JP6128834B2 - 建築用パネルにおける額縁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス板等の板材が嵌め込まれた金属製建築用パネル(間仕切り、扉等)における額縁構造に関するものである。
建築用パネルにガラス板を嵌め込む場合には、当該パネルに設けた開口枠体に四周状の凹溝を形成して額縁を構成し、当該凹溝にガラス板の四周の端部を受け入れて固定するようにしている。通常、額縁の少なくとも一辺は、押縁を備えており、当該押縁を開口枠体に螺子で固定することで、凹溝を形成するようになっている。
図12に従来の押縁の取付構造を示す。横枠の上面は、第1水平面62´と、第1水平面62´よりも高い高さ位置にある第2水平面63´と、からなり、押縁7´は、横枠の第1水平面62´に対して螺子9´を用いて固定されている。螺子9´の軸部は、第1水平面62´を貫通して横枠内部に達している。このような額縁構造を備えたパネルの押縁7´を設けた側が屋外に面しているような場合、あるいは、屋内に面している場合であっても当該屋内が室内プール等の場合には、螺子9´を伝って横枠内に浸水し、内部が腐食するおそれがある。
特許文献1には、締結部材を用いたパネルにおける額縁構造が開示されているが、この構造においても、リベットが枠体を貫通しており、枠体内への浸水という同様の懸念が生じ得る。
押縁を開口枠に取り付ける際に、別途固定部材を設け、螺子によって押縁を固定部材に取り付けることで、当該螺子が枠体内に貫通しないようにする取付構造も検討し得るが、押縁と固定部材との位置合わせや枠体に対する押縁の位置合わせを如何に良好に行うかが課題となる。
特開平8−189258
本発明は、押縁の固定部位からの浸水を防止することができると共に、押縁を取り付ける際の位置決めが容易な建築用パネルにおける額縁構造を提供することを目的とするものである。
本発明が採用した技術手段は、
板材が嵌め込まれた建築用パネルにおける額縁構造であって、
前記板材の端部を受け入れる凹溝の少なくとも1つは、当該凹溝の一方の見付面を備えた枠体の面部に、当該凹溝の他方の見付面を備えた押縁を取り付けることで形成されており、
前記押縁は、第1見付面と、前記他方の見付面を形成する第2見付面と、前記枠体の前記面部に対して立ち上がり状の第1見付面及び第2見付面の先端同士を連結する見込面と、を備えた長尺部材であり、固定部材を用いて前記枠体に取付けられており、
前記固定部材は、前記押縁の内部に位置して前記見込面に対向し、当該見込面と螺子で固定された第1見込片と、前記押縁の第2見付面の基端から見込方向に突出する第2見込片と、前記第1見込片と第2見込片を連結する見付片と、を備えた長尺部材であり、
前記押縁は、第1見付面及び第2見付面の基端側を前記枠体の前記面部に当接させ、当該押縁に前記螺子によって固定された固定部材の前記第2見込片の先端縁を前記枠体の前記一方の見付面に当接させた状態で、当該第2見込片を前記枠体の前記面部に溶接することで取り付けられており、前記第1見込片は、前記枠体の前記面部から離間しており、前記螺子は前記枠体の前記面部には達していない、建築用パネルにおける額縁構造、である。
1つの態様では、前記固定部材は、前記見付片(後述の実施形態における第2見付片81)に加えて、前記第1見込片から延びるもう一つの見付片(後述の実施形態における第1見付片80)を備えており、
前記押縁の前記第1見付面と前記固定部材の前記もう一つの見付片、および/あるいは、前記押縁の前記第2見付面と前記固定部材の前記見付片が当接している。
後述する実施形態(図11(C))では、前記押縁の前記第1見付面と前記固定部材の前記もう一つの見付片、前記押縁の前記第2見付面と前記固定部材の前記見付片の両方の組が当接している。
押縁に固定部材を螺子で固定する際に、見付片と見付面を当接させることで、押縁に対する固定部材の位置決めを容易に行うことができる。
