JP6127412B2 - 着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents

着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタ Download PDF

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Description

本発明は、露光と熱処理を行うことによって耐熱性と耐溶剤性とに優れた膜あるいは微細パターンが得られるカラーフィルタ用着色組成物に関する。本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタ、ブラックマトリックス、カラーフィルタ保護膜、フォトスペーサー、液晶配向用突起、マイクロレンズ、タッチパネル用絶縁膜、フレキシブルプリント配線板周辺などの電子材料用接着剤や接着シートなどに用いることができる。
一般に、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子などには、カラーフィルタ、ブラックマトリックス、カラーフィルタ保護膜、フォトスペーサー、液晶配向用突起、あるいは、マイクロレンズ、タッチパネル用絶縁膜などの膜や微細パターンが設けられている。これらの膜あるいは微細パターンは、透明性などの光学特性が求められる一方、他の部材の形成や組み立てなどの後工程を行う際に、高い耐熱性、耐薬品性などが求められる。そのため、カラーフィルタ用着色組成物にあらかじめ熱架橋剤を添加して、光硬化と熱硬化を行うことで、耐熱性、耐薬品性などに優れた膜あるいは微細パターンを形成することが知られている。
上記カラーフィルタ用着色組成物としては、アルカリ現像性を付与する観点から、カルボキシル基を有する樹脂を使用する場合がある。樹脂としてカルボキシル基を有する樹脂を使用する場合は、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する架橋剤が用いられる。その官能基は、たとえば、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、エポキシ基、β−ヒドロキシアルキルアミド基などが挙げられる。
イソシアネート基を有する架橋剤を使用した場合、イソシアネート基とカルボキシル基は130℃以上で反応すると言われている。しかし、イソシアネート基は樹脂中のOH基や水、アルコールとの反応性がより高いため、配合時に溶剤にアルコールを使用する場合や、水が含まれる溶剤を使用する場合には、カルボキシル基と反応する前に水やアルコールと反応してしまうため使用できない。また、配合後の長期間保存も空気中の水分と反応してしまうため、1液化するのは困難である。
上記の問題を解決するためにブロックイソシアネートを使用する例もあるが、ブロック化剤が硬化物に残存することで絶縁性などに悪影響を与えることがある。また、ブロック化剤によっては加熱硬化時にブロック化剤が空気中に飛散し、光学特性が低下したり、作業者あるいは環境に悪影響を与える懸念がある。
また、エポキシ基を有する架橋剤はイソシアネートと並んでカルボキシル基を有する樹脂を架橋するときに汎用的に用いられており、多くの種類が市販されている。エポキシ基とカルボキシル基の反応では副生成物が存在せず、ブロックイソシアネートのブロック化剤のような悪影響は起こさないと考えられる。無触媒ではあまり反応が進まないが、3級アミンや4級アンモニウム塩などを触媒として添加することで、150℃以下の温度で硬化させることが可能である。しかし、添加する触媒の影響で室温でも反応が少しずつ進行してしまい、保存安定性が悪いという問題がある。
β−ヒドロキシアルキルアミド基もカルボキシル基と反応する架橋剤である。反応時の副生成物は水のみであり、硬化物に与える影響も少なく、作業者や環境にはまったく影響がないメリットがある。また、150℃で硬化させることが可能であり、かつ室温では反応が全く進まず、保存安定性がよい。
現在市販されているβ−ヒドロキシアルキルアミド基を有する架橋剤として、エムスケミー社のPrimid XL−552などが挙げられ、主に粉体塗料の架橋剤として用いられている。光重合性官能基を含有する樹脂と組み合わせてカラーフィルタ用着色組成物とした例(特許文献1)や、β−ヒドロキシアルキルアミドに光重合性官能基を付与しカラーフィルタ用着色組成物とした例(特許文献2)があるが、いずれの場合も、β−ヒドロキシアルキルアミドは組成物中での溶解性が悪く、均一なコーティング剤にならないため、膜の耐性が一部低下したり、パターンの平滑性が低下したり、光学特性が低下するといった問題がある。
カラーフィルタ用着色組成物は通常有機溶剤系であるが、それに対しての溶解性を高めるためには、元来水溶性であるβ−ヒドロキシアルキルアミドの極性を下げることが有効である。水溶性から非水溶性に変える方法として、β−ヒドロキシアルキルアミドを高分子量化する手法が知られている(特許文献3)。また、本発明者らの検討によると、β−ヒドロキシアルキルアミドをイソシアネート化合物で変性すること(特許文献4)も、有機溶剤への溶解性をあげることに有効である。いずれの例も粉体塗料としての用途のみが知られており、有機溶剤系のカラーフィルタ用着色組成物に使用した例は知られていない。
特表2005−512116号公報 特表2001−509200号公報 特開2008−255197号公報 特開2001−11147号公報
本発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであり、耐熱性・耐薬品性・平滑性・光学特性を満足する膜あるいは微細パターンを形成することができるカラーフィルタ用着色組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記の課題を解決するため、鋭意検討の結果、特定の構造をもつβ−ヒドロキシアルキルアミドと染料とを使用することで有機溶剤への溶解性を付与し、カラーフィルタ用着色組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、β−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、カルボキシル基を含有するポリマー(B)と、染料(C)を含んでなる着色剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、β−ヒドロキシアルキルアミド(A)またはカルボキシル基を含有するポリマー(B)の少なくとも一方が、光重合性官能基を含有することを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに、光重合性単量体(D)および/または光重合開始剤(E)を含有する、上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、β−ヒドロキシアルキルアミド(A)が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(1)
[[式中、Xは炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、又はハロゲンからなるn価の基であり、nは2〜6の整数であり、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、一般式(2)で表される基、または一般式(3)で表される基を表し、1以上の窒素原子に結合する1以上のR1およびR2のうち、少なくとも1つは一般式(2)で表される基である。]
一般式(2)
一般式(3)
[式中、R3〜R6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、またはヒドロキシル基で置換された炭化水素基を表し、R7はヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物の残基を表す。]]
また、本発明は、上記ヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物中の、ヒドロキシル基と反応しうる官能基が、カルボキシル基、イソシアネート基、カルボン酸無水物基、酸ハロゲン化物基、カルボン酸三級アルキルエステル基、ヒドロキシメチルアミノ基、アルコキシシリル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、上記ヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物が、単官能イソシアネート又は単官能カルボン酸であることを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、上記ヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物が、下記一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される化合物であることを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(4)
[式中、R8は炭素数2〜18の直鎖状、環状または分岐状の飽和または不飽和炭化水素基である。]
一般式(5)
[式中、R9は水素原子またはメチル基であり、R10は炭素数2〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基であり、R11は炭素数2〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基である。]
一般式(6)
[[式中、R12は水素原子またはメチル基であり、R13は一般式(7)で表される基、または一般式(8)で表される基である。]
一般式(7)
[式中、n1は1〜2の整数である。]
一般式(8)
[式中、R14は炭素数2〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基であり、R15は炭素数6〜13の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基である。]]
また、本発明は、上記ヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物が、光重合性官能基を有することを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、β−ヒドロキシアルキルアミド(A)が、(a−1)2価以上のカルボン酸またはその誘導体と、(a−2)β位にヒドロキシル基を1つ以上有する1級または2級アミンと、をアミド化してなる(a−3)β−ヒドロキシアルキルアミドのヒドロキシル基の一部を、(a−4)ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物と反応させて得られた化合物であることを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、染料(C)が、カチオン性基を有する樹脂である造塩樹脂とアニオン性染料とを反応させてなる造塩化合物(Z4)であることを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、透明基板上に、上記着色組成物から形成されるフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを備えることを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明の着色組成物は、β−ヒドロキシアルキルアミド及びカルボキシル基を含有するポリマーを含有することにより、高い耐熱性・耐薬品性・平滑性・光学特性を有するカラーフィルタを提供することが出来る。また、この化合物はラジカルを失活させることがないため、パターン形成に悪影響を及ぼさない。従って、本発明の着色組成物を用いることにより、高品質なカラーフィルタを得ることができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
<カラーフィルタ用着色組成物を構成する要素の組み合わせ>
まず、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を構成する要素の組み合わせについて説明する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物の特徴は、
1.カルボキシル基によってカラーフィルタ用着色組成物がアルカリ現像性をもつことで微細パターンが形成できること
2.β−ヒドロキシアルキルアミド基とカルボキシル基とが縮合反応する熱硬化と、光重合開始剤によって光重合性官能基が重合する光硬化とが、均一な組成物中で起こることにより、均質な架橋構造が形成され、耐熱性・耐薬品性に優れた膜およびパターンが形成されることである。
なお、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、溶剤現像で微細パターンを形成したり、現像することなく膜や成型物として形成したりするのに用いることもできる。その場合、カルボキシル基は特徴2の架橋形成に活用される。
それを体現するために、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、β−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、カルボキシル基を含有するポリマー(B)と、染料(C)とを必須構成要素として含有し、必要に応じて光重合性単量体(D)および/または光重合開始剤(E)を構成要素として含有する。
さらに、感光性も付与させるには、これらの構成要素のうち、少なくとも一つの構成要素に光重合性官能基が含まれていなければならない。β−ヒドロキシアルキルアミド(A)とカルボキシル基を含有するポリマー(B)とが、光重合性官能基を両方含む場合、いずれか片方含む場合、いずれも含まない場合のすべてが、本発明に属する。β−ヒドロキシアルキルアミド(A)とカルボキシル基を含有するポリマー(B)とが、いずれも光重合性官能基を含まない場合にのみ、光重合性単量体(D)をさらに必須構成要素とする。
すなわち、本発明の感光性カラーフィルタ用着色組成物の構成要素としては、下記(1)〜(7)の組み合わせがある。
(1)光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、
光重合性官能基を含有するカルボキシル基を含有するポリマー(B)と、
染料(C)
(2)光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、
光重合性官能基を含有するカルボキシル基を含有するポリマー(B)と、
染料(C)と、
光重合性単量体(D)
(3)光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、
光重合性官能基を含有しないカルボキシル基を含有するポリマー(B)と、
染料(C)
(4)光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、
光重合性官能基を含有しないカルボキシル基を含有するポリマー(B)と、
染料(C)と、
光重合性単量体(D)
(5)光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、
光重合性官能基を含有するカルボキシル基を含有するポリマー(B)と、
染料(C)
(6)光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、
光重合性官能基を含有するカルボキシル基を含有するポリマー(B)と、
光重合開始剤(C)と、
光重合性単量体(D)
(7)光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、
光重合性官能基を含有しないカルボキシル基を含有するポリマー(B)と、
光重合開始剤(C)と、
光重合性単量体(D)
<β−ヒドロキシアルキルアミド(A)>
本発明で用いられるβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)は、有機溶剤に可溶であれば、特に構造を限定されない。たとえば、β−ヒドロキシエチルアクリルアミドを重合したポリマー誘導体、トリス(2‐ヒドロキシエチル)イソシアヌレート誘導体などが挙げられる。好ましくは、一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)
式中、Xは炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、又はハロゲンからなるn価の基であり、nは2〜6の整数である。Xとして、具体的には、炭素数2以上のn価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びヘテロ原子を有する基が挙げられる。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、透明性の観点からはフッ素が好ましい。難燃性を付与する観点からは塩素、臭素が好ましい。
n価の基とは化合物からn個の水素原子を取り除くことで得られる基である。以下これを化合物に由来するn価の基という。
n価の脂肪族炭化水素基としては、アルカン、アルケン、アルキンに由来するn価の基が挙げられる。
アルカンとしては、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデン、ヘプタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、メチルペンタン、ジメチルペンタン、エチルメチルペンタン、ジエチルペンタン、メチルヘキサン、テトラメチルヘプタン、等が挙げられる。アルカンに由来するn価の基として、例えば、1,6−ヘキシル基、1,7−ヘプチル基、1,8−オクチル基、1,9−ノニル基、1,10−デシル基、1,11−ウンデシル基、1,12−ドデシル基、1,13−トリデシル基、1,14−テトラデシル基、1,15−ペンタデシル基、1,16−ヘキサデシル基、1,17−ヘプタデシル基、1,18−オクタデシル基、1,19−ノナデシル基、1,3,6−ヘキシル基、1,4,7−ヘプチル基、1,2,8−オクチル基、1,3,9−ノニル基、1,3,4,6−ヘキシル基、1,4,6,7−ヘプチル基、1,4,5,6,7−ヘプチル基、1,2,3,4,5,6−ヘキシル基が挙げられる。
アルケンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドセン、トリデセン、テトラセン、ペンタデセン、ヘプタデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、ノナデセン、イコセン、ヘンイコセン、ドコセン、メチルペンテン、等が挙げられる。アルケンに由来するn価の基としては、例えば、1,6−(2−ヘキセニル)基、1,7−(2−ヘプテニル)基、1,8−(2−オクテニル)基、1,9−(2−ノネニル)基、1,10−(2−デセニル)基、1,11−(2−ウンデセニル)基、1,12−(2−ドデセニル)基、1,13−(2−トリデセニル)基、1,14−(2−テトラデセニル)基、1,15−(2−ペンタデセニル)基、1,16−(2−ヘキサデセニル)基、1,17−(2−ヘプタデセニル)基、1,18−(2−オクタデセニル)基、1,19−(2−ノナデセニル)基、1,3,6−(2−ヘキセニル)基、1,4,7−(3−ヘプセニル)基、1,2,8−(4−オクテニル)基、1,3,9−(5−ノネニル)基、1,3,4,6−(2−ヘキセニル)基、1,4,6,7−(3−ヘプセニル)基、1,4,5,6,7−(3−ヘプセニル)基が挙げられる。
アルキンとしては、エチン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ペプチン、オク
チン、ノニン、デシン、ウンデシン、ドデシン、トリデシン、イコシン、ヘンイコシン、
ドコシン、等が挙げられる。アルキンに由来するn価の基としては、例えば、1,6−(
2−ヘキシニル)基、1,7−(2−ヘプシニル)基、1,8−(2−オクシニル)基、
1,9−(2−ノニル)基、1,10−(2−デシニル)基、1,11−(2−ウンデシ
ニル)基、1,12−(2−ドデシニル)基、1,13−(2−トリデシニル)基、1,
14−(2−テトラデシニル)基、1,15−(2−ペンタデシニル)基、1,16−(
2−ヘキサデシニル)基、1,17−(2−ヘプタデシニル)基、1,18−(2−オク
タデシニル)基、1,19−(2−ノナデシニル)基、1,3,6−(2−ヘキシニル)
基、1,4,7−(3−ヘプシニル)基、1,2,8−(4−オクシニル)基、1,3,
9−(5−ノニル)基、1,3,4,6−(2−ヘキシニル)基、1,4,6,7−(3
−ヘプシニル)基、1,4,5,6,7−(3−ヘプシニル)基が挙げられる。
n価の脂環式炭化水素基としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、トリメチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ノルボルナン、ノルボルネン、ビシクロオクテン、デカヒドロナフタレン、アダマンタン、ジメチルアダマンタン、等に由来するn価の基が挙げられる。例えば、1,1−シクロヘキシル基、1,2−シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキシル基、1,4−シクロヘキシル基、1,2,4−シクロヘキシル基、1,3,5−シクロヘキシル基、1,2,4,5−シクロヘキシル基、1、2,3,4,5,6−シクロヘキシル基、2,6−デカヒドロナフチル基、1,3−アダマンチル基、1、3、5ーアダマンチル基が挙げられる。
n価の芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、ジフェニルエタン、ジフェニルアセチレン、9,9−ジフェニルフルオレン、等に由来するn価の基が挙げられる。例えば、カルボニル基に結合する炭素原子が芳香環に含まれる基としては、フェニレン基、トリレン基、が挙げられる。カルボニル基に結合する炭素原子が芳香環に含まれない基としては、トルエン−α,α−ジイル基、エチルベンゼン−α,β−ジイル基、エチルベンゼン−β,β−ジイル基、1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジイル基、等が挙げられる。
ヘテロ原子(酸素、硫黄、窒素、ハロゲン原子)を有するn価の基としては、エタノール、エチレングリコール、エチレンジアセテート、エチレンジピバレート、エチレンジベンゾエート、エチレンビス(メチルベンゾエート)、エチレンビス(メトキシベンゾエート)、プロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、エリスリトール、エチレンオキシド、アセトアルデヒド、アセトン、ジプロピルケトン、γ−ペンタデカノラクトン、1,2−シクロヘキサン、γ−ブチロラクトン、エチルアミン、エチルメチルアミン、プロピルアミン、N−プロピルアセトアミド、エタンチオール、エタンジチオール、テトラフルオロエタン、ジブロモエタン、ヘキサフルオロプロパン、オクトフルオロブタン、ドデカフルオロヘキサン、ヘキサデカフルオロオクタン、1,2,3,4,7,7−ヘキサクロロノルボルネン、アニソール、フルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラフロロベンゼン、ブロモベンゼン、テトラブロモベンゼン、ニトロベンゼン、フェノール、アニリン、ベンゼンスルホン酸、アントラキノン、ブタンホスホン酸、トリエチルトリアジン、トリプロピルトリアジン、トリエチルイソシアヌレート、トリプロピルイソシアヌレート、ベンゾフェノン、チオフェン、ジエチルスルフィド、ジフェニルスルホン、2,2−ジフェニル−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ジフェニルエーテル、等に由来するn価の基が挙げられる。
中でも、Xとして、反応性の観点から、カルボニル基に直接結合するX中の原子が、芳香環に含まれない炭素原子であることが好ましい。さらには、炭素数6〜18の直鎖の脂肪族炭化水素基、あるいは、脂環式炭化水素基が好ましく、より好ましくは、炭素数6〜12の直鎖の脂肪族炭化水素基、あるいは、脂環式炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数6〜12の直鎖の脂肪族炭化水素基である。
式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式化
水素基、芳香族炭化水素基、一般式(2)で表される基、または一般式(3)で表される基を表し、1以上の窒素原子に結合する1以上のR1およびR2のうち、少なくとも1つは一般式(2)で表される基である。
一般式(2)
一般式(3)
脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基が挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−オクテニル基、1−デセニル基、1−オクタデセニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニル基、1−デシニル基、1−オクタデシニル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基、2−インデノ基、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ジシクロペンタニル基、といったシクロアルキル基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、単環、縮合環、環集合芳香族炭化水素基が挙げられる。単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ベンジル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メシチル基等の単環芳香族炭化水素基が挙げられる。
