以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、遊技盤4(図3)の前側に対応するガラス扉5と発射手段6(図4)の前側に対応する前面板7とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。前面板7の前側には、発射用の遊技球を貯留する貯留皿8と、発射手段6を作動させるための発射ハンドル6aとが設けられている。
遊技盤4の前面側には、図3に示すように、発射手段6から発射された遊技球を案内するガイドレール9が遊技領域4aを略取り囲むように装着されると共に、その遊技領域4a内に、中央表示ユニット10、普通図柄始動手段11、特別図柄始動手段12、大入賞手段13、普通入賞手段14等の各種遊技部品が配置されている。
中央表示ユニット10は、例えば遊技領域4aの略中央に配置されており、図5〜図7等に示すように、遊技盤4に形成された装着孔15に対して前側から装着される前構造体10aと、この前構造体10aに対応するように遊技盤4の背面側に装着される後構造体10bとを備え、前構造体10aに、ステージ16の他、普通図柄表示手段17、特別図柄表示手段18、普通保留個数表示手段19等の各種表示手段が配置され、後構造体10bに、液晶表示手段20、可動演出手段21等が配置されている。
前構造体10aには、液晶表示手段20の表示画面に対応する略矩形状の液晶表示窓22が形成されており、その液晶表示窓22の下部前側にステージ16が例えば横長状に配置されている。このステージ16は、前構造体10aの側部、例えば左側に設けられたワープ入口16aに流入した遊技球を自由に転動させた後、例えば左右方向中央の中央落下部又はその左右両側の側部落下部から前側に落下させるようになっている。
普通図柄始動手段11は、普通図柄表示手段17による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、例えば中央表示ユニット10の左側に配置されており、遊技球の通過を検出可能な遊技球検出手段(図示省略)を備えている。
普通図柄表示手段17は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)によって構成されており、普通図柄始動手段11が遊技球を検出することに基づいてそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段11による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
なお、普通図柄始動手段11による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値等の普通乱数情報は、予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶され、普通図柄表示手段17による図柄変動が開始される毎に順次消化される。普通乱数情報の記憶個数(以下、普通保留個数)は普通保留個数表示手段19によって遊技者に報知される。
特別図柄始動手段12は、特別図柄表示手段18による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口12a,12bと、下特別始動口12bを開閉する開閉手段23と、特別始動口12a,12bに入賞した遊技球を夫々検出する遊技球検出手段(図示省略)とを備え、例えば中央表示ユニット10の下側に配置されている。上特別始動口12aは、開閉手段等を有しない非開閉式入賞口である。下特別始動口12bは、開閉手段23により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞口で、普通図柄表示手段17の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に発生する普通利益状態において、開閉手段23が所定時間閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段18は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段12が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口12a,12bの何れかに遊技球が入賞することに基づいて特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口12a,12bへの入賞時に取得された特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
