以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の一形態に係る車両の車室内を示す斜視図、図2は乗員、第1表示用パネル及び第2表示用パネルの位置関係を示す側面図、図3は第1表示用パネル及び第2表示用パネルを運転席側から視た状態を示す正面図、図4は車両の制御システムを説明するためのブロック図、図5は第1表示用パネルに表示される画像の一例としての「ナビゲーションメニュー画面」を示す図、図6は第1表示用パネルに表示される画像の一例としての「地図情報」を示す図、図7は車両の走行時に、第1表示用パネル及び第2表示用パネルのそれぞれに表示される画像を示す図であって、(a)はその一例を示す図、(b)は(a)の変形例を示す図、図8は車両の異常時に、第1表示用パネル及び第2表示用パネルのそれぞれに表示される画像の一例を示す図、図9は表示制御CPUにより実行される車両用表示装置の制御処理を示すフロー図である。なお、図中FRは車両前方を、UPは車両情報をそれぞれ示している。また、以下の説明における左右方向は車両の座席に着座した乗員が車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る車両用表示装置10は、車両1の車室内に設けられ、第1表示用パネル30と、第2表示用パネル40とを備えている。これら第1表示用パネル30と、第2表示用パネル40とは、それぞれ、車両前後方向に離間して配置されている。なお、上記第1表示用パネル30と、第2表示用パネル40とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「第1表示手段」と、「第2表示手段」とに該当する。
車両1は、運転席2の車両前方側に設けられるインストルメントパネル3と、運転席2とインストルメントパネル3との間に配置されるステアリングホイール4とを有している。ステアリングホイール4は、チルトレバー(図示省略)を操作することによって、上下方向に移動することが可能なように構成されている。
図2及び図3に示すように、第1表示用パネル30は、例えば、液晶パネルとバックライトとが一体的に設けられた、いわゆる液晶ディスプレイプレイ装置であって、インストルメントパネル3のうち、運転席2の車両前方側の部分に取り付けられている。ドライバー(乗員)Hは、第1表示用パネル30の表示画面に表示される各種画像を、ステアリングホイール4の上側空間部4aを介して視ることが可能となっている。なお、第1表示用パネル30は、液晶ディスプレイ装置に限られず、プラズマディスプレイプレイや有機EL等の自発光型の表示デバイスを用いることも可能である。
詳しくは後述するが、第1表示用パネル30には、車両1の走行速度(車速)を示すスピードメータ画像I1B、エンジンの単位時間当たりの回転数を示すタコメータ画像I1C、及び、燃料不足等の不具合をドライバーHに警告するための警告情報画像I1Dなどといった、一般的な車両情報を示す画像の他、地図情報画像などの画像を表示することが可能となっている。なお、上記警告情報画像I1Dが特許請求の範囲に記載の「特定の第1画像データ」に該当する。
ここで、第1表示用パネル30に表示される画像について、図3、図5及び図8を参照して説明する。
図3に示すように、インストルメントパネル3には、第1表示用パネル30が配置される位置の右側に、インストルメントパネル側操作部5が設けられている。インストルメントパネル側操作部5は、十字キー5aと、十字キー5aの右側に設けられるメニュー画面表示スイッチ5bとを有している。
十字キー5aは、上側端部、下側端部、左側端部及び右側端部を有し、これら端部の何れかを押圧することによって、第1表示用パネル30に表示される画像全体の表示位置を移動させることが可能となっている。例えば、ドライバーHが上側端部を押圧し続けている場合、その間中、第1表示用パネル30に表示される画像を上方向へスクロール移動させることが可能となっている。なお、本実施形態では、第1表示用パネル30に表示される画像全体を、十字キー5aを操作することによって移動させることができるように構成したが、例えば、後述するタッチパネル部40aによる操作入力(例えば、フリック操作)によって移動させることができるように構成することも可能である。
メニュー画面表示スイッチ5bは、押圧式のスイッチであって、押圧することによって、第1表示用パネル30に、図3に示すような「メニュー表示画面」を表示させることが可能となっている。この「メニュー表示画面」には、「NAVI」、「AUDIO」、「VIDEO」、「A/C」、「戻る」等の選択画像(文字画像)I1が複数表示されるようになっている。
詳しくは後述するが、ドライバーHは、後述するタッチパネル部40a(図2参照)の操作領域のうち、所望の選択画像I1Aに対応する領域をタッチ等することによって、第1表示用パネル30に、当該選択画像I1Aに対応する機能を作動させるための初期画像を表示させることが可能となっている。
例えば、第1表示用パネル30に、「メニュー表示画面」(図3参照)が表示されている状態において、ドライバーHが、タッチパネル部40aの操作領域のうち、選択画像I1A「NAVI」に対応する所定の領域をタッチ等すると、第1表示用パネル30には、ナビゲーション機能の各種設定等を行うことが可能な「NAVI MENU画面」(図5参照)が、「メニュー表示画面」に切り替わって表示されるようになっている。
このような「メニュー表示画面」や各種機能(例えば、ナビゲーション機能)の表示画面は、第1表示用パネル30の車幅方向中央の位置で比較的大きく表示されるようになっている。これら表示画面が表示されている状態では、当該表示画面の左右両側に、スピードメータ画像I1Bやタコメータ画像I1C等の各種画像が表示されるように構成されている。
詳しくは後述するが、本実施形態では、車両1が停止状態(停車状態)から走行状態に移行した場合、「VIDEO」等の一部の機能(図3参照)については、ドライバーHがタッチパネル部40aを介してタッチ等した場合であっても、作動しないように構成されている。
