JP6126466B2 - プラズマ光源 - Google Patents

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Description

本発明は、極端紫外光を生成するプラズマ光源に関する。
半導体回路の更なる微細化を図るため、極端紫外光がフォトリソグラフィにおける次世代の照射光として注目されている。極端紫外光の生成方式としては、高エネルギー密度プラズマを利用したものが知られている。この方式では、プラズマ光源において高温プラズマが生成され、その輻射光として極端紫外光が放射される。高温プラズマは主に、パルスレーザーの照射を用いるレーザー生成プラズマ(LPP:Laser Produced Plasma)方式、又はパルス放電を用いる放電プラズマ(DPP:Discharge Produced Plasma)方式によって生成される。特許文献1は、放電プラズマ方式による極端紫外光源を示している。なお、上記方式の何れにおいても、生成される光はパルス光である。
DPP方式では、放電電極を用いてプラズマを生成するための初期放電を発生し、さらにプラズマ生成後は当該プラズマを成長させる(加熱する)ための電気エネルギーを投入する。この放電電極は、必然的にプラズマに近接するため、プラズマの輻射熱による損傷を受けやすい。この問題は、LPP方式でも同様であり、特許文献2に示す極端紫外光源用のノズルには、当該ノズルの熱的損傷を防止するための熱交換器が取り付けられている。
特開2004−226244号公報 特開2003−43199号公報
フォトリソグラフィでは露光時間の制御が極めて重要である。そのため、十分な強度及び輝度の光を確保するだけでなく、これらを安定に得る必要がある。つまり、DPP方式のプラズマ光源においては毎回の放電を確実に行い、パルス状のプラズマを連続的に生成することが肝要である。また、極端紫外光を得るにはプラズマの高温化が必須である。上述の通り、DPP方式のプラズマ光源では、放電電極がプラズマの近傍にあるため、連続運転によって高温になる。
ところで、極端紫外光を放出するプラズマを生成するためには、その媒体(以下、プラズマ媒体と称する)としてLi等の低融点金属が想定される。Liをプラズマ媒体として用いた場合、得られる極端紫外光の波長は約13.5nmである。プラズマ媒体は、プラズマの初期放電を含め、プラズマの成長時に当該プラズマに供給される必要がある。従って、プラズマ媒体の供給場所(換言すると、初期放電の発生箇所)は、高温になる放電電極の近傍に自ずと位置することになり、プラズマ媒体はその低融点ゆえに過剰に蒸発する可能性がある。この場合、プラズマ媒体の密度が過剰に上昇するため、所望の強度の極端紫外光が得られるプラズマ媒体の価数分布を維持することが困難になる。
上記の事情を鑑み、本発明は、適切な量のプラズマ媒体を供給することで、所望の極端紫外光を安定に得ることが可能なプラズマ光源の提供を目的とする。
本発明の一態様はプラズマ光源であって、単一の軸線上に延びる棒状の中心電極、前記中心電極の外周を囲むように設けられた外部電極、前記中心電極及び前記外部電極の間を絶縁する絶縁体を有し、対称面を挟んで互いに対向配置され、極端紫外光を放射するプラズマを発生すると共に前記プラズマを閉じ込める一対の同軸状電極と、前記中心電極の側面に設けられ、前記プラズマのプラズマ媒体を含むプラズマ媒体領域と、各前記同軸状電極に対して放電電圧を印加する電圧印加装置と、前記プラズマ媒体領域に前記プラズマ媒体のアブレーションを行うと共に前記放電電圧によるプラズマシートを発生させるためのレーザー光を照射するレーザー装置と、前記中心電極と一体的に設けられ、前記プラズマ媒体を貯留し、且つ、前記プラズマ媒体を前記プラズマ媒体領域に供給するリザーバと、 前記リザーバに設けられ、前記リザーバの温度を、液状の前記プラズマ媒体が維持される温度に維持するヒータと、前記プラズマ媒体領域を挟んで前記対称面と反対側に設けられ、前記プラズマ媒体領域の熱を吸収する熱吸収部とを備え、前記熱吸収部は、前記中心電極よりも熱伝導率の高い材料を用いて前記リザーバと一体的に形成されていることを要旨とする。
