JP6128925B2 - 空気調和機の室内機 - Google Patents
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Description
そして、単に在室者の位置を検知するだけでなく、在室者の活動状態を検知して、かかる活動状態に基づいて、調和空気の吹出温度、吹出量および吹出方向を制御する、すなわち、軽い運動や軽い力仕事をして活動量が大きくなっていると検知したとき、当該在室者(以下、「ユーザー」と称す)に向けて集中的に送風し、活動によって発生した熱量を取り除くことにより、体温の上昇を抑えて暑いと感じさせないようにする室内機が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、暑い(又は寒い)屋外から室内に入った直後に、リモコン(遠隔操作装置)を探して、起動操作をする面倒を解消して、急速に涼しくなりたい(暖まりたい)という要請がある。特に、風呂上がりや暑い(又は寒い)屋外から室内に入った直後には、一時的に急速に涼しくなりたい(暖まりたい)という要請がある。
さらに、一時的に急速に涼しくなる(暖まる)のではないものの、リモコン(遠隔操作装置)の面倒な操作をすることなく、容易に、調和空気を受けたい(空気流れに晒されたい)という要請がある。
したがって、寒い所から入室したユーザーあるいは暑い所から入室したユーザーは、リモコン等の操作を必要としないで、至近位置または移動先において、急速に暖まり、あるいは急速に涼むことができるため、快適性および利便性が向上する。
また、単に、自分に向かって調和空気が吹き出されるようにしようとしているユーザーには、リモコン等の操作を必要としないで、至近位置または移動先において、吹出温度が変更されないままの調和空気が送られるため、すなわち、寒い所から入室したユーザーや暑い所から入室したユーザーとは区別され、希望しない暖かい調和空気や冷えた空気に晒されないため、快適性および利便性が向上する。
また、十分に暖まり、あるいは涼んだところで、リモコン等の操作を必要としないで、設定前の吹出温度に戻されるから、快適性および利便性が向上している。
図1〜図3は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の室内機を説明するものであって、図1は正面図、図2は側面視の断面図、図3は一部(吹出口の周辺)を抜き出して示す斜視図である。なお、各図は模式的に描いたものであって、本発明は図示された形態に限定するものではない。
図1〜図3において、空気調和機の室内機(以下「室内機」と称す)100は、上部に吸込口3および下部に吹出口7が形成された本体1と、本体1の前面を開閉自在に覆う前面パネル2と、吸込口3から室内空気を吸い込んで、吹出口7に至る風路6を形成する送風機5と、送風機5の上流側(吸込口3寄り)に設置された熱交換器4とを有し、風路6には上下風向板9および左右風向板10が設置されている。
また、本体1の前面で吹出口7の脇に、リモコン(図示しない)からの信号を受信する受信装置40と、室内の様子を撮像する撮像装置50と、室内の温度を検出する検温装置60とが設置されている。
さらに、本体1の内部に、撮像装置50が撮像した人間の位置情報および検温装置60が検出した人間の体温情報に基づいて、冷凍サイクル(図示しない圧縮機または冷媒膨張弁)および風向調整装置(上下風向板9および左右風向板10)を制御する制御装置70が設置されている。
図2において、熱交換器4は前面パネル2に略平行な部分である熱交換前部分4aと、送風機5の前面寄り斜め上方の部分である熱交換上前部分4bと、送風機5の後面寄り斜め上方の部分である熱交換上後部分4cと、を具備している。そして、熱交換前部分4aの下方にはドレンパン8が配置され、ドレンパン8の上面8aが実際にドレンを受けるドレンパン面を形成し、ドレンパン8の下面8bが風路6の前面側を形成している。
