以下に、本願に係る情報提供システムおよび情報提供方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報提供システムおよび情報提供方法が限定されるものではない。
[1.情報提供処理]
まず、実施形態に係る情報提供処理について説明する。図1は、実施形態に係る情報提供システムが行う情報提供処理の説明図である。
図1に示すように、実施形態に係る情報提供システムは、無線LANアクセスポイントと、情報管理装置とを備える。情報管理装置は、通信ネットワークを介して無線LANアクセスポイントと通信可能であり、さらに、携帯電話通信網を介して携帯電話機である無線端末と通信可能となっている。通信ネットワークは、例えば、インターネットなどのIP(Internet Protocol)ネットワークである。
携帯電話通信網は、図示しないゲートウェイサーバを介して通信ネットワークに接続されており、無線端末は、携帯電話基地局(無線WAN基地局の一例に相当)を経由して通信ネットワークに接続されたサーバ(例えば、ウェブサイト)へのアクセスが可能である。また、無線端末は、無線LAN通信機能を搭載した携帯電話機であり、無線LANアクセスポイントの通信エリア内では、無線LANアクセスポイント経由でもサーバへのアクセスが可能である。
無線LANアクセスポイントは、その通信エリア内に存在する無線端末を検出する検出手段を備えており、かかる検出手段によって検出された無線端末の情報を含む検出情報を情報管理装置へ送信する(step1)。無線LANアクセスポイントの検出手段は、例えば、無線端末から出力される無線パケットから無線端末の識別情報を検出することで、無線端末を検出することができる。
情報管理装置は、無線LANアクセスポイントから送信される検出情報を受け付け、かかる検出情報を送信した無線LANアクセスポイントに対応する通知用情報を選択する(step2)。情報管理装置は、通知用情報を記憶するデータベース(以下、DBと記載する)を備えており、かかるDBに記憶された通知用情報のうち、検出情報を送信した無線LANアクセスポイントに対応する通知用情報を選択してDBから取得する。
次に、情報管理装置は、DBから取得した通知用情報を無線端末へ送信する通信媒体を選択する(step3)。通信媒体としては、無線LANアクセスポイントと携帯電話通信網とがあり、情報管理装置は、これらの通信媒体のうちいずれか一方を所定条件に基づいて選択して通知用情報を送信する。
例えば、無線LANアクセスポイントと無線端末との間の通信が所定の通信条件を満たす場合に、無線LANアクセスポイントへ通知用情報を送信し、無線LANアクセスポイントから通知用情報を無線端末へ通知させる(step4a)。一方、無線LANアクセスポイントと無線端末との間の通信が所定の通信条件を満たさない場合、携帯電話通信網へ通知用情報を送信し、携帯電話基地局から通知用情報を無線端末へ通知させる(step4b)。
ここで、所定の通信条件を満たさない場合とは、例えば、無線LANアクセスポイントが無線端末から受信する無線パケットの電波強度が所定値以下の場合や、無線LANアクセスポイントが無線端末から無線パケットを正常に受信できなくなった場合などである。
無線端末は、無線LANアクセスポイントまたは携帯電話基地局から通知用情報を受信すると、表示部に通知用情報を表示する(step5)。このように表示される通知用情報は、無線端末を検出した無線LANアクセスポイントに対応する通知用情報である。図1に示す例では、「○△☆カフェ」に設置された無線LANアクセスポイントから、「○△☆カフェ」に関連する情報が通知用情報として無線端末の表示部に表示される。
このように、実施形態に係る情報提供システムでは、無線端末が無線LANアクセスポイントの通信エリア内に入った場合に、この無線LANアクセスポイントに対応する通知情報が無線端末へ通知される。
そのため、例えば、無線LANアクセスポイントを店舗に設置した場合、店舗に入ったユーザに対して店舗の情報を通知することができ、これにより、ユーザに対して店舗の情報を効果的に通知することが可能となる。また、ユーザにとっても、入店した店舗とは全く関係ない情報が無秩序に通知されることがなく、ユーザに対して不快感を与えない。
また、無線LANアクセスポイントは、例えば、複合商業施設のフロア毎に設置することで、フロア毎に通知用情報を無線端末に通知することができ、緯度経度が同じであっても、異なる通知用情報を無線端末に通知することができる。したがって、GPSによる位置確認に応じた情報通知に比べ、より適切な情報を無線端末のユーザに通知することが可能となる。
また、実施形態に係る情報提供システムでは、異なる通信ルートから通知用情報を無線端末に通知することができる。そのため、例えば、一方の通信ルートで通知用情報を無線端末へ通知することができない場合であっても、他方の通信ルートで通知用情報を通知させることができ、通知用情報を確実に通知することができる。
[2.情報提供システムの構成]
図2を用いて、実施形態に係る情報提供システムの構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。
図2に例示するように、情報提供システム1は、複数の無線LANアクセスポイント31〜3nと、情報管理装置4とを備え、無線端末21〜2nに対して各種の情報を提供する。無線端末21〜2nは、スマートフォンなどのように、無線LAN通信機能を備えた携帯電話機であり、各ユーザに所有される。なお、無線端末21〜2nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「無線端末2」と表記する。
複数の無線LANアクセスポイント31〜3nおよび情報管理装置4は、情報提供サービス業者によって管理される。なお、無線LANアクセスポイント31〜3nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「無線LANアクセスポイント3」と表記する。
無線LANアクセスポイント3は、通信ネットワーク5を介して情報管理装置4に接続されており、情報管理装置4は、通信ネットワーク5を介して無線LANアクセスポイント3から無線端末2に各種の情報を提供することができる。本実施形態では、通信ネットワーク5をインターネットとして説明するが、通信ネットワーク5はインターネットに限定されるものではなく、例えば、情報提供サービス業者専用に設けられるネットワークであってもよい。
また、携帯電話通信網6は、ゲートウェイサーバ8、9を介して通信ネットワーク5に接続されており、情報管理装置4は、通信ネットワーク5を介して携帯電話通信網6に接続された携帯電話基地局71〜7nから無線端末2に情報を送信させることもできる。なお、携帯電話基地局71〜7nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「携帯電話基地局7」と表記する。
ここでは、無線WAN(Wide Area Network)基地局が接続される通信網として携帯電話通信網6を一例に挙げて説明したが、無線WAN基地局が接続される通信網は携帯電話通信網6に限られない。例えば、無線WAN基地局が接続される通信網はデータ通信専用網であってもよい。この場合、無線WAN基地局はデータ通信専用網の無線基地局であり、かかる無線基地局から無線端末2に情報が送信される。
無線端末2は、専用アプリケーションを搭載しており、通信ネットワーク5を介して情報提供システム1から提供される情報を取得して表示する。専用アプリケーションは、例えば、情報提供システム1から無線端末2に提供されるプログラムであり、後述する店舗ポータルの情報やエリアポータルの情報などを無線端末2の表示部に表示することができる。
また、無線端末2は、ブラウザを搭載しており、情報提供システム1や図示しないサイトから提供されるページの情報を表示する。例えば、通信ネットワーク5がインターネットである場合、情報提供システム1から提供されるページは、HTML(HyperText Markup Language)などのマークアップ言語で規定されるウェブページである。情報提供システム1は、店舗ポータルの情報やエリアポータルの情報などをウェブページとして提供することもできる。
無線LANアクセスポイント3は、無線LANインタフェース(I/F)41と、制御部42と、通信I/F43と、記憶部44とを備える。無線LANインタフェース41は、無線LAN通信機能を搭載した無線端末2との間で情報の送受信を行い、通信I/F43は通信ネットワーク5との間で情報の送受信を行う。なお、無線LANとして、例えば、IEEE802.11によって規定される無線LANなどがあるが、かかる規格の無線LANに限定されるものではない。
情報管理装置4は、通信I/F10と、制御部20と、ユーザ情報DB31と、店舗DB32と、エリアDB33と、コンテンツDB34とを備える。さらに制御部20は、受付部21と、取得部22と、収集部23と、送信部24と、判定部25と、予約処理部26とを備える。
通信I/F10は、NIC(Network Interface Card)等のインタフェースである。制御部20は、通信I/F10を介して、無線端末2および無線LANアクセスポイント3等との間で各種の情報を送受信する。
各DB31〜34は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。
制御部20は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。また、制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、図示しない内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。かかる制御部20は、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
[3.ユーザ情報DB]
次に、ユーザ情報DB31の一例について説明する。かかるユーザ情報DB31には、ユーザ情報テーブルおよびユーザ店舗行動履歴データが記憶される。図3は、ユーザ情報テーブルの一例を示す図であり、図4は、ユーザ店舗行動履歴データの一例を示す図である。
(ユーザ情報テーブル)
図3に示すように、ユーザ情報テーブルには、ユーザID毎に、LAN―ID、WAN−ID、ユーザ属性情報などの各情報を対応付けた情報が含まれる。LAN―ID、WAN−IDおよびユーザ属性情報は、例えば、登録要求等に含まれる情報であり、無線端末2から情報管理装置4に対して、ユーザ登録を行った場合に、制御部20によってユーザ情報テーブルに設定される。