前記中心電極の直径は、前記対称面に向けて小さくなってもよい。
前記熱吸収部は、前記中心電極よりも熱伝導率の高い材料を用いて前記中心電極と一体的に形成されてもよい。
本発明によれば、適切な量のプラズマ媒体を供給することで、所望の極端紫外光を安定に得ることが可能なプラズマ光源を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るプラズマ光源の概略構成図(断面図)である。 本発明の第1および第2実施形態に係るプラズマ光源用の電気系統を示す図である。 図1のIII−III断面を示す図である。 中心電極の直径に対する飽和温度の数値計算結果を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係るプラズマ光源の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態に係るプラズマ光源について添付図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプラズマ光源を示す概略構成図(断面図)であり、図2は当該プラズマ光源の電気系統を示す図である。これらの図に示すように、本実施形態のプラズマ光源は、一対の同軸状電極10、10と、各同軸状電極10に対して個別に設けられるリザーバ20と、電圧印加装置30と、レーザー装置40とを備える。なお、図1において右側の同軸状電極10は、左側の同軸状電極10と同一の構成であるため、詳細な図示を省略する。後述するように、中心電極12の基部12b及びリザーバ20は、中心電極12に設けられたプラズマ媒体領域としての媒体保持部18を挟んで対称面1と反対側に設けられ、媒体保持部18の熱を吸収する熱吸収部として機能する。
一対の同軸状電極10、10は、図示しない真空槽内において対称面1を挟んで対称な位置関係で設置される。即ち、各同軸状電極10は対称面1を中心として、一定の間隔を隔てて互いに対向するよう設置される。一対の同軸状電極10、10は、極端紫外光を放射するプラズマ3を発生すると共に、両者の間に当該プラズマ3を閉じ込める。
各同軸状電極10は、中心電極12と、複数の外部電極14と、絶縁体16とを備える。中心電極12と外部電極14の間には、後述の媒体供給部18から極端紫外光を放射するプラズマ媒体6が導入される。本実施形態のプラズマ媒体6は、液体の状態で中心電極12の側面に露出可能な低融点金属(低融点合金)であり、その組成は、必要な紫外線の波長に応じて選択される。例えば、13.5nmの紫外光が必要な場合はLiやSn等を含み、6.7nmの紫外光が必要な場合はBi等を含む。
図1および図3に示すように、中心電極12は、各同軸状電極10に共通する単一の軸線Z−Zを中心軸(以下、この軸を中心軸Zと称する)として、この中心軸Z上に延びる棒状の導電体である。中心電極12は、対称面1に面する先端部12aと、先端部12aの後方(即ち、中心軸Zに添って対称面1から離れる方向)に設けられる媒体保持部18と、媒体保持部18の後方に設けられる基部12bとから一体的に構成され、リザーバ20から対称面1に向けて突出している。
先端部12aは、高温プラズマに対して耐熱性を有する材料を用いて形成される。このような材料は、例えばタングステンやモリブデン等の高融点金属である。対称面1に対向する先端部12aの端面は、半球状の曲面になっている。ただし、この形状は必須ではなく、端面に凹部(図示せず)を設けてもよく、或いは単なる平面でもよい。
媒体保持部18は、プラズマ3のプラズマ媒体6を中心電極12の側面に保持及び露出させるプラズマ媒体領域である。即ち、媒体保持部18は、リザーバ20から流路12cを介して供給されるプラズマ媒体6を液体の状態で保持すると共に、このプラズマ媒体6を中心電極12の側面に露出させる。このような機能を持たせるため、媒体保持部18は穴径10〜100μm程度の多孔質部材で形成される。なお、この多孔質部材は高融点金属で形成されており、中心電極12と同一の材料で構成してもよい。媒体保持部18の表面には、レーザー装置40のレーザー光42が照射され、媒体保持部18に保持されたプラズマ媒体6はアブレーションされる(図1参照)。なお、媒体保持部18は、中心軸Zの周方向に亘って全体的に形成してもよく、レーザー光42の照射位置のみに形成してもよい。