1つの態様では、前記押縁の前記第2見付面の基端には、長さ方向に亘って間隔を存して複数の切り欠き部が形成されており、
前記固定部材の前記見付片の基端には、長さ方向に亘って間隔を存して複数の第2見込片が形成されており、
各第2見込片は、各切り欠き部を通って突出している。
本発明では、押縁は固定部材を介して溶接によって枠体の面部に取り付けられており、また、押縁は螺子を用いて固定部材に固定されているが、当該螺子は、枠体にまでは達していないので、仮に、押縁を設けた側に雨水等がかかったとしても、螺子を介して枠体内部に浸水するようなことはない。
押縁は、固定部材の第2見込片の先端縁を、凹溝を形成する枠体側の見付面に当接させた状態で、第2見込片を前記枠体の前記面部に溶接することで取り付けられているので、第2見込片の突出寸法を先端縁が枠体側の見付面に当接した時に、枠体に対する押縁の見込方向の取付位置が決定されるような寸法に予め設定しておくことで、押縁の見込方向の位置決めを簡単に行うことができる。
第1実施形態に係るパネルの正面図であり、左側は室内側正面図、右側は室外側正面図である。 図1に示すパネルの横断面図である。 図1に示すパネルの縦断面図である。 図3の部分拡大図である。 第2実施形態に係るパネルの正面図であり、左側は室内側正面図、右側は室外側正面図である。 図5に示すパネルの横断面図である。 図5に示すパネルの部分縦断面図である。 図6の部分拡大図である。 押縁の取付構造を構成する要素を示す図であり、左から順に、固定部材の断面図及び第1の方向から見た図、押縁に固定部材を組み合わせたものの断面図及び第1の方向から見た図(長さ方向両端部に左右の竪枠を示す)、押縁に固定部材を組み合わせたものの断面図及び第1の方向に直交する第2の方向から見た図、押縁、の断面図及び第2の方向から見た図、を示している。 図9の部分拡大図である。 (A)〜(C)は固定部材の他の形態を示す図である。 従来の押縁の取付構造を示す図である。
図1は、第1実施形態に係る鋼製建築用パネルの正面図であり、左側は室内側正面図、右側は室外側正面図である。本明細書において、「室内側」、「室外側」という表現は、パネルを挟んでの実際の「室内」、「室外」の意味の他に、2つの要素の相対的な位置関係を規定する場合にも用いることに留意されたい。パネル1のフレームは、上枠2、下枠3、左右の竪枠4、5からなる四周枠と、所定高さにおいて左右の竪枠4、5間で水平状に延びる中間横枠6と、からなる。中間横枠6の室外側部位には、押縁7が取り付けられている。上枠2、下枠3、中間横枠6は、水平状に延びる長尺材であり、竪枠4、5は垂直状に延びる長尺材である。
上枠2、左右の竪枠4、5の上側部位、中間横枠6から上側開口が形成され、中間横枠6、左右の竪枠4、5の下側部位、下枠3から下側開口が形成されている。上側開口には、上枠2、左右の竪枠4、5の上側部位、中間横枠6を額縁として上側ガラス板G1が嵌め込まれており、下側開口には、中間横枠6、左右の竪枠4、5の下側部位、下枠3を額縁として下側ガラス板G2が嵌め込まれている。
図2に示すように、竪枠4は、室外側見付面40と、室内側見付面41と、室外側見付面40と室内側見付面41を連結するように延びる見込面42と、を備えており、見込面42には、高さ方向に延びる凹溝43が形成されている。同様に、竪枠5は、室外側見付面50と、室内側見付面51と、室外側見付面50と室内側見付面51を連結するように延びる見込面52と、を備えており、見込面52には、高さ方向に延びる凹53溝が形成されている。凹溝43、53には、ガラス板G1、G2の幅方向両端部が受け入れられて固定される。
図3に示すように、上枠2は、室外側見付面20と、室内側見付面21と、室外側見付面20と室内側見付面21を連結するように延びる下面22と、を備えており、下面22には、水平方向に延びる下向きの凹溝23が形成されている。凹溝23には、ガラス板G1の上端部が受け入れられて固定される。
