JP6130234B2 - 高炉内装入物の表面検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波やミリ波等の検出波を高炉内に送り、炉内に装入された鉄鋼石やコークスで反射された検出波を検波して装入量や表面のプロフィールを検出する装置に関し、より詳細にはその防塵構造の改良に関する。
高炉では、炉頂の近傍に開口部を設け、開口部と同軸上にアンテナを配設し、マイクロ波送受信手段からアンテナを介してマイクロ波(送信波)を送信して開口部を通じて炉内に入射させ、炉内に装入された鉄鉱石やコークスで反射されたマイクロ波(反射波)を開口部を通じてアンテナで捕集してマイクロ波送受手段に送り、マイクロ波送受信手段で送信波と反射波との位相差等から鉄鉱石やコークスまでの距離や表面のプロフィールを検出することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
また、開口部の直上に反射板を配設し、反射板と対向してアンテナを配設し、マイクロ波送受信手段からアンテナを介してマイクロ波(送信波)を送信し、反射板で反射して開口部を通じて炉内に入射させ、炉内の鉄鉱石やコークスで反射されたマイクロ波(反射波)を開口部を通じて反射板に入射させて再度反射させてマイクロ波送受手段に送ることも行われている(例えば、特許文献2参照)。
このような検出装置では、開口部を通じて炉内からの鉄鉱石やコークス、粉塵等の硬質粒子の侵入を防ぐために、マイクロ波を透過するとともに耐熱性や耐圧性等を有するセラミックスからなる遮蔽部材で開口部を閉鎖するのが一般的であり、特許文献でも通気性の耐熱ボードが開口部に嵌め込まれている。
特開2006−38756号公報 特開2011−145237号公報
しかしながら、炉内は4kg/cm程度の高圧になっており、鉄鉱石やコークス、粉塵が遮蔽部材に頻繁に衝突する。その結果、セラミックス製の遮蔽部材は、比較的早期のうちに損傷し、最悪の場合、割れてしまうことがある。遮蔽部材を交換するには、装置全体を開口部から取り外す必要があり、交換作業に手間がかかる。
また、遮蔽部材の炉側表面には、鉄鉱石やコークス、粉塵が付着し、これら付着物がマイクロ波の送受信に悪影響を与える。しかし、開口部に遮蔽部材を配設した場合、付着状態を観察することはできず、付着物を除去する場合も装置全体を開口部から取外す必要があり、除去作業にも手間がかかる。
そこで本発明は、高炉内装入物の表面検出装置において、炉の開口部を閉塞する遮蔽部材の損傷や割れを防止することができ、更には付着物による検出波の送受信への影響を無くし、付着物の除去作業も容易にすることを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、下記に示す高炉内装入物の表面検出装置を提供する。
(1)高炉の炉頂近傍に設けた開口部の直上に配設された反射板と、反射板と対向配置されるアンテナと、アンテナに連結する検出波送受信手段とを備え、アンテナからの検出波を反射板で反射して開口部を通じて炉内に入射させ、炉内の装入物で反射された検出波を開口部を通じて反射板に入射させてアンテナに送り、検出波送受信手段で検波して装入物の表面までの距離や表面のプロフィールを検出する装置において、
アンテナ及び金属製の反射板を、アンテナのアンテナ面と反射板の反射面とを対向させて収容するとともに、反射板の反射面の直下が開口した本管部と、本管部の開口と高炉の開口部とを連結する連管部とから構成される管体と、
反射板の反射面と対向して本管部内に配設され、検出波を透過する材料からなる通気性の隔壁と、
アンテナのアンテナ面と対向して本管部内に配設され、検出波を透過する材料からなる非通気性の隔壁とを備えるとともに、
通気性の隔壁と非通気性の隔壁との間の空間に高圧の不活性ガスを供給し、通気性の隔壁の表面から反射板側に不活性ガスを噴出させることを特徴とする高炉内装入物の表面検出装置。
(2)反射板が、本管部の軸線を中心に反射面が回動可能に設けられており、かつ、連管部が本管部の軸線と直交する方向に漸次拡径して扇形を呈することを特徴とする上記(1)記載の高炉内装入物の表面検出装置。
(3)本管部の、反射板の周囲の適所に窓が形成されており、反射を回動させて反射面を窓に向けることにより、反射面を観察することを特徴とする上記(1)または(2)記載の高炉内装入物の表面検出装置。
(4)非通気性の隔壁が、アンテナのアンテナ面に対して傾斜していることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