縮合環芳香族炭化水素基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンスリル基、9−フェナンスリル基、1−アセナフチル基、2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレル基等の縮合環芳香族炭化水素基が挙げられる。
環集合芳香族炭化水素基としては、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基等の環集合芳香族炭化水素基が挙げられる。
中でも、一般式(2)及び一般式(3)以外のR1およびR2として、好ましくは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素、または、単環芳香族炭化水素基であり、より好ましくは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素であり、さらに好ましくは、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基である。
一般式(2)及び(3)で表される基のR3〜R6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、またはヒドロキシル基で一部置換された炭化水素基を表し、R7はヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物(a3)の残基を表す。
炭化水素基は、R1およびR2において前述したものと同様である。ヒドロキシル基で置換された炭化水素基としては、たとえば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシシクロヘキシル基、等が挙げられる。
ヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物(a3)の残基としては、特に限定されないが、イソシアネート、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、シラノール、アルコキシシラン、シラノールエステル、アミノ樹脂、エポキシを有する化合物等が挙げられ、イソシアネート、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、及びカルボン酸無水物が好ましく、より好ましくは、単官能イソシアネート又は単官能カルボン酸である。
中でも、容易に作製できる観点から、一般式(3)中のR7が下記一般式(9)で表されるβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)が得られることがより好ましい。
一般式(9)
ここで、
16は単結合、(m 1+1)価の炭化水素基、または、ウレタン結合、ウレア結合、アロファネート結合、ビウレット結合、イソシアヌレート環のうち少なくとも1つと、炭素原子、水素原子からなる(m 1+1)価の基を表し、
1は単結合、ウレタン結合またはウレア結合を表し、
17は2価の炭化水素基を表し、
2はエーテル結合またはエステル結合を表し、
18は1価の炭化水素基を表し、
1は1〜5の整数を表し、
1は0〜100の整数を表す。
また、容易に作製できる観点から、一般式(3)中のR7が下記一般式(10)で表されるβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)が得られることがより好ましい。
一般式(10)
ここで、
19は単結合、(m 2+1)価の炭化水素基、または炭素原子、水素原子、酸素原子からなる(m 2+1)価の基を表し、
3は単結合、エステル結合、アミド結合を表し、
20は2価の炭化水素基を表し、
4はエーテル結合またはエステル結合を表し、
21は1価の炭化水素基を表し、
2は1〜5の整数を表し、
2は0〜100の整数を表す。
(β−ヒドロキシアルキルアミド(A)の製造方法)
上記一般式(1)で表される化合物は種々の方法で製造することが可能であるが、以下に主な製造方法[1]〜[4]を挙げる。
(1)R1およびR2の少なくとも一つが一般式(3)で表される基である場合:
[1]2価以上のカルボン酸またはその誘導体(a1)と、β位にヒドロキシル基を1つ以上有する1級または2級アミン(a2)と、をアミド化してなるβ−ヒドロキシアルキルアミド(A1)のヒドロキシル基の一部を、ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)と反応させる。
[2]β位にヒドロキシル基を1つ以上有する1級または2級アミン(a2)のヒドロキシル基の一部に、ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)とを反応させたのちに、2価以上のカルボン酸またはその誘導体(a1)とアミド化する。
[3]β位にヒドロキシル基を1つ以上有する1級または2級アミン(a2)のアミノ基を保護し、ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)を反応させる。この化合物の保護基を外した後に2価以上のカルボン酸またはその誘導体(a1)とアミド化する。
製造にかかるコスト、反応の容易さなどを鑑みると、上記[1]の方法が好ましい。
β−ヒドロキシアルキルアミドが入手可能である場合は、2価以上のカルボン酸またはその誘導体(a1)と、β位にヒドロキシル基を1つ以上有する1級または2級アミン(a2)の反応を経ずに、β−ヒドロキシアルキルアミドのヒドロキシル基の一部を、ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)と反応させる方法であってもよい。
(2)R1およびR2が一般式(3)で表される基でない場合:
[4]2価以上のカルボン酸またはその誘導体(a1)と、β位にヒドロキシル基を1つ以上有する1級または2級アミン(a2)と、をアミド化する。
β−ヒドロキシアルキルアミド(A)は、光重合性官能基を含んでいても、含まなくてもよい。2価以上のカルボン酸またはその誘導体(a1)、β位にヒドロキシル基を1つ以上有する1級または2級アミン(a2)、またはヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)に、光重合性官能基を含む化合物を用いることによって、光重合性官能基を導入することができる。合成時の安定性から、ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)中に光重合性官能基を含有することが好ましい。
2価以上のカルボン酸またはその誘導体(a1)のうち2価以上のカルボン酸としては以下のものが挙げられる。(以下、同一化合物の別名を表す場合は《 》で表す。)直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸:シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、
分岐飽和脂肪族ジカルボン酸:メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、ジプロピルマロン酸、イソプロピルマロン酸、メチルコハク酸、ジメチルコハク酸、ブチルコハク酸、オクチルコハク酸、デシルコハク酸、ドデシルコハク酸、テトラデシルコハク酸、ヘキサデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸、メチルグルタル酸、ジメチルグルタル酸、エチルメチルグルタル酸、ジエチルグルタル酸、メチルアジピン酸、テトラメチルピメリン酸、
不飽和脂肪族ジカルボン酸:アリルコハク酸、メタリルコハク酸、ヘキセニルコハク酸、オクテニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、ドコセニルコハク酸、デカジエン−1,2−ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、ムコン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、
脂環式ジカルボン酸:シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、カンファー酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸、シクロペンチルマロン酸、シクロペンタン二酢酸、シクロヘキサン二酢酸、アダマンタン二酢酸、
芳香環を有する脂肪族ジカルボン酸(カルボキシル基に結合する炭素原子が芳香環を形成しない):フェニルマロン酸、ベンジルマロン酸、チオフェンマロン酸、フェニルコハク酸、ジフェニルコハク酸、
カルボキシル基以外に酸素原子を含む脂肪族または脂環式カルボン酸:酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジピバロイル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、ジ(p−アニソイル)酒石酸、リンゴ酸、アセチルリンゴ酸、クエン酸、シトラマル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、ガラクタル酸、エポキシコハク酸、オキサル酢酸、オキソグルタル酸、オキソアゼライン酸、4,5−ジカルボキシ−γ−ペンタデカノラクトン、3,6−エポキシ−1,2,3,6−ヘキサヒドロフタル酸、ブチロラクトンジカルボン酸、
窒素原子を含む脂肪族または脂環式ジカルボン酸:アスパラギン酸、N−メチルアスパラギン酸、N−(tert−ブトキシカルボニル)−アスパラギン酸、N−(ベンジルオキシカルボニル)アスパラギン酸、N−カルバモイルアスパラギン酸、N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アスパラギン酸、グリシルアスパラギン酸、3−ヒドロキシアスパラギン酸、グルタミン酸、N−アセチルグルタミン酸、N−(tert−ブトキシカルボニル)−グルタミン酸、N−(ベンジルオキシカルボニル)グルタミン酸、N−ベンゾイルグルタミン酸、N−(4−アミノベンゾイル)グルタミン酸、N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グルタミン酸、メチルグルタミン酸、グリシルグルタミン酸、グアジニノグルタル酸、N−フタリルグルタミン酸、アミノアジピン酸、アミノピメリン酸、ジアミノピメリン酸、アミノスベリン酸、葉酸、メトトレキサート、
硫黄原子を含む脂肪族または脂環式ジカルボン酸:ジメルカプトコハク酸、チオリンゴ酸、
ハロゲン原子を含む脂肪族または脂環式ジカルボン酸:テトラフルオロコハク酸、ジブロモコハク酸、ヘキサフルオログルタル酸、オクタフルオロアジピン酸、ドデカフルオロスベリン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、クロレンド酸《ヘット酸》、
芳香族ジカルボン酸:フタル酸、メチルフタル酸、tert−ブチルフタル酸、エチニルフタル酸、(フェニルエチニル)フタル酸、メトキシフタル酸、フルオロフタル酸、テトラフルオロフタル酸、トリフルオロメチルフタル酸、クロロフタル酸、ジクロロフタル酸、テトラクロロフタル酸、ブロモフタル酸、テトラブロモフタル酸、ニトロフタル酸、ヒドロキシフタル酸、アミノフタル酸、スルホフタル酸、イソフタル酸、メチルイソフタル酸ブロモイソフタル酸、ニトロイソフタル酸、ヒドロキシイソフタル酸、アミノイソフタル酸、アミノトリヨードイソフタル酸、スルホイソフタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、テトラフルオロテレフタル酸、ジクロロテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、ブロモテレフタル酸、テトラブロモテレフタル酸、ニトロテレフタル酸、ジヒドロキシテレフタル酸、アミノテレフタル酸、スルホテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、アントラキノンジカルボン酸、1,3−ジベンジル−2−オキソ−4,5−イミダゾリジンジカルボン酸、チオフェンジカルボン酸、
脂肪族または脂環式トリカルボン酸:1,2,3−プロパントリカルボン酸≪トリカルバリル酸≫、アニコット酸、ブテントリカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、ペンタントリカルボン酸、トリス(2−カルボキシエチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(3−カルボキシプロピル)−1,3,5−トリアジン、イソシアヌル酸トリス(2−カルボキシエチル)、イソシアヌル酸トリス(3−カルボキシプロピル)、
芳香族トリカルボン酸:トリメリット酸、ヘミメリット酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、ベンゾフェノントリカルボン酸、
脂肪族または脂環式テトラカルボン酸:ブタンテトラカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、チオジコハク酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、5−(1,2−ジカルボキシエチル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−(1,2−ジカルボキシエチル)1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸、
芳香族テトラカルボン酸:ピロメリット酸、ベンゾフェノンンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、オキシジフタル酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸、ナフタレンテトラカルボン酸、フルオレン−9,9−ビスフタル酸、
脂肪族または脂環式のペンタカルボン酸またはヘキサカルボン酸:シクロヘキサンヘキサカルボン酸、
芳香族ペンタカルボン酸またはヘキサカルボン酸:ベンゼンペンタカルボン酸、メリット酸、
また2価以上のカルボン酸として、カルボン酸を末端および/または側鎖に有するポリエステル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリルオリゴマー、あるいは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリアクリルポリオール、などのポリオールを酸無水物、たとえば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、などで変性して得られる化合物も挙げられる。
カルボン酸の誘導体としては上記カルボン酸の酸無水物、酸クロリド、酸ブロミド、メチルエステル、エチルエステル、フェニルエステル、tert−ブチルエステルなどが挙げられる。
β位にヒドロキシル基を1つ以上有する1級または2級アミン(a2)は以下のような例が挙げられる。
1級アミン:エタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール《イソプロパノールアミン》、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−フェニル−エタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、イソロイシノール《2−アミノ−3−メチル−1−ペンタノール》、2−イソプロピルアミノ−3−メチル−1−ブタノール、ロイシノール《2−アミノ−4−メチル−1−ペンタノール》、tert−ロイシノール《2―アミノ−3,3−ジメチル−1−ブタノール》、フェニルアラニノール《2−アミノ−3−フェニル−1−プロパノール》、1−アミノ−2−ブタノール、2−アミノ−1−フェニルエタノール、2−アミノ−1−フェニル−1−プロパノール、
窒素原子上の置換基の一方が炭化水素基で、もう一方が一般式(2)で表される2級アミン:N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−tert−ブチルエタノールアミン、3−tert−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、N−シクロヘキシルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−ベンジルエタノールアミン、
窒素原子上の置換基が両方とも一般式(2)で表される2級アミン:ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、R3〜R6の中にヒドロキシル基置換炭化水素基が含まれるもの:2−[(ヒドロキシメチル)アミノ]エタノール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(メチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、N−メチルグルカミン《6−(メチルアミノ)−1,2,3,4,5−ヘキサンペンタオール》、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン、2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、フェニレフリン《1−(3−ヒドロキシフェニル)−2−(メチルアミノ)エタノール》、エチレフリン《2−エチルアミノ−1−(3−ヒドロキシフェニル)エタノール》、
上記以外:2−(2−アミノメチルアミノエタノール)、2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオール、セリン、セリンメチルエステル、N−(2,4−ジニトロフェニル)セリン、メチオニノール《2−アミノ−4−メチルチオ−1−ブタノール》、N−(5−ニトロ−2−ピリジル)アラニノール、ピロリノール《2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン》、4−アミノ−3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシピペリジン、イソセリン、2−アミノシクロヘキサノール、トレオニン、1−アミノ−2−インダノール、グルコサミン、1,3−ジアミノ−2−プロパノール、アテノロール、アドレナリン、α,α−ジフェニル−2−ピロリジンメタノール。
ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)の例としてイソシアネート、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、シラノール、アルコキシシラン、シラノールエステル、アミノ樹脂、エポキシ基を有する化合物が挙げられる。その中でも、反応性の観点から、特にイソシアネート基、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、カルボン酸ハロゲン化物基が好ましく、さらにはカルボキシル基とイソシアネート基が好ましい。
イソシアネートとしては以下のようなものが挙げられる。
単官能イソシアネート:メチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、ヘプチルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、ステアリルイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロプロピルイソシアネート、フェネチルイソシアネート、トシルイソシアネート、アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、2−(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、1,1−ビス(メタクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、
二官能イソシアネート:トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリジンイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、3−(2’−イソシアナトシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、ジアニシジンイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ダイマージイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、
三官能イソシアネート:リジントリイソシアネート、トリス(イソシアナトフェニル)メタン、トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェート、
また、上記多官能のイソシアネートのビウレット、ウレトジオン、イソシアヌレート、アダクト体、も挙げられる。
上記の多官能イソシアネート、多官能イソシアネートのビウレット、ウレトジオン、イソシアヌレート、アダクト体から選ばれるイソシアネートと、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、フェノール、ベンジルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、メチルアミン、エチルアミン、ジブチルアミン、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリカプロラクトンなどの活性水素化合物と、を反応させてなる化合物も挙げられる。
上記のうち、溶解性、保存安定性、製造の容易さなどを考慮すると、上記単官能のイソシアネート、もしくは、多官能イソシアネートや多官能イソシアネートのビウレット、ウレトジオン、イソシアヌレート、アダクト体のうち1つのイソシアネート基を残し、残りを活性水素化合物と反応させてできる単官能のイソシアネートを用いることが好ましい。
なかでも、光感度が良好になることから、下記一般式(6)で表される化合物を用いてR7が一般式(4)で表されるβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)を得ることが好ましい。
一般式(6)
[式中、R 12は水素原子またはメチル基であり、R13は一般式(7)
[n 1は1〜2の整数である。]で表される基、または一般式(8)
[R14は炭素数2〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基であり、R15は炭素数6〜13の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基である。]で表される基である。]
カルボン酸、つまり、カルボキシル基を有する化合物としては以下のようなものが挙げられる。
脂肪族飽和単官能カルボン酸:ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸《ペンタン酸》、2−メチル酪酸、イソ吉草酸《3−メチル酪酸》、ピバル酸《2,2−ジメチルプロピオン酸》、カプロン酸《ヘキサン酸》、メチル吉草酸、ジメチル酪酸、エチル酪酸、エナント酸《ヘプタン酸》、カプリル酸《オクタン酸》、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸《ノナン酸》、カプリン酸《デカン酸》、ウンデカン酸、ラウリン酸《ドデカン酸》、トリデカン酸、ミリスチン酸《テトラデカン酸》、ペンタデカン酸、パルミチン酸《ヘキサデカン酸》、マルガリン酸《ヘプタデカン酸》、ステアリン酸《オクタデカン酸》、イソステアリン酸《2−ヘプチルウンデカン酸》、ノナデカン酸、アラキジン酸《イコサン酸》、ヘンイコサン酸、ベヘン酸《ドコサン酸》、トリコサン酸、リグノセリン酸《テトラコサン酸》、ペンタコサン酸、セロチン酸《ヘキサコサン酸》、ヘプタコサン酸、モンタン酸《オクタコサン酸》、ノナコサン酸、メリシン酸《トリアコンタン酸》、
脂肪族不飽和単官能カルボン酸:アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ウンデセン酸、パルミトレイン酸《9−ヘキサデセン酸》、ペトロセリン酸《6−オクタデセン酸》、オレイン酸《9−オクタデセン酸》、エライジン酸《9−オクタデセン酸》、バクセン酸、リノール酸《9,12−オクタデカジエン酸》、リノレン酸《9,12,15−オクタデカトリエン酸》、γ−リノレン酸《6,9,12−オクタデカトリエン酸》、エレオステアリン酸、アラギドン酸《5,8,11,14−エイコサテトラエン酸》、5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸、エルカ酸《13−ドコセン酸》、ドコサヘキサエン酸、22−トリコセン酸、15−テトラコセン酸、ネルボン酸、
脂環式単官能カルボン酸:シクロプロパンカルボン酸、ジメチルシクロプロパンカルボン酸、テトラメチルシクロプロパンカルボン酸、メルカプトメチルシクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロペンチル酢酸、アミノシクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキシル酢酸、シクロヘキシルプロピオン酸、シクロヘキシル酪酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸、プロピルシクロヘキサンカルボン酸、イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸、ブチルシクロヘキサンカルボン酸、tert−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、ノルボルネンカルボン酸、ノルボルナンカルボン酸、ノルアダマンタンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、