上記スピードメータ画像I1B及びタコメータ画像I1Cは、それぞれ、指針を有する、いわゆるアナログメータを画像化したものであって、車両1の車速やエンジンの回転数に応じて、指針を示す指針画像が回動して表示されるようになっている。詳しくは後述するが、本実施形態では、車両1の車速を示す画像として、スピードメータ画像I1Bが第1表示用パネル30に表示される他、車速を数値化した車速画像I2Cが第2表示用パネル40に表示されるように構成されている。
また、本実施形態では、図8に示すように、燃料不足、ブレーキ液不足、エンジンオイル不足、冷却水不足、半ドア、シートベルト未装着等の不具合があった場合に、該当する不具合を示す警告情報画像(シンボル画像)I1Dが、第1表示用パネル30に比較的大きなサイズで表示されるようになっている。図8に示す例では、燃料不足であることを示す警告情報画像I1Dが、「メニュー表示画面」を構成する一部の選択画像I1Aに、重畳して表示されている状態を示している。
次に、第2表示用パネル40について図2、図3、図5を参照して説明する。
図2及び図3に示すように、第2表示用パネル40は、操作面に対して指等を接触又は近接させることによって操作入力することが可能なタッチパネル部40aと、タッチパネル部40aの車両前方側の面に積層される液晶表示部40bとを有している。タッチパネル部40a及び液晶表示部40bは、何れも透明な部材により形成され、それぞれ公知のものを採用することが可能である。なお、上記タッチパネル部40aが特許請求の範囲に記載の「タッチパネル」に該当する。
第2表示用パネル40は、ステアリングホイール4の上側空間部4aと略同一形状を有し、この上側空間部4aの開口周縁部に固定されている。すなわち、本実施形態において、ドライバーHは、第1表示用パネル30に表示される画像を、第2表示用パネル40を介して視ることが可能となっている。なお、第2表示用パネル40は、透明な部材の他、半透明な部材により形成することも可能である。しかしながら、第1表示用パネル30に表示される画像の視認性を考慮すれば、極力、透明度の高い部材により形成するのが好ましい。
液晶表示部40bには、第1表示用パネル30に選択画像I1Aが表示される際、これに連動して、当該選択画像I1Aと対応する位置に枠状の枠画像I2Aが表示されるようになっている。また、ドライバーHは、第1表示用パネル30と第2表示用パネル40とに、それぞれ、選択画像I1Aと枠画像I2Aとが表示された状態で、選択画像I1Aを、枠画像I2Aによって囲まれる領域(以下、「枠画像領域」と称す)を介して視ることが可能となっている。
本実施形態では、ドライバーHが、枠画像I2Aの枠画像領域を、タッチパネル部40aを介してタッチ等することにより、当該枠画像I2Aに対応する選択画像I1Aを選択することができるように構成されている。
例えば、第1表示用パネル30に「メニュー表示画面」(図3参照)が表示されている状態で、ドライバーHが、選択画像I1A「NAVI」に対応する、枠画像I2Aの枠画像領域を、タッチパネル部40aを介してタッチ等すると、選択画像I1A「NAVI」が選択され、その後、第1表示用パネル30には、「NAVI MENU画面」(図5参照)が切り替わって表示されるようになっている。
液晶表示部40bには、上述したような、枠画像I2Aの他、各種画像を表示することが可能なように構成されている。
ここで、液晶表示部40bに表示される各種画像について図3、図7及び図8を参照して説明する。
例えば、図3に示すように、車両1が停止状態で、且つ、第1表示用パネル30に「メニュー表示画面」が表示されている場合、液晶表示部40bには、上記のような枠画像I2Aのみならず、文字画像I2B「メニュー表示画面」が表示される他、さらに、車両1の車速を数値化した車速画像I2C「0km」が表示されるようになっている。
上記文字画像I2B「メニュー表示画面」は、選択画像I1Aを視るドライバーHの視線方向EL(図2参照)において、一部の選択画像I1A(例えば、「A/C」)と重なる位置で、且つ、当該一部の選択画像I1Aの視認性を極力阻害しないよう、比較的薄い色で表示されるようになっている。
上記車速画像I2Cは、車両1が停止状態にある場合、スピードメータ画像I1Bを視るドライバーHの視線方向EL(図2参照)において、スピードメータ画像I1Bと重なる位置に表示されるようになっている。詳しくは後述するが、この車速画像I2Cは、車両1が停止状態から走行状態に移行されると、上記スピードメータ画像I1Bと重なる位置を避けた所定位置に移動して表示されるようになっている(図7参照)。
上述したように、本実施形態では、車両1が停止状態から走行状態に移行されると、タッチパネル部40aを介して、所定の選択画像I1A(例えば、「VIDEO」)に対応する枠画像I2Aの枠画像領域をタッチ等しても、所定の機能(例えば、「VIDEO」)が作動されないようになっている。
そこで、本実施形態では、車両1が走行状態となった場合、ドライバーHが、選択することが可能な選択画像(例えば、「A/C」、以下、「特定の選択画像」と称す)I1Aを容易に識別できるよう、これに対応する枠画像(以下、「特定の枠画像」と称す)I2Aの輝度を向上させるように構成されている(図7(a)参照)。また、本実施形態では、上記特定の枠画像I2Aの他、車両1の車速が、後述する制限速度(法廷速度)を超過した場合、上記表示禁止領域A2の外周部分の輝度及び車速画像I2Cの輝度を、それぞれ向上させるように構成されている。なお、上記特定の選択画像I1Aを容易に識別できるようにする手法としては、上記特定の枠画像I2Aの輝度を向上させる他、例えば、図7(b)に示すように、液晶表示部40bの表示領域のうち、当該特定の枠画像I2Aの枠画像領域以外の領域全体を、灰色や黒色等で塗りつぶして、当該領域全体の透過度を減少させることも考えられる。この際、上記特定の枠画像I2Aに加え、液晶表示部40bの表示領域とスピードメータ画像I1Bを視るドライバーHの視線方向EL(図2参照)とが交叉する部分、及び、後述する車速画像I2Cも灰色や黒色等で塗りつぶさないようにするのが好ましい。
