JP6127376B2 - 中空の構造体 - Google Patents

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本発明は、中空の構造体の変形を抑制するための技術に関する。
中空の構造体が湿気を吸って膨張したときに、膨張する度合いが大きい部分と小さい部分とがあると、その中空の構造体が元の形状を保てなくなり、変形が生じることがある。中空の構造体でこのようにして生じる変形を抑制するための技術がある。特許文献1には、四方形に枠組された框材と、この框材の両側に貼り付けられた面材とからなる中空のフラッシュドアーにおいて、面材の下地となる基材の両面に防湿材を設ける技術について記載されている。
特願平9−289585号公報 特開2010−84509号公報
ところで、目的とする機能を発揮させるために中空の構造体に開口部を設けたものがある。例えば、特許文献2には、開口部から入ってくる音のうち特定の周波数帯域の音を散乱させたり吸収させたりする中空の音響構造体について記載されている。音響構造体には、例えば木材のように湿気を吸収すると膨張するものを材料にして作られたものがある。このような音響構造体では、開口部から内部に侵入する湿気の影響で、変形が生じる場合がある。例えば、開口部に近い空間ほど湿度が高く、音響構造体に吸収される湿気の量が内面の場所によって違うというような偏りが生じたときに、場所によって膨張する度合いも変化して、音響構造体の形が変化するという場合である。特許文献1の技術では、開口部を有しないフラッシュドアーを前提としているため、仮に開口部が設けられた場合、開口部から内部に侵入する湿気の影響で、フラッシュドアーに上記のような変形が生じることが考えられる。
そこで、本発明は、開口部から中空の構造体の内部に侵入する湿気の影響で生じる変形を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、複数の内面で囲まれた中空空間と、当該中空空間及び外部空間を繋ぐ開口部とを有する中空の構造体において、前記複数の内面の1つである第1の内面及び前記開口部を有する第1の板状部と、前記複数の内面の1つであって、前記第1の内面に対向する第2の内面を有する第2の板状部と、前記第1の板状部及び前記第2の板状部を連結している連結部と、前記第1の板状部よりも透湿抵抗が大きく且つ前記第1の内面に設けられた膨張抑制部材とを備えることを特徴とする中空の構造体を提供する。
た、本発明は、複数の内面で囲まれた中空空間と、当該中空空間及び外部空間を繋ぐ開口部とを有する中空の構造体において、前記複数の内面の1つである第1の内面及び前記開口部を有する第1の板状部と、前記複数の内面の1つであって、前記第1の内面に対向する第2の内面を有する第2の板状部と、前記第1の板状部及び前記第2の板状部を連結している連結部と、前記第1の板状部に設けられて当該第1の板状部の膨張を抑制する第1膨張抑制部材と、前記第2の板状部に設けられて当該第2の板状部の膨張を抑制する第2膨張抑制部材であって、前記第1の板状部が吸湿して膨張した場合の前記第1の内面のサイズの変化と、前記第2の板状部が吸湿して膨張した場合の前記第2の内面のサイズの変化との差が小さくなる第2膨張抑制部材とを備えることを特徴とする中空の構造体を提供する。
また、本発明は、複数の内面で囲まれた中空空間と、当該中空空間及び外部空間を繋ぐ開口部とを有する中空の構造体において、前記複数の内面の1つである第1の内面及び前記開口部を有する第1の板状部と、前記第1の板状部に設けられて当該第1の板状部の膨張を抑制する第1膨張抑制部材と、前記複数の内面の1つであって、前記第1の内面に対向する第2の内面を有する第2の板状部であって、第1の板状部とは厚さ又は素材が異なり、且つ、前記第1の板状部が吸湿して膨張した場合の前記第1の内面のサイズの変化と、自身が吸湿して膨張した場合の前記第2の内面のサイズの変化との差が小さくなる第2の板状部と、前記第1の板状部及び前記第2の板状部を連結している連結部とを備えることを特徴とする中空の構造体を提供する。
本発明によれば、膨張時の内面のサイズの変化に関係なく膨張抑制部材を設ける場合に比べて、開口部から中空の構造体の内部に侵入する湿気の影響で生じる変形を抑制することができる。
実施形態における音響構造体の外観図である。 音響構造体1をZ軸負方向に見た図である。 矢視III-IIIにおける音響構造体の断面を示す図である。 吸湿して膨張した音響構造体の一例を示す図である。 他の音響構造体の一例を示す図である。 変形例の音響構造体の一例を示す図である。 変形例における音響構造体の例を示す図である。 変形例の音響構造体の一例を示す図である。 変形例の音響構造体の一例を示す図である。 変形例の音響構造体の例を示す図である。 変形例の音響構造体の一例を示す図である。
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態における音響構造体1の外観図である。図1では、3軸の直交座標系の座標軸であるX軸、Y軸、Z軸を矢印で示している。各座標軸は、矢印が指す方向が正方向を示し、その反対向きが負方向を示している。音響構造体1は、第1の板部材10と、第2の板部材20と、連結部材30とを備える。音響構造体1は、直方体の形をした中空の構造体である。図1では、音響構造体1は、直方体の各辺がX、Y、Z軸方向に沿うようにして示されている。音響構造体1では、第1の板部材10に設けられている開口部101及び102を介して中空の空間(中空空間)と外部の空間(外部空間)とが繋がっている。
開口部101及び102は、第1の板部材10におけるY軸方向の中央に設けられている孔であり、本実施形態においてはいずれも外部空間との境界面が長方形となっている。なお、この境界面の形は長方形に限らず、他の形であってもよい。第2の板部材20、連結部材30及び第1の板部材10は、Z軸正方向にこの順番に配置され、隣り合う部材が互いに接続されている。第1の板部材10及び第2の板部材20は、いずれも外周が長方形の板状の部材である。第1の板部材10は、Z軸正方向側に反射面111を有する。反射面111は、開口部101及び102と隣接する面であり、外部空間から入射する音波を正相で反射する。