図3において、風路の吹出口7に近い位置には、風向調整装置である、熱交換器4において調和された室内空気(以下、「調和空気」と称す)の水平方向(左右方向)の吹き出し方向を調整する左側左右風向板群10Lと右側左右風向板群10R(これらをまとめて又はそれぞれを「左右風向板10」と称している)と、風路6の末端である吹出口7には、調和空気の鉛直方向(上下方向)の吹き出し方向を調整する上下風向板9(前上下風向板9aおよび後上下風向板9bをまとめて「上下風向板9」と称している)とが設けられている。
なお、前記「左側」および「右側」とは、室内機100から室内を見たとき、すなわち、本体1の背面側から前面パネル2の方向を見たときに、左手に見えるものを「左側」、右手に見えるものを「右側」と、それぞれ称している。
右側左右風向板群10Rは、左右風向板10a、10b・・・10gによって構成され、ドレンパン8の下面8bに回動自在に設置され、それぞれに右側連結棒20Rが連結されている。また、左側左右風向板群10Lは、左右風向板10h、10i・・・10nによって構成され、それぞれに左側連結棒20Lが連結されている。
そして、右側左右風向板群10Rと右側連結棒20Rとはリンク機構を形成し、また、左側左右風向板群10Lと左側連結棒20Lとはリンク機構を形成し、右側連結棒20Rには右側駆動手段(図示しない)が、左側連結棒20Lには左側駆動手段30Lが、それぞれ連結されている。
したがって、右側連結棒20Rが右側駆動手段によって平行移動された際、左右風向板10a、10b・・・10gは互いに平行を維持しながら回動し、左側連結棒20Lが左側駆動手段30Lによって平行移動された際、左右風向板10h、10i・・・10nは互いに平行を維持しながら回動する。このため、調和空気を吹出口7の全幅に渡って同じ方向に吹き出したり、吹出口7の半幅毎で互いに離れる方向に吹き出したり、吹出口7の半幅毎で互いに衝突する方向に吹き出したりすることが可能になっている。
なお、本発明は、左右風向板10の形態を図示するものに限定するものではなく、左右風向板10の枚数は何れでもよく、また、左右風向板10を3以上の群に分け、それぞれの群を連結棒に回動自在に接合し、それぞれの連結棒を独立に平行移動させるようにしてもよい。
上下風向板9は水平方向(Y方向)に平行な回動中心を有し、本体1に回動自在に設置されている。前上下風向板9aの回動軸および後上下風向板9bの回動軸はそれぞれリンク機構または歯車機構によって連結され、共通の駆動モーターによって回動される。
なお、本発明は、上下風向板9の形態を図示するものに限定するものではなく、前上下風向板9aおよび後上下風向板9bをそれぞれ別個の駆動モーターによって回動してもよい。また、それぞれを左右方向の中央で分割して合計4枚にし、それぞれが別個に独立して回動するようにしてもよい。
なお、本発明は、受信装置40、撮像装置50および検温装置60の型式や設置位置を限定するものではなく、例えば、撮像装置50を、100万以下の画素を有するCCDカメラにし、検温装置60は赤外線センサーにし、両方をまとめて、例えば、前面パネル2の中央部に設置したり、あるいは、それぞれ離れた位置に設置したりしてもよい。
また、撮像装置50の撮像する時間間隔および検温装置60の検温する時間間隔は限定するものではなく、待機中および冷凍サイクルの運転中、以下に説明する制御を可能にする連続的とみなせる時間間隔(正確には、例えば、1秒毎)である。
さらに、室内機100には、室内機100の運転状況を報知するための音声または映像による報知装置(図示しない)が本体1またはリモコン(図示しない)に設けられている。
制御装置70はユーザー(在室者)の要求に応じて、調和空気の吹出温度(冷凍サイクル)や吹出方向(上下風向板9および左右風向板10等の姿勢)を制御するものである。