ユーザ登録は、例えば、無線端末2から情報管理装置4に対して携帯電話通信網6経由で行うことができる。この場合、情報管理装置4の制御部20は、無線端末2から送信されるユーザ登録の要求に対してユーザIDを割り当て、ユーザ登録の要求に含まれるWAN−IDやユーザ属性情報などの情報をユーザ情報テーブルに設定する。また、LAN−IDは、ユーザ登録を行ったユーザの無線端末2が無線LANアクセスポイント3に対して設定要求を行った場合に、無線LANアクセスポイント3の制御部43から情報管理装置4に送信され、制御部20によってユーザ情報テーブルに設定される。
ユーザIDは、無線端末2のユーザ毎に割り当てられたIDであり、例えば、無線端末2から情報管理装置4に対してユーザ登録を行った場合に、制御部20によってユーザ情報テーブルに設定される。
LAN―IDは、無線端末2の無線LAN通信I/F側の識別情報であり、例えば、無線端末2の無線LAN通信I/Fに割り当てられたMAC(Media Access Control address)アドレスである。無線端末2は、LAN―IDを含む無線パケットを送受信することで無線LANアクセスポイント3との間で通信を行う。なお、LAN―IDは、無線端末2を識別できるものであればよく、必ずしもMACアドレスに限られるものではない。
WAN−IDは、無線端末2の携帯電話通信I/F側の識別情報である。例えば、無線端末2が第3世代移動通信システムである場合、WAN−IDは、無線端末2に搭載されたSIMカード(Subscriber Identity Module Card)の固有番号である。かかる固有番号は、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)とも呼ばれる。無線端末2は、WAN−IDを含む無線パケットを送受信することで携帯電話基地局7との間で通信を行う。
ユーザ属性情報は、無線端末2のユーザのユーザ属性である。かかるユーザ属性情報は、ユーザの性別や年齢などのデモグラフィック属性であるが、ユーザの価値観、ライフスタイル、性格、嗜好などを示すサイコグラフィック属性を含めることもできる。ユーザ属性情報は、例えば、無線端末2から情報管理装置4に対してユーザ登録を行った場合に、制御部20によってユーザ情報テーブルに設定される。
(ユーザ店舗行動履歴データ)
図4に示すように、ユーザ店舗行動履歴データには、ユーザID毎に、AP−ID、アクション内容、アクション日時などの各情報を対応付けた情報が含まれる。かかるユーザ店舗行動履歴データは、無線LANアクセスポイント3の設置空間と無線端末2のユーザとの間の関係を示す履歴の情報であり、制御部20の収集部23によって収集され、ユーザ情報DB31に記憶される。
AP−IDは、無線LANアクセスポイント3の通信ネットワーク5側の識別情報であり、例えば、無線LANアクセスポイント3に割り当てられたIPアドレスである。なお、AP−IDは、通信ネットワーク5上で送受信される通信情報に含ませることができる固有情報であればよく、IPアドレスに限られるものではない。
アクション内容は、対応するAP−IDの無線LANアクセスポイント3が設置された店舗または空間(以下、設置店舗と記載する)に対する無線端末2のユーザのアクションの内容を示す情報である。例えば、無線端末2のユーザが無線LANアクセスポイント3の設置店舗に進入した場合、アクション内容は「チェックイン」である。また、無線端末2のユーザが無線LANアクセスポイント3の設置店舗から退出した場合、アクション内容は「チェックアウト」である。
また、無線端末2のユーザが無線LANアクセスポイント3の設置店舗に設置されたテーブル席に座った場合、アクション内容は「座席位置情報」(例えば、図4に示す例では「A−21 着座」)である。ユーザの着座は、例えば、テーブル席に設けられたRFタグのID情報により検出することができる。
具体的には、無線端末2の制御部は、テーブル席に設けられたRFタグのID情報を読み取り、情報管理装置4へ通知する。これにより、情報管理装置4の制御部20は、ユーザの着座位置を検出する。また、テーブル席にRFタグを読み取るリーダを設け、かかるリーダから情報管理装置4へ通知されるようにしてもよい。なお、RFタグには、例えば、ワンチップのICで構成されるICタグなどがある。
また、無線端末2のユーザが無線LANアクセスポイント3の設置店舗で提供されるサービスを注文した場合、アクション内容は「サービス注文情報」(例えば、図4に示す例では「スパゲティ注文」)である。サービスの注文は、例えば、無線端末2から後述する店舗ポータルから行うことができ、情報管理装置4は、店舗ポータルを介して無線端末2からの注文要求を受け付けて、ユーザ店舗行動履歴データに追加する。また、店舗に設けられ、通信ネットワーク5に接続されたPOSシステムから通信ネットワーク5を介してユーザの注文情報を情報管理装置4へ通知するようにしてもよい。
また、アクション内容には、例えば、無線端末2のユーザが後述する店舗ポータルに対して行ったアクションの内容なども含まれる。例えば、無線端末2のユーザが店舗ポータルにおいて、試してみたいサービス(例えば、食べたいメニューや購入したい商品)として登録や投票を行った場合、かかる情報がアクションの内容としてユーザ店舗行動履歴データに追加される。
[4.店舗DB]
次に、店舗DB32の一例について説明する。かかる店舗DB32には、店舗情報テーブル、提供情報テーブル、予約データおよび端末存在データが記憶される。図5は、店舗情報テーブルの一例を示す図であり、図6は、提供情報テーブルの一例を示す図である。また、図7は、予約データの一例を示す図であり、図8は、端末存在データの一例を示す図である。
(店舗情報テーブル)
図5に示すように、店舗情報テーブルには、店舗ID毎に、AP−ID、店舗名、店舗位置、収容人数などの各情報を対応付けた情報が含まれる。
店舗IDは、各無線LANアクセスポイント3の設置店舗毎に割り当てられたIDである。図5に示す例では、1つの店舗IDに対して1つのAP−IDが対応付けられているが、例えば、1つの店舗IDに対して複数のAP−IDを対応付けることもできる。なお、AP−IDは、上述したように、無線LANアクセスポイント3の通信ネットワーク5側の識別情報である。
店舗名および店舗位置は、無線LANアクセスポイント3の設置店舗の名称および所在地の情報である。また、収容人数は、無線LANアクセスポイント3の設置店舗で顧客を収容できる人数である。
(提供情報テーブル)
図6に示すように、提供情報テーブルには、店舗ID毎に、通知用店舗情報の格納位置、店舗ポータル情報の格納位置、クーポン情報の格納位置などの各情報を対応付けた情報が含まれる。
通知用店舗情報は、無線端末2へ通知する通知用情報であり、無線LANアクセスポイント3の設置店舗からの発信情報である。提供情報テーブルには、通知用店舗情報の格納位置が店舗IDと関連付けられる。
店舗ポータル情報は、無線端末2へ提供する設置店舗に関する情報を含んでおり、提供情報テーブルには、店舗ポータル情報の格納位置が店舗IDと関連付けられる。
クーポン情報は、設置店舗で使用可能なクーポンの情報であり、無線端末2へ提供する情報である。かかるクーポン情報は、例えば、設置店舗で提供されるサービス(商品を含む)の情報と、割引範囲の情報とを関連付けた情報である。制御部20の取得部22は、提供情報テーブルに設定されるクーポン情報の中から、無線端末2のユーザの行動履歴に応じた内容のサービスおよび割引内容のクーポンを決定し、ユーザへ提供する。
(予約データ)
図7に示すように、予約データには、店舗ID毎に、予約ユーザID、予約AP−ID、予約日時などの各情報を対応付けた情報が含まれる。
予約ユーザIDは、設置店舗に対する予約を行ったユーザのユーザIDであり、制御部20の受付部21が無線端末2からの予約要求を受け付けた場合に、制御部20の予約処理部26によって予約データに追加される。
予約AP−IDは、無線端末2からの予約要求を中継した無線LANアクセスポイント3のAP−IDであり、制御部20の受付部21が無線LANアクセスポイント3を介して無線端末2からの予約要求を受け付けた場合に、制御部20の予約処理部26によって予約データに追加される。
予約日時は、設置店舗に対する予約日時であり、制御部20の受付部21が受け付けた予約要求に含まれる予約日時の情報が、制御部20の予約処理部26によって予約データに追加される。
(端末存在データ)
図8に示すように、端末存在データには、店舗ID毎に、AP−ID、ユーザID、チェックイン時刻、チェックアウト時刻、電波強度などの各情報を対応付けた情報が含まれる。
AP−IDは、店舗IDの店舗に設置された無線LANアクセスポイント3のAP−IDである。また、ユーザID、チェックイン時刻、チェックアウト時間、電波強度などの各情報は、無線LANアクセスポイント3から情報管理装置4に送信される検出情報に基づき、制御部20の収集部23によって店舗DB32に記憶される情報である。
端末存在データに追加されるユーザIDは、無線LANアクセスポイント3の通信エリア(以下、AP通信エリアと記載する場合がある)に存在する無線端末2のユーザに対応するユーザIDである。収集部23は、検出情報に含まれる無線端末2のLAN―IDからユーザ情報テーブル(図3)を参照してユーザIDを取得する。なお、ユーザIDに代えて、無線端末2のLAN―IDを端末存在データとして店舗DB32に記憶するようにしてもよい。
チェックイン時刻は、AP通信エリアへの無線端末2の進入時刻である。制御部20は、かかる進入時刻と現時刻とを比較することによってAP通信エリア内での無線端末2の滞在時間を検出することができる。
チェックアウト時刻は、AP無線エリアに進入した無線端末2がその後AP無線エリアから退出した時刻である。図8に示す例では、AP無線エリアから退出した無線端末2の情報は含まれていないが、AP無線エリアに進入した無線端末2がAP無線エリアから退出した場合には、制御部20によって、その退出時刻がチェックアウト時刻として端末存在データに設定される。
なお、チェックアウト時刻が設定された「ユーザID」、「チェックイン時刻」、「チェックアウト時刻」、「電波強度」の組は、制御部20によって履歴情報として管理される。また、以下において、チェックイン時刻が設定されているがチェックアウト時刻が設定されていないユーザIDを便宜上チェックイン状態のユーザIDと記載する。
電波強度は、無線端末2から無線LANアクセスポイント3へ送信される無線パケットの電波強度であり、無線LANアクセスポイント3によって検出される情報である。かかる電波強度の情報は、無線LANアクセスポイント3から情報管理装置4へ通知される検出情報に含まれる。