図2は、音響構造体1をZ軸負方向に見た図である。図2では、第1の板部材10の一部を破断線で切り取って示している。第1の板部材10、第2の板部材20及び連結部材30は、いずれも、Z軸方向に見た場合の外周の形及びサイズが同じである。具体的には、これらの部材の外周は、いずれも、Y軸方向の長さがL1、X軸方向の長さがL2の長方形の形をしている。図2では、これらの外周が重なって見えている。第2の板部材20は、第1の板部材10と異なり、開口部を有していない。連結部材30は、自部材の外周に沿った長方形の枠をなす枠部分と、開口部101及び102の間を仕切る仕切り部分とを有する。この仕切り部によって、音響構造体1の中空空間は、開口部101と繋がる中空空間A1と、開口部102に繋がる中空空間A2とに仕切られている。仕切り部は、中空空間A2よりもA1の方が大きくなるように設けられている。これらの枠部分及び仕切り部分は、中空空間A1を囲う長方形の第1の枠部31と、中空空間A2を囲う長方形の第2の枠部32とを形成している。つまり、第1の板部材10、第2の板部材20及び第1の枠部31が中空空間A1を形成し、第1の板部材10、第2の板部材20及び第2の枠部32が中空空間A2を形成している。これらの中空空間は、各部材の内面(中空側を向いた面)で囲まれている。
図3は、図2の矢視III-IIIにおける音響構造体1の断面を示す図である。第1の板部材10は、第1の木板11と、第1の防湿部材12とを備える。第1の木板11は、音響構造体1の中空空間を囲う板状の部分(第1の板状部)である。第1の木板11は、Z軸方向に見た場合の形が第1の板部材10と同じである。つまり、第1の木板11は、Y軸方向の長さがL1、X軸方向の長さがL2である。また、第1の木板11は、Z軸方向の厚さがL3である。以下では、単に「厚さ」といった場合、Z軸方向の厚さを示すものとする。第1の木板11には、Z軸方向に貫通して開口部101をなす孔と、図3には示されていないが開口部102をなす孔とが開いている。第1の木板11は、このような形及びサイズに形成された木の板であり、外部空間に面するように設けられている。つまり、図1に示す反射面111とは、第1の木板11が有する面の1つであり、Z軸正方向に向いて外部空間に面している第1の木板11の面のことである。第1の木板11は、Z軸負方向に第1の内面112を有する。第1の内面112は、中空側(中空空間A1側)を向いた面であり、音響構造体1の中空空間を囲う複数の内面のうちの1つである。第1の木板11の第1の内面112側には、第1の防湿部材12が設けられている。
第1の防湿部材12は、合成樹脂を有するシートであり、Z軸方向に見た場合の形が第1の木板11と同じとなるように形成されている。第1の防湿部材12は、第1の木板11と互いの外周を合わせるようにして、第1の内面112に接着剤等を用いて貼り付けられている。第1の防湿部材12は、厚さがL4である。つまり、第1の板部材10の厚さは、L3+L4となっている。
第2の板部材20は、第2の木板21と、第2の防湿部材22とを備える。第2の木板21は、第1の木板11と同様に、音響構造体1の中空空間を囲う板状の部分(第2の板状部)である。第2の木板21は、Z軸方向に見た場合の形が第2の板部材20と同じである。つまり、第2の木板21は、Y軸方向の長さがL1で、Z軸方向の長さがL2の長方形の形をした木の板である。第2の木板21には、第1の木板11と異なり孔は開いていない。第2の木板21は、厚さが第1の木板11と同じL3である。第2の木板21は、外部空間に面するように設けられている。第2の木板21は、Z軸負方向側に外面211を有し、Z軸正方向側に第2の内面212を有する。第2の内面212は、中空側(中空空間A2側)を向いた面であり、音響構造体1の中空空間を囲う複数の内面のうちの1つである。第2の内面212は、第1の内面112に対向している。第2の木板21の第2の内面212側には、第2の防湿部材22が設けられている
第2の防湿部材22は、第1の防湿部材12と同じ合成樹脂を有するシートであり、Z軸方向に見た場合の形が第2の木板21と同じとなるように形成されている。第2の防湿部材22は、第2の木板21と互いの外周を合わせるようにして、第2の内面212に接着剤等を用いて貼り付けられている。第2の防湿部材22は、厚さがL5である。つまり、第2の板部材20の厚さは、L3+L5となっている。厚さL5は、第1の防湿部材12の厚さとは異なっており、例えば、本実施例ではL4の半分(2分の1)であるものとする。
連結部材30(「連結部」の一例)は、第1の防湿部材12及び第2の防湿部材22の中空空間A1側の面に、接着剤等で接着されている。このようにして、連結部材30は、第1の板部材10及び第2の板部材20を連結している。
音響構造体1においては、開口部101及び中空空間A1と、開口部102及び中空空間A2とが、ヘルムホルツ共鳴器H1及びH2としてそれぞれ機能する。ヘルムホルツ共鳴器H1及びH2では、開口部101及び102に存在する気体を質量成分とし、中空空間A1及びA2の気体層をバネ成分としたバネマス系がそれぞれ形成されている。以下では、中空空間A1及びA2の体積をVi(i=1、2)とする。上記のとおり、中空空間A1はA2よりも大きいため、V1>V2となっている。また、開口部101及び102のX−Y平面における断面積をS1及びS2とする。音響構造体1においては、S1及びS2は同じ値であり、これをSとする。また、開口部101及び102の有効長をW1及びW2とする。有効長W1は、開口部101及び中空空間A1の境界面から、開口部101及び外部空間の境界面までの距離であるL3+L4を開口端補正した値である。また、有効長W2は、開口部102における同様の値である。音響構造体1においては、有効長W1及びW2は同じ値であり、これをWとする。ヘルムホルツ共鳴器H1及びH2における共鳴周波数をf(1)及びf(2)とし、音速をcとすると、それらの周波数f(i)(i=1、2)は、次の式(1)で表される。
Figure 0006127376
