JP6127938B2 - 銅電解スライムの硫酸浸出液からのテルルの除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硫酸水溶液中に含まれるテルルの除去方法に関するものであり、詳しくは、銅電解スライムから硫酸浸出により銅を浸出して、その硫酸浸出液中に含まれるテルルを金属銅により除去する、銅電解スライムの硫酸浸出液からのテルルの除去方法に関する。
銅原料中に含有される、金、銀、白金族、セレン、テルルといった金属は、銅電解工程から産出される銅電解スライムに濃縮される。そのため、銅の製錬工程においては、その銅電解スライムを原料として、金、銀、白金族、セレン、テルルの回収が行われている。
銅電解工程では、電気銅と呼ばれる、平滑で不純物の少ない板状の電析物を、製品として得るために、通常、陰イオンとして硫酸イオンを含んだ硫酸浴で、電解精製が行われている。
銅電解スライムから有価物を回収するに当たっては、銅電解スライムには20〜30重量%の銅が含まれているため、まず、銅電解スライムを硫酸浸出することにより、銅電解スライム中の銅を回収する方法が、広く実施されている。
この銅の硫酸浸出は、200g/L以上の高硫酸濃度、および、大気圧下において70℃以上の高温条件で行われる。銅電解スライム中の銅を回収するための条件では、銅電解スライム中のテルルの大部分も亜テルル酸イオンとして溶出してしまう。また、銅電解スライム中の銀を浸出するため、酸素富化空気を用いた加圧浸出を行う技術もあるが、同様に、テルルの大部分も溶出してしまう。
その硫酸浸出液からテルルを除去せずに、硫酸浸出液を銅電解工程に戻した場合、硫酸浸出液中のテルルが、テルル化銅として電気銅に析出し、電気銅中のテルル含有率が製品規格を越えて、不良品になってしまう。このため、硫酸浸出液からテルルを完全に除去する必要がある。
銅電解スライムの硫酸浸出液からテルルを除去する技術としては、特許文献1に記載されているような、硫酸浸出液を銅屑、銅粉、銅板等の金属銅と接触させて、固体のテルル化銅として除去する方法が一般的に行われている。
この銅電解スライムの硫酸浸出液を金属銅と接触させてテルル化銅として除去する方法は、比較的容易に実施できる技術ではあるが、その方法には反応時間が比較的長いという特徴があった。そのため、硫酸浸出液中のテルル濃度を基準値以下まで下げるために長時間を要するという課題の他、硫酸浸出液の滞留時間を確保するためには、反応槽などの装置を大型化せざるを得ず、設備効率が低下するといった課題も発生している。
その課題に対して、特許文献2には、撹拌速度600rpmの条件下、21g/Lの濃度で銅粉を添加する方法が記載されている。
また、特許文献3には、硫酸浸出液の硫酸濃度を230〜450g/L、温度を70〜90℃とすることが規定されている。
ところで、テルル化銅の生成反応は、金属銅と亜テルル酸イオンを含有した水溶液において、金属銅の表面のみで反応が進行するため、金属銅の表面積を増加させる方法についても、反応時間を短縮させて、設備効率をアップさせるための有効な一手段となる。
そこで、特許文献2には、銅板等よりも比表面積の大きい銅粉を添加する方法が記載されている。
また、特許文献4では、硫酸濃度250g/L以上、撹拌機の回転数を100〜300rpmとすることの他、銅体の全表面積を溶液1Lに対して0.01〜0.2mであることとする方法も提案されている。
しかしながら、同じ特許文献4には、撹拌に伴って硫酸浸出液への空気の巻込みが発生し、生成したテルル化銅が空気中の酸素によって酸化されて、亜テルル酸として再溶解しやすくなるため、空気を巻込まないように撹拌することも述べられている。
したがって、より望ましくは、例えば撹拌機ではなくポンプによる撹拌等、空気の巻込みを防止する方法が挙げられる。例えば不活性ガスの充填等による反応槽の気相部の酸素濃度を低下させる方法や、あるいは、例えば反応槽をカラムのような密閉構造としてしまう等、気相部そのものを無くしてしまう方法も考えられる。しかしながら、装置が特殊かつ複雑になるため、設備投資額が高額になり、複雑な運転操作が必要になる等、容易に実施することはできない。