また、本実施形態では、上記特定の選択画像I1Aの視認性をさらに向上させるため、これに対応する特定の枠画像I2Aの枠画像領域を表示禁止領域A1に設定して、当該枠画像領域に、文字画像I2Bなどが重畳して表示されないように構成されている。
例えば、文字画像I2B「メニュー表示画面」は、車両1が停止状態である場合、選択画像I1A「A/C」に対応する枠画像I2Aの枠画像領域に重畳して表示されるが(図3参照)、車両1が走行状態となると、当該枠画像領域の上方に移動されて表示されるようになっている(図7(a)参照)。なお、文字画像I2B「メニュー表示画面」は、車両1が走行状態から停止状態に移行されると、再び、図3に示す位置で表示されるようになっている。
また、本実施形態では、上記スピードメータ画像I1Bの視認性を向上させるため、車両1が停止状態から走行状態に移行した場合、液晶表示部40bの表示領域のうち、スピードメータ画像I1Bを視るドライバーHの視線方向EL(図2参照)と交叉する領域付近を表示禁止領域A2に設定して、当該表示禁止領域A2に、文字画像I2Bなどが表示されないように構成されている。
具体的に、車速画像I2Cは、車両1が停止状態である場合、スピードメータ画像I1Bを視るドライバーHの視線方向EL(図2参照)において、当該スピードメータ画像I1Bと重なる位置に表示されるが(図3参照)、車両1が走行状態となると、当該位置から上方に移動されて表示されるようになっている(図7(a)参照)。なお、車速画像I2Cも、文字画像I2B「メニュー表示画面」と同様に、車両1が走行状態から停止状態に移行されると、再び、図3に示す位置で表示されるようになっている。
本実施形態では、第1表示用パネル30に警告情報画像I1Dが表示された場合、当該警告情報画像I1Dの視認性を向上させるため、液晶表示部40bの表示領域のうち、警告情報画像I1Dを視るドライバーHの視線方向EL(図2参照)と交叉する領域付近を、表示禁止領域A3に設定するように構成されている(図8参照)。
例えば、図8に示すように、本来、表示されるべき、枠画像I2Aの一部に、表示禁止領域A3が設定されている場合、当該枠画像I2Aのうち、表示禁止領域A3が設定されている部分については、非表示とするようになっている。
次に、車両1の制御システムについて図4を参照して説明する。
図4に示すように、車両1の制御システムは、主として、表示制御基板100、第1表示用パネル30、第2表示用パネル40(タッチパネル部40a及び液晶表示部40b)、インストルメントパネル側操作部5(十字キー5a及びメニュー画面表示スイッチ5b)、ステアリングホイール側操作部6、車両1の所定位置に設けられる、操舵角センサ7a及び車速センサ7b、スピーカ等の各種出力装置8、及び、送受信機9等を備え、それぞれが配線ケーブルによって接続されている。
表示制御基板100は、第1表示用パネル30等に設けられ、表示制御CPU101と、表示制御ROM102と、表示制御RAM103とを備えている。なお、上記表示制御CPU101と、表示制御ROM102とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「制御手段」と、「記憶手段」とに該当する。
表示制御CPU101は、表示制御ROM102に予め記憶されているシステムプログラム等を読み込み、タッチパネル部40a等から入力された情報に基づいて、第1表示用パネル30や液晶表示部40bにそれぞれ画像データを出力するとともに、タッチパネル部40aに操作可能領域指定データを出力する。この際、表示制御CPU101は、必要に応じて、車両1に設けられたスピーカ等の各種出力装置8に音声データ等を出力する。
例えば、表示制御CPU101は、メニュー画面表示スイッチ5bの押圧によって、メニュー画面表示信号が入力された場合、第1表示用パネル30に、メニュー画面表示データを出力する。一方、表示制御CPU101は、液晶表示部40bに、枠画像I2Aを表示させるための枠画像表示データ、及び、文字画像I2Bを表示させるための文字画像データを出力する。また、表示制御CPU101は、タッチパネル部40aに、枠画像I2Aによって囲まれる枠画像領域に対応する部分を操作可能領域とするための操作可能領域指定データを出力する。これにより、第1表示用パネル30には、「メニュー表示画面」が表示され、液晶表示部40bには、枠画像I2A及び文字画像I2Bが表示されることとなる(図3参照)。また、タッチパネル部40aのうち、枠画像I2Aに対応する部分が、それぞれ、操作可能領域として有効となる。
また、表示制御CPU101は、車速センサ7bから入力される車速データに基づいて、スピードメータ画像表示データを生成して、当該スピードメータ画像表示データを、第1表示用パネル30及び第2表示用パネル40のそれぞれに出力する。これにより、第1表示用パネル30と第2表示用パネル40とには、それぞれ、現在の車両1の車速を示す、スピードメータ画像I1Bと車速画像I2Cとが表示されることとなる(図5及び図7等参照)。なお、図示は省略するが、表示制御CPU101は、エンジンの回転数に基づいて、タコメータ画像表示データを生成して、当該タコメータ画像表示データを第1表示用パネル30に出力する。これにより、第1表示用パネル30には、現在のエンジンの回転数を示すタコメータ画像I1Cが表示されるようになっている(図3等参照)。
さらに、表示制御CPU101は、車速センサ7bから入力される車速データに基づいて、タッチパネル部40aから入力される操作信号(例えば、タッチ信号)を無効にして、車両用表示装置10において実行される機能の一部が働かないように制御する。