(5)反射板の反射面に微小孔が多数形成されており、反射板の内部に供給した高圧の不活性ガスを噴出させることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
(6)アンテナと検出波送受信手段とを連結する導波管が、検出波を透過する材料からなる栓部材で閉塞されていることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
(7)非通気性の隔壁で区画され、アンテナを収容した空間に圧力スイッチを付設し、非通気性の隔壁が割れて該空間の内圧が高まったときに、圧力スイッチを作動させて高炉の開口部を閉鎖したり、異常を報知することを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
(8)反射板を回動させるためのモータを収容するモータ収容室、もしくはモータと反射板とを連結するシャフトを収容するシャフト収容室を本管部の外部に付設するとともに、モータ収容室またはシャフト収容室に圧力スイッチを付設し、モータ収容室またはシャフト収容室の内圧が高まったときに、圧力スイッチを作動させて高炉の開口部を閉鎖したり、異常を報知することを特徴とする上記(2)〜(7)の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
(9)反射板を回動させるためのシャフトと、本管部との間がグランドパッキンによりシールされていることを特徴とする上記(8)記載の高炉内装入物の表面検出装置。
(10)不活性ガスの供給側に流量計を付設し、不活性ガスの供給量が減少または停止したときに高炉の開口部を閉鎖したり、異常を報知することを特徴とする上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
(11)装置の適所に温度計を付設し、該装置の温度が規定値よりも上昇したときに高炉の開口部を閉鎖したり、異常を報知することを特徴とする上記(1)〜(10)の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
(12)アンテナがホーンアンテナ、またはレンズ付きホーンアンテナであることを特徴とする上記(1)〜(11)の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
(13)本管部と連管部との通気性の隔壁側の接続部分が、高炉側に下降する傾斜面であることを特徴とする上記(1)〜(12)の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
本発明の高炉内装入物の表面検出装置では、開口部を閉鎖する遮蔽部材が無く、炉内からの鉄鉱石やコークス、粉塵が反射板に直接衝突するが、反射板は金属製であるため衝撃による破損や、割れを起こすことがない。また、反射板と対向して通気性の隔壁が配設されているが、炉内からの鉄鉱石やコークス、粉塵は反射板に衝突してその衝撃力が大幅に低減しているため、反射板で反射された鉄鉱石やコークス、粉塵が通気性の隔壁に衝突したとしても、通気性の隔壁が損傷したり、割れたりすることがない。しかも、通気性の隔壁からは高圧の不活性ガスが噴出しているため、通気性の隔壁の表面、更には反射板の反射面の付着物が除去され、検出波の送受信を良好に維持する。更には、反射板の反射面からも高圧の不活性ガスを噴出する構成にすることにより、反射面への付着物の付着防止をより確実にすることができる。
また、反射を回させ、本管部に形成した窓に反射面を向ける構成にすることにより、反射面への付着物の付着状態を確認することができ、付着物を除去する場合でも窓を開口して容易に除去作業を行うことができる。
更には、アンテナと検出波送受信手段とを連結する導波管を閉塞したり、圧力スイッチが作動したときに高炉の開口部を閉鎖して炉からの有毒ガスが外部に漏洩するのを防止することができる。また、有毒ガスの発生を報知して対処を迅速に行うこともできる。更には、不活性ガスの供給を制御する流量計や、温度計により異常を検知し、開口部を閉鎖したり、報知することにより、より安全性が高まる。