なお、無線LANアクセスポイント3から無線端末2への無線パケットの電波強度を無線端末2で検出し、かかる情報を無線LANアクセスポイント3を介して情報管理装置4へ送信するようにしてもよい。
[5.エリアDB]
次に、エリアDB33の一例について説明する。かかるエリアDB33には、エリア情報テーブルとユーザエリア行動履歴テーブルとが記憶される。図9は、エリア情報テーブルの一例を示す図であり、図10は、ユーザエリア行動履歴テーブルの一例を示す図である。
(エリア情報テーブル)
図9に示すように、エリア情報テーブルには、エリアID毎に、AP−ID、通知用エリア情報の格納位置、レコメンド情報の格納位置、クーポン情報の格納位置などの各情報を対応付けた情報が含まれる。
エリアIDは、2以上の無線LANアクセスポイント3を一つの無線LANアクセスポイント群とし、かかる無線LANアクセスポイント群毎に割り当てられたIDである。かかるエリアIDは、例えば、制御部20によってエリア情報テーブルに設定される。なお、無線LANアクセスポイント群を構成する複数の無線LANアクセスポイント3によって形成される通信エリアを、以下、AP群通信エリアと呼ぶことがある。
AP−IDは、無線LANアクセスポイント群に含まれる無線LANアクセスポイント3のAP−IDである。かかるAP−IDは、例えば、制御部20によってエリア情報テーブルに設定される。
通知用エリア情報は、情報管理装置4から無線端末2へ通知する通知用情報であり、AP群通信エリアに存在する店舗などに関する発信情報である。エリア情報テーブルには、通知用エリア情報の格納位置がAP−IDと関連付けられる。
なお、無線LANアクセスポイント群に含まれる無線LANアクセスポイント3のAP−IDであっても、通知用エリア情報の格納位置が設定されないAP−IDもある。このように、通知用エリア情報の格納位置を設定しないことにより、かかるAP−IDの無線LANアクセスポイント3の通信エリアでは、通知用エリア情報が無線端末2へ通知されないようにすることができる。
レコメンド情報は、AP群通信エリアに存在する店舗に関するお勧め情報であり、情報管理装置4から無線端末2へ提供される情報である。エリア情報テーブルには、レコメンド情報の格納位置がAP−IDと関連付けられる。
クーポン情報は、AP群通信エリアに存在する店舗で使用可能なクーポンの情報であり、情報管理装置4から無線端末2へ提供される情報である。エリア情報テーブルには、クーポン情報の格納位置がAP−IDと関連付けられる。
かかるクーポン情報は、例えば、店舗名の情報、店舗で提供されるサービス(商品を含む)の情報と、割引範囲の情報とを関連付けた情報である。制御部20の取得部22は、エリア情報テーブルに設定されるクーポン情報に基づき、無線端末2のユーザの行動履歴に応じた店舗、サービスおよび割引内容のクーポンを決定し、かかるクーポンの情報が送信部24によってユーザへ提供される。
(ユーザエリア行動履歴テーブル)
図10に示すように、ユーザエリア行動履歴テーブルには、エリアID毎に、ユーザIDの情報を対応付けた情報が含まれる。かかるユーザエリア行動履歴テーブルは、AP群通信エリア内での無線端末2のユーザ位置の遷移を示す移動履歴の情報であり、制御部20の収集部23によって収集され、エリアDB33に記憶される。
図10に示す例では、例えば、エリアID「40001」のAP群通信エリアにおいて、ユーザID「10001」のユーザは、AP−ID「20002」、「20001」、「20003」、・・・の順で移動していることを示している。なお、ここでは、AP−IDのみをエリアIDおよびユーザIDと関連付けているが、各AP−IDに対応する無線LANアクセスポイント3でのユーザの滞在時間などをエリアIDおよびユーザIDと関連付けるようにしてもよい。
また、図10に示す例では、ユーザがAP群通信エリアから退出した場合には、退出したユーザに対応するユーザIDおよびAP−IDは削除される。なお、ユーザがAP群通信エリアから退出した場合であっても、退出したユーザに対応する情報を削除しないこともできる。例えば、制御部20は、AP群通信エリアへの進入時刻および退出時刻を移動した無線LANアクセスポイント3のAP−IDと関連付けて履歴としてユーザエリア行動履歴テーブルに設定することもできる。
[6.コンテンツDB]
次に、コンテンツDB34の一例について説明する。かかるコンテンツDB34には、コンテンツ情報テーブルおよびコンテンツ視聴条件テーブルが記憶される。図11は、コンテンツ情報テーブルの一例を示す図であり、図12は、コンテンツ視聴条件テーブルの一例を示す図である。
(コンテンツ情報テーブル)
図11に示すように、コンテンツ情報テーブルには、コンテンツID毎に、コンテンツ名、カテゴリ、サムネイル、利用レベルなどの各情報を対応付けた情報が含まれる。
コンテンツIDは、コンテンツ毎に割り当てられたIDである。コンテンツとしては、例えば、雑誌、漫画、映画、音楽などのデジタルコンテンツがある。コンテンツ名、カテゴリ、サムネイルおよび利用レベルはそれぞれ、コンテンツの名称、カテゴリ、サムネイルの格納位置、利用レベルである。
例えば、図11に示す例では、コンテンツID「50001」として、コンテンツ名「週刊○○」、カテゴリ「雑誌」、サムネイルの格納位置「image1/50001/」、および利用レベル「4」が割り当てられる。
(コンテンツ視聴条件テーブル)
図12に示すように、コンテンツ視聴条件テーブルには、AP−ID毎に、利用レベル、制限時間、制限数などの各情報を対応付けた情報が含まれる。かかるコンテンツ視聴条件テーブルは、無線LANアクセスポイント3に対する利用条件を設定する情報である。
利用レベルは、対応する無線LANアクセスポイント3の通信エリア内で利用できるコンテンツの条件を示す情報である。例えば、利用レベルが「4」である無線LANアクセスポイント3のAP通信エリア内では、コンテンツ情報テーブルにおいて利用レベルが「4」以下のコンテンツIDに対応するコンテンツを視聴することができる。
制限時間は、AP通信エリア内に存在する各無線端末2において、コンテンツを視聴することができる時間である。制限数は、AP通信エリア内に存在する各無線端末2において、利用できるコンテンツの数である。
図12に示す例では、例えば、AP−ID「30001」に対応する無線LANアクセスポイント3の通信エリアにおいて、無線端末2のユーザは、利用レベルが「3」以下のコンテンツIDに対応するコンテンツを、1時間の間に20個まで視聴できることを示している。
[7.作用(無線LANアクセスポイントの動作)]
次に、実施形態に係る無線LANアクセスポイント3の情報処理について、図2および図13を参照して説明する。図13は、実施形態に係る無線LANアクセスポイント3における情報処理のフローチャートである。かかる動作は、無線LANアクセスポイント3の制御部42によって繰り返し実行される処理である。
図13に示すように、無線LANアクセスポイント3の制御部42は、無線端末2を検出したか否かを判定する(ステップS10)。制御部42は、無線端末2から周期的に無線パケット(例えば、プローブ要求)がブロードキャストなどによって送信される場合、かかる無線パケットを無線LAN−I/F41を介して取得することで、無線端末2の存在を検出する。
また、制御部42は、周期的に無線パケットが送信されない無線端末2に対して、例えば、無線パケットを無線LAN−I/F41を介してブロードキャストし、かかる無線パケットに対する応答パケットを受信することで、無線端末2の存在を検出する。
制御部42は、例えば無線端末21(図2参照)を検出したと判定すると(ステップS10;Yes)、検出情報を通信I/F43を介して情報管理装置4へ送信する(ステップS11)。具体的には、制御部42は、無線端末21から送信される無線パケットに含まれる無線端末21の識別情報を抽出し、さらに無線パケットの電波強度を検出する。
そして、制御部42は、無線端末21の識別情報および電波強度の情報に加え、自身の無線LANアクセスポイント3の識別情報を含む情報を検出情報として、情報管理装置4へ送信する。無線LANアクセスポイント3の識別情報としては、例えば、通信I/F43に割り当てられるアドレスを用いることができる。
ステップS10の処理において、例えば無線端末21を検出していないと判定した場合(ステップS10;No)、または、ステップS11の処理が終了した場合、制御部42は、情報管理装置4から通信I/F43を介して情報を受信したか否かを判定する(ステップS12)。情報管理装置4から情報を受信したと判定すると(ステップS12;Yes)、制御部42は、情報管理装置4から受信した情報をこの情報の宛先となる無線端末2mへ転送する(ステップS13)。
ここで、上述した無線端末2mは、無線端末21〜2n(図2参照)のうち、制御部43によって当該無線LANアクセスポイント3の通信エリアに存在していることを検出されており(ステップS10;Yes)、かつ、現在も当該通信エリアに在圏している無線端末2を表す。かかる無線端末2mは、1台でも複数台でもよい。なお、情報管理装置4から受信した情報の宛先が自身の無線LANアクセスポイント3である場合、制御部42は受信した情報に応じた処理を行う。
ステップS12において、情報管理装置4から情報を受信していないと判定した場合(ステップS12;No)、または、ステップS13の処理が終了した場合、制御部42は、無線端末2mから情報管理装置4に対する要求があるか否かを判定する(ステップS14)。かかる要求は、例えば、後述する店舗情報要求、エリア情報要求、コンテンツ提供要求などである。
制御部42は、無線端末2mから情報管理装置4に対する要求があると判定すると(ステップS14;Yes)、無線端末2からの要求を通信I/F43を介して情報管理装置4に転送する(ステップS15)。
ステップS15の処理が終了した場合、または、ステップS14において、無線端末2から情報管理装置4に対する要求がないと判定された場合(ステップS14;No)、制御部42は処理を終了する。制御部42は、例えば、ステップS10、S11の処理、ステップS12、S13の処理、および、ステップS14、S15の処理をそれぞれマルチタスク処理によって実行することができる。
なお、無線LANアクセスポイント3の制御部42は、無線端末2から設定要求の受け付けも行う。この場合、無線端末2から設定要求にはユーザIDや無線端末2のLAN−IDが含まれており、無線LANアクセスポイント3の制御部42は、かかる設定要求に含まれる情報を情報管理装置4に送信する。情報管理装置4の制御部20は無線LANアクセスポイント3から送信される情報に基づいて、ユーザ情報テーブルの対応するユーザIDにLAN−IDを設定する。