基部12bは先端部12aおよび媒体保持部18と一体的に形成され、リザーバ20に固定されている。基部12bは、中心電極12の先端部12aおよび媒体保持部18よりも熱伝導率の高い材料を用いて形成され、媒体保持部18の熱を吸収する。換言すると、本発明に係る熱吸収部は基部12bと一体的に形成される。基部12bに吸収された熱は速やかにリザーバ20に移動する。基部12bの材料は、例えばCuなどの金属または合金である。また、基部12bの内部にはプラズマ媒体6の流路12cが形成されている。流路12cは、リザーバ20内の空間20aに連通し、媒体保持部18に接続している。
引き続き、基部12bについて詳述する。基部12bは、この媒体保持部18の温度上昇を抑制するために、媒体保持部18の熱を吸収する。媒体保持部18の表面は、レーザー光42によるアブレーションのために、短い周期(例えば1ms程度)で断続的に加熱される。また、このアブレーションを起点として、環状の面状放電2が発生し、その後、極端紫外光を放出する最終的なプラズマ3が対称面1上に生成される(図1参照)。従って、先端部12a及び媒体保持部18は常に高温に晒される。特に、先端部12aは高温のプラズマ3に近接しているので加熱が著しい。その結果、媒体保持部18は、先端部12aからの膨大な熱を受けて温度が上昇する。なお、面状放電とは、2次元的に広がる面状の放電電流のことであり、電流シート又はプラズマシートとも呼ばれる。
媒体保持部18の温度が上昇すると、媒体保持部18に保持されていた液状のプラズマ媒体6の蒸発が促進される。従って、媒体保持部18の温度が過度に上昇した場合は、プラズマ媒体6を必要以上に消耗してしまう。そこで、基部12bは、媒体保持部18の熱を速やかにリザーバ20に移すことで、媒体保持部18をプラズマ媒体6が過度に蒸発しない程度の温度以下に維持する。この温度は、プラズマ媒体6がLiの場合は例えば400℃である。
基部12bが上述の熱吸収(熱伝達)を達成するには、熱伝導率の高い材料で形成するだけでなく、基部12b全体の熱抵抗を下げる必要がある。そこで、本実施形態では、基部12bの直径を上記の温度を維持できる程度の値以上に設定することで、基部12bの熱抵抗を下げている。図4は中心電極12の直径に対する飽和温度の数値計算結果を示すグラフである。具体的には、1kHzの周期で1回あたり数μs程度の高温プラズマを生成したときと同等の熱量を先端部12aに持続的に与えたときの、媒体保持部18の飽和温度の計算結果を、基部12bの直径毎に示している。なお、この数値計算では、先端部12a及び媒体保持部18の材料としてW(タングステン)を、基部12bの材料としてCuを想定している。また、基部12bは200〜300℃程度の熱浴(恒温槽)に接触しているものとする。
図4に示すように、Liの蒸発を抑制する観点からは、基部12bの直径は大きいほどよいことが判る。例えば、基部12bの直径が5mmの場合、媒体保持部18の飽和温度は1000℃を超えてしまう。即ち、この場合、媒体保持部18に保持されていたLiは容易に蒸発してしまう。一方、基部12bの直径が増加するに連れて、媒体保持部18の飽和温度は低下する。即ち、基部12bの直径が増加すると基部12bの熱抵抗が低下し、先端部12aから基部12b(熱浴)への熱の移動が容易になる。この数値計算では、基部12bの直径が12mm程度を超えると、媒体保持部18の飽和温度が400℃を下回っている。即ち、この結果からは、基部12bの直径が12mm以上に設定されることが望ましいことが判る。
