JP6125592B2 - 摩擦材 - Google Patents

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Description

本発明は、ディスクブレーキパッドに使用される、銅成分を含有しないNAO(Non-Asbestos-Organic)材の摩擦材組成物を成型した摩擦材に関する。
従来、乗用車の制動装置としてディスクブレーキが使用されており、その摩擦部材として金属製のベース部材に摩擦材が貼り付けられたディスクブレーキパッドが使用されている。
ディスクブレーキパッドに使用される摩擦材は、主に次の3種に分類されている。
<セミメタリック摩擦材>
繊維基材としてスチール繊維を摩擦材組成物全量に対して30重量%以上60重量%未満含有する摩擦材。
<ロースチール摩擦材>
繊維基材の一部にスチール繊維を含み、且つ、スチール繊維を摩擦材組成物全量に対して30重量%未満含有する摩擦材。
<NAO(Non-Asbestos-Organic)材>
繊維基材としてスチール繊維やステンレス繊維等のスチール系繊維を含まない摩擦材。
近年においてはブレーキの静寂性が求められており、ブレーキノイズの発生が少ないNAO材の摩擦材を使用した摩擦部材が広く使用されるようになってきている。
従来のNAO材の摩擦材には、要求される性能を確保するため、銅や銅合金の繊維又は粒子等の銅成分が必須成分として摩擦材組成物全量に対し、5〜20重量%程度添加されている。
しかし、近年このような摩擦材は制動時に摩耗粉として銅を排出し、この排出された銅が河川、湖、海洋に流入することにより水域を汚染する可能性があることが示唆されている。
このような背景から、アメリカのカリフォルニア州やワシントン州では、2021年以降、銅成分を5重量%以上含有する摩擦材を使用した摩擦部材の販売及び新車への組み付けを禁止し、その数年後に、銅成分を0.5重量%以上含有する摩擦材を使用した摩擦部材の販売及び新車への組み付けを禁止する法案が可決している。
そして、今後このような規制は世界中に波及するものと予想されることから、NAO材の摩擦材に含まれる銅成分を削減することが急務となっている。
従来技術としては、特許文献1及び2が挙げられる。
特許文献1には、結合材、有機充填材、無機充填材及び繊維基材を含む摩擦材組成物であって、該摩擦材組成物中の銅の含有量が銅元素として5質量%以下であり、銅及び銅合金以外の金属繊維の含有量が0.5質量%以下であり、チタン酸塩及び粒子径が30μm以下の酸化ジルコニウムを含有し、かつ、該チタン酸塩の含有量が10〜35質量%であり、粒子径が30μmを超える酸化ジルコニウムを実質的に含有しないノンアスベスト摩擦材組成物及び該ノンアスベスト摩擦材組成物を成形してなる摩擦材と裏金とを用いて形成される摩擦部材(ディスクブレーキパッド)が記載されている。
しかし、特許文献1の摩擦材では、酸化ジルコニウムを多量に添加した場合、高温高負荷の履歴を受けた後の耐摩耗性が低下しやすいという問題がある。
単斜晶の酸化ジルコニウムは800℃位の温度から結晶転移を生じ、約20%の体積収縮を伴い正方晶系に変化するという特性を有しており、摩擦材が高温高負荷の履歴を受けると酸化ジルコニウムが収縮し、摩擦材のマトリックスから脱落しやすくなるためであると推定される。
特許文献2には、繊維基材と、樹脂結合剤と、酸化ジルコニウム及びその他の充填剤とを含む摩擦材において、前記酸化ジルコニウムは、カルシア(CaO)、イットリア(Y)、及びマグネシア(MgO)のうちのいずれか1種で安定化された安定化酸化ジルコニウムからなることを特徴とする摩擦材が記載されている。
特許文献2の場合、立方晶に安定化された安定化酸化ジルコニウムを使用することにより、酸化ジルコニウムの異常体積変化が抑制され、耐摩耗性の低下を抑制することができるが、単斜晶の酸化ジルコニウムと比較し高価な安定化酸化ジルコニウムを多量に使用するとコスト高になるという問題がある。