詳しくは後述するが、表示制御CPU101は、車速センサ7bから入力された車速データが、例えば、時速0kmからそれを超える速度に変化した場合、例えば、「VIDEO」機能が働かないように制御する(図3参照)。この際、表示制御CPU101は、ドライバーHが、上記特定の選択画像I1A(例えば、選択画像I1A「A/C」)に対応する特定の枠画像I2Aの輝度を向上させる制御を行う(図7(a)参照)。一方、表示制御CPU101は、車速センサ7bから入力される車速データが、例えば、時速0kmを示すものとなった場合、今まで、働かなかった機能(規制されていた機能)を有効とする制御を行う。この際、表示制御CPU101は、上記特定の枠画像I2Aの輝度を減少させて、その他の枠画像I2Aの輝度と同じにする制御を行う。
なお、車両1が停止状態から走行状態になったと判定する条件として、上記のように、(1)車速データが時速0kmを超えるものとなった場合の他、(2)車速データが時速0kmを超えてから所定時間(例えば、2秒)が経過した場合、(3)サイドブレーキが開放状態となった場合、及び、(4)車両1が低速状態となった場合(例えば、車速データが時速4km以上となった場合)等、適宜採用することが可能である。
一方、車両1が走行状態から停止状態になったと判定する条件として、上記のように、(1)車速データが時速0kmとなった場合の他、(2)車速データが時速0kmとなってから所定時間(例えば、2秒)が経過した場合、(3)サイドブレーキが引かれた場合、及び、(4)車両1が低速状態となった場合(例えば、車速データが時速4km以下となった場合)等、適宜採用することが可能である。
図示は省略するが、表示制御CPU101は、燃料不足、ブレーキ液不足、エンジンオイル不足、冷却水不足、半ドア、シートベルト未装着等の不具合を検出する各センサから所定のデータが入力された場合、不具合箇所等を特定することが可能な警告情報画像データを生成して、当該警告情報画像データを第1表示用パネル30に出力する。これにより、第1表示用パネル30には、図8に示すような、警告情報画像I1D(図8の例では「燃料不足」を示す画像)が表示されることとなる。
また、表示制御CPU101は、所定条件の成立時に、液晶表示部40bの一部の表示領域を、所定の画像(画像I2等)を表示させない領域(表示禁止領域)として設定するように構成されている。
具体的に、表示制御CPU101は、車両1が停止状態から走行状態に移行した場合、上記特定の枠画像I2A(例えば、選択画像I1A「A/C」に対応する枠画像I2A)の枠画像領域を表示禁止領域A1に設定し、当該枠画像領域(表示禁止領域A1)に、文字画像I2B等の各種画像が表示されないように制御する(図7(a)参照)。同様に、表示制御CPU101は、スピードメータ画像I1Bを視るドライバーHの視線方向EL(図2参照)と、液晶表示部40bの表示領域とが交叉する領域付近を、表示禁止領域A2に設定し、当該表示禁止領域A2に、車速画像I2C等の各種画像が表示されないように制御する(図7(a)参照)。
また、表示制御CPU101は、第1表示用パネル30に警告情報画像I1Dを表示する場合、当該警告情報画像I1Dを視るドライバーHの視線方向EL(図2参照)と、液晶表示部40bの表示領域とが交叉する領域付近を表示禁止領域A3に設定し、当該表示禁止領域A3に枠画像I2A等の各種画像が表示されないように制御する(図8参照)。
表示制御CPU101は、ステアリングホイール4の操舵角θを検出する操舵角センサ7aから入力された操舵角データに基づいて、液晶表示部40bとタッチパネル部40aとに、それぞれ、枠画像I2Aを非表示にするための非表示信号と、有効となっていた操作可能領域を無効とする操作無効信号とを出力するように構成されている。
具体的に、表示制御CPU101は、操舵角センサ7aから入力された操舵角データが、所定の範囲内(例えば、−3度≦操舵角θ≦+3度)でない場合、ステアリングホイール4が、タッチパネル部40aによる操作入力をすることができない位置にあると判定して、タッチパネル部40aと、液晶表示部40bとに、それぞれ、操作無効信号と、非表示信号とを出力する。これにより、第1表示用パネル30に、例えば、図3に示すような、「メニュー表示画面」が表示されていたとしても、液晶表示部40bには枠画像I2Aが表示されず、また、ドライバーHがタッチパネル部40aをタッチ等してもその操作が無効とされることとなる。
一方、ステアリングホイール4が操作されることにより、操舵角センサ7aから入力された操舵角データが、上記所定の範囲内となった場合、表示制御CPU101は、タッチパネル部40aと、液晶表示部40bとに、それぞれ、操作可能領域指定データと、画像表示データとを出力する。これにより、液晶表示部40bには、メニュー表示画面の各選択画像I1Aと対応する位置にそれぞれ枠画像I2Aが表示され、また、枠画像I2Aの枠画像領域が操作可能な領域として有効となる。
上記表示制御ROM102は、システムプログラムを記憶している他、第1表示用パネル30に出力される各種画像データ(選択画像I1A、スピードメータ画像I1B、タコメータ画像I1C及び警告情報画像I1D)、液晶表示部40bに出力される各種画像データ(枠画像I2A、文字画像I2B、車速画像I2C)、及び、タッチパネル部40aに出力される、操作可能領域を指定するための操作可能領域指定データ、液晶表示部40bの一部を表示禁止領域とするための表示禁止領域データ、液晶表示部40bの所定表示領域の輝度を向上させるための輝度向上データ等を記憶している。
第1表示用パネル30に表示される各種画像データとして、表示制御ROM102には、例えば、メニュー画面表示スイッチ5bからメニュー画面表示信号が入力された場合に出力される「メニュー画面表示データ」(図3参照)、メニュー表示画面を構成する選択画像I1A「NAVI」が選択された際に出力される「NAVI MENU表示データ」(図5参照)等の画面表示データが階層的に記憶されている。
また、表示制御ROM102には、上記第1表示用パネル30に表示される警告情報画像I1Dとして、燃料不足、ブレーキ液不足、エンジンオイル不足、冷却水不足、半ドア、シートベルト未装着等の各不具合に対応させて、警告情報画像I1Dが複数記憶されている。
