この発明の本実施形態を以下図面とともに説明する。
図1は歯科診療用インスツルメントとしてのマイクロモータハンドピース1の正面図を示し、図2はマイクロモータハンドピース1の一部であるコントラアングルハンドピース20の内部説明図を示し、図3はコントラアングルハンドピース20の説明図を示し、図4はコントラアングルハンドピース20のヘッドハウジング31の説明図を示している。
詳しくは、図2(a)はコントラアングルハンドピース20の上面側からの斜視図を示し、図2(b)はコントラアングルハンドピース20の底面側からの斜視図を示している。なお、図2(a)において、コントラアングルハンドピース20の外装(ヘッドハウジング31,ネック部カバー21a,把持部カバー22a)を透過状態で図示している。また、冷却管路50は、透過状態で図示されたヘッドハウジング31の肉厚部分の内部に形成された空間であるが、図2(a)では、冷却管路50についての理解を容易にするために、冷却管路50という物体が存在しているように、便宜的に図示している。
また、図3(a)はコントラアングルハンドピース20の平面図を示し、図3(b)はコントラアングルハンドピース20の正面図を示し、図3(c)はコントラアングルハンドピース20の縦断面図を示し、図3(d)は図3(b)におけるA−A矢視図を示している。なお、図3(a)において、図2(a)と同様に、コントラアングルハンドピース20の外装を透過状態で図示している。また、図3(b)において、図2(a)と同様に、透過状態で図示されたヘッドハウジング31の肉厚部分の内部に形成された空間である冷却管路50を便宜的に図示している。
図4(a)はヘッドハウジング31の正面図を示し、同様に、図4(b)は左側面図を示し、図4(c)は右側面図を示し、図4(d)は平面図を示し、図4(e)は底面図を示し、図4(f)は縦断面図を示し、図4(g)は図4(a)におけるB−B矢視図を示している。
本実施形態の歯科診療用インスツルメントとしてのマイクロモータハンドピース1は、図1に示すように、コントラアングルハンドピース20と、マイクロモータ11を内蔵したモータユニット10とを着脱自在に連結して構成している。
モータユニット10は、ヘッド部30に着脱自在に装着される切削回転工具5を回転駆動させるためのマイクロモータ11と、後述するコントラアングルハンドピース20の第1冷却パイプ24、及びホース12の給水管路に接続され、冷却水の導通を許容する第2冷却パイプ13とを内蔵している。
また、モータユニット10の後端には、モータユニット10に内蔵されるマイクロモータ11への電源供給用リード線、後記する患部照射用光源の電力供給用リード線、冷却空気の供給管路を内装するホース12が連結されている。
コントラアングルハンドピース20は、ヘッド部30、ヘッド部30に連接される細径のネック部21、及びネック部21に連接されるボディ22が先端側から順に配置されており、術者は手指によってネック部21及びボディ22を把持する。
ネック部21及びボディ22は、金属からなる筒状の外装カバー22aで覆われるとともに、接続されたモータユニット10のマイクロモータ11の出力軸11aに連結される第1駆動伝達軸23と、冷却水の導通を許容する第1冷却パイプ24とを配置している。
なお、第1駆動伝達軸23は、ネック部21及びボディ22内部において、連結されるマイクロモータ11の出力軸11aの回転に伴って軸回転可能に構成している。
ネック部21は、金属からなる筒状のネック部外装カバー21aで覆われるとともに、ベベルギヤ25aによって屈曲可能に軸回転可能に連接された第2駆動伝達軸25及び第3駆動伝達軸26が後方からこの順で配置されている。
なお、第2駆動伝達軸25はギアボックス27によって囲まれており、第3駆動伝達軸26の先端には、フロントベベルギア26aが固設されている。また、ネック部21の内部には、第2駆動伝達軸25及びギアボックス27の側方に、把持部22に配置した第1冷却パイプ24に接続される第2冷却パイプ28を配置している。
また、ネック部21と把持部22には、モータユニット10の内部に配置したLED(図示省略する)で発光された照明光を、ネック部21の底面側に設けた投光口29aから施術対象箇所に向かって投光する導光路29を配置している。
ヘッド部30は、ネック部カバー21aと連続するとともに、ヘッド部30の外側を構成するヘッドハウジング31と、ヘッドハウジング31の内側に配置され、切削回転工具5を第3駆動伝達軸26の軸心に直交する軸心回りに回転自在且つ着脱自在に保持する工具保持部40とで構成している。
ヘッドハウジング31は、後端側において、ネック部21のネック部カバー21aと連続する長手方向に貫通する筒状の本体側筒部32と、本体側筒部32に対して略直交する方向であり、図3において上下方向に貫通し、底面開口35を有する略有底円筒状の先端側筒部33とで、縦断面方向において、横向きの略T型の内部空間を有する構成である。
工具保持部40は、先端側筒部33の内部に装着される略円筒状のカプセル41と、カプセル41の内部の上下に配置されたベアリング42,42を介して回転自在にされたロータ軸43と、ロータ軸43に装着され、切削回転工具5を把持するチャック44とで構成している。
なお、ロータ軸43の下端にはロータギヤ43aが形成され、第3駆動伝達軸26の先端に形成されたフロントベベルギア26aと噛合して、第3駆動伝達軸26の回転に伴って、第3駆動伝達軸26、チャック44及び切削回転工具5が回転する構成である。
先端側筒部33には、内部に配置した工具保持部40の外周を取り囲むように形成されたベッド部30に設けられた冷却管路50を、先端側筒部33を構成する肉厚部分の内側に形成している。
なお、冷却管路50の基端側はネック部21に配置した第2冷却パイプ28の先端と連通し、冷却管路50の中間部分が工具保持部40の先端側外周を取り囲むように、工具軸と同軸に略螺旋状を構成し、冷却管路50の先端を先端側筒部33の底面33aに形成した注水口34としている。
また、ヘッド部30の内部には、冷却エアを導入する冷却エア管路51(図4(f)参照)が設けられており、冷却エア管路51の先端を冷却管路50の途中に接続して合流部52を構成し、冷却管路50を導通する冷却水は、冷却エア管路51から導入された冷却エアとともに、注水口34より注水する構成である。
なお、冷却管路50は、断面径が0.6mm以下に形成され、冷却エア管路51は、微細孔を有する多孔質状に形成しても良い。
このように、先端側筒部33の肉厚部分の内側に冷却管路50を形成したヘッドハウジング31は、後述する積層造形法によって成形しており、以下において、図5乃至図13とともに、ヘッドハウジング31の積層造形について詳しく説明する。
なお、図5はヘッドハウジング31の積層造形方法についての説明図を示し、図6は積層造形法のフローチャートを示し、図7はヘッドハウジング31の積層造形の第1組層GL1,第2組層GL2についての説明図を示し、図8は第1組層GL1の積層造形についての説明図を示し、図9は図7と同様にヘッドハウジング31の積層造形の第3組層GL3、第4組層GL4についての説明図を示し、図10は第5組層GL5、第6組層GL6についての説明図を示している。
詳述すると、図5(a)はヘッドハウジング31の先端側筒部33の横断面図を示し、図5(b)はヘッドハウジング31の底面図を示し、図5(c)はヘッドハウジング31の基端側からみた図、すなわちヘッドハウジング31の右側図を示し、図5(d)はヘッドハウジング31を積層造形する層組について示す概略図を示している。
また、図7(a)は第1組層が成形された状態の先端側筒部33の横断面図を示し、図7(b)は同状態のヘッドハウジング31の平面図を示し、図7(c)は同状態のヘッドハウジング31の右側図を示している。なお、図7(a)(b)(c)において、成形完了状態を点線で示している。また、図7(d)(e)(f)、図9及び図10では、各組層GLにおける状態を図7(a)(b)(c)と同様に図示している。
