の断面図である。 図10Aは、第3の実施形態に係るマイクロ流路チップの平面図であり、図10Bは、図10Aに示されるB−B線の断面図であり、図10Cは、図10Aに示されるC−C線の断面図である。 図11Aは、第4の実施形態に係るマイクロ流路チップの平面図であり、図11Bは、図11Aに示されるB−B線の断面図であり、図11Cは、図11Aに示されるC−C線の断面図である。 図12Aは、第5の実施形態に係るマイクロ流路チップの平面図であり、図12Bは、図12Aに示されるB−B線の断面図であり、図12Cは、図12Aに示されるC−C線の断面図であり、図12Dは、図12Aに示されるD−D線の断面図である。 図13Aは、第6の実施形態に係るマイクロ流路チップの平面図であり、図13Bは、図13Aに示されるB−B線の断面図である。 第6の実施形態に係るマイクロ流路チップのポンプとしての使用態様を説明するための断面図である。 図15Aは、第7の実施形態に係るマイクロ流路チップの平面図であり、図15Bは、図15Aに示されるB−B線の断面図であり、図15Cは、図15Aに示されるC−C線の断面図であり、図15Dは、図15Aに示されるD−D線の断面図である。 図16Aは、第8の実施形態に係るマイクロ流路チップの平面図であり、図16Bは、図16Aに示されるB−B線の断面図であり、図16Cは、図16Aに示されるC−C線の断面図であり、図16Dは、図16Aに示されるD−D線の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本発明の流体取扱装置の代表例として、マイクロ流路チップについて説明する。
[マイクロ流路チップ100の構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係るマイクロ流路チップ100の構成を示す図である。図1Aは、マイクロ流路チップ100の平面図であり、図1Bは、図1Aに示されるB−B線の断面図であり、図1Cは、図1Aに示されるC−C線の断面図である。
図1A〜図1Cに示されるように、マイクロ流路チップ100は、第1のチップ110と、第2のチップ120とを有する。第1のチップ110と第2のチップ120は重なっている。このとき、第1のフィルム112と第2のフィルム122とは対向している。また、第1のチップ110の隔壁116と第2のチップ120の圧力室129とは、第1のフィルム112および第2のフィルム122を介して向かい合っている。
第1のチップ110は、試薬や液体試料などの流体を流すためのチップである。第1のフィルム112は、第1のチップ110における流体の流れを制御するマイクロバルブのダイヤフラム(弁体)として機能する。
第2のチップ120は、前記マイクロバルブのアクチュエータとして機能する。第2のチップ120は、アクチュエータとして機能するのであれば、第1のチップ110に接していてもよいし、第1のチップ110と離れていてもよい。
(第1のチップ)
第1のチップ110は、第1の基板111、第1のフィルム112、第1の流路113、第2の流路114、第1の流体導入口115、隔壁116、流体取出口117およびダイヤフラム部141を有する。第1のフィルム112は、第1の基板111の一方の表面に貼り付けられている。
第1の流路113および第2の流路114は、流体流路を構成する。隔壁116およびダイヤフラム部141は、マイクロバルブの開放時には第1の流路113と第2の流路114とを連通する。このとき、第1の流体導入口115から導入された流体は、流体取出口117まで流れることができる。前記流体は、例えば試薬や液体試料などである。
第1の流路113および第2の流路114の断面積および断面形状は、特に限定されない。たとえば、第1の流路113および第2の流路114は、毛管現象により流体が移動可能な流路である。この場合、第1の流路113および第2の流路114の断面形状は、例えば一辺の長さ(幅および深さ)が数十μm程度の略矩形である。なお、本明細書において、「流路の断面」とは、流体が流れる方向に直交する流路の断面を意味する。
第1の流体導入口115は、第1の流路113の一端に配置されている。流体取出口117は、第2の流路114の一端に配置されている。第1の流体導入口115および流体取出口117の形状は、特に限定されないが、例えば略円柱状である。第1の流体導入口115および流体取出口117の直径は、特に限定されないが、例えば2mm程度である。
隔壁116は、第1の流路113と第2の流路114との間にある壁である。後述するように、隔壁116は、マイクロバルブの弁座として機能する。平面視したときの隔壁116の形状は、例えば矩形である。隔壁116の平面視形状や大きさは、マイクロバルブの弁座として機能する範囲で決めることができる。
(第2のチップ)
第2のチップ120は、第2の基板121、第2のフィルム122、第3の流路123、第4の流路124、第2の流体導入口125、第3の流体導入口126、第1の多孔質部127、第2の多孔質部128、圧力室129、第1の電極131、第2の電極132、第3の電極133、第4の電極134およびダイヤフラム部142を有する。第2のフィルム122は、第2の基板121の一方の表面に貼り付けられている。第3の流路123、第4の流路124、第1の多孔質部127および第2の多孔質部128は、液体流路を構成している。
第3の流路123および第4の流路124は、液体を収容する流路である。第3の流路123および第4の流路124は、例えば毛管現象により流体が移動可能な流路である。第3の流路123および第4の流路124の断面積および断面形状は、特に限定されない。たとえば、第3の流路123および第4の流路124の断面形状は、例えば一辺の長さ(幅および深さ)が数十μm程度の略矩形である。
第3の流路123は、一端で第2の流体導入口125に連通している。第4の流路124は、一端で第3の流体導入口126に連通している。第2の流体導入口125および第3の流体導入口126の形状は、特に限定されないが、例えば略円柱状である。第2の流体導入口125および第3の流体導入口126の直径は、特に限定されないが、例えば2mm程度である。
第1の多孔質部127は第3の流路123の一部を構成しており、第2の多孔質部128は第4の流路124の一部を構成している。第1の多孔質部127および第2の多孔質部128は、互いに連通する複数の空隙による微細な多数の流路を含んでいる。第1の多孔質部127および第2の多孔質部128の形状は、特に限定されないが、例えば四角柱形状である。第1の多孔質部127および第2の多孔質部128の大きさは、特に限定されないが、例えば2mm×2mm×1mm程度である。