上記第2表示用パネル40に表示される、枠画像I2A及び文字画像I2Bの画像データは、上記第1表示用パネル30に表示される「メニュー表示画面」や「NAVI MENU表示データ」等の画面表示データに対応して、表示制御ROM102に記憶されている。また、上記操作可能領域指定データは、枠画像I2Aの画像データに対応して記憶されている。この操作可能領域指定データは、例えば、操作可能領域毎に、X軸座標○○〜△△、Y軸座標××〜□□といったような座標データが記憶されている。なお、上記第1表示用パネル30に表示される画面表示データ及び第2表示用パネル40に表示される枠画像I2A及び文字画像I2B等の画像データを記憶する表示制御ROM102が特許請求の範囲に記載の「記憶手段」に該当する。
上記表示領域禁止データは、液晶表示部40bの所定表示領域に画像が表示されないようにするためのデータであって、車両1が停止状態から走行状態に移行した際に設定する等の設定条件を含めて複数記憶されている。
上記輝度向上データとして、表示制御ROM102には、上記特定の枠画像I2Aの輝度値等が記憶されている。
また、表示制御ROM102には、上記各種データの他、車両1が停止状態から走行状態に移行した際、タッチパネル部40aによる操作入力を禁止する、操作禁止データが記憶されている。
表示制御ROM102には、操作禁止データとして、例えば、メニュー表示画面の「VIDEO」の選択画像I1Aの選択操作(図3参照)などが記憶されている。
上記表示制御RAM103は、表示制御CPU101によって実行されるプログラムや、表示制御CPU101による演算結果等を一時的に記憶するものである。
また、表示制御RAM103には、第1表示用パネル画像表示位置記憶領域と、第2表示用パネル画像表示位置記憶領域とが設けられている。
上記第1表示用パネル画像表示位置記憶領域は、十字キー5aが操作されることによって第1表示用パネル30に表示される画像の表示位置が変更された際に、当該変更されたデータを記憶する領域である。上記第2表示用パネル画像表示位置記憶領域は、ステアリングホイール側操作部6が操作されることによって枠画像I2A及び文字画像I2Bの表示位置が変更された場合、当該変更されたデータを記憶する領域である。なお、上記のような変更されたデータは、画像の位置が変更される度に、上書きされて記憶されるようになっている。第1表示用パネル30や液晶表示部40bに表示される画像は、各記憶領域に記憶されたデータに基づいて表示されるようになっている。なお、タッチパネル部40aの操作可能領域は、枠画像I2Aの表示位置の変更に伴って、変更されるように構成されている。
上記送受信機9は、ナビゲーション機能を作動させた場合に、車両1の現在位置をGPS(Global Positioning System、図示省略)衛星に送信するともに、GPS衛星から送信された位置情報データを受信するものである。
GPS衛星から位置情報データを受信した場合の制御処理については、公知であるため、詳しい説明を省略するが、簡単に説明すると、表示制御CPU101は、GPS衛星から位置情報データを受信した場合、第1表示用パネル30に、現在の車両位置とその周辺の地図情報を表示するように制御するようになっている(図6参照)。なお、表示制御CPU101は、GPS衛星から受信した位置情報データに基づいて、車両1が現在走行している道路の制限速度(法廷速度)を求めることができるように構成されている。
次に、表示制御CPU101によって実行される、車両用表示装置10の制御処理について図9を参照して説明する。
表示制御CPU101によって実行される、車両用表示装置10の制御処理は、例えば、ACC(アクセサリー電源)がONとなったときに開始される。
(ステップS1)
表示制御CPU101は、先ず、ステップS1において、車両1の走行状態が変化したか否かを判定する。例えば、表示制御CPU101は、車速データが、時速0kmを超える値に変化した場合(停車状態であった車両1が走行状態となった場合)、又は、時速0kmを示す値に変化した場合(走行状態であった車両1が停止状態となった場合)に、車両1の走行状態が変化したと判定する。
表示制御CPU101は、車両1の走行状態が変化したと判定した場合、ステップS2に処理を移し、車両1の走行状態が変化していない、すなわち、車両1が走行状態又は停止状態を維持している場合、ステップS5に処理を移す。
(ステップS2)
表示制御CPU101は、停車状態の車両1が走行状態となったか否か(上記ステップS1の判定が停車状態の車両1が走行状態に変化したことに基づくものであるか否か)を判定する。
表示制御CPU101は、停車状態の車両1が走行状態となったと判定した場合、ステップS3に処理を移し、停車状態の車両1が走行状態となったと判定しなかった場合(走行状態の車両1が停止状態となったと判定した場合)、ステップS4に処理を移す。
(ステップS3)
表示制御CPU101は、ステップS3において、操作入力禁止モード設定処理を行う。
例えば、表示制御CPU101は、操作入力禁止を示すフラグをON(=1)とする処理を行う。これにより、車両用表示装置10によって実行することが可能な機能のうち、一部の機能(例えば、「VIDEO」の機能(図3参照))については、タッチパネル部40aを操作しても作動しないこととなる。なお、本実施形態では、「A/C」等の一部の機能については車両1が走行状態であっても作動させることが可能となっている。
表示制御CPU101は、操作入力禁止モード設定処理を行った後、ステップS7に処理を移す。
(ステップS4)
表示制御CPU101は、上記ステップS2の処理で、停車状態の車両1が走行状態となったと判定しなかった場合(走行状態の車両1が停止状態となったと判定した場合)、ステップS4において、操作入力許容モード設定処理を行う。
例えば、上記ステップS3の処理で操作入力禁止を示すフラグをON(=1)としているような場合、表示制御CPU101は、当該フラグをOFF(=0)とする処理を行う。これにより、車両用表示装置10によって実行することが可能な機能の全てを作動させることが可能となる。
