JP6127389B2 - セメント組成物及びゴムの接着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント組成物及びゴムの接着方法に関し、更に詳しくはタックおよび耐油性に優れ、高い接着力を有し、マリンホースに好適に用いることができるセメント組成物及びゴムの接着方法に関する。
例えば原油等の油を海中のパイプライン施設から海洋上のタンカーに輸送したり、海洋上のタンカーから貯蔵施設に石油を輸送するために使用する液体輸送用ホースとしてマリンホースが用いられている。
マリンホースは、可撓性を有するホース本体と、ホース本体の両端部に設けられ、ホース本体の端部を他のホース本体の端部と連結するための連結部材とを備える。そして、複数のマリンホースは連結部材を介して連結した状態で、例えば海上のタンカーと陸上の貯蔵施設との間を接続し、原油を輸送するようにしたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
ホース本体は、例えば、径方向内側から順に、インナーチューブゴム層、耐圧コード層、浮力材層、カバーゴム層とを有する。インナーチューブゴム層は、NBR等の耐油性を有するゴム材料からなる。耐圧コード層は、ポリエステル、ナイロンまたは金属等からなるコード入りの耐油性を有するゴムシートである。浮力材層は、海上においてホース本体に浮力を付与するための発泡ポリエチレン、発泡ウレタン等のスポンジ状の部材からなる。カバーゴム層は、SBR、CR、NR等のゴム材料からなり、ホース本体の外周面を覆っている。また、連結部材は、鉄など金属製の円筒状の部材からなり、一端側にフランジが設けられ、他端側にホース本体の端部が嵌合している。
マリンホースは、例えば、FPSO(Floating Production Storage and Offloading、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)にリール巻取式で設置され、不使用時には、複数のマリンホースが連結された状態で、円筒状のリールに巻き付けられて収納されるようになっている。
また、マリンホースは特殊な大口径の高圧ホースであり、マリンホースは、高圧で送り出される石油などの流体がホース外部へ漏洩して海水汚染の事故を生じないような構造にする必要がある。そのため、マリンホースはホース本体のインナーチューブゴム層と連結するホース本体の端部の連結部材にプライマー層を形成し、このプライマー層の上にセメント組成物を塗布してセメント層を形成し、耐油性を有すると共に、インナーチューブゴム層と連結部材との接着力を維持するようにしていた。
特開2010−266039号公報
しかしながら、従来のセメント組成物はタックが低く成形性が十分でない場合があった。すなわち、セメント組成物の成形性が十分でないと、ホース本体のインナーチューブゴム層と連結部材との接着力が低下するため、マリンホースをリールへ巻き付ける時に生じる引張力や、マリンホースの自重によりホース本体が弾性変形した際に、ホース本体のインナーチューブゴム層と連結部材とで剥離する虞がある。そのため、安全性を考慮して石油等がホース外部へ漏洩する前に、定期的に新しいマリンホースと交換する必要があった。
このように、マリンホースを用い、石油等を安全に輸送するためにも耐油性およびタックに優れ、高い接着力を有するセメント組成物の出現が切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、耐油性およびタックに優れ、高い接着力を有するセメント組成物及びゴムの接着方法を提供することを目的とする。
本発明は、次に示す(1)〜()である。
(1) アクリロニトリル−ブタジエンゴムとストレートタイプのキシレン樹脂と加硫剤とを含み、前記ストレートタイプのキシレン樹脂の含有量が前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム100質量部に対して25質量部以上50質量部以下であるゴム組成物を、溶媒に溶解してなることを特徴とする金属を含む被着物とゴム層との接着に用いられる接着剤
(2) フェノール樹脂を含む溶液を用いて形成されるプライマー層に塗布されることを特徴とする上記(1)に記載の接着剤
) 前記プライマー層とは異なる面に、前記ゴム層が形成されることを特徴とする上記()に記載の接着剤
) 前記ゴム層は、アクリロニトリル−ブタジエンゴムであることを特徴とする上記()に記載の接着剤