なお、特別図柄始動手段12への入賞時に取得された特別乱数情報は、予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶され、特別図柄表示手段18による図柄変動が開始される毎に順次消化される。特別乱数情報の記憶個数(以下、特別保留個数)は、後述する特別保留個数表示手段24によって遊技者に報知される。
大入賞手段13は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板25を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段18の変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となった場合に発生する特別利益状態(利益状態)において、開閉板25が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下してきた遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
また液晶表示手段20は、演出図柄表示手段26、特別保留個数表示手段24等を構成しており、演出図柄表示手段26が、例えば特別図柄表示手段18による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を含む各種演出画像を変動表示する他、例えば特別保留個数表示手段24による保留表示画像24aの表示個数によって特別保留個数を報知するようになっている。
ここで、演出図柄は、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の数字図柄等で構成されており、特別図柄始動手段12が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口12a,12bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字を含む図柄が用いられ、「6・6・6」、「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となる。
可動演出手段21は、液晶表示手段20の前側の液晶表示窓22を両引き戸型の扉によって開閉するもので、図5〜図8等に示すように、左右方向移動可能に支持された左右一対の第1扉(可動体)31a,31bと、それら第1扉31a,31bの後側で左右方向移動可能に支持された左右一対の第2扉(可動体)32a,32bと、それら第2扉32a,32bの後側で左右方向移動可能に支持された左右一対の第3扉(可動体)33a,33bと、左第1〜第3扉31a〜33a,右第1〜第3扉31b〜33bを夫々「全開状態」と「全閉状態」との間で駆動する開閉駆動手段34a,34b等を備えており、例えば演出図柄表示手段26による演出図柄の変動パターンに対応する開閉パターンに従って作動するようになっている。
前構造体10aは、液晶表示窓22の左右両側に扉カバー部35a,35bを備え、それら扉カバー部35a,35bの後側が夫々扉収容部36a,36bとなっている。扉カバー部35a,35bは、少なくとも一部が透光性を有するレンズ部となっている。また、例えば後構造体10bには、液晶表示窓22の下縁部後側に左第1〜第3扉31a〜33a,右第1〜第3扉31b〜33bの下部側を夫々左右方向に案内するための左第1〜第3下部レール37a〜39a、右第1〜第3下部レール37b〜39bが配設され、また液晶表示窓22の上縁部後側には、左第1〜第3扉31a〜33a,右第1〜第3扉31b〜33bの上部側を夫々左右方向に案内するための左第1〜第3上部レール40a〜42a、右第1〜第3上部レール40b〜42bが配設されている。
そして、全開状態のときには、左扉収容部36aに左第1〜第3扉31a〜33aが、右扉収容部36bに右第1〜第3扉31b〜33bが、夫々前後に重なった状態で収容されることにより液晶表示窓22の略全体が開放され(図3,図5に示す状態)、全閉状態のときには、左第1〜第3扉31a〜33aにより液晶表示窓22の左半分が、右第1〜第3扉31b〜33bにより液晶表示窓22の右半分が夫々覆われることにより液晶表示窓22の略全体が閉鎖されるようになっている(図7に示す状態)。なお、左第1〜第3扉31a〜33a及び右第1〜第3扉31b〜33bの動作領域の前側には、可動演出手段21側への遊技球の侵入を防止するための透明板22aが配置されている(図5,図6)。この透明板22aは、液晶表示窓22を例えば後側から略閉鎖するように配置され、例えば後構造体10bに装着されている。