カルボキシル基以外に酸素原子を有する単官能カルボン酸:グリコール酸、乳酸、ヒドロキシパルミチン酸、リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸、アロイリット酸《トリヒドロキシヘキサデカン酸》、ジャスモン酸《3−オキソ−2−(2−ペンテニル)シクロペンタン酢酸》、ククルビン酸《3−ヒドロキシ−2−(2−ペンテニル)シクロペンタン酢酸》、3−オキソブタン酸、などの1価カルボン酸、および、上記(a−1)2価以上のカルボン酸で列挙した化合物、などが挙げられる。
カルボン酸、つまりカルボキシル基を有する化合物としては、2価以上のカルボン酸またはその誘導体で挙げた化合物の一部をアルコールやアミンでエステル化、アミド化した化合物も挙げられる。たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、フェノール、ベンジルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、メチルアミン、エチルアミン、ジブチルアミン、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリカプロラクトンなどのアルコール、アミンと、上記(a−1)2価以上のカルボン酸で列挙した化合物を部分エステル化し、分子内にカルボキシル基を1つ残した単官能カルボン酸、などが挙げられる。特に、2価カルボン酸の環状カルボン酸無水物を用いると、ヒドロキシル基またはアミノ基と1:1で反応した上でカルボキシル基が1つ生成するため好ましい。
さらに上記カルボキシル基を有する化合物の酸無水物、酸ハロゲン化物、メチルエステル、エチルエステル、フェニルエステル、tert−ブチルエステルも挙げられる。
上記のうち、溶解性、保存安定性、製造の容易さなどを考慮すると、上記単官能のカルボン酸、酸ハロゲン化物、酸無水物、もしくは、多官能のカルボン酸またはその誘導体のうち、一部をアルコールやアミンと反応させてカルボキシル基を1つ残した単官能カルボン酸またはその誘導体、単官能のアルコールまたはアミンと2価カルボン酸の環状酸無水物とを反応させてできる単官能のカルボン酸を用いることが好ましい。
なかでも、有機溶剤への溶解性が付与しやすいことから、下記一般式(4)で表される化合物を用いることが好ましく、光硬化性が良好になることから、下記一般式(5)で表される化合物を用いることが好ましい。
一般式(4)
[式中、R8は炭素数2〜18の直鎖状、環状または分岐状の飽和または不飽和炭化水素基である。]
一般式(5)
[式中、R9は水素原子またはメチル基であり、R10は炭素数2〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、脂環族炭化水素基、または芳香族炭化水素基であり、R11は炭素数2〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、脂環族炭化水素基、または芳香族炭化水素基である。]
これらの化合物は、単独で用いてもよいし、併用しても良い。
シラノールは分子内にSi−OHの構造を持っている化合物であり、シラノール中のOHとヒドロキシル基が反応する。また、アルコキシシラン、シラノールの硫酸、スルホン酸エステル、ハロゲン化シラン(以下、まとめて「シラノール誘導体」)は加水分解でシラノールを生成するので、シラノールと同様に用いることができる。保存安定性の点から市販されているものはシラノール誘導体である。
シラノール誘導体としては以下のものが挙げられる。
単官能シラノール誘導体:トリメチルシリルトリフラート、トリエチルシリルトリフラート、tert−ブチルジメチルシリルトリフラート、ジエチルイソプロピルシリルトリフラート、トリプロピルシリルトリフラート、硫酸ビス(トリメチルシリル)、クロロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、トリメチルメトキシシラン、
多官能シラノール誘導体:ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリソドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、
上記のうち、溶解性、保存安定性、製造の容易さなどを考慮すると、上記単官能のシラノール誘導体を用いることが好ましい。
アミノ樹脂は、電子吸引性基が窒素原子に結合したヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物であり、ヒドロキシル基と反応してエーテル結合を形成する。電子吸引性基とは、たとえば、カルボニル基、チオカルボニル基、トリアジン環などが挙げられる。このヒドロキシル基をアルコールでキャップされたアルコキシメチルアミノ基を有する化合物も、加水分解によりヒドロキシル基を生成するので用いることができる。
アミノ樹脂としては以下のものが挙げられる。
単官能アミノ樹脂:N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアセトアミド、N−ヒドロキシメチル尿素、1−(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルヒダントイン、N−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、
多官能アミノ樹脂:N,N’−ジメチロール尿素、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ウレイド]ヒダントイン、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、など、窒素原子にヒドロキシル基、メトキシメチル基、ブトキシメチル基が複数個置換された、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリルなどが挙げられる。
上記のうち、溶解性、保存安定性、製造の容易さなどを考慮すると、上記単官能のアミノ樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ基を有する化合物として、以下のようなものが挙げられる。
単官能エポキシ:アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェニルフェノールグリシジルエーテル、sec−ブチルフェノールモノグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルモノグリシジルエーテル、N−グリシジルフタルイミド、スチレンオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸エステル、3,4−エポキシシクロヘキサン−1−メタノール、3,4−エポキシシクロヘキサン−1−カルバルデヒド、4,5−エポキシ−1,2−ジカルボン酸エステル、
多官能エポキシ:ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジロプロピル)プロパンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、tert−ブチルフェノールグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジル、テレフタル酸グリシジル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジブロモフェノールジグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの縮合物、ビスフェノールFとエピクロロヒドリンの縮合物、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの縮合物、N,N,N’,N’−テトラグリシジルビス(アミノフェニル)メタン、ダイマー酸ジグリシジル、水添ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの縮合物、ジ−tert−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、などが挙げられる。
上記のうち、溶解性、保存安定性、製造の容易さなどを考慮すると、上記単官能のエポキシを用いることが好ましい。
(アミド化)
2価以上のカルボン酸またはその誘導体(a1)と、β位にヒドロキシル基を1つ以上有する1級または2級アミン(a2)とをアミド化する方法は様々あるが、2価以上のカルボン酸またはその誘導体(a1)がカルボン酸の場合は水、カルボン酸エステルの場合はアルコール、カルボン酸無水物またはハロゲン化物の場合は酸を取り除くことで反応を進行させることができる。水やアルコールの場合は加熱により反応系外へ除去することが用意である。酸の場合はトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの塩基性化合物によって取り除くことができる。
上記アミド化の際に触媒を使用することができる。たとえば、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシドなどの塩基触媒(以下「塩基触媒」とまとめる)、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾールなどのアミン触媒(以下「アミン触媒」とまとめる)、鉄(III)、ジルコニウム(IV)、スカンジウム(III)、チタン(IV)、スズ(IV)、ハフニウム(IV)などの金属イオンを含む塩や錯体、ジフェニルアンモニウムトリフラート、ペンタフルオロフェニルアンモニウムトリフラートなどのアンモニウム塩、などが挙げられる。
上記アミド化反応において溶媒を使用することができる。使用する溶媒は、アルコール、アミン、カルボン酸など反応基質と反応する溶媒以外であれば使用できる。たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
特にカルボン酸とのアミド化において、縮合剤を用いて行うことができる。縮合剤とは、カルボン酸またはアミンを活性化させ、エステル化反応を温和な条件で行うことができると同時に、副生成物の水は縮合剤と結合して別の化合物となるため、触媒作用と水除去作用を兼ね備えた化合物である。このような縮合剤としては、たとえば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、p−トルエンスルホニルクロリド、1−エチル−3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、カルボニルジイミダゾール、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル、2,4,6−トリクロロ安息香酸クロリド、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートなどが挙げられる。
(変性)
β−ヒドロキシアルキルアミド(A1)のヒドロキシル基の一部を、ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)と反応させる際は、それぞれの官能基に対して適当な条件で反応させればよい。
ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)がイソシアネートの場合は、無触媒あるいは適当な触媒を加えて加熱することで反応が進行する。適当な触媒としては、たとえば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、などのアミン類やその塩、テトラブチルチタネート、ジブチルスズジラウリレート、オクチル酸スズなどの金属塩や錯体などが挙げられる。
ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)がカルボン酸の場合は、無触媒で100℃以上、好ましくは140℃以上に加熱することで脱水縮合反応が進行する。あるいは適当な触媒を加えることでさらに低い温度で反応を進行させることができる。上記アミド化反応について記載した触媒、縮合剤などは、この反応に用いることができる。
ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)がカルボン酸無水物またはカルボン酸ハロゲン化物の場合は、塩基触媒またはアミン触媒を加えて0〜100℃で反応させるのが好ましい。このとき塩基触媒またはアミン触媒はカルボン酸無水物またはカルボン酸ハロゲン化物1モルに対して、1モル以上使用することが好ましい。
ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)がシラノールの場合は、塩基触媒またはアミン触媒を加えて0〜100℃で反応させるのが好ましい。このとき塩基触媒またはアミン触媒はカルボン酸無水物またはカルボン酸ハロゲン化物1モルに対して、1モル以上使用することが好ましい。
ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)がアミノ樹脂の場合は、メタンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸、それらのアンモニウム塩またはアミン塩を触媒に使用し、0〜200℃で反応させるのが好ましい。
ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物(a3)がエポキシ基を有する化合物の場合は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウムなどの強塩基触媒、もしくはテトラフルオロホウ酸、塩化スズ(IV)などの金属触媒を使用し、0〜200℃で反応させるのが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物が光重合性官能基を含む場合には、上記反応中に重合禁止効果のあるガスを反応系中に導入したり、重合禁止剤を添加したりしてもよい。重合禁止効果のあるガスを反応系中に導入したり、重合禁止剤を添加したりすることにより、付加反応時のゲル化を防ぐことができる。
ラジカル重合禁止効果のあるガスとしては、系内物質の爆発範囲に入らない程度の酸素を含むガス、例えば、空気などが挙げられる。
ラジカル重合禁止剤としては、公知のものを使用することができ、特に制限はされないが、たとえば、ヒドロキノン、メトキノン、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,2’―メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノチアジン等が挙げられる。これら重合禁止剤は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。使用する重合禁止剤の量としては、反応系中の固形分の合計100重量部に対して、0.005〜5重量部が好ましく、0.03〜3重量部がさらに好ましく、0.05〜1.5重量部が最も好ましい。重合禁止剤が0.005重量部未満では、重合禁止効果が十分でない場合があり、一方、5重量部を超えると、露光感度が低下する恐れがある。また、重合禁止効果のあるガスと重合禁止剤とを併用すると、使用する重合禁止剤の量を低減できたり、重合禁止効果を高めたりすることができるので、より好ましい。
<カルボキシル基を含有するポリマー(B)>
本発明のカルボキシル基を含有するポリマー(B)は、カラーフィルタ用着色組成物にアルカリ現像性を付与することと、β−ヒドロキシアルキルアミド(A)と熱硬化反応することの二つを目的として用いられ、ポリマーの末端および/または側鎖にカルボキシル基を有するポリマーである。光重合性官能基を含んでいても、含まなくてもよい。ポリマーは直鎖、分岐、星状のいずれでもよく、また、熱可塑性、熱硬化性のいずれでもよい。
光重合性官能基を含有しないカルボキシル基を含有するポリマー(B)としては、たとえば、カルボキシ末端のポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、アクリル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、カルボキシル基側鎖のポリウレタン、カルボン酸付与セルロース、カルボキシル基を含有する(メタ)アクリレート共重合体、フェノール樹脂のカルボン酸無水物付加体などが挙げられる。
本発明で用いられるカルボキシル基を含有するポリマー(B)には、ラジカル重合性、カチオン重合性、アニオン重合性の光重合性官能基を導入することができるが、安定性の面からラジカル重合性の光重合性官能基を含有させることが好ましい。その方法としては、たとえば、以下にあげる方法がある。
(B−1)カルボキシル基を含有するポリマーに光重合性官能基を導入する方法
(B−2)カルボキシル基を含有しないポリマーに光重合性官能基を導入し、カルボキシル基を導入する方法
等が挙げられる。また、これらの官能基を有するポリマーについても限定されず、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリエーテル系、天然ゴム、ブロック共重合体ゴム、シリコーン系などの各ポリマーを用いることができる。
(B−1)および(B−2)で用いられる光重合性官能基を導入する方法としては、
(B−11)カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、活性メチレン基等を含有するポリマー中のカルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、活性メチレン基等に、エポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基等および光重合性官能基を含有する化合物中のエポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基等を反応させる方法、
(B−12)エポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基等を含有するポリマー中のエポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基等に、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、活性メチレン基等および光重合性官能基を含有する化合物中のカルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、活性メチレン基等を反応させる方法
等が挙げられる。
(B−2)で用いられるカルボキシル基を導入する方法としては、
(B−13)水酸基、アミノ基等を含有するポリマー中の水酸基、アミノ基等に、多塩基酸無水物中の酸無水物基を反応させる方法
等が挙げられる。
(B−2)で用いられる、光重合性官能基とカルボキシル基を同時に導入する方法としては、
(B−14)カルボン酸無水物基を含有するポリマー中の酸無水物基に、水酸基等および光重合性官能基を含有する化合物中の水酸基等を反応させる方法
(B−15)水酸基、アミノ基等を含有するポリマー中の水酸基、アミノ基等に、酸無水物基と光重合性官能基を含有する化合物中の酸無水物基を反応させる方法
等が挙げられる。
カルボキシル基を含有するポリマー(B)は、単独で、または2種以上混合して用いることができる。またカルボキシル基を含有するポリマー(B)中のカルボキシル基とβ−ヒドロキシルアミド基中のヒドロキシル基との比率は、モル比で10/1〜1/10が好ましく、さらに3/1〜1/3、さらに1.5/1〜1/1.5が好ましい。10/1〜1/10の範囲から外れている場合、硬化後の膜または微細パターン中にカルボキシル基またはβ−ヒドロキシアルキルアミド基中のヒドロキシル基が余り、耐薬品性や耐熱性が不十分となるおそれがある。
カルボキシル基を含有するポリマー(B)中のカルボキシル基の濃度は、酸価10〜250mgKOH/gが好ましく、さらに20〜200mgKOH/g、さらに40〜100mgKOH/gが好ましい。10mgKOH/g未満であると、β−ヒドロキシアルキルアミド(A)中のヒドロキシル基と反応しうる官能基(カルボキシル基)が少なくなり、耐薬品性や耐熱性を満足に得ることができない場合があり、250mgKOH/gを超えると、コーティング剤の粘度が高く、保存安定性が悪化する場合がある。
なお、β−ヒドロキシアルキルアミド(A)と反応しうる官能基としては、カルボキシル基以外にも、フェノール性水酸基、芳香族メルカプト基、β−ジケトン等の活性メチレン基等を用いることができる。カルボキシル基を含有するポリマー(B)中に、上記官能基を導入することができる。β−ヒドロキシアルキルアミド(A)や光重合性単量体(D)に含有していても良い。
カルボキシル基を含有する(メタ)アクリル系共重合体を得る方法として、(メタ)アクリル酸やカルボキシル基を含有する(メタ)アクリレートをその他のモノマーと共重合する方法や、水酸基を含有する(メタ)アクリレートをその他のモノマーと共重合して得られたポリマー中の水酸基を多塩基酸無水物中の酸無水物基と反応させる方法などがある。
また、光重合性官能基とカルボキシル基とを含有する(メタ)アクリレート共重合体を得る方法として、上記(B−1)および(B−2)の方法があり、詳しくは、(B−11)〜(B−15)の方法がある。具体的には、
カルボキシル基を含有する(メタ)アクリル系共重合体中のカルボキシル基の一部を、エポキシ基を含有する(メタ)アクリレート中のエポキシ基と反応させる方法、
エポキシ基を含有する(メタ)アクリル系共重合中のエポキシ基を、(メタ)アクリル酸やカルボキシル基を含有する(メタ)アクリレート中のカルボキシル基と反応させ、生成した水酸基に対して、多塩基酸無水物の酸無水物基を反応させる方法、
カルボキシル基と水酸基を含む(メタ)アクリル系共重合中の水酸基を、イソシアネート基を含有する(メタ)アクリレートまたは不飽和酸無水物中のイソシアネート基または酸無水物基と反応させる方法
などが挙げられる。
カルボキシル基を含有する(メタ)アクリレートとしては、たとえば、アクリル酸ダイマー、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、およびω−カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸、α−(ヒドロキシメチル)メタクリル酸、p−ビニル安息香酸等も用いることができる。
共重合性、入手の容易さなどの点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
カルボキシル基を含有するポリマー(B)の重量平均分子量(Mw)は、2000〜25000が好ましく、より好ましくは4000〜15000である。重量平均分子量(Mw)が2000未満であると耐熱性が悪化する場合があり、重量平均分子量(Mw)が25000を超えると高粘度となり、塗工が困難になる場合がある。
本発明のカルボキシル基を含有するポリマー(B)は、カラーフィルタ用着色組成物として用いられる際には、高い透明性が必要であるため、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上のポリマーが用いられる。透明性の点から、カルボキシル基を含有する(メタ)アクリル系共重合体が好ましく用いられる。
β−ヒドロキシアルキルアミド(A)とカルボキシル基を含有するポリマー(B)の総量は、カラーフィルタ用着色組成物中の顔料100重量部に対して、1〜400重量部、好ましくは1〜250重量部の量で用いることができる。
<染料(C)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、本発明のカラーフィルタ用着色組成物と染料(C)とを必須成分として含む。以下に、本発明のカラーフィルタ用着色組成物の必須成分である染料(C)について説明する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤として、染料(C)を含むことを特徴とする。また、さらに有機顔料(F)を併用して用いることも好ましいものである。
一般的に染料と言われるものについて特に制約はないが、染料(C)としては、中でも、トリフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系レーキ顔料、ジフェニルメタン系染料、ジフェニルメタン系レーキ顔料、キノリン系染料、キノリン系顔料、チアジン系染料、チアゾール系染料、キサンテン系染料、キサンテン系レーキ顔料、ジケトピロロピロール系顔料等を用いることができる。
これらの中でも、キサンテン系染料、キサンテン系レーキ顔料であるキサンテン系色素、キノリン系染料、キノリン系顔料であるキノリン系色素、トリフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系レーキ顔料であるトリフェニルメタン系色素、ジケトピロロピロール系顔料であるジケトピロロピロール系色素を用いることが好ましい。
特に可視光領域において蛍光発光する色素を用いた場合、高コントラスト比のカラーフィルタとする効果に優れている。
本発明において好ましく用いることのできる染料(C)としては、染料の形態である場合は、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料等の各種染料のいずれかの形態を有するものであることが好ましい。
また顔料の形態であるものとしては、蛍光を有する顔料や、前記染料をレーキ化したレーキ顔料が挙げられる。
着色剤が染料の場合は油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料を用いることが色相に優れるために好ましい。
[油溶性染料]
油溶性染料としては、カラーインデックスに分類される、C.I.ソルベントに分類されるもの、塩基性染料としては、同C.I.ベーシックに分類されるもの、酸性染料としては、同C.I.アシッドに分類されるもの、直接染料としては、同C.I.ダイレクトに分類されるものである。ここで直接染料は、構造中にスルホン酸基(−SO3H、−SO3Na)を有しており、本発明においては、直接染料は酸性染料として見なすものである。
以下具体的に好ましい染料(C)について説明する。
(キサンテン系)
(キサンテン系色素:キサンテン系染料、そのレーキ顔料)