図1に示すように、リザーバ20は、各同軸状電極10に対して個別に設けられ、プラズマ媒体6を貯留する。また、本実施形態のリザーバ20は、中心電極12(基部12b)からの熱を吸収する熱吸収部としても機能する。換言すると、本発明に係る熱吸収部はリザーバ20と一体的に形成されている。図1に示すように、中心電極12は、リザーバ20の一側面に固定されている。
リザーバ20は、その内部にプラズマ媒体6を貯留するための空間20aを有する。空間20aは、中心電極12の流路12cと連通している。リザーバ20にはヒータ22が設けられている。ヒータ22は、プラズマ媒体6を溶解し、液体の状態で保持する。ヒータ22は、例えば、熱媒体(油)循環式のヒータや電熱式のヒータで構成される。ヒータ22によって空間20a内で溶解したプラズマ媒体6は、流路12cを介して媒体保持部18に流出する。
リザーバ20は、中心電極12の基部12bと同じく、中心電極12の先端部12a及び媒体保持部18よりも熱伝導率の高い材料で形成される。このような材料は、例えばCuなどの金属または合金である。また、基部12bからの熱の流入によるリザーバ20自体の急激な温度上昇を抑制するため、リザーバ20は、適度な熱の拡散が図れるだけの容積を有する。リザーバ20の温度は、ヒータ22によってプラズマ媒体6が溶解し、且つ、媒体保持部18において過度の蒸発を生じさせない程度の温度に維持される。このような温度は例えば200℃である。従って、プラズマ光源の稼働中、リザーバ20は、1000℃を超える中心電極12の先端側の温度よりも十分低い温度に維持される。その結果、媒体保持部18の熱は基部12bを介して速やかに吸収され、吸収された熱は、輻射や真空槽(図示せず)へ固定部材を介した熱伝導によって拡散(解放)する。なお、ヒータ22に熱媒体循環式のものを採用する場合は、その熱媒体を熱の拡散に利用することもできる。
図1に示すように、外部電極14は、中心電極12の中心軸Zと平行に延びる棒状の導電体である。また、図3に示すように、中心電極12と一定の間隔を隔てながら、中心電極12の周方向に沿って角度θ毎に複数配置されている。換言すると、各外部電極14は中心電極12と平行に配置され、中心電極12の周囲を囲んでいる。図3に示す例では、6本の外部電極14が中心電極12の周りで60°毎に配置されている。
図3に示すように、各外部電極14はその軸方向に垂直な面において、中心電極12との距離が最短となる点Gを1点だけ含む断面を有する。このような形状の断面は、例えば円である。外部電極14の断面形状は、この円形に限られず、少なくとも中心電極12に対向する面が、中心電極12に向かって突出する曲面を有していればよい。また、何れの場合も、点Gが中心電極12の周りで角度θ毎に配置される。
各外部電極14は中心電極12の周方向に沿って等間隔に配列することが望ましい。例えば、加工や組み立ての観点から、各外部電極14は中心電極12に対して回転対称な位置に設置することが望ましい。しかしながら、本発明はこのような配列に限定されるものではない。また、外部電極14の本数も6本に限定されず、中心電極12及び外部電極14の大きさや形状、両者の間隔などに応じて適宜設定される。
なお、外部電極14は、中心電極12と同じく、高温プラズマに対して耐熱性をもつ材料を用いて形成される。また、対称面1に対向する外部電極14の端面は曲面、平面の何れでもよい。
中心電極12の周りに複数の外部電極14をこのように配置することで、図3に示す面状放電2に至る初期放電(例えば沿面放電)を、各外部電極14と中心電極12との間で発生させることができる。即ち、各点Gを放電経路に含む初期放電を優先的に発生させることで、当該初期放電を中心電極12の全周に亘って発生させることが可能になり、環状の面状放電2の形成が容易になる。
絶縁体16は例えばセラミックを用いて形成され、中心電極12と外部電極14の各基部を支持して両者の間隔を規定すると共にその間を電気的に絶縁する。絶縁体16は例えば円盤状に形成され、中心電極12及び外部電極14が貫通する貫通孔を有する。