上記のとおりV1≠V2であるため、f(1)≠f(2)となる。つまり、音響構造体1は、異なる2つの共鳴周波数を持つことになる。音響構造体1では、共鳴周波数f(1)及びf(2)を含む周波数帯域の音波(入射波)が開口部101及び102に入射すると、ヘルムホルツ共鳴器H1及びH2が共鳴して反射波が開口部101及び102から外部空間に放射される。このとき、開口部101及び102では比音響インピーダンス比ζ≒0となり、開口部101及び102から入射波と逆相の反射波が放出される。また、第1の板材11が剛体であると仮定すれば、反射面111が比音響インピーダンス比ζ=∞の完全反射面とみなせ、反射面111では入射波と同相の反射波が放出される。音響構造体1では、比音響インピーダンス比0≦ζ<1となる共鳴周波数f(1)及びf(2)を含む一定の範囲の周波数帯域において、開口部101及び102からの反射波と反射面111からの反射波との位相の不連続により、吸音効果と散乱効果とを発揮する。このように、音響構造体1は、自パネルの形状に応じた周波数帯域の音波を吸収し、且つ散乱させて、周囲の空間の音響に影響を与える音響構造体である。
続いて、音響構造体1が空気中の湿気を吸収(吸湿)したときに生じるサイズの変化について説明する。ここでいうサイズとは、要するに長さのことであり、以下では、図1に示すX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の長さでサイズを表す。また、物質が吸湿して膨張すると、その物質の各方向の長さが概ね同じ割合で延びることになる。音響構造体1では、X軸方向及びY軸方向の長さがZ軸方向の長さに比べて十分に長いため、Z軸方向の長さの変化は無視できるものとする。
図4は、吸湿して膨張した音響構造体1の一例を示す図である。図4では、図3に示す音響構造体1が膨張した状態が示されており、膨張前の音響構造体1の外周が二点鎖線で示されている。第1の板部材10のY軸方向の長さは、膨張前、すなわち図3に示す状態ではL1であったが、膨張後はY軸方向の両端でL6ずつ延びて(つまり長くなって)全体でL7となっている。一方、第2の板部材20のY軸方向の長さも、膨張前、すなわち図3に示す状態ではL1であったが、膨張後はY軸方向の両端でL6ずつ延びて全体でL7となっている。
木の板である第1の木板11及び第2の木板21は、合成樹脂である第1の防湿部材12及び第2の防湿部材22に比べて、吸湿により大きく膨張する。この例では、第1の防湿部材12及び第2の防湿部材22の吸湿による膨張は極めて小さいため無視できるものとする。図4では、これらの防湿部材もY軸方向に延びているが、それは、各々接着されている木板が膨張したことで、それらの木板によってY軸方向に引っ張られた状態となっているためである。一方で、第1の木板11及び第2の木板21は、これらの防湿部材によって、膨張によりY軸方向に延びる方向とは反対向きの力を受けている。つまり、第1の木板11及び第2の木板21は、第1の防湿部材12及び第2の防湿部材22により膨張が抑制されていることになる。
第1の防湿部材12は、上述したとおり、第2の防湿部材22に比べて、厚さが大きく、具体的には2倍となっている。これらの防湿部材は、X軸方向の長さが同じであるため、X−Z平面における断面積を比較しても、第1の防湿部材12の方が第2の防湿部材22よりも大きく、具体的には2倍になっている。従って、Y軸方向の伸び剛性も、第1の防湿部材12の方が第2の防湿部材22よりも大きくなっている。つまり、第1の防湿部材12は、第2の防湿部材22よりも、木板のY軸方向への膨張を抑制する力が大きい。
第1の防湿部材12及び第2の防湿部材22は、第1の木板11及び第2の木板21よりも透湿抵抗が大きい。このため、例えばこれらの防湿部材を設けていない場合に比べて、これらの木板が吸収する湿気の量は少なくなっている。つまり、第1の防湿部材12及び第2の防湿部材22は、第1の木板11及び第2の木板21がそれぞれ吸収する湿気の量を少なくすることで、これらの木板の膨張をそれぞれ抑制している。また、第1の防湿部材12は、厚さが大きい分、第2の防湿部材22よりもZ軸方向への透湿抵抗が大きい。このため、第1の防湿部材12は、第2の防湿部材22よりも、木板の膨張を大きく抑制していることになる。
中空空間A1には、開口部101を介して外部空間から湿気が侵入してくる。一方、中空空間A1の中には、開口部101から侵入した湿気が通り抜ける出口がない。このため、侵入した湿気は、開口部101に近い空間に留まりやすい。その結果、開口部101が設けられている第1の木板11は、開口部が設けられていない第2の木板21に比べて、湿気を多く吸収する場合がある。本実施形態では、このような場合を例にとって説明する。この場合、第1の木板11は、第2の木板21に比べて膨張する力が大きいことになる。一方、音響構造体1においては、上述したように、第1の防湿部材12が、第2の防湿部材22に比べて、自部材が設けられている木板のY軸方向への膨張を大きく抑制している。その結果、図4に示す例では、第1の板部材10及び第2の板部材20において、Y軸方向に膨張する力とそれを抑制する力とを合計した力の大きさが等しくなり、これらの部材のY軸方向へのサイズ(つまり長さ)の変化量も等しくなっている。
ここで仮に、第1の木板11のY軸方向への膨張を抑制する度合いを、図4の例に比べて低くしたとする。この場合に、図4の例と同様に各木板が膨張すると、第1の板部材10及び第2の板部材20のY軸方向へのサイズの変化量が異なることになり、音響構造体が変形してしまう。このような変形が生じる例について、図5を参照して説明する。
図5は、音響構造体1とは第1の防湿部材の厚さを変えた他の音響構造体の一例を示す図である。図5(a)では、第1の板部材10x、第2の板部材20及び連結部材30を備える音響構造体1xが示されている。第1の板部材10xは、厚さがL5である第1の防湿部材12x及び第1の木板11を備えている。つまり、音響構造体1xは、第1の防湿部材の厚さ以外は音響構造体1と構成が同じであり、第1の防湿部材の厚さが、L4からL5となって薄く(図4に示すとおり、L5はL4の半分の厚さ)なっている。
図5(b)では、図4に示す例と同じ度合いで第1の木板11及び第2の木板21が吸湿して膨張している場合が示されている。第2の板部材20は、図4に示すものと構成が同じであるため、図4に示す場合と同じ程度にY軸方向に延びている。一方、第1の板部材10xでは、前述したとおり、厚さが図4に示す第1の防湿部材12に比べて薄い第1の防湿部材12xが第1の木板11に接着されている。このため、第1の木板11のY軸方向への膨張を抑制する度合いが小さく、その結果、第1の板部材10xのY軸方向のサイズが図4に示す第1の板部材10に比べて大きくなっている。このとき、音響構造体1xでは、第1の板部材10x及び第2の板部材20のY軸方向の端部と連結部材30とが接着されている部分が剥がれることなく、接着された状態を維持するようになっている。このため、第1の板部材10x及び第2の板部材20は、図5(b)に示すようにY軸方向の中央がZ軸正方向に反るように変形し、上辺及び底辺が弧を描く台形の形になっている。なお、図4及び図5(b)に示す状態では、連結部材30も吸湿により膨張しているが、各々の板部材の膨張に比べてサイズの変化が小さいため、無視できるものとする。