図8は、第1組層を構成するための各金属層MLにおけるそれぞれの状態の断面図を示している。
なお、以下では、ヘッドハウジング31を、例えば、金属光造形複合加工によって成形する場合について説明する。
金属粉体のスキージングと、スキージングされた金属粉体をレーザ光で焼結するレーザ焼結とを所定層数繰り返した後、高速切削を行い、この手順を繰り返して成形する金属光造形複合加工を行うヘッドハウジング31の成形では、以下の説明において、5層分のスキージングとレーザ焼結とを繰り返した後、高速切削することとする。また、スキージングとレーザ焼結とを繰り返して成形されたものを金属層MLといい、金属層MLを5層分繰り返して積層し、切削装置110で高速切削するものを組層GLという。
また、以下の説明では、ヘッドハウジング31を底面側から積層し、仮に、層組数を10層組で成形する場合として説明するが、層組GLを構成する層数や、全体の層組数はこれらに限定されず、適宜の層数や層組数で構成すればよい。
まず、ヘッドハウジング31を金属光造形複合加工によって成形する場合、図6に示すように、金属粉体を所定の厚みでスキージングし(ステップs1)、所定形状となるように、所定の厚みでスキージングされた金属粉体に対して、レーザ照射装置100から発振したレーザ光Leを走査してレーザ焼結し(図8(b)参照)、金属粉体同士を焼結して、所定厚みの金属層MLを構成する(ステップs2)。
このスキージング(ステップs1)とレーザ焼結(ステップs2)とを、所定層数分(本実施においては5層分)まで繰り返し(ステップs3:No)、積層された所定の層数の金属層MLによって層組GLを構成すると(ステップs3:Yes)、所定の形状に形成された層組GLの表面に対して、切削装置110で切削して、精度のよい層組GLを構成することができる(ステップs4)。
このスキージング(ステップs1)とレーザ焼結(ステップs2)とを、所定層数分まで繰り返し(ステップs3:Yes)、切削装置110による切削加工(ステップs4)するまでの工程を1サイクルとして、所定層組数分(本実施においては10層組分)上記サイクルを繰り返して(ステップs5)、所望の形状のヘッドハウジング31を形成する。
具体的には、第1層組GL1を構成する第1層目の第1金属層ML1はヘッドハウジング31の底面を構成することとなり、図7(b)に示すように、冷却管路50の先端側となり、先端側筒部33の底面33aにおいて開口する注水口34や、工具保持部40の露出を許容する底面開口35が形成された先端側筒部33の底面33aや、本体側筒部32の底部付近が形成される。
第2層組GL2では、図7(d)、(e)、(f)に示すように、第1層組GL1で形成された注水口34に接続される冷却管路50と冷却エア管路51との合流部52が、底面開口35の後端側の周りに平面視略U字状に形成される。
第3層組GL3では、図9(a)、(b)、(c)に示すように、層組GL2で形成された合流部52に向かう冷却管路50の先端付近と冷却エア管路51の先端付近がそれぞれ交差する方向に形成される。
第4層組GL4では、図9(d)、(e)、(f)に示すように、冷却管路50の一部と、横向き筒状の本体側筒部32の底面の一部が形成される。
第5層組GL5では、図10(a)、(b)、(c)に示すように、冷却管路50が底面開口35の周囲を取り囲むように形成されるとともに、本体側筒部32の中空部分と、先端側筒部33の中空部分とが連通した状態で形成される。
第6層組GL6では、図10(d)、(e)、(f)に示すように、底面開口35の周囲を取り囲む冷却管路50の上部が形成されるとともに、本体側筒部32の中空部分と、先端側筒部33の中空部分とが連通した状態で形成される。
このように、各層組GLにおいて、中空部分と中実部分とがそれぞれの層組の構成に応じて構成され、これを所定の層組数分繰り返することによって、所定層数の金属層MLを積層して構成した層組GLを所定層組数積層して、肉厚部分の内部に内空部分を有するような形状のヘッドハウジング31を構成することができる。
このように形成されたヘッドハウジング31で一部を構成する歯科診療用インスツルメント1は、ヘッドハウジング31の肉厚部分の内部において、工具保持部40の周囲を取り囲むように形成された冷却管路50に、第2冷却パイプ28、第1冷却パイプ24及び第2冷却パイプ13を導通した冷却水が導通するため、工具保持部40で保持した切削回転工具5の回転によって加温されたヘッド部30と、冷却管路50を導通する冷却水とで熱交換され、ヘッド部30を冷却することができる。
また、冷却管路50の基端を、第2冷却パイプ28に接続するとともに、冷却管路50の先端を、冷却管路50の下部において、施術対象箇所に注水可能に開口した注水口34とすることにより、ヘッド部30を冷却水で冷却するとともに、注水口34より施術対象箇所に冷却水を注水しながら、切削回転工具5で施術対象箇所を切削することができる。これによって、注水がヘッド部30で加温されて体温に近い温度の水を施術対象箇所に注水できるので、患部に冷たい刺激や熱過ぎる温度とならない範囲で注水できる。
また、ヘッド部30に配設した冷却管路50をヘッドハウジング31の肉厚部分の内部に形成したため、注水用の管路と冷却水用の管路とを別々に設ける場合に比べて、部品点数を低減できるとともに、コンパクトな歯科診療用インスツルメント1を構成することができる。
また、ヘッド部30に、冷却エアの導通を許容する冷却エア管路51を備え、冷却エア管路51を導通した冷却エアと冷却水とを合流部52で混合して注水口34より施術対象箇所に効率よく、注水することができる。
なお、上述したように、ヘッド部30を構成するヘッドハウジング31を金属光造形複合加工によって成形することにより、複雑な形状であるヘッドハウジング31を、不要な開口などを設けることなく形成することができる。
詳述すると、工具保持部40の周囲のヘッド部30を取り囲んで形成された冷却管路50を、一般的なドリルなどの穿孔によって形成する場合、直線状の穿孔を要するため、複数の直線状の貫通孔を組み合わせて形成することとなり、不要な開口が形成されるが、金属光造形複合加工により形成することで、例えば、工具保持部40の周囲を取り囲んで形成された冷却管路50を備えたヘッド部30であっても、不要な開口等を設けずとも成形することができる。
また、例えば、冷却管路50を、コンパクト化が望まれているヘッド部30を構成する構成部品とは別の別部品をヘッド部30に組み付けて構成する場合、細かい中空の部材を精度よく製造し、内部を導通する冷却水が漏出することがないように精度よく組み付ける必要があるが、金属光造形複合加工によってヘッドハウジング31に冷却管路50を成形することで、別部品で構成する場合に比べて部品点数が低減でき、構成の複雑化を抑制することができる。
さらにまた、例えば、金属光造形複合加工により形成したヘッドハウジング31の冷却管路50は、所望の形状の管路を形成できるため、工具保持部40の周囲を取り囲む冷却管路50を複数の直線状の貫通孔を組み合わせて形成する場合に比べて、管路抵抗の低い管路を形成できるため、管路効率の高い冷却管路を形成することができる。そのため、冷却水による冷却効率を向上することができる。
さらにまた、ヘッドハウジング31を光造形複合加工により形成するため、断面径が0.6mm以下に形成された冷却管路50や、微細孔を有する多孔質状の冷却エア管路51を有するヘッドハウジング31を高精度で形成することができる。また、冷却エア管路51を、微細孔を有する多孔質状に形成しているため、冷却エア管路51を形成したことによるヘッドハウジング31の強度低下を防止することができる。
なお、上述の説明では、ヘッドハウジング31の肉厚部分の内部に冷却管路50を形成したが、冷却管路50をヘッドハウジング31とは別部品で構成した場合であっても、金属光造形複合加工により、別部品で構成される冷却管路50を組み付けた状態でヘッドハウジング31を形成することで、別部品構成された冷却管路50をヘッドハウジング31に組み付ける工程を要することなく、精度よく組み付けることができる。