図3に示すように、中間横枠6は、室外側見付面60と、室内側見付面61と、室外側見付面60と室内側見付面61の上端同士を連結する段部状の上面と、を備えている。段部状の上面は、室外側の第1水平面62と、室内側の第2水平面63と、を備え、第2水平面63は第1水平面62よりも高い高さ位置にあり、第1水平面62の室内側端縁と第2水平面63の室外側端縁とは垂直状の見付面64によって連結されている。
第1水平面62には、中間横枠6の長さ方向に亘って延びる押縁7が第1水平面62に対して立ち上がり状に設けられる。押縁7と、見付面64と、第1水平面62の室内側部位と、から水平方向に延びる上向きの凹溝65が形成されている。より具体的には、図4に示すように、押縁7は、室外側の垂直状の第1見付面70と、室内側の垂直状の第2見付面71と、第1見付面70と第2見付面71の上端同士を連結する水平状の見込面(上面)72と、から断面視コ字形状を備え、押縁7は、第2見付面71を見付面64に離間対向させるようにして取り付けられる。第2見付面71と、見付面64と、第1水平面62の室内側部位と、から水平方向に延びる上向きの凹溝65が形成されている。凹溝65には、ガラス板G1の下端部が受け入れられて固定される。
中間横枠6は、さらに、室外側見付面60と室内側見付面61の下端同士を連結するように延びる下面66を備えており、下面66には、水平方向に延びる下向きの凹溝67が形成されている。凹溝67には、ガラス板G2の上端部が受け入れられて固定される。
図3に示すように、下枠3は、室外側見付面30と、室内側見付面31と、室外側見付面30と室内側見付面31を連結する段部状の上面と、を備えている。段部状の上面は、室外側の第1水平面32と、室内側の第2水平面33と、を備え、第2水平面33は第1水平面32よりも高い高さ位置にあり、第1水平面32の室内側端縁と第2水平面33の室外側端縁とは垂直状の見付面34によって連結されている。
第1水平面32には、下枠3の長さ方向に亘って延びる押縁7が第1水平面32に対して立ち上がり状に設けられる。中間横枠6で説明したことと同様に、押縁7(第2見付面71)と、見付面34と、第1水平面32の室内側部位と、から水平方向に延びる上向きの凹溝35が形成されている。凹溝35には、ガラス板G2の下端部が受け入れられて固定される。
図5は、第2実施形態に係る鋼製建築用パネルの正面図であり、左側は室内側正面図、右側は室外側正面図である。パネル1´のフレームは、上枠2、下枠3、左右の竪枠4、5からなる四周枠と、左右の竪枠4、5間で水平状に延びる中間横枠6と、からなる。竪枠4、5の上側部位、中間横枠6の室外側部位には、押縁7がそれぞれ取り付けられている。上枠2、下枠3、中間横枠6は、水平状に延びる長尺材であり、竪枠4、5は垂直状に延びる長尺材である。上枠2、左右の竪枠4、5の上側部位、中間横枠6から上側開口が形成され、中間横枠6、左右の竪枠4、5の下側部位、下枠3から下側開口が形成され、上側開口には、上枠2、左右の竪枠4、5の上側部位、中間横枠6を額縁としてガラス板Gが嵌め込まれており、下側開口には、中間横枠6、左右の竪枠4、5の下側部位、下枠3を扉枠として、扉体Dが設けてある。
図6、図8に示すように、竪枠4は、室外側見付面40と、室内側見付面41と、室外側見付面40と室内側見付面41を連結する段部状の見込面と、を備えている。段部状の見込面は、室外側の第1見込面420と、室内側の第2見込面421と、を備え、第2見込面421は第1見込面420よりもパネル内方(他方の竪枠5側)に位置しており、第1見込面420の室内側端縁と第2見込面421の室外側端縁とは垂直状の見付面422によって連結されている。
竪枠4の上側部位において、第1見込面420には、高さ方向に亘って延びる押縁7が第1見込面420に対して立ち上がり状に設けられる。押縁7は、室外側の垂直状の第1見付面70と、室内側の垂直状の第2見付面71と、立ち上がり状の第1見付面70及び第2見付面71の先端同士を連結する見込面72と、から断面視コ字形状を備え、押縁7は、第2見付面71を見付面422に離間対向させるようにして取り付けられる。第2見付面71と、見付面422と、第1見込面420の室内側部位と、から高さ方向に延びる凹溝43が形成されている。凹溝43には、ガラス板Gの幅方向端部が受け入れられて固定される。