このように、無線LANアクセスポイント3の制御部42は、中継手段として、無線端末2と情報管理装置4との間で行われる情報の送受信を中継する中継機能を有する。さらに、無線LANアクセスポイント3の制御部42は、検出手段として、通信エリア内に存在する無線端末2を検出し、検出情報送信手段として、検出した無線端末2の識別情報および電波強度の情報などを情報管理装置4へ送信する。
なお、上述の処理では、無線端末2の識別情報を検出する度に情報管理装置4へ送信することとしたが、制御部42は、所定期間に検出した無線端末2の識別情報をまとめて情報管理装置4に送信することもできる。
また、制御部42は、繰り返し連続して同一の無線端末2の識別情報を検出した場合、最初の検出情報は検出するとすぐに情報管理装置4へ送信し、その後、識別情報の検出タイミングに関わらず無線端末2の識別情報を検出しなくなるまで、所定間隔で検出情報を情報管理装置4へ送信することもできる。
また、制御部42は、繰り返し連続して同一の無線端末2の識別情報を検出した場合、無線端末2からの無線パケットの電波強度が所定値未満であれば、検出情報をすぐに情報管理装置4へ送信し、電波強度が所定値以上であれば、情報管理装置4へ検出情報を所定間隔で送信するようにもできる。
[8.作用(情報管理装置の情報処理)]
次に、実施形態に係る情報管理装置4の情報処理について説明する。図14は、実施形態に係る情報管理装置4における情報処理のフローチャートである。かかる動作は、情報管理装置4の制御部20によって繰り返し実行される処理である。
図14に示すように、制御部20は、通信I/F10を介して無線LANアクセスポイント3からの検出情報を受付部21で受け付けたか否かを判定する(ステップS20)。受付部21が検出情報を受け付けた場合(ステップS20;Yes)、制御部20は、通知処理を実行する(ステップS21)。かかる通知処理は、図15のステップS30〜S37の処理であり、後で詳述する。なお、制御部20の収集部23は、例えば、ステップS36、S37の処理の後に、受付部21によって受け付けられた検出情報に基づいて、店舗DB32の端末存在データ、エリアDB33のユーザエリア行動履歴テーブルなどを更新する。
ステップS20において、検出情報を受付部21が受け付けていない場合(ステップS20;No)、制御部20は、通信I/F10を介して無線端末2から情報提供要求を受付部21で受け付けたか否かを判定する(ステップS22)。情報提供要求を受付部21で受け付けた場合(ステップS22;Yes)、制御部20は、情報提供処理を実行する(ステップS23)。かかる情報提供処理は、図17に示すステップS40〜S43の処理であり、後で詳述する。
ステップS22において、情報提供要求を受付部21が受け付けていない場合(ステップS22;No)、制御部20は、通信I/F10を介して無線端末2から予約要求を受付部21で受け付けたか否かを判定する(ステップS24)。無線端末2から予約要求を受け付けた場合(ステップS24;Yes)、予約処理部26は、予約処理を実行する(ステップS25)。
無線端末2からの予約要求には、無線端末2のLAN―IDと、予約要求を中継した無線LANアクセスポイント3に対応するAP−ID、および、予約日時の情報等が含まれている。予約処理部26は、予約要求に含まれる情報に基づき、店舗DB32の予約データを更新することで、予約処理を実行する。なお、予約処理部26は、無線端末2のLAN―IDに対応するユーザIDをユーザ情報テーブルから取得して店舗DB32の予約データに追加する。なお、受付部21は、後述する混雑具合の情報を送信した無線端末2からの予約要求である場合に、かかる予約要求を受け付けるようにすることができる。
ステップS24において、無線端末2から予約要求を受付部21が受け付けていない場合(ステップS24;No)、制御部20は、通信I/F10を介して無線端末2からコンテンツ要求を受付部21で受け付けたか否かを判定する(ステップS26)。コンテンツ要求を受付部21で受け付けた場合(ステップS26;Yes)、制御部20は、コンテンツ提供処理を実行する(ステップS27)。かかるコンテンツ提供処理は、図21に示すステップS50〜S55の処理であり、後で詳述する。
ステップS26において、無線端末2からコンテンツ要求を受付部21が受け付けていない場合(ステップS26;No)、制御部20は、通信I/F10を介して無線端末2からその他の要求を受付部21で受け付けたか否かを判定する(ステップS28)。その他の要求を受付部21で受け付けた場合(ステップS28;Yes)、制御部20は、無線端末2からの要求に応じた処理を行う(ステップS29)。
また、制御部20は、通信I/F10を介して無線端末2からその他の情報を受付部21で受け付けた場合、制御部20の収集部23は、受け付けた情報をその情報に応じたDBへ記憶する。例えば、ユーザ情報DB31のユーザ店舗行動履歴データ、店舗DB32の端末存在データ、エリアDB33のユーザエリア行動履歴テーブルなどは、収集部23によって収集された情報に応じて更新される。
ステップS21、S23、S25、S27、S29の処理が終了した場合、または、ステップS28においてその他の要求や情報を受付部21で受け付けていない場合(ステップS28;No)、制御部20は、処理を終了する。
[9.作用(通知処理)]
次に、図14に示すステップS21の通知処理の手順について説明する。図15は、図14に示す通知処理のフローチャートである。かかる通知処理は、受付部21が検出情報を受け付けた場合に実行される処理である。
かかる通知処理は、エリア通知対象に関する処理、店舗通知対象に関する処理、特定通知対象に関する処理、通知用情報の送信に関する処理を行う。以下、これらの処理について順次説明する。
[9.1.エリア通知対象に関する処理]
図15に示すように、制御部20の取得部22は、受付部21が受け付けた検出情報に基づき、無線LANアクセスポイント3で検出された無線端末2がエリア通知対象であるか否かを判定する(ステップS30)。取得部22は、無線LANアクセスポイント群の通信エリアであるAP通信エリアに無線端末2が進入し、かつ、進入した通信エリアが特定の無線LANアクセスポイント3である場合に、無線端末2がエリア通知対象であると判定する。
具体的には、取得部22は、検出情報に含まれるLAN―IDとAP−IDとに基づき、エリアDB33に記憶されたエリア情報テーブルおよびユーザエリア行動履歴テーブルを参照して無線端末2がエリア通知対象であると判定する。
例えば、エリア情報テーブルが図9に示す状態であり、ユーザエリア行動履歴テーブルが図10に示す状態であるとする。この場合、検出情報に含まれるAP−IDが「20017」であれば、エリア情報テーブルにおいて、対応するエリアID「40001」があるため、取得部22は、無線端末2がAP通信エリア内に存在すると判定する。
そして、検出情報に含まれるLAN―IDに対応するユーザIDが「20017」であれば、ユーザエリア行動履歴テーブルにおいて、対応するエリアID「40001」にユーザIDに対応するAP−IDがないため、AP通信エリアに無線端末2が進入したと判定する。さらに、エリア情報テーブルにおいて、AP−IDが「20017」に対応する通知エリア情報の格納位置が設定されているため、取得部22は、進入した通信エリアが特定の無線LANアクセスポイント3であると判定する。
一方、検出情報に含まれるLAN―IDに対応するユーザIDが「20001」であれば、ユーザエリア行動履歴テーブルにおいて、対応するエリアID「40001」にユーザIDに対応するAP−IDがあるため、取得部22は、AP通信エリアに無線端末2が進入済みであると判定する。また、検出情報に含まれるAP−IDが「20019」であれば、エリア情報テーブルにおいて、通知エリア情報の格納位置が設定されていないため、特定の無線LANアクセスポイント3への進入ではないと判定する。
取得部22は、無線端末2がAP通信エリアに進入し、かつ、進入した通信エリアが特定の無線LANアクセスポイント3である場合、無線端末2がエリア通知対象であると判定し(ステップS30;Yes)、かかる無線端末2にプッシュ通知する通知用エリア情報をエリアDB33から取得する(ステップS31)。取得部22は、通知用エリア情報をエリアDB33に記憶されたエリア情報テーブルに基づいて取得する。
具体的には、取得部22は、検出情報に含まれるAP−IDに対応する通知用エリア情報の格納位置をエリア情報テーブルから取得し、かかる格納位置に記憶されている通知用エリア情報を取得する。これにより、取得部22は、無線端末2のAP通信エリアへの進入位置に応じた通知用エリア情報を取得することができる。
例えば、エリアDB33に記憶されたエリア情報テーブルが図9に示す状態であるとする。この場合、取得部22は、検出情報に含まれるAP−IDが「20017」であれば、かかるAP−ID「20017」に対応する通知用エリア情報の格納位置「40001/notice/001/」に格納された通知用エリア情報を取得する。一方、取得部22は、検出情報に含まれるAP−IDが「20018」であれば、かかるAP−ID「20018」に対応する通知用エリア情報の格納位置「40001/notice/002/」に格納された通知用エリア情報を取得する。
このように、取得部22は、無線LANアクセスポイント群の通信エリアであるAP通信エリアに無線端末2が進入し、かつ、進入した通信エリアが特定の無線LANアクセスポイント3である場合に、通知用エリア情報を取得する。このようにすることで、効果的に通知用エリア情報を無線端末2へ通知することができる。
例えば、商店街をAP通信エリアとし、商店街の出入り口および各店舗にそれぞれ無線LANアクセスポイント3を設定する。そして、商店街の出入り口に設置した無線LANアクセスポイント3の通信エリアである場合に通知用エリア情報を取得し、店舗に設置した無線LANアクセスポイント3の通信エリアである場合には後述する通知用店舗情報を取得することができる。
なお、エリア情報テーブルにおいて、通知用エリア情報の格納位置を設定するAP−IDを限定することによって通知用エリア情報の取得を制限するようにしているが、通知用エリア情報の格納位置を設定するAP−IDを限定しないようにすることもできる。
また、無線端末2がAP通信エリアに進入済みの無線端末2であっても、所定条件に基づいて、通知用エリア情報を取得することができるようにしてもよい。例えば、商店街の入口と出口の間の通路や出口に無線LANアクセスポイント3を設定する。そして、商店街の通路や出口に設置した無線LANアクセスポイント3の通信エリアである場合に、通知用エリア情報を取得する。これにより、商店街の通路や出口などでも通知用エリア情報を無線端末2へ通知することができる。