キサンテン系色素の場合は、透過スペクトルにおいて650nmの領域で透過率が90%以上であり、600nmの領域で透過率が75%以上、500〜550nmの領域で透過率が5%以下、400nmの領域で透過率が70%以上であるものが好ましい。より好ましくは、650nmの領域で透過率が95%以上であり、600nmの領域で透過率が80%以上、500〜550nmの領域で透過率が10%以下、400nmの領域で透過率が75%以上である。中でも、キサンテン系塩基性染料、およびキサンテン系酸性染料は、400〜450nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有している
また、キサンテン系色素の中でも、ローダミン系色素は発色性、耐性に優れているために好ましい。
(キサンテン系染料の油溶性染料としての形態)
具体的には、キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、C.I.ソルベントバイオレット10などがあげられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
(キサンテン系染料の酸性染料としての形態)
キサンテン系染料の酸性染料(キサンテン系酸性染料)としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
(キサンテン系染料の塩基性染料としての形態)
キサンテン系塩基性染料としては、C.I. ベーシック レッド 1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I. ベーシック バイオレット 10(ローダミンB)等があげられる。中でも発色性に優れる点において、C.I. ベーシック レッド 1、C.I. ベーシック バイオレット 10を用いることが好ましい。
(キサンテン系染料のレーキ顔料としての形態)
キサンテン系染料の金属レーキ顔料としては、C.I.ピグメント レッド 81、C.I.ピグメント レッド 81:1、C.I.ピグメント レッド 81:2、C.I.ピグメント レッド 81:3、C.I.ピグメント レッド 81:4、C.I.ピグメント レッド 81:5、C.I.ピグメント レッド 169、C.I.ピグメント バイオレット 1、C.I.ピグメント バイオレット 1:1、C.I.ピグメント バイオレット 1:2、C.I.ピグメント バイオレット 2等が挙げられる。
(ジフェニル及びトリフェニルメタン系色素、:トリフェニルメタン系染料、ジフェニルメタン系染料、及びそのレーキ顔料)
ジフェニル及びトリフェニルメタン系色素の場合は、
ブルー系(青色)のトリアリールメタン系塩基性染料は、400〜440nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有している。
(ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料の酸性染料としての形態)
ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料の酸性染料としては、食用青色101号(C.I.アシッド ブルー 1)、アシッドピュアブルー(C.I.アシッド ブルー 3)、レーキブルーI(C.I.アシッド ブルー 5)、レーキブルーII(C.I.アシッド ブルー7)食用青色1号(C.I.アシッド ブルー 9)、C.I.アシッド ブルー 22、C.I.アシッド ブルー 83、C.I.アシッド ブルー 90、C.I.アシッド ブルー 93、C.I.アシッド ブルー 100、C.I.アシッド ブルー 103、C.I.アシッド ブルー 104、C.I.アシッド ブルー 109を用いることが好ましい。
(ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料の塩基性染料としての形態)
トリフェニルメタン系塩基性染料、ジフェニルメタン系塩基性染料は、中心の炭素に対してパラの位置にあるNH2あるいはOH基が酸化によりキノン構造をとることによって発色するものである。
NH2、OH基の数によって以下3つの型に分けられるが、中でもトリアミノトリフェニルメタン系の塩基性染料の形態であることが良好な青色、赤色、緑色を発色する点で好ましいものである。
a)ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
b)トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
c)OH基を有するロゾール酸系塩基性染料
トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料、ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料は色調が鮮明であり、他のものよりも日光堅ロウ性に優れ好ましいものである。またジフェニルナフチルメタン塩基性染料および/またはトリフェニルメタン塩基性染料が好ましい。
具体的には、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同25(ベーシック ブルーGO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)等があげられる。
C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)等があげられる。
C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)等があげられる。
(ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料のレーキ顔料としての形態)
トリアリールメタン系のレーキ顔料として、具体的に、C.I. ピグメント ブルー 1、C.I. ピグメント ブルー 2、C.I. ピグメント ブルー 9、C.I. ピグメント ブルー 10、C.I. ピグメント ブルー 14、C.I. ピグメント ブルー 62、C.I.ピグメント バイオレット 3、C.I.ピグメント バイオレット 27、C.I.ピグメント バイオレット 39等が挙げられる。
更に好ましいものを具体的に示すと、
C.I. ピグメント ブルー 1。
C.I.ベーシック ブルー 26、C.I.ベーシック ブルー 7 をリンタングステン・モリブデン酸でレーキ化。
C.I. ピグメント バイオレット 3。
C.I.ベーシック バイオレット 1をリンタングステン・モリブデン酸でレーキ化。
C.I. ピグメント バイオレット 39。
C.I.ベーシック バイオレット 3(クリスタルバイオレット)をリンタングステン・モリブデン酸でレーキ化。
中でもC.I. ピグメント ブルー 1を用いることが好ましい。
(キノリン系色素:キノリン系染料、キノリン系顔料)
キノリン系染料としては、Solvent Yellow 33、Solvent Yellow 98、Solvent Yellow 157、Disperse Yellow 54、Disperse Yellow 160、AcidYellow 3等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
キノリン系顔料としては、C.I.Pigment Yellow138(ビー・エー・エス・エフ社製パリオトールイエローK0961−HD)などが挙げられる。
(チアジン系染料)
チアジン系染料としては、P−フェニレンジアミンを硫化水素の存在下で、FeCl2下で酸化して得られるLauth's Violet、メチレンブルー、メチレングリーンB、C.I. ベーシック ブルー9、17、24、25、ソルベントブルー8、C.I.ベーシック グリーン5、C.I.ダイレクトレッド70等があげられる。
(チアゾール系染料)
チアゾール系染料としては、チアゾール環を有する染料をチアゾール系染料とするが、
具体的には、C.I. ベーシックイエロー1、C.I. ベーシックバイオレット44、46、C.I. ベーシック ブルー116、C.I.アシッドイエロー186、同ダイレクトイエロー7、8、9、14、17、18、22、28、29、30、54、59、165、C.I.ダイレクトオレンジ18、C.I.ダイレクトレッド11、等が挙げられる。
<造塩化>
染料(C)は、良好な分光特性を有し、発色性に優れるものの、耐光性、耐熱性に問題があり、高い信頼性が要求されるカラーフィルタを使用する画像表示装置に用いるには、その特性は十分なものではない場合がある。
そのため、これらの欠点を改善するために、塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸を用いて造塩化した造塩化合物(Z1)にて用いることが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましい。中でもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸を用いることが耐性の面で好ましい。
また、酸性染料に代表されるアニオン性染料の形態の場合は、
四級アンモニウム塩化合物に代表されるカチオン性化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等を用いて造塩化した造塩化合物(Z2)、
あるいは、スルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物とした造塩化合物(Z3)、
として用いることが耐性の面で好ましい。
これらの中でも特に、(Z2)、(Z3)が耐性、顔料との併用性に優れているために好ましく、(Z2)がより好ましい。
(Z2)において、四級アンモニウム塩化合物に代表されるカチオン性化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物としては、
四級アンモニウム塩基に代表されるカチオン性基、三級アミノ基、二級アミノ基、一級アミノ基を有する樹脂成分を好ましく用いることができる。
中でも染料(C)として、アニオン性染料を、四級アンモニウム塩に代表されるカチオン性基を有する樹脂成分を用いて造塩化した造塩樹脂化合物(Z4)を用いることが特に好ましい。
(アニオン性染料(C))
次に、本発明の造塩化合物を得るためのアニオン性染料について説明する。アニオン性染料としては、上述したカチオン性基とイオン結合するアニオン性基を有する着色化合物であればよい。このような着色化合物としては、分子中に、カルボン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、リン酸基、またはこれらの金属塩などを有するものであれば、特に限定はなく、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、本組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを勘案して適宜選択することができる。
アニオン性染料としては、例えば、アントラキノン系アニオン性染料、モノアゾ系アニオン性染料、ジスアゾ系アニオン性染料、オキサジン系アニオン性染料、アミノケトン系アニオン性染料、キサンテン系アニオン性染料、キノリン系アニオン性染料、トリフェニルメタン系アニオン性染料などが挙げられる。以下に、造塩化合物の合成に使用可能なアニオン性染料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色系染料としては、C.I.アシッド レッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、23、24、25、25:1、26、26:1、26:2、27、29、30、31、32、33、34、35、36、37、39、40、41、42、43、44、45、47、50、52、53、54、55、56、57、59、60、62、64、65、66、67、68、70、71、73、74、76、76:1、80、81、82、83、85、86、87、88、89、91、92、93、97、99、102、104、106、107、108、110、111、113、114、115、116、120、123、125、127、128、131、132、133、134、135、137、138、141、142、143、144、148、150、151、152、154、155、157、158、160、161、163、164、167、170、171、172、173、175、176、177、181、229、231、237、239、240、241、242、249、252、253、255、257、260、263、264、266、267、274、276、280、286、289、299、306、309、311、323、333、324、325、326、334、335、336、337、340、343、344、347、348、350、351、353、354、356、388等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト レッド 1、2、2:1、4、5、6、7、8、10、10:1、13、14、15、16、17、18、21、22、23、24、26、26:1、28、29、31、33、33:1、34、35、36、37、39、42、43、43:1、44、46、49、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、67、67:1、68、72、72:1、73、74、75、77、78、79、81、81:1、85、86、88、89、90、97、100、101、101:1、107、108、110、114、116、117、120、121、122、122:1、124、125、127、127:1、127:2、128、129、130、132、134、135、136、137、138、140、141、148、149、150、152、153、154、155、156、169、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、186、189、204、211、213、214、217、222、224、225、226、227、228、232、236、237、238等も使用できる。
黄色系染料としては、C.I.アシッド イエロー 2,3、4、5、6、7、8、9、9:1、10、11、11:1、12、13、14、15、16、17、17:1、18、20、21、22、23、25、26、27、29、30、31、33、34、36、38、39、40、40:1、41、42、42:1、43、44、46、48、51、53、55、56、60、63、65、66、67、68、69、72、76、82、83、84、86、87、90、94、105、115、117、122、127、131、132、136、141、142、143、144、145、146、149、153、159、166、168、169,172、174、175、178、180、183、187、188、189、190、191、192、199等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト イエロー 1、2、4、5、12、13、15、20、24、25、26、32、33、34、35、41、42、44、44:1、45、46、48、49、50、51、61、66、67、69、70、71、72、73、74、81、84、86、90、91、92、95、107、110、117、118、119、120、121、126、127、129、132、133、134等も使用できる。
橙色系染料としては、C.I.アシッド オレンジ 1、1:1、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、17、18、19、20、20:1、22、23、24、24:1、25、27、28、28:1、30、31、33、35、36、37、38、41、45、49、50、51、54、55、56、59、79、83、94、95、102、106、116、117、119、128、131、132、134、136、138等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト オレンジ 1、2、3、4、5、6、7、8、10、13、17、19、20、21、24、25、26、29、29:1、30、31、32、33、43、49、51、56、59、69、72、73、74、75、76、79、80、83、84、85、87、88、90、91、92、95、96、97、98、101、102、102:1、104、108、112、114等も使用できる。
青色染料としては、C.I.アシッド ブルー 1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、13、14、15、17、19、21、22、23、24、25、26、27、29、34、35、37、40、41、41:1、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、62、62:1、63、64、65、68、69、70、73、75、78、79、80、81、83、8485、86、88、89、90、90:1、91、92、93、95、96、99、100、103、104、108、109、110、111、112、113、114、116、117、118、119、120、123、124、127、127:1、128、129、135、137、138、143、145、147、150、155、159、169、174、175、176、183、198、203、204、205、206、208、213、227、230、231、232、233、235、239、245、247、253、257、258、260、261、262、264、266、269、271、272、273、274、277、278、280等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト ブルー 1、2、3、4、6、7、8、8:1、9、10、12、14、15、16、19、20、21、21:1、22、23、25、27、29、31、35、36、37、40、42、45、48、49、50、53、54、55、58、60、61、64、65、67、79、96、97、98:1、101、106、107、108、109、111、116、122、123、124、128、129130、130:1、132、136、138、140、145、146、149、152、153、154、156、158、158:1、164、165、166、167、168、169、170、174、177、181、184、185、188、190、192、193、206、207、209、213、215、225、226、229、230、231、242、243、244、253、254、260、263等も使用できる。
紫色染料としては、C.I.アシッド バイオレット 1、2、3、4、5、5:1、6、7、7:1、9、11、12、13、14、15、16、17、19、20、21、23、24、25、27、29、30、31、33、34、36、38、39、41、42、43、47、49、51、63、67、72、76、96、97、102、103、109等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト バイオレット 1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、17、18、21、22、25、26、27、28、29、30、31、32、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、51、52、54、57、58、61、62、63、64、71、72、77、78、79、80、81、82、83、85、86、87、88、93、97等も使用できる。
緑色染料としては、C.I.アシッド グリーン 2、3、5、6、7、8、9、10、11、13、14、15、16、17、18、19、20、22、25、25:1、27、34、36、37、38、40、41、42、44、54、55、59、66、69、70、71、81、84、94、95等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト グリーン 11、13、14、24、30、34、38、42、49、55、56、57、60、78、79、80等も使用できる。
以下、本発明に用いる染料(C)の形態について具体的に詳述する。
[アニオン染料の造塩化合物および/またはアニオン染料のスルホン酸アミド化合物]
アニオン性染料として好ましく用いられる酸性染料は、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、及びこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化し、酸性染料の造塩化合物とする、もしくはスルホンアミド化し、スルホン酸アミド化合物の造塩化合物とすることで、高い耐熱性、耐光性、耐溶剤性を付与することができるために好ましい。
一級アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン(ラウリルアミン)、トリドデシルアミン、テトラデシルアミン(ミリスチルアミン)、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ココアルキルアミン、牛脂アルキルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、アリルアミン等の脂肪族不飽和1級アミン、アニリン、ベンジルアミン等が挙げられる。
二級アミン化合物としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジアリルアミン等の脂肪族不飽和2級アミン、メチルアニリン、エチルアニリン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジココアルキルアミン、ジ硬化牛脂アルキルアミン、ジステアリルアミン等が挙げられる
三級アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリベンジルアミン等が挙げられる。
本発明に用いる染料(C)は、中でもアニオン性染料を、カチオン性化合物を用いて造塩化、またはアニオン性染料をスルホンアミド化して用いることが特に好ましいことから、これらの2つの形態について以下に詳述する。
(アニオン性染料とカチオン性化合物とからなる造塩化合物)
本発明に用いる染料(C)は、前述したアニオン性染料とカチオン性化合物とからなる造塩化合物として用いることが、耐熱性、耐光性、耐溶剤性の観点から、好ましい。
(カチオン性化合物)
カチオン性化合物としては、少なくとも1つのオニウム塩基を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましい。さらに好ましくは四級アンモニウム塩化合物である。
四級アンモニウム塩化合物としては、四級アンモニウム塩基を有する樹脂成分を好ましく用いることができる。
(四級アンモニウム塩基を有する樹脂)
四級アンモニウム塩基を有する樹脂は、四級アンモニウム塩構造単位を含むビニル系樹脂であることが好ましい。四級アンモニウム塩構造単位を含むビニル系樹脂は、四級アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体と、必要に応じその他のエチレン性不飽和単量体を公知の方法で重合せしめて得ることができるだけでなく、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体と、必要に応じその他のエチレン性不飽和単量体を公知の方法で重合した後、オニウム塩化剤を反応させ、四級アンモニウム塩化する方法により得ることができる。
以下に、四級アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体と、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体、オニウム塩化剤、およびその他のエチレン性不飽和単量体の具体例を示す。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」、のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」、と記載することがある。同様に、「アクリロイル、メタクリロイル」のいずれか或いは双方を示す場合、「(メタ)アクリロイル」と記載することがある。
四級アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミドが挙げられ、ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン等のジアリルアミン化合物、N−ビニルピロリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等のアミノ基含有芳香族ビニル系単量体が挙げられる。
オニウム塩化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、またはジプロピル硫酸等のアルキル硫酸、p−トルエンスルホン酸メチル、またはベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、またはオクチルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、プロピルブロマイド、またはオクチルクロブロマイド等のアルキルブロマイド、あるいは、ベンジルクロライド、またはベンジルブロマイド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とオニウム塩化剤との反応は、通常はアミノ基に対して等モル以下のオニウム塩化剤を、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体溶液に滴下することによって行うことができる。アンモニウム塩化反応時の温度は90℃程度以下であり、特にビニルモノマーをアンモニウム塩化する場合には30℃程度以下が好ましく、反応時間は1〜4時間程度である。
別に、オニウム塩化剤として、アルコキシカルボニルアルキルハライドを使用することもできる。アルコキシカルボニルアルキルハライドは下記一般式(102)で表される。
Z−R206−COOR207 一般式(102)