また、実操業において、撹拌機を高速回転させることは、多量のエネルギー消費につながるだけで無く、金属銅として銅板や銅屑を用いた場合、銅板や銅屑の抵抗が高過ぎるために銅板や銅屑が動いて、撹拌機を破損する可能性がある。このため、例えば銅板の浸漬方法や固定方法が困難であると共に、危険であり、技術的な課題が存在している。
さらに、金属銅の表面がテルル化銅に置換した固体(以下、「テルル化銅粉」と表記する)については、再度銅製錬工程に投入することができる。このため、テルル化銅生成の際に用いる金属銅として、製品と同等の品質の金属銅を使用している場合には、繰返しのための無駄なコストを減らすためにも、また、金属銅を購入している場合には、金属銅の資材コストを下げるためにも、金属銅の使用量を減らすことも重要な課題である。
しかしながら、テルルの除去方法については、より反応時間を短縮し、より空気の巻込みを防止し、より金属銅の使用量を減らすための、テルルの除去方法における条件が見出されていない。
特開昭61−227906号公報 特開平5−311264号公報 特開2001−316735号公報 特許3136093号公報
本発明は、上述のような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、銅電解スライムから硫酸浸出により銅を浸出して、その硫酸浸出液中に含まれるテルルを金属銅により除去する方法において、テルルを除去するまでの反応時間を短縮し、撹拌に伴う硫酸浸出液への空気の巻込みを防止し、金属銅の使用量を減らした、銅電解スライムの硫酸浸出液からのテルルの除去方法を提供するものである。
本発明に係る銅電解スライムの硫酸浸出液からのテルルの除去方法は、銅電解スライムから硫酸浸出により銅を浸出して、その硫酸浸出液中に含まれるテルルを金属銅により除去する方法において、硫酸浸出液に、樹枝状の形状を持つ比表面積が2.0〜3.0m /gの銅粉を投入し、撹拌機の回転数を50〜90rpmとして硫酸浸出液に銅粉を接触させることにより、硫酸浸出液中のテルル濃度を低下させ、銅粉は、ニッケル製錬工程における銅を含む塩化物水溶液からの電解採取法により製造されたものであることを特徴とする。
銅粉は上記硫酸浸出液に対して10〜15g/Lの濃度になるように添加することが好ましい。
本発明によれば、硫酸浸出液に樹枝状の形状を持つ銅粉を投入し、撹拌機の回転数を50〜90rpmとして硫酸浸出液に銅粉を接触させることにより、テルルを除去するまでの反応時間を短縮し、撹拌に伴う硫酸浸出溶液への空気の巻込みを防止し、金属銅の使用量を減らすことができる。したがって、本発明は工業的に極めて有利である。
銅電解スライムの硫酸浸出により銅電解スライム中に含まれる銅を回収して、その硫酸浸出液中に含まれるテルルを金属銅により除去する一連の工程図である。
以下に、本発明の、銅電解スライムの硫酸浸出液からのテルルの除去方法について、以下の順序で説明する。
1.銅電解スライムからの銅の回収工程
2.テルルの除去方法
2−1.金属銅の形状
2−2.金属銅の製造方法
2−3.撹拌機の回転数
2−4.金属銅の添加量
<1.銅電解スライムからの銅の回収工程>
まず、銅電解スライムの硫酸浸出により銅電解スライム中に含まれる銅を回収して、その硫酸浸出液中に含まれるテルルを金属銅により除去する一連の工程を図1に沿って説明する。
硫酸浸出工程S1は、銅の製錬工程において生じた銅電解スライムに対し、硫酸を添加することで銅電解スライム中の銅を浸出する工程である。このとき、銅電解スライム中のテルルの大部分も亜テルル酸イオンとして溶出する。
固液分離工程S2は、上記硫酸浸出工程S1によって浸出された銅やテルルを含む硫酸浸出液と、浸出されなかった他の金属を含む浸出澱物とを分離する工程である。金、銀、白銀族等の貴金属は浸出澱物に残留する。
貴金属回収工程S3は、浸出澱物から金、銀、白銀族等の貴金属を回収する工程である。貴金属の回収方法として、例えば、塩素ガスを用いて浸出する方法などがある。
テルル化銅反応工程S5は、銅及びテルルが浸出した硫酸浸出液に対して、金属銅を添加して硫酸浸出液と接触させることで、硫酸浸出液中のテルルを固体のテルル化銅として析出させる。これにより、テルル化銅反応工程S5は、硫酸浸出液中のテルル濃度を下げる工程である。