圧力室129は、第3の流路123および第4の流路124に連通している。第3の流路123は、第2の流体導入口125とは反対側の端で圧力室129に連通し、第4の流路124は、第3の流体導入口126とは反対側の端で圧力室129と連通している。圧力室129は、後述する第2のフィルム122のダイヤフラム部(非接合部)142を収容可能な大きさを有する。圧力室129の形状は、特に限定されないが、例えば略円柱状である。圧力室129の直径は、特に限定されないが、例えば1mm程度である。圧力室129の深さは、特に限定されないが、例えば第3の流路123および第4の流路124の深さと同じである。
(第1の基板)
図2は、第1の基板111の構成を示す図である。図2Aは、第1の基板111の平面図であり、図2Bは、図2Aに示されるB−B線の断面図であり、図2Cは、図2Aに示されるC−C線の断面図である。
第1の基板111は、透明な略矩形の樹脂基板である。第1の基板111の厚さは、特に限定されないが、例えば1mm〜10mmである。第1の基板111を構成する樹脂の種類は、特に限定されず、公知の樹脂から適宜選択されうる。第1の基板111を構成する樹脂の例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、塩化ビニール、ポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、ガラス、シリコーン樹脂、エラストマーなどが含まれる。
図2A〜図2Cに示されるように、第1の基板111は、第1の溝113a、第2の溝114a、第1の貫通孔115aおよび第2の貫通孔117aを有する。第1の溝113aは、第1の貫通孔115aに連通している。第2の溝114aは、第2の貫通孔117aに連通している。第1の溝113aと第2の溝114aとの間に隔壁116が形成されている。
第1の溝113aの開口部および第2の溝114aの開口部が第1のフィルム112で塞がれることによって、第1の流路113および第2の流路114が構成される。第1の貫通孔115aの一方の開口部および第2の貫通孔117aの一方の開口部が第1のフィルム112で塞がれることによって、第1の流体導入口115および流体取出口117が構成される(図1C参照)。
(第2の基板)
図3は、第2の基板121の構成を示す図である。図3Aは、第2の基板121の平面図であり、図3Bは、図3Aに示されるB−B線の断面図であり、図3Cは、図3Aに示されるC−C線の断面図である。
第2の基板121は、透明な略矩形の樹脂基板である。第2の基板121の厚さは、特に限定されないが、例えば1mm〜10mmである。第2の基板121を構成する樹脂の種類は、特に限定されず、公知の樹脂から適宜選択されうる。第2の基板121を構成する樹脂の例は、第1の基板111を構成する樹脂の例と同じである。
図3A〜図3Cに示されるように、第2の基板121は、第3の溝123a、第4の溝123b、第5の溝124a、第6の溝124b、第3の貫通孔125a、第4の貫通孔126a、第1の凹部129a、第2の凹部127aおよび第3の凹部128aを有する。第1の凹部129aの平面形状は、例えば円形である。第2の凹部127aおよび第3の凹部128aの平面形状は、例えば矩形である。
第3の溝123aは、一端で第3の貫通孔125aに連通し、他端で第2の凹部127aと連通している。第4の溝123bは、一端で第2の凹部127aと連通し、他端で第1の凹部129aと連通している。第5の溝124aは、一端で第1の凹部129aと連通し、他端で第3の凹部128aと連通している。第6の溝124bは、一端で第3の凹部128aと連通し、他端で第4の貫通孔126aと連通している。
第3の溝123aの開口部および第4の溝123bの開口部が第2のフィルム122で塞がれることによって、第3の流路123が構成される。第5の溝124aの開口部および第6の溝124bの開口部が第2のフィルム122で塞がれることによって、第4の流路124が構成される。第3の貫通孔125aの一方の開口部および第4の貫通孔126aの一方の開口部が第2のフィルム122で塞がれることによって、第2の流体導入口125および第3の流体導入口126が構成される。第1の凹部129aの開口部が第2のフィルム122で塞がれることによって、圧力室129が構成される。第2の凹部127aの開口部および第3の凹部128aの開口部が第2のフィルム122で塞がれることによって、第1の多孔質部127用のチャンバおよび第2の多孔質部128用のチャンバが構成される(図1B参照)。
第1の多孔質部127および第2の多孔質部128は、例えば前記チャンバに樹脂ビーズまたはガラスビーズを充填することによって構成されている。前記チャンバに、ビーズに代えて無機酸化物製または樹脂製の多孔質体を収容してもよい。ビーズまたは多孔質体によって構成される第1の多孔質部127および第2の多孔質部128は、互いに連通する複数の空隙で構成される微細な多数の流路を含んでいる。
ビーズの平均粒径は、例えば20μmである。樹脂ビーズの材料の例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、塩化ビニール、ポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、エラストマーなどが含まれる。無機酸化物製の多孔質体の例には、モノリシックシリカ(シリカの多孔質成形体)や無機酸化物からなる表面を有するハニカム構造体が含まれる。樹脂製の多孔質体の例には、樹脂ビーズを互いに接着してなる多孔質体が含まれる。
(第1のフィルム)
図4は、第1のフィルム112の構成を示す図である。図4Aは、第1のフィルム112の平面図であり、図4Bは、図4Aに示されるB−B線の断面図であり、図4Cは、図4Aに示されるC−C線の断面図である。
第1のフィルム112は、透明な略矩形の樹脂フィルムである。第1のフィルム112は、ダイヤフラム部141を含む。ダイヤフラム部141は、第1のフィルム112の中央部に配置される。ダイヤフラム部141は、略半球形状を有する。第1のフィルム112は、ダイヤフラム構造のマイクロバルブの弁体(ダイヤフラム)として機能する。
第1のフィルム112を構成する樹脂の種類は、第1のフィルム112が弁体(ダイヤフラム)として機能できれば特に限定されず、公知の樹脂から適宜選択されうる。第1のフィルム112を構成する樹脂の例は、第1の基板111を構成する樹脂の例と同じである。第1のフィルム112と第1の基板111との密着性を向上させる観点からは、第1のフィルム112を構成する樹脂は、第1の基板111を構成する樹脂と同一であることが好ましい。