また、取得部22は、無線端末2がAP通信エリアに進入済みの無線端末2に対して通知用エリア情報を取得する場合、例えば、AP通信エリア内における無線端末2の移動経路に応じた通知用エリア情報を選択して取得するようにしてもよい。これにより、より適切な通知用エリア情報を無線端末2へ通知することが可能となる。
なお、取得部22は、検出情報に含まれるLAN―IDに対応する無線端末2のユーザのユーザ情報などを情報管理装置4内のDBや外部サーバなどから取得し、かかる情報に基づいて、通知用エリア情報を取得することもできる。この場合、エリア情報テーブルに設定された通知用エリア情報の格納位置には複数の通知用エリア情報が格納されており、取得部22は、これら複数の通知用エリア情報のうち、取得したユーザ情報などに応じた通知用エリア情報を選択する。
また、取得部22は、通知用エリア情報を選択するためのユーザ情報として、例えば、性別、年齢、住所などのデモグラフィック属性や、ユーザの嗜好情報(例えば、よく行く店、ユーザが気になっている店、ユーザが食べたい料理が提供される店などの情報)、ユーザの行動履歴などを用いる。なお、ユーザの属性や行動履歴として、例えば、ユーザ情報DB31に記憶されたユーザ情報テーブル、ユーザ店舗行動履歴データ、エリアDB33に記憶されたユーザエリア行動履歴テーブル、店舗DB32に記憶された端末存在データの履歴情報などが用いられる。
[9.2.店舗通知対象に関する処理]
次に、店舗通知対象に関する処理について説明する。取得部22は、ステップS30において、無線端末2がエリア通知対象ではないと判定した場合(ステップS30;No)、店舗通知対象であるか否かを判定する(ステップS32)。取得部22は、検出情報に含まれるAP−IDに対応する無線LANアクセスポイント3の通信エリアに無線端末2が進入した場合に、無線端末2が店舗通知対象であると判定する。
具体的には、取得部22は、検出情報に含まれるLAN―IDとAP−IDとに基づき、店舗DB32に記憶されている端末存在データを参照して無線端末2が店舗通知対象であるか否かを判定する。
例えば、端末存在データが図8に示す状態であるとする。この場合、検出情報に含まれるAP−IDに対応する店舗IDが「30001」であり、検出情報に含まれるLAN―IDに対応するユーザIDが「10002」であれば、取得部22は、店舗通知対象であると判定する。すなわち、取得部22は、検出情報に含まれるAP−IDに対応する店舗IDに対して、端末存在データにおいてユーザIDが関連付けられていなければ店舗通知対象であると判定する。
一方、取得部22は、検出情報に含まれるAP−IDに対応する店舗IDに対して、端末存在データにおいてチェックイン状態のユーザIDが関連付けられていれば店舗通知対象ではないと判定する。例えば、端末存在データが図8に示す状態であるとする。この場合、検出情報に含まれるAP−IDに対応する店舗IDが「30001」であり、検出情報に含まれるLAN―IDに対応するユーザIDが「10003」であれば、取得部22は、店舗通知対象ではないと判定する。
取得部22は、無線端末2が店舗通知対象であると判定した場合(ステップS32;Yes)、かかる無線端末2にプッシュ通知する通知用店舗情報を店舗DB32に記憶された提供情報テーブルに基づいて店舗DB32から取得する(ステップS33)。
具体的には、取得部22は、検出情報に含まれるAP−IDに対応する店舗IDに関連付けられた通知用店舗情報の格納位置を提供情報テーブルから取得し、かかる格納位置に記憶されている通知用店舗情報を取得する。これにより、取得部22は、無線端末2が通信エリア内に進入した無線LANアクセスポイント3に応じた通知用店舗情報を取得することができる。
なお、取得部22は、検出情報に含まれるLAN―IDに対応する無線端末2のユーザの情報を店舗DB32や外部サーバなどから取得し、かかる情報に基づいて、通知用店舗情報を取得することもできる。この場合、提供情報テーブルに設定された通知用店舗情報の格納位置には複数の通知用店舗情報が格納されており、取得部22は、これら複数の通知用店舗情報のうち、店舗DB32や外部サーバなどから取得した情報などに応じた通知用店舗情報を選択する。
[9.3.特定通知対象に関する処理]
次に、特定通知対象に関する処理について説明する。ステップS32において、取得部22は、無線端末2が店舗通知対象ではないと判定した場合(ステップS32;No)、特定通知対象であるか否かを判定する(ステップS34)。例えば、取得部22は、検出情報に含まれるLAN―IDに対応する通知用特定情報がユーザ情報DB31に記憶されている場合には、特定通知対象であると判定する。
ユーザ情報DB31には図示しない通知用特定情報テーブルが記憶されており、かかる通知用特定情報テーブルは、ユーザIDと通知用特定情報とが関連付けられた情報である。取得部22は、検出情報に含まれるLAN―IDに対応するユーザIDの通知用特定情報が通知用特定情報テーブルに設定されている場合に、特定通知対象であると判定する。
特定通知対象であると判定すると(ステップS34;Yes)、取得部22は、通知用特定情報テーブルから通知用特定情報を取得する(ステップS35)。なお、通知用特定情報テーブルにおいて、ユーザIDと通知用特定情報とを関連付けるのではなく、LAN―IDと通知用特定情報とを関連付けてもよい。
通知用特定情報テーブルにおける通知用特定情報の設定は、例えば、通信ネットワーク5を介して外部サーバや外部端末から情報管理装置4に対して通知用特定情報の設定要求があった場合に行われる。受付部21は通知用特定情報の設定要求を受け付けると、受け付けられた設定要求に含まれるユーザIDまたはLAN―IDと通知用特定情報とが収集部23によってユーザ情報DB31の通知用特定情報に設定される。
例えば、病院などにおいて、外来患者の来院を受け付ける受付サーバを配置し、かかる受付サーバにユーザIDを登録する。受付サーバはユーザIDに対応するユーザの待ち順番が近くなった場合に、その旨を通知するための情報を通知用特定情報とし、ユーザIDを関連付けた設定要求を通信ネットワーク5経由で情報管理装置4に送信する。これにより、情報管理装置4は、ユーザの待ち順番が近くなった旨を無線端末2に通知することができる。
[9.4.通知用情報の送信に関する処理]
次に、通知用情報の送信に関する処理について説明する。ステップS31、S33、S35の処理が終了した場合、または、ステップS34において、特定通知対象ではないと判定すると(ステップS34;No)、送信部24は、通信媒体を選択する(ステップS36)。
通信媒体としては、検出情報に含まれるAP−IDに対応する無線LANアクセスポイント3と携帯電話基地局7とがある。情報管理装置4は、これらの通信媒体のうちいずれか一方を所定条件に基づいて選択する。例えば、無線LANアクセスポイント3と無線端末2との間の通信が所定の通信条件を満たす場合に、通信媒体として無線LANアクセスポイント3が選択され、所定の通信条件を満たさない場合、通信媒体として携帯電話基地局7が選択される。
ここで、所定の通信条件を満たさない場合とは、上述したように、例えば、無線LANアクセスポイント3が無線端末2から受信する無線パケットの電波強度が所定値以下の場合や、無線LANアクセスポイント3が無線端末2から無線パケットを正常に受信できなくなった場合などである。また、無線パケットを検出することができる時間が所定時間以下のときに所定の通信条件を満たさないと判定することもできる。
なお、この所定の通信条件は、無線端末2のユーザによって設定することができる。例えば、所定の通信条件が無線パケットの電波強度が所定閾値よりも高いという条件や、無線パケットを検出することができる時間が所定時間以上という条件であるとする。この場合、無線端末2のユーザは無線端末2を操作して設定情報を情報管理装置4へ送信することによって、上述した所定閾値や所定時間を変更することができる。
ステップS36において通知用情報を送信する通信媒体を選択すると、送信部24は、選択した通信媒体にステップS31、S33、S35において取得した通知用情報を送信する(ステップS37)。
送信部24は、選択した通信媒体が無線LANアクセスポイント3である場合、かかる無線LANアクセスポイント3から通知用情報を無線端末2へプッシュ方式で通知させる。一方、選択した通信媒体が携帯電話基地局7である場合、携帯電話通信網6に通知用情報を送信し、携帯電話基地局7から通知用情報を無線端末2へプッシュ方式で通知させる。
無線端末2は、情報管理装置4から通知用情報を受信すると、かかる通知用情報を表示部に表示する。これにより、無線端末2のユーザに対して、無線LANアクセスポイント3の設置対象に応じた適切な情報を通知することができる。
例えば、「○△☆カフェ」の店舗内に設置された無線LANアクセスポイント3の通信エリア内に無線端末2が進入した場合、図16(a)に示すような通知用店舗情報が無線端末2に表示される。また、「クリニック△○□」の院内に設置された無線LANアクセスポイント3の通信エリア内に無線端末2が進入した場合、図16(b)に示すような通知用店舗情報が無線端末2に表示される。これらの通知用店舗情報は、例えば、各店舗に設置された端末やサーバから情報管理装置4に送信されて店舗DB32に記憶された情報である。
また、例えば、「□★○商店街」をAP群通信エリアとする無線LANアクセスポイント群の通信エリア内に無線端末2が進入した場合、図16(c)に示すような通知用エリア情報が無線端末2に表示される。図16(c)に示す通知用エリア情報は、ユーザに対するおすすめ情報であり、例えば、AP群通信エリアへの無線端末2の進入位置やユーザ情報に基づいて絞り込みが行われた情報である。
また、例えば、上述のように、ユーザの待ち順番が近くなった旨を通知するための通知用特定情報が情報管理装置4に受け付けられた場合、図16(d)に示すような通知用特定情報が無線端末2に表示される。
このように、情報管理装置4は、無線LANアクセスポイント3によって識別情報が検出された無線端末2に対して、検出された無線LANアクセスポイント3または携帯電話基地局7から通知用情報を送信し表示させることができる。
そのため、無線端末2のユーザに対して、無線LANアクセスポイント3が設置される店舗や空間の情報を、その無線LANアクセスポイント3の通信エリアにいる場合に通知されることになるため、所在地とは無関係に情報が通知されることがない。
なお、情報管理装置4の制御部20は、無線端末2に通知用情報を通知した履歴をユーザ情報DB31に記憶し、無線端末2への通知用情報の通知が所定期間内に繰り返し行われないようにすることもできる。