すなわち、制御装置70は、以下に詳細に説明するように、主に、ユーザーの顔を認識する顔認識ステップと、ユーザーの体温を判断する体温判断ステップと、調和空気の吹出温度を設定(変更または維持)する温度設定ステップと、設定された吹出温度の調和空気を吹き出す強力吹出ステップと、調和空気の吹出温度を設定前の温度に戻す温度戻しステップと、設定される前の吹出温度の調和空気を吹き出す標準吹出ステップと、設定された吹出温度の調和空気をユーザーの移動先に向けて吹き出す追跡強力吹出ステップと、調和空気の吹出温度を設定前の温度に戻す追跡温度戻しステップと、設定される前の吹出温度の調和空気をユーザーの移動先に向けて吹き出す追跡標準吹出ステップと、を実行する。
図4は、図1に示す空気調和機の室内機におけるユーザーの顔の認識要領を説明するための側面図である。
図4において、室内機100が、室内90の一方の壁(以下、「背面壁」と称す)91で天井面92に近い位置に設置されている。
また、撮像装置(例えば、30万画素のCCDカメラ)50は、斜め下方に向かった視野51を有している。そして、視野51内で、撮像装置50から距離L1〜距離L2(>L1)にある範囲(図中、斜線にて示す。以下、「顔認識範囲」と称す)52内に、ユーザーU1の顔F1があるとき、制御装置は顔F1を認識する。
例えば、「顔を認識することができません」とか、「もっと近づいて下さい」とか音声によって報知したり、あるいは、顔を認識することができないことを示すランプを点灯あるいは点滅したりする。なお、報知手段は、前記音声やランプの点灯あるいは点滅に代えて、文字ないし画像を表示するものであってもよい。
このとき、その旨を図示しない報知手段に報知させてもよい。例えば、「前回終了時の運転モードで運転します」とか音声によって報知したり、あるいは、「前回終了時の運転モードでの運転」を示すランプを点灯あるいは点滅したりする。
制御装置70は、ユーザーU1の顔F1を認識した後は、撮像装置50が撮像したユーザーU1の映像からユーザーU1を追跡して、その移動先(以下、「ユーザー位置」と称す)P1を特定する。
すなわち、ユーザーU1が移動しないで、顔F1が顔認識範囲52にあり続ける間は、顔認識範囲52に対応した至近位置P0をユーザー位置P1として特定する。また、顔F1を認識した直後に、ユーザーU1は室内機100から離れる方向に移動し、かかる移動が終わった後、すなわち、ユーザーU1が立ち止まった位置、あるいは座った位置を、ユーザー位置P1として特定する。
検温装置60が検知した室内の温度(正確には温度分布)に基づいて、ユーザー位置P1におけるユーザーU1の体温を特定する。そして、特定した体温が、予め定められた「標準温度範囲」から外れる場合には、以下に説明するように、調和空気の吹出温度を変更する。
なお、撮像装置50が顔を認識しない場合、運転中の場合は、以下に説明する制御は実施されない。
特定した体温が、予め定められた「標準温度範囲」の上限温度(例えば、38℃)に比較して高い場合、ユーザーU1は暑い室外から入室した、あるいは風呂上がりであって、急速に涼しくなろうとしていると判断し、調和空気の吹出温度を、現在運転中である場合には、その時点での調和空気の吹出温度よりも低い温度(例えば、5℃だけ低い温度)に変更し、また、現在停止中である場合には、前回の運転を停止した時に設定されていた調和空気の吹出温度よりも低い温度(例えば、5℃だけ低い温度)に変更する(強力吹出、ハイパワー吹出)。
図5および図6は、図1に示す空気調和機の室内機における制御フローを示すフローチャートである。
図5および図6において、ユーザーU1の顔F1が、顔認識範囲52に少なくとも顔認識時間の間にあるとき(S1)、制御装置70は顔F1を認識する(顔認識ステップ、S2)。そして、検温装置60は、顔F1が認識されたユーザーU1の体温(T1)の検出を開始し(S3)。体温(T1)が予め設定された標準温度範囲内の温度であるか否かを判断する(体温判断ステップ、S4)。