第1の板部材10x及び第2の板部材20は、上記のとおり変形しているため、Y軸方向のサイズが内面側と外面側とで異なっている。以下では、各々の内面側のY軸方向のサイズを比較するものとする。換言すると、第1の内面112及び第2の内面212のY軸方向のサイズを比較するということである。図5(b)では、第1の内面112のY軸方向のサイズはL8となっており、第2の内面212のY軸方向のサイズはL8よりも小さいL9となっている。また、第1の内面112は、Y軸方向の両端側が第2の内面212よりも長さL10ずつそれぞれ長くなっている。つまり、第1の内面112の変形後のY軸方向のサイズ(L8)と、第2の内面212の変形後のY軸方向のサイズ(L9)との差は2×L10となっている。
第1の内面112及び第2の内面212は、反るように変形しているため、曲面となっている。第1の内面112の面に沿ったY軸方向のサイズはL11であり、L8よりも長くなる。また、第2の内面212の面に沿ったY軸方向のサイズはL12であり、L9よりも長くなる。音響構造体1xでは、連結部材30の中空空間A1側の面と第1の防湿部材12x及び第2の防湿部材22の中空空間A1側の各面とがいずれも90度を維持している。その結果、第1の内面112及び第2の内面212のY軸方向の端部側におけるY軸方向に対する傾きが概ね一致して、両内面の反り具合が概ね共通することになる。このため、サイズL11及びL12は、サイズL8及びL9と大小の関係が変わらない。つまり、第2の内面212の面に沿ったサイズL12は、第1の内面112の面に沿ったサイズL11よりも小さくなる。このように、第1の内面112及び第2の内面212は、Y軸方向のサイズを比較しても、各内面に沿ったY軸方向のサイズを比較しても、大小の関係が変わらない。図5では、Y軸方向のサイズについて説明したが、X軸方向のサイズについても、各板部材の変形の仕方は変わらないため、第2の内面212の方が第1の内面112よりも小さくなる。
本実施形態に係る音響構造体1では、前述したとおり、第1の吸湿部材12及び第2の吸湿部材22が、自部材が設けられた第1の木板11または第2の木板21の膨張をそれぞれ抑制する膨張抑制部材として機能している。そして、第1の吸湿部材12及び第2の吸湿部材22は、第1の内面112のサイズの変化と、この場合における第2の内面212のサイズの変化との差(以下「内面サイズ差」という。)を小さくするように設けられている。この場合の第1の内面112は、第1の内面112及び第2の内面212のうち開口部101に近い方の内面である。具体的には、音響構造体1では、第2の木板21に設けられた第2の吸湿部材22よりも厚さが大きい、すなわちZ軸方向の透湿抵抗が大きい第1の吸湿部材12が第1の木板11に設けられている。言い換えると、音響構造体1では、開口部から侵入する湿気の影響を考慮して、膨張抑制部材が設けられている。
一方、音響構造体1xでは、開口部101に近い方の第1の内面112を有する第1の木板11にも、開口部101から遠い方の第2の内面212を有する第2の木板21にも、厚さ、すなわちZ軸方向の透湿抵抗が同じ吸湿部材が設けられている。つまり、音響構造体1xでは、開口部101から侵入する湿気の影響が考慮されておらず、開口部101との距離に関係なく膨張抑制部材が設けられている。そして、音響構造体1では、図5に示す音響構造体1xに比べて、図4に示すように、変形が抑制されている。以上のとおり、本実施形態によれば、音響構造体1xのように、開口部から侵入する湿気の影響を考慮しないで膨張抑制部材を設ける場合、具体的には、開口部との距離に関係なく膨張抑制部材を設ける場合に比べて、中空の構造体、すなわち音響構造体の内部にその開口部から侵入する湿気の影響で生じる変形を抑制することができる。
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、上述した実施形態及び以下に示す各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
(変形例1)
音響構造体は、上述した実施形態では、厚さがL4の第1の吸湿部材とこの厚さがL4の半分であるL5の第2の吸湿部材とを備えていたが、これとは異なる厚さの吸湿部材を備えていてもよい。音響構造体では、例えば、第1の吸湿部材の厚さが第2の吸湿部材の1.5倍であってもよいし、2倍より大きくてもよい。要するに、音響構造体では、第1の吸湿部材の厚さが第2の吸湿部材よりも大きくなっていればよい。これにより、図5に示す音響構造体1xのように開口部との距離に関係なく膨張抑制部材を設ける場合に比べて、上述した内面サイズ差が小さくなる。従って、本変形例においても、実施形態同様に音響構造体の内部に侵入する湿気の影響で生じる変形を抑制することができる。また十分な透湿抵抗により変形を抑えられる場合、双方の厚みは同等、もしくは第1の吸湿部材の厚さが第2の吸湿部材の厚さを下回ってもよい。また第1の吸湿部材と第2の吸湿部材は同じものとしたが、透湿抵抗の異なる部材でも良い。
(変形例2)
第1及び第2の吸湿部材は、上述した実施形態では、第1の内面112及び第2の内面212の全体にそれぞれ設けられていたが、これらの内面の一部に設けられていてもよい。
図6は、本変形例における音響構造体の一例を示す図である。図6(a)に示す音響構造体1aは、第1の吸湿部材12a及び第2の吸湿部材22aを備えている。第1の吸湿部材12aは、厚さがL5であり、第1の内面112の全体に設けられている。すなわち、第1の吸湿部材12aは、Y軸方向のサイズがL1である。第2の吸湿部材22aは、厚さが第1の吸湿部材12aと同じL5であり、Y軸方向のサイズがL1の半分のL13である。そのため、第2の内面112の一部は、中空空間A1に露出している。つまり、音響構造体1aは、第2の吸湿部材22aを除く構成が図5に示す音響構造体1xと共通している。
