JP3391148B2 - 加硫接着剤組成物 - Google Patents
加硫接着剤組成物Info
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Description
する。更に詳しくは、金属とNBRまたは水素化NBR
加硫物との接着などに有効に用いられる、耐食性にすぐ
れた加硫接着剤組成物に関する。
には、塩化ゴム系またはノボラック型フェノール樹脂系
の接着剤が用いられているが、これらの接着剤を用いた
場合には少なくとも5μmの膜厚が必要となる。このた
め、金属部材の寸法精度が問題となる部品や嵌め込み部
品などの場合には、ゴム接着部のみの部分塗りを行わな
ければならないなど、作業性の上での問題がみられた。
ニトリルNBR以上の高ニトリル含量のNBR加硫物で
は良好な接着性が示されるものの、中ニトリルNBR以
下のニトリル含量のものでは、接着性が急激に低下する
という欠点がみられる。
着用プライマーの一成分として用いた金属とNBRとの
接着方法が先に本出願人によって提案されており(特開
平2-55782号公報)、この接着方法では、エポキシ樹脂お
よびレゾール型フェノール樹脂を含有する加硫接着用プ
ライマーを金属上に塗布し、焼付け処理を行った後NB
R用フェノール樹脂系加硫接着剤を塗布し、そこに未加
硫のNBR配合物を接合させてNBRの加硫温度で加圧
加硫することが行われているが、この方法で用いられて
いるエポキシ樹脂およびレゾール型フェノール樹脂は、
単なるプライマー用途でしかない。
塩化ゴム系接着剤では、温水、塩水環境下での耐久性に
乏しいという欠点もみられる。
精度が問題となる部品や嵌め込み部品などの金属部材に
も効果的に適用することができ、しかも従来接着が困難
であるとされていた中ニトリルNBR以下のニトリル含
量のNBRまたは水素化NBRに対しても良好な接着性
を示す、金属とNBRまたは水素化NBR加硫物との接
着などに有効に用いられる加硫接着剤組成物を提供する
ことにある。
レゾール型フェノール樹脂、エポキシ変性ノボラック型
フェノール樹脂、未加硫NBRまたは塩化ビニル樹脂ブ
レンド未加硫NBRおよび塩素化ポリエチレンを含有す
る加硫接着剤組成物によって達成される。
一般式で表わされるようなものが用いられる。
は、次の一般式で表わされるようなノボラック型のもの
が用いられる。
ニトリル含量(ニトリル含量43%以上)、高ニトリル含量
(同36〜42%)、中高ニトリル含量(同31〜35%)、中ニトリ
ル含量(同25〜30%)、低ニトリル含量(同24%以下)の各種
NBRを任意に用いることができるが、一般には他の成
分との相溶性の点から中高ニトリル含量のものが好んで
用いられる。また、塩化ビニル樹脂ブレンド未加硫NB
Rとしては、塩化ビニル樹脂ブレンド量が約15〜50重量
%、好ましくは約15〜35重量%の中高ニトリル含量NBR
が好んで用いられる。
しくは塩素含有量が約60〜70%のものが用いられる。
樹脂とエポキシ変性ノボラック型フェノール樹脂とは、
前者が約50〜90重量%、好ましくは約70〜85重量%、また
後者が約50〜10重量%、好ましくは約30〜15重量%の割合
で用いられる。エポキシ変性ノボラック型フェノール樹
脂の割合がこれより多くなると、NBRとの接着性が低
下するようになり、一方これ以下では耐食性の改善効果
がみられなくなる。
ド未加硫NBRは、これら両者のフェノール樹脂100重
量部当り約10〜30重量部、好ましくは約15〜25重量部の
割合で用いられる。これ以上の割合で用いられると、接
着剤の硬化速度が遅くなって、加硫時に接着層が流され
てしまう事態をひき起こすことがあり、一方これ以下の
使用割合ではNBRとの接着性が悪くなる。
フェノール樹脂100重量部当り約5〜20重量部、好ましく
は約8〜15重量部の割合で用いられる。塩素化ポリエチ
レンがこれより多く用いられると、接着剤層が脆くな
り、金属をかしめたとき接着剤層が割れて脱落するよう
になり、一方これより少なく用いられると、金属面との
接着性が低下するようになる。
剤組成物は、有機溶剤溶液として調製される。有機溶剤
としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類またはトルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素類が好んで用いられるが、必須各成分
の溶解性の点からは、これらの混合溶剤として用いるこ
とが特に好ましい。混合溶剤として用いられる場合に
は、ケトン類および芳香族炭化水素類が共に約30〜70重
量%、好ましくは約40〜60重量%の割合で混合して用いら
れる。
は、まず有機溶剤に未加硫NBRまたは塩化ビニル樹脂
ブレンド未加硫NBRを溶解させた後、レゾール型フェ
ノール樹脂、エポキシ変性ノボラック型フェノール樹脂
および塩素化ポリエチレンを添加し、溶解させることに
よって行われる。その固形分濃度は、約1〜30重量%、好
ましくは約3〜15重量%となるように調整される。固形分
濃度をこれ以上とすると、接着剤のポットライフが極端
に短くなり、実用上の使用に耐えなくなる。
脂および化成処理した軟鋼、ステンレススチール、アル
ミニウム、アルミニウムダイキャスト、黄銅、亜鉛等の
金属上に塗布し、室温下で風乾させた後、約150〜230
℃、好ましくは約180〜220℃で約5〜30分間程度の乾燥
を行い、そこに未加硫のNBRまたは水素化NBR配合
物を接合させて、NBRまたは水素化NBRの加硫温度
で加圧加硫することにより行われる。加硫接着剤組成物
溶液の塗布は、必要に応じて複数回行われるが、1回の
塗布でも良く、その膜厚も約5μmであっても十分なる接
着性能が発揮される。
としては、例えば次のような配合例のものが用いられ