また、体温(T1)が標準温度範囲の下限温度(TL)よりも低い温度(T1<TL)である場合、調和空気の吹出温度を現在運転中の調和空気の吹出温度または前回運転停止時に設定されていた調和空気の吹出温度よりも高い吹出温度(T+ΔT)に設定する(温度設定ステップ、S5の2)。
また、体温(T1)が前記標準温度範囲内の温度(TL≦T1≦TU)である場合、調和空気の吹出温度を現在運転中の調和空気の吹出温度または前回運転停止時に設定されていた調和空気の吹出温度に同じ吹出温度(T)に設定する(温度設定ステップ、S5の3)。
そこで、ユーザーU1またはユーザーU1が立っている至近位置P0に向けて、調和空気を吹き出す(強力吹出ステップ、S8)。
そして、ユーザーU1が至近位置P0(顔認識範囲52の直下の範囲)から他の位置に移動したか否かを判断する(S9)。
そこで、 体温(T2)が標準温度範囲内の温度(TL≦T2≦TU)になったと判断された場合、調和空気の吹出温度を設定される前の吹出温度(T)に戻す(温度戻しステップ、S11)。
そして、吹出温度が設定される前の吹出温度(T)に戻された後、ユーザーU1または至近位置P0に向けて、吹出温度(T)の調和空気が送られるように左右風向板10および上下風向板9の姿勢を制御し(標準吹出ステップ、S12)、図示しないリモコンに設けられた終了釦が押されるまで、ステップ12を繰り返す。
一方、ステップ10において、検出された体温(T2)が標準温度範囲を外れた温度(TL≦T2≦TU)のままである場合、ステップ8に戻り、強力吹出を継続する。
そして、追跡温度戻しステップに続き、ユーザー位置P1に向けて、設定される前の吹出温度(T)の調和空気が送られるように左右風向板10および上下風向板9の姿勢を制御する(追跡標準吹出ステップ、S17)。
そして、図示しないリモコンに設けられた終了釦が押されたところで、冷凍サイクルの運転を停止する。一方、終了釦が押されない場合には、ステップ17に戻って、追跡標準吹出ステップを継続する。なお、ステップ1以降のいずれのステップであっても、終了釦が押された場合(図示しない)には、冷凍サイクルの運転を停止する。
寒い(暑い)所から入室した体温が低い(高い)ユーザーは、室内機100の至近位置P0に立つことによって、強力な調和空気(吹出温度が変更されている)によって急速に暖まる(涼む)ことができる。また、ユーザーU1が十分に暖まる(涼む)前に、至近位置P0から他に移動した場合には、ユーザーU1は追跡され、特定された位置において、強力な調和空気(吹出温度が変更されている)によって急速に暖まる(涼む)ことができる。
一方、現在運転中の調和空気(吹出温度が変更されない)が、自分に向かって吹き出されるようにしたいユーザーは、室内機100の至近位置P0に立つことによって、現在運転中の調和空気を受けることができる。
さらに、ユーザーU1が暖まった(涼んだ)ところで、吹出温度が変更される前の温度に戻された「強力でない調和空気」が、ユーザー位置P1に送られるから、特別の作業を必要とすることなく、快適な空調環境を享受することができる。
なお、以上は、調和空気の吹出温度を設定(変更、維持)するように記載しているが、吹出温度に代えて、冷凍サイクルにおける冷媒温度(例えば、圧縮機の出口温度や、冷媒膨張弁の出口温度等)を設定するようにしてもよい。さらに、調和空気の吹出温度の設定に合わせて、送風機5の回転数を設定(変更、維持)してもよい。
図7は、図1に示す空気調和機の室内機における調和空気の吹出要領を説明する平面図である。
以上は、ユーザー位置P1に向けて連続的に送風されるものを示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、リモコン等の操作による「送風モード」の切り替えによって、ユーザー位置P1に向けて間欠的に送風される(以下「スイング送風」と称す)ようにしてもよい。
また、リモコン等の操作によって、あるいは、予め定めた時間(以下「分散吹出開始時間」と称す、例えば、15分)を定め、該分散吹出開始時間が経過した後は、ユーザー位置P1に限定することなく室内の広い範囲に均一に調和空気が送られる(分散吹出)ようにしてもよい。以下、それぞれについて説明する。