本発明に係る高炉内装入物の表面検出装置の一例を示す要部断面図である。 連管部を、反射面と対向する側から見た断面図である。 アンテナ側のシール構造の一例を示す断面図である。 レンズ付きホーアンテナを示す断面図である。 パラボラアンテナの指向特性を示すグラフである。 レンズ付きホーンアンテナの指向特性を示すグラフである。 モータ側のシール構造の一例を示す断面図である。 モータ側のシール構造の他の例を示す断面図である。 本管部と連管部との接続部分を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る高炉内装入物の表面検出装置(以下「検出装置」)1の一例を示す要部断面図である。
高炉100の頂部近傍には開口部101が開口しており、この開口部101に検出装置1が連結される。検出装置1では、検出波であるマイクロ波の送受信手段10に導波管12を通じて連結するアンテナ11と、金属製の反射板20とが対向して本管部30に収容されている。尚、反射板20は、その中心が、アンテナ11からのマイクロ波の伝搬軸に一致するように配置されている。本管部30は、反射板20の反射面20aの直下に、反射面20aより大径の開口31が形成されており、この開口31から高炉100の開口部101に続く連管部32が形成されており、本管部30と連管部32とから構成される管体は、全体として略L字状を呈している。
また、本管部30の内部には、反射板20の反射面20aと対向して通気性の隔壁40が配設されている。更に、アンテナ11のアンテナ面11aと対向して非通気性の隔壁41が配設されている。そして、両隔壁40,41で区画された空間に、ガス供給口50から窒素ガス等の不活性ガスが高圧で供給される。
非通気性の隔壁41は、マイクロ波を透過し、更には耐熱性を有し、高圧の不活性ガスに耐え得る機械的強度を有する材料で形成され、例えばセラミック板とすることができる。セラミック板は、所定の強度を持ち、かつ、マイクロ波の透過に支障が無いように、その板厚を調整する。また、若干量であれば、通気性を有していてもよい。但し、セラミックスの種類によっては、若干ではあるがマイクロ波を反射するものがあり、ノイズとなることがある。そこで、図示されるように、非通気性の隔壁41を、アンテナ11のアンテナ面11aに対して傾斜させることが好ましい。
通気性の隔壁40は、ポーラスセラミックス製とする他に、セラミックス繊維やガラス繊維等からなる通気性織物を用いることができる。
また、連管部32と、高炉100の開口部101との連結部分には、仕切弁110が介在しており、測定時には開状態となり、非測定時には閉状態となる。
このように構成される検出装置1は、測定時には、図示されるように、アンテナ11を通じて送受信手段10から送信された送信マイクロ波Msは、非通気性の隔壁41及び通気性の隔壁40を透過して反射板20の反射面20aで反射され、連管部32を通って高炉100の開口部101から炉内に入射する。そして、送信マイクロ波Msは、炉内の鉄鉱石やコークス(図示せず)の表面で反射され、反射マイクロ波Mrが開口部101を通じて反射板20へと進み、反射面20aで反射された後、通気性の隔壁40及び非通気性の隔壁41を透過してアンテナ11で受信され、送受信手段10で検波される。そして、送受信手段10では受信信号を演算装置(図示せず)に送り、演算装置でマイクロ波の送受信結果を基に炉内の鉄鋼石やコークスまでの距離を求める。
また、測定時には、ガス供給口50から両隔壁40,41の間の空間に高圧の不活性ガスが供給される。測定時、高炉100からは開口部101を通じて鉄鉱石やコークス、粉塵が本管部30の内部に侵入するが、鉄鉱石やコークス、粉塵は反射板20の反射面20aに衝突して衝撃力が大きく低下する。そして、反射面20aで反射された鉄鉱石やコークス、粉塵は、その一部は開口部101に落下し、残りは通気性の隔壁40に到達する。しかし、通気性の隔壁40に到達した鉄鉱石やコークス、粉塵は、反射面20aでの衝突により衝撃力が大きく低下しており、通気性の隔壁40が損傷したり、割れや破断を起こすことはない。
一方、反射板20は金属製であり、鉄鉱石やコークス、粉塵が衝突してもマイクロ波の送受信に影響を与えるような損傷を受けることはない。
また、通気性の隔壁40の反射板側の面40aからは、高圧の不活性ガスが噴出しており、鉄鉱石やコークス、粉塵が付着するのを防止してマイクロ波の送受信を良好に維持する。
更には、通気性の隔壁40から噴出した不活性ガスが、反射板20の反射面20aに到達して付着物を除去することも期待できる。不活性ガスは、反射面20aに沿って斜め下方に流れるため、付着物の除去効率が高くなる。