左第1〜第3扉31a〜33a及び右第1〜第3扉31b〜33bは、図8等に示すように、夫々正面視で縦長の略矩形板状に形成された扉本体部43と、例えばこの扉本体部43の背面側に装着された発光基板44と、例えば扉本体部43の下部側に配置された1又は複数の車輪45と、例えば扉本体部43の上部側に配置された被案内部46とを備え、車輪45が左第1〜第3下部レール37a〜39a、右第1〜第3下部レール37b〜39b上を転動し、被案内部46が左第1〜第3上部レール40a〜42a、右第1〜第3上部レール40b〜42bに沿って摺動することにより左右方向に移動可能となっている。
扉本体部43は、その少なくとも一部分が透光性を有するレンズ部となっており、後側の発光基板44からの光によって所定色に発光するようになっている。また、第1扉31a,31bの扉本体部43には、例えばその下部側に左右方向の被駆動部47が例えば一体に設けられ、その被駆動部47の例えば背面側にラック48が左右方向に配設されており、開閉駆動手段34a,34bの駆動力はこのラック48を介して第1扉31a,31bに伝達されるようになっている。
また、例えば第2扉32a,32b及び第3扉33a,33bの扉本体部43には、左右方向の閉鎖側端部近傍に前向きの連動突起49が形成され、また第1扉31a,31b及び第2扉32a,32bの扉本体部43には、裏面側に幅方向の略全体にわたって左右方向のガイド溝50が形成されている。そして、第1扉31a,31bのガイド溝50に第2扉32a,32bの連動突起49が、第2扉32a,32bのガイド溝50に第3扉33a,33bの連動突起49が左右方向摺動自在に挿入されており、第1扉31a,31bと第2扉32a,32b、第2扉32a,32bと第3扉33a,33bは、夫々連動突起49がガイド溝50内を摺動可能な範囲で相対移動可能となっている。これにより、開閉駆動手段34a,34bの駆動力は、第1扉31a,31bから第2扉32a,32b、第3扉33a,33bへと順次伝達される。
発光基板44は、例えばLED(発光体)51の装着面を前側に向けた状態で扉本体部43に対して後側から装着されている。可動演出手段21に搭載された各発光基板44は夫々個別に発光制御可能に構成され、例えば左第1〜第3扉31a〜33a側と右第1〜第3扉31b〜33bとの2系統で、例えば第1扉31a,31bの第1発光基板44aを最上位とし、第2扉32a,32bの第2発光基板44b、第3扉33a,33bの第3発光基板44cの順序で数珠繋ぎ状に接続されている。
即ち、第1発光基板44aの例えば上端部には上流側コネクタ52aと下流側コネクタ52bとが設けられ、第2発光基板44bの例えば上端部には上流側コネクタ53aと下流側コネクタ53bとが設けられ、第3発光基板44cの例えば上端部にはコネクタ54が設けられており、図9等に示すように、中継基板55の下流側コネクタ56aと第1発光基板44aの上流側コネクタ52aとが第1ケーブル57aにより、第1発光基板44aの下流側コネクタ52bと第2発光基板44bの上流側コネクタ53aとが第2ケーブル57bにより、第2発光基板44bの下流側コネクタ53bと第3発光基板44cのコネクタ54とが第3ケーブル57cにより夫々接続されている。中継基板55は例えば後構造体10bの所定位置に配置されており、例えば他の中継基板等を経て演出制御基板(制御手段)63a(図4)に接続されている。なお、第1〜第3ケーブル57a〜57cには例えばフレキシブルフラットケーブルが用いられ、液晶表示窓22の外側(ここでは上側)のスペースに収容されており、弛みのある場合でも液晶表示窓22内に垂れ下がらないように例えば幅方向を上下に向けて配設されている。
開閉駆動手段34a,34bは例えばステッピングモータで、後構造体10bの下部側に配置されており、その駆動軸に、第1扉31a,31bの各ラック48に後側から噛合するピニオンギヤ58が固定されている。
全開状態(図9(a))から開閉駆動手段34a,34bを閉鎖方向に作動させると、まず第1扉31a,31bが閉鎖方向(液晶表示窓22内に進出する方向)に移動を開始する。そして、例えば第1扉31a,31bの略全体が液晶表示窓22内に進出した時点で第2扉32a,32bの連動突起49が第1扉31a,31bのガイド溝50の端部に係合し(図9(b))、それ以降は第1扉31a,31bと共に第2扉32a,32bも閉鎖方向に移動する。続いて例えば第2扉32a,32bの略全体が液晶表示窓22内に進出した時点で第3扉32a,32bの連動突起49が第2扉32a,32bのガイド溝50の端部に係合し(図9(c))、それ以降は全閉状態(図9(d))になるまで第1扉31a,31b、第2扉32a,32bと共に第3扉33a,33bも閉鎖方向に移動する。