(一般式(102)中、Zは、塩素、または臭素等のハロゲン、好ましくは臭素であり、R206は、炭素数1〜6、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3のアルキレン基であり、R207は、炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキル基である。)
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とアルコキシカルボニルアルキルハライドとの反応は、アミノ基に対して等モル以下のアルコキシカルボニルアルキルハライドを上記オニウム塩化剤同様に反応させた後、−COOR207を加水分解してカルボキシレートイオン(−COO-)に変換することにより得られる。これにより、一般式(102)式で示すカルボキシベタイン構造を有しアンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を得ることができる。
その他のエチレン性不飽和単量体は、四級アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体またはアミノ基を有するエチレン性不飽和単量体と共重合可能な単量体であれば特に限定されず、用途に応じて適宜選択することができる。
耐熱性、および現像性の観点から、その他のエチレン性不飽和単量体は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキセタニル基、t−ブチル基、イソシアネート基、(メタ)アクリル基を有していることが好ましく、特にヒドロキシル基および/またはカルボキシル基を有していることが好ましい。
ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、特に限定されないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートまたはこれらモノマーのカプロラクトン付加物(付加モル数は1〜5が好ましい)などが挙げられる。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられ、カルボン酸無水物基を有するエチレン性不飽和単量体としては、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸等が挙げられる。
オキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタンなどが挙げられる。
t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレートなどが挙げられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽単量体としては、例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルアクリレートなどが挙げられる。
本発明におけるイソシアネート基としては、ブロックイソシアネート基も含まれ、好ましく使用することができる。ブロックイソシアネート基とは、通常の条件では、イソシアネート基を他の官能基で保護することにより該イソシアネート基の反応性を抑える一方で、加熱により脱保護し、活性なイソシアネート基を再生させることができるイソシアネートブロック体のことを示す。
このようなブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体の市販品としては、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI−BP,昭和電工製);メタクリル酸2−(0−[1'メチルプロビリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM,昭和電工製)などが挙げられる。
また、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、市販品を使用できるほか、公知の方法で調製して使用することもできる。例えば、エチレン性不飽和結合を有しているイソシアネート化合物とブロック剤とを溶媒中0〜200℃程度の温度で撹拌し、濃縮、濾過、抽出、晶析、蒸留等の公知の分離精製手段を用いて分離することにより得ることができる。
四級アンモニウム塩基を有する樹脂中に存在する四級アンモニウム塩基の量は、特に限定されるものではないが、樹脂のアンモニウム塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。
樹脂のアンモニウム塩価が、上記範囲を満たすためには、4級アンモニウム塩基を有する構造単位の好ましい含有量は、樹脂を構成する構造単位の合計100重量%中、4〜74重量%であり、より好ましい範囲は8〜48重量%である。
本発明に使用される四級アンモニウム塩基を有する樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
四級アンモニウム塩基を有する樹脂以外の四級アンモニウム塩化合物
四級アンモニウム塩基を有する樹脂以外の四級アンモニウム塩化合物の好ましい形態は、無色、または白色を呈するものである。ここで無色、または白色とは、いわゆる透明な状態を意味し、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において、透過率が95%以上、好ましくは98%以上となっている状態と定義されるものである。すなわち染料成分の発色を阻害しない、色変化を起こさないものである必要がある。
四級アンモニウム塩基を有する樹脂以外の四級アンモニウム塩化合物として下記一般式(11)で表される化合物を用いることができる。
一般式(11)
[一般式(11)中、R101〜R104は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を示し、R101、R102、R103、又はR104の少なくとも2つ以上が、Cの数が5〜20個である。Yは無機または有機のアニオンを表す。]
101〜R104の少なくとも2つ以上の側鎖のCの数を5〜20個とすることで、溶剤に対する溶解性が良好なものとなる。R101〜R104のうちCの数が5より小さいアルキル基が3つ以上になると溶剤に対する溶解性が悪くなり、塗膜異物が発生しやすくなってしまう。また側鎖にCの数が20を超えてしまうアルキル基が存在すると造塩化合物の発色性が損なわれてしまうことがある。
四級アンモニウム塩基を有する樹脂以外の四級アンモニウム塩化合物のアニオンを構成するY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよいが、ハロゲンであることが好ましく、通常は塩素である。
このような四級アンモニウム塩化合物として具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が74)、テトラエチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が122)、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が312)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が550)、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が788)、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が284)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が368)、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が270)、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が228)、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が382)、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が536)、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が318)、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が360)、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が444)、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が612)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が388)、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が248)、またはジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド(硬化牛脂)(カチオン部分の分子量が438〜550)等を用いることが好ましい。
製品としては、花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB−50等、ライオン社製のアーカード210−80E、2C−75、2HT−75、2HTフレーク、2O−75I、2HP−75、または2HPフレーク等があげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)、またはアーカード2HT−75(ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド)等が好ましいものである。
四級アンモニウム塩基を有する樹脂以外の四級アンモニウム塩化合物のカチオン部分の分子量は190〜900の範囲であることが好ましい。カチオン部分とは、一般式(11)中の(NR101102103104+の部分に相当する。分子量が190よりも小さいと耐光性、耐熱性が低下してしまい、さらに溶剤への溶解性が低下してしまう場合がある。また分子量が900よりも大きくなると分子中の発色成分の割合が低下するために、発色性が低下し、明度も低下してしまう場合がある。より好ましくはカチオン部分の分子量が240〜850の範囲であり、特に好ましいのは350〜800の範囲である。
ここで分子量は構造式を基に計算を行ったものであり、Cの原子量を12、Hの原子量を1、Nの原子量を14とした。
(造塩化合物の製造方法)
アニオン性染料とカチオン性化合物との造塩化合物は、従来知られている方法により製造することができる。特開平11−72969号公報などに具体的な手法が開示されている。
一例をあげると、アニオン性染料を水に溶解した後、カチオン性化合物を添加、攪拌しながら造塩化処理を行なえばよい。ここでアニオン性染料中のスルホン酸基(−SO3H)、スルホン酸ナトリウム基(−SO3Na)の部分とカチオン性化合物のアンモニウム基(NH4 +)の部分が結合した造塩化合物が得られる。また水の代わりに、メタノール、エタノールも造塩化時に使用可能な溶媒である。
カチオン性化合物と、アニオン性染料との比率は、カチオン性化合物の全カチオンユニットとアニオン性染料の全アニオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
造塩化合物としては、特にアニオン性染料(C.I.アシッドレッド289やC.I.アシッドレッド52等)と、四級アンモニウム塩化合物との造塩化合物を用いることで、溶剤溶解性に優れ、後述する顔料と併用した場合に、より耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れたものとなる。また造塩化合物が顔料と併用することで良好なものとなるのは、溶剤中に溶解、分散しながら顔料に吸着することによるものであると推測される。このとき、顔料の一次粒子径は、20〜100nmであることが好適である。
本発明の着色組成物は、後述するが、青色顔料と併用する青色着色組成物、赤色顔料と併用する併用する赤色着色組成物、黄色顔料と併用する黄色着色組成物、緑色着色組成物の形態が好ましい。
[酸性染料のスルホン酸アミド化合物]
染料(C)に好ましく用いることのできる酸性染料のスルホン酸アミド化合物は、−SO3H、−SO3Naを有する酸性染料を常法によりクロル化して、−SO3Hを−SO2Clとし、この化合物を、−NH2基を有するアミンと反応して製造することができる。
また、スルホンアミド化において好ましく使用できるアミン化合物としては、具体的には、2−エチルへキシルアミン、ドデシルアミン、3−デシロキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、シクロへキシルアミン等を用いることが好ましい。
一例をあげると、C.I.アシッドレッド289を3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合は、C.I.アシッドレッド289をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド289のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。
また、C.I.アシッドレッド52を3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合も、C.I.アシッドレッド52をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド52のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。
[塩基性染料と有機酸、無機酸の化合物とからなる造塩化合物]
塩基性染料は、耐光性、耐熱性がさらに乏しく、高い信頼性が要求されるカラーフィルタを使用する画像表示装置に用いるには、その特性は十分なものではない。そのため、これらの染料における欠点を改善するために、塩基性染料を、有機酸、無機酸を用いて造塩化することが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましく、中でもナフタレンスルホン酸を用いることが好ましい。とりわけトビアス酸が好ましい。また無機酸としては、過塩素酸を用いることが特に好ましい。
<光重合性単量体(D)>
本発明で用いられる光重合性単量体(D)としては、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート、2−アクリロイルオキシエチルこはく酸、2−メタクリロイルオキシエチルこはく酸、2−アクリロイルオキシプロピルこはく酸、2−メタクリロイルオキシプロピルこはく酸、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートや、市販品として、2−アクリロイロキシエチルこはく酸(商品名M−5300)などの単官能モノマーが挙げられる。
これらの単官能モノマーは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また本発明で用いられる光重合性単量体(D)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、などの二官能モノマーが挙げられる。
また本発明で用いられる光重合性単量体(D)としては、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレートまたはモノヒドロキシオリゴメタクリレート類などの三官能以上のモノマーが挙げられる。
また本発明で用いられる光重合性単量体(D)としては、酸性基を有する多官能モノマーを含んでも良く、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げることができる。
具体例としては、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレートまたはモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレートまたはモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等を挙げることができる。
これらの上記光重合性単量体(D)は、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
本発明で用いられる光重合性単量体(D)は、カラーフィルタ用着色成物中の顔料100重量部に対して、10〜300重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜200重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤(E)>
本発明の光重合開始剤(E)は、光照射によりラジカル、カチオン、アニオンが発生し、光重合性官能基の重合を開始する化合物である。
光重合開始剤(E)のうちラジカルを発生するものとしては、
たとえば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4'−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン、特願2010−054456に記載のフェニル基上に電子吸引性置換基をもつN−フェニルカルバゾール骨格オキシムエステル等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール、2,2'−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラ(p−メチルフェニル)ビイミダゾール、等のイミダゾール系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。
光重合開始剤(E)のうちカチオンを発生するものとしては、
オニウム塩系化合物が挙げられる。オニウム塩系化合物の例としては、スルホニウム塩系、ヨードニウム塩系、ホスホニウム塩系、ジアゾニウム塩系、ピリジニウム塩系、ベンゾチアゾリウム塩系、スルホキソニウム塩系、フェロセン系の化合物が挙げられ、これらの構造は特に限定されず、ジカチオンなどの多価カチオン構造を有していてもよく、カウンターアニオンも公知のものを適宜、選択して使用することができる。
オニウム塩以外の酸発生剤としては、ニトロベンジルスルホナート類、アルキルまたはアリール−N−スルホニルオキシイミド類、ハロゲン化されていてもよいアルキルスルホン酸エステル類、1,2−ジスルホン類、オキシムスルホナート類、ベンゾイントシラート類、β−ケトスルホン類、β−スルホニルスルホン類、ビス(アルキルスルホニル)ジアゾメタン類、イミノスルホナート類、イミドスルホナート類、トリハロメチルトリアジン類などのトリハロアルキル基を有する化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
具体例としては、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウム、p−トルエンスルホネート、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルトリフルオロメタンスルホン酸、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、エチルトリフェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチルホスホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フッ化砒素、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウム六フッ化砒素、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化砒素、アデカオプトマーSP−150(株式会社ADEKA社製、対イオン:PF6 )、アデカオプトマーSP−170(株式会社ADEKA社製、対イオン:SbF6 )、アデカオプトマーCP−66(株式会社ADEKA社製、対イオン:SbF6 )、アデカオプトマーCP−77(株式会社ADEKA社製、対イオン:SbF6 )、サンエイドSI−60L(三新化学工業株式会社製、対イオン:SbF6)、サンエイドSI−80L(三新化学工業株式会社製、対イオン:SbF6)、サンエイドSI−100L(三新化学工業株式会社製、対イオン:SbF6)、サンエイドSI−150(三新化学工業株式会社製、対イオン:SbF6)、CYRACURE UVI−6974(ユニオン・カーバイド社製、対イオン:SbF6)、CYRACURE UVI−6990(ユニオン・カーバイド社製、対イオン:PF6 )、UVI−508(ゼネラル・エレクトリック社製)、UVI−509(ゼネラル・エレクトリック社製)、FC−508(ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチュアリング社製)、FC−509(ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチュアリング社製)、CD−1010(サートマー社製)、CD−1011(サートマー社製)およびCIシリーズ(日本曹達株式会社製、対イオン:PF6 、SbF6)、ジフェニルヨードニウム六フッ化砒素、ジ−4−クロロフェニルヨードニウム六フッ化砒素、ジ−4−ブロムフェニルヨードニウム六フッ化砒素、フェニル(4−メトキシフェニル)ヨードニウム六フッ化砒素、ゼネラル・エレクトリック社製のUVEシリーズ、ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチュアリング社製のFCシリーズ、東芝シリコーン社製のUV−9310C(対イオン:SbF6)およびローディア社製のPhotoinitiator2074(対イオン:(C6F5)4B)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
光重合開始剤(E)のうちアニオンを発生するものとしては、たとえば、o−ニトロベンゾインカルバメート、ベンゾインカルバメート、α,α−ジメチルベンジルオキシカルバモイルアミン、o−アシロキシム、フォルムアニリド誘導体、α−アンモニウムアセトフェノン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤(E)はラジカル、カチオン、アニオンを発生するものを単独で用いることもできるし、併用することもできる。また、1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。光重合開始剤(E)は、カラーフィルタ用着色組成物中の固形分100重量部中において、0.01〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは0.03〜7重量部である。0.01重量部未満であると光硬化反応性が悪く重合が進行しない場合があり、10重量部を超える量を用いると開始剤の黄変の影響より透明性の悪化が起きる場合がある。
<増感剤(H)>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤(H)を含有させることができる。増感剤(H)の含有量は、カラーフィルタ用着色組成物中の光重合開始剤(E)100重量部に対して、1〜100重量部の量で用いることができる。
増感剤(H)としては、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、ミヒラーケトン誘導体等が挙げられる。
さらに具体例には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。増感剤(G)は、任意の比率で二種以上の増感剤を含んでいてもかまわない。
<有機溶剤>
溶剤は、着色剤を十分に樹脂中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に本発明の着色組成物を乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために用いられる。
本発明で使用できる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、オクタン、シクロロメタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、などが挙げられる。これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。
特に、他の構成要素の溶解性が良好であることから、ケトン系、エステル系、エーテル系の溶剤を用いることが好ましい。
またその他に使用できる有機溶剤としては、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が好ましく用いられる。これらを単独でもしくは混合して用いることができる。
特に有機溶剤の乾燥性を考慮し、ダイコート法やスクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法などにおいては160℃以上の高沸点溶剤を含むことが好ましく、
たとえば、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(bp174℃)、1,3−ブタンジオール(bp203℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(bp203℃)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(bp213℃)、ジイソブチルケトン(bp168.1℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(bp171.2℃)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(bp208.1℃)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(bp191.5℃)、エチレングリコールジブチルエーテル(bp203.3℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(bp194.0℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(bp202.0℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(bp188.4℃)、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(bp207.3℃)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(bp170.2℃)、プロピレングリコールジアセテート(bp190.0℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(bp187.2℃)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(bp197.8℃)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(bp212.0℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp175℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(bp206.3℃)、3−エトキシプロピオン酸エチル(bp169.7℃)、3−メトキシブチルアセテート(bp172.5℃)、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート(bp188℃)、γ−ブチロラクトン(bp204℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(bp166.1℃)、N−メチルピロリドン(bp202℃)、p−クロロトルエン(bp162.0℃)、o−ジエチルベンゼン(bp183.4℃)、m−ジエチルベンゼン(bp181.1℃)、p−ジエチルベンゼン(bp183.8℃)、o−ジクロロベンゼン(bp180.5℃)、m−ジクロロベンゼン(bp173.0℃)、n−ブチルベンゼン(bp183.3℃)、sec−ブチルベンゼン(bp178.3℃)、tert−ブチルベンゼン(bp169.1℃)、シクロヘキサノール(bp161.1℃)、シクロヘキシルアセテート(bp173℃)、メチルシクロヘキサノール(bp174℃)等が挙げられ、160℃以上の高沸点溶剤は溶剤の全量を基準として5〜50重量%が好ましい。
上記有機溶剤の中で、色材の分散特性・溶解性・乾燥性等を勘案した場合、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが優れて好ましい。
有機溶剤の使用量は、カラーフィルタ用着色組成物の固形分濃度を5〜50重量%とする量を使うのが好ましい。カラーフィルタ用着色組成物の固形分濃度をこのような範囲とすることにより、より均一な厚さの、平滑性の高い膜あるいは微細パターンを提供することができる。すなわち、固形分濃度が50重量%を超えると、カラーフィルタ用着色組成物を塗工する際のレベリング性や、得られる膜あるいは微細パターンの平滑性、透明性が低下するおそれがあるためであり、一方、固形分濃度が5重量%未満となると、所定の厚さの膜およびパターンが得られなかったりするおそれがあるためである。
<顔料(F)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に含有される顔料としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。顔料のなかでは、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料(F)が用いられる。
以下に、本発明のカラーフィルタ用着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色カラーフィルタ用着色組成物には、例えばC.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、272、279等の赤色顔料を用いることができる。赤色カラーフィルタ用着色組成物には、黄色顔料、オレンジ顔料を併用することができる。
赤色カラーフィルタ用着色組成物に併用出来る黄色顔料としては、例えばC.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等を用いることができる。
また、これらの黄色顔料は、単独または2種以上を組み合わせて、イエロー色フィルタセグメントを形成するためのイエロー色カラーフィルタ用着色組成物に用いることができる。
赤色カラーフィルタ用着色組成物に併用出来るオレンジ色顔料としては、例えばC.I. Pigment orange 36、43、51、55、59、61、71、73等のオレンジ色顔料を用いることができる。
また、これらのオレンジ色顔料は、単独または2種以上を組み合わせて、オレンジ色フィルタセグメントを形成するためのオレンジ色カラーフィルタ用着色組成物に用いることができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色カラーフィルタ用着色組成物には、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37および58等の緑色顔料を用いることができる。緑色カラーフィルタ用着色組成物には先述した黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色カラーフィルタ用着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等の青色顔料を用いることができる。青色カラーフィルタ用着色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色カラーフィルタ用着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、80等の青色顔料を用いることができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色カラーフィルタ用着色組成物には、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、C.I. Pigment Red81、144、146、177、169等の紫色顔料および赤色顔料を用いることができる。マゼンタ色カラーフィルタ用着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
ブラックマトリックスを形成するための黒色カラーフィルタ用着色組成物には、例えばカーボンブラック、アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、具体的には C.I. ピグメントブラック1、6、7、12、20、31等を用いることができる。黒色カラーフィルタ用着色組成物には、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料の混合物を用いることもできる。黒色顔料としては、価格、遮光性の大きさからカーボンブラックが好ましく、カーボンブラックは、樹脂などで表面処理されていてもよい。また、色調を調整するため、黒色カラーフィルタ用着色組成物には、青色顔料や紫色顔料を併用することができる。
また、無機顔料としては、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、酸化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いられる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物の全不揮発成分を基準(100重量%)として、好ましい顔料成分の濃度は、充分な色再現性を得る観点から10重量%以上であり、より好ましくは15重量%以上であり、最も好ましくは20重量%以上である。また、カラーフィルタ用着色組成物の安定性が良くなることから、好ましい顔料成分の濃度は90重量%以下であり、より好ましくは80重量%以下であり、最も好ましくは70重量%以下である。
<多官能チオール(I)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、多官能チオールを含有することができる。多官能チオールは、チオール(SH)基を2個以上有する化合物である。
多官能チオールは上述の光重合開始剤(C)のうちラジカル重合性のものとともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られるカラーフィルタ用着色組成物は高感度となる。特にSH基がメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。
例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、顔料100重量部に対して0.05〜100重量部が好ましく、より好ましくは1.0〜50.0重量部である。
多官能チオールを0.05重量部以上用いることで、より良い現像耐性を得ることができる。チオール(SH)基が1個の単官能チオールを用いた場合には、このような現像耐性の向上は得られない。
<エポキシ樹脂(J)>