次に、本実施形態のプラズマ光源における電気系統について説明する。図2に示すように、プラズマ光源は各同軸状電極10に接続する電圧印加装置30を備える。電圧印加装置30は、各同軸状電極10に同極性の放電電圧を印加する。
電圧印加装置30は、高圧電源32を備える。高圧電源32の出力側は、同軸状電極10の中心電極12に接続し、この中心電極12に対応する外部電極14よりも高い正の放電電圧を印加する。従って、外部電極14が接地されている場合は、中心電極12の電位は正になる。
上述の通り、各中心電極12の周囲には複数の外部電極14が設けられている。理想的な面状放電2を得るには、全ての外部電極14と中心電極12との間で、放電が発生する必要がある。しかも、これらの放電が、中心電極12の周りで空間的に等間隔に分布していることが望ましい。このため本実施形態の各外部電極14は、中心電極12に対向する面を曲面にして、優先的に放電する箇所を規定している。しかしながら、放電箇所を固定し、後述するレーザー光42を各中心電極12の媒体保持部18に同時に照射したとしても、各外部電極14と中心電極12との間の放電を厳密に同時に発生させることは困難であり、実際には各放電の発生タイミングに多少のずれが生じる。高圧電源32から供給される放電エネルギーは最初に発生した放電に対して優先的に費やされる傾向があり、この場合は複数の放電を略同時に発生させることが困難になる。
そこで、本実施形態の電圧印加装置30は、放電電圧の放電エネルギーを外部電極14毎に蓄積するエネルギー蓄積回路34を備えている。エネルギー蓄積回路34は、例えば図2に示すように中心電極12と各外部電極14との間を個別に接続する複数のコンデンサCで構成される。各コンデンサCは、高圧電源32の各出力側及び各コモン側に接続される。
このように、放電エネルギーを蓄積するコンデンサCを外部電極14毎に設けることで、全ての外部電極14において放電を発生させることができる。即ち、最初に発生した放電によって多くの放電エネルギーが消費されることを防止でき、中心電極12の全周に亘って発生する理想的な面状放電2を得ることができる。
さらに、本実施形態の電圧印加装置30は、放電電流が帰還することを阻止する放電電流阻止回路36を備えてもよい。放電電流阻止回路36は、例えば図2に示すように各外部電極14と電圧印加装置30(具体的には高圧電源32のコモン側)との間を接続するインダクタLで構成される。インダクタLは、放電電流に対して十分に高いインピーダンスを有するため、中心電極12及び外部電極14を経由した放電電流を、その発生源であるエネルギー蓄積回路34に戻すことができる。つまり、各コンデンサCに蓄積された放電エネルギーが、当該コンデンサCに直結した外部電極14以外の外部電極14に供給されることを防止するため、中心電極12の周方向における放電の発生分布に偏りが生じることを防止できる。
上述したように、本実施形態のプラズマ光源は、各同軸状電極10の中心電極12の表面にレーザー光を照射することで、プラズマ3の媒体を放出させると共にプラズマ3の初期放電(即ち、面状放電2)を発生させるレーザー装置40を備える。レーザー装置40は例えばYAGレーザーであり、アブレーションを行うために基本波の二倍波を短パルスのレーザー光42として出力する。
レーザー光42は、ビームスプリッタ(ハーフミラー)等の光学素子によって分岐し、各中心電極12の媒体保持部(プラズマ媒体領域)18に照射される。レーザー光42が照射された媒体保持部18の表面では、アブレーションによってプラズマ媒体6が中性ガス又はイオンとなって放出される。
一方、レーザー光42の照射時には、既に電圧印加装置30による放電電圧が各同軸状電極10の中心電極12と外部電極14の間に印加されている。従って、上述のアブレーションが発生すると、中心電極12と各外部電極14間の放電が誘発され、この放電によって面状放電2(図1参照)が形成される。
なお、上記放電の発生箇所は、レーザー光42の照射領域及びその近傍に制限される可能性がある。従って、レーザー光42は中心軸Zの周方向に沿って間隔を置いて、複数且つ同時に照射することが好ましく、その数は少なくとも2箇所である。
