JP6132866B2 - バンプラバー装置並びにこれを具えた車輌、船舶及び構造物 - Google Patents
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Description
具体的には、荷役環境は、例えば一定の定型梱包した荷物を積荷するような場合には、荷台側面を解放してフォークリフト等での積み込み作業が行われる。一方、その積荷を届けた帰路は空荷とさせずに、例えば配送仕向地や荷種も異なる不定形荷物を輸送する場合も多くある。
このような不定形荷物を輸送する場合、多くは荷役拠点となる営業所いわゆるデポに集荷され、キャスター付ラックに収納された荷物を、プラットホーム上から車輌荷室に積み込むような作業が行われる。このような作業に当たって車輌後端をかなり厳密にプラットホーム端面に接近させなければならず、実際にはプラットホーム端面とともに、車輌後部にもバンプラバーを設けて緩やかに接近させて止まるように対処している。
すなわち車輌後方には、方向指示灯、制動灯、尾灯が多くはユニット化されて設けられているが、これらの装備も荷室を広く採ることや、積荷用のリフトデッキの配置に支障をきたさず且つ後方に張り出すことのないよう、後門枠といわれる荷台後端の下枠部材に取り付けている。
このような状況下でバンプラバーを設置することを試みた場合、後門枠の左右側端寄りに設けられるランプユニットよりも、更に外側におけるスペース付近に設けることが現実的である。
この際、安全面から方向指示灯は、その斜め後方45°の範囲で視認障害とならないよう法制上規定されており、充分な緩衝性能を期待できる緩衝高さのバンプラバーではその規定に適合できない。加えてこのようなバンプラバーを後付けするとなると、車輌全長が増えて、結果的に車輌登録手続き上の改造申請が必要となってしまう。
なお桟橋や護岸に接岸する船舶においても、船舶並びに桟橋や護岸に緩衝材が具えられており、上述の問題と同様の問題が生じていた。
そしてこれら各請求項記載の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
特に車輌が積荷作業を行う際には、バンプラバーユニットを、車輌に取り付けることにより、プラットホームへのアクセスを安全に行うことができ、積荷に適した状態とすることができる。
先ず前記車輌10の一例である貨物トラックについて説明する。このものは貨物輸送に供されるものであり、図1に示すようにシャーシ11の前後に前輪12、後輪13が具えられ、更にシャーシ11の前部に運転キャビン15が設けられて成るものである。そして運転キャビン15の後方に荷室16が設けられ、この荷室16に貨物が収容される。
また前記荷室16は、跳ね上がり式のウイングルーフ17によって側面側が開閉され、更に観音開きするリアドアー18によって後面側が開閉されるものである。
また前記基板2の基面側とは、車輌10と接する側の面を意味するものであり、前記ラバー本体6及びベース板7の基面側とは、ラバー本体6と、ベース板7とが組み付けられる際に対面する側の面を意味するものである。
具体的には、前記基板2は縦長状に形成され、組立面側に形成された基板2側の係止構造としての係止スロット5を具えて成るものである。
このような基板2にあっては、一例として適宜の寸法に切断された帯状金属板の両端を折り返し状に曲げて係止スロット5が形成されたり、異なる幅の帯状金属板を積層して溶接することによって係止スロット5が形成される。
そして係止スロット5の組立面側には、一例として上下二カ所に係止バー51が設けられる。
また基板2の適宜の個所には、組立面側に皿もみ加工が施されたボルト孔21が複数個所に形成される。
このようなベース板7は、一例として適宜の寸法に切断された金属板を積層して溶接することによって形成される。また係止爪8の根元付近には、組立面側に皿もみ加工が施されたボルト孔71が形成される。
また前記ラバー本体6は、一例として硬質ゴムを素材として成る断面D字型の中空半円筒体であり、その基面に対してボルト孔61が形成される。
そしてボルト孔71及びボルト孔61にボルトBを挿通し、ナットNを締め付けることにより、ラバー本体6とベース板7とか一体化され、バンプラバーユニット3が構成される。
なお前記ラバー本体6は無垢材としてもよく、また断面形状も矩形その他適宜の形状としてもよい。
そしてこの基板2に対してバンプラバーユニット3が組み付けられるものであり、基板2とベース板7それぞれの組立面を合わせ、係止爪8を係止スロット5に入れ込むとともに、バンプラバーユニット3全体を下方にスライドさせることにより、車輌10と一体化された状態のバンプラバー装置1が構成される。
なおこの時点でランプ19の方向指示灯は、その斜め後方45°の範囲で視認障害とならないよう規定されている法規に適合しない状態となる場合もある。
そして運転者や集荷所の作業者は、図3(a)に示すようにバンプラバーユニット3を基板2に組み付けてバンプラバー装置1と車輌10とを一体化させる。その後、運転者は車輌10後退させてプラットホームPの端面に接近させ、図3(b)に示すようにプラットホームPの端面に取り付けられたバンプラバーP1にラバー本体6を当接させて車輌10を停止する。
この際、車輌10の後端における左右両端にバンプラバー装置1が具えられるため、車輌10がプラットホームPへアクセスする際のハンドル操作を、厳密なものではなく、ある程度おおまかな容易なものとすることができる