エポキシ樹脂としては、公知のものを用いることができ、上記光重合性単量体(D)のうちカチオン重合するものとして記載したエポキシ基を有する化合物、脂環式エポキシ基を有する化合物、脂肪族エポキシ樹脂、オキセタニル基を有する化合物、上記ヒドロキシ基と反応しうる官能基を1つ以上含有する化合物(a3)の中でエポキシ基を有する化合物として記載した化合物などを用いることができる。カラーフィルタ用着色組成物として用いられる際に、好ましく用いられる製品には、つぎのようものが挙げられる。
エピコート807、エピコート815、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート190P、エピコート191P(以上は商品名;油化シェルエポキシ(株)製)、エピコート1004、エピコート1256、JER 1032H60、JER 157S65、JER 157S70、JER152、JER154(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、TECHMORE VG3101L(商品名;三井化学(株)製)、EPPN−501H、502H、EPPN−501H、EPPN−201、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、XD−1000、NC−3000、(商品名;日本化薬(株)製)、セロキサイド2021、EHPE−3150、EHPE−3150CE(以上商品名;ダイセル化学工業(株)製)、デナコールEX−901、EX−810、EX−830、EX−851、EX−611、EX−512、EX−421、EX−411、EX−313、EX−201、EX−111(以上は商品名;ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられる。
その場合、β−ヒドロキシアルキルアミド(A)とカルボキシル基を含有するポリマー(B)とカルボキシル基を含有しない熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の総量は、カラーフィルタ用着色組成物中の顔料100重量部に対して、1〜400重量部、好ましくは1〜250重量部の量で用いることができる。
<貯蔵安定剤(K)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、貯蔵安定剤を含有することができる。 貯蔵安定剤を含有することで、組成物の経時粘度を安定化させることができる。貯蔵安定剤としては、例えば2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、ペンタエリスチリル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)1,3,5−トリアジン等のヒンダードフェノール系、テトラエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルフォスフィン等の有機ホスフィン系、ジメチルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルジチオリン酸亜鉛、ジブチルジチオリン酸モリブデン等の亜リン酸塩系、ドデシルスルフィド、ベンゾチオフェンなどのイオウ系、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
貯蔵安定剤は、カラーフィルタ用着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部の量で用いることができる。
貯蔵安定剤を0.01重量部以上用いることで、カラーフィルタ用着色組成物の経時安定性が向上する。
<紫外線吸収剤(L)/重合禁止剤(M)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、紫外線吸収剤または重合禁止剤を含有することができる。紫外線吸収剤または重合禁止剤を含有することで、パターンの形状と解像性を制御することができる。紫外線吸収剤としては、例えば2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(ドデシルおよびトリデシル)オキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のヒドロキシフェニルトリアジン系、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート等のサリチレート系、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(トリアセトン−アミン−N−オキシル)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]等のヒンダードアミン系等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。また、重合禁止剤としては、例えばメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、4−ベンゾキノン、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、t−ブチルカテコールなどのハイドロキノン誘導体およびフェノール化合物、フェノチアジン、ビス−(1−ジメチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン等のアミン化合物、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸マンガン、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン等の銅およびマンガン塩化合物、4−ニトロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソシクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等のニトロソ化合物およびそのアンモニウム塩またはアルミニウム塩等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
紫外線吸収剤および重合禁止剤は、カラーフィルタ用着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部の量で用いることができる。
紫外線吸収剤または重合禁止剤を0.01重量部以上用いることで、より良い解像度を得ることができる。
<レベリング剤(N)>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量100重量%中、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<顔料分散体(G)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、顔料を樹脂などの色素担体および/または溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して顔料分散体を製造し、該顔料分散体にβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)、カルボキシル基を含有するポリマー(B)、光重合開始剤(C)、必要に応じて光重合性単量体(D)、有機溶剤、場合によっては増感剤、多官能チオール、紫外線吸収剤、重合禁止剤、貯蔵安定剤、その他成分を混合攪拌して製造することができる。また、2種以上の顔料を含むカラーフィルタ用着色組成物は、各顔料分散体を別々に色素担体および/または溶剤中に微細に分散したものを混合し、さらにβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)、カルボキシル基を含有するポリマー(B)、光重合開始剤(C)、必要に応じて光重合性単量体(D)、有機溶剤等を混合攪拌して製造することができる。
カルボキシル基を含有するポリマー(B)は、顔料分散体を製造する際の色素担体として使用してもよい。
顔料を樹脂などの色素担体および/または溶剤中に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、顔料誘導体等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を樹脂および/または溶剤中に分散してなるカラーフィルタ用着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。
分散助剤は、顔料100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
[樹脂型顔料分散剤]
樹脂型顔料分散剤としては、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、色素担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の色素担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
[界面活性剤]
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
[顔料誘導体]
顔料誘導体とは、有機顔料に置換基を導入した化合物であり、有機顔料には、一般に顔料とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。顔料誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
<感光性カラーフィルタ用着色組成物>
本発明の感光性カラーフィルタ用着色組成物は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製することができる。
着色レジスト材は、β−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、カルボキシル基を含有するポリマー(B)と、光重合開始剤(C)と、必要に応じて光重合性単量体(D)と、有機溶剤とを含有する組成物中に顔料を分散させたものである。
感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
<カラーフィルタ製法>
次に、本発明の感光性カラーフィルタ用着色組成物を用いてカラーフィルタを製造する方法について説明する。
本発明のカラーフィルタは、透明基板上に、本発明の感光性カラーフィルタ用着色組成物から形成されるフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを備えるものであり、一般的なカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備、または少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、および少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを具備する。
[基板]
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
フィルタセグメントおよびブラックマトリックスの乾燥膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。加熱条件も、感光性カラーフィルタ用着色組成物に使用する各構成成分の種類や、添加量(配合量)等によって変えることができるものの、通常、温度が50〜300℃の範囲で、0.1〜10時間の条件で加熱硬化するのが好ましく、より好ましくは、温度が100〜250℃の範囲で、0.5〜5.0時間の加熱硬化条件である。
[フォトリソグラフィー法]
フォトリソグラフィー法による各色フィルタセグメントおよびブラックマトリックスの形成は、下記の方法で行う。すなわち、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した感光性カラーフィルタ用着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。
その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成してフィルタセグメントおよびブラックマトリックスを形成することができる。さらに、現像により形成されたフィルタセグメントおよびブラックマトリックスの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法等の印刷法より精度の高いフィルタセグメントおよびブラックマトリックスが形成できる。
[現像液]
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、本発明の感光性カラーフィルタ用着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
[印刷法]
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物の用途はとくに限定されるものではなく、カラーフィルタ、ブラックマトリックスのほかに、カラーフィルタ保護膜、フォトスペーサー、液晶配向用突起、マイクロレンズ、光学ハードコート、UVインキ、感光性平版印刷版、各種コーティング等などを製造するのに用いることができる。
また、フレキシブルプリント配線板周辺をはじめとする電子材料用接着剤や接着シート、コーティング剤、回路被覆用ソルダーレジスト、カバーレイフィルム、電磁波シールド用接着剤、メッキレジスト、プリント配線板用層間電気絶縁材料、光導波路、光熱デュアル硬化型ポッティング剤等にも用いることができる。
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。 また、以下の実施例において、樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
実施例中のNMR測定はすべて、JEOL社製のJNM−ECX400Pを用いて1H−NMR測定をDMSO−d6中で行った。数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)は東ソー社製のGPC−8020によって測定したポリスチレン換算の値である。
実施例中のIR測定はすべて、PerkinElmer社製のSpectrum Oneを用いて行った。
顔料の平均一次粒子径は、次のような方法により、測定(算出)した。
顔料の粉末にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、分散剤Disper BYK−161(ビックケミー社分散剤)を少量添加し、超音波で1分間処理し測定用試料を調整した。透過型(TEM)電子顕微鏡により、100個以上の顔料の一次粒子が確認出来る写真を3枚(3視野分)作成し、それぞれ左上から順番に100個の一次粒子の大きさを測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径をnm単位で計測し、その平均をその顔料粒子の一次粒子径とし、合計300個の分布を5nm刻みで作成し、5nm刻みの中央値(例えば6nm以上10nm以下の場合は8nm)をそれらの粒子の粒子径として近似し、それぞれの粒子径とその数を基に計算することで個数平均粒子径を算出した。
≪β−ヒドロキシアルキルアミド(A)の合成≫
合成例1
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。乾燥空気を吹き込みながら、この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。その後、60℃に温度を下げ、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズAOI)141部、メトキノン0.3部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後60℃で1時間攪拌したのち、シクロヘキサノンを2351部加えた。固形分20%の均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−1が得られた。
合成例2
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。乾燥空気を吹き込みながら、この中に3,5,5−メチルヘキサン酸(協和発酵ケミカル社製キョーワノイック−N)119部、2−アクリロイロキシエチルコハク酸(共栄社化学社製HO-MS)173部、メトキノン0.3部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを2339部加えた。固形分20%の均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−2が得られた。
合成例3
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。乾燥空気を吹き込みながら、この中にオレイン酸198部、メトキノン0.3部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを2022部加えた。固形分20%の均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−3が得られた。
合成例4
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。乾燥空気を吹き込みながら、この中にリカシッドDDSA(新日本理化社製)133部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後、2−メタクリルロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)78部、メトキノン0.3部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを2125部加えた。固形分20%の均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−4が得られた。
合成例5
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にn−オクタン酸361部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。この液状の生成物636部と無水マレイン酸49部、ジメチルベンジルアミン4部、メトキノン0.4部との混合物を、乾燥空気を吹き込みながら再度100℃に加熱して1時間攪拌したのち、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを2740部加えた。固形分20%の均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−5が得られた。
合成例6
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを1786部加えた。固形分20%の均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−6が得られた。
合成例7
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部とイソフタル酸83部との混合物を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを1542部加えた。固形分20%の均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−7が得られた。
合成例8
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジイソプロパノールアミン266部、水酸化カリウム10部、セバシン酸202部を入れて120℃で4時間加熱した。トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物433部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸72部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを1983部加えた。固形分20%の均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−8が得られた。
合成例9
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、1−アミノ−2−ブタノール178部、水酸化カリウム10部を入れ、60℃に加熱したのち、無水コハク酸100部を少しずつ1時間かけて加えた。120℃に昇温し4時間加熱した後、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物260部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にフェニルイソシアネート60部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを1280部加えた。固形分20%の均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−9が得られた。
合成例10
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、エステル結合のメチレン基(δ=4.1付近)と2−エチルヘキサン酸由来のメチル基(δ=0.85付近)の積分比が2:6になっていたことから、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−10を取り出した。
合成例11
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製Primid XL−552)320部を入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−11を取り出した
合成例12
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸216部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−12を取り出した。
合成例13
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸288部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−13を取り出した。
合成例14
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製Primid XL−552)320部を入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。乾燥空気を吹き込みながら、この中に2−エチルヘキサン酸144部、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート(共栄社化学社製ライトアクリレートHOAHH)270部、メトキノン0.4部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−14を取り出した。
合成例15
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。乾燥空気を吹き込みながら、この中に3,5,5−メチルヘキサン酸(協和発酵ケミカル社製キョーワノイック−N)119部、2−アクリロイロキシエチルコハク酸(共栄社化学社製HO-MS)173部、メトキノン0.3部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−15を取り出した。
合成例16
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。乾燥空気を吹き込みながら、この中にリカシッドDDSA(新日本理化社製)133部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後、2−メタクリルロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)78部、メトキノン0.3部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−16を取り出した。
合成例17
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にn−オクタン酸361部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。この液状の生成物636部と無水マレイン酸49部、ジメチルベンジルアミン4部、メトキノン0.4部との混合物を、乾燥空気を吹き込みながら再度100℃に加熱して1時間攪拌した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−17を取り出した。
合成例18
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。この液状の生成物447部に2−アクリルロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズAOI)141部、メトキノン0.3部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後100℃で1時間攪拌した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−18を取り出した。
合成例19
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に3,5,5−メチルヘキサン酸(協和発酵ケミカル社製キョーワノイック−N)158部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた第2の反応容器に、イソホロンジイソシアネート222部、2−ヒドロキシエチルアクリレート116部、テトラブチルチタネート0.1部を加え乾燥空気を吹き込みながら60℃で8時間反応させた。上記のスラリー状生成物461部を第2の反応容器に加え、60℃で8時間反応を行った。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−19を取り出した。
合成例20
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、スベリン酸ジメチル225部、ジエタノールアミン234部、水酸化カリウム10部、トルエン300部を入れ、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、窒素を吹き込みながら加熱還流させ、共沸によって生成する水を除去した。4時間後、トルエンをすべて除去し、1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃に冷却したのち、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−20を取り出した。
合成例21
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、セバシン酸ジメチル256部、ジエタノールアミン234部、水酸化カリウム10部、トルエン300部を入れ、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、窒素を吹き込みながら加熱還流させ、共沸によって生成する水を除去した。4時間後、トルエンをすべて除去し、1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃に冷却したのち、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−21を取り出した。
合成例22
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ドデカン二酸ジメチル287部、ジエタノールアミン234部、水酸化カリウム10部、トルエン300部を入れ、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、窒素を吹き込みながら加熱還流させ、共沸によって生成する水を除去した。4時間後、トルエンをすべて除去し、1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃に冷却したのち、シクロヘキサノンを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−22を取り出した。
合成例23
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、エステル結合のメチレン基(δ=4.1付近)と2−エチルヘキサン酸由来のメチル基(δ=0.85付近)の積分比が2:6になっていたことから、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−23を取り出した。
合成例24
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製Primid XL−552)320部を入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−24を取り出した
合成例25
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸216部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−25を取り出した。
合成例26
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸288部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−26を取り出した。
合成例27
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製Primid XL−552)320部を入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。乾燥空気を吹き込みながら、この中に2−エチルヘキサン酸144部、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート(共栄社化学社製ライトアクリレートHOAHH)270部、メトキノン0.4部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−27を取り出した。
合成例28
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。乾燥空気を吹き込みながら、この中に3,5,5−メチルヘキサン酸(協和発酵ケミカル社製キョーワノイック−N)119部、2−アクリロイロキシエチルコハク酸(共栄社化学社製HO-MS)173部、メトキノン0.3部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−28を取り出した。
合成例29
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。乾燥空気を吹き込みながら、この中にリカシッドDDSA(新日本理化社製)133部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後、2−メタクリルロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)78部、メトキノン0.3部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−29を取り出した。
合成例30
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中にn−オクタン酸361部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。この液状の生成物636部と無水マレイン酸49部、ジメチルベンジルアミン4部、メトキノン0.4部との混合物を、乾燥空気を吹き込みながら再度100℃に加熱して1時間攪拌した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−30を取り出した。
合成例31
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。この液状の生成物447部に2−アクリルロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズAOI)141部、メトキノン0.3部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後100℃で1時間攪拌した。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、60℃に温度を下げ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−31を取り出した。
合成例32
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に3,5,5−メチルヘキサン酸(協和発酵ケミカル社製キョーワノイック−N)158部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた第2の反応容器に、イソホロンジイソシアネート222部、2−ヒドロキシエチルアクリレート116部、テトラブチルチタネート0.1部を加え乾燥空気を吹き込みながら60℃で8時間反応させた。上記のスラリー状生成物461部を第2の反応容器に加え、60℃で8時間反応を行った。1H−NMR測定を行い、目的物が生成していることを確認した。更にIRによっても構造を確認した。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−32を取り出した。
合成例33
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、スベリン酸ジメチル225部、ジエタノールアミン234部、水酸化カリウム10部、トルエン300部を入れ、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、窒素を吹き込みながら加熱還流させ、共沸によって生成する水を除去した。4時間後、トルエンをすべて除去し、1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃に冷却したのち、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−33を取り出した。
合成例34
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、セバシン酸ジメチル256部、ジエタノールアミン234部、水酸化カリウム10部、トルエン300部を入れ、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、窒素を吹き込みながら加熱還流させ、共沸によって生成する水を除去した。4時間後、トルエンをすべて除去し、1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃に冷却したのち、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−34を取り出した。