第1のフィルム112の厚さは、第1のフィルム112が弁体(ダイヤフラム)として機能できれば特に限定されず、樹脂の種類(剛性)に応じて適宜設定されうる。たとえば、第1のフィルム112の厚さは、20μm程度である。ダイヤフラム部141は、例えば隔壁116を覆い、かつ第1のチップ110と第2のチップ120を重ねたときに圧力室129に収容される大きさを有する。
(第2のフィルム)
図5は、第2のフィルム122の構成を示す図である。図5Aは、第2のフィルム122の平面図であり、図5Bは、図5Aに示されるB−B線の断面図であり、図5Cは、図5Aに示されるC−C線の断面図である。
第2のフィルム122は、透明な略矩形の樹脂フィルムである。第2のフィルム122は、ダイヤフラム部142と、第1の電極131、第2の電極132、第3の電極133および第4の電極134の四つの電極とを有する。ダイヤフラム部142は、第2のフィルム122の中央部に配置される。ダイヤフラム部142は略半球形状を有する。第2のフィルム122は、ダイヤフラム構造のマイクロバルブの弁体(ダイヤフラム)として機能する。
第2のフィルム122を構成する樹脂の種類および第2のフィルム122の厚さは、例えば第1のフィルム122と同じである。また、ダイヤフラム部142の大きさも、ダイヤフラム部141の大きさとほぼ同じである。第2のフィルム122の樹脂材料は、エラストマー以外の樹脂であると、後述の電極をスクリーン印刷で作製できることから好ましい。また、マイクロ流路チップを安価に作製する観点からも好ましい。
第1の電極131、第2の電極132、第3の電極133および第4の電極134は、第2のフィルム122の表面のうち、ダイヤフラム部142が突き出ている側の表面に接着している。第1の電極131、第2の電極132、第3の電極133および第4の電極134は、いずれも細長い導電性の薄膜(例えば、カーボンインク層などの導電性インク層や金属薄膜など)である。これらの電極の一端は、いずれも第2のフィルム122の一方の側縁にある。
第1の電極131の他端部は、第2の流体導入口125に露出している。第2の電極132の他端部は、第3の流路123における第1の多孔質部127と圧力室129との間の位置に露出している。
第3の電極133の他端部は、第3の流体導入口126に露出している。第4の電極134の他端部は、第4の流路124における第2の多孔質部128と圧力室129との間の位置に露出している。
このように、第1の電極131、第2の電極132、第3の電極133および第4の電極134、の4つの電極は、第3の流路123の長手方向または第4の流路124の長手方向において互いに異なる位置に配置されている。すなわち、第1の電極131および第2の電極132は、第3の流路123の長手方向に電圧を印加することが可能な一対の領域(電圧印加領域)にそれぞれ配置されている。同様に、第3の電極133および第4の電極134は、第4の流路124の長手方向に電圧を印加することが可能な一対の領域(電圧印加領域)にそれぞれ配置されている。本発明において「電圧印加領域」は、流路内に限定されない。「電圧印加領域」には、前記流路の他、例えば流体導入口や圧力室が含まれる。
なお、電圧印加領域には、電極を形成しなくてもよい。たとえば、電圧印加領域が流体導入口などである場合は、マイクロ流路チップを使用する際に棒状電極を電圧印加領域に配置することでも同様の効果を得られる。
[マイクロ流路チップの作製]
第1のチップ110は、第1の基板111に第1のフィルム112を熱圧着によって接合することによって作製される。第1のフィルム112の表面のうち、窪んでいるダイヤフラム部を含む表面と、第1の基板111の前記一方の面とが接合される(図1および図6A参照)。
第2のチップ120は、例えば多孔質部の作製、第2のフィルム122の接合、流路の表面処理および液体の注入によって作製される。
多孔質部の作製では、第2の基板121の第2の凹部127aおよび第3の凹部128aに樹脂ビーズを充填する。第2の凹部127aおよび第3の凹部128aには、第1の多孔質部127および第2の多孔質部128に多数の微細な流路が形成される量の樹脂ビーズが充填される。樹脂ビーズの充填に代えて、多孔質体を前記凹部に収容することも可能である。
つぎに、第2の基板121に、4つの電極131〜134が形成されている第2のフィルム122を熱圧着によって接合する。第2のフィルム122の表面のうち、前記電極を有する表面と、第2の基板121の前記一方の面とが接合される(図1および図6B参照)。
なお、多孔質部は、第2の基板121に第2のフィルム122を接合した後でも形成することが可能である。たとえば、第2の凹部127aおよび第3の凹部128aにそれぞれ必要量の樹脂ビーズが留まるように、樹脂ビーズの粒径、第4の溝123bの深さと幅および第5の溝124aの深さと幅、ならびに第6の溝124bの深さと幅を予め調整して第2のチップ120を製作する。そして、第2の流体導入口125から樹脂ビーズと液体を導入する。そして、導入した樹脂ビーズを第2の流体導入口125へ注入した液体によって下流へ導く。第2の流体導入口125から導入された樹脂ビーズは、第2の凹部127aに収容される。より小さな粒径を有する樹脂ビーズは、さらに第3の凹部128aまで運ばれる。こうして、第2の基板121に第2のフィルム122を接着した後でも、第2の凹部127aおよび第3の凹部128aに樹脂ビーズを充填することができる。
また、第2の凹部127aおよび第3の凹部128aに充填した樹脂ビーズを、熱により接合させて多孔質体としてもよい。すなわち、第2の基板121のガラス転移温度および第2のフィルム122のガラス転移温度のうちの低い方のガラス転移温度(Tg1)よりも低いガラス転移温度(Tg2)の樹脂ビーズを予め充填しておく。そして、樹脂ビーズ充填後の第2のチップ120にTg1よりも低くTg2よりも高い温度を加える。こうして、樹脂ビーズ同士を点で接合させて多孔質体とすることもできる。
つぎに、第2のチップ120における液体の流路の表面をイオン性の表面にする。このようなイオン性の表面は、酸化ケイ素や酸化アルミニウム、酸化チタンなどからなる薄膜を液体流路の表面に作製することによって形成することができる。このような薄膜は、例えば化学気相蒸着(CVD)法や原子層体積(ALD)法などによって好適に形成することができる。たとえば、第2のチップ120を、CVD装置のチャンバにセットする。そして、チャンバ内を真空にし、チャンバに前駆体ガスとしてのSiClと触媒としてのピリジンを注入する。その後、チャンバ内のガスを排気し、チャンバ内を真空にする。そして、チャンバ内に酸化源としての水と触媒としてのピリジンを注入する。前記の操作によって、第2のチップ120における第2の流体導入口125から第3の流体導入口126までの液体の流路全域が、高速かつ低温で酸化ケイ素(SiO)で覆われる。