表示制御CPU101は、操作入力許容モード設定処理を行った後、ステップS7に処理を移す。
(ステップS5)
表示制御CPU101は、ステップS5において、走行状態にある車両1の車速が、制限速度(法廷速度)を超過しているか否かを判定する。本実施形態において、このような判定は、車速センサ7bから入力される車速データと、上記位置情報データに基づいて求めた制限速度とを比較することによって行われる。
表示制御CPU101は、車両1の車速が、制限速度を超過していると判定した場合、ステップS7に処理を移し、制限速度を超過していないと判定した場合、ステップS6に処理を移す。
(ステップS6)
表示制御CPU101は、ステップS6において、燃料不足、ブレーキ液不足、エンジンオイル不足、冷却水不足、半ドア、シートベルト未装着等の不具合を検出する各センサから所定のデータが入力されたか否かを判定する。
表示制御CPU101は、上記各センサから所定のデータが入力されたと判定した場合、ステップS7に処理を移し、当該所定のデータが入力されていないと判定した場合、本制御処理を終了する。
(ステップS7)
表示制御CPU101は、ステップS7において、操舵角センサ7aから入力された操舵角データ(操舵角θ)が所定の範囲内(例えば、−3度≦操舵角θ≦+3度)であるか否かを判定する。
表示制御CPU101は、操舵角データが所定の範囲内であると判定した場合、ステップS8に処理を移し、操舵角データが所定の範囲内でないと判定した場合、再度、ステップS7の処理を行う。
(ステップS8)
表示制御CPU101は、ステップS8において、第1表示用パネル30及び液晶表示部40bのそれぞれに表示される画像の表示制御(画像表示制御処理)を行う。
上記画像表示制御処理について、以下に、(1)ステップS3を経由することにより実行される場合、(2)ステップS4を経由することにより実行される場合、(3)ステップS5を経由することにより実行される場合、(4)ステップS6を経由することにより実行される場合に分けて説明する。
先ず、ステップS3(操作入力禁止モード設定処理)を経由することによって、本ステップS8が実行される場合について図3及び図7(a)を参照して説明する。以下の説明では、第1表示用パネル30に「メニュー表示画面」が表示されている状態で、車両1が停止状態から走行状態に移行した場合を例にとって説明する。
図3及び図7(a)に示すように、第1表示用パネル30に「メニュー表示画面」が表示されている状態で、車両1が停止状態から走行状態に移行されると、表示制御CPU101は、液晶表示部40bに表示される、上記特定の枠画像I2A(例えば、選択画像I1A「A/C」に対応する枠画像I2A)の輝度を向上させる制御を行う。これにより、ドライバーHは、タッチパネル部40aを介して選択することが可能な特定の選択画像I1Aを一目瞭然に識別することが可能となる。
また、表示制御CPU101は、上記特定の枠画像I2Aの枠画像領域に、他の画像が重畳してされないようにするため、当該枠画像領域を表示禁止領域A1にする処理を行う。
例えば、表示制御CPU101は、車両1が停止状態である場合に、特定の枠画像(例えば、特定の選択画像I1A「A/C」に対応する枠画像)I2に重畳して表示される文字画像I2B「メニュー表示画面」(図3参照)を、当該枠画像領域の上方に移動させて表示する制御を行う(図7(a)参照)。これにより、ドライバーHは、タッチパネル部40aを介して選択することが可能な特定の選択画像I1Aを良好に視認することが可能となる。
さらに、表示制御CPU101は、液晶表示部40bの表示領域のうち、スピードメータ画像I1Bを視るドライバーHの視線方向EL(図2参照)と交叉する領域付近に、画像が表示されないようにするため、当該領域付近を表示禁止領域A2にする処理を行う。
例えば、表示制御CPU101は、車両1が停止状態である場合に、スピードメータ画像I1Bを視るドライバーHの視線方向ELにおいて、スピードメータ画像I1Bと重なる位置に表示される車速画像I2C(図3参照)を、当該位置(表示禁止領域A2)の上方に移動させて表示する制御を行う(図7(a)参照)。これにより、ドライバーHは、タッチパネル部40aを介して選択することが可能な特定の選択画像I1Aを良好に視認することが可能となる。このように、本実施形態では、表示禁止領域A2が設定されることによって、液晶表示部40bに表示される画像を移動させて表示するように構成したが、これに限られず、例えば、表示禁止領域A3が設定された場合(図8参照)と同様に、当該画像を非表示にすることも可能である。なお、上記車両1が停止状態から走行状態に移行された際に、表示禁止領域A2を設定する表示制御CPU101が、特許請求の範囲に記載の「表示禁止領域設定手段」(請求項3)に該当する。
次に、ステップS4(操作入力許容モード設定処理)を経由することによって、本ステップS8が実行される場合について図3及び図7(a)を参照して説明する。以下の説明では、上記図7(a)に示すような画像が、それぞれ、第1表示用パネル30及び液晶表示部40bに表示されている状態で、車両1が走行状態から停止状態に移行した場合を例にとって説明する。
表示制御CPU101は、第1表示用パネル30に「メニュー表示画面」が表示されている状態で、車両1が走行状態から停止状態に移行されると、液晶表示部40bに表示される各種画像を、上記操作入力禁止モード時の表示態様(図7(a)参照)から操作入力許容モード時の表示態様に変更する処理を行う(図3参照)。具体的に、表示制御CPU101は、これまで輝度を向上させていた領域(部分)を通常に戻すとともに、表示禁止領域A1及び表示禁止領域A2の設定を解除して、文字画像I2B及び車速画像I2Cを、それぞれ、図3に示す位置に移動させて表示する処理を行う。
次に、ステップS5を経由することによって、本ステップS8が実行される場合について図7(a)を参照して説明する。