これにより、例えば、店舗外にトイレや喫煙場所がある場合などのように、短時間の間に、同一の無線LANアクセスポイント3の通信エリア内に複数回出入りするような場合であっても、繰り返し同一の通知用情報が通知されることを避けることができる。この場合、制御部20は異なる通知用情報を店舗DB32やエリアDB33から取得して無線端末2に通知することもできる。
[10.作用(情報提供処理)]
次に、図14に示すステップS23の情報提供処理の手順について説明する。図17は、図14に示す情報提供処理のフローチャートである。かかる情報提供処理は、受付部21が情報提供処理要求を受け付けた場合に実行される処理である。
かかる情報提供処理は、エリア情報に関する処理および店舗情報に関する処理を行う。以下、これらの処理について順次説明する。
[10.1 エリア情報に関する処理]
まず、エリア情報に関する処理について説明する。図17に示すように、制御部20は、無線LANアクセスポイント群に属する無線LANアクセスポイント3を介して無線端末2からエリア情報要求を通信I/F10を介して受付部21で受け付けたか否かを判定する(ステップS40)。
受付部21がエリア情報要求を受け付けた場合(ステップS40;Yes)、制御部20は、かかるエリア情報要求を中継した無線LANアクセスポイント3を介して無線端末2にエリア情報の送信処理を実行する(ステップS41)。
エリア情報要求は、レコメンド詳細情報の表示要求、エリアポータルの表示要求、エリアポータルで選択可能な各種情報の取得要求などがあり、無線端末2から行われる要求である。かかるエリア情報要求には、検出情報と同様に、無線端末2のLAN―IDと、中継装置として機能した無線LANアクセスポイント3のAP−IDとが含まれており、制御部20は、かかる情報を利用してエリア情報要求に応じた情報を選択して送信する。
例えば、制御部20は、エリア情報要求を中継した無線LANアクセスポイント3に対応し、さらに無線端末2のユーザの属性や行動履歴などに応じた情報を選択して送信することができる。なお、ユーザの属性や行動履歴は、例えば、ユーザ情報DB31に記憶されたユーザ情報テーブル、ユーザ店舗行動履歴データ、エリアDB33に記憶されたユーザエリア行動履歴テーブルなどから判定することができる。
無線端末2のユーザは、搭載された専用アプリケーションやブラウザを操作することによって、エリアポータルの表示やエリアポータルで選択可能な各種情報の取得などを行うことができる。例えば、無線端末2に通知用エリア情報が表示されている状態で、通知用エリア情報で特定されるリンク情報を指定すると、専用アプリケーションやブラウザにより無線端末2の制御部は、レコメンドリストやエリアポータルの表示を要求するエリア情報要求を情報管理装置4に送信する。かかるエリア情報要求に対して情報管理装置4は、専用アプリケーションで表示するエリアポータルの情報を無線端末2へ送信する。
例えば、図16(c)に示すような通知用エリア情報が無線端末2に表示されている場合、無線端末2のユーザは、リンク情報である「おすすめ情報をもっと見る⇒」を選択することで、レコメンドリストを要求するエリア情報要求が情報管理装置4に送信される。情報管理装置4は、かかるエリア情報要求を受け付けると、エリア情報テーブル(図9参照)のレコメンド情報の格納位置に基づき、選択されたレコメンドリストをエリアDB33から取得して要求元の無線端末2に送信する。
無線端末2の制御部は、情報管理装置4から送信されたレコメンドリストを受信し、専用アプリケーションやブラウザによって、例えば、図18(a)に示すようなレコメンドリストを表示することができる。なお、無線端末2がタッチパネル式の端末である場合、ユーザは選択したいボタンやリンクが表示されているタッチパネルの表示領域を接触することで、ボタンやリンクの選択を行うことができる。
さらに、図18(a)に示すようなレコメンドが無線端末2に表示されている状態で、無線端末2のユーザは、レコメンド情報のいずれかを選択することで、クーポン情報を要求するエリア情報要求が情報管理装置4に送信される。情報管理装置4の制御部20は、かかるエリア情報要求を受け付けると、エリア情報テーブル(図9参照)のクーポン情報格納位置に基づき、クーポン情報をエリアDB33から取得して要求元の無線端末2に送信する。
無線端末2の制御部は、情報管理装置4から送信されたクーポン情報を受信し、専用アプリケーションやブラウザによって、例えば、図18(b)に示すようなクーポン情報を表示することができる。図18(b)に示す例では、店舗ポータルなどから食べてみたい店を登録したユーザに対して、かかる店のクーポンがユーザに提供される。このように、情報管理装置4は、ユーザが店舗DB32に記憶した情報などに基づいて、適切なクーポンをユーザに提示することができる。また、ユーザに送信するクーポン情報は、例えば、ユーザエリア行動履歴テーブルなどに基づいて選択されるようにもできる。
また、図18(a)に示すようなレコメンドリストが無線端末2に表示されている状態で、無線端末2のユーザは、リンク情報である「エリアポータルへ」を選択することで、エリアポータルの表示を要求するエリア情報要求が情報管理装置4に送信される。情報管理装置4は、かかるエリア情報要求を受け付けると、対応するエリアポータルの情報をエリアDB33から取得して要求元の無線端末2に送信する。
無線端末2は、情報管理装置4から送信されたエリアポータルの情報を受信し、専用アプリケーションやブラウザによって、例えば、図20(a)に示すようなエリアポータルを表示することができる。図20(a)に示す例では、エリアポータルで選択できる情報として、「TOPIC」、「エリア案内」、「クーポン」、「空き状況&予約」、「口コミ」、「タイムライン」などがある。
(空き状況&予約の処理について)
上述のように、無線端末2のユーザは、エリアポータルにおいて、各種の情報を選択することができ、かかる選択に応じた情報が無線端末2へ提供される。例えば、図20(a)に示されるエリアポータルの情報を表示している状態で、リンク情報である「空き状況&予約」を選択すると、空き状況&予約の画面表示を要求するエリア情報要求が情報管理装置4に送信される。
情報管理装置4の制御部20は、かかるエリア情報要求を受け付けると、空き状況を店舗DB32に記憶された店舗情報テーブル、予約データおよび端末存在データに基づいて、AP群通信エリア内の店舗の空き状況を判定する。
例えば、店舗ID「30001」に対応する店舗の空き状況を判定する場合、制御部20の判定部25は、店舗情報テーブルから店舗ID「30001」の収容人数「56人」の情報を取得する。さらに、判定部25は、端末存在データから店舗ID「30001」に対応して設定されているチェックイン状態のユーザIDの数、すなわち、無線端末2の数「4個」の情報を取得する。
さらに、判定部25は、現時点から所定時間後(例えば、2時間後)までの予約データを取得する。そして、判定部25は、取得した店舗の収容人数、店舗に存在する無線端末2の数、および、予約状態に基づいて、店舗の混雑具合を判定する。例えば、店舗ID「30001」の店舗では、収容人数「56人」に対して無線端末2が「4個」であり、所定時間後までの予約データがないとすると、判定部25は、店舗内が混雑していないと判定する。
一方、無線端末2の数と予約の数の合計が、収容人数付近または収容人数以上になっているような場合、判定部25は、店舗内が混雑していると判定する。なお、子供などのような場合には、無線端末2を所有していない場合もあるため、判定部25は、子供が多いなどのような客層情報を店舗毎に店舗DB32に記憶しておき、かかる客層情報に基づいて、店舗内の客数を判定し、かかる判定結果と収容人数や予約の数などに基づいて、店舗内の混雑度合いを判定することもできる。
このように、判定部25は、各店舗の混雑度合いを判定する。なお、判定対象となる店舗は、AP群通信エリア内の全ての店舗について判定するようにしてもよく、また、例えば、一部の店舗についてのみ判定するようにしてもよい。例えば、判定部25は、ユーザ情報に基づいてユーザの嗜好に応じた店舗や、ユーザの現在地周辺の店舗などに絞って混雑度合いを判定することができる。
送信部24は、判定部25によって判定された各店舗の混雑度合いの情報を要求元の無線端末2へ送信する。無線端末2は、情報管理装置4から送信された混雑度合いの情報を受信し、専用アプリケーションやブラウザによって、例えば、図20(b)に示すように表示することができる。
無線端末2は、図20(b)に示す画面を表示している状態で、予約したい店舗を選択すると、かかる選択情報が情報管理装置4へ送信される。情報管理装置4は、選択情報に応じた予約ページの情報を要求元の無線端末2へ送信する。無線端末2は、情報管理装置4から送信される予約ページの情報に応じた表示を行う。
図20(c)には、無線端末2において表示される予約ページの表示例が示される。無線端末2のユーザは、例えば、図20(c)に示す予約申し込みボタンを選択することによって、無線端末2の制御部によって予約要求が情報管理装置4へ送信される。情報管理装置4の制御部20は、予約要求を受け付け、かかる予約要求に含まれる情報を店舗DB32の予約データに追加する。
なお、予約要求には、かかる予約要求を無線端末2から情報管理装置4へ中継した無線LANアクセスポイント3のAP−IDが含まれている。制御部20の受付部21は、かかるAP−ID(以下、中継AP−IDと記載する場合がある)と、予約対象となる店舗に対応するAP−ID(以下、予約AP−IDと記載する場合がある)との関係に基づいて、予約要求を受け付けるか否かを判定することもできる。
例えば、中継AP−IDに対応する店舗が予約AP−IDに対応する店舗から所定以上の距離にあり、指定した予約時間に間に合わない場合、受付部21は、予約要求を受け付けないようにすることもできる。
このようにすることで、例えば、無線端末2のユーザが混雑具合の情報を取得した後に移動した場合などに、位置関係を誤って予約されてしまうことを防止することができる。なお、この場合、予約要求にかかる店舗の種別と同一種別の店舗であって、中継AP−IDに対応する店舗に近い店舗の混雑具合を上記と同様の手法で判定し、かかる判定結果の情報を無線端末2へ送信するようにしてもよい。
また、判定部25は、店舗内が混雑している場合、店舗の収容人数、店舗に存在する無線端末2の数、および、予約状態に基づいて、待ち時間を予測することもできる。この場合、情報管理装置4の制御部20は、待ち時間の情報を含めて混雑具合の情報を無線端末2に送信する。
[10.2.店舗情報に関する処理]
次に、店舗情報に関する処理について説明する。ステップS40において、受付部21がエリア情報要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS40;No)、制御部20は、無線LANアクセスポイント3を介して無線端末2から店舗情報要求を通信I/F10を介して受付部21で受け付けたか否かを判定する(ステップS42)。