合成例35
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ドデカン二酸ジメチル287部、ジエタノールアミン234部、水酸化カリウム10部、トルエン300部を入れ、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、窒素を吹き込みながら加熱還流させ、共沸によって生成する水を除去した。4時間後、トルエンをすべて除去し、1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃に冷却したのち、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分20%になるよう調整した。得られた均一な黄褐色透明の光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液A−35を取り出した。
≪カルボキシル基を含有するポリマー(B)の合成≫
合成例36
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にシクロヘキサノン100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20部、メチルメタクリレート10部、n−ブチルメタクリレート55部、ベンジルメタクリレート15部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂溶液を得た。室温に冷却後、シクロヘキサノンで希釈することにより、固形分20%の光重合性官能基を含有しないカルボキシル基を含有するポリマー溶液B−1を得た。重量平均分子量は40000であった。
合成例37
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にシクロヘキサノン100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸25部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部、メチルメタクリレート30部、スチレン25部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器の温度を70℃に冷却し、さらに反応容器内に乾燥空気を導入し、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート24部、シクロヘキサノン36部、ジブチル錫ジラウレート0.1部、メトキノン0.1部を仕込み、その後10時間、同じ温度で攪拌を続けた。室温に冷却後、シクロヘキサノンで希釈することにより、固形分20%の光重合性官能基とカルボキシル基を含有するポリマー溶液B−2を得た。重量平均分子量は42000であった。
合成例38
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にシクロヘキサノン100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸40部、メチルメタクリレート25部、スチレン12.5部、n−ブチルメタクリレート17.5部、2−メトキシエチルアクリレート5部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器内に乾燥空気を導入し、グリシジルメタクリレート25部、シクロヘキサノン37部、ジメチルベンジルアミン1部、メトキノン0.1部を仕込み、その後10時間、同じ温度で攪拌を続けた。室温に冷却後、シクロヘキサノンで希釈することにより、固形分20%の光重合性官能基とカルボキシル基を含有するポリマー溶液B−3を得た。重量平均分子量は41000であった。
合成例39
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にシクロヘキサノン100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でグリシジルメタクリレート68部、メチルメタクリレート17部、n−ブチルメタクリレート7.5部、ベンジルメタクリレート7.5部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け共重合体を得た。続いて、反応容器内に乾燥空気を導入し、アクリル酸55部、シクロヘキサノン83部、ジメチルベンジルアミン1部、メトキノン0.1部を仕込み、その後10時間、同じ温度で攪拌を続けた。さらに、テトラヒドロ無水フタル酸117部を仕込み、その後10時間、同じ温度で攪拌を続けた。室温に冷却後、シクロヘキサノンで希釈することにより、固形分20%の光重合性官能基とカルボキシル基を含有するポリマー溶液B−4を得た。重量平均分子量は44000であった。
比較合成例1
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にシクロヘキサノン100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で2−ヒドロキシエチルメタクリレート55.5部、メチルメタクリレート10部、n−ブチルメタクリレート19.5部、ベンジルメタクリレート15部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂溶液を得た。室温に冷却後、シクロヘキサノンで希釈することにより、固形分20%の水酸基を含有するポリマー溶液B−5を得た。重量平均分子量は38000であった。
≪微細化顔料(F)の製造方法≫
[青色微細化顔料(F−1)]
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(東洋インキ製造社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の青色微細化顔料(F−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は28.3nmであった。
[赤色微細化顔料(F−2)]
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(チバ・ジャパン社製「IRGAZIN RED 2030」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料(F−2)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は24.8nmであった。
[黄色微細化顔料(F−3)]
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、95部の黄色微細化顔料(F−3)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は39.2nmであった。
[緑色微細化顔料(F−4)]
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 36(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)120部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117部の緑色微細化顔料(F−4)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は32.6nmであった。
[紫色微細化顔料(F−5)]
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(Clariant社製「Fast Violet RL」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で18時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、118部の紫色微細化顔料(F−5)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は26.4nmであった。
≪造塩樹脂(C1)の製造方法 ≫
[造塩樹脂(C1−1)の製造方法]
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n−ブチルメタクリレート28.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6830である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%の造塩樹脂(C1−1)を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
[造塩樹脂(C1−2)の製造方法]
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール62.4 部を仕込み、窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、エチルメタクリレート32.1部、n−プロピルメタクリレート25.1部、ラウリルメタクリレート25.1部、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド17.7部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を5.7部、およびメチルエチルケトン15.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7420である事を確認し、50℃へ冷却した。その後、イソプロピルアルコールを72部加え、樹脂成分が40重量%の造塩樹脂(C1−2)を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は45mgKOH/gであった。
[造塩樹脂(C1−3)の製造方法]
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、イソプロピルメタクリレート27.5部、ベンジルメタクリレート25.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート27.5部、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン20.0部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.7部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6770である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化ベンジル15.7部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が50重量%の造塩樹脂(C1−3)を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は60mgKOH/gであった。
[造塩樹脂(C1−4)の製造方法]
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール62.4 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート25.0部、ステアリルメタクリレート25.0部、シクロヘキシルメタクリレート20.0部、ブレンマーPE90(日油社製、ジエチレングリコールモノメタクリレート)を15.0部、Nービニルピロリドン20.0部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を4.7部、およびイソプロピルアルコール15.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7550である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル9.0部、イソプロピルアルコール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。その後、イソプロピルアルコールを50部加え、樹脂成分が44重量%の造塩樹脂(C1−4)を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は92mgKOH/gであった。
[造塩樹脂(C1−5)の製造方法]
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン82.0 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、エチルメタクリレート23.5部、t−ブチルメタクリレート26.0部、ラウリルメタクリレート25.0部、カヤマーPM−21(日本化薬社製、ε−カプロラクロン1mol付加2−ヒドロキシエチルメタクリレートのリン酸エステル)を10.0部、ジエチルアミノプロピルメタクリレート17.5部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.0部、およびメチルエチルケトン25.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7010である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が48重量%の造塩樹脂(C1−5)を得た。得られた樹脂のアミン塩価は49mgKOH/gであった。
[造塩樹脂(C1−6)の製造方法]
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール75.1部を仕込み、窒素気流下で沸点に昇温した。別途、メチルメタクリレート15.7部、n−ブチルメタクリレート27.3部、2−エチルヘキシルメタクリレート27.3部、ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、メタクリル酸2.5部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩12.2部、および別途メチルエチルケトン23.4部に溶解した2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10.0部を、均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、50℃へ冷却した。その後、メタノールを14.3部加え、樹脂成分が40重量%の側鎖にカチオン性基を有するTgが33℃の樹脂(C1−6)を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は33mgKOH/gであった。
≪造塩化合物の製造方法≫
[造塩化合物(Z−1)]
下記の手順でC.I.アシッド レッド289と造塩樹脂(C1−1)とからなる造塩化合物(A1−1)を作製した。
水2000部に51部の側鎖に造塩樹脂(C1−1)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド289と造塩樹脂(C1−1)との造塩化合物(Z−1)を得た。このとき造塩化合物(Z−1)中のC.I.アシッド レッド289に由来する有効色素成分の含有量は29重量%であった。
[造塩化合物(Z−2)]
下記の手順でC.I.アシッド レッド289と造塩樹脂(C1−2)とからなる造塩化合物(Z−2)を作製した。
10%のメタノール水溶液2000部に88部の造塩樹脂(C1−2)添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、43部のC.I.アシッド レッド 289と造塩樹脂(C1−2)との造塩化合物(Z−2)を得た。このとき造塩化合物(A1−2)中のC.I.アシッド レッド289に由来する有効色素成分の含有量は22重量%であった。
[造塩化合物(Z−3)]
下記の手順でC.I.アシッド レッド289と造塩樹脂(C1−3)とからなる造塩化合物(Z−3)を作製した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の造塩樹脂(C1−3)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの造塩樹脂(C1−3)溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.アシッド レッド289と造塩樹脂(C1−3)との造塩化合物(Z−3)を得た。このとき造塩化合物(A1−3)中のC.I.アシッド レッド289に由来する有効色素成分の含有量は30重量%であった。
[造塩化合物(Z−4)]
下記の手順でC.I.アシッド レッド289と造塩樹脂(C1−4)とからなる造塩化合物(Z−4)を作製した。
1000部の水に20.0部の造塩樹脂(C1−4)を溶解させた溶液を調製し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、19部のC.I.アシッド レッド289と造塩樹脂(C1−4)との造塩化合物(Z−4)を得た。このとき造塩化合物(Z−4)中のC.I.アシッド レッド289に由来する有効色素成分の含有量は53重量%であった。
[造塩化合物(Z−5)]
下記の手順でC.I.アシッド レッド289と側鎖に造塩樹脂(C1−5)とからなる造塩化合物(Z−5)を作製した。
20%酢酸2000部に63.2部の造塩樹脂(C1−5)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱し、側鎖の3級アミノ基のアンモニウム塩化を行う。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどのアンモニウム塩化された樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、38部のC.I.アシッド レッド289と造塩樹脂(C1−5)との造塩化合物(Z−5)を得た。このとき造塩化合物(Z−5)中のC.I.アシッド レッド289に由来する有効色素成分の含有量は23重量%であった。
[造塩化合物(Z−6)]
下記の手順でC.I.アシッド ブルー112と造塩樹脂(C1−1)とからなる造塩化合
物(Z−6)を製造した。
10%のメタノール水溶液2000部に88部の造塩樹脂(C1−1)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド ブル
ー112を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、43部のC.I.アシッド ブルー 112と造塩樹脂(C1−
1)との造塩化合物(Z−6)を得た。このとき造塩化合物(Z−6)中のC.I.アシッド
ブルー112に由来する有効色素成分の含有量は22重量%であった。
[造塩化合物(Z−7)]
下記の手順でC.I.アシッド ブルー93と造塩樹脂(C1−1)とからなる造塩化合物
(A1−7)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の造塩樹脂(C1−1)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド ブルー 93を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ
滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.アシッド レッド 9
3と造塩樹脂(C1−1)との造塩化合物(Z−7)を得た。このとき造塩化合物(Z−7)中のC.I.アシッド ブルー93に由来する有効色素成分の含有量は30重量%であった。
[造塩化合物(Z−8)]
下記の手順でC.I.アシッド レッド249と造塩樹脂(C1−1)とからなる造塩化合
物(Z−8)を製造した。
20%酢酸2000部に63.2部の造塩樹脂(C1−1)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱し、側鎖の3級アミノ基のアンモニウム塩化を行う。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド249を溶解させた水溶液を調製し、先ほどのアンモニ
ウム塩化された樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、38部のC.I.アシッド レッド249と造塩樹脂(C1−1)との造塩化合物(Z−8)を得
た。このとき造塩化合物(Z−8)中のC.I.アシッド レッド249に由来する有効色素成分の含有量は23重量%であった。
[造塩化合物(Z−9)]
下記の手順でC.I.アシッド イエロー5と造塩樹脂(C1−1)とからなる造塩化合物(Z−9)を作製した。
水2000部に51部の造塩樹脂(C1−1)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のアシッド イエロー5を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のアシッド イエロー5と造塩樹脂(C1−1)との造塩化合物(Z−9)を得た。このとき造塩化合物(Z−9)中のC.I.アシッド イエロー5に由来する有効色素成分の含有量は33重量%であった。
[造塩化合物(Z−10)]
下記の手順でC.I.ダイレクト ブルー86とDisperbyk−2000(ビックケ
ミー・ジャパン社製、変性アクリル系ブロック共重合物、アンモニウム塩価61mgKOH/g)とからなる造塩化合物(Z−10)を製造した。
水2000部に50.9部のDisperbyk−2000を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ダイレクト ブルー86を
溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、31部のC.I.ダイレクト ブルー86とDisperbyk−2000
との造塩化合物(Z−10)を得た。このとき造塩化合物(Z−10)中のC.I.ダイレクト ブルー86に由来する有効色素成分の含有量は33重量%であった。
[造塩化合物(Z−11)]
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289とジステアリルジメチルアンモニウムクロ
リド(コータミンD86P)とからなる造塩化合物(Z−11)を作製した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に11.5部のコータミンD86Pを添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッ
ド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、17部のC.I.アシッド レッド 289とコータミン
D86Pとの造塩化合物(Z−11)を得た。このとき造塩化合物(Z−11)中のC.I.
アシッド レッド289に由来する有効色素成分の含有量は42重量%であった。
[造塩化合物(Z−12)]
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289と造塩樹脂(C1−6)とからなる造塩化合物(Z―12)を製造した。
水2000部に51部の造塩樹脂(C1−6)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過と水洗によって造塩樹脂の対アニオンとC.I.アシッド レッド 289の対カチオンとからなる塩を除去した後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 289と造塩樹脂(C1−6)との造塩化合物(Z−12)を得た。
[造塩化合物(Z−13)]
下記の手順でC.I.アシッド レッド52と造塩樹脂(C1−1)とからなる造塩化合物(Z−13)を作製した。
水2000部に50部の側鎖に造塩樹脂(C1−1)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド289と造塩樹脂(C1−1)との造塩化合物(Z−13)を得た。
[造塩化合物(Z−14)]
下記の手順でC.I.アシッド レッド 52と造塩樹脂(C1−6)とからなる造塩化合物(Z―14)を製造した。
水2000部に50部の造塩樹脂(C1−6)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過と水洗によって造塩樹脂の対アニオンとC.I.アシッド レッド 52の対カチオンとからなる塩を除去した後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 52と造塩樹脂(C1−6)との造塩化合物(Z−14)を得た。
≪顔料分散体の製造方法≫
[青色顔料分散体(G−B)]
下記に示した組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し青色顔料分散体(G−B)を得た。
・青色微細化顔料(F−1) :18.0部
・銅フタロシアニン誘導体 : 2.0部
・樹脂型顔料分散剤 : 8.0部
(ビックケミー・ジャパン社製 BYK−111)
・ポリマー溶液(B−1) :60.0部
・シクロヘキサノン :12.0部
[赤色顔料分散体(G−R)]
下記の組成の混合物を使用し、青色顔料分散体(G−B)と同様にして赤色顔料分散体(G−R)を得た。
・赤色微細化顔料(F−2) :10.0部
・アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177) : 2.0部
(チバ・ジャパン社製「クロモフタールレッドA2B」)
・黄色微細化顔料(F−3) : 4.0部
・ジケトピロロピロール系顔料誘導体 : 4.0部
・樹脂型顔料分散剤 : 8.0部
(日本ルーブリゾール社製「ソルスパース 20000」)
・ポリマー溶液(B−1) :60.0部
・シクロヘキサノン :12.0部
[緑色顔料分散体(G−G)]
下記の組成の混合物を使用し、青色顔料分散体(G−B)と同様にして緑色顔料分散体(G−G)を得た。
・緑色微細化顔料(F−4) :13.5部
・黄色微細化顔料(F−3) : 6.5部
・樹脂型顔料分散剤 : 8.0部
(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」)
・ポリマー溶液(B−1) :60.0部
・シクロヘキサノン :12.0部
[紫色顔料分散体(G−V)]
下記の組成の混合物を使用し、青色顔料分散体(G−B)と同様にして紫色顔料分散体(G−V)を得た。
・紫色微細化顔料(F−5) :20.0部
・樹脂型顔料分散剤 : 8.0部
(ビックケミー・ジャパン社製 BYK−111)
・ポリマー溶液(B−1) :60.0部
・シクロヘキサノン :12.0部
<造塩化合物溶液の製造方法>
[造塩化合物溶液(ZS−1)]
下記の混合物を均一になるようにディスパーにて攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過し造塩化合物溶液(ZS−1)を得た。
・造塩化合物(Z−1) :10.0部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):90.0部
[造塩化合物溶液(ZS−2〜14)]
以下、表1に示す造塩化合物に変更した以外は、造塩化合物溶液(ZS−1)と同様にして、造塩化合物溶液(ZS−2〜14)を作製した。
このときの色素成分の含有量も表1に示す。
ここで色素含有量aは、造塩化合物(Z)中の有効色素成分含有量(重量%)をあらわし、また色素含有量bは、造塩化合物溶液中の有効色素成分含有量(重量%)をあらわす。
<感光性着色組成物の調製>
以下、感光性着色組成物(以下レジスト材)の調製方法について説明する。構成材料の略号について表2に記載した。
[実施例1]
(感光性着色組成物(レジスト材R−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過、混合し感光性着色組成物(レジスト材R−1)を得た。
造塩化合物溶液(ZS−1) :40.0部
β−ヒドロキシアルキルアミド(A−1) : 6.0部
ポリマー溶液(B−2) :22.8部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) :31.2部
レベリング剤(N−1) :0.005部
[実施例2〜60、比較例1〜5]
(感光性着色組成物(レジスト材R−2〜65))
表3および4に示す処方比率で、各種配合を変更した以外は、レジスト材R−1と同様にして感光性着色組成物(レジスト材R−2〜65)を得た。
得られたカラーフィルタ用レジスト材について、透明性、耐薬品性、硬度、密着性、絶縁性、パターニング適性、経時保存安定性を、下記の方法で評価した。結果を表5に示す。
[透明性の評価(ヘイズ測定)]
カラーフィルタ用レジスト材を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製ガラス イーグル2000)に、スピンコーターを用いて150℃、20分加熱後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布した基板を得た。次に、減圧乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて、照度20mW/cm2、露光量50mJ/cm2で紫外線露光を行った。塗布基板を150℃で20分加熱、放冷後、ヘイズメーターNDH−2000(東京電色社製)測定装置を用いて、ヘイズ値を測定した。評価のランクは次の通りである。
○;ヘイズ値 0.5%未満 :良好なレベル
△;ヘイズ値 0.5%以上1.5%未満 :○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×;ヘイズ値 1.5%以上 :実用には適さないレベル
[薬品耐性評価]
ヘイズの測定用に作製したものと同じ方法で得た基板の色度を測定した。基板をN−メチルピロリドン溶液に30分室温で浸漬した後、イオン交換水で洗浄、風乾した。その後、基板の色度を測定し、色差ΔEを計算した。なお、色度はC光源を用いた顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)で測定した。評価のランクは次の通りである。
○:ΔE≦1.5 :良好なレベル
△:1.5<ΔE≦3 :○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:3<ΔE :実用には適さないレベル
[耐熱性評価]
ヘイズの測定用に作製したものと同じ方法で得た基板の色度を測定した。さらに基板を250℃60分加熱、放冷後、基板の色度を再び測定し、色差ΔEを計算した。評価のランクは次の通りである。
○:ΔE≦1.5 :良好なレベル
△:1.5<ΔE≦3 :○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:3<ΔE :実用には適さないレベル
[ガラスに対する密着性の測定]
ヘイズの測定用に作製したものと同じ方法で得た基板について、JIS K5600−5−6に準じた付着性(クロスカット法)試験により塗膜の密着性を評価し、碁盤目25個中の剥離個数を数えた。
○;碁盤目の剥離個数 2個未満 :良好なレベル
△;碁盤目の剥離個数 2個以上10個以下 :○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×;碁盤目の剥離個数 10個より多い :実用には適さないレベル
[パターニング時の感度]
カラーフィルタ用レジスト材をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中70℃で15分間加温して溶剤を除去し、約2μmの塗膜を得た。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、100μm幅(ピッチ200μm)ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中150℃で30分間加熱した。スプレー現像は、それぞれの感光性組成物での塗膜について、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行い、これを適正現像時間とした。塗膜の膜厚は、Dektak 3030(日本真空技術社製)を用いて行った。形成された100μmフォトマスク部分でのパタ−ン膜厚を測定し、塗工後膜厚に対して90%以上となる最小露光量を評価した。最小露光量が小さい程、高感度で良好な感光性組成物となる。評価のランクは次の通りである。
○:50mJ/cm2未満 :良好なレベル
△:50mJ/cm2以上100mJ/cm2未満 :○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:100mJ/cm2以上 :実用には適さないレベル
××:パターン形成できず :実用には適さないレベル
[パターン剥がれの評価]
上記感度評価に作製した基板について、100μmフォトマスク部分でのパタ−ンについて、光学顕微鏡を用いて観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
○:剥がれや欠けがなく良好 :良好なレベル
△:剥がれはないが部分的に欠けが発生 :○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:剥がれや欠けが多数発生 :実用には適さないレベル
[保存安定性評価]
カラーフィルタ用レジスト材について、初期および室温1ヵ月後の粘度を測定し、初期粘度に対する粘度増加度合いを算出して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
○:粘度増加の割合が5%未満で良好 :良好なレベル
△:粘度増加の割合が5%以上、10%未満 :○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×:粘度増加の割合が10%以上 :実用には適さないレベル
表5に示すように実施例1〜60のカラーフィルタ用感光性組成物はいずれも透明性、薬品耐性、耐熱性、密着性、パターニング時の感度、パターン剥がれ、保存安定性がいずれも良好であった。
実施例2〜60の感光性組成物は、光重合性単量体(D)を含むため、パターニング時の感度がより優れていた。また、実施例7〜55、および57〜60において,顔料との併用においても優れた特性であることがわかる。
比較例1〜5のレジスト材は、上記の物性のいずれかが不良な結果となり、すべてが実用レベルを満たすものは得られなかった。
比較例1〜3はβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)が含まれていないが、これらは耐薬品性および耐熱性に劣り,実用には不適当な結果となった。
比較例4、5は、カルボキシル基を含有するポリマー(B)が含まれない組み合わせである。特に比較例4において大幅に感度が低下しパターニングができなかった。カルボキシル基を含有するポリマー(B)が存在しない場合、熱硬化反応が進まなかったために薬品耐性や耐熱性が劣る結果となったと考察される。
以上のように、少なくともβ−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、カルボキシル基を含有するポリマー(B)と、染料(C)とからなるカラーフィルタ用着色組成物の組合せにより、耐性に優れた、高品質のカラーフィルタを得ることができる。