同様に、竪枠5は、室外側見付面50と、室内側見付面51と、室外側見付面50と室内側見付面51を連結する段部状の見込面と、を備えている。段部状の見込面は、室外側の第1見込面520と、室内側の第2見込面521と、を備え、第2見面521は第1見込面520よりもパネル内方(他方の竪枠4側)に位置しており、第1見込面520の室内側端縁と第2見込面521の室外側端縁とは垂直状の見付面522によって連結されている。
竪枠5の上側部位において、第1見込面520には、高さ方向に亘って延びる押縁7が第1見込面520に対して立ち上がり状に設けられる。竪枠4で説明したことと同様に、押縁7(第2見付面71)と、見付面522と、第1見込面520の室内側部位と、から高さ方向に延びる凹溝53が形成されている。凹溝53には、ガラス板Gの幅方向端部が受け入れられて固定される。
図7に示すように、上枠2は、室外側見付面20、室内側見付面21、室外側見付面20と室内側見付面21を連結するように延びる下面22と、を備えており、下面22には、水平方向に延びる下向きの凹溝23が形成されている。凹溝23には、ガラス板Gの上端部が受け入れられて固定される。
図7に示すように、中間横枠6は、室外側見付面60と、室内側見付面61と、室外側見付面60と室内側見付面61を連結する段部状の上面と、を備えている。段部状の上面は、室外側の第1水平面62と、室内側の第2水平面63と、を備え、第2水平面63は第1水平面62よりも高い高さ位置にあり、第1水平面62の室内側端縁と第2水平面63の室外側端縁とは見付面64によって連結されている。
第1水平面62には、中間横枠6の長さ方向に亘って延びる押縁7が第1水平面62に対して立ち上がり状に設けられる。押縁7は、室外側の垂直状の第1見付面70と、室内側の垂直状の第2見付面71と、第1見付面70と第2見付面71の上端同士を連結する水平状の見込面(上面)72と、から断面視コ字形状を備え、押縁7は、第2見付面71を見付面64に離間対向させるようにして取り付けられる。第2見付面71と、見付面64と、第1水平面62の室内側部位と、から水平方向に延びる上向きの凹溝65が形成されている。凹溝65には、ガラス板Gの下端部が受け入れられて固定される。
押縁7の取付構造について詳細に説明する。押縁7は、当該押縁7が取り付けられる枠体の長さ方向に沿って、水平方向ないし垂直方向に延びる長尺部材であり、取り付けられる枠体の面部に対して立ち上がり状に凸設される。押縁7は、室外側の垂直状の第1見付面70と、室内側の垂直状の第2見付面71と、立ち上がり状の第1見付面70及び第2見付面71の先端同士を連結する見込面72と、から断面視コ字形状を備えている。押縁7を水平方向に延びる枠(下枠3、中間横枠6)に設けた場合には、見込面72は水平状の上面となる。押縁7を垂直方向に延びる枠(竪枠4、5)に設けた場合には、見込面72は垂直状の側面となる。
図4、7、8に示すように、押縁7は、固定部材8を用いて、額縁を構成する枠体(第1実施形態では、中間横枠6、下枠3、第2実施形態では、中間横枠6、竪枠4、5の上側部位)に取り付けられる。押縁7の室外側の第1見付面70と、室内側の第2見付面71とは同じ高さ(立ち上がり寸法)を備えているが、第2見付面71の基端には、長さ方向に亘って間隔を存して所定高さ切り欠いて切り欠き部73が形成されている。押縁7の第1見付面70及び第2見付面71の基端を枠体の面(第1水平面32、62、第1見込面420、520)に当接させた状態において、切り欠き部73によって第2見付面71の基端と前記面(第1水平面32、62、第1見込面420、520)との間に隙間が形成されるようになっている。後述するように、かかる隙間を利用して固定部材8の第2見込片83が見込方向に突出している。また、押縁7の第2見付面71の基端は、複数の切り欠き部73を備えているものの、長さ方向に間隔を存した複数の基端(切り欠いていない部位)が面(第1水平面32、62、第1見込面420、520)に当接することで、安定して取り付けられる。