前記の操作以外にも、前駆体ガスとしてトリメチルアルミニウムを注入し、酸化源として水を注入することによって、流路全域を酸化アルミニウムで覆ってもよい。また、前駆体ガスとして四塩化チタン(TiCl)を注入し、酸化源として水を注入することによって、流路全域を酸化チタンで覆ってもよい。
このような薄膜形成操作によって、上記多孔質構造における微細な流路のような細部にも、酸化ケイ素などの薄膜を形成することができる。CVD法やALD法は、液体流路に少なくとも一箇所の開口部(例えば第2の液体導入口125など)が存在すれば実施することができる。よって、第2の基板121と第2のフィルム122とを貼り合わせた後に、細部を含む液体流路の表面全域にイオン性の表面を形成することが可能である。
最後に、第2のチップ120の前記流路に液体を注入する。液体は、例えば誘電率の大きな液体である。液体の例には、メタノール、エチレングリコール、低濃度バッファ溶液、それらの混合液などが含まれる。
液体の注入後、第2の流体導入口125および第3の流体導入口126をキャップやシールで塞いでもよい。また、液体の注入は、マイクロ流路チップ100の使用の直前に行ってもよい。
第1のチップ110および第2のチップ120は、第1のフィルム112(ダイヤフラム部141)および第2のフィルム122(ダイヤフラム部142)を介して隔壁116と圧力室129とが向かい合うように積層される。このとき、ダイヤフラム部141は、ダイヤフラム部142と重なる(図6参照)。こうしてマイクロ流路チップ100が作製される。
[マイクロ流路チップの使用方法]
次に、マイクロ流路チップ100の使用方法について、図7を参照して説明する。図7Aおよび図7Bは、マイクロ流路チップ100の使用態様を説明するためのマイクロ流路チップ100の部分拡大断面図である。図7Aは図1Cに対応し、図7Bは図1Bに対応している。
まず、図7Aに示されるように、第1のチップ110の流路に流体を流す。例えば、試薬や液体試料などの液体150を第1の流体導入口115に提供する。このとき、圧力室129内の圧力は高められておらず、第1のフィルム112(ダイヤフラム部141)と隔壁116との間には隙間が形成されている(バルブ開放状態)。液体150は、毛管現象または外部からの圧力により、第1の流体導入口115から、第1の流路113、隔壁116と第1のフィルム112(ダイヤフラム部141)との隙間および第2の流路114を経て、流体取出口117まで流れる。
なお、第1の流体導入口115に供給される流体は、液体である必要はなく、気体であってもよい。
第1のチップ110における前記液体の流れを止めたい場合は、第1の電極131から第4の電極134に電気を供給する。これらの電極への電気の供給は、たとえば第2の基板121を貫通するピンや、第2の基板121の側方から前記電極に向けて差し込まれるピンを介して行うことができる。
あるいは、前記電極への電気の供給は、例えば、第1の電極131から第4の電極134に接続している第1の接続用電極から第4の接続用電極を介して行うことが可能である。このような第1の接続用電極から第4の接続用電極は、第2の基板121の一方の面から第2の基板121の側面まで通じる導電性の薄膜によって形成されうる。
そして、例えば第1の電極131と第3の電極133を正極とし、第2の電極132と第4の電極134とを負極として、第3の流路123および第4の流路124に収容されている液体160に電圧を印加する。この電圧の印加によって、図7Bに示されるように、第3の流路123内および第4の流路124内に、電気浸透流が発生する。これにより、第3の流路123内および第4の流路124内に、圧力室129に向かう液体160の流れが発生する。
その結果、液体160が圧力室129に流入する。そして圧力室129内の圧力が高まる。そして圧力室129内に向けて突き出しているダイヤフラム部141,142が押される。その結果、ダイヤフラム部141,142の形状が変化し、図8Aおよび図8Bに示されるように、ダイヤフラム部141,142は、隔壁116に向けて押し出される。
このように圧力室129から押し出されたダイヤフラム部141は、隔壁116に接触する。このため、ダイヤフラム部141と隔壁116との隙間が塞がる(バルブ閉鎖状態)。このように、隔壁116は、マイクロバルブの弁座として機能する。液体150は、隔壁116と第1のフィルム112(ダイヤフラム部141)との間を進むことができなくなる。よって、液体150の流れは止まる。
第1の電極131、第2の電極132、第3の電極133、および第4の電極134からの液体160への電圧の印加を停止すると、電気浸透流も停止する。そして圧力室129内の圧力が下がると、ダイヤフラム部141と隔壁116との隙間が再び形成される。そして、図7A、図7Bに示される状態に戻る(バルブ開放状態)。こうして、第1のチップ110において液体150が再び流れる。
以上の手順により、液体150を第1の流路113から第2の流路114に流すこと、および第1の流路113から第2の流路114への液体150の流れを止めること、を任意のタイミングで行うことができる。たとえば、第1の流体導入口115内において液体150を特定の試薬と一定時間反応させた後に、第1の流体導入口115内の液体150を流体取出口117内に移動させて、流体取出口117内において液体150を別の試薬と反応させることが可能である。
[効果]
本実施の形態のマイクロ流路チップ100は、圧力室129内の液体の圧力を調整することで、第1の流路113から第2の流路114に流れる流体の流れを容易に制御することができる。この圧力室129の圧力の調整は、電極への電気の供給によって行うことができる。電極への電気の供給は、導線やピン等の線状の部材を用いて行うことができる。これらの部材は大きな設置空間を要さず、これらの部材のレイアウトの自由度も高い。また、本実施の形態のマイクロ流路チップ100は、エラストマー以外の樹脂で製造されうるため、製造コストを抑制することができる。このように、本実施の形態のマイクロ流路チップ100は、製造コストが安価である。また、本実施の形態のマイクロ流路チップ100では、外部からの機械的な力を要さずに流体を取り扱うことが可能である。よって、エア供給装置やピエゾ素子をアクチュエータに用いる場合に比べて、より小型の装置に適用することができる。
