JP7082853B2 - 距離計、距離測定方法、厚み計装置及び厚み測定方法 - Google Patents
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Description
また、厚み計装置以外として、例えば、測定対象までの距離を測定する距離計においても、上述の場合と同様に通光に問題がある環境下では、精度よく測定することが困難となる。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、通光に問題がある環境下でも精度よく、厚みまたは距離を測定することができる、距離計、距離測定方法、厚み計装置及び厚み測定方法を提供することを目的としている。
図1~図9を参照して、本発明の一実施形態に係る厚み計装置1について説明する。厚み計装置1は、被測定物6の厚みである板厚を連続的に測定する装置であり、図1に示すように、フレーム2と、第1距離計3と、第2距離計4と、厚み演算部5と、を備える。
フレーム2は、図2に示すように、x軸方向からみてC型の形状を有し、移動する被測定物6を挟んで配される。なお、図面において、一例として、x軸、y軸及びz軸は互いに直交する軸であり、x軸及びy軸が水平方向に平行な軸、z軸が鉛直方向に平行な軸である。本実施形態において被測定物6は、x軸方向に搬送される鋼板である。
電波強度位相演算部325は、重みがかけられた受信アンテナ32の各アンテナ素子の出力から、各出力における電波強度と位相とを検出する。なお、各出力は、重み係数付与部322によって、振幅要素と位相要素とに分解されている。そして、分解された要素のうち、振幅要素によって電波強度が定められ、位相要素によって受信電波の入射方向が定められる。
ピーク座標算出部326は、重みがかけられた受信アンテナ32の各アンテナ素子の出力から、アンテナ素子のピーク部の座標であるピーク部座標を算出する。なお、ピーク部は、受信アンテナ32において、各アンテナ素子の中で最大のエネルギー値(電波強度)を受信するアンテナ素子である。
測定点座標算出部328は、算出されたピーク部座標と、到来方向ベクトルとから、送信波が反射された被測定物6の表面の空間座標、つまり表面の測定スポットである第1測定点座標(xfm,yfm,zfm)を算出する。
測定値DB51は、受信アンテナ32,42の出力回路324,424からそれぞれ出力された出力情報を記憶する。
傾斜演算部53は、測定値DB51に記憶された出力情報から、被測定物6の表面及び裏面の傾きを演算する。
誤差判定部55は、平行度演算部54の演算結果から、被測定物6の対向軸Cに対する傾きの有無を判定する。
厚み補正部56は、誤差判定部55にて、傾きがあると判定された場合、被測定物6の傾きに応じて、仮厚みを補正し、被測定物6の厚みを算出する。
なお、厚み演算部5による、被測定物6の厚みの算出方法については、後述の厚み測定方法にて詳細に説明する。
次に、図10,11を参照して、厚み計装置1による厚みの測定方法について説明する。本実施形態では、厚みの測定に先立ち、第1距離計3及び第2距離計4の設置位置の調整及び距離計としての校正が行われる。第1距離計3及び第2距離計4の設置位置の調整では、各距離計の測定軸の位置ずれ及び角度ずれがないように調整が行われる。
ステップS100,S102の工程は、被測定物6の搬送速度や目的とする厚みの測定精度に応じて、第1距離計3及び第2距離計4によって繰り返し行われる。例えば、10ms間隔で、第1測定点座標(xfm,yfm,zfm)及び第2測定点座標(xbm,ybm,zbm)の測定が行われてもよい。つまり、測定値DB51には、ステップS100,S102の工程が繰り返された回数に応じて、出力情報が複数記憶される。
第3測定点座標の決定方法としては、まず、第2測定点座標群の中から、x-y座標系において、第1測定点座標(xfmT,yfmT,zfmT)と同じx,y座標のz軸と平行な直線と裏面との交叉する点か、その点に最も近い3点の第2測定点座標を選択する。この交叉する点のデータがある場合は、その座標、データがない場合は最も近い3点を含む平面と第一測定点のx,y座標(xfmT,yfmT)が同じ同平面状の点のz座標zbmaを求め、第三測定点座標とする。選択される複数の第2測定点座標は、3点以上であることが必要条件となる。座標(xfmT,yfmT)におけるz座標の推定は、例えば、選択された複数の第2測定点座標から内分、あるいは表面の測定点を通るz軸に平行な直線と裏面が交叉する点付近の測定点から交叉する点のx,y,z座標を平面近似、曲面近似などの近似手法で求めることで、第3測定点座標のz座標が求められてもよい。そして、第三測定点を求めるための最も近い測定点所定の距離範囲内にない場合には、測定不可として、第1の測定点座標(xfmT,yfmT,zfmT)の厚みの演算を終了する。一方、所定の範囲内にある場合には、第1の測定点座標(xfmT,yfmT,zfmT)の厚みの演算を継続する。