また、上述の説明では、ヘッドハウジング31の肉厚部分の内部に、縦長断面の冷却管路50を構成したが、図11に示すように、複数の支管を、切削回転工具5の軸方向に複数並列に配置して冷却管路を構成してもよく、このように複数の支管で構成した冷却管路は、表面積が増大するため、冷却管路を導通する冷却水による熱交換効率が向上し、ヘッド部30の冷却効率を向上することができる。また、前記支管は、ヘッド部30の周囲に前記切削工具の軸方向に巻き付ける螺旋状に形成して最終的に前記注水開口から注水するようにしても良い。このような螺旋状の配置も複数並列配置に含まれる。また、図11では、ヘッド部30の周壁の上下の一部に冷却管路が形成されているが、上下の全体に渡って形成しても良い。また、図11では、冷却管路がヘッド部30の周囲に形成されるものを示したが、ネック部21にも形成しても良い。また、ストレートハンドピースの場合、ネック部21に相当する部位がないが、ヘッド部のみならず、把持部に渡って冷却管路が形成されていても良い。
また、ヘッド部30に対して、工具保持部40を脱着可能に構成するカートリツジ式としてもよく、この場合、工具保持部40の外面と、ヘッド部30における工具保持部40を挿着する箇所の内面との間に冷却管路50を設けてもよい。
さらにまた、上述の説明では、光造形複合加工として、材料を金属とする金属光造形複合加工を例として説明したが、セラミック材料や樹脂材料も光造形複合加工の材料として使用しても良い。光造形複合加工の材料としてセラミック材料や樹脂材料を使用すれば、歯科診療用インスツルメント等を軽量化することができる。
なお、上述の説明では、ヘッド部30に冷却管路50を配設した歯科診療用インスツルメント1について説明したが、これに限定されず、他の歯科診療用機器や医療用機器を光造形複合加工で形成しもよく、その一例として、図12乃至図14に示す歯科用エアタービンハンドピース100について説明する。しかしながら、光造形複合加工による成形方法やそれによる作用効果は、上述の説明と同じ、あるいは同様であるため、以下の説明では省略する。
ハンドピース101は、術者が治療する際に手に持つ部分であるグリップ部102を有し、このグリップ部102の基端部には、従来のハンドピースと同様に、空気や水などの作用媒体の作用媒体供給チューブ103と接続する接続部(図示省略)が設けられ、グリップ部102の先端部にはネック部102bを介してヘッド部104が連結されている。このヘッド部104には切削工具105が不図示の工具保持部を介して着脱自在に装着可能に構成している。
ヘッド部104は、グリップ部102の先端に連結される軸部140と、切削工具105及び切削工具105を駆動する切削工具駆動部106を収容する筒状ハウジング部141とを一体的に備えており、軸部140の軸心140aに対して、筒状ハウジング部141の中心軸である回転軸141aが垂直又はほぼ垂直に方向付けられている。
ヘッド部104の軸部140は、筒状グリップ部102の先端に挿入固定できる大きさと形に加工された断面縮小部140bを有している。
また、軸部140には、グリップ部102側の後端面140c(図12及び図13に示す図面上右側の端面)と筒状ハウジング部141の内壁面とを流体的に連通する複数の貫通孔が形成されている。
これら複数の貫通孔には、切削工具駆動部106に加圧空気を供給するための給気路171〜173と、切削工具駆動部106からの加圧空気を排気するための排気路181,182が含まれる。
給気路171〜173は、作用媒体供給チューブ103との接続部からグリップ部102の内部にグリップ部102の長手軸方向に沿って配設された給気パイプ107に接続されている。
各給気路171〜173は、図13に示すように、軸部140の成形時同時に成形しているため、グリップ部102側の後端面140c及び断面縮小部140bの外周面から筒状ハウジング部141の内壁面に向け所定の長さの穴を加工して給気路171〜173を形成する場合に比べて、滑らかで管路抵抗の低い経路を形成することができる。
給気路171は、軸部140に形成された給気パイプ107の接続部170に通じ、給気路172,173は軸部140に形成された連結路172a,173aを介して接続部170に通じている。
したがって、給気パイプ107から供給される加圧空気は、各給気路171〜173を経て筒状ハウジング部141内に導入される。なお、本実施例では、連結路173aは、給気路172に通じると共に給気路173にも通じるよう形成している。
各給気路171〜173は、先側に小径のノズル部143,144,145を有し、ノズル部143,144,145の先端が筒状ハウジング部141の内壁面に開口して給気口146,147,148とされている。
ノズル部143,144,145は、これらノズル部143,144,145から噴出される加圧空気によって、筒状ハウジング部141の内側に配置される切削工具105が回転軸141aを中心として矢印142方向(図13における時計周り方向)に回転力を受けるように配置するのが好ましい。
また、各ノズル部143,144,145は、それぞれテーパ部を介して給気路171〜173に連接されているが、給気路171〜173のテーパ部を介した連接部分の横断面積の合計が、各ノズル部143,144,145が筒状ハウジング部141の内壁面に開口される部分の横断面積の合計よりも大きくなるように形成されている。
図12に示すように、ヘッド部104の筒状ハウジング部141は、給気路171〜173から噴出される加圧空気を切削工具105の回転力に変換する切削工具駆動部106の外側形状に対応した形と大きさの円筒状内空部130を有する。この内空部130は、その上部の開口部(図示省略)と下部の開口部132において開放されている。
そして、切削工具駆動部106が上部の開口部から内空部130に挿入され、内空部130に挿入された切削工具駆動部106に設けた後記する工具支持部150に対して下部の開口部132を介して切削工具105が着脱自在に装着できるよう構成している。
切削工具駆動部106は、内空部130の回転軸141aに沿って切削工具105を支持する工具支持部150を有する。工具支持部150には、一端部から所定の深さの穴(工具支持穴)151が形成されている。また、工具支持部150は、工具支持穴51に挿入された切削工具105を保持するチャック機構(図示せず)を備えている。
工具支持部150は、上部と下部にそれぞれ設けた上部軸受部112と下部軸受部113とによって、回転軸141aを中心に回転自在に支持されている。
次に、工具支持部150の内部に配置されるロータ114の構成について、図14とともに説明する。
工具支持部150における上部軸受部112と下部軸受部113との間に位置する部分には、給気路171〜173から噴出される加圧空気を利用して、工具支持部150、更に工具支持部150を介して切削工具105を回転軸141a周りに回転させる為の2段式ロータ114が一体に設けられている。
ロータ114は、図14に示すように、リング状のハブ190からなり、リング状ハブ190は、中央の貫通孔191と、上段の大径リング部192と、下段の小径リング部193とを同心に備えている。貫通孔191の内径は、ロータ114を支持する工具支持部150における略中段部分の外径にほぼ等しくされ、この貫通孔191に工具支持部150の中段部分を圧入することによって、ロータ114と工具支持部150とを一体化しているが、金属光造形複合加工によって一体的に形成してもよい。
大径リング部192及び小径リング部193は上下2段に一体とされ、上段の大径リング部192の外周部には第1のタービンブレード部115が、下段の小径リング部193の外周部には第2のタービンブレード部116が設けられている。
第1のタービンブレード部115は、ハブ190の上端部に形成された円形の上部天井壁194と、この上部天井壁194の底部(下面)から大径リング部192の外周部に沿って下方に伸び且つ半径方向外側に突出した多数(本実施形態では18個)の突出壁(第1のタービン翼151)とで構成している。