また、本実施の形態のマイクロ流路チップ100は、第2のチップ120の少なくとも第3の流路123および第4の流路124の表面が酸化ケイ素で覆われている。酸化ケイ素は、液体との接触によりケイ酸塩となる。このため、第3の流路123および第4の流路124の表面はイオン性の表面を有する。よって、第3の流路123および第4の流路124がイオン性の表面を有さない場合に比べて、より強い電気浸透流が得られる。このため、圧力室129の圧力がより速く上昇する。したがって、ダイヤフラム部141と隔壁116とによる第1のチップ110における流路の閉鎖をより素早く行うことが可能である。
さらに、本実施の形態のマイクロ流路チップ100は、第3の流路123内および第4の流路124内に多孔質部を含む。このため、多孔質部を有さない場合に比べて、より強い電気浸透流が得られる。よって、圧力室129の圧力がより速く上昇する。したがって、ダイヤフラム部141と隔壁116とによる第1のチップ110における流路の開閉をより素早く行うことが可能である。
さらに、本実施の形態のマイクロ流路チップ100では、第2のチップ120の流路内に誘電率の大きな液体が注入されることによって、強い電気浸透流が得られる。このため、圧力室129の圧力がより速く上昇する。したがって、ダイヤフラム部141と隔壁116とによる第1のチップ110における流路の閉鎖をより素早く行うことが可能である。
[変形例]
これまでの説明では、隔壁116および圧力室129を含むマイクロバルブ構造が1つ形成されたマイクロ流路チップ100について説明したが、マイクロ流路チップ100内のマイクロバルブ構造の数はこれに限定されない。たとえば、1つのマイクロ流路チップ100内に複数のマイクロバルブ構造が形成されていてもよい。
また、本実施の形態では、第2の流体導入口125および第3の流体導入口126が、いずれも第2の基板121の貫通孔で構成されるマイクロ流路チップ100について説明したが、マイクロ流路チップ100の構造はこれに限定されない。例えば、図9に示されるように、第2の流体導入口125および第3の流体導入口126が、それぞれ、第2の基板121に形成される凹部と、この凹部の位置に穴を有する第2のフィルム122とによって構成されてもよい。このマイクロ流路チップでは、第1のチップ110に第2のチップ120を積み重ねたときに、第1のチップ110および第2のチップ120のいずれの流体導入口も下方に開口する。
さらに、第2の流体導入口125および第3の流体導入口126は、それぞれ、第2の基板121に形成される凹部と、この凹部の開口部を塞ぐ第2のフィルム122とによって構成されてもよい。このマイクロ流路チップでは、前述した樹脂ビーズの充填、液体の流路の表面のCVD処理および液体の注入は、第2の基板121と第2のフィルム122の接合前に行われる。液体の注入後、第2のフィルム122と第2の基板121とが貼り付けられ、マイクロ流路チップが形成される(図10参照)。このマイクロ流路チップは、第2のチップ120の電極を電源に接続するだけで、第2のチップ120が第1のチップ110に対するアクチュエータとして機能し得る。よって、第2のチップ120の繰り返し使用に有利であり、また第2のチップ120の繰り返し使用における作業性をより向上させることができる。
また、本実施の形態では、第3の流路123に一対の電極(第1の電極131および第2の電極132)を有し、第4の流路124に一対の電極(第3の電極133および第4の電極134)を有するマイクロ流路チップ100について説明したが、マイクロ流路チップ100の構造はこれに限定されない。例えば、図11に示されるように、第1の電極131から第4の電極134に代えて、第3の流路123に配置される第5の電極135と、第4の流路124に配置される第6の電極136と、圧力室129に配置される第7の電極137とが配置されてもよい。この場合、第5の電極135および第7の電極137が、第3の流路123の長手方向に電圧を印加することが可能な一対の領域にそれぞれ配置されている。同様に、第6の電極136および第7の電極137は、第4の流路124の長手方向に電圧を印加することが可能な一対の領域にそれぞれ配置されている。
第5の電極135から第7の電極137は、いずれも、第2のフィルム122の一方の面(ダイヤフラム部142が突き出ている側の表面)に配置されている。第5の電極135は、第2の流体導入口125と第1の多孔質部127との間の第3の流路に配置されている。第6の電極は、第3の流体導入口と第2の多孔質部128との間の第4の流路に配置されている。たとえば第5の電極135と第6の電極136を正極とし、第7の電極137を負極として、液体に電圧を印加する。これにより、圧力室129に向かう液体の電気浸透流が発生する。
このマイクロ流路チップは、電極の数を減らすことができる。また、図11に示されるマイクロ流路チップと同じ効果を奏する。さらに、各電極が第2のチップ120の流路などから第2の基板121の側面まで形成されていると、第2の基板121や第2のフィルム122に穴を開けずに前記電極へ電気を供給することが可能となる。
本発明の実施形態には、以下に示すマイクロ流路チップ200も含まれる。
[マイクロ流路チップ200の構成]
図12は、マイクロ流路チップ200の構成を示す図である。図12Aは、マイクロチップ200の平面図であり、図12Bは、図12Aに示されるB−B線の断面図であり、図12Cは、図12Aに示されるC−C線の断面図であり、図12Dは、図12Aに示されるD−D線の断面図である。マイクロ流路チップ100と同じ構成には同じ符号を付け、その説明を省略する。
マイクロ流路チップ200は、第1のチップ210と第2のチップ220とから構成される。第1のチップ210は、第1の基板211と第1のフィルム212とから構成される。第1のチップ210は、第1の流路113の形状が異なるが、前述した第1のチップ110と基本的に同じ構成を有している。
第2のチップ220は、第2の基板221と第2のフィルム222とから構成される。第2のチップ220は、第1の電極室223および第2の電極室224、第2の流体導入口125、第1の多孔質部127および圧力室129を、第2のチップ220の一端から、この順で有している。第2の流体導入口125、第1の多孔質部127および圧力室129は、第3の流路123によって接続されている。第1の電極室223および第2の電極室224は、第2の基板221に形成された貫通孔である。第1の電極室223および第2の電極室224は、第2の基板221の一端部に並んで形成されている。
第2のチップ220は、圧力室129よりも他端側に、第3の電極室225、流体導入室226および第3の流体導入口126をさらに有する。圧力室129、第3の電極室225、流体導入室226および第3の流体導入口126は、第5の流路227で接続されている。第5の流路227は、第2の基板221に形成された溝で形成されており、第3の電極室225と第3の流体導入口126との間で、隔壁229によって一旦途切れている。第3の電極室225は、第2の基板221に形成された窪みで形成されている。流体導入室226は、後述するダイヤフラム部228で覆われた空間である。