音響構造体1aにおいては、第2の木板21がこの露出した部分から第2の吸湿部材22aを介さずに湿気を吸収するため、図5に示す第2の木板21よりもY軸方向に大きく膨張する。図6(b)では、吸湿により膨張した音響構造体1aの一例が示されている。この例では、第1の木板11が図5に示す例のように膨張して、第1の内面112の面に沿ったサイズがL11となっている。また、第2の木板21が図5に示す例よりも膨張して、第2の内面212の面に沿ったサイズも図5に示すL12よりも大きいL11となっている。このように、例えば厚さが同じ第1及び第2の吸湿部材を設ける場合であれば、両吸湿部材のうち、開口部101から近い方の内面(つまり第1の内面)に設ける方(第1の吸湿部材)に比べて、遠い方の内面(つまり第2の内面)に設ける方(第2の吸湿部材)の面積を小さくして、第1の内面に比べて第2の内面の方が中空空間A1に露出する部分の面積が大きくなるようにするとよい。これにより、図5に示す音響構造体1xのように開口部との距離に関係なく膨張抑制部材を設ける場合に比べて、上記の内面サイズ差が小さくなる。従って、本変形例においても、実施形態同様に音響構造体の内部に侵入する湿気の影響で生じる変形を抑制することができる。
(変形例3)
音響構造体は、変形例1及び2では、厚さまたは面積のいずれか一方が互いに同じで、他方が互いに異なる第1及び第2の吸湿部材を備えたが、厚さ及び面積の両方が異なる各吸湿部材を備えてもよい。例えば、実施形態の音響構造体1が備える第1の吸湿部材12の厚さをL4よりも小さくL5よりも大きくし、第2の吸湿部材22のY軸方向のサイズをL1よりも小さくL13よりも大きくする。この場合、第1の木板11及び第2の木板21の両方とも膨張の度合いが大きくなる。これらの膨張の度合いが同じ程度となるような厚さ及び面積の第1及び第2の吸湿部材を各木板に設けることで、図5に示す音響構造体1xのように開口部との距離に関係なく膨張抑制部材を設ける場合に比べて、内面サイズ差を小さくすることができる。さらに、第2の吸湿部材を設けず、第1の吸湿部材を設けるだけで、この内面サイズ差を小さくするようにしてもよい。要するに、前述した膨張抑制部材(第1及び第2の吸湿部材などの吸湿部材)は、第1及び第2の木板のうち、開口部に近いほうの木板(上述した例ではいずれも第1の木板)に少なくとも設けられて、開口部との距離に関係なく膨張抑制部材を設ける場合に比べて、内面サイズ差を小さくするようになっていればよい。
(変形例4)
第1及び第2の木板は、上述した実施形態では、どちらも同じ厚さ(L3)に形成されていたが、これには限らない。例えば、実施形態の音響構造体1が備える第1の木板11の厚さをL3よりも小さくしてもよいし、大きくしてもよい。また第1及び第2の木板に異なる木材を用いてもよい。
図7は、本変形例における音響構造体の例を示す図である。図7(a)では、厚さがL3よりも大きい第1の木板11bを備える音響構造体1bが示されている。音響構造体1bは、図3に示す第1の吸湿部材12よりも厚さが小さい第1の吸湿部材12bを備えている。この場合、第1及び第2の木板の膨張率が互いに異なるので、第1及び第2の吸湿部材のどちらかを省いた構造として、上記の内面サイズ差が小さくなるようにしてもよい。
(変形例5)
音響構造体は、第1及び第2の木板のような木の板に代えて、木以外のものを板状に形成した板状部を備えていてもよい。例えば、音響構造体は、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂やプラスチック、金属など(いずれも本発明の請求項3の「第2の板状部」の「素材」の一例)を材料とした板状部を備える。図7(b)では、金属を材料に形成された第2の板状部21cを備える音響構造体1cが示されている。第2の板状部21cは、第2の木板21に比べて吸湿して膨張する度合いが極めて小さい(ほとんど膨張しない)。音響構造体1cは、第2の板状部21cに吸湿部材を設けず、且つ、第1の吸湿部材12よりも厚さの大きい第1の吸湿部材12cを備えている。これにより、音響構造体1cでは、第1の木板11bのY軸方向への膨張を抑制する度合いを、音響構造体1の第1の木板11の膨張が抑制される度合いよりも大きくしている。つまり、音響構造体1cは、第1の吸湿部材12cを備えることで、第1の吸湿部材12を備える場合に比べて内面サイズ差が小さくなるようにしている。
(変形例6)
第1及び第2の木板は、上述した実施形態では、音響構造体が表す直方体の6つの面のうち、他の面に比べて大きな面(実施形態であれば反射面111及び外面211)を有するものであったが、他の面のほうが大きくなっていてもよい。例えば、図2に示す音響構造体1において、連結部材のZ軸方向の長さをL1またはL2より長くする場合である。この場合、内面サイズ差が大きくなると、連結部材が反ったり、第1及び第2の内面と連結部材とが接着されている部分が剥がれて離れてしまったりするという変形が生じることがある。このような変形も、吸湿部材が上記のように内面サイズ差を小さくすることで、開口部との距離に関係なく膨張抑制部材を設ける場合に比べて、抑制されることになる。また、この場合、連結部材の膨張により変形が生じることもある。その場合は、連結部材に膨張抑制部材を設けて、変形を抑制するようにしてもよい。
(変形例7)
上述した実施形態では、第1の木板11及び第2の木板21の外部空間側には何も設けられておらず、これらの木板の反射面111及び外面211が外部空間に露出していたが、これらの面に何らかの部材が設けられていてもよい。例えば、反射面111に化粧部材が設けられていてもよい。化粧部材とは、音響構造体の見栄えをよくするために設けられる部材である。例えば、化粧部材は、布や合成繊維などを材料に形成されている。この化粧部材は、透湿抵抗が木よりも大きいものを材料にして防湿部材としても機能させてもよいし、反射面111に接着して第1の木板の膨張を抑制させてもよい。また、外面211にも、第1及び第2の防湿部材のような防湿部材を設けてもよい。