第1のタービン翼151は、大径リング部192の周方向に沿って等間隔に設けられている。また、各第1のタービン翼151には、第1のタービン翼151の一方の面(ロータ114の回転方向142に関して上流側に位置する作用面152)と、他方の面(ロータ114の回転方向142に関して下流側に位置するガイド面153)とを備え、隣接する各第1のタービン翼151の間には、作用面152及びガイド面153と、上部天井壁194の下面と、大径リング部192の外周部とによって、第1の空気通路154が形成されている。
第1の空気通路154の高さ位置(回転軸141aに沿った高さ位置)は、ロータ114を内空部130に設けた状態で、給気ノズル部143,144,145から噴出された加圧空気が第1の空気通路154の上部に吹き込まれるような位置に設定されている。
また、各第1の空気通路154における上部天井壁194の下面から大径リング部192の外周部にかけての形状は、半径方向内側に向かって湾曲する曲面155とされ、ロータ114の半径方向外側から第1の空気通路154に吹き込まれた空気が曲面155に沿って最小の空気抵抗をもって滑らかに下方に方向変換されるように形成されている。また、各第1のタービン翼151の回転軸141aに向かう方向から見た側面形状は、ロータの回転方向142の上流側から下流側に向かって凹む凹曲形状とされている。
第2のタービンブレード部116は、第1の空気通路154の下端・内側の縁部によって外周が縁取りされた下部天井壁195と、この下部天井壁195の底部から小径リング部193の外周部に沿って下方に伸び且つ半径方向外側に突出した多数(本実施形態では18個)の突出壁(第2のタービン翼161)とで構成している。
第2のタービン翼161は、周方向に等間隔に設けられている。また、各第2のタービン翼161には、第2のタービン翼161の一方の面(ロータ114の回転方向142に関して上流側に位置する作用面162)と、他方の面(ロータ114の回転方向142に関して下流側に位置するガイド面163)とを備え、隣接する各第2のタービン翼161の間には、作用面162及びガイド面163と、下部天井壁195の下面と、小径リング部193の外周部とによって、第3の空気通路164が形成されている。
特に、各第3の空気通路164における下部天井壁195の下面から小径リング部193の外周部にかけての形状は、半径方向内側に向かって湾曲する曲面165とされ、ロータ114の半径方向外側から第3の空気通路164に吹き込まれた空気が曲面165に沿って最小の空気抵抗をもって滑らかに下方に方向変換されるように形成されている。
また、第3の空気通路164の高さ位置(回転軸141aに沿った高さ位置)は、ロータ114を内空部130に設けた状態で、第3の空気通路164の底部が排気路181,182とほぼ同一の位置になるように設定されている。そして、各第2のタービン翼161の回転軸141aに向かう方向から見た側面形状は、第1のタービン翼151とは反対の方向に凹む凹曲形状とされている。第2のタービン翼161の下片は、回転方向142側に向くように設定している。
第1のタービンブレード部115からの空気を第2のタービンブレード部116に導く為の空気の導入部117が、ヘッド部104における内空部130の内周、詳しくは段部138に設けられている。
給気路171〜173から内空部130に噴出された加圧空気は、第1の空気通路154にその半径方向外側から内側に向かって導かれ、また、第1の空気通路154の下端部から排出された加圧空気は第3の空気通路164にその半径方向外側から内側に向かって導かれる。
導入部117は、第1の空気通路154の下端部から第3の空気通路164へ空気を導く為の複数(本実施例では7個)の第2の空気通路170からなり、複数の第2の空気通路170は、回転軸141aを中心とする円周方向に沿って並設され、その形成されている領域171は、円周方向に関し、排気口156,157に近い側を除く全周にわたっている。
また、複数の第2の空気通路170が形成されている領域171は、給気路171〜173の給気口146,147,148が形成されている領域74を含まず、且つ給気口146,147,148が形成されている領域74より大きく形成されている(図13参照)。
複数の第2の空気通路170は、内空部130における段部138から小径筒部137の内周にわたるよう形成されている。切削工具駆動部106を内空部130に収容した際、ロータ114の第1のタービンブレード部115が、大径筒部136の内周部に若干の隙間をもって嵌まり込み、また、第2のタービンブレード部116が、小径筒部137の内周部に若干の隙間をもって嵌まり込むように形成されている。そして、給気口146,147,148は大径筒部136の内面に開口して第1の空気通路154に対向するよう位置付けられ、排気口156,157は小径筒部137の内面に開口して第3の空気通路164の下端部位に位置付けられている。
更に、段部138の排気路181,182に対応する部位には、排気路181,182に通じる補助排気口83が長孔状に開口しており、第1の空気通路154に導入された空気の一部が、第2及び第3の空気通路170,164に向かわず直接排気路181,182から排気されるように構成している。
このように、ロータ114を構成する第1及び第2のタービン翼151,161と、第2の空気通路170とのそれぞれの特有の構成が相乗して、トルクを維持したままロータ114の回転速度の低減を実現することができる歯科用エアタービンハンドピース100は、ロータ114やヘッド部104を金属光造形複合加工によって形成することにより、加圧空気の導通性も向上する所望の形状を高精度で形成することができる。
また、光造形複合加工により給気路等を形成するため、例えば、給気路の開口端部付近を、例えば鋼球などの球形シール部材を圧入して塞ぐことなく、気密性の高い給気路を形成することができる。
続いて、継手部材の接続端部に円周方向に内装したボールを介して、把持部の接続端部には別のボール軸受を配置した歯科用エアタービンハンドピースについて、図15及び図16とともに説明する。
把持部300は先端にヘッド311を具備したボディ312と把持部側接手351に給気パイプ、給水パイプ、照光ランプアッセンブリ、ガラスファイバ等の作用供給器材を内装し、その外側を包囲するボディカバー313より構成され、ボディ312の後端部と把持部側接手351の先端部とは嵌着され、更にボディ312の後端部はOリングを介してボディカバー313に螺着されている。
把持部300と継手部材300Bとの接続状態において、把持部側接手351内にはOリング341,342,343,344により気密を保持しながら給気、給水、排気を連通し、相対的に回転可能な継手部材側接手309が内装され、この後端が給気、給水、排気管381に接続されている。
継手部材300Bには、継手部材側接手309の後端と螺着する可撓チューブ308を接続したチューブ接手310が内装されている。
継手部材側接手309の後端大径部の前方には継手部材300Bを把持部300にスラスト方向に接続係止するボール321のボールホルダー304が螺着されており、継手部材側接手309と共にボール321が把持部300側の回転用接手332の環状溝部382に沿い回転自在に接続される。
チューブ接手310の外周に遊嵌されたスプリング保持リング361とボールホルダー304との間に架設された圧縮スプリング306により、位置決めされた円筒状のボール押え307の環状の山形凸部によって回転用接手環状溝382にボール321を押し付け係合させている。