特開2012−255052号公報 特開平09−031440号公報
本発明は、ディスクブレーキパッドに使用される、銅成分を含有しないNAO材の摩擦材組成物を成型した摩擦材において、高温高負荷の履歴を受けた後の耐摩耗性が良好で、高く安定したブレーキの効きを持つ摩擦材を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ディスクブレーキパッドに使用される銅成分を含有しないNAO材の摩擦材組成物を成型してなる摩擦材において、無機摩擦調整材として特定の平均粒子径を有する単斜晶の酸化ジルコニウムを特定量と、炭素質系潤滑材として弾性黒鉛化カーボンとか焼コークスを特定量、特定比率で含有する摩擦材組成物を使用することにより、高温高負荷の履歴を受けた後でも高い耐摩耗性、高く安定したブレーキの効きを得られることを知見し、更に無機摩擦調整材として劈開性を持つ層状鉱物粒子を特定量添加することにより、耐摩耗性がより向上することを知見し、本発明を完成した。
本発明は、自動車等のディスクブレーキパッドに使用される、銅成分を含有しないNAO材の摩擦材組成物を成型した摩擦材であって、以下の技術を基礎とするものである。
(1)ディスクブレーキパッドに使用される、銅成分を含有しないNAO材の摩擦材組成物を成型してなる摩擦材において、前記摩擦材組成物は、無機摩擦調整材として平均粒子径が1〜8μmの単斜晶の酸化ジルコニウムを摩擦材組成物全量に対し10〜40重量%と、炭素質系潤滑材として弾性黒鉛化カーボンを摩擦材組成物全量に対し1.5重量%以上と、か焼コークスを前記弾性黒鉛化カーボンと合計で摩擦材組成物全量に対し2〜8重量%、且つ、前記弾性黒鉛化カーボンと前記か焼コークスの重量比率が4:6〜8:2となるように含有することを特徴とする摩擦材。
(2)前記摩擦材組成物は無機摩擦調整材として層状鉱物粒子を摩擦材組成物全量に対し2〜6重量%含有する(1)の摩擦材。
(3)前記層状鉱物粒子はマイカである(2)の摩擦材。
本発明によれば、ディスクブレーキパッドに使用される、銅成分を含有しないNAO材の摩擦材組成物を成型した摩擦材において、耐摩耗性が良好で、高く安定したブレーキの効きを持つ摩擦材を提供することができる。
本願発明では、ディスクブレーキパッドに使用される、銅成分を含有しないNAO材の摩擦材組成物を成型してなる摩擦材において、無機摩擦調整材として平均粒子径が1〜8μmの単斜晶の酸化ジルコニウムを摩擦材組成物全量に対し10〜40重量%と、炭素質系潤滑材として弾性黒鉛化カーボンを摩擦材組成物全量に対し1.5重量%以上と、か焼コークスを前記弾性黒鉛化カーボンと合計で摩擦材組成物全量に対し2〜8重量%、且つ、前記弾性黒鉛化カーボンと前記か焼コークスの重量比率が4:6〜8:2となるように含有する摩擦材組成物を使用する。
無機摩擦調整材として平均粒子径が1〜8μmと小さな粒子径の単斜晶の酸化ジルコニウムを摩擦材組成物全量に対し10〜40重量%と比較的多量に添加することにより、ディスクロータの摺動面に酸化ジルコニウムを主成分とする移着皮膜(トランスファーフィルム)を形成することができ、摩擦材組成物に銅を添加しなくとも高く安定した摩擦係数を得ることができる。
なお、本発明において、平均粒子径はレーザー回折粒度分布法により測定した50%粒子径の数値である。
単斜晶の酸化ジルコニウムの平均粒子径が1μm未満であると、移着皮膜の厚みが不十分となり、充分な摩擦係数を得られず、平均粒径が8μmを超えると皮膜が厚くなりすぎ、摩擦係数の安定性が低下するという問題がある。