受付部21が店舗情報要求を受け付けた場合(ステップS42;Yes)、制御部20は、かかる店舗情報要求を中継した無線LANアクセスポイント3を介して無線端末2に店舗情報の送信処理を実行する(ステップS43)。
店舗情報要求は、店舗ポータルの表示要求、店舗ポータルで選択可能な各種情報の取得要求などがあり、無線端末2から行われる要求である。かかる店舗情報要求には、検出情報と同様に、無線端末2のLAN―IDと、中継装置として機能した無線LANアクセスポイント3のAP−IDとが含まれており、制御部20は、かかる情報を利用して店舗情報要求に応じた情報を選択して送信する。
例えば、図16(a)に示すような通知用店舗情報が無線端末2に表示されている場合、無線端末2のユーザは、リンク情報である「お店のポータルへ移動⇒」を選択することで、店舗ポータルの表示を要求する店舗情報要求が情報管理装置4に送信される。情報管理装置4は、かかる店舗情報要求を受け付けると、店舗情報テーブル(図6参照)の店舗ポータル情報の格納位置に基づき、店舗ポータルの情報を店舗DB32から取得して要求元の無線端末2に送信する。
無線端末2の制御部は、情報管理装置4から送信された店舗ポータルの情報を受信し、専用アプリケーションやブラウザによって、例えば、図19(a)に示すような店舗ポータルの情報を表示することができる。図19(a)に示す例では、店舗ポータルで選択できる情報として、「メニュー」、「フォト」、「マイページ」、「クーポン」、「メッセージ」、「設定」などがある。
さらに、図19(a)に示すような店舗ポータルの情報が無線端末2に表示されている状態で、無線端末2のユーザは、所望の情報を選択することで、選択された情報を要求する店舗情報要求が情報管理装置4に送信される。例えば、無線端末2のユーザはクーポンを選択することで、クーポンの表示を要求する店舗情報要求が情報管理装置4に送信される。
情報管理装置4の制御部20は、かかる店舗情報要求を受け付けると、店舗情報テーブル(図6参照)のクーポン情報の格納位置に基づき、クーポン情報を店舗DB32から取得して要求元の無線端末2に送信する。店舗DB32には、無線端末2のユーザが店舗ポータルから食べたいメニューとして選択や投票をした情報などの情報が記憶されており、制御部20は、かかる情報に基づいて格納位置にあるクーポン情報の中から適切なクーポン情報を取得する。なお、制御部20は、ユーザ情報DB31に基づきクーポン情報を選択することもできる。
無線端末2の制御部は、情報管理装置4から送信されたクーポン情報を受信し、専用アプリケーションやブラウザによって、例えば、図19(b)に示すようなクーポン情報を表示することができる。図19(b)に示す例では、店舗ポータルなどからユーザが食べてみたいメニューとして「ナポリタン」を登録しており、かかる登録情報に基づいて「ナポリタン」のクーポンがユーザに提供される。
[11.作用(コンテンツ提供処理)]
次に、図14に示すステップS27のコンテンツ提供処理の手順について説明する。図21は、図14に示すコンテンツ提供処理のフローチャートである。かかるコンテンツ提供処理は、受付部21がコンテンツ提供要求を受け付けた場合に実行される処理である。
図21に示すように、制御部20の取得部22は、無線端末2から受け付けたコンテンツ提供要求が対象となる特定の無線LANアクセスポイント3(以下、対象APと記載する)から中継されたコンテンツ提供要求であるか否かを判定する(ステップS50)。
かかる処理において、取得部22は、コンテンツDB34に記憶されているコンテンツ視聴条件テーブルに設定されている場合に、対象APから中継されたコンテンツ提供要求であると判定する。例えば、コンテンツ視聴条件テーブルが図12に示す状態であるとする。この場合、取得部22は、無線端末2からのコンテンツ提供要求を中継した無線LANアクセスポイント3のAP−ID(中継AP−ID)が「30001」であれば、対象APから中継されたコンテンツ提供要求であると判定する。
対象APから中継されたコンテンツ提供要求であると判定した場合(ステップS50;Yes)、取得部22は、コンテンツ提供要求が利用条件を充足するか否かをコンテンツDB34に記憶されているコンテンツ視聴条件テーブルに基づいて判定する(ステップS51)。
例えば、コンテンツ視聴条件テーブルが図12に示す状態であるとする。この場合、中継AP−IDが「30001」であり、コンテンツ提供要求がコンテンツID「50001」のコンテンツを取得する要求である場合、取得部22は、コンテンツの利用レベルが中継AP−IDの利用レベルより高いため、コンテンツ提供要求が利用条件を充足しないと判定する。
一方、中継AP−IDが「30001」であり、コンテンツ提供要求がコンテンツID「50002」のコンテンツを取得する要求である場合、取得部22は、コンテンツの利用レベルが中継AP−IDの利用レベルと同じであるため、コンテンツ提供要求が利用条件を充足すると判定する。
なお、取得部22は、ユーザ毎のコンテンツの利用状況をコンテンツDB34に記憶しており、コンテンツ提供要求を行った無線端末2のユーザが20個を超えるコンテンツを視聴していれば、コンテンツの利用レベルに関わらず、コンテンツ提供要求が利用条件を充足しないと判定する。
ステップS51において、コンテンツ提供要求が利用条件を充足すると判定した場合(ステップS51;Yes)、取得部22は、利用時間が終了したか否かをコンテンツDB34に記憶されているコンテンツ視聴条件テーブルに基づいて判定する(ステップS52)。
この処理において、取得部22は、コンテンツの視聴を開始してからの時間が制限時間を超える場合、利用時間が終了したと判定する。例えば、AP−ID「30001」に対応する無線LANアクセスポイント3を経由してのコンテンツの視聴は、1時間に制限されており、無線端末2のユーザは、コンテンツの視聴を開始してからの時間が1時間に制限される。
なお、利用時間の制限は、コンテンツの視聴を開始してからではなく、無線端末2のLAN―IDを店舗DB32の端末存在データに追加してから開始するようにしてもよい。このようにすることで、来店してからの時間でコンテンツの視聴が制限されることになり、例えば、無線端末2を2台所有するユーザに対しても、無線端末2を1台のみ所有するユーザと同様の条件でコンテンツを視聴させることができる。
ステップS52において、利用時間が終了していないと判定されると(ステップS52;No)、送信部24は、要求元の無線端末2に対して、中継AP−IDに対応する無線LANアクセスポイント3経由で、コンテンツ提供要求に対応するコンテンツを送信する(ステップS53)。このとき、送信部24は、無線端末2での保存が制限される状態のコンテンツを送信する。例えば、送信部24は、ストリーミング形式でコンテンツを無線端末2へ送信する。
一方、ステップS52において、利用時間が終了していると判定されると(ステップS52;Yes)、送信部24は、コンテンツ提供要求を行ったユーザの無線端末2に対して、終了通知と共に追加利用(購入を含む)のレコメンド(提案)を含む情報を送信する(ステップS54)。
ステップS51において、コンテンツ提供要求が利用条件を充足していないと判定した場合(ステップS51;No)、取得部22は、追加利用(購入を含む)のレコメンド(提案)を含む情報を送信する(ステップS55)。
ステップS53、S54、S55の処理が終了した場合、または、ステップS50において、対象APから中継されたコンテンツ提供要求ではないと判定された場合(ステップS50;No)、制御部20は、コンテンツ提供処理を終了する。
このようにコンテンツ提供処理では、無線LANアクセスポイント3の通信エリアにおいて、所定条件に基づいて、無線端末2のユーザは、コンテンツを取得可能となる。したがって、飲食店、美容院、病院などのように待ち時間があるような店舗に対象APとなる無線LANアクセスポイント3を設置することで、無線端末2のユーザは取得したコンテンツを利用することで暇つぶしなどを行うことができる。
また、店舗側にとっては有用な集客ツールとなり、また、雑誌などの配置スペースなどが不要である。しかも、無線端末2に提供されるコンテンツは、ユーザにより購入されるコンテンツを除き、無線端末2で保存することができないため、コンテンツの購入を促進することもできる。
[12.効果]
上述してきたように、実施形態に係る情報提供システム1は、無線LANアクセスポイント3と、無線LANアクセスポイント3に対応する情報を管理する情報管理装置4とを備える。無線LANアクセスポイント3においては、制御部42(検出手段の一例に相当)が、当該無線LANアクセスポイント3の通信エリア内に存在する無線端末2を検出し、制御部42(検出情報送信手段の一例に相当)が、制御部42によって検出された無線端末2の情報を含む検出情報を情報管理装置4へ送信する。また、情報管理装置4においては、店舗DB32またはエリアDB33(情報記憶手段の一例に相当)が、無線LANアクセスポイント3に対応する通知用情報を記憶し、受付部21(受付手段の一例に相当)が、無線LANアクセスポイント3から送信される検出情報を受け付け、取得部22(取得手段の一例に相当)が、受付部21によって検出情報が受け付けられた場合に、当該検出情報を送信した無線LANアクセスポイント3に対応する通知用情報を店舗DB32またはエリアDB33から取得し、送信部24(通知手段の一例に相当)が、取得部22によって取得された通知用情報を、無線LANアクセスポイント3および携帯電話基地局7(無線WAN基地局の一例に相当)のうち所定の条件に基づいて選択されるいずれか一方から、検出情報で特定される無線端末2に通知させる。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、無線端末2が無線LANアクセスポイント3の通信エリア内に入った場合に、この無線LANアクセスポイント3に対応する通知情報が無線端末2へ通知される。そのため、例えば、無線LANアクセスポイント3を店舗に設置した場合、店舗に入ったユーザに対して店舗の情報を通知することができ、これにより、ユーザに対して店舗の情報を効果的に通知することが可能となる。また、ユーザにとっても、入店した店舗とは全く関係ない情報が無秩序に通知されることがなく、ユーザに対して不快感を与えることを回避することもできる。また、異なる通信ルートから通知用情報を無線端末2に通知することができる。そのため、例えば、一方の通信ルートで通知用情報を無線端末2へ通知することができない場合であっても、他方の通信ルートで通知用情報を通知させることができ、通知用情報を確実に通知することができる。