このボール押え307の環状山形凸部の断面形状は頂上が平坦な山形をなしており、把持部300と継手部材300Bとの接続状態では、山形をなした頂上平坦面にボール321が当接するように、圧縮スプリング306により位置決めされ、この圧縮スプリング306の弾力に抗してスプリング保持リング361に嵌合したボール押え307をハンドピース、スラスト方向に前または後に移動させればボール押え307の山形凸部がボール321に対して前あるいは後に移動することとなり、ボール321とボール押え307の間にボール321が径方向外方へ移動可能な空隙が生じ、ボール押え307を前に移動させても、後へ移動させてもボール321が回転用接手332の係合用環状溝382から径方向外方へ移動するため継手部材300Bの脱着が可能となる。
把持部300の接続端部301は、ボディカバー313の後端内側に固定カラー305を螺着し、断面L字形をした回転用接手332にボール331を嵌めボール331を回転用接手332と協働して包み込む形で断面L字形のボールガイド333を組合せボール軸受303となし、ボールガイド333の端面のドライバー溝383を利用して、このボール軸受303を固定カラー305に当接するまでボディカバー313にねじ込んで接続端部301を組み付ける。
このようにして、組み付けられた接続端部301の回転用接手332は、いずれの部材とも結着関係を持たず継手のラジアル並びにスラスト方向の外力をボール331によりコロガリ支承することができる。つまり、ボール331によってラジアル方向の外力は、回転用接手332の外周溝383とボールガイド333の内周面で、またスラスト方向の外力は、回転用接手332およびボールガイド333のフランジ端面間で支承することができる。
このように構成した把持部300や、把持部300を構成するボディカバー313あるいは、把持部300と継手部材300Bとを接続するためのボールホルダー304やボール押え307などの稼働する細やかな部品を、金属光造形複合加工で形成することで、所望の形状を高精度に形成できるため、例えば、快適なハンドピースの取扱い、ラジアル方向の著しい回転の軽快さなどの操作性を向上することができる。
続いて、図17及び図18に示す歯科医療用エアタービンハンドピース400について説明する。
歯科医療用ハンドピース400は、タービン羽根412を備えた回転部材411が内装されるヘッド部401と、ヘッド部401に連接される把持部402と、把持部402に連接される接手部403と、接手部403の内部空間に配設され、かつ接手部403に着脱自在に係合固定される構造の歯科医療用ハンドピースに各種の作用媒体を供給するための作用媒体導管404とで構成している。
また、把持部402と、把持部402に連接される接手部403とは、光造形複合加工により一体構成するとともに、把持部402と接手部403との間に封止部424を形成し、把持部402の内部空間と接手部403の内部空間とを封止部424で仕切っている。
なお、歯科医療用ハンドピース400の基本的な内部構造は、従来一般のハンドピースと同様のものであり、タービン羽根412を回転駆動させるための加圧空気や治療部位の冷却のための加圧水等の作用媒体通路、及び患部照明用のライトガイドが示されている。
より具体的には、図17に示す歯科医療用ハンドピース400は、給気パイプ441、排気パイプ442、及び注水パイプ443で構成する作用媒体通路404(パイプ、ダクト)と、患部照明のために把持部402に配置したストレート状(直線状)のライトガイド406とを有している。
歯科医療用ハンドピース400において、作用媒体導管404は、接手部403の後端から接手部403の内部に装着、着脱自在に係止される構造であり、作用媒体導管404は、接手部403に着脱自在に係合固定される構造のものであるが、接手部403に係合されたとき、接手部403の内部構造と共働して、各種の機能媒体を把持部402の内部に対応して配設された作用媒体導管に連通(導通)し、所用部位へ各機能媒体を供給あるいは排出する機能を発揮することができる。
なお、把持部402の内部に配設されたライトガイド406に対しては、作用媒体導管404の照光用電球444から照明光が出射される。
ライトガイド406は、導光性材料であるストレート(直線)状のガラス棒で構成しているが、他の導光性材料としては、グラスファイバの結束体、プラスチックファイバの結束体、ガラス棒の周囲に反射性皮膜をコーティングしたものなどを使用することができる。
また、図17に示すように、ストレートのガラス棒で構成するライトガイド406の周囲に空間部が生じるように、ライトガイド406を配設している。この場合、ガラス棒で構成するライトガイド406の屈折率に対して空間部(空気)の屈折率が小さいため、ガラス棒で構成するライトガイド406は、全反射タイプのクラッド型グラスファイバと同じ構造が実現され、光伝送の減衰率が極めて小さい優れた光伝送系を構成することができる。
また、上述したように、歯科医療用ハンドピース400を構成するヘッド部401、把持部402、及び接手部403のうち把持部402及び接手部403を光造形複合加工によって一体成形するが、ヘッド部401も含めて歯科医療用ハンドピース400は、複数の一体成形可能材料から形成された分割部材で構成されるとともに、これら分割部材を相互に一体化接合して構成している。
歯科医療用ハンドピース400の構成部材のひとつとして、歯科医療用ハンドピース400の内部を左右に仕切る仕切板として配設される遮蔽板405を設けている。
遮蔽板405は、ライトガイド406を安定的に保持固定するために、ライトガイド406の保持用凹部を有する構成である。
図18に示すように、把持部402と接手部403との間には封止部424が形成されている。封止部424は、図示のように作用媒体通路と連通する導通穴461、及びライトガイド406を把持部402の軸心位置に保持するライトガイド保持穴460を有している。
光造形複合加工により高精度に形成した回転部材411は、ヘッド部内部に一体的に組込まれており、ヘッド部401において、回転部材411はヘッド部401の円筒状チャンバー内に配設され、かつ先端部に切削バーなどの各種の工具が着脱自在に配設される回転軸413に一体的に設けられたタービン羽根412を主要部として構成している。
遮蔽板405の上述した先端部451は、図示されるように、ひとつの給気口部452と給気口部452の上下方向の近接部位に配設された合計ふたつの排気口部(453、454)を有し、かつ給水案内部455を有するもので構成している。給気口部452は、給気通路421に連通し、給水案内部455は給水通路423に連通している。また、ふたつの排気口部(453、454)は、排気通路422に連通している。そのため、ひとつの給気口部452の上下近接部位に合計ふたつの排気口部(453、454)が配設されている。
また、歯科医療用ハンドピース400には、直線(ストレート)状に照明光の出射口に導くライトガイド406が配設され、遮蔽板405に、ライトガイド406を直線状に導くためのライトガイド保持溝456を有している。
そして、遮蔽板405のライトガイド保持溝456によるライトガイド406の保持機構において、ライトガイド406は、ライトガイド保持溝456内に配置され、その両端部は固着されるが、固着部位以外の外周面は、空気(排気される空気)に曝されることになる。そのため、上述したように、一本のストレート状ガラス棒で構成されたライトガイド406は、ガラスの屈折率が周囲の空気の屈折率より大きいことから、光伝送系はグラッド型ガラスファイバ系と同じであり、照明光の減衰低下を防止することができる。
接手部403は、光造形複合加工によって把持部402と一体成形されており、把持部402の内部に配設された作用媒体通路に連通、接続する導通穴461を有する封止部424、作用媒体導管404の先端部404Aを収容する導通穴部432を有し、作用媒体導管404と共働して作用媒体導管路を形成する本体部431、及び、作用媒体導管404(図示省略)の係合部と係脱自在に係合する係合部433で構成している。
封止部424は、把持部402内部の作用媒体通路である給気路421、排気路422、注水路423に導通する三つの導通穴461(461a〜461c)を有する構成である。