また、単斜晶の酸化ジルコニウムの含有量が10重量%未満であると、移着皮膜の厚みが不十分となり、充分な摩擦係数を得られず、含有量が40重量%を超えると皮膜が厚くなりすぎ、摩擦係数の安定性が低下するという問題がある。単斜晶の酸化ジルコニウムの添加量は25〜35重量%がより好ましい。この範囲であると、より安定した皮膜が形成され、良好なブレーキの効きを得ることができる。
しかし、前述のとおり、摩擦材組成物に単斜晶の酸化ジルコニウムを比較的多量に添加すると、摩擦材が高温高負荷の履歴を受けた際に酸化ジルコニウムの脱落により耐摩耗性が低下するという問題が生じる。
そこで本発明では、単斜晶の酸化ジルコニウムが摩擦材のマトリックスから脱落するのを抑制するため、摩擦材組成物に弾性黒鉛化カーボンを摩擦材組成物全量に対し1.5重量%以上添加する。
弾性黒鉛化カーボンは、炭素質メソフェース又はコークスからなる炭素素材を膨張・発泡処理した後、X線回折の測定による黒鉛化度が80〜95%となるよう1900℃〜2700℃の温度で黒鉛化処理したものである。
膨張・発泡処理の方法としては、炭素材料を硝酸もしくは硝酸と硫酸との混酸で処理した後、炭素素材をアルカリ水溶液中で溶解させ、次いで酸水溶液で析出させて得られたアクアメソフェースを約300℃で加熱処理する方法や、炭素素材を硝酸に接触させて急速に加熱する方法や、炭素素材を二酸化窒素ガスに接触させる方法等が挙げられる。
弾性黒鉛化カーボンは、圧縮荷重を加えた後、荷重を除いたときの体積の復元率が大きいという特性を有するものであり、Superior Graphite社のRGC14A等が知られている。
弾性黒鉛化カーボンを添加した摩擦材組成物を加熱加圧成型すると、弾性黒鉛化カーボンに圧縮荷重が加えられた状態で、摩擦材組成物に結合材として含まれる熱硬化性樹脂が硬化して摩擦材の外殻が形成される。その結果、摩擦材の内部には、弾性黒鉛化カーボン粒子が復元しようとする力が残留した状態が維持される。
摩擦材が高温高負荷の履歴を受けると、酸化ジルコニウムが結晶転移し、体積が収縮したときに酸化ジルコニウムの周囲に空隙が生じるが、それと同時に弾性黒鉛化カーボンが復元することにより空隙が塞がれる。その結果、酸化ジルコニウムが摩擦材のマトリックスから脱落しにくくなり、耐摩耗性の低下が抑制されるのである。
しかし、弾性黒鉛化カーボンの黒鉛化率は80〜95%であり、潤滑作用が大きく、摩擦係数が低下しやすいという問題がある。
そこで本発明では、弾性黒鉛化カーボンと比較して潤滑作用が小さい、か焼コークスを併用する。
か焼コークスは、生コークスを高温処理することによって揮発分を除去したコークスであり、TIMCAL社のTIMREX(登録商標)FCシリーズ等が知られている。
弾性黒鉛化カーボンとか焼コークスは合計で摩擦材組成物全量に対し2〜8重量%、且つ、弾性黒鉛化カーボンとか焼コークスの重量比を4:6〜8:2とすることにより、充分な摩擦係数を得ることができる。
本願発明の摩擦材は耐摩耗性をより向上させるため、更に無機摩擦調整材としてタルク、マイカ、バーミキュライト等の層状鉱物粒子を摩擦材組成物全量に対し2〜6重量%添加する。
層状鉱物粒子は、劈開面を有する層状の結晶構造有する鉱物の粒子であり、層方向に応力が加わると層間で微小なずれを生じさせるという特性を有している。
このような層状鉱物粒子が弾性黒鉛化カーボンの近傍に存在すると、弾性黒鉛化カーボンが摩擦材の内部で復元しようとするとき、その力によって周囲に存在する層状鉱物粒子の層間に微小なずれが生じる。
この微小なずれが、弾性黒鉛化カーボンの復元を助長し、耐摩耗性がより良好になるものと推測される。
本発明の摩擦材は、上記の単斜晶の酸化ジルコニウム、弾性黒鉛化カーボン、か焼コークス、層状鉱物粒子の他に、通常摩擦材に使用される結合材、繊維基材、潤滑材、無機摩擦調整材、有機摩擦調整材、pH調整材、充填材等を含む摩擦材組成物から成る。