さらに第2のチップ220は、第8の電極231と第9の電極232を有する。第8の電極231および第9の電極232は、第2のフィルム222の表面に形成されている。第8の電極231は、第1の電極室223および第2の流体導入口125に露出している。第9の電極232は、第2の電極室224および第3の電極室225に露出している。第2の流体導入口125と第3の電極室225とは、電圧を印加することが可能な一対の領域となっている。
第2のフィルム222には、ダイヤフラム部142,228が形成されている。ダイヤフラム部228は、隔壁229を覆い、第2の基板221の表面から突出するように形成されている。
[マイクロ流路チップ200の使用方法]
まず、第2のチップ220の流路に液体を注入(導入)する。液体は、前述した誘電率の大きな液体である。液体は、例えば、第2の流体導入口125から注入され、第1の多孔質部127、圧力室129、第3の電極室225および流体導入室226を通って第3の流体導入口126に到達する。
ついで、第1のチップ210および第2のチップ220を積層する。このとき、ダイヤフラム部141,142は形状を保ったまま互いに重なる。ダイヤフラム部228は、第1のチップ210の平面部に押し当てられる。このため、ダイヤフラム部228は潰され、第2のフィルム222(ダイヤフラム部228)と隔壁229とが密着する。そして液体流路が、隔壁229と第2のフィルム222とによって密閉される。こうして、第1の流体導入口125から第3の電極室225まで液体が充填した液体流路が形成される。
以下、マイクロ流路チップ100と同様に、第1のチップ210の流路に流体を流す。そして、第8の電極231および第9の電極232を用いて電圧を印加し、第2のチップ220の液体流路に電気浸透流を発生させ、圧力室129の圧力を高める。そして、ダイヤフラム部141と隔壁116との隙間を塞ぎ、第1のチップ210における流体の流れを止める。
[効果]
マイクロ流路チップ200は、マイクロ流路チップ100が奏する効果に加えて、電極を一対のみにすることができるため、第2のチップ220の構成をより簡略化することが可能である。
[変形例]
マイクロ流路チップ200の変形例であるマイクロ流路チップ300を図13に示す。図13Aは、マイクロ流路チップ300の平面図であり、図13Bは、図13Aに示されるB−B線の断面図である。
マイクロ流路チップ300は、第2のチップ220に、並んで配置された3つの液体流路330A,330Bおよび330Cを有する。各液体流路の構成には、図12と同じ番号を付け、さらに各液体流路に対応してA〜Cを付けて示す。
第9の電極232は、第3の電極室225A,225Bおよび225Cにおいて、液体流路330A〜330Cのそれぞれに露出している。また、第1のチップ210の流体流路が、第2のチップ220の液体流路330A〜330Cのそれぞれによって遮断されうるように形成されている。
マイクロ流路チップ300は、第8の電極231A〜231Cと第9の電極232を用いて電圧を印加し、3つのダイヤフラム部142A〜142Cをそれぞれ操作することで、ポンプとして利用されうる。ポンプとしての使用の一例を図14に示す。
まず、第8の電極231Cと第9の電極232を用いて電圧を印加することによって、ダイヤフラム部141Cを隔壁116Cに密着させて流体流路を閉じる。液体150は、第1の流路113A〜113Cを満たす(図14A)。
つぎに、第8の電極231Aと第9の電極232を用いて電圧を印加することによって、ダイヤフラム部141Aを隔壁116Aに密着させて流体流路を閉じる。また第8の電極231Cへの電気の供給を止める。第1の流路113A〜113Cを満たしていた液体150は、第1の流路113B,113Cおよび第2の流路114に移動する。また第1の流体導入口115から第1の流路113Bへの液体150の流入が止まる(図14B)。
つぎに、第8の電極231Bと第9の電極232を用いて電圧を印加することによって、ダイヤフラム部141Bを隔壁116Bに密着させて流体流路を閉じる。また第8の電極231Aへの電気の供給を止める。流体流路中の液体150は、第1の流路113Cおよび第2の流路114に移動する。また、新たな液体150が、第1の流体導入口115から第1の流路113A,113Bに流入する(図14C)。
つぎに、第8の電極231Cと第9の電極232を用いて電圧を印加することによって、ダイヤフラム部141Cを隔壁116Cに密着させて流体流路を閉じる。また第8の電極231Bへの電気の供給を止める。第1の流路113Cおよび第2の流路114中にあった液体150は、第2の流路114に移動する。そして第1の流体導入口115からの新たな液体150が、第1の流路113A〜113Cに充満する(図14A)。
図14A〜図14Cに示される上記の操作を繰り返すことによって、マイクロ流路チップ300をマイクロ定量ポンプとして利用することが可能である。
本発明には、以下に示すマイクロ流路チップ400も含まれる。
これまでの実施形態では、圧力室129の圧力を高めて第1のフィルム212のダイヤフラム部141の形状を変形させて、流体流路を閉じるようにしている。すなわち、第2のチップ220を操作していない状態の流体流路は、開いており、必要に応じて閉じるようにしている。一方、第7の実施形態では、第2のチップ420を操作していない状態の流体流路は、閉じており、必要に応じて開くようにしている。また、第7の実施形態のマイクロ流路チップ400では、第1のチップ410側から電圧を印加するようになっている。
[マイクロ流路チップ400の構成]
図15は、マイクロ流路チップ400の構成を示す図である。図15Aは、マイクロ流路チップ400の平面図であり、図15Bは、図15Aに示されるB−B線の断面図であり、図15Cは、図15Aに示されるC−C線の断面図であり、図15Dは、図15Aに示されるD−D線の断面図である。マイクロ流路チップ200と同じ構成には同じ符号を付けて、その説明を省略する。
マイクロ流路チップ400は、第1のチップ410と、第2のチップ420とから構成されている。第1のチップ410は、第1の基板411と第1のフィルム412とから構成されている。第1の基板411は、前述の第1の基板211の構成に加え、第1の電極室223と、第2の電極室224とを有する。すなわち、第7の実施形態のマイクロ流路チップ400では、第1の電極室223および第2の電極室224は、第2の基板421に形成されておらず、第1の基板411に形成されている。