る。 (配合例I) NBR(グッドイヤー社製品ケミガムN715B;中ニトリル) 100重量部 SRFカーボンブラック 40 タルク 20 酸化亜鉛 5 ステアリン酸 1 ジオクチルフタレート 5 N-フェニル-N´-イソプロピル-p-フェニレンジアミン 2 イオウ 0.5 テトラメチルチウラムジスルフィド 2 2-メルカプトベンゾチアゾール 1 (配合例II) NBR(グッドイヤー社製品ケミガムN917;低ニトリル) 100重量部 FEFカーボンブラック 20 MTカーボンブラック 40 酸化亜鉛 5 ステアリン酸 1 ジオクチルセバケート 5 2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン 1 イオウ 1 ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛 2 ジ-2-ベンゾチアゾリルジサルファイド 3 (配合例III) NBR(グッドイヤー社製品ケミガムN615B;中高ニトリル)100重量部 SRFカーボンブラック 40 タルク 20 酸化亜鉛 5 ステアリン酸 1 ジオクチルフタレート 5 N-フェニル-N´-イソプロピル-p-フェニレンジアミン 2 イオウ 0.5 テトラメチルチウラムジスルフィド 2 2-メルカプトベンゾチアゾール 1 (配合例IV) NBR(グッドイヤー社製品ケミガムN917;低ニトリル) 100重量部 SRFカーボンブラック 80 MTカーボンブラック 20 酸化亜鉛 5 ステアリン酸 1 ジオクチルフタレート 6 2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン 1.5 ジクミルパーオキサイド 2 トリアリルイソシアヌレート 0.5 (配合例V) 水素化NBR(日本ゼオン製品ゼットポール2020) 100重量部 SRFカーボンブラック 50 酸化マグネシウム 5 ステアリン酸 1 トリアリルイソシアヌレート 1 1,3-ジ第3ブチルパーオキシイソプロピルベンゼン 1.5
塗工で金属とNBRまたは水素化NBR加硫物との接着
などに有効に用いることができ、その際寸法精度が問題
となる部品や嵌め込み部品などの金属部材にも効果的に
適用することができる。しかも、従来塩化ゴム系接着剤
を除いては、接着が困難であるとされていた中ニトリル
NBR以下のニトリル含量のものに対しても良好な接着
性が示され、更に塩化ゴム系接着剤を用いた場合の欠点
とされていた温水、塩水中においても、すぐれた耐食性
が発揮される。
酸亜鉛被膜処理した軟鋼板上に塗布し、室温下に30分間
放置した後200℃で15分間の乾燥処理を行い、そこに前
記配合例I〜Vの未加硫配合物を接合させ、180℃で10
分間の加圧加硫を行った。
酸亜鉛被膜処理した軟鋼板上に塗布し、室温下に30分間
放置した後190℃で15分間の乾燥処理を行い、そこに前
記配合例I〜Vの未加硫配合物を接合させ、180℃で10
分間の加圧加硫を行った。
20重量部に、またエポキシ変性ノボラック型フェノール
樹脂量を80重量部にそれぞれ変更した。
を15重量部に、またエポキシ変性ノボラック型フェノー
ル樹脂量を85重量部にそれぞれ変更した。
組成物溶液において、未加硫NBRが用いられなかっ
た。
組成物溶液において、塩素化ポリエチレンが用いられな
かった。
ライマー:ロード社製品ケムロック205、カバーコー
ト:同社製品ケムロック220)を塗布し、そこに配合例I
またはIIの未加硫配合物を接合させ、180℃で10分間の
加圧加硫を行った。
着物について、JIS K-6301に従って90°剥離試験を行
い、剥離力(単位:KN/mm)およびゴム残り面積率(単位:
%)をそれぞれ求めた。また、温水浸漬試験(80℃の水中
に168時間浸漬)および塩水噴霧試験(35℃で5%食塩水を1
68時間噴霧)を行った後、同様の測定を行った。更に、
接着剤塗布軟鋼板の90°折曲げ試験による接着剤層の割
れの有無を観察した。得られた結果は、次の表に示され
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 レゾール型フェノール樹脂、エポキシ変
性ノボラック型フェノール樹脂、未加硫NBRまたは塩
化ビニル樹脂ブレンド未加硫NBRおよび塩素化ポリエ
チレンを含有してなり、レゾール型フェノール樹脂とエ
ポキシ変性ノボラック型フェノール樹脂とがそれぞれ50
〜90重量%および50〜10重量%の割合で用いられた加硫接
着剤組成物。 - 【請求項2】 有機溶剤溶液として調製された請求項1
記載の加硫接着剤組成物。 - 【請求項3】 金属とNBRまたは水素化NBR加硫物
との接着に用いられる請求項1または2記載の加硫接着
剤組成物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP13618095A JP3391148B2 (ja) | 1995-05-10 | 1995-05-10 | 加硫接着剤組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13618095A JP3391148B2 (ja) | 1995-05-10 | 1995-05-10 | 加硫接着剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08302323A JPH08302323A (ja) | 1996-11-19 |
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Family
ID=15169214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13618095A Expired - Fee Related JP3391148B2 (ja) | 1995-05-10 | 1995-05-10 | 加硫接着剤組成物 |
Country Status (1)
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-
1995
- 1995-05-10 JP JP13618095A patent/JP3391148B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
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芝崎一郎,接着百科(上),株式会社 高分子刊行会,1976年 7月20日,再版,p235〜239 |
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JPH08302323A (ja) | 1996-11-19 |
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