表示制御CPU101は、上記ステップS5の処理で、車両1の車速が制限速度を超過したと判定すると、図7(a)に示すように、車速画像I2Cの輝度、及び、上記表示禁止領域A2の外周部分の輝度を、それぞれ、向上させる制御を行う。これにより、ドライバーHは、車両1の車速が制限速度を超過していることを、一目瞭然に認識することが可能となる。なお、本実施形態では、車両1の車速が制限速度以内となると、これまで輝度を向上させていた領域(部分)を通常の輝度にする(戻す)ようにしている。
次に、ステップS6を経由することによって、本ステップS8が実行される場合について図8を参照して説明する。
表示制御CPU101は、上記ステップS6の処理で、燃料不足等の不具合を検出する各センサから所定のデータが入力されると、第1表示用パネル30に当該不具合を示す警告情報画像I1Dを表示する処理を行う。また、表示制御CPU101は、液晶表示部40bの表示領域のうち、警告情報画像I1Dを視るドライバーHの視線方向EL(図2参照)と交叉する部分付近を、表示禁止領域A3に設定する処理を行う。
表示制御CPU101は、例えば、燃料不足を検出するセンサから燃料不足であることを示すデータが入力されると、燃料不足を示す警告情報画像データを生成して、当該警告情報画像データを第1表示用パネル30に出力する。これにより、第1表示用パネル30には、燃料不足を示す警告情報画像I1Dが表示されることとなる(図8参照)。
また、表示制御CPU101は、液晶表示部40bの表示領域のうち、上記警告情報画像I1Dを視るドライバーの視線方向EL(図2参照)と交叉する領域付近に、画像が表示されないようにするため、当該領域付近を表示禁止領域A3にする処理を行う。図8の例では、本来、液晶表示部40bに表示される枠画像I2Aの一部に、表示禁止領域A3が重畳して設定されているため、表示制御CPU101は、枠画像I2Aのうち、表示禁止領域A3が重畳して設定される部分を非表示にする制御を行う。これにより、ドライバーHは、第1表示用パネル30に表示される警告情報画像I1Dを良好に視ることが可能となっている。なお、上記第1表示用パネル30に表示され警告情報画像I1Dが表示された際に、表示禁止領域A3を設定する表示制御CPU101が、特許請求の範囲に記載の「表示禁止領域設定手段」(請求項2)に該当する。
詳しい説明は省略するが、本実施形態では、警告情報画像I1Dに対応する不具合(図8の例では「燃料不足」)が解消されると、警告情報画像I1Dを非表示にするとともに、表示禁止領域A3の設定を解除してこれまで非表示となっていた(一部の)画像を液晶表示部40bに表示するようにしている。なお、本実施形態では、表示禁止領域A3が設定されることによって、液晶表示部40bに表示される画像(の一部)を非表示にするように構成したが、当該画像を、上記文字画像I2B「メニュー表示画面」(図7(a)参照)と同様に、表示禁止領域A3以外の領域まで移動させて表示するように構成することも可能である。
このように、本実施形態によれば、選択画像I1Aと文字画像I2Bとを、それぞれ、第1表示用パネル30と液晶表示部40bとに分けて表示させるように構成したため、複数の選択画像I1Aを第1表示用パネル30の表示画面いっぱいに表示させることが可能である。このため、本実施形態では、選択画像I1Aの表示サイズを、当該選択画像I1A及び文字画像I2Bを1つの表示画面に表示する場合と比較して大きくすることが可能である。
また、本実施形態では、第2表示用パネル40に表示される枠画像I2A等を介して、第1表示用パネル30に表示される選択画像I1Aが視えるように構成されている。このため、本実施形態によれば、ドライバーHは、これら選択画像I1A及び枠画像I2Aを、視線を移動させることなく同時に視ることが可能である。
以上のように、本実施形態によれば、より多くの情報(画像)を、表示サイズを小さくすることなく表示することができるばかりか、第2表示用パネル40に表示される画像(枠画像I2A等)を介して、第1表示用パネル30に表示される画像(選択画像I1A)を視ることが可能なため、視認性に富んだ車両用表示装置10を提供することが可能である。
また、本実施形態では、第1表示用パネル30と、第2表示用パネル40とが、それぞれ、インストルメントパネル3と、ステアリングホイール4とに設けられている。このため、ドライバーHは、車両1が走行状態である場合、車外(車両前方)と、第1表示用パネル30及び第2表示用パネル40との間で視線を殆ど移動させることなく、これら(車外、第1表示用パネル30及び第2表示用パネル40)を視ることが可能である。従って、本実施形態に係る車両用表示装置10によれば、視認性のみならず、安全性をも向上させることが可能となる。
さらに、本実施形態では、例えば、第1表示用パネル30に警告情報画像I1Dが表示された場合、液晶表示部40bの表示領域のうち、当該警告情報画像I1Dを視るドライバーの視線方向ELと交叉する領域付近を、表示禁止領域A3とするように構成されている。このため、本実施形態によれば、より多くの画像を、表示サイズを小さくすることなく表示することができるばかりか、第2表示用パネル40に表示される画像によって、その車両前方側に表示される画像が視えにくくなってしまうことを防止することが可能となっている。
同様に、本実施形態では、例えば、車両1が停止状態から走行状態に移行された場合、液晶表示部40bの表示領域のうち、スピードメータ画像I1Bを視るドライバーHの視線方向ELと交叉する領域付近を、表示禁止領域A2とするように構成されている。このため、本実施形態によれば、より多くの画像を、表示サイズを小さくすることなく表示することができるばかりか、第2表示用パネル40に表示される画像によって、その車両前方側に表示される画像等が視えにくくなってしまうことを防止することが可能である。
また、本実施形態では、例えば、スピードメータ画像I1Bを構成する指針画像が、所定の指標画像(例えば、「80km」)を超える位置を指し示すようになった場合や、車速画像I2Cが所定の数値(例えば、「80km」)以上となった場合などにおいて、液晶表示部40bの所定表示領域の輝度を向上させるようにしている。このため、本実施形態によれば、ドライバーHに対して、注目すべき画像を強調して表示することが可能なため、この点においても、視認性の向上を図ることが可能となっている。