図7の(a)において、ユーザー位置P1が室内90の左側(室内機100から見て左手)にある場合、右側左右風向板群10Rおよび左側左右風向板群10Lの両方(図3参照)は、ユーザー位置P1に向けて調和空気が吹き出される姿勢(集中吹出の姿勢)にされている。したがって、ユーザーU1は、室内90に略均一に調和空気が吹き出される(分散吹出の)場合に比較して、より長時間に渡ってまたはより多量の調和空気を集中的に受けることになる。
すなわち、ユーザーU1は、気温の高い(または低い)外部から室内90に入ったとき、リモコンを探してリモコンに設置された運転開始釦を押すという操作が不要であって、顔F1を室内機100に近づけるだけで、強力(ハイパワー)な運転を開始することができる。しかも、強力運転を開始した後、移動して立ち止まるか座っていれば、その位置がユーザー位置P1として自動的に特定され、ユーザー位置P1に向けて強力な冷気または暖気(吹出温度が設定されている)が送られてくるから、自分の位置に調和空気が確実に届くよう、リモコン等を操作する必要がない。よって、利便性および快適性が向上する。すなわち、ユーザーU1に対して局所的な「強力な涼感(ハイパワークール)モード」あるいは「強力な温感(ハイパワーホット)モード」が実現される。
このため、本発明における「ユーザー位置P1に向かって調和空気が送られる」や「集中吹出」とは、前記広がった空気流れを平均化したときの中央が「特定の位置に向かっていること」を意味し、ユーザー位置P1の周囲にも調和空気が到達していることを意味している。
図7の(a)または(b)において、左側左右風向板群10Lは常時、ユーザー位置P1に向けて調和空気の吹き出す姿勢に固定され、右側左右風向板群10Rはユーザー位置P1およびユーザー位置P2を含む所定の範囲(図中、αにて示す)を往復しながら調和空気を吹き出すように回動(スイング)してもよい。
そうすると、顔F1が認識されたユーザーU1に向けては、より多量の調和空気が集中的に吹き出されるから、ユーザーU1の快適性が高まると共に、ユーザー位置P1を除く範囲には、より少量の調和空気が間歇的に吹き出されることになる。
このため、直接的な風流れに晒されたくないユーザーU2が、ユーザー位置P1とは相違する位置であるユーザー位置P2に居る場合、ユーザー位置P2にはより少量の調和空気が間歇的に吹き出されるから、ユーザーU2の快適性も維持されることになる。
そうすると、顔F1が認識されたユーザーU1に向けては、より多量の調和空気が集中的に吹き出されるから、ユーザーU1の快適性が高まると共に、ユーザー位置P1を除く範囲には、より少量の調和空気が間歇的に吹き出されることになる。
このため、ユーザーU1とは体温(または体感温度)が相違するユーザーU2が、ユーザー位置P1とは相違する位置であるユーザー位置P2に居る場合、ユーザー位置P2にはより少量の調和空気が間歇的に吹き出されるから、ユーザーU2の快適性も維持されることになる。
さらに、図7の(c)に示すように、右側左右風向板群10Rおよび左側左右風向板群10Lの両方が、ユーザー位置P1およびユーザー位置P2を含む所定の範囲(図中、αにて示す)を回動(スイング)して調和空気を吹き出すようにし、ユーザー位置P1に向かった範囲(図中、βにて示す)においては、これを除く範囲よりもスイング速度を遅く(吹き出し時間を長く)するようにしてもよい。そうすると、図7の(b)に示す場合と同様に、顔F1が認識されたユーザーU1と共に、ユーザーU1とは体温(または体感温度)が相違するユーザーU2の快適性も維持されることになる。
なお、集中吹出の要領の選定(図7の(a)、(b)または(c)に示す何れかの選定)は、予め決定しておいてもよいし、あるいは、暑がりさん(または寒がりさん)であるユーザーU1が、集中吹出が開始される時または開始された後に、リモコン等によって決定したり、変更したりしてもよい。