固定部材8は、押縁7の長さ方向に延びる長尺部材であるが、図9に示すように、押縁7の長さ寸法よりも少し短い寸法となっている。図4、7、8に示すように、固定部材8は、室外側の垂直状の第1見付片80と、室内側の垂直状の第2見付片81と、立ち上がり状の第1見付片80及び第2見付片81の先端同士を連結する第1見込片82と、第2見付片81の基端から室内側に向かって延びる第2見込片83と、を備えている。押縁7を水平方向に延びる枠(下枠3、中間横枠6)に設けた場合には、第1見込片82、第2見込片83は水平片であり、第1見込片82に対して第2見込片83は低い高さに位置しており、第2見付片81の下端から見込方向に水平状に延出する。押縁7を垂直方向に延びる枠(竪枠4、5)に設けた場合には、第1見込片82、第2見込片83は垂直片であり、第1見込片82に対して第2見込片83はパネル内方に位置している。
固定部材8は長尺部材であるが、図9、図10に示すように、第2見込片83は、比較的短尺であり、長さ方向に間隔を存して複数突成されている。第2見込片83は幅方向(固定部材8の長さ方向)に一定の同幅であり、各第2見込片83の突出寸法は同じであり、各第2見込片83の先端縁830は同一面(見付面34、64、422、522に平行する面)上に位置している。
固定部材8の第1見付片80及び第2見付片81の高さは、押縁7の第1見付面70及び第2見付面71の高さよりも低い。固定部材8の第1見付片80・第2見付片81間の距離(第1見込片82の見込寸法)は、押縁7の第1見付面70・第2見付面71間の距離(見込面72の見込寸法)よりも小さい。固定部材8の第2見込片83の長さ方向の幅寸法は、押縁7の第2見付面71の基端の切り欠き部73の長さ方向の幅寸法よりも小さく、固定部材8の第2見込片83の板厚は、押縁7の第2見込面71の基端の切り欠き部73の高さ寸法よりも小さい。また、固定部材8の第2見込片83同士の間隔は、押縁7の第2見込面71の基端の切り欠き部73同士の間隔に対応している。押縁7の見付面72、固定部材8の第1見込片82には、長さ方向に間隔を存して、それぞれ、皿孔90、タップ加工された雌螺子孔91(図9、図10参照)が形成されている。
押縁7と固定部材8とは、凸状の押縁7の内部に固定部材8の凸状部位を受け入れ、押縁7の第2見込面71の基端の各切り欠き部73から固定部材8の対応する第2見込片83を見込方向に突出させた状態で、見込面72と第1見込片82とを螺子9で固定する。より具体的には、押縁7の第1見付面70・第2見付面71間に、固定部材8の第1見付片80、第2見付片81、第1見込片82、を位置させ、第1見付面70、第2見付面71、第1見付片80、第2見付片81の基端を同一面内に位置させ、第2見込片83を第2見込面71の基端の切り欠き部73から突出させ、離間対向している見込面72と第1見込片82とを螺子9で固定する。なお、図示の形態では、見込面72と第1見込片82は離間しているが、螺子9で固定できるものであれば、見込面72と第1見込片82は近接ないし当接していてもよい。
このように、押縁7をパネル1、1´の枠体に取り付けることに先立って、押縁7と固定部材8とを螺子9で連結することで押縁アセンブリ(押縁7+固定部材8)が形成される。第2見込片83の突出寸法は、第2見込片83の先端縁830が凹溝(凹溝35、65、43、53)を形成する枠側の見付面(見付面34、64、422、522)に当接した時に、枠体に対する押縁7の見込方向の取付位置が決定されるような寸法に予め設定されている。したがって、押縁アセンブリを枠体に取り付ける時に、第2見込片83の先端縁830を凹溝35、65、43、53を形成する枠側の見付面34、64、422、522に当接するように位置させることで、押縁7の見込寸法の位置決めが行われる。