第1のフィルム412は、前述の第1のフィルム212の構成に加え、第5の貫通孔412aおよび第6の貫通孔412bを有する。第5の貫通孔412aおよび第6の貫通孔412bは、第1の電極室223および第2の電極室224のそれぞれに対応する位置に形成されている。
第2のチップ420は、第2の基板421と第2のフィルム422とから構成されている。第2の基板421は、第1の電極室223および第2の電極室224を有しておらず、接続部424を有する。接続部424は、第2の流体導入口125に連通している。第8の電極231および第9の電極232は、第2の基板421の第2のフィルム422側の表面に形成されている。第8の電極231は、第1の電極室223および接続部424に露出している。第9の電極232は、第2の電極室224および第3の電極室225に露出している。
第2のフィルム422は、略矩形のエラストマーフィルムである。第2のフィルム422は、ダイヤフラム部142,228を有しておらず平坦なフィルムであり、第7の貫通孔422aおよび第8の貫通孔422bを有する。第7の貫通孔422aは、第1のチップ410の第1の電極室223および第5の貫通孔412aに対応する位置に形成されており、第8の貫通孔422bは、第1のチップ410の第2の電極室224および第6の貫通孔412bに対応する位置に形成されている。
第2のフィルム422を構成するエラストマーの種類は、特に限定されない。エラストマーの例には、シリコーンゴムが含まれる。また、第2のフィルム422の厚さは、第2のチップ220を操作していない状態で第1のフィルム412のダイヤフラム部141の形状を変形させることができれば特に限定されず、エラストマーの種類に応じて適宜設計される。たとえば、シリコーンゴムからなる第2のフィルム422の厚さは、50〜500μm程度である。
第8の電極231は、第1の電極室223、第5の貫通孔412aおよび第7の貫通孔422aを通して第1の基板411側に露出している。また、第9の電極232は、第2の電極室224、第6の貫通孔412bおよび第8の貫通孔422bを通して第1の基板411側に露出している。
[マイクロ流路チップの使用方法]
まず、第2のチップ420の流路に液体を注入(導入)する。液体は、第2の流体導入口125から圧力をかけて注入される。これにより液体は、第1の多孔質部127、圧力室129、第3の電極室225を通り、第3の流体導入口126に到達する。このとき、第5の流路227内を進み、隔壁229まで到達した液体は、圧力により隔壁229と接している第2のフィルム422の一部を押し上げて隔壁229と第2のフィルム422の間を通り、第3の流体導入口126に到達する。液体の注入を止めると、第2のフィルム422は元に戻り、隔壁229と密着する。こうして、第1の流体導入口125から第3の電極室225まで液体が充填される。また、マイクロ流路チップ100と同様に、第1のチップ410の流路に液体を流す。
次いで、第1のチップ410および第2のチップ420を積層する。このとき、第1のフィルム412のダイヤフラム部141は、第2のフィルム422の平面部に押し当てられ、第1のフィルム412(ダイヤフラム部141)と隔壁116とが密着する。これにより、バルブが閉鎖状態となる。
そして、第8の電極231を負極とし、第9の電極232を正極として電圧を印加し、第2のチップ420の流体流路に電気浸透流を発生させ、圧力室129内を陰圧にする。これにより、第2のフィルム422が圧力室129に引き込まれるとともに、ダイヤフラム部141が圧力室129に向かって湾曲する。これにより、バルブが開放状態となる。
(効果)
マイクロ流路チップ400は、マイクロ流路チップ200と同様の効果を奏する。マイクロ流路チップ400は、必要に応じてバルブを開くようになっているため、流体の移動量および流体を移動させるタイミングを高い精度で制御することができる。
本発明の実施形態には、以下に示すマイクロ流路チップ500も含まれる。
[マイクロ流路チップ500の構成]
マイクロ流路チップ400の変形例であるマイクロ流路チップ500を図16に示す。図16Aは、マイクロ流路チップ500の平面図であり、図16Bは、図16Aに示されるB−B線の断面図であり、図16Cは、図16Aに示されるC−C線の断面図であり、図16Dは、図16Aに示されるD−D線の断面図である。マイクロ流路チップ400と同じ構成には同じ符号を付けて、その説明を省略する。
第8の実施形態のマイクロ流路チップ500は、第1のチップ510と、第2のチップ520とから構成されている。第1のチップ510の第1の基板511は、第7の実施形態の第1の基板411の構成に加え、球冠形状の凸部552を有する。第1のチップ510の第1フィルム512は、第1フィルム412の構成に加え、ダイヤフラム部541を有している。ダイヤフラム部541は、凸部552に対応する位置に、かつ対応する大きさに形成されている。第1の基板511の表面に第1のフィルム512を配置した状態では、凸部552の表面にダイヤフラム部541の裏面が密着する。
第2のチップ520の第2の基板521に形成された隔壁529は、第7の実施形態の隔壁229より低く形成されている。したがって、第2の基板521の表面に第2のフィルム422を配置した状態では、隔壁529と第2のフィルム422は、離れている。
[マイクロ流路チップの使用方法]
まず、第2のチップ520の流路に液体を注入(導入)する。液体は、例えば、第2の流体導入口125から注入され、第1の多孔質部127、圧力室129および第3の電極室225を通って第3の流体導入口126に到達する。このとき、隔壁529と第2のフィルム422が離れているため、第7の実施形態のマイクロ流路チップ400のように強い圧力をかける必要はない。
次いで、第1のチップ510および第2のチップ520を積層する。このとき、ダイヤフラム部141は、第2のフィルム422に潰される。また、第2のフィルム422の隔壁529と対向する部分は、ダイヤフラム部541により隔壁529に押し当てられる。これにより、液体流路が、隔壁529とダイヤフラム541とによって閉鎖される。こうして、第1の流体導入口125から第3の電極室225まで液体が充填した液体流路が形成される。
そして、第8の電極231を負極とし、第9の電極232を正極として電圧を印加し、第2のチップ520の流体流路に電気浸透流を発生させ、圧力室129内を陰圧にする。これにより、第2のフィルム422が圧力室129に引き込まれるとともに、ダイヤフラム部141が圧力室129に向かって湾曲する。これにより、バルブが開放状態となる。
(効果)