また、全閉状態(図10(a))から開閉駆動手段34a,34bを開放方向に作動させると、まず第1扉31a,31bが開放方向(液晶表示窓22から退去する方向)に移動を開始する。そして、例えば第1扉31a,31bが第2扉32a,32bの前側に略重なった時点で第2扉32a,32bの連動突起49が第1扉31a,31bのガイド溝50の端部に係合し(図10(b))、それ以降は第1扉31a,31bと共に第2扉32a,32bも開放方向に移動する。続いて例えば第1扉31a,31bと第2扉32a,32bとが第3扉33a,33bの前側に略重なった時点で第3扉33a,33bの連動突起49が第2扉32a,32bのガイド溝50の端部に係合し(図10(c))、それ以降は全開状態(図10(d))になるまで第1扉31a,31b、第2扉32a,32bと共に第3扉33a,33bも開放方向に移動する。なお、可動演出手段21は、全開状態と全閉状態だけでなくそれらの間の任意の位置で停止させるように制御可能である。
また遊技盤4の裏面側には、図2に示すように、中央表示ユニット10等の遊技部品を後側から覆う裏カバー61が装着され、この裏カバー61の背面側に、主制御基板62aが格納された主基板ケース62、演出制御基板63a及び演出インターフェイス基板63bが格納された演出基板ケース63、液晶制御基板64aが格納された液晶基板ケース64等が着脱自在に装着されている。
前枠3の裏側には、遊技盤4の裏側を開閉自在に覆う開閉カバー65が着脱自在に装着されると共に、その上部側に遊技球タンク66とタンクレール67とが、左右一側に払い出し手段68と払い出し通路69とが夫々装着されており、遊技球が大入賞手段13等に入賞したとき、又は図示しない自動球貸し機から球貸し要求があったときに、遊技球タンク66内の遊技球をタンクレール67を経て払い出し手段68により払い出し、その遊技球を払い出し通路69を経て貯留皿8に案内するようになっている。
前枠3の裏側下部には、基板装着台70が着脱自在に装着されており、この基板装着台70の背面側に、電源基板71aが格納された電源基板ケース71、払出制御基板72aが格納された払出基板ケース72が夫々着脱自在に装着されている。
図4は本パチンコ機の制御系の概略ブロック図である。図4において、主制御基板62aは遊技動作を統括的に制御するもので、遊技盤4上の普通図柄表示手段17、特別図柄表示手段18、普通図柄始動手段11、特別図柄始動手段12、大入賞手段13、普通入賞手段14等が例えば図示しない中継基板等を経由して接続されると共に、その下位に、主制御基板62aからの制御コマンドに基づいて音声出力、LED発光、可動体駆動等の演出制御を行う演出制御基板63a、この演出制御基板63aからの制御コマンドに基づいて液晶表示手段20を制御する液晶制御基板64a、主制御基板62aからの制御コマンドに基づいて払い出し手段68を制御する払出制御基板72a、この払出制御基板72aからの発射制御信号等に基づいて発射手段6を制御する発射制御基板73等のサブ制御手段が接続されている。
なお、演出制御基板63a及び液晶制御基板64aは、主制御基板62aに接続された演出インターフェイス基板63bに接続されており、主制御基板62aから演出制御基板63aへの制御コマンド、演出制御基板63aから液晶制御基板64aへの制御コマンドは共に演出インターフェイス基板63bを経由して送信されるようになっている。
また、演出制御基板63aの制御対象である各種演出手段、例えば可動演出手段21,スピーカ74、LED75等の他、遊技者が操作可能な演出ボタン76(図1)等は例えば演出インターフェイス基板63bを介して演出制御基板63aに接続されている。従って、上述した第1〜第4発光基板44a〜44cについても、中継基板55等の他、例えば演出インターフェイス基板63bを介して演出制御基板63aに接続されている。
また、演出制御基板63aによって制御される可動演出手段21については、演出図柄表示手段26による演出図柄の変動パターンに対応して、例えば図11に示すような複数種類の開閉パターンの何れかに従って扉31a〜33a,31b〜33bが動作すると共に、例えばその扉31a〜33a,31b〜33bの状態に応じて発光基板44a〜44cのLED51が所定の発光パターンで発光するようになっている。
図11に示す第1開閉パターンは、全開状態(図9(a))から第1閉鎖状態(図9(b)),第2閉鎖状態(図9(c))を経て全閉状態(図9(d))となり、更にその全閉状態(図10(a))から第1開放状態(図10(b)),第2開放状態(図10(c))を経て全開状態(図10(d))に復帰するように構成されている。また、第2,第3開閉パターンは、共に全閉状態に達することなく全開状態に復帰する開閉パターンで、第2開閉パターンについては第1閉鎖状態(図9(b))まで、第3開閉パターンについては第2閉鎖状態(図9(c))まで移動した後で全開状態に復帰するようになっている。もちろん、開閉パターンはこれらに限られるものではなく、例えば所定の範囲で複数回往復移動する等、任意の開閉パターンを採用可能である。また、例えば図11に示す第1〜第3開閉パターンについても、演出図柄の変動パターンに応じて途中の停止時間や開閉速度が異なる複数種類設けることが望ましい。