これらの化粧部材や防湿部材を設けることで第1の木板11及び第2の木板21が吸湿して膨張する度合いが抑制される場合であっても、その抑制される度合いに応じて、第1及び第2の吸湿部材、または第1の吸湿部材が設けられればよい。例えば、実施形態の音響構造体1の反射面111に化粧部材を設けた結果、第1の防湿部材12に加えて、その化粧部材によって第1の木板11のY軸方向への膨張が抑制されたとする。すると、図4に示すように第2の板部材20が膨張した場合に、第1の木板11のY軸方向のサイズが図4に示すL7よりも小さくなるため、音響構造体は、図5(b)に示す例とは反対向きに反るように変形することになる。この場合、例えば、第1の防湿部材12よりも厚さが小さい防湿部材を第1の内面112に設けることで、第1の木板11のY軸方向への膨張を抑制する度合いを小さくして、上記の内面サイズ差が小さくなるようにすればよい。
(変形例8)
音響構造体は、上述した実施形態では、第1及び第2の木板の膨張を抑制する膨張抑制部材として、第1の防湿部材12及び第2の防湿部材22を備えていたが、これら以外の部材を備えていてもよい。
図8は、本変形例の音響構造体の一例である音響構造体1dを示す図である。図8(a)では、Z軸負方向に見た音響構造体1dが示されており、図8(b)では、図8(a)の矢視VIII-VIIIにおける音響構造体1dの断面が示されている。音響構造体1dは第1の板部材10dを備え、第1の板部材10dは、第1の木板11及び複数のリブ13を有する。リブ13は、棒状(本発明の「膨張抑制部材」の「形状」の一例)に形成された金属(本発明の「膨張抑制部材」の「素材」の一例)であり、第1の内面112に設けられている。具体的には、第1の内面112には、2本のリブ13を互いに交差させたものをX軸方向に4組並べて、合計8本のリブ13が設けられている。リブ13は、金属であるため、第1の木板11、すなわち木よりも吸湿による膨張の度合いが小さい。従って、リブ13は、第1の木板11のX軸方向及びY軸方向への膨張を抑制する。このようにして、リブ13は、第1の木板11が有する第1の内面112のサイズの拡大を抑制する膨張抑制部材として機能する。
複数のリブ13は、いずれも、開口部101及び中空空間A1の境界面と、開口部102及び中空空間A2の境界面とに接しないように設けられている。また、これらのリブ13は、Z軸方向のサイズ、すなわち第1の内面112からの高さL14が、第1の内面112及び第2の内面212の距離L15に対して、予め決められた割合(例えば20%)以下となるように形成されている。音響構造体1dにおいては、このようなリブ13が設けられることで、リブ13が設けられていないもの(例えば実施形態の音響構造体1)と比べた場合に、上述したヘルムホルツ共鳴器として機能したときの共鳴周波数が変動しにくいようになっている。
図9は、本変形例の音響構造体の一例である音響構造体1eを示す図である。図9(a)では、Z軸負方向に見た音響構造体1eが示されており、図9(b)では、図9(a)の矢視IX-IXにおける音響構造体1eの断面が示されている。音響構造体1eは、第1の板部材10eを備える。第1の板部材10eは、第1の木板11及びフレーム14を有する。フレーム14は、第1の木板11の外周に沿って設けられた金属(本発明の「膨張抑制部材」の「素材」の一例)の枠(本発明の「膨張抑制部材」の「形状」の一例)である。フレーム14は、金属であるため、第1の木板11、すなわち木よりも吸湿による膨張の度合いが小さい。従って、フレーム14は、第1の木板11のX軸方向及びY軸方向への膨張を抑制する。これにより、フレーム14は、第1の木板11が有する第1の内面112のサイズの拡大を抑制する膨張抑制部材として機能する。
なお、リブ13及びフレーム14は、金属以外のものを材料として形成されていてもよく、要するに、どちらも、第1の木板11よりも吸湿による膨張の度合いが小さいものとなっていればよい。また、リブ13及びフレーム14のようなリブ及びフレームは、第2の板部材にも備えられていてもよい。ここで、第1及び第2の板部材が同じリブ及びフレームを備えた場合、それらが膨張を抑制する度合いが十分でない、すなわちリブ及びフレームの強度が十分でなければ、開口部101及び102から進入する湿気の影響で、図5で示した例のように音響構造体が変形することがある。本変形例におけるリブ及びフレームは、このような場合に比べて上記の内面サイズ差が小さくなるように設けられていればよい。また、リブ及びフレームは、図8及び図9に示す位置以外に設けられてもよい。例えば、リブであれば、2本のリブ13を互いに交差させたものをX軸方向に2組、Y軸方向に2組それぞれ並べて設けてもよい。また、フレームであれば、第1の木板11の外周の外側ではなく、第1の内面112の外周側の端部に外周に沿って設けられてもよい。リブ及びフレームは、要するに、第1の木板及び第2の木板の表面に沿って設けられる棒状の部材であり、これらの板部材のX軸方向及びY軸方向への膨張を抑制するものであればよい。つまり、リブ及びフレームは、自部材が設けられた木板が有する内面(第1または第2の内面)のサイズの拡大を抑制するものであればよい。なお、音響構造体は、防湿部材、リブ及びフレームのうちのいずれか1つを備えるものに限らず、これらのうちの複数を組み合わせて備えるものであってもよい。
(変形例9)
音響構造体は、上述した実施形態では、開口部を介して外部空間と繋がる中空空間を2つ有していたが、1つ有していてもよいし、3つ以上有していてもよい。また、音響構造体は、上述した実施形態では、ヘルムホルツ共鳴器として機能するものであったが、これとは異なる原理で共鳴する共鳴体として機能するものであってもよい。
図10は、本変形例の音響構造体の一例である音響構造体1fを示す図である。図10(a)では、Z軸負方向に見た音響構造体1fが示され、図10(b)では、図10(a)の矢視X-Xにおける音響構造体1fの断面が示されている。音響構造体1fは、第1の板部材10f、第2の板部材20及び連結部材30fを備える。第1の板部材10fは、X軸方向に並ぶ4つの開口部103、104、105及び106を有する。これらの開口部は、Y軸方向の位置がそれぞれ異なっている。連結部材30fは、第1の板部材10f及び第2の板部材20を連結し、これらの板部材の間の空間を、中空空間A3、A4、A5及びA6に仕切っている。中空空間A3、A4、A5及びA6は、開口部103、104、105及び106を介してそれぞれ外部空間と繋がっている。