鉄鉱石やコークス、粉塵による通気性の隔壁40の損傷や割れ、破断をより確実に防止するためには、通気性の隔壁40を反射板20から離した方が好適であるが、通気性の隔壁40から噴射された不活性ガスによる反射面20aの付着物の除去効果が低下するようになり、更には本管部30がその分長くなり装置全体としての設置スペースも大きくなる。そのため、鉄鉱石やコークス、粉塵の衝撃力、不活性ガスによる反射面20aの付着物の除去効果、本管部30の長さなどを勘案して、通気性の隔壁40と反射板20との距離を適宜設定する。
尚、反射面20aへの付着防止をより確実にするために、反射板20からも不活性ガスが噴出する構成とすることもできる。そのためには、反射板20をハウジング21で覆い、反射面20aに、マイクロ波の反射に影響しない直径及び間隔で微小孔を多数形成する。また、モータ70のシャフト71を中空構造にするとともに、ハウジング21の内部に挿入される部分にも多数の孔を形成しておき、シャフト71の適所にガス供給口60を通じてシャフト71の内部に不活性ガスを流入する。シャフト71とガス供給口60とは、シャフト71の回動に対応できるように、可撓性のホース61で連結する。これにより、ハウジング21の内部に高圧の不活性ガスが供給され、反射面20aの微細孔から不活性ガスが噴出される。
また、モータ70により反射板20の反射面20aを軸線と垂直な方向に回動させることにより、図2に示すように、反射面20aの回動方向に送信マイクロ波Msを送ることができ、炉内の鉄鋼石やコークスの表面を線状に走査して表面のプロフィールを検知することができる。その際、図2に示すように、連管部32を、反射面20aの回動角度θ(振り幅)に対応して高炉側に漸次拡径する扇形に形成する。
更に、本管部30の反射板20の周囲の適所、例えば反射面20aの直上部分に窓80を形成し、反射板20を180°回動させて反射面20aを窓80に対面させることにより、反射面20aを観察することができる。反射面20aには、炉内からの鉄鉱石やコークス、粉塵が付着することがあるが、窓80を通じて反射面20aの付着状況を知ることができ、除去が必要な場合は窓80を開放して清掃作業を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は種々の変更が可能である。
例えば、非通気性の隔壁41がセラミックス製の場合、セラミックスの種類によっては強度が不足し、壁厚が薄く、振動が加わると割れるおそれがある。隔壁41が割れると、高炉100の内部で発生した有毒ガスが通気性の隔壁40を通過して導波管12に入り込み、送受信手段10から漏洩するおそれがある。
そこで、フッ素樹脂等のマイクロ波を透過する材料からなる栓部材を、導波管12の内部に挿入したり(図示せず)、図3に示すように、円錐形の栓部材15を導波管12の先端に装着する。
本発明では検出波としてマイクロ波の他にもミリ波を用いることができるが、ミリ波用の導波管は細く、内部に栓部材を挿入することが難しいが、図3に示すように導波管12の先端に栓部材15を装着する構成が有効である。尚、ミリ波を用いる場合は、隔壁40、41や栓部材15を、ミリ波を透過する材料で形成する。
尚、アンテナ11には、図3にされるようなカセグレンアンテナを用いることができる。カセグレンアンテナでは、マイクロ波やミリ波は反射部材16で反射されてアンテナ面11aへと送られ、アンテナ面11aで再度反射されて送信される。また、受信の際には、マイクロ波またはミリ波はアンテナ面11aに入射して反射部材16へと送られ、導波管12を通じて送受信手段10で受信される。そして、栓部材15は、導波管12の先端に装着される。
また、アンテナ11として、パラボラアンテナやホーンアンテナも用いることができるが、構造の簡単さからホーンアンテナが好ましい。特に、指向性が高まることからレンズ付きホーンアンテナがより好ましい。レンズ付きホーンアンテナは、図4に示すように、ホーンアンテナ13の開口部に誘電体レンズ14を付設したものである。図5はパラボラアンテナの指向特性、図6はレンズ付きホーンアンテナの指向特性を示すグラフであるが、レンズ付きホーンアンテナの方が指向特性に優れ、ビームの広がりの少ない指向性が得られる。
尚、レンズ付きホーンアンテナにおいて、ホーンアンテナ13と誘電体レンズ14とは隙間なく連結していてもよく、その場合は有毒ガスが導波管12へと侵入することがなくなり、栓部材15は不要となる。また、ホーンアンテナ13と誘電体レンズ14との間に隙間が形成されていてもよいが、その場合は、有毒ガスの導波管12への侵入を防止するために、導波管12の内部または先端部に部材15Aを装着する。