図12(a)は、図11に示す第1開閉パターンの各状態に対応する第1〜第3発光基板44a〜44cの発光状態の一例を示したものである。同図に示すように、扉31a〜33a,31b〜33bが全開状態の時には、図9(a)に示すように第2扉32a,32b、第3扉33a,33bはその略全体が第1扉31a,31bの後側に重なっているため、例えば第1扉31a,31bの第1発光基板44aのみが発光可能となるように制御される。全開状態から閉鎖方向に始動した後、第1閉鎖状態(図9(b))までは、第1扉31a,31bが移動して第2扉32a,32bの前側が徐々に開放されるが、第3扉33a,33bについては依然として第2扉32a,32bの後側に重なった状態にあるため、例えば第1扉31a,31bの第1発光基板44a及び第2扉32a,32bの第2発光基板44bが発光可能で第3発光基板44cは発光しないように制御される。第1閉鎖状態(図9(b))を過ぎた後は、第3扉33a,33bの前側も徐々に開放され、第2閉鎖状態(図9(c))となった後は扉31a〜33a,31b〜33bの前側の略全体が開放されるため、第1閉鎖状態(図9(b))を過ぎて全閉状態(図9(d))までは例えば第1〜第3発光基板44a〜44cの全てが発光可能となるように制御される。
また、全閉状態(図10(a))から開放方向に始動した後、第1開放状態(図10(b))に達する前までは例えば引き続き第1〜第3発光基板44a〜44cの全てが発光可能となるように制御されるが、第1開放状態(図10(b))に達した時点から第2開放状態(図10(c))に達する前までは、例えば第1扉31a,31bの後側に重なる第2扉32a,32bの第2発光基板44bについては発光せず、第1扉31a,31bの第1発光基板44a及び第3扉33a,33bの第3発光基板44cのみが発光可能となるように制御される。そして、第2開放状態(図10(c))に達した時点から全開状態(図10(d))までは、第2扉32a,32b、第3扉33a,33bはその略全体が第1扉31a,31bの後側に重なっているため、例えば第1扉31a,31bの第1発光基板44aのみが発光可能となるように制御される。
この図12(a)より明らかなように、第1発光基板44aについては扉31a〜33a,31b〜33bの状態に拘わらず常に発光可能であるのに対し、第2発光基板44b及び第3発光基板44cについては扉31a〜33a,31b〜33bの状態によって発光しない場合があるため、第1〜第3発光基板44a〜44cの中では第1発光基板44aが最も発光頻度が高くなる。また、第2発光基板44bと第3発光基板44cとについては、例えば開放方向よりも閉鎖方向への移動速度が遅い場合には第3発光基板44cよりも第2発光基板44bの発光頻度が高くなるなど、開閉パターンの構成によって発光頻度は変化するが、本実施形態では、全体として第3発光基板44cよりも第2発光基板44bの発光頻度が高くなるように制御されるものとする。即ち、本実施形態における第1〜第3発光基板44a〜44cの発光頻度は、図12(b)に示すように、第1発光基板44aが最も高く、第3発光基板44cが最も低くなっている。
また上述したように、第1〜第3発光基板44a〜44cは、第1発光基板44aを最上位とし、第2発光基板44b、第3発光基板44cの順序で数珠繋ぎ状に接続されている。即ち、図12(b)に示すように、第1〜第3発光基板44a〜44cの接続順序はそれらの発光頻度に対応しており、発光頻度が最も高い第1発光基板44aが最も上位側となり、発光頻度が最も低い第3発光基板44cが最も下位側となるように接続されている。これにより、発光頻度の高い発光基板ほど配線経路が短くなって例えばノイズを拾い難くなるため、ノイズ等による悪影響を最小限に抑えて最適な発光演出を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では第1〜第3発光基板44a〜44cの発光頻度と前後方向の配置位置(即ち遊技者との位置関係)とが対応しており、発光頻度が高いほど前側、即ち遊技者に近い位置に配置されている。
図13〜図17は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態における可動演出手段21を、回転ドラム式の可動演出手段81に変更した例を示している。もちろん、複数種類の可動演出手段21,81等を搭載してもよい。