このとき、送風を受けない時間帯では、ユーザーU1の体温が見掛け上復熱する。すなわち、寒い(暑い)ところから入室したユーザーU1の平均的な体温は、強力吹出ステップにおいて、徐々に上昇(下降)するものであるが、検温装置60が実際に検出する温度は、送風を受けている時間帯に比較して送風を受けていない時間帯の方が低目(目)になる。したがって、送風を受けていない(ユーザー位置P1以外に向けて吹き出されている)時間帯に、検温装置60が検出した温度を「体温」とすることが好ましい。
Claims (6)
- 吸込口および吹出口がそれぞれ形成され、室内の壁面に設置される本体と、前記吸込口から室内空気を吸い込んで、前記吹出口に至る風路を形成する送風機と、前記風路に設置され、冷凍サイクルの一部を実行する熱交換器と、前記吹出口に設置され、前記熱交換器において調和された空気の吹き出し方向を調整する風向調整装置と、前記室内を撮像する撮像装置と、前記室内の人間の体温を検出する検温装置と、前記撮像装置が撮像した人間の位置情報および前記検温装置が検出した人間の体温情報に基づいて前記冷凍サイクルおよび前記風向調整装置を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、
前記位置情報をもとに、人間の顔が、予め定めた時間である顔認識時間の間、前記撮像装置の視野内の顔認識範囲にあると判定したとき、当該人間の顔を認識すると共に、
前記体温情報をもとに、前記顔が認識された人間の体温が予め設定された標準温度範囲内の温度を外れていると判定したとき、調和空気の吹出温度を現在運転中の調和空気の吹出温度または前回運転停止時の調和空気の吹出温度とは相違する吹出温度にして、前記顔が認識された人間、または前記顔が認識された人間が居る位置である認識位置に向けて送風し、
前記位置情報をもとに、前記顔が認識された人間が移動したことを検知したときは、前記顔が認識された人間を追跡して移動先の位置を特定し、特定した前記移動先の位置に向けて送風し、
当該送風によって、前記顔が認識された人間の体温が前記標準温度範囲内の温度になったとき、調和空気の吹出温度を変更前の吹出温度に戻すものである空気調和機の室内機。 - 前記制御装置は、前記冷凍サイクルの停止中に人間の顔を認識した際、前記冷凍サイクルを起動するものである請求項1に記載の空気調和機の室内機。
- 前記制御装置は、
吹き出された前記調和空気の方向が、前記顔が認識された人間、または前記認識位置を含む予め定めた設定範囲内を往復してスイングするように前記風向調整装置を制御すると共に、
前記調和空気の方向が、前記設定範囲のうちの前記顔が認識された人間を除く範囲または前記認識位置を除く範囲であるときに、前記検温装置が検知した温度を、前記顔が認識された人間の体温とするものである請求項1又は2に記載の空気調和機の室内機。 - 前記制御装置は、
吹き出された前記調和空気の方向が、前記顔が認識された人間、または前記認識位置を含む予め定めた設定範囲内を往復してスイングするように前記風向調整装置を制御すると共に、
前記調和空気の方向が、前記設定範囲のうちで、前記顔が認識された人間に送風される範囲にあるときは、前記顔が認識された人間を除く範囲にあるときよりも、前記風向調整装置のスイング速度を遅くするものである請求項1又は2に記載の空気調和機の室内機。 - 報知装置を有し、
前記制御装置は、
前記位置情報をもとに、人間が前記本体に近づいていると判断し、且つ、当該人間の顔を認識することができない場合、前記報知装置にその旨を報知させるものである請求項1〜4の何れか一項に記載の空気調和機の室内機。 - 前記制御装置が前記風向調整装置を制御している際、少なくとも当該制御を停止させる信号を発することができる遠隔操作装置を有する請求項1〜5の何れか一項に記載の空気調和機の室内機。
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