このとき使用される金属銅としては、他の銅製錬工程やニッケル製錬工程における電解液において、電解採取法又は電解精製法S4によって製造された樹枝状の銅粉を用いることができる。
固液分離工程S6は、固体となったテルル化銅と残った液体である銅含有液とを分離する工程である。テルルが除去された、銅を含む銅含有液は銅電解工程S7へと投入され、固体となったテルル化銅は、銅製錬工程S8へと投入される。
本発明は、以上の一連の工程の中でも特に、硫酸浸出液中に含まれるテルルを金属銅により除去する脱テルル工程S5に関するものであり、その際に用いる金属銅として、例えば、銅製錬工程やニッケル製錬工程における電解液において、電解採取法や電解精製法S4によって製造された樹枝状の銅粉を用いるものである。以下でテルル除去方法における実施条件について説明する。
<2.テルルの除去方法>
本発明は、銅電解スライムの硫酸浸出により銅電解スライム中に含まれる銅を回収して、その硫酸浸出液中に含まれるテルルを金属銅により除去する方法において、硫酸浸出液に樹枝状の形状を持つ銅粉を投入し、撹拌機の回転数を50〜90rpmとして硫酸浸出液に銅粉を接触させることにより、硫酸浸出液中のテルル濃度を低下させることを特徴としている。
<2−1.金属銅の形状>
テルル除去方法で用いる金属銅としては、樹枝状の形状を持つ銅粉を使用する。樹枝状の形状を持つ銅粉は、球状の形状をもつ銅粉に比べて比表面積が高いので、反応速度を上昇させ、金属銅の使用量を減らすために有効である。
一般的に、銅粉は、水溶液中での酸化銅粉の還元、銅イオンを含有した水溶液の還元、水中への銅の溶体の滴下等の方法によって製造される。これらの銅粉は、表面が平滑な球形状であり、単位体積当たりの表面積は小さい。また、球形状であるため、反応槽内での撹拌のような比較的弱い力によって粒子が壊れて、反応中に金属銅の新鮮な面が露出することも無い。
そこで、銅粉の形状としては、樹枝状、言い換えれば、杉の葉のように、分岐を繰返した多数の針状物の集合体の形状が適している。より好ましくは、銅を含む塩化物水溶液からの電解採取法又は電解精製法S4によって製造された、樹枝状の銅粉が最適である。樹枝状の銅粉は、比表面積が高い他、反応槽内での撹拌のような比較的弱い力によって粒子が壊れやすい特徴も併せ持つため、テルル化銅の生成反応中に金属銅の新鮮な面が露出して、その生成反応を促進させる効果がある。
銅粉の比表面積は高い方が反応速度を上昇させ、金属銅の使用量を減らすために有効である。一方で、比表面積が高すぎると、金属銅が酸化銅に空気酸化され易いことを意味しており、テルルの除去効果が薄れる場合がある。また、比表面積を高くするために、銅粉の粒子径を小さくした場合、テルル化銅粉の固液分離工程S6において、ろ布の目詰まりを発生させて、通液不良となり易い。
このことから、硫酸浸出液中に含まれるテルルを金属銅により除去するに際して、金属銅として樹枝状の銅粉の比表面積は、2.0〜3.0m/gであることがより好ましい。比表面積は、BET法で測定する。比表面積の調整は、当該範囲内であれば、カソードの電流密度等の、電解条件の調整により実施できる。
<2−2.金属銅の製造方法>
ここで、樹枝状の銅粉とは、銅の結晶が枝分かれをしながら一方向に伸びた組織構造を持つ銅粉である。銅を含む電解液に、膠、チオ尿素、ゼラチン等の、表面平滑化のための添加剤を添加しない条件下において、電流密度100A/m以上の高電流密度による電気分解によって、容易に製造することができる。この電解液に含まれる陰イオンは、硫酸イオンでも良いが、塩化物イオンが最適である。塩化物イオンを含んだ電解液、いわゆる塩化物溶液で、電気分解を行うと、微細で脆い、樹枝状の銅粉を得ることができる。
例えば、銅製錬工程やニッケル製錬工程では、電解法による銅の除去を行っている場合があり、そこで得られた電解銅粉を再利用することができる。この場合は、コスト上のメリットも享受することができ、より好都合である。具体的には、ニッケル製錬工程において、ニッケル濃度100〜250g/L、銅濃度10〜40g/L、塩化物イオン濃度150〜300g/L、pHが−1.0〜0の電解給液により、カソードの電流密度100〜400A/mの条件で、塩化物水溶液からの電解採取法によって製造された、樹枝状の銅粉を用いることができる。