) フェノール樹脂を含む溶液を用いて金属を含む被着物の上に形成されたプライマー層に、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとストレートタイプのキシレン樹脂と加硫剤とを含み、前記ストレートタイプのキシレン樹脂の含有量が前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム100質量部に対して25質量部以上50質量部以下であるゴム組成物を溶媒に溶解した接着剤を塗布し、前記接着剤の上にゴム成分を含む組成物を成型した後、加熱して前記被着物と前記組成物とを接着することを特徴とするゴムの接着方法。
) 前記ゴム成分は、アクリロニトリル−ブタジエンゴムであることを特徴とする上記()に記載のゴムの接着方法。
本発明によれば、耐油性およびタックに優れ、高い接着力を有することができる。
図1は、マリンホースの側面の一部を簡略に示す概略断面図である。 図2は、マリンホースがリールに巻き付けられる状態を示す側面図である。
以下、この発明について詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
<セメント組成物>
本実施形態に係るセメント組成物(以下、「本実施形態の組成物」という。)は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(acrylonitrile-butadiene rubber:NBR)とキシレン樹脂とを含み、キシレン樹脂の含有量がNBR100質量部に対して25質量部以上50質量部以下であるゴム組成物を、溶媒に溶解してなることを特徴とするセメント組成物である。
ゴム組成物は、NBRとキシレン樹脂とを含む。
キシレン樹脂は、m−キシレンをベースとしたオリゴマーで、メチレン基やエーテル結合で架橋した基本樹脂である。キシレン樹脂は、m−キシレンとホルムアルデヒドとから得られるストレートタイプの樹脂と、このストレートタイプの樹脂に第三成分としてフェノール類や多価アルコール類等と反応させて得られる変性タイプの樹脂とに分類される。キシレン樹脂は、各種樹脂との相溶性に優れ、ほとんどの主樹脂に相溶し、主樹脂の低粘度化あるいは耐水性・耐湿性の向上を図れる。キシレン樹脂は、市販のものが使用でき、ストレートタイプとしては、例えば、フドー株式会社社製のニカノールY−50、ニカノールY−1000、ニカノールLLL、ニカノールLL、ニカノールL、ニカノールH、ニカノールHH、ニカノールG、ニカノールH−80等が挙げられる。これらを2種以上併用して使用してもよい。好ましいものは数平均分子量200〜750、25℃における粘度が5mPa・s〜1,000mPa・sのものであり、例えばニカノールY−1000が挙げられる。また、変性タイプとしては、例えば、フドー株式会社製のニカノール Kシリーズ、HPシリーズ、NP・Pシリーズ、PRシリーズが挙げられる。
キシレン樹脂の含有量は、NBR100質量部に対して25質量部以上50質量部以下であり、好ましくは30質量部以上37質量部以下である。キシレン樹脂の含有量は25質量部以上50質量部以下とすることで、ゴム組成物を溶媒に溶解してセメント組成物とすることが可能となる。
本実施形態の組成物は、ゴム組成物を溶媒に溶解させている。本実施形態においては、溶媒は、ゴム組成物あるいはフェノール樹脂を溶解する溶液であれば特に限定されるものではなく、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。溶媒は、これらの中から一種又は2種以上を組合わせて用いることができる。中でも、溶媒は、ゴム組成物あるいはフェノール樹脂を良く溶解し、溶液の貯蔵安定性が良いという観点から、メチルエチルケトンであることが好ましい。ゴム組成物を溶媒に溶解させることにより、本実施形態の組成物を被着物又は被着物上に形成したプライマー層に塗布することを可能としている。
本実施形態の組成物は、上述した各成分以外に、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤等の架橋剤や加硫遅延剤を含有していてもよく、必要に応じて本発明の目的を損わない範囲で、各種配合剤を含有していてもよい。
加硫剤としては、例えば、イオウ系、金属酸化物系、有機過酸化物系、フェノール樹脂、キノンジオキシム等の加硫剤が挙げられる。イオウ系加硫剤としては、具体的には、例えば、粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等が挙げられる。また、その他として、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、リサージ、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、ポリ−p−ジニトロソベンゼン、メチレンジアニリン等が挙げられる。