図10(b)では、中空空間A4が開口部104を介して外部空間と繋がっている部分における断面が示されている。音響構造体1fにおいて中空空間A4を形成している部分のうち、開口部104よりもY軸正方向側の部分は、第1の共鳴体41を形成している。第1の共鳴体41の内部の中空空間のY軸方向の長さはL16である。同様に、開口部104よりもY軸負方向側の部分は、第2の共鳴体42を形成している。第2の共鳴体42の内部の中空空間のY軸方向の長さはL17である。第1の共鳴体41及び第2の共鳴体42は、一端が閉じ、他端が開いた中空空間を有するいわゆる閉管である。これらの共鳴管は、各々の中空空間のY軸方向の長さ(L16及びL17)に応じた周波数(共鳴周波数)で共鳴する。音響構造体1fは、第1の共鳴体41及び第2の共鳴体42の他に、開口部103、105及び106が設けられている位置に応じた共鳴体を有しており、それらの中空空間のY軸方向の長さの応じた共鳴周波数で共鳴する。音響構造体1fは、これらの共鳴周波数を含む一定の範囲の周波数帯域の音波を吸収する吸音効果を発揮するとともに、同じ周波数帯域の音波を散乱させる散乱効果を発揮する。
第1の板部材10fは、第1の木板11f及び第1の吸湿部材12fを有する。第1の木板11fは、4つの開口部を有していること以外、第1の木板11と同じサイズである。第1の吸湿部材12fは、厚さがL18であり、L18は、図3に示すL4よりも大きい。つまり、第1の吸湿部材12fは、第1の吸湿部材12よりも厚さが大きくなるように形成されている。音響構造体1fは、音響構造体1に比べて、開口部の数が多いため、開口部を通って各中空空間に進入する湿気も多くなる。一方、音響構造体1fでは、連結部材30fのうち各中空空間を仕切っている部分によって、音響構造体1に比べて、第1及び第2の板部材のY軸方向への膨張が抑制されるが、X軸方向への膨張はほとんど抑制されない。音響構造体1fでは、第1の吸湿部材12fを備えることにより、第1の板部材10fのX軸方向への膨張を音響構造体1に比べて抑制している。これにより、音響構造体1fにおいては、X軸方向の端部がZ軸負方向に反るように変形することを抑制している。なお、音響構造体は、上記のような閉管の共鳴体ではなく、開管の共鳴体を有していてもよい。その場合も、各共鳴体は、各々の中空空間のY軸方向の長さに応じた共鳴周波数で共鳴し、音響構造体は、これらの共鳴周波数を含む一定の範囲の周波数帯域の音波に対して、上記同様の吸音効果及び散乱効果を発揮する。要するに、音響構造体は、自パネルの形状に応じた周波数帯域の音波を吸収し、且つ散乱させて、周囲の空間の音響に影響を与える音響構造体であればよい。
(変形例10)
音響構造体は、上述した実施形態では、平面のみを有する直方体の形をしていたが、曲面を有する形であってもよい。
図11は、本変形例の音響構造体の一例である音響構造体1gを示す図である。図11(a)では、音響構造体1gの外観が示され、図11(b)では、音響構造体1gの断面が示されている。音響構造体1gは、第1の曲板部材10g、第2の曲板部材20g及び連結部材30gとを備える。第1の曲板部材10g及び第2の曲板部材20gは、それぞれ円筒を半分に切った形をしており、接着剤等で互いに接続されて両端が開口する円筒を形作っている。つまり、第1の曲板部材10g及び第2の曲板部材20gは、曲面を有する板の形に形成された板状部である。連結部材30gは、円盤の形をしており、この円筒の両端の開口部分を閉じるように設けられている。第1の曲板部材10g、第2の曲板部材20g及び連結部材30gは、内部に円柱の形をした中空空間A7を形成している。第1の曲板部材10gは、開口部107を有している。中空空間A7は、開口部107を介して外部空間と繋がっている。
第1の曲板部材10gは、第1の木板11g及び第1の防湿部材12gを有する。第1の木板11gは、円筒を半分に切った形をしており、開口部107が設けられている。第1の防湿部材12gは、第1の木板11gの中空空間A7側の第1の内面112gに設けられている。第2の曲板部材20gは、第2の木板21g及び第2の防湿部材22gを有する。第2の木板21gは、円筒を半分に切った形をしている。第2の防湿部材22gは、第2の木板21gの中空空間A7側の第2の内面212gに設けられている。このような音響構造体1gであっても、自パネルの形状に応じた周波数帯域の音波を吸収し、且つ散乱させて、周囲の空間の音響に影響を与える音響構造体となっている。
第1の防湿部材12gは、第2の防湿部材22gよりも厚さが大きく形成されている。これにより、音響構造体1gにおいても、上記の内面サイズ差が小さくなる。音響構造体1gでは、第1の曲板部材10g及び第2の曲板部材20gが直接接続されているため、開口部107から中空空間A7に侵入する湿気の影響でこれらの曲板部材が異なる度合いで膨張すると、例えば互いに接続されている部分がX軸方向にずれたり、そのため連結部材30gとの間に隙間ができたりするような変形が生じることがある。しかし、音響構造体1gでは、第2の防湿部材22gよりも厚い第1の防湿部材12gが設けられているため、上記の内面サイズ差が小さくなってこのような変形が抑制される。
(変形例11)
音響構造体は、上述した実施形態では、複数の部材(第1、第2の板部材及び連結部材)によって形成されていたが、1つの部材で形成されていてもよい。この場合、音響構造体は、中空空間を囲む複数の内面をそれぞれ備える複数の板状部を備えることになる。この音響構造体では、例えば、これらの板状部のうち開口部が設けられているものの内面に、防湿部材のような膨張抑制部材が設けられる。また、内面に膨張抑制部材を設けることが難しければ、図9に示すフレーム14のようなフレームが、開口部が設けられている板状部の外周を囲うようにして設けられればよい。
(変形例12)
音響構造体においては、上述した実施形態では、第1の木板に開口部が設けられていたが、第1の木板ではなく第2の木板に設けられていてもよい。このように、第1及び第2の木板のいずれか一方に開口部が設けられている場合、少なくとも、開口部が設けられている方に対して、防湿部材のような膨張抑制部材が設けられていればよい。また、連結部材に開口部が設けられていてもよい。例えば、連結部材のうち、第2の木板よりも第1の木板に近い位置に開口部が設けられていて、第1及び第2の木板には開口部が設けられていないものとする。この場合、第1及び第2の木板のうち、少なくとも開口部に近い内面を有する木板の方に膨張抑制部材が設けられていればよい。これにより、開口部から侵入してくる湿気の影響で膨張する度合いが大きい方の木板、すなわち、開口部により近い第1の内面を有する第1の木板が、もう一方(第2の木板)よりも膨張が抑制され、内面サイズ差が小さくなって変形が抑制される。要するに、音響構造体においては、第1の木板、第2の木板及び連結部材の少なくともいずれか1つに、開口部が設けられていればよい。