本実施形態の可動演出手段81は、例えば中央表示ユニット10における液晶表示窓22の上側のドラム表示窓82に対応してその後側に配置されており、図14,図15等に示すように、回転ドラム(可動体)83と、この回転ドラム83の内側に装着された発光基板84と、回転ドラム83を回転駆動可能な回転駆動手段85とを備えている。
回転駆動手段85は例えばステッピングモータで、駆動軸85aを上側に向けた状態で例えば左右一対の支持部86により例えば後構造体10bの所定位置に固定されており、その駆動軸85aには例えばスリップリングユニット87を挟んで回転ドラム83が固定されている。
回転ドラム83は、例えば上下方向の円筒部(基板装着部)88と、駆動軸85aに固定される軸固定部89と、この軸固定部89と円筒部88の例えば上縁側とを半径方向に連結する筒端支持部90とを備えている。円筒部88は、複数、例えば4つの第1〜第4部材88a〜88dに略等分割されており、それらを円筒状に組み合わせた状態で筒端支持部90に対して着脱自在に固定されている。円筒部88は透光性の合成樹脂により形成されており、図16(a)に示すように、その外面側には複数種類、例えば4種類の第1〜第4演出画像91a〜91dが例えば第1〜第4部材88a〜88dに対応して配置されている。
本実施形態では、第1演出画像91aとして所定のキャラクターの画像が、第2演出画像91bとして「もしかして…?」の文言を含む画像が、第3演出画像91cとして「チャンス!?」の文言を含む画像が、第4演出画像91dとして「アツイ!!」の文言を含む画像が夫々用いられている。なお、ドラム表示窓82は各演出画像91a〜91dに対応する大きさに形成されており、図13に示すように、遊技者はこのドラム表示窓82を介して各演出画像91a〜91dを視認可能となっている。以下の説明では、ドラム表示窓82を介して例えば第1演出画像91aが見える状態を単に「第1演出画像91aを表示した状態」、「第1演出画像91aで停止した状態」等と表現する。
発光基板84は、例えば第1〜第4演出画像91a〜91dに対応して4つ(第1〜第4発光基板84a〜84d)設けられており、それら第1〜第4発光基板84a〜84dが夫々LED(発光体)92の装着面を外側に向けた状態で第1〜第4部材88a〜88dの内面側に着脱自在に固定されている。第1〜第4発光基板84a〜84dは、夫々個別に発光制御可能に構成され、図14,図16に示すように、例えば第1発光基板84aを最上位とし、第2発光基板84b,第3発光基板84c,第4発光基板84dの順序で数珠繋ぎ状に接続されている。
即ち、第1発光基板84aの内面側(LED92の装着面とは反対側)の周方向両端部には上流側コネクタ93aと下流側コネクタ93bとが設けられ、第2発光基板84bの内面側の周方向両端部には上流側コネクタ94aと下流側コネクタ94bとが設けられ、第3発光基板84cの内面側の周方向両端部には上流側コネクタ95aと下流側コネクタ95bとが設けられ、第4発光基板84dの内面側の周方向一端側にはコネクタ96が設けられており、スリップリングユニット87の回転側コネクタ97bと第1発光基板84aの上流側コネクタ93aとが第1ケーブル98aにより、第1発光基板84aの下流側コネクタ93bと第2発光基板84bの上流側コネクタ94aとが第2ケーブル98bにより、第2発光基板84bの下流側コネクタ94bと第3発光基板84cの上流側コネクタ95aとが第3ケーブル98cにより、第3発光基板84cの下流側コネクタ95bと第4発光基板84dのコネクタ96とが第4ケーブル98dにより夫々接続されている。なお、第1〜第4ケーブル98a〜98dには例えばフレキシブルフラットケーブルを用いることができる。
スリップリングユニット87は、回転する発光基板84に対する配線をねじれや絡まりなく行うためのもので、固定本体部87aと、この固定本体部87aに対して回転可能な回転部87bと、固定本体部87aに設けられた固定側コネクタ97aと、回転部87bに設けられた回転側コネクタ97bとを備え、例えば固定側コネクタ97aに接続されたスリップリング(図示省略)に対して回転側コネクタ97b側に接続されたブラシ(図示省略)が摺動自在に接触することにより、固定側コネクタ97aと回転側コネクタ97bとが内部で電気的に接続されている。
スリップリングユニット87は、その略中央に形成された連結孔99に回転駆動手段85の駆動軸85aを上向きに貫通させた状態で回転駆動手段85の上側に配置され、固定本体部87aが例えば回転駆動手段85に対して着脱自在に固定されている。駆動軸85aは、固定本体部87aに対しては相対回転自在であり、回転部87bに対しては回転方向に連結されている。これにより、回転駆動手段85の回転駆動力はスリップリングユニット87の回転部87bと回転ドラム83とに伝達され、スリップリングユニット87の回転側コネクタ97bは第1〜第4発光基板84a〜84dと共に回転するため、回転ドラム83が所定方向に連続的に回転しても、回転側コネクタ97bと第1発光基板84aの上流側コネクタ93aとの間で第1ケーブル98aがねじれたり軸に絡まったりすることはない。なお、スリップリングユニット87の固定側コネクタ97aは、例えば中継基板、演出インターフェイス基板63b等を経て演出制御基板63aに接続されている。