導通穴461(461a〜461c)は、給気通路481、排気通路482、及び注水通路483に連通する穴であり、封止部424の中央部にライトガイド406を保持する保持穴434を有している。導通穴461は、封止部424において、円周方向に所望の間隔をおいて個別に配置される。
接手部403の本体部431の内部に形成される導通穴部432は、端部が開口しており作用媒体導管404の先端部、即ち作用媒体導管側接手部(404A)(図17参照)を装着、収容する構成である。
導通穴部432において、封止部424から係合部433の方向にみて、段階的に径大となるように構成された三つの穴部は、それぞれ封止部424の導通穴461と連通しており、更に作用媒体導管404の各作用媒体通路(441,442,443)にそれぞれ連通するものである。
接手部403の作用媒体導管404に係合する係合部433は、図示例においては係合用環状溝4331を有するもので構成している。係合用環状溝4331は、作用媒体導管404との着脱自在な接続部を構成するものであり、図示例の場合、係合部433の外周部に設けられ、ここに作用媒体導管側接手部404A(図17参照)の係合部(バネ鋼+係合用鋼球)が係脱自在に係合することで、接手部403と作用媒体導管404は相対的に回転自在とされる。
接手部403は、光造形複合加工により一体成形することにより製造され、作用媒体導管404の各作用媒体通路(441,442,443)に連通可能な導通穴部432、即ち、給気、排気、注水用の通路を内部に有している。
このように、ヘッド部内部に一体的に組込まれる回転部材411、遮蔽板405を有する把持部402、あるいは導通穴461を有する封止部424などを有する接手部403などを光造形複合加工で製造することで、それぞれの機能を十分に発揮できる高精度な部品を構成することができる。
続いて、スリーウエイシリンジについて図19とともに説明する。
スリーウエイシリンジを構成するハンドピース本体501は、グリップ部511と、グリップ部511に先端接続部512を介して屈折状態に接続されたノズル部513とで構成している。
グリップ部511の基端部には、水、空気等の作用媒体の供給チューブをまとめて収納した可撓チューブ514が連結され、供給チューブが、グリップ部511に内蔵した供給管路502,503に接続される。そのため、作用媒体は、その供給管路502,503及びノズル部513に内蔵された供給管路521,531を経てノズル部513の先端から夫々単独で或いは混合状態で患部に噴射される。
また、グリップ部511の先端接続部512は雌筒状とされ、先端接続部512内の底部にはノズル部513の軸線と同軸的に円筒状ランプホルダー504が配設され、円筒状ランプホルダー504にはランプカートリッジ506を介して照明光源であるランプ505がその光軸方向に沿って着脱自在に装着されている。
ノズル部513内には、軸線に沿って先端にまで及び導光体(光ファイバ)507が配設され、このノズル部513をグリップ部511に接続したとき、その入光端571がランプ505の前面に対面するとともに、先端の出光端572より患部にランプ光が照射されるように構成している。
ノズル部513は、グリップ部511に対し、操作スリーブ591によって抜き出し不能、且つその軸心の周りに回転可能に接続され、先端接続部512の操作スリーブ591を圧縮スプリング592の弾力に抗して操作することにより離脱可能に構成している。
さらに、ノズル部513の先端部513aは湾曲形状であり、回転可能な機能と相まって患部に合せてその先端を任意の方向に向位させることができる。
先端接続部512においては、グリップ部511とノズル部513とが雌雄の関係で嵌合され、各作用媒体の供給管路502,521,503,531は、先端接続部512に形成された周溝522,532及び連通孔523,533を介して互いに連通する。
なお、ノズル部513内の空気の供給管路531は、途中からノズル部513の管内自体に結合し、ノズル部513の先端部で水の供給管路521の周りから噴射されるように構成している。
グリップ部511の外周には、ピン595を介してふたつの操作レバー515A,515Bが、手指にて同時操作できる程度の間隔を置いて夫々揺動自在に枢着され、これら操作レバー515A,515Bのいずれか若しくは両方同時に押動操作することにより、作用媒体の供給管路502,503の途中に配設されたボール弁520及び/若しくは530が開となり、ノズル部513に水及び/若しくは空気が供給されるように構成している。
また、操作レバー515A,515Bのいずれかの操作により、これら操作レバー515A,515Bの直下相当位置に配置されたリミットスイッチ550がON,OFFされ、これにともなってランプ505が点灯・消灯制御されるように構成している。
さらに、グリップ部511内には、ランプカートリッジ506及びランプ505を冷却するための冷却用空気の給排気管路516,517が設けられ、そのうち、給気管路516には操作レバー515A,515Bの操作にともなうリミットスイッチ550のON−OFFにより開閉する器外の電磁弁560を経て冷却用空気が供給されるように構成しているとともに、この電磁弁560がランプ505の点灯・消灯動作に応じて開閉制御されている。
このように、先端接続部512においては、グリップ部511とノズル部513とが雌雄の関係で嵌合され、各作用媒体の供給管路502,521,503,531が、先端接続部512に形成された周溝522,532及び連通孔523,533を介して互いに連通するハンドピース本体501であっても、光造形複合加工により、高精度で形成することができる。
さらには、光造形複合加工によれば、夫々揺動自在に枢着されたふたつの操作レバー515A,515Bと、グリップ部511とを、枢着された状態で一緒に加工することができるため、別々に加工して組み付ける工程を要することなく、製造することができる。
続いて、図20及び図21に示す歯科用エアスケーラー600について説明する。
なお、図20(a)は本発明を適用した歯科用エアスケーラー600の外観正面図を示し、図21(a)は空気振動子602を含む要部の縦断面図、図21(b)は図21(a)におけるW−W線断面図を示している。
手指で把持操作し易いように略円筒形のグリップ状に形成した歯科用エアスケーラー600のハンドピース本体601内の芯体601aには、弾性体である複数の緩衝材602a、602fを介して駆動部としての空気振動子602が振動可能に支持されている。
空気振動子602は、基端部602eが開放された円筒状の振動子本体602bと、振動子本体602bの外周に遊嵌された回転リング602cとで構成し、回転リング602cは振動子本体602bの筒壁に穿孔された空気噴出用小孔602dを覆うように配設されている。この振動子本体602bの先端部にはスケーラーチップ603が着脱可能に螺装されている。
ハンドピース本体601の芯体601aには圧縮空気の給気管路604と排気管路605とが形設されており、給気管路604は振動子本体602bの開放された基端部602eに通じ、また排気管路605の起点部は振動子本体602bの外周部分とされている。
ハンドピース本体601の基端にカップリング部606を備え、カップリング部606には、図外のコンプレッサーに連接された給気管路及び排気管路を内装する駆動媒体供給ホースが着脱可能に接続されるように構成している。
このホースがカップリング部606を介し接続された状態では、ホース内の給気管路及び排気管路が、ハンドピース本体601内の給気管路604及び排気管路605に夫々接続されることになる。
給水管路607の先は、芯体601a及び振動子本体602b内を経てスケーラーチップ603の先端部付近に及んでおり、給水管路607は、カップリング部606を介してホースと接続した状態には、ホースに内装された給水管路に連結されているため、スケーラーチップ603の先端部から歯牙等に向けた注水が可能にされている。