(変形例13)
音響構造体においては、上述した実施形態では、第1の木板にのみ開口部が設けられていたが、第2の木板にも(つまり両方の木板に)設けられていてもよい。この場合、例えば、各木板に設けられた開口部のX−Y平面における断面(以下「XY断面」という。)の形が同じであれば、そのXY断面の面積が大きいほうの開口部が設けられている木板にだけ防湿部材を設けるか、より厚さが大きい防湿部材をその木板に設けるとよい。また、XY断面が異なる形である場合は、例えば、XY断面の外周が長いほうの開口部が設けられている木板(前者)のほうが、他方の木板(後者)に比べて、開口部に近接する内面の面積が大きく、侵入する湿気の影響が大きい、すなわち大きく膨張する場合がある。この場合、前者の木板にだけ防湿部材を設けるか、より厚さが大きい防湿部材をその前者の木板に設けるとよい。
また、開口部の位置や開口部の形状に関わらず、音響構造体自身の形や材料などの他の要因により、上記のサイズ差が生じる場合がある。そのような場合は、音響構造体において、各木板が実際に吸湿して膨張する大きさを測定し、例えば、その結果大きく膨張したほうの木板にだけ膨張抑制部材を設けたり、両方の木板に膨張抑制部材を設け、より大きく膨張したほうの木板に、より膨張を抑制する度合いが大きいほうの膨張抑制部材を設けたりすればよい。要するに、音響構造体においては、防湿部材のような膨張抑制部材が、第1及び第2の木板のいずれか一方に少なくとも設けられていて、それにより、開口部から侵入してくる湿気の影響で膨張する度合いが大きい方(つまり上記断面積が大きい方)の木板が、もう一方の木板よりも膨張が抑制され、内面サイズ差が小さくなるようになっていればよい。
(変形例14)
本発明は、上記の実施形態や変形例で述べた音響構造体の他に、例えば、楽器や音響機器などを構成する音響構造体にも適用することができる。これらの音響構造体には、音を吸収及び散乱させるために、音響構造体と同様に開口部を介して外部空間と繋がる中空空間を有しているものがある。これらの音響構造体において、上述した木板のように、吸湿して膨張する度合いが図5で述べたような変形が生じる程度に大きなものを材料に用いる場合に、本発明を適用することで、上記の内面サイズ差が小さくなって変形が抑制される。このように、本発明は、開口部を有する様々な中空の音響構造体に適用することができる。
(変形例15)
本発明は、上述した音響構造体の他に、例えば、防音室や音響ルームの壁やドア、天井などを構成する中空の構造体にも適用することができる。これらの構造体には、開口部を介して外部空間と繋がる中空空間を有しているものがある。これらの中空の構造体において、上述した木板のように、吸湿して膨張する度合いが図5で述べたような変形が生じる程度に大きなものを材料に用いる場合に、本発明を適用することで、上記の内面サイズ差が小さくなって変形が抑制される。このように、本発明は、開口部を有する様々な中空の構造体に適用することができる。
1…音響構造体、10…第1の板部材、11…第1の木板、12…第1の防湿部材、13…リブ、14…フレーム、20…第2の板部材、21…第2の木板、22…第2の防湿部材、30…連結部材、31…第1の枠部、32…第2の枠部、101…第1の開口部、102…第2の開口部、111…反射面、112…第1の内面、211…第2の外面、212…第2の内面

Claims (3)

  1. 複数の内面で囲まれた中空空間と、当該中空空間及び外部空間を繋ぐ開口部とを有する中空の構造体において、
    前記複数の内面の1つである第1の内面及び前記開口部を有する第1の板状部と、
    前記複数の内面の1つであって、前記第1の内面に対向する第2の内面を有する第2の板状部と、
    前記第1の板状部及び前記第2の板状部を連結している連結部と、
    前記第1の板状部よりも透湿抵抗が大きく、前記第1の内面に設けられ、且つ、前記第2の内面には設けられていない膨張抑制部材と
    を備えることを特徴とする中空の構造体。
  2. 複数の内面で囲まれた中空空間と、当該中空空間及び外部空間を繋ぐ開口部とを有する中空の構造体において、
    前記複数の内面の1つである第1の内面及び前記開口部を有する第1の板状部と、
    前記複数の内面の1つであって、前記第1の内面に対向する第2の内面を有する第2の板状部と、
    前記第1の板状部及び前記第2の板状部を連結している連結部と、
    前記第1の板状部に設けられて当該第1の板状部の膨張を抑制する第1膨張抑制部材と、
    前記第2の板状部に設けられて当該第2の板状部の膨張を抑制する第2膨張抑制部材であって、前記第1膨張抑制部材とは厚さ、面積、形状又は素材が異なり、且つ、前記第1の板状部が吸湿して膨張した場合の前記第1の内面のサイズの変化と、前記第2の板状部が吸湿して膨張した場合の前記第2の内面のサイズの変化との差が小さくなる第2膨張抑制部材と
    を備えることを特徴とする中空の構造体。
  3. 複数の内面で囲まれた中空空間と、当該中空空間及び外部空間を繋ぐ開口部とを有する
    中空の構造体において、
    前記複数の内面の1つである第1の内面及び前記開口部を有する第1の板状部と、
    前記第1の板状部に設けられて当該第1の板状部の膨張を抑制する第1膨張抑制部材と、
    前記複数の内面の1つであって、前記第1の内面に対向する第2の内面を有する第2の板状部であって、第1の板状部とは厚さ又は素材が異なり、且つ、前記第1の板状部が吸湿して膨張した場合の前記第1の内面のサイズの変化と、自身が吸湿して膨張した場合の前記第2の内面のサイズの変化との差が小さくなる第2の板状部と、
    前記第1の板状部及び前記第2の板状部を連結している連結部と
    を備えることを特徴とする中空の構造体。
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