以上のような可動演出手段81は、例えば演出図柄表示手段26による演出図柄の変動中に行われる予告演出の一つである回転予告において作動可能であり、例えば通常時は所定の原点位置、ここでは第1演出画像91aを表示した状態で保持される。そして、図柄変動開始時に行われる予告演出に係る抽選で回転予告に当選した場合には、例えば演出図柄の変動開始時又はその後の所定の始動タイミングで回転ドラム83が回転を開始し、演出図柄が停止するよりも前の所定の停止タイミングで、例えば第2〜第4演出画像91b〜91dの何れかを表示した状態で回転ドラム83の回転を停止するようになっている。また、第1〜第4演出画像91a〜91dの何れかを表示した状態で回転ドラム83が停止している場合には、その表示されている演出画像に対応する発光基板のみが発光可能でそれ以外の発光基板は発光せず、例えば回転ドラム83が高速回転している状態では第1〜第4発光基板84a〜84dの全てが発光可能であるとする。
ここで、回転予告において第2〜第4演出画像91b〜91dで停止した場合に、その後に演出図柄が大当たり態様となる信頼度(以下、大当たり信頼度という)は、図17(a)に示すように第2演出画像91bで停止した場合が最も低く、第4演出画像91dで停止した場合が最も高くなるように制御される。これにより、第2〜第4演出画像91b〜91dの停止頻度は逆に第2演出画像91bが最も高く、第4演出画像91dが最も低くなる。
従って図17(b)に示すように、第2〜第4演出画像91b〜91dに対応する第2〜第4発光基板84b〜84dの発光頻度は、第2発光基板84bが最も高く、第4発光基板84dが最も低くなり、また通常時に発光可能な第1発光基板84aの発光頻度は、第2発光基板84bよりも更に高くなる。即ち、原点位置(第1演出画像91aが表示された状態)では発光頻度の高い第1発光基板84aのみが発光可能である。
なお、演出図柄が外れ態様で停止する外れ変動パターンの場合には、大当たり信頼度の高い演出画像(第4演出画像91d)では停止しない、即ち発光頻度の低い発光基板(第4発光基板84d)は発光しないようにしてもよい。また、回転予告において大当たり信頼度の高い演出画像(第4演出画像91d)で停止し、それに対応する発光頻度の低い発光基板(第4発光基板84d)が例えば特定の発光パターンで発光した場合には、必ず演出図柄が大当たり態様となるようにしてもよい。
また上述したように、第1〜第4発光基板84a〜84dは、第1発光基板84aを最上位とし、第2発光基板84b、第3発光基板84c、第4発光基板84dの順序で数珠繋ぎ状に接続されている。即ち、図17(b)に示すように、第1〜第4発光基板84a〜84dの接続順序はそれらの発光頻度に対応しており、発光頻度が最も高い第1発光基板84aが最も上位側となり、発光頻度が最も低い第4発光基板84dが最も下位側となるように接続されている。これにより、発光頻度の高い発光基板ほど配線経路が短くなって例えばノイズを拾い難くなるため、ノイズ等による悪影響を最小限に抑えて最適な発光演出を行うことが可能となる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では可動体に設けた複数の発光基板について、それら複数の発光基板の接続順序を発光体の発光頻度に対応させた例を示したが、それら複数の発光基板は可動体以外の箇所に配置してもよい。
発光頻度の高い発光基板ほどLEDの数を多くしてもよいし、発光頻度の高い発光基板ほど大きなサイズとしてもよい。また、発光頻度の高い発光基板は遊技者側(前側)に向けて光を照射し、発光頻度の低い発光基板は遊技者側(前側)以外の方向に向けて光を照射するなど、発光頻度に応じて、発光基板毎のLEDの照射方向を異ならせてもよい。
実施形態とは逆に、発光頻度が最も低い発光基板が最も上位側となり、発光頻度が最も高い発光基板が最も下位側となるように複数の発光基板を接続してもよい。
所定条件を満たした場合(例えば遊技状態が変更した場合)に発光基板毎の発光頻度を変更可能としてもよい。またそれにより、所定条件を満たした場合(例えば遊技状態が変更した場合)に発光基板毎の発光頻度の順位を変更可能としてもよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施することが可能である。