カップリング部606を介したホースとの接続状態において、ハンドピース本体601がホースに対してその軸心の廻りに回動可能とする転動ボール606aは、周方向に複数配列され、ハンドピース本体601を把持操作して治療作業等を行う場合の操作性が向上するように構成している。
給気管路604により供給される圧縮空気は、振動子本体602bの基端開放部602eから本体602bの筒内に導入され、導入された圧縮空気は、空気噴出用小孔602dより筒外に噴出される。このとき、この噴出側には回転リング602cが遊嵌状態で存在するため、この噴出作用により回転リング602cが振動する。このとき、振動子本体602bは、ハンドピース本体601の芯体601aに対してOリング等の緩衝材602a、602fにのみ支持されているため、回転リング602cの振動の反作用を受けて同時に振動することとなり、この振動はスケーラーチップ603に伝播され、歯面清掃、歯垢の除去等に供せられる。
上述したように、空気振動子602の振動に供せられた圧縮空気は、排気管路605を経て排出される。この排気管路605の途中には排気調整機構608が配設されており、この排気調整機構608により排出空気の排気調整をし、空気振動子602の出力調整がなされる。
この排気調整機構608は、ハンドピース本体601の基端部に設けられており、術者によるハンドピース本体601の把持操作の際に不意に触れることがないように構成している。
空気振動子602は、上述のように細長円筒状の振動子本体602bと、この振動子本体602bの外周に遊嵌される回転リング602cとで構成され、この振動子本体602bはハンドピース本体601の芯体601a及びこの先側に連接される筒状の補助部材601fに対し、Oリング等の緩衝材602a、602fにより支持されている。これら緩衝材602a、602fによって、空気振動子602のハンドピース本体601に対する同心的位置決めと、ラジアル方向及びスラスト方向の位置決めがなされている。スケーラーチップ603の基部には雄ねじ部603aが形成されており、この雄ねじ部603aをして振動子本体602bの先端部に着脱自在に螺装される。
このように、歯科用エアスケーラー600のハンドピース本体601や空気振動子602を光造形複合加工で形成することにより高精度に製造できるため、振動子本体602bの振動を効率よくスケーラーチップ603に伝播させ、効率のよい施術を行うことができる。ここでは、振動子を空気振動子を使用したエアスケーラーで示したが、超音波振動子を使用した超音波スケーラーであってもかまわない。
続いて、レーザ照射チップを備えるレーザ照射ハンドピースについて、図22乃至図24とともに説明する。
歯科用レーザ治療装置は、水に対する吸収特性の高いレーザ光を発振するレーザ発振器と、水を供給する水送出回路と、エアを供給するエア送出回路とが配設されたレーザ装置本体(図示省略)と、歯科用レーザ照射ハンドピース702と、レーザ装置本体及び歯科用レーザ照射ハンドピース702とを接続するとともに、レーザ光及び水並びにエアなどをレーザ装置本体から歯科用レーザ照射ハンドピース702に導光及び給送するフレキシブルホース(図示省略)とで構成している。
また、フレキシブルホースは、レーザ光の導光体、水供給チューブ及びエア供給チューブを束ねて構成し、歯科用レーザ照射ハンドピース702の基部に接続可能に構成している。
なお、レーザ装置本体内部に配置されたレーザ発振器は、Er:YAGレーザ、CO2レーザ、Er.Cr:YSGGレーザ、Ho:YAGレーザ等の水に対する吸収性の高い医療用レーザをレーザ発生源とするものである。
歯科用レーザ照射ハンドピース702は、フレキシブルホースと接続されるとともに、術者が手指で把持して操作するグリップ部、及びグリップ部の先側に連接されるヘッド部とで構成するハンドピース本体部720、及びハンドピース本体部720における先端側のヘッド部に着脱自在に装着される歯科用レーザ照射チップ704で構成している。
フレキシブルホースとハンドピース本体部720の接続状態では、フレキシブルホース内のレーザ光の導光体、水供給チューブ及びエア供給チューブが、ハンドピース本体部720内のレーザ導光路721、水管路722及びエア管路723の基端部に接合される。
これによりフレキシブルホース内のレーザ光の導光体とハンドピース本体部720内のレーザ導光路721との光学的な接続、フレキシブルホース内の水供給チューブとハンドピース本体部720内の水管路722との水密的な接続、及び、フレキシブルホース内のエア供給チューブとハンドピース本体部720内のエア管路723との気密的な接続がなされる。
ハンドピース本体部720と、歯科用レーザ照射チップ704との接続部分の詳細について、図22及び図23を参照して説明する。
図23に示すように、ハンドピース本体部720は、グリップ部700Bからヘッド部に至る一連の円筒状本体筒部720aと、円筒状本体筒部720aに外装された外装スリーブ部720bとを備えている。レーザ導光路721は、中空或いは中実の導波路(ファイバ)で構成され、ハンドピース本体部720内にその長手方向に沿って同心的に配設され、先端部はフェルール724に保持されて、ヘッド部内に臨んでいる。
フェルール724は、円筒状本体筒部720aに同心的に内嵌支持された支持リング724aに嵌挿され、支持リング724aに螺装された固定ねじ部材724bの先端をフェルール724の周体に形成された周溝724cに整合させることによって、支持リング724aに対するフェルール724の位置決め固定がなされている。
支持リング724aは、円筒状本体筒部720aの先端部内に螺合装着された筒状ホールダ部材720cにより、スペーサカラー部材720dを介して、円筒状本体筒部720a内の所定位置に位置決め内嵌支持されている。フェルール724に嵌挿支持されたレーザ導光路721の先端721aは、ホールダ部材720cに保持された光学集光レンズ725に対峙している。
水管路722及びエア管路723は、いずれも細チューブからなり、各先端部はホールダ部材720cに保持され、ホールダ部材720cに形成された水用連絡管路722a及びエア用連絡管路723aに連通している。さらに、ホールダ部材720cには、チップホルダ726が嵌合され、チップホルダ726は袋ナット727を外装スリーブ部720bの先端部に螺合することによって、嵌合状態に固定維持される。
チップホルダ726は中空筒状体であり、同心的に形成された内筒部726aは、歯科用レーザ照射チップ704を構成するチップ本体部705を着脱自在に螺合装着する為の接合部である。チップホルダ726の筒壁には、水用連通路722b及びエア用連通路723bが形成されている。
これら水用連通路722b及びエア用連通路723bは、チップホルダ726がホールダ部材720cに嵌合固定された状態では、水用連絡管路722a及びエア用連絡管路723aに、チップホルダ726の外周部に形成された各周溝を介して夫々連接されている。
そして、各連通路722b,723bの先端部はチップホルダ726の内筒部726aに開口している。チップホルダ726の内筒部726aには、チップ本体部705を螺合接合するための雌ねじ部726bが形成されている。
なお、図23では、便宜上、水管路722及びエア管路723、水用連絡管路722a及びエア用連絡管路723a、水用連通路722b及びエア用連通路723b、固定ねじ部材724b等が同一断面に現れるように図示しているが、これらは、設計上はそれぞれが干渉しない周方向の適宜位置に形成されている。
チップ本体部705のハンドピース本体部720のヘッド部に対する接続部には、チップホルダ726の内筒部726aに差込み螺合接続される竹の子形状のプラグ部751と、プラグ部751を螺合操作する為のローレット回転摘み部752とが一体に形成されている。プラグ部751の周体には雌ねじ部726bに螺合される雄ねじ部751aが形成され、雄ねじ部751aの一部にフライスカット面751bが形成されている。フライスカット面751bの形成により、螺合関係の雄ねじ部751aと雌ねじ部726bとの間に隙間が形成されている。