第3測定点座標(xbma,ybma,zbma)が決定された後、第1測定点座標(xfmT,yfmT,zfmT)のz座標値と、第3測定点座標(xbma,ybma,zbma)のz座標値との差分となる距離(|zfmT-zbma|)が、仮厚みDとして算出される。
ステップS108~S114の工程は、ステップS100,S102が繰り返し行われた回数に応じて、繰り返し行われる。これにより、被測定物6の搬送方向に対して、板厚の分布を連続的に測定することができる。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
なお、第1距離計3’及び第2距離計4’の調整機構による指向方向の変更方法は、指向方向を変更可能なものであればよく、アンテナ部33を台部34に対してz軸方向に平行な軸を中心に回転させる上記の例に限定されない。アンテナ部33が台部34に対して角度が変更できる機構をもっている方が好ましい。
また、第1距離計3’及び第2距離計4’での測定は、互いに複数位置で行う必要はない。例えば、第1距離計3’の測定箇所を1箇所として、第2距離計4’の測定箇所を第1距離計3’での測定箇所近傍の複数の箇所としてもよい。この場合、第2距離計4’での複数の測定結果から、第1距離計3’の1箇所の測定箇所における厚みが算出される。
さらに、上記実施形態では、エネルギー値が最も高いピーク部の測定結果に基づいて、測定を行うとしたが、本発明はかかる例に限定されない。凹凸の少ない理想的な平面による電波の反射状況での測定が行われる場合には、受信波のピーク部座標と電波エネルギー重心座標とがほぼ同じ空間座標となる。しかし、外乱因子等によってピーク部座標と電波エネルギー重心座標とが異なる場合がある。このような場合には、ピーク部座標の代わりに電波エネルギー重心座標を用いて、厚みの算出が行われてもよい。
さらに、送信アンテナ31,41と受信アンテナ32,42の配置は、受信アンテナ32,42が受信波を受信可能であれば、図3の例に限らず、送信アンテナ31と受信アンテナ32または送信アンテナ41と受信アンテナ42が、x-y平面に平行な他の方向に並んで設けられてもよい。
(1)本発明の一態様に係る距離計(例えば、第1距離計3、第2距離計4)は、被測定物6までの距離を測定する距離計であって、被測定物6に電波を送信波として照射する送信アンテナ(例えば、送信アンテナ31,41)と、送信波が被測定物6で反射した受信波の中心経路を検出可能な受信アンテナ(例えば、受信アンテナ32,42)と、受信波の中心経路と送信波の中心経路とから、送信波が反射された被測定物6の座標である測定スポット(例えば、第1測定点座標、第2測定点座標)を算出し、被測定物6までの距離を算出する演算部(323,423)と、を有する、距離計。
上記(2)の構成によれば、複雑な機構を用いずとも、受信波の二次元の電波強度と受信波の到来方向とを測定することができ、簡易な装置構成で受信波の中心経路を簡便に求めることができる。
(4)上記(2)の構成において、演算部は、前記二次元の電波強度が閾値以上であるか否かを判断し、二次元の電波強度が閾値以上である場合には距離を算出し、二次元の電波強度が閾値未満である場合には測定不可として距離を算出しない。
上記(3)や(4)の構成によれば、外乱因子等の影響によって測定ができない場合を、二次元の電波強度の対象性や電波強度から判断することができ、精度よく信頼性のある距離を測定することができるようになる。
上記(5)の構成によれば、受信アンテナに、フェイズドアレイアンテナ等を用いる必要がなくなり、ホーンアンテナ等を用いることができるようになる。
上記(6)の構成によれば、アンテナ部を移動させて複数の移動位置にて距離の測定を行うことができるようになり、移動方向に沿った被測定物6の一次元あるいは二次元での距離の分布を測定することができるようになる。
(7)上記(1)~(6)のいずれか1つの構成において、送信アンテナは、電波の照射方向の先端に誘電体レンズを有する。
電波を用いた距離計では、電波の拡がりにより測定範囲が広くなるが、その分測定精度が低下する。しかし、上記(7)の構成によれば、送信波の指向性を鋭くすることができ、測定精度を高めることができる。
上記(9)の構成によれば、第1距離計3及び第2距離計4によって、精度よく第1距離L1と第2距離L2とが測定されるため、厚みを精度よく算出することができる。
上記(10)の構成によれば、例えば被測定物6が搬送される鋼板などのため、被測定物6自体に測定方向に対して傾きがある場合でも、被測定物6の厚みを精度よく測定することができる。
上記(11)の構成によれば、第3測定点座標を求めることで、第1測定点座標の反対面側に位置する第2測定点座標が測定されていない場合でも、精度よく厚みを測定することができる。
2 フレーム
3,3’ 第1距離計
31 送信アンテナ
311 誘電体レンズ
32,32’ 受信アンテナ
321 受信面
322 重み係数付与部
323 演算部
324 出力回路
325 電波強度位相演算部
326 ピーク座標算出部
327 到来方向ベクトル演算部
328 測定点座標算出部
33 アンテナ部
34 台部
35 第1移動手段
36 第2移動手段
4,4’ 第2距離計