中間横枠6、下枠3に取り付けられる押縁7の長さ寸法は、左右の竪枠4、5間の寸法、より具体的には、竪枠4の見込面42(竪枠4に押縁7を設けた場合には、押縁7の見込面72)と竪枠5の見込面52(竪枠5に押縁7を設けた場合には、押縁7の見込面72)との間の寸法に略一致しており、押縁7の長さ方向両端部が、それぞれ竪枠4の見込面42、竪枠5の見込面52に当接するような寸法に設定されており、予め固定部材8を螺子9によって押縁7に固定して押縁アセンブリを用意しておくことで、固定部材8の長さ方向の位置決めが不要である。
竪枠4、5に取り付けられる押縁7の長さ寸法は、上枠2と中間横枠6間の寸法、より具体的には、上枠2の下面22と中間横枠6の上面(第1水平面62)との間の寸法に略一致しており、押縁7の長さ方向両端部が、それぞれ上枠2の下面22、中間横枠6の上面に当接するような寸法に設定されており、予め固定部材8を螺子9によって押縁7に固定して押縁アセンブリを用意しておくことで、固定部材8の長さ方向の位置決めが不要である。
押縁アセンブリは、押縁7の第1見付面70及び第2見付面71の基端側を枠体の面部(第1水平面32、62、第1見込面420、520)に当接させ、固定部材8の第2見込片83を枠体の面部(第1水平面32、62、第1見込面420、520)に当接させると共に、第2見込片83の先端縁830を凹溝35、65、43、53を形成する枠側の見付面34、64、422、522に当接するように位置させて、押縁7の見込寸法の位置決めを行った状態で、第2見込片83を枠体の面部(第1水平面32、62、第1見込面420、520)に溶接することで取り付けられる。
この時、固定部材8の第1見込片82は、面部(第1水平面32、62、第1見込面420、520)から離間しており、螺子9は面部(第1水平面32、62、第1見込面420、520)には達していない。押縁7を枠(下枠3、中間横枠6、竪枠4、5)に取り付ける際に、螺子9が枠(下枠3、中間横枠6、竪枠4、5)を貫通することはなく、したがって、押縁7が取り付けられたパネル1、1´の室外側に雨水がかかったとしても、枠(下枠3、中間横枠6、竪枠4、5)内部に浸水するようなことがない。
図示の実施形態では、パネル1、1´の室外側に押縁7を取り付けた態様を示したが、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、パネルの室内側に取り付けられた押縁についても適用することができる。例えば、室内プール等のように室内側に水が存在する環境では有用である。図示の態様では、凹溝を形成する枠側の見付面は、枠体と一体形成されているが、特許文献1のように、枠体に対して連結した額縁本体から当該見付面を形成してもよい。
固定部材8はひしゃく状の形状に限定されるものではなく、螺子9が固定される第1見込片82、先端縁830が枠側に当接する第2見込片83を備えていれば、他の形状であってもよい。他の形状に係る固定部材8を図11(A)、(B)に例示する。図11(A)では、固定部材8は、室外側の垂直状の第1見付片80´と、室内側の垂直状の第2見付片81と、立ち上がり状の第1見付片80´の基端と第2見付片81の先端を連結する第1見込片82と、第2見付片81の基端から室内側に向かって延びる第2見込片83と、を備えており、第1見付片80´と第2見付片81は、第1見込片82に対して互いに異なる方向に延びている。より具体的には、第1見付片80´は、第1見込片82に対して立ち上がり状に上方に延びており、先端(上端)が押縁7の見込面72にまで達している。図11(B)では、固定部材8は、室内側の垂直状の第2見付片81と、第1見込片82と、第2見付片81の基端から室内側に向かって延びる第2見込片83と、からなり、第1見付片80、80´に相当する部位を備えていない。