また、隔壁41が割れたことを検知、報知するために、図1に示すように、隔壁41とアンテナ11との間の適所に圧力スイッチ55を付設する。圧力スイッチ55の出力は仕切弁110の開閉を制御する仕切板開閉手段(図示せず)や、ガス供給口50,60に不活性ガスを供給するガス供給手段(図示せず)に送られる構成になっており、隔壁41が割れて、隔壁40とアンテナ11との間の空間の内圧が高まったときに圧力スイッチ55が作動し、その出力が仕切板開閉手段に送られて仕切弁110を閉めて高炉100からの有毒ガスの侵入を阻止する。
以上はアンテナ側のシール構造であるが、モータ側でも有毒ガスの漏洩を防ぐことが好ましい。例えば、図7に示すように、モータ70をモータ収容室72に収容して本管部30の外部に設置し、本管部30とシャフト71とをグランドパッキン73でシールする。図示は省略するが、グランドパッキン73をスタッフィングボックスに収容し、パッキン押さえで締め付けることにより、シール性能が高まる。また、モータ収容室72に圧力スイッチ75を付設する。
あるいは、図8に示すように、シャフト71の反射板側の一部をシャフト収容室74に収容し、モータ70をシャフト収容室74の後方に配置し、シャフト収容室74の内部及び外部においてシャフト71をグランドパッキン73a,73bで2重にシールしてもよい。また、シャフト収容室74に圧力スイッチ75を付設する。更には、図7に示したようなモータ収容室72を付設し、モータ70を収容してもよい。
圧力スイッチ75も圧力スイッチ55と同様に、その出力が仕切弁開閉手段やガス供給手段に送られる構成になっており、有毒ガスがモータ収容室72やシャフト収容室74に侵入して内圧が高まったときに作動し、その出力が仕切板開閉手段に送られて仕切弁110を閉めて高炉100からの有毒ガスの更なる侵入を阻止する。
このようなアンテナ側及びモータ側のシール構造により、高炉100からの有毒ガスの漏洩を遮断することができる。また、このような異常に対して報知することもできる。
また、図示は省略するが、ガス供給口50,60に接続するガス供給源に流量計を付設し、不活性ガスの供給が停止、もしくは供給量が減少したときに、仕切弁110を閉めたり、異常を報知するようにしてもよい。不活性ガスが装置内に供給されないと、通気性の隔壁40の面40aや反射板20の反射面20aから不活性ガスが噴出しなくなり、マイクロ波の送受信を良好に行えなくなるそれがある。
更には、本管部30の適所に温度計を付設し、本管部30の内部温度が規定値よりも上昇したときに仕切板110を閉めたり、異常を報知してもよい。例えば、図1に示すように、本管部30の隔壁41とアンテナ11との間に圧力スイッチ55に隣接して温度計90を付設した場合、隔壁41が割れると隔壁40とアンテナ11との間の空間の内圧が下がり、高炉100からの熱が風により隔壁41とアンテナ11との間の空間の内部温度が上がり、そのときの温度上昇を温度計90が検知する。そして、温度計90からの温度上昇を受けて仕切板110を閉めたり、異常を報知することにより、隔壁41が割れて有毒ガスが漏洩するのをより確実に防ぐことができる。
上記に加え、図9に示すように、本管部30と連管部32との隔壁40側の接続部分を、高炉側に下降する傾斜面33とすることもできる。図1に示すように、連管部32が本管部30から垂直に連結していると、反射板20の反射面20aや隔壁40に衝突した鉄鋼石やコークス、粉塵が本管部30と連管部32との接続部分Aに落下し、堆積してマイクロ波の送受信に悪影響を与える。そこで、この接続部分Aを、高炉側に下降する傾斜面33にすることにより、鉄鋼石やコークス、粉塵が傾斜面33を滑落して堆積するのを防止できる。
尚、傾斜面33とは反対側の接続部分Bは、直下に開口31が形成されているため、反射板20の反射面20aに衝突した鉄鋼石やコークス、粉塵は開口31に落下して堆積することはない。
以上本発明の検出装置について説明したが、高炉に限らず転炉のプロフィールや石炭ホッパーのプロフィール等の検出にも使用することができる。
1 検出装置
10 送受信手段
11 アンテナ
12 導波管
13 ホーンアンテナ
14 誘電体レンズ
15 栓部材
20 反射板
30 本管部
32 連管部
33 傾斜面
40 通気性の隔壁
41 非通気性の隔壁
55 圧力スイッチ
70 モータ
72 モータ収容室
73,73a,73b グランドパッキン
74 シャフト収容室
75 圧力スイッチ
90 温度計
100 高炉
110 仕切弁