加硫促進剤としては、例えば、アルデヒド・アンモニア系、グアニジン系、チオウレア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系等の加硫促進剤が挙げられる。アルデヒド・アンモニア系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、ヘキサメチレンテトラミン(H)等が挙げられる。また、グアニジン系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、ジフェニルグアニジン等が挙げられる。また、チオウレア系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、エチレンチオウレア等が挙げられる。また、チアゾール系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾールおよびそのZn塩等が挙げられる。また、スルフェンアミド系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)等が挙げられる。また、チウラム系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。また、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、Na−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等が挙げられる。
加硫助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができ、例えば、ステアリン酸やオレイン酸およびこれらのZn塩等が挙げられる。
加硫遅延剤としては、具体的には、例えば、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸などの有機酸;N−ニトロソージフェニルアミン、N−ニトロソーフェニル−β−ナフチルアミン、N−ニトロソ−トリメチル−ジヒドロキノリンの重合体などのニトロソ化合物;トリクロルメラニンなどのハロゲン化物;2−メルカプトベンツイミダゾール;サントガードPVI:等が挙げられる。
また、配合剤としては、具体的には、例えば、補強剤(充填剤)、老化防止剤、酸化防止剤、可塑剤、揺変成付与剤、紫外線吸収剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、防錆剤、接着付与剤、帯電防止剤、反応性希釈剤、硬化触媒、顔料、染料、乾性油等が挙げられる。これらの配合剤は、ゴム用組成物用の一般的なものを用いることができる。それらの配合量も特に制限されず、任意に選択できる。
本実施形態の組成物の製造方法は特に限定されず、例えば従来公知の方法で製造することができる。本実施形態の組成物の製造は、上述したNBR、所定量のキシレン樹脂、および必要に応じて所望により含有する各種配合剤をバンバリーミキサーやロール等で混練した後、溶媒に溶解させる。
本実施形態の組成物は、被着物とゴム層とを接着するために用いることができる。本実施形態の組成物は、好ましくは被着物に予め形成したプライマー層とゴム層との間に設けられる。被着物に予め形成したプライマー層に本実施形態の組成物を塗布し、その上にゴム成分を含む組成物を成型した後、加熱して被着物と前記組成物とを接着することで、プライマー層の表面にはセメント層とゴム層とが形成される。
被着物を形成する材料としては、例えば鉄、合金などの金属が好適に用いられる。
プライマー層は、フェノール樹脂を含む溶液を用いて形成される層である。
ゴム層としては、NBR等の耐油性を有するゴム成分が用いられる。
本実施形態の組成物を用いたゴムの接着方法は、プライマー層に、セメント組成物を塗布し、セメント組成物にゴム成分を含む組成物を成型した後、加熱して被着物と前記組成物とを接着するものである。
また、本実施形態の組成物を用いたゴムの接着方法は、ゴムと硬質部材とを接着させるものであれば、あらゆる用途に用いることができるが、例えば、石油搬送用のマリンホース等に好適に用いることができる。
このように、本実施形態の組成物は、NBRとキシレン樹脂とを各々所定量含有するゴム組成物を溶媒に溶解させたものであり、耐油性およびタックに優れ、高い接着力を有する。このため、プライマー層とゴム層との間に本実施形態の組成物をセメントとして形成することにより、プライマー層とゴム層との間に優れた接着性能を得ることができる。そのため、本実施形態の組成物をマリンホースなどのセメントとして用いた場合、優れた接着性能を有するため、長期間に渡って安定して使用することができる。
<マリンホース>
次ぎに、本実施形態の組成物をマリンホースのホース本体の端部と連結部材との間のセメントとして用いた場合について、説明する。図1は、マリンホースの側面の一部を簡略に示す概略断面図である。図1に示すように、マリンホース10は、可撓性を有するホース本体11と、ホース本体11の両端部に設けられ、ホース本体11の端部を他のホース本体11の端部と連結するための連結部材12とを有する。