上述の実施形態では、例えば、図4に示すように、固定部材8の第1見付片80・第2見付片81間の距離(第1見込片82の見込寸法)は、押縁7の第1見付面70・第2見付面71間の距離(見込面72の見込寸法)よりも小さく、第1見付面70と第1見付片80、第2見付面71と第2見付片81は、それぞれ隙間を存して離間対向しているが、第1見付面70と第1見付片80、第2見付面71と第2見付片81のいずれか一方あるいは両方が当接ないし密接するようにしてもよい。図11(C)に示す態様では、第1見付面70と第1見付片80、第2見付面71と第2見付片81が、共に近接ないし密接している。図11(C)では、固定部材8の第1見付片80・第2見付片81の外面間の距離は、押縁7の第1見付面70・第2見付面71間の内面間の距離と略同じであり、押縁7と固定部材8とは、凸状の押縁7の内部に固定部材8の凸状部位を嵌着させるように受け入れ、押縁7の第2見付面71の基端の各切り欠き部73から固定部材8の対応する第2見込片83を見込方向に突出させた状態で、見込面72と第1見込片82とを螺子9で固定している。
1、1´ パネル
2 上枠
3 下枠
32 第1水平面
33 第2水平面
34 見付面
35 凹溝
4 竪枠
420 第1見込面
421 第2見込面
422 見付面
43 凹溝
5 竪枠
520 第1見込面
521 第2見込面
522 見付面
53 凹溝
6 中間横枠
62 第1水平面
63 第2水平面
64 見付面
65 凹溝
7 押縁
70 第1見付面
71 第2見付面
72 見込面
8 固定部材
80 第1見付片
81 第2見付片
82 第1見込片
83 第2見込片
830 先端縁
9 螺子
G1、G2、G ガラス板

Claims (3)

  1. 板材が嵌め込まれた建築用パネルにおける額縁構造であって、
    前記板材の端部を受け入れる凹溝の少なくとも1つは、当該凹溝の一方の見付面を備えた枠体の面部に、当該凹溝の他方の見付面を備えた押縁を取り付けることで形成されており、
    前記押縁は、第1見付面と、前記他方の見付面を形成する第2見付面と、前記枠体の前記面部に対して立ち上がり状の第1見付面及び第2見付面の先端同士を連結する見込面と、を備えた長尺部材であり、第1見付面及び第2見付面の基端側を前記枠体の前記面部に当接させた状態で、固定部材を用いて前記枠体に取付けられており、
    前記固定部材は、前記押縁の内部に位置して当該押縁の前記見込面に対向する第1見込片と、前記押縁の第2見付面の基端から当該押縁の外部に位置して前記枠体の前記一方の見付面に向かって見込方向に突出する第2見込片と、前記第1見込片と第2見込片を連結する見付片と、を備えた長尺部材であり、前記第1見込片は前記第2見込片に対して高い位置にあり、前記第2見込片は当該第2見込片の先端縁を前記枠体の前記一方の見付面に当接させた状態で前記枠体の前記面部に溶接されており、前記第1見込片は、前記枠体の前記面部から離間し、前記押縁の前記見込面と螺子で固定されており、前記螺子は前記枠体の前記面部には達していない、建築用パネルにおける額縁構造。
  2. 前記固定部材は、前記見付片に加えて、前記第1見込片から延びるもう一つの見付片を備えており、
    前記押縁の前記第1見付面と前記固定部材の前記もう一つの見付片、および/あるいは、前記押縁の前記第2見付面と前記固定部材の前記見付片が当接している、請求項1に記載の建築用パネルにおける額縁構造。
  3. 前記押縁の前記第2見付面の基端には、長さ方向に亘って間隔を存して複数の切り欠き部が形成されており、
    前記固定部材の前記見付片の基端には、長さ方向に亘って間隔を存して複数の第2見込片が形成されており、
    各第2見込片は、各切り欠き部を通って突出している、
    請求項1または2に記載の建築用パネルにおける額縁構造。
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