これは、誘発された放電の領域が、中心電極12の軸を基点に180度以上の開き角があった実験結果に基づいている。この結果を考慮すると、照射箇所の数が少ないほど中心電極12に対して回転対称な位置にレーザー光42を照射することが望ましい。なお、複数のレーザー光の同時照射は、ビームスプリッタ及びミラー等の光学素子を用いて光路長を合わせた複数の光路を形成することで容易に達成できる。
上述の通り、本実施形態のプラズマ光源では、真空槽(図示せず)内に一対の同軸状電極10が設けられる。一対の同軸状電極10は、対称面1を挟んで互いに対向配置される。一方、真空槽内は、プラズマ3の発生に適した温度及び圧力に保持される。また、放電前の各同軸状電極10には、電圧印加装置30により同極性の放電電圧が印加される。
図1に示すように、放電電圧が印加された状態で、各同軸状電極10の媒体保持部18には、レーザー光42が同時に照射される。その直後、中心電極12と各外部電極14の間で初期放電が発生する。その後、中心電極12の全周に亘って放電が分布する面状放電2が得られる。面状放電2の形成により、各同軸状電極10において、媒体保持部18からLiを含むガス又はイオンが放出される。
図1に示すように、面状放電2は、自己磁場によって電極から排出される方向(対称面1に向かう方向)に移動する。このときの面状放電2は、軸線Z−Zから見て略環状に分布する。
面状放電2は同軸状電極10の先端に達すると、面状放電2の放電電流の出発点は強制的に中心電極12の円周側面から先端部12aに移行する。換言すれば、放電電流は先端部12aから集中的に流れ出す。この電流集中によるピンチ効果によって先端部12a周辺の電流密度は急激に上昇し、一対の面状放電2の間に挟まれていた先端部12a周辺のLiを含むプラズマ媒体6は高密度、高温になる。
さらに、この現象は対称面1を挟んだ各同軸状電極10で進行するため、プラズマ媒体6は、一方の同軸状電極10から他方の同軸状電極10に向かって押し出される。その結果、プラズマ媒体6は、軸線Z−Z(中心軸Z)沿う両方向からの電磁的圧力を受けて各同軸状電極10が対向する中間位置(即ち、中心電極12の対称面1)に移動し、プラズマ媒体6を成分とする単一のプラズマ3が形成される。
上述の通り、面状放電2が発生している間は各中心電極12の先端部12aに各面状放電2の電流が集中する。従って、先端部12a周辺には、プラズマ3に対して軸線Z−Zに向かうピンチ効果が働き、プラズマ3の高密度化及び高温化が進行する。即ち、プラズマ媒体6の電離が進行する。その結果、プラズマ3からは極端紫外光を含むプラズマ光8が放射される。この状態において、電圧印加装置30は、プラズマ3の発光エネルギーに相当するエネルギーを供給し続ける。このエネルギー供給により、高いエネルギー変換効率でプラズマ光8を長時間に亘って発生させることができる。
本実施形態のプラズマ光源では、プラズマ3の発生時における各同軸状電極10周囲の電場及び磁場は、対称面1に対して対称に分布する。従って、プラズマ3も対称面1に対して対称に分布し、各同軸状電極10の一方への偏りが抑制される。また、各同軸状電極10の中心電極12は、対応する外部電極14よりも常に高電位に設定されている。つまり、電子の供給源は常に中心電極12の周囲にある複数の外部電極14全てが担う。そのため、面状放電2及びプラズマ3の発生中は、これらに流れる電子の放出面積を十分に且つ定常的に確保することができ、面状放電2の安定的な維持、先端部12aへの円滑な移行、先端部12aでの十分な収束が可能になる。さらに、先端部12a、12a間のプラズマ3の収束も容易になる。つまり、極端紫外光への投入エネルギーの変換効率が高まるので、プラズマ3を効率良く高温・高密度化することができ、極端紫外光を長時間(例えばμsecオーダーで)安定に得ることができる。
また、中心電極12の基部12b及びリザーバ20が、媒体保持部18の熱を吸収する。従って、媒体保持部18の温度(少なくとも表面温度)は、プラズマ媒体6が過剰に蒸発しない程度の温度に維持される。即ち、プラズマ媒体6の過度な消耗を抑制して適切な量のプラズマ媒体6を供給し、且つ、所望の極端紫外光を長時間安定に得ることできる。