マリンホース10は、海上に停泊しているタンカーと陸上のタンクなどの貯蔵施設とを接続し、タンカーとタンクとの間で原油を輸送するときに用いられるものである。通常、複数のマリンホース10が連結部材12を介して連結されている。また、マリンホース10を使用しない場合において、連結された状態の複数のマリンホース10は、図2に示すように、円筒状のリールREに巻き付けられてタンカーや陸上に収納されるようになっている。
ホース本体11は、図1に示すように、インナーチューブゴム層13と、耐圧コード層14と、浮力材層15と、カバーゴム層16とを径方向内側から順に有している。インナーチューブゴム層13は、NBR等の耐油性を有するゴム成分で形成される。耐圧コード層14は、ポリエステル、ナイロンまたは金属等からなるコード入りの耐油性を有するゴムシートである。浮力材層15は、海上においてホース本体11に浮力を付与するための発泡ポリエチレン、発泡ウレタン等のスポンジ状の部材で形成される。カバーゴム層16は、SBR、CR、NR等のゴム成分で形成され、ホース本体11の外周面を覆っている。
ホース本体11は、例えば、内径約500ミリメートル(20インチ)、外径約1000ミリメートルに形成される。
連結部材12は、鉄、合金など金属製の円筒状の部材からなり、一端側にフランジ21が設けられ、他端側にホース本体11の端部が嵌合している。フランジ21には、連結部材12と他のマリンホース10の連結部材12とをボルトで固定するための複数のボルト孔21aが設けられている。
ホース本体11の端部と連結部材12との間には、プライマー層23とセメント層24とが設けられる。プライマー層23は、フェノール樹脂を含む溶液を用いて形成される層である。セメント層24は、本実施形態の組成物を用いて形成される層である。
このように、マリンホース10は、ホース本体11の端部と連結部材12との間に設けるセメント層24に本実施形態の組成物を用いているため、セメント層24は耐油性およびタックに優れ、高い接着力を有する。このため、複数のマリンホース10を連結部材12を介して連結した状態で筒状のリールREに巻き付ける際等においてもマリンホース10は連結部材12と優れた接着性能を有するため、マリンホース10をリールREへ巻き付ける時に生じる引張力や、マリンホース10の自重によりホース本体11が弾性変形した際にでも、ホース本体11のインナーチューブゴム層13と連結部材12とで剥離するのを抑制することができる。このため、マリンホース10は、長期間に渡って安定して使用することができると共に、製造コストの低減を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、ホース本体11は浮力材層15を有するものを用いて説明したが、これに限定されるものではなく、浮力材層15を有しないホース本体11を用いる場合でも本実施形態の組成物はセメント層24として同様に適用可能である。
以下、本実施形態の組成物を実施例により具体的に説明する。ただし、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
<セメント組成物の作製>
表1に示す各成分を同表に示す添加量(質量部)で配合し、これらを均一に混合して、表1に示される各ゴム組成物を作製した。次にゴム組成物をMEKに溶解して各セメント組成物を作製した。各々の実施例、比較例における各成分の添加量(質量部)を表1に示す。
<試験方法>
上記のようにして得られた各セメント組成物を用いて、以下に示す方法により、ゴム組成物の混合加工性、セメント出来具合及びタックと、セメント組成物を用いて得られるセメントの接着性能及び耐油性とを評価した。各々の実施例、比較例における試験結果を表1に示す。
[ゴム組成物の混合加工性]
各ゴム組成物に含まれるNBRと配合剤との混合具合を下記の判断基準により評価した。NBRと配合剤とを容易に混合できた場合には、混合加工性は良好であると評価した。
判定基準
「○」:容易に混合できる
「△」:何とか混合できる
「×」:混合できない
[セメント出来具合]
各ゴム組成物をMEKに溶解したときのセメント組成物の出来具合を下記の判断基準により評価した。不溶分がない場合には、セメント出来具合は良好であると評価した。
判定基準
「○」:不溶分がない
「△」:不溶分が少しある
「×」:不溶分が多い
[タック]
上記のようにして得られた各試料のタックを下記の判断基準により評価した。タックがある場合には、成形性は良好であると評価した。
判定基準
「○」:タックがある
「×」:タックがない
[接着性能]