この隙間部分に開口するエア流入口751cが形成され、エア流入口751cは、プラグ部751がチップホルダ726に螺合接続された状態では、エア用連通路723bに整合し、且つ、プラグ部751内を通って後記する外装パイプ750内のエア流路754(図24参照)に通じるように形成している。
また、プラグ部751の周体でエア流入751cとは軸方向に離れた部位には、水流入口751dが形成され、水流入口751dは、プラグ部751がチップホルダ726に螺合接続された時には、水用連通路722bに整合すると共に、プラグ部751内を通り外装パイプ750内の後記する水流路753(図24参照)に通じるように形成している。
そして、プラグ部751の周体には、エア流入口751c及び水流入口751dを通じた通気及び通水が気密的及び水密的になし得るよう、これらの通気部分及び通水部分を隔絶する3個のOリング751e(図23参照)が、各Oリング溝751f(図22参照)を介して装着されている。そして、ファイバ755の基端面755aは、光学集光レンズ725の出光側面に対峙し、光学集光レンズ725を経たレーザ光の光学的接続がなされる。
次に、歯科用レーザ照射チップ704について、図24を参照してさらに詳述する。
歯科用レーザ照射チップ704は、湾曲した棒状体からなるチップ本体部705と、チップ本体部705の先端部に対して着脱自在に装着されるレーザ照射先端部材(チップ先端部)706とで構成している。
チップ本体部705は、湾曲した外装パイプ750と、外装パイプ750の内側に外装パイプと略同軸状に配設される中間パイプ750aと、中間パイプ750aの内側に中間パイプと略同軸状に配設される内側パイプ750bとを備えている。
中間パイプ750aの先側は外装パイプ750の先端より突出し、また、内側パイプ750bの先側は中間パイプ750aの先端より突出するように、それぞれ延出されている。
プラグ部751及びローレット回転摘み部752は、外装パイプ750に一体に形成されている。外装パイプ750と中間パイプ750aとの環状の隙間がエア流路754とされ、また、中間パイプ750aと内側パイプ750bとの環状の隙間が水流路753とされ、さらに、内側パイプ750bの内筒部がファイバガイド部756とされている。
このファイバガイド部756に挿通されるファイバ755と、水流路753と、エア流路754とは同軸状とされ、これらは、実質的にチップ本体部705に互いに平行な関係で備えられている。
チップ本体部705の先端部に着脱自在に装着されるレーザ照射先端チップ部材(チップ先端部)706は、中空の略円筒形で、樹脂等の成型体760からなり、チップ本体部705の外装パイプ750に外嵌圧入によって着脱自在に装着される装着部(連接部)761を備えている。
成型体760の内筒部は、内径が外装パイプ750の外径と略等しいかやや小さい大径内筒部760aと、内径が中間パイプ750aの外径と略等しい中径内筒部760bと、内径が内側パイプ750bの外径と略等しい小径内筒部760cとより構成される。これら大径内筒部760a、中径内筒部760b及び小径内筒部760cは、成型体760の軸心Loを同心軸とし、装着部761から前端面762に向かってこの順序で段状に連なるよう形成されている。
レーザ照射先端チップ部材706がチップ本体部705に装着された状態では、大径内筒部760aが外装パイプ750に圧入状態で外嵌され、また、中径内筒部760bが中間パイプ750aに気密的に外嵌され、さらに、小径内筒部760cが内側パイプ750bに水密的に外嵌される。成型体760における大径内筒部760aに対応する部位が、実質的に装着部761を構成する。
レーザ照射先端チップ部材706がチップ本体部705に装着された状態では、チップ本体部705の内側パイプ750bは、小径内筒部760cに嵌装されると共に、レーザ照射先端チップ部材706、即ち、成型体760を軸心Loに沿って貫き、その前端面762から突出するように延出されている。
したがって、この内側パイプ750bの内筒部によるファイバガイド部756は、レーザ照射先端チップ部材706にまで及び、レーザ照射先端チップ部材706におけるファイバガイド部も構成することができる。
このファイバガイド部756に挿通されるファイバ755は、ファイバガイド部756の先端からさらに突出し、この突出した部分のファイバ755は、ジャケットと呼ばれる外装体が剥離され、コアとクラッドよりなる、あるいはコアのみよりなる芯材755bが露出された状態で、レーザ照射先端チップ部材706に同心的に保持されている。この芯材755bの先端面がレーザ光の出射端755cとされる。
成型体760における小径内筒部760cと中径内筒部760bとの段差部には、水流路753に連通する水溜部763aが形成され、この水溜部763aから軸心Loに平行に前端面762側に延びる水導通路763が形成されている。
また、中径内筒部760bと大径内筒部760aとの段差部には、エア流路754に連通するエア溜部764aが形成され、このエア溜部764aから軸心Loに平行に前端面762側に延びるエア導通路764が、水導通路763に近接した状態で形成されている。そして、成型体760には、その前端面762に開口し、チップ本体部705側に凹む凹部765が形成され、水導通路763及びエア導通路764の各先端開口部763b,764bが、この凹部765の底部765aに臨んでいる。
このように構成したレーザ照射先端チップ部材706を光造形複合加工で製造することにより、高精度で形成できるため、光学集光レンズ725を正確な位置に配置でき、正確かつ効率的なレーザ光を照射することができる。
上記では、レーザ光源がハンドピース外から導光路を介して接続しているが、
ハンドピースに光源を内蔵する構成であっても良い。
また、本発明において、上記医療用機器構成部品は、例えば、医療用ハンドピースや医療用レーザハンドピースなど医療用機器の一部分を構成する部品であり、これら以外に、LEDや半導体レーザ光源を内蔵した医療用ハンドピースや医療用光重合照射装置や医療用光照射装置であっても良い。LEDや半導体レーザ装置または、医療用光重合照射装置や医療用光照射装置においては、光源部が稼動部を構成する。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の医療用機器要素は、歯科診療用インスツルメント1、レーザ照射装置100、把持部300を有する歯科用ハンドピース、歯科医療用ハンドピース400、ハンドピース本体501で構成するスリーウエイシリンジ、歯科用スケーラー600、歯科用レーザ照射チップ704を備えた歯科用レーザ照射ハンドピース702、医療用光重合照射装置、医療用ハンドピースとチューブとを接続する接続部、前記医療用ハンドピースのヘッド部や、前記医療用ハンドピースのエアタービンハンドピースボディ、羽根車あるいはそれらを構成する各部品に対応し、以下同様に、作用媒体は、冷却水、水、エア、空気あるいはレーザ光に対応し、積層造形は、光造形複合加工に対応するが、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。本発明において、光造形複合加工として、積層材料として金属粉体を使用する金属光造形複合加工を使用することができるし、この時、通常の切削加工では加工し難いチタンやステンレスの紛体を使用することができる。
例えば、積層造形として光造形複合加工法以外に、光造形法、粉末焼結式積層法、粉末固着式積層法、熱溶解積層法、シート積層法、インクジェット積層法などの方法によって造形してもよい。
また、上述の説明では、例えばコントラアングルハンドピース20におけるヘッドハウジング31を光造形複合加工法で形成したが、コントラアングルハンドピース20全体を光造形複合加工法で形成してもよく、コントラアングルハンドピース20全体を光造形複合加工法で形成するものの、コントラアングルハンドピース20への他部材の組み付けを考慮して分割構成するなど、医療用機器を構成する部品や医療用機器の一部や全部を光造形複合加工法で形成してもよい。