また、実施形態に係る情報提供システム1は、送信部24が、無線LANアクセスポイント3と当該無線LANアクセスポイント3からの検出情報で特定される無線端末2との間の通信が所定の条件を満たさない場合に、携帯電話基地局7を介して通知用情報を検出情報で特定される無線端末2に通知させる。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、無線LANアクセスポイントと無線端末との間の通信状況が悪い場合であっても、無線WAN基地局から通知することができるため、通知用情報を確実に無線端末へ通知することができる。
また、実施形態に係る情報提供システム1は、情報管理装置4において、店舗DB32(店舗情報記憶手段の一例に相当)が、無線LANアクセスポイント3の設置店舗に関する情報を記憶し、取得部22(店舗情報取得手段の一例に相当)が、通知用情報を通知した無線端末2により通知用情報に基づいて設置店舗に関する情報の指定があった場合に、店舗DB32から設置店舗に関する情報を取得し、送信部24(店舗情報送信手段の一例に相当)が、取得部22によって取得された設置店舗に関する情報を、当該設置店舗に関する情報を指定した無線端末2に送信する。なお、店舗情報記憶手段、店舗情報取得手段および店舗情報送信手段に相当する構成を無線LANアクセスポイント3側に配置するようにすることもできる。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、無線端末2のユーザは、通知用情報から店舗情報の取得を行うことができ、容易に店舗ポータルなどにユーザを導くことが可能となる。そのため、店舗ポータルなどの店舗情報サービスの認知促進および利用促進を図ることができる。また、店舗情報記憶手段、店舗情報取得手段および店舗情報送信手段に相当する構成を無線LANアクセスポイント3側に配置するようにすれば、店舗情報の取得を高速に行うことができる。
また、実施形態に係る情報提供システム1では、情報管理装置4において、収集部23(店舗履歴収集手段の一例に相当)が、無線LANアクセスポイント3の設置店舗における無線端末2のユーザの行動履歴を収集し、取得部22(決定手段の一例に相当)が、収集部23の収集結果に基づいて無線LANアクセスポイント3の設置店舗で使用可能なクーポンの内容を決定し、送信部24は、取得部22で内容が決定されたクーポンの情報を対応する無線端末2に送信する。なお、店舗履歴収集手段、決定手段および店舗情報送信手段に相当する構成を無線LANアクセスポイント3側に配置するようにすることもできる。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、ユーザの行動に応じたより適切なクーポンをユーザに提示することができる。そのため、クーポンの利用を促進することが可能となる。
また、実施形態に係る情報提供システム1では、エリアDB33(情報記憶手段の一例に相当)が、複数の無線LANアクセスポイント3を一つの無線LANアクセスポイント群として、当該無線LANアクセスポイント群に対応する通知用エリア情報を記憶しており、取得部22が、検出情報で特定される無線端末2が無線LANアクセスポイント群の通信エリア内に進入したと判定すると、通知用情報として無線LANアクセスポイント群に対応する通知用エリア情報をエリアDB33から取得する。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、無線LANアクセスポイント群の通信エリアにおける情報を取得することができ、しかも、そのエリアの無線LANアクセスポイント群に対応する情報であるため、即時性かつ信憑性の高い情報をユーザに提供することができる。また、無線LANアクセスポイント3に対応する店舗の情報と、無線LANアクセスポイント群の通信エリアに対応する情報とを無線端末2のユーザに提供することで、より効果的に店舗やエリアの情報を提供することができる。
また、実施形態に係る情報提供システム1では、エリアDB33が、無線LANアクセスポイント群に対応する複数の通知用エリア情報を記憶しており、取得部22が、無線LANアクセスポイント群に対応する複数の通知用エリア情報のうち、検出情報を送信した無線LANアクセスポイント3に応じた通知用エリア情報を、通知用情報としてエリアDB33から取得する。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、無線LANアクセスポイント群の通信エリアへのユーザの進入位置に応じた適切な情報をユーザへ提供することができる。
また、実施形態に係る情報提供システム1では、エリアDB33が、無線LANアクセスポイント群の通信エリアで提供されるサービスに関するレコメンド情報を記憶しており、取得部22が、検出情報で特定される無線端末2が無線LANアクセスポイント群の通信エリア内にあると判定した場合に、レコメンド情報をエリアDB33から取得し、送信部24が、取得部22によって取得されたレコメンド情報を対応する無線端末2に通知する。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、無線LANアクセスポイント群の通信エリアに存在するユーザに対してレコメンド情報を提供することができる。なお、ユーザの無線端末2が通信エリアにある無線LANアクセスポイント3に応じてレコメンド情報を変更することで、より適切なレコメンド情報をユーザに提供することもできる。
また、実施形態に係る情報提供システム1では、情報管理装置4において、収集部23(エリア履歴収集手段の一例に相当)が無線LANアクセスポイント群の通信エリアにおける無線端末2のユーザの行動履歴を収集し、取得部22が、エリアDB33から取得するレコメンド情報を、収集部23によって収集された行動履歴に応じたレコメンド情報とする。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、ユーザの行動に応じたより適切なレコメンド情報をユーザに提示することができ、そのため、レコメンド情報に従って行動するユーザを増やすことができる。
また、実施形態に係る情報提供システム1は、収集部23が、無線LANアクセスポイント群の通信エリアにおける無線端末2のユーザの行動履歴として、無線端末2を特定する検出情報を送信した無線LANアクセスポイント3の情報を収集する。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、無線端末2のユーザの行動履歴を容易に把握することができる。
また、実施形態に係る情報提供システム1では、情報管理装置4において、コンテンツDB34(コンテンツ記憶手段の一例に相当)が、複数のコンテンツ情報を記憶し、コンテンツDB34(提供条件記憶手段の一例に相当)が、無線LANアクセスポイント3に対応するコンテンツ提供条件を記憶し、取得部22および送信部24(コンテンツ提供手段の一例に相当)が、コンテンツ提供条件に応じたコンテンツをコンテンツDB34から取得し、当該コンテンツを無線端末2での保存が制限される状態で無線LANアクセスポイント3へ送信し、無線LANアクセスポイント3において、制御部42(コンテンツ送信手段)が、無線端末2からの要求に応じて情報管理装置4から送信されるコンテンツを無線端末2へ提供する。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、無線LANアクセスポイント3の通信エリアにおいて、無線端末2のユーザは、コンテンツを取得可能となる。したがって、待ち時間があるような店舗に無線LANアクセスポイント3を設置することで、無線端末2のユーザは取得したコンテンツを利用することで暇つぶしなどを行うことができる。また、無線端末2に提供されるコンテンツは、ユーザにより購入されるコンテンツを除き、無線端末2で保存することができないため、コンテンツの購入を促進することもできる。
また、実施形態に係る情報提供システム1では、情報管理装置4において、判定部25(混雑具合判定手段の一例に相当)が、無線LANアクセスポイント3の制御部42によって検出される無線端末2の数に基づいて無線LANアクセスポイント3の設置店舗の混雑具合を判定し、送信部24が、無線LANアクセスポイント3および携帯電話基地局7のいずれか一方から混雑具合の情報を無線端末2に通知する。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、無線LANアクセスポイント3によって検出される無線端末2の数に基づいて、無線LANアクセスポイント3の設置店舗の混雑具合を判定するため、混雑具合の判定を容易に行うことができ、店舗への集客を向上させることができる。
また、実施形態に係る情報提供システム1では、情報管理装置4において、受付部21(予約受付手段の一例に相当)が、混雑具合の情報を通知した無線端末2から混雑具合の判定対象である設置店舗に対する予約を受け付ける。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、無線端末2のユーザは店舗の混雑具合に応じて迅速に店舗の予約を行うことができ、また、店舗への集客を向上させることができる。
また、実施形態に係る情報提供システム1は、受付部21が、混雑具合の判定対象の無線LANアクセスポイント3と所定の関係にない無線LANアクセスポイント3を介した無線端末2からの予約を受け付けない。
これにより、実施形態に係る情報提供システム1では、例えば、無線端末2のユーザが混雑具合の情報を取得した後に移動した場合などに、位置関係を誤って予約したりしてしまうことを防止することができる。
[13.その他]
上記実施形態では、通知用エリア情報に関する処理(ステップS30、S31の処理)を、通知用店舗情報に関する処理(ステップS32、S33の処理)に対して優先的に行うようにしたが、かかる処理方法に限定されるものではない。例えば、通知用店舗情報に関する処理を通知用エリア情報に関する処理よりも優先して行うようにすることもできる。
また、通知用エリア情報に関する処理と通知用店舗情報に関する処理とを並行して行うようにすることもできる。なお、制御部20は、このように処理を並行に行うことで、同一の無線LANアクセスポイント3に通知用情報が通知用エリア情報と通知用店舗情報との2つあるような場合、これらを一つずつ時間間隔を空けて無線端末2へ送信する。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述した情報管理装置4は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。また、上述した情報管理装置4の機能の一部を無線LANアクセスポイント3で実現するようにしてもよい。