<2−3.撹拌機の回転数>
テルルを除去する方法では、硫酸浸出液に樹枝状の形状を持つ銅粉を投入して撹拌機で撹拌する。樹枝状の銅粉は比表面積が高く、テルル化銅生成の反応速度が速いため、従来のような高速回転での撹拌は必要はない。空気の巻込みを防止するという観点からも反応槽の撹拌機の回転数は50〜90rpmが好ましい。50rpm未満だと撹拌機の回転数が遅すぎるため撹拌が十分に行えないため、反応速度が遅くなる。また、90rpmを超えると空気を巻込み、テルル化銅が酸化されてしまう恐れがある。
<2−4.金属銅の添加量>
テルルを除去する方法では、硫酸浸出液に樹枝状の形状を持つ銅粉を投入している。銅粉の添加量は、金属銅の単位重量当たりのテルル除去能力が高いため、硫酸浸出液に対して10〜15g/Lの濃度に相当する添加量が好ましい。
添加量が10g/L未満では、テルル除去のための銅が不十分であり、反応速度が遅くなる。添加量が15g/Lを超えると、反応時間は短縮するが、金属銅使用量の増加や固液分離設備への固体の負荷が増加するため、経済的かつ効率的であるとは言い難くなる。
このように、テルルの除去方法は、樹枝状の金属銅を用いて硫酸浸出液と接触させることにより、撹拌機の回転数を50〜90rpmとすることにより、テルルを除去するまでの反応時間を短縮し、撹拌に伴う硫酸浸出溶液への空気の巻込みを防止し、金属銅の使用量を減らすことができる。
また、銅粉を10〜15g/Lの濃度になるように上記硫酸浸出液に添加することでより適切に反応時間を短縮することができ、銅粉は、銅を含む塩化物水溶液からの電解採取法または電解精製法により製造されたものを用いることでコスト上のメリットも享受することができる。
次に、本発明の実施例及び比較例について説明するが、これらの実施例によって本発明の範囲がなんら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、容量が20mの内面にゴムライニングが施された反応槽に、テルル濃度0.007g/L、フリー硫酸濃度282g/L、銅濃度29g/Lの硫酸浸出液15.0mを受入れて、2段の4枚傾斜パドル翼を備えた撹拌軸を有する撹拌機により89rpmの回転数で撹拌した。その硫酸浸出液に、樹枝状の形状を持つ、塩化物水溶液からの電解採取法により製造された銅粉150kgを添加して銅粉の濃度を10g/Lとした後、撹拌を継続した。
4時間後の硫酸浸出液のテルル濃度は0.0009g/L、6時間後の硫酸浸出液のテルル濃度は0.0003g/Lとなった。
(比較例1)
比較例1では、容量が20mの内面にゴムライニングが施された実施例1で用いたものと同じ反応槽の底部に、あらかじめ、巾95mm、長さ310mm、厚さ0.8mmの銅板1500枚を装入した。その反応槽に、テルル濃度0.007g/L、フリー硫酸濃度290g/L、銅濃度28g/Lの硫酸浸出液15.0mを受入れて、実施例1で用いたものと同じ撹拌機により89rpmの回転数で撹拌した。
4時間後の硫酸浸出液のテルル濃度は0.0056g/L、6時間後の硫酸浸出液のテルル濃度は0.0050g/Lとなった。
(比較例2)
比較例2では、容量が20mの内面にゴムライニングが施された実施例1で用いたものと同じ反応槽に、テルル濃度0.007g/L、フリー硫酸濃度271g/L、銅濃度30g/Lの硫酸浸出液15.0mを受入れて、実施例1で用いたものと同じ撹拌機により89rpmの回転数で撹拌した。その硫酸浸出液に、銅アノード鋳造工程の銅アノード水冷設備から回収された略球状の銅粉180kgを添加して、銅粉の濃度を12g/Lとした後、撹拌を継続した。
4時間後の硫酸浸出液のテルル濃度は0.0028g/L、6時間後の硫酸浸出液のテルル濃度は0.0017g/Lとなった。
(比較例3)
比較例3では、容量が20mの内面にゴムライニングが施された実施例1で用いたものと同じ反応槽に、テルル濃度0.007g/L、フリー硫酸濃度269g/L、銅濃度31g/Lの硫酸浸出液15.0mを受入れて、実施例1で用いたものと同じ撹拌機のインバーターの周波数を変えることにより107rpmの回転数で撹拌した。その硫酸浸出液に、樹枝状の形状を持つ、塩化物水溶液からの電解採取法により製造された銅粉150kgを添加して銅粉の濃度を10g/Lとした後、撹拌を継続した。