マイクロ流路チップ500は、マイクロ流路チップ400の効果に加え、第2のチップ520に流体を注入する場合に圧力をかける必要がないため、容易に液体を注入することができる。
本出願は、2012年8月13日出願の特願2012−179290および2013年4月16日出願の特願2013−085569に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明の流体取扱装置は、例えば、科学分野や医学分野などにおいて使用されるマイクロ流路チップとして有用である。
100,200,300,400,500 マイクロ流路チップ
110,210,410,510 第1のチップ
111,211,411,511 第1の基板
112,212,412,512 第1のフィルム
113 第1の流路
113a 第1の溝
114 第2の流路
114a 第2の溝
115 第1の流体導入口
115a 第1の貫通孔
116,229,529 隔壁
117 流体取出口
117a 第2の貫通孔
120,220,420,520 第2のチップ
121,221,421,521 第2の基板
122,222,422 第2のフィルム
123 第3の流路
123a 第3の溝
123b 第4の溝
124 第4の流路
124a 第5の溝
124b 第6の溝
125 第2の流体導入口
125a 第3の貫通孔
126 第3の流体導入口
126a 第4の貫通孔
127 第1の多孔質部
127a 第2の凹部
128 第2の多孔質部
128a 第3の凹部
129 圧力室
129a 第1の凹部
131 第1の電極
132 第2の電極
133 第3の電極
134 第4の電極
135 第5の電極
136 第6の電極
137 第7の電極
141,142,228,541 ダイヤフラム部
150,160 液体
223 第1の電極室
224 第2の電極室
225 第3の電極室
226 流体導入室
227 第5の流路
231 第8の電極
232 第9の電極
330 液体流路
412a 第5の貫通孔
412b 第6の貫通孔
422a 第7の貫通孔
422b 第8の貫通孔
424 接続部
552 凸部

Claims (8)

  1. 第1の溝を一方の面に有する第1の基板と、前記第1の基板の前記一方の面に貼り付けられた第1のフィルムと、前記第1のフィルムおよび前記第1の溝から構成される流体流路内に配置される隔壁と、を有する第1のチップと、
    第2の溝および前記第2の溝に連通する凹部を一方の面に有する第2の基板と、前記第2の基板の前記一方の面に貼り付けられた第2のフィルムと、前記第2のフィルムおよび前記第2の溝から構成される液体流路の長手方向に電圧を印加することが可能な少なくとも一対の領域と、を有する第2のチップと、を含み、
    前記第1のチップおよび前記第2のチップは、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムを介して前記隔壁と前記凹部とが向かい合うように積層され、
    前記液体流路内の対となっている前記領域間の液体に電圧を印加したとき、電気浸透流により前記凹部へ流入する前記液体によって、前記凹部を覆う前記第2のフィルムおよびそれに対向する前記第1のフィルムが前記隔壁に向けて押し出され、前記第1のフィルムが前記隔壁と接触して前記流体流路が閉じられる、
    流体取扱装置。
  2. 第1の溝を一方の面に有する第1の基板と、前記第1の基板の前記一方の面に貼り付けられた樹脂からなる第1のフィルムと、前記第1のフィルムおよび前記第1の溝から構成される流体流路内に配置される隔壁と、を有する第1のチップと、
    第2の溝および前記第2の溝に連通する凹部を一方の面に有する第2の基板と、前記第2の基板の前記一方の面に貼り付けられたエラストマーからなる第2のフィルムと、前記第2のフィルムおよび前記第2の溝から構成される液体流路の長手方向に電圧を印加することが可能な少なくとも一対の領域と、を有する第2のチップと、を含み、
    前記第1のチップおよび前記第2のチップは、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムを介して前記隔壁と前記凹部とが向かい合うように積層され、
    前記液体流路内の対となっている前記領域間の液体に電圧を印加したとき、電気浸透流により前記凹部から前記液体が流出して前記凹部内が陰圧になることによって、前記凹部を覆う前記第2のフィルムが前記凹部内に引き込まれるとともに、前記第1のフィルムが前記凹部に向けて湾曲して、前記第1のフィルムと前記隔壁との間に隙間が生じて前記流体流路が開かれる、
    流体取扱装置。
  3. 前記電圧を印加することが可能な少なくとも一対の領域には、それぞれ電極が配置されている、請求項1または請求項2に記載の流体取扱装置。
  4. 前記第2のチップが、前記液体流路内に配置された多孔質部をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の流体取扱装置。
  5. 前記液体流路がイオン性の表面を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体取扱装置。
  6. 前記イオン性の表面が原子層堆積法によって形成されている、請求項5に記載の流体取扱装置。
  7. 請求項1に記載の流体取扱装置を使用して流体を取り扱う方法であって、
    前記流体流路内に流体を導入するステップと、
    前記液体流路内の前記少なくとも一対の領域間の液体に電圧を印加し、電気浸透流によって前記液体を前記凹部に流入させるステップと、を含み、
    前記凹部に流入する前記液体によって、前記凹部を覆う前記第2のフィルムおよびそれに対向する前記第1のフィルムが前記隔壁に向けて押し出され、前記第1のフィルムが前記隔壁と接触することによって前記流体流路が閉じられる、
    流体の取扱方法。
  8. 請求項2に記載の流体取扱装置を使用して流体を取り扱う方法であって、
    前記流体流路内に流体を導入するステップと、
    前記液体流路内の前記少なくとも一対の領域間の液体に電圧を印加し、電気浸透流によって前記液体を前記凹部から流出させて前記凹部内を陰圧にするステップと、を含み、
    前記凹部内が陰圧になることによって、前記凹部を覆う前記第2のフィルムが前記凹部内に引き込まれるとともに、前記第1のフィルムが前記凹部に向けて湾曲して、前記第1のフィルムと前記隔壁との間に隙間が生じて前記流体流路が開かれる、
    流体の取扱方法。
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