そして積込作業が完了するとリアドアー18が閉鎖され、次いで車輌10をプラットホームPから離れた場所に停止させ、バンプラバーユニット3が基板2から取り外されるものである。この時点でランプ19の方向指示灯は、その斜め後方45°の範囲で視認障害とならないよう規定されている法規に適合したものとなり、車輌10は一般道での走行が可能となる。
本発明は上述した実施例を基本となる実施例とするものであるが、本発明の技術思想に基づいて以下に示すような実施例を採ることもできる。
まず上述した基本となる実施例では、バンプラバー装置1を、車輌10の車体外周部のうち、シャーシ11の後端部であり、荷室16後端の後門枠14といわれる部位)の左右に設けられたランプ19の更に外側に設けるようにしたが、他の部位に設けるようにしてもよい。
具体的には図4に示すように、横長状とされたバンプラバー装置1を、車輌10の車体外周部のうち、荷室16の下枠部材の左右側面に設けるようにしてもよい。この場合、係止スロット5を基板2の長辺に沿って二か所に形成するようにし、同様に係止爪8をベース板7の長辺に沿って二か所に具えられるようにし、更にラバー本体6がベース板7から突出した状態とし、この突出部が荷室16の後端面より突出して設けられるようにする。
この場合、荷室16のあおり板16aを外側に展開する際に、バンプラバーユニット3を基板2から取り外すことにより、あおり板16aの回動範囲を縮小してしまうことが回避される。
この場合、ラバー本体6が直接基板2に対して組み付けられるため、ラバー本体6と、基板2とが組み付けられる側の面を組立面とする。
そして前記ラバー本体6の組立面に対して係止スロット5が形成されるとともに、基板2における組立面に係止爪8が具えられる。
なおこの実施例では前記ラバー本体6を、一例として断面正方形状の中空角筒体とした。
そして図8(b)に示すように、抜止82を抜止孔53の円形部に入れ込むととともに、係止爪8を抜止孔53の長孔部に沿って下降させてその下端に位置させることにより、基板2とバンプラバーユニット3との係合が維持されるとともに、係止爪8が抜止孔53から抜け出してバンプラバーユニット3が脱落してしまうのを防止することが可能となる。なおこの状態で、基板2とバンプラバーユニット3との上端部が揃うように、前記係止爪8及び抜止孔53の設置個所が設定される。
このような構成が採られた場合、複数の車輌10が出入りする荷役拠点において、プラットホームPに設けられたバンプラバー装置1は、車輌10に取り付けられたバンプラバー装置1あるいはバンプラバー装置1が取り付けられていない車輌10の後部との複数の接触によって、ラバー本体6がヘタってしまったり、傷付いてしてしまうとは避けられない。しかしながらが、本発明のバンプラバー装置1を採用した場合、当該損傷個所のラバー本体6のみを交換するだけで済むこととなり、交換作業が容易に行えるとともに、維持コストを大幅に低減することができる。
因みに従来より用いられているバンプラバーP1の場合、多くはプラットホームPの端面上部に沿って長尺のものが強固に取り付けられており、その一部がヘタってしまったり、傷付いてしまっただけでも全体の交換が必要となっていた。
更に構造物の一例であって、船着場となる岸壁や桟橋に対して、船舶との接触部位に本発明のバンプラバー装置1を取り付けるようにしてもよい。
2 基板
21 ボルト孔
3 バンプラバーユニット
5 係止スロット
51 係止バー
52 突起
53 抜止孔
6 ラバー本体
61 ボルト孔
7 ベース板
71 ボルト孔
8 係止爪
81 案内溝
82 抜止
9 トグルラッチ
91 フック
10 車輌
11 シャーシ
12 前輪
13 後輪
14 後門枠
15 運転キャビン
16 荷室
16a あおり板
17 ウイングルーフ
18 リアドアー
19 ランプ
B ボルト
N ナット
P プラットホーム
P1 バンプラバー
Claims (7)
- 取り付け対象物に固定される基板と、バンプラバーユニットとを具え、
前記基板と、バンプラバーユニットとは相互の組立面において手作業による取り外し自在とした係合構造により、基板に対し、バンプラバーユニットが取り付け形成されることを特徴とするバンプラバー装置。
- 前記基板とバンプラバーユニットとには、それぞれの組立面側に、係止構造としての係止スロットと係止爪とのいずれかが対となるように具えられていることを特徴とする請求項1記載のバンプラバー装置。
- 前記バンプラバーユニットは縦長状のものであることを特徴とする請求項1または2記載のバンプラバー装置。
- 前記請求項1、2または3記載のバンプラバー装置が、車体外周部に具えられたことを特徴とする車輌。
- 前記車体外周部は車体の後端部であり、荷室後端の下枠部材の左右に設けられたランプの外側に、それぞれバンプラバー装置が具えられていることを特徴とする請求項4記載のバンプラバー装置が具えられた車輌。
- 前記請求項1、2または3記載のバンプラバー装置が、船体外周部に具えられたことを特徴とする船舶。
- 前記請求項1、2または3記載のバンプラバー装置が、移動体との接触部位に具えられたことを特徴とする構造物。
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