また、本実施形態では、タッチパネル部40aが、車両1を運転する際にドライバーHが握るステアリングホイール4に取り付けられているため、タッチパネル部40aを操作する際の操作性を向上させることが可能である。
なお、本実施形態では、第1表示用パネル30を、第2表示用パネル40の車両前方側に配置したが、第2表示用パネル40を視る乗員の視線方向EL上に配置されていれば、例えば、図1に示すように、第2表示用パネル40の車両後方側に配置することも可能である。この例では、第1表示用パネル130は、ドライバーHの眼前で、車室内の天井部分から垂下するように設けられている。なお、このように構成した場合、上記第1表示用パネル130と、第2表示用パネル40とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「第2表示手段」と、「第1表示手段」とに該当する。
図1に示すような位置に第1表示用パネル130を配置した場合、車両1が停止状態から走行状態に移行した際、例えば、上記表示禁止領域A3(図8参照)と同様に、第1表示用パネル130の表示領域のうち、フロントガラス50を介して車外を視るドライバーHの視線方向と交叉する領域を、表示禁止領域A4とすることも可能である(図10参照)。斯かる場合、車両1が走行状態にあるときに、第1表示用パネル30に表示される画像によって、車外が視えにくくなってしまうことを防止することができる。なお、車両1が走行状態から停止状態に移行した際、表示禁止領域A4が設定されていた部分に、各種画像を表示することはもちろん可能である。
また、本実施形態では、第2表示用パネル40を、車載部品としてのステアリングホイール4に設けたが、第1表示用パネル30を視る乗員の視線方向EL上に配置されていれば、他の車載部品に設けることも可能である。
さらに、本実施形態では、液晶表示部40bの所定表示領域の輝度を、スピードメータ画像I1Bが所定の表示態様となったときに向上させるように構成したが、例えば、第1表示用パネル30に特定の画像が表示されたときに向上させることも可能である。この際、輝度を向上させる場合に限られず、図7(b)に示すように、液晶表示部40bの所定表示領域の透過度を低下させてもよい。
また、本実施形態では、液晶表示部40bの所定表示領域の輝度を、車速画像I2Cが所定の表示態様となったときに向上させるように構成したが、例えば、液晶表示部40bに特定の画像が表示されたときに向上させることも可能である。この際、輝度を向上させる場合に限られず、図7(b)に示すように、液晶表示部40bの所定表示領域の透過度を低下させてもよい。
さらに、上記のように、スピードメータ画像I1Bが所定の表示態様となった場合、又は、車速画像I2Cが所定の表示態様となった場合に、液晶表示部40bの所定表示領域の輝度を向上させる場合に限られず、(1)現在時刻を計時するタイマが所定の時間となった場合、(2)車室内の明るさを検知する検知センサの検出値が所定の値以下となった場合(車室内が暗くなった場合)、及び、(3)太陽の入射方向を検知する検知センサの検出値が所定の値以下となった場合(例えば、太陽が西側に位置する場合)に、液晶表示部40bの所定表示領域(表示領域全体又は表示領域の一部)の輝度を向上させることも可能である。
同様に、(1)現在時刻を計時するタイマが所定の時間となった場合、(2)車室内の明るさを検知する検知センサの検出値が所定の値以上となった場合(車室内が明るくなった場合)、及び、(3)太陽の入射方向を検知する検知センサの検出値が所定の値以上となった場合(例えば、太陽が上方に位置する場合)に、図7(b)に示すように、液晶表示部40bの所定表示領域(表示領域全体又は表示領域の一部)の透過度を変化させることも可能である。
また、本実施形態では、例えば、第1表示用パネル30に警告情報画像I1Dが表示された場合に、表示禁止領域A3の設定を行ったが、このような表示禁止領域の設定は、警告情報画像I1Dの他、第1表示用パネル30に他の画像が表示された場合に行うことも可能である。
さらに、本実施形態では、第1表示用パネル30に表示される選択画像I1A、及び、液晶表示部40bに表示される枠画像I2Aを、それぞれ、ドライバーHの視線方向EL上に位置させるように表示したが、第1表示用パネル30に表示される画像や液晶表示部40bに表示される画像は、選択画像I1Aや枠画像I2Aに限定されるものではない。
さらに、本実施形態では、選択画像I1Aと、枠画像I2A(操作可能領域)とを、ステアリングホイール側操作部6等を操作することによって、乗員の視線方向ELにおいて一致させるように構成した。それ以外にも、例えば、乗員の視点を検知する車載カメラを、インストルメントパネル3等の車載部品に設け、当該検知センサが乗員の視点の移動を検知した際に、自動的に、選択画像I1と、枠画像I2(操作可能領域)とを一致させるように構成することも可能である。このような構成は、乗員の視点が移動した際、乗員側の表示パネル(例えば、第2表示用パネル40)に表示される画像(例えば、枠画像I2)を、乗員の視点と、乗員からみて奥側の表示用パネル(例えば、第1表示用パネル30)に表示される画像(例えば、選択画像I1)とを結ぶ直線上に位置させるように移動させるか、または、上記奥側の表示用パネルに表示される画像を、乗員の視点と、上記乗員側の表示用パネルに表示される画像とを結ぶ直線の延長線上に位置させるように移動させることによって実現することができる。さらに、このような場合の他、上記乗員側の表示用パネルに表示される画像、及び、上記奥側の表示用パネルに表示される画像の何れをも移動させることによって、これら画像を乗員の視線方向上に位置させることも可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。