(第2実施形態)
本実施形態の第2実施形態について説明する。
図5に示すように、Liの蒸発を抑制する観点からは、基部12bの直径が大きいほどよい。しかしながら、先端部12aの直径を大きくすると、プラズマ3を各同軸状電極10の間に安定に閉じ込めることが困難になる。そこで、第2実施形態では、中心電極12を、その直径が対称面1に向けて(即ち、基部12bから先端部12aに向けて)小さくなるように形成する。例えば、図5に示すように、中心電極12を頂角が対称面1に向いた略円錐状に形成する。ただし、基部12bの最小直径は上述の熱抵抗が得られる値に設定される。そのため、図4に示す結果を参照すると、その具体的な値は12mmである。また、外部電極14も中心電極12の形状に合わせて傾斜する。具体的には、外部電極14は、対称面1に近づくほど中心軸Zに近づくように傾斜する。なお、図5に示す例では、中心電極12との間隔は一定である。しかしながら、この間隔は対称面1に近づくほど小さくてもよい。その他の構成は第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
第2実施形態では、面状放電2の直径を、その進行に合わせて小さくすることができる。従って、先端部12aにおけるプラズマ3の生成及び閉じ込めが容易になる。一方、基部12b及びリザーバ20による熱吸収の能力は第1実施形態のものと変わらない。従って、第1実施形態と同じく、プラズマ媒体6の過度な消耗を抑制して適切な量のプラズマ媒体6を供給することができる。さらに、第1実施形態よりも所望の極端紫外光をより長時間安定に得ることできる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 対称面
2 面状放電
3 プラズマ
6 プラズマ媒体
8 プラズマ光
10 同軸状電極
12 中心電極
12a 先端部
12b 基部
12c 流路
14 外部電極
16 絶縁体
18 媒体保持部
20 リザーバ
22 ヒータ
30 電圧印加装置
40 レーザー装置

Claims (3)

  1. 単一の軸線上に延びる棒状の中心電極、前記中心電極の外周を囲むように設けられた外部電極、前記中心電極及び前記外部電極の間を絶縁する絶縁体を有し、対称面を挟んで互いに対向配置され、極端紫外光を放射するプラズマを発生すると共に前記プラズマを閉じ込める一対の同軸状電極と、
    前記中心電極の側面に設けられ、前記プラズマのプラズマ媒体を含むプラズマ媒体領域と、
    各前記同軸状電極に対して放電電圧を印加する電圧印加装置と、
    前記プラズマ媒体領域に前記プラズマ媒体のアブレーションを行うと共に前記放電電圧によるプラズマシートを発生させるためのレーザー光を照射するレーザー装置と、
    前記中心電極と一体的に設けられ、前記プラズマ媒体を貯留し、且つ、前記プラズマ媒体を前記プラズマ媒体領域に供給するリザーバと、
    前記リザーバに設けられ、前記リザーバの温度を、液状の前記プラズマ媒体が維持される温度に維持するヒータと、
    前記プラズマ媒体領域を挟んで前記対称面と反対側に設けられ、前記プラズマ媒体領域の熱を吸収する熱吸収部と
    を備え
    前記熱吸収部は、前記中心電極よりも熱伝導率の高い材料を用いて前記リザーバと一体的に形成されていることを特徴とするプラズマ光源。
  2. 前記中心電極の直径は、前記対称面に向けて小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ光源。
  3. 前記熱吸収部は、前記中心電極よりも熱伝導率の高い材料を用いて前記中心電極と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ光源。
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