Claims (9)

  1. β−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、カルボキシル基を含有するポリマー(B)と、染料(C)を含んでなる着色剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、
    上記β−ヒドロキシアルキルアミド(A)が、下記一般式(1)で表される化合物であって、
    下記ヒドロキシル基と反応しうる官能基が、カルボキシル基、イソシアネート基、カルボン酸無水物基、酸ハロゲン化物基、カルボン酸三級アルキルエステル基、ヒドロキシメチルアミノ基、アルコキシシリル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。

    一般式(1)


    [[式中、Xは炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、又はハロゲンからなるn価の基であり、nは2〜6の整数であり、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、一般式(2)で表される基、または一般式(3)で表される基を表し、1以上の窒素原子に結合する1以上のR1およびR2のうち、少なくとも1つは一般式(2)で表される基である。]

    一般式(2)


    一般式(3)

    [式中、R3〜R6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、またはヒドロキシル基で置換された炭化水素基を表し、R7はヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物の残基を表す。]]。
  2. β−ヒドロキシアルキルアミド(A)またはカルボキシル基を含有するポリマー(B)の少なくとも一方が、光重合性官能基を含有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. さらに、光重合性単量体(D)および/または光重合開始剤(E)を含有する、請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. 上記ヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物が、単官能イソシアネート又は単官能カルボン酸であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. 上記ヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物が、下記一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。

    一般式(4)

    [式中、R8は炭素数2〜18の直鎖状、環状または分岐状の飽和または不飽和炭化水素
    基である。]

    一般式(5)

    [式中、R9は水素原子またはメチル基であり、R10は炭素数2〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基であり、R11は炭素数2〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基である。]

    一般式(6)

    [[式中、R12は水素原子またはメチル基であり、R13は一般式(7)で表される基、または一般式(8)で表される基である。]
    一般式(7)

    [式中、n1は1〜2の整数である。]

    一般式(8)

    [式中、R14は炭素数2〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基であり、R15は炭素数6〜13の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、2価の脂環族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基である。]]
  6. 上記ヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物が、光重合性官能基を有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. β−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、カルボキシル基を含有するポリマー(B)と、染料(C)を含んでなる着色剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物の製造方法であって、
    上記β−ヒドロキシアルキルアミド(A)が、下記一般式(1)で表される化合物であって、
    下記ヒドロキシル基と反応しうる官能基が、カルボキシル基、イソシアネート基、カルボン酸無水物基、酸ハロゲン化物基、カルボン酸三級アルキルエステル基、ヒドロキシメチルアミノ基、アルコキシシリル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種であって、
    上記β−ヒドロキシアルキルアミド(A)が、(a−1)2価以上のカルボン酸またはその誘導体と、(a−2)β位にヒドロキシル基を1つ以上有する1級または2級アミンと、をアミド化してなる(a−3)β−ヒドロキシアルキルアミドのヒドロキシル基の一部を、(a−4)ヒドロキシル基と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物と反応させて得られた化合物であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物の製造方法。

    一般式(1)

    [[式中、Xは炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、又はハロゲンからなるn価の基であり、nは2〜6の整数であり、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、一般式(2)で表される基、または一般式(3)で表される基を表し、1以上の窒素原子に結合する1以上のR1およびR2のうち、少なくとも1つは一般式(2)で表される基である。]

    一般式(2)


    一般式(3)

    [式中、R3〜R6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、またはヒドロキシル基で置換された炭化水素基を表し、R7はヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物の残基を表す。]]
  8. β−ヒドロキシアルキルアミド(A)と、カルボキシル基を含有するポリマー(B)と、染料(C)を含んでなる着色剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物の製造方法であって、
    上記β−ヒドロキシアルキルアミド(A)が、一般式(1)で表される化合物であって、下記ヒドロキシル基と反応しうる官能基が、カルボキシル基、イソシアネート基、カルボン酸無水物基、酸ハロゲン化物基、カルボン酸三級アルキルエステル基、ヒドロキシメチルアミノ基、アルコキシシリル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種であって、
    上記染料(C)が、カチオン性基を有する樹脂である造塩樹脂とアニオン性染料とを反応させてなる造塩化合物(Z4)であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物の製造方法。

    一般式(1)

    [[式中、Xは炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、又はハロゲンからなるn価の基であり、nは2〜6の整数であり、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、一般式(2)で表される基、または一般式(3)で表される基を表し、1以上の窒素原子に結合する1以上のR 1 およびR 2 のうち、少なくとも1つは一般式(2)で表される基である。]

    一般式(2)


    一般式(3)

    [式中、R 3 〜R 6 はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、またはヒドロキシル基で置換された炭化水素基を表し、R 7 はヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物の残基を表す。]]
  9. 透明基板上に、請求項1〜6いずれか記載の着色組成物から形成されるフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを備えることを特徴とするカラーフィルタ。
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