4時間後の硫酸浸出液のテルル濃度は0.0016g/L、6時間後の硫酸浸出液のテルル濃度は0.0009g/Lとなった。
(比較例4)
比較例4では、容量が20mの内面にゴムライニングが施された実施例1で用いたものと同じ反応槽に、テルル濃度0.007g/L、フリー硫酸濃度262g/L、銅濃度31g/Lの硫酸浸出液15.0mを受入れて、実施例1で用いたものと同じ撹拌機のインバーターの周波数を変えることにより36rpmの回転数で撹拌した。その硫酸浸出液に、樹枝状の形状を持つ、塩化物水溶液からの電解採取法により製造された銅粉150kgを添加して銅粉の濃度を10g/Lとした後、撹拌を継続した。
4時間後の硫酸浸出液のテルル濃度は0.0011g/L、6時間後の硫酸浸出液のテルル濃度は0.0005g/Lとなった。
(比較例5)
比較例5では、容量が20mの内面にゴムライニングが施された実施例1で用いたものと同じ反応槽に、テルル濃度0.007g/L、フリー硫酸濃度250g/L、銅濃度30g/Lの硫酸浸出液15.0mを受入れて、実施例1で用いたものと同じ撹拌機により90rpmの回転数で撹拌した。その硫酸浸出液に、樹枝状の形状を持つ、塩化物水溶液からの電解採取法により製造された銅粉120kgを添加して銅粉の濃度を8g/Lとした後、撹拌を継続した。
4時間後の硫酸浸出液のテルル濃度は0.0031g/L、6時間後の硫酸浸出液のテルル濃度は0.0018g/Lとなった。
実施例1及び比較例1〜5におけるテルル濃度の推移を表1に示す。なお、ここで除去率とは、下記の式で計算された値である。
除去率(%)=(初期のテルル濃度(g/L)−所定時間経過後のテルル濃度(g/L))/(初期のテルル濃度(g/L))×100
Figure 0006127938
電気銅中のテルル含有率を規格値以下にするためには、硫酸浸出液中のテルル濃度を0.001g/L以下にする必要がある。実施例1および比較例1〜5の結果より、撹拌後4時間の時点では、本発明を適用した実施例1のみがテルル濃度0.0009g/Lであり、0.001g/L以下という要件を満たしている。また、6時間経過後には、本発明を適用した実施例1は95%以上の高い除去率を示しており、他の比較例1〜5と比較しても優位な結果となっている。
比較例1では、銅粉ではなく銅板を用いているためテルルの回収率は最も悪くなっている。
また、実施例1のみが4時間の時点でテルル濃度が0.001g/L以下という要件を満たしていることから反応時間が短縮できていることが分かる。また、回転数が90rpmを超えている比較例3は、実施例1と比較して除去率が低いことから空気の巻込み等によりテルルの除去効果が低下している。
さらに、実施例1では樹枝状の銅粉を用いておりその使用量は150kgである。一方で、比較例2では樹枝状の銅粉を用いてはおらず、その使用量は180kgであり、樹枝状の銅粉を用いることで金属銅の使用量を減らすことができる。
すなわち、本発明によれば、樹枝状の金属銅を用いることと、空気の巻込みを防止するために撹拌機の回転数を下げることにより、テルルを除去するまでの反応時間を短縮し、撹拌に伴う硫酸浸出溶液への空気の巻込みを防止し、金属銅の使用量を減らすことができるという効果を得ることができる。

Claims (2)

  1. 銅電解スライムから硫酸浸出により銅を浸出して、その硫酸浸出液中に含まれるテルルを金属銅により除去する方法において、
    上記硫酸浸出液に、上記金属銅として樹枝状の形状を持つ比表面積が2.0〜3.0m /gの銅粉を投入し、撹拌機の回転数を50〜90rpmとして撹拌することで、上記硫酸浸出液に上記銅粉を接触させ、上記硫酸浸出液中のテルル濃度を低下させ、
    上記銅粉は、ニッケル製錬工程における銅を含む塩化物水溶液からの電解採取法により製造されたものであることを特徴とする銅電解スライムの硫酸浸出液からのテルルの除去方法。
  2. 上記銅粉を10〜15g/Lの濃度になるように上記硫酸浸出液に添加することを特徴とする請求項1に記載の銅電解スライムの硫酸浸出液からのテルルの除去方法。
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