鉄板上にプライマー組成物(商品名「メタロックNT」、株式会社東洋科学研究所製)を塗布してプライマー層を形成した。その後、上記のようにして得られた各セメント組成物をプライマー層上に塗布し、その上にNBRを含むゴム組成物を成型し、加熱硬化させ、鉄板上にプライマー層とセメント層とゴム層とがこの順で積層された試料を作製した。上記のようにして得られた各試料のはく離強度を測定し、剥がれた時にゴム層が残った面積の割合を目視で評価した。残ったゴム層の面積の割合が80%以上の場合には、接着性能は良好であると評価した。
[耐油接着性]
また、上記のようにして得られた各試料を、トルエンとイソオクタンが60:40の溶液に室温中で168時間浸漬した。その後、各試料のはく離引張強度を測定し、剥がれた時にゴム層が残った面積の割合を目視で評価した。残ったゴム層の面積の割合が80%以上の場合には、耐油接着性能は良好であると評価した。
Figure 0006127389
上記表1中の各成分は、以下のとおりである。
・NBR:商品名「NIPOL1041」、日本ゼオン株式会社製
・キシレン樹脂:商品名「ニカノールY−1000」、フドー株式会社製
・コールタールピッチ:「ロードタール」、住金エア・ウォーター・ケミカル株式会社製
・フェノール樹脂:商品名「スミライトレジンPR−175」、住友ベークライト株式会社製
・カーボン:商品名「HTC#100」、新日化カーボン株式会社製
・イオウ:商品名「油処理イオウ」、細井化学工業株式会社製
・酸化亜鉛:商品名「酸化亜鉛3種」、正同化学工業株式会社製
・溶媒:「MEK」、三協化学株式会社製
表1に示す結果から明らかなように、NBRと所定量のキシレン樹脂とを含むセメント組成物(実施例1、2)は、NBRとキシレン樹脂とを容易に混合でき、不溶分も見られず、タックも良好であったことから、混合加工性、セメント出来具合、成形性に優れていた。また、セメント組成物を硬化して得られるセメントは、接着性能及び耐油接着性のいずれも優れていた。
一方、セメント組成物にキシレン樹脂を含まないセメント組成物(比較例1)は、NBRを何とか混合できたが、不溶分が多く見られ、セメントができなかった。そのため、セメント組成物の成形性を評価することはできず、セメントの接着性能及び耐油接着性も評価することはできなかった。
また、セメント組成物に、キシレン樹脂に変えて、コールタールピッチを含むセメント組成物(比較例2)は、容易に混合でき、不溶分も見られなかったが、タックが悪かった。
また、セメント組成物に、キシレン樹脂に変えて、フェノール樹脂を含むセメント組成物(比較例3)は、セメントができなかったため、成形性を評価することはできず、セメントの接着性能及び耐油接着性も評価することはできなかった。
よって、NBRと所定量のキシレン樹脂とを含むセメント組成物は、耐油性、タック及び接着性能に優れるセメント層が得られることから、被着物とゴム層とを接着させるために用いるセメント層として好適に用いることができることが判明した。
10 マリンホース
11 ホース本体
12 連結部材
13 インナーチューブゴム層
14 耐圧コード層
15 浮力材層
16 カバーゴム層
21 フランジ
21a ボルト孔
23 プライマー層
24 セメント層

Claims (6)

  1. アクリロニトリル−ブタジエンゴムとストレートタイプのキシレン樹脂と加硫剤とを含み、前記ストレートタイプのキシレン樹脂の含有量が前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム100質量部に対して25質量部以上50質量部以下であるゴム組成物を、溶媒に溶解してなることを特徴とする金属を含む被着物とゴム層との接着に用いられる接着剤
  2. フェノール樹脂を含む溶液を用いて形成されるプライマー層に塗布されることを特徴とする請求項1に記載の接着剤
  3. 前記プライマー層に、前記ゴム層が接着されることを特徴とする請求項2に記載の接着剤。
  4. 前記ゴム層は、アクリロニトリル−ブタジエンゴムであることを特徴とする請求項に記載の接着剤
  5. フェノール樹脂を含む溶液を用いて金属を含む被着物の上に形成されたプライマー層に、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとストレートタイプのキシレン樹脂と加硫剤とを含み、前記ストレートタイプのキシレン樹脂の含有量が前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム100質量部に対して25質量部以上50質量部以下であるゴム組成物を溶媒に溶解した接着剤を塗布し、前記接着剤の上にゴム成分を含むゴム層を重ねた後、加熱して前記被着物と前記ゴム層とを接着することを特徴とするゴムの接着方法。
  6. 前記ゴム成分は、アクリロニトリル−ブタジエンゴムであることを特徴とする請求項に記載のゴムの接着方法。
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