41 送信アンテナ
411 誘電体レンズ
42受信アンテナ
421 受信面
422 重み係数付与部
423 演算部
424 出力回路
425 電波強度位相演算部
426 ピーク座標算出部
427 到来方向ベクトル演算部
428 測定点座標算出部
5 厚み演算部
51 測定値DB
52 仮厚み算出部
53 傾斜演算部
54 平行度演算部
55 誤差判定部
56 厚み補正部
6 被測定物
Claims (12)
- 被測定物までの距離を測定する距離計であって、
前記被測定物に電波を送信波として照射する送信アンテナと、
前記送信波が前記被測定物で反射した受信波の中心経路を検出可能な受信アンテナと、
前記受信波の中心経路と前記送信波の中心経路とから、前記送信波が反射された前記被測定物の座標である測定スポットを算出し、前記被測定物までの距離を算出する演算部と、
を有する、距離計。 - 前記受信アンテナは、前記受信波の二次元の電波強度と前記受信波の到来方向とを受信可能なフェイズドアレイアンテナであり、
前記演算部は、前記受信アンテナで受信された前記二次元の電波強度と前記到来方向とに基づいて、前記受信波の中心経路を算出する、請求項1に記載の距離計。 - 前記演算部は、前記二次元の電波強度の対象性の有無を判断し、前記対象性がある場合には前記距離を算出し、前記対象性がない場合には測定不可として前記距離を算出しない、請求項2に記載の距離計。
- 前記演算部は、前記二次元の電波強度が閾値以上であるか否かを判断し、前記二次元の電波強度が閾値以上である場合には前記距離を算出し、前記二次元の電波強度が閾値未満である場合には測定不可として前記距離を算出しない、請求項2に記載の距離計。
- 前記送信アンテナと前記受信アンテナとが設けられたアンテナ部をさらに有し、
前記アンテナ部には、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナの指向方向を調整可能な調整機構が設けられ、
前記演算部は、前記指向方向が異なる複数の測定結果に基づいて、前記受信波の到来方向を決定し、前記測定スポットを算出する、請求項1に記載の距離計。 - 前記距離の測定方向に直交する少なくとも一方向に前記アンテナ部を移動可能な移動手段をさらに有する、請求項5に記載の距離計。
- 前記送信アンテナは、前記電波の照射方向の先端に誘電体レンズを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の距離計。
- 被測定物までの距離を測定する距離測定方法であって、
送信アンテナを用いて、前記被測定物に電波を送信波として照射し、
受信アンテナを用いて、前記送信波が前記被測定物で反射した受信波の中心経路を検出し、
前記受信波の中心経路と前記送信波の中心経路とから、前記送信波が反射された前記被測定物の座標である測定スポットを算出し、前記被測定物までの距離を算出する、
距離測定方法。 - 被測定物の厚みを測定する厚み計装置であって、
第1距離計と、第2距離計と、厚み演算部とを備え、
前記第1距離計及び第2距離計は、請求項1~7のいずれか1項に記載の距離計であり、前記被測定物を前記厚みの方向に挟んで各距離計における測定方向が対向して設けられ、前記第1距離計から前記被測定物までの距離である第1距離及び前記第2距離計から前記被測定物までの距離である第2距離をそれぞれ測定し、
前記厚み演算部は、前記第1距離と前記第2距離とに基づいて、前記被測定物の厚みを算出する、厚み計装置。 - 前記厚み演算部は、
前記第1距離と前記第2距離とから、前記被測定物の仮厚みを算出する仮厚み算出部と、
前記第1距離計及び前記第2距離計における前記受信波及び前記送信波の中心経路に基づいて前記仮厚みの傾きを補正することで前記被測定物の厚みを算出する厚み補正部とを有する、請求項9に記載の厚み計装置。 - 前記第1距離計は、前記第1距離を測定することで、前記第1距離計での測定箇所の測定スポットである第1測定点座標を測定し、
前記第2距離計は、前記第1距離計での測定箇所の近傍の複数の測定箇所における前記第2距離を測定することで、前記複数の測定箇所の測定スポットである第2測定点座標群を測定し、
前記厚み演算部は、前記第2測定点座標群に基づいて、前記第1測定点座標の裏側面における座標である第3測定点座標を算出し、前記第1測定点座標から決定される前記第1距離と前記第3測定点座標から決定される前記第2距離とに基づいて、前記被測定物の厚みを算出する、請求項9または10に記載の厚み計装置。 - 被測定物の厚みを測定する厚み測定方法であって、
請求項8に記載の距離計であり、前記被測定物を前記厚みの方向に挟んで各距離計における測定方向が対向して設けられる第1距離計及び第2距離計を用いて、前記第1距離計から前記被測定物までの距離である第1距離及び前記第2距離計から前記被測定物までの距離である第2距離をそれぞれ測定し、
前記第1距離と前記第2距離とに基づいて、前記被測定物の厚みを算出する、厚み測定方法。
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