Claims (13)

  1. 高炉の炉頂近傍に設けた開口部の直上に配設された反射板と、反射板と対向配置されるアンテナと、アンテナに連結する検出波送受信手段とを備え、アンテナからの検出波を反射板で反射して開口部を通じて炉内に入射させ、炉内の装入物で反射された検出波を開口部を通じて反射板に入射させてアンテナに送り、検出波送受信手段で検波して装入物の表面までの距離や表面のプロフィールを検出する装置において、
    アンテナ及び金属製の反射板を、アンテナのアンテナ面と反射板の反射面とを対向させて収容するとともに、反射板の反射面の直下が開口した本管部と、本管部の開口と高炉の開口部とを連結する連管部とから構成される管体と、
    反射板の反射面と対向して本管部内に配設され、検出波を透過する材料からなる通気性の隔壁と、
    アンテナのアンテナ面と対向して本管部内に配設され、検出波を透過する材料からなる非通気性の隔壁とを備えるとともに、
    通気性の隔壁と非通気性の隔壁との間の空間に高圧の不活性ガスを供給し、通気性の隔壁の表面から反射板側に不活性ガスを噴出させることを特徴とする高炉内装入物の表面検出装置。
  2. 反射板が、本管部の軸線を中心に反射面が回動可能に設けられており、かつ、連管部が本管部の軸線と直交する方向に漸次拡径して扇形を呈することを特徴とする請求項1記載の高炉内装入物の表面検出装置。
  3. 本管部の、反射板の周囲の適所に窓が形成されており、反射を回動させて反射面を窓に向けることにより、反射面を観察することを特徴とする請求項1または2記載の高炉内装入物の表面検出装置。
  4. 非通気性の隔壁が、アンテナのアンテナ面に対して傾斜していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
  5. 反射板の反射面に微小孔が多数形成されており、反射板の内部に供給した高圧の不活性ガスを噴出させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
  6. アンテナと検出波送受信手段とを連結する導波管が、検出波を透過する材料からなる栓部材で閉塞されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
  7. 非通気性の隔壁で区画され、アンテナを収容した空間に圧力スイッチを付設し、非通気性の隔壁が割れて該空間の内圧が高まったときに、圧力スイッチを作動させて高炉の開口部を閉鎖したり、異常を報知することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
  8. 反射板を回動させるためのモータを収容するモータ収容室、もしくはモータと反射板とを連結するシャフトを収容するシャフト収容室を本管部の外部に付設するとともに、モータ収容室またはシャフト収容室に圧力スイッチを付設し、モータ収容室またはシャフト収容室の内圧が高まったときに、圧力スイッチを作動させて高炉の開口部を閉鎖したり、異常を報知することを特徴とする請求項2〜7の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
  9. 反射板を回動させるためのシャフトと、本管部との間がグランドパッキンによりシールされていることを特徴とする請求項8記載の高炉内装入物の表面検出装置。
  10. 不活性ガスの供給側に流量計を付設し、不活性ガスの供給量が減少または停止したときに高炉の開口部を閉鎖したり、異常を報知することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
  11. 装置の適所に温度計を付設し、該装置の温度が規定値よりも上昇したときに高炉の開口部を閉鎖したり、異常を報知することを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
  12. アンテナがホーンアンテナ、またはレンズ付きホーンアンテナであることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
  13. 本管部と連管部との通気性の隔壁側の接続部分が、高炉側に下降する傾斜面であることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の高炉内装入物の表面検出装置。
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