結合材として、ストレートフェノール樹脂や、フェノール樹脂をカシューオイルやシリコーンオイル、アクリルゴム等の各種エラストマーで変性した樹脂、フェノール類とアラルキルエーテル類とアルデヒド類とを反応させて得られるアラルキル変性フェノール樹脂、フェノール樹脂に各種エラストマー、フッ素ポリマー等を分散させた熱硬化性樹脂等の摩擦材に通常用いられる結合材が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。結合材の含有量は摩擦材組成物全量に対して4〜12重量%とするのが好ましく、5〜8重量%とするのがより好ましい。
繊維基材としては、アラミド繊維,セルロース繊維,ポリ-パラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維,アクリル繊維等の摩擦材に通常使用される有機繊維が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。繊維基材の含有量は摩擦材組成物全量に対して1〜7重量%とするのが好ましく、2〜4重量%とするのがより好ましい。
潤滑材としては、上記の弾性黒鉛化カーボン、か焼コークスの他に、二硫化モリブデン、硫化亜鉛、硫化スズ、複合金属硫化物等の金属硫化物系潤滑材や、人造黒鉛、天然黒鉛、薄片状黒鉛、活性炭、酸化ポリアクリロニトリル繊維粉砕粉等の炭素質系潤滑材等の摩擦材に通常使用される潤滑材が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。潤滑材の含有量は上記の弾性黒鉛化カーボン、か焼コークスと合わせて摩擦材組成物全量に対して3〜15重量%とするのが好ましく、5〜13重量%とするのがより好ましい。
無機摩擦調整材としては、上記の単斜晶の酸化ジルコニウム、層状鉱物粒子の他に、四三酸化鉄、ケイ酸カルシウム水和物、ガラスビーズ、酸化マグネシウム、安定化酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、γ―アルミナ、α―アルミナ、炭化ケイ素、板状チタン酸塩、不定形状チタン酸塩(チタン酸塩は、チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸マグネシウムカリウム等)等の粒子状無機摩擦調整材や、ウォラストナイト、セピオライト、バサルト繊維、ガラス繊維、生体溶解性人造鉱物繊維、ロックウール等の繊維状無機摩擦調整材が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。無機摩擦調整材の含有量は、上記の単斜晶の酸化ジルコニウム、層状鉱物粒子と合わせて摩擦材組成物全量に対して30〜70重量%とするのが好ましく、40〜60重量%とするのがより好ましい。
有機摩擦調整材として、カシューダスト、タイヤトレッドゴム粉砕粉や、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム等の加硫ゴム粉末又は未加硫ゴム粉末等の摩擦材に通常使用される有機摩擦調整材が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。有機摩擦調整材の含有量は摩擦材組成物全量に対して2〜8重量%とするのが好ましく、3〜7重量%とするのがより好ましい。
pH調整材として水酸化カルシウム等の通常摩擦材に使用されるpH調整材を使用することができる。pH調整材は、摩擦材組成物全量に対して1〜6重量%とするのが好ましく、2〜4重量%とするのがより好ましい。
摩擦材組成物の残部としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の充填材を使用する。
本発明のディスクブレーキに使用される摩擦材は、所定量配合した摩擦材組成物を、混合機を用いて均一に混合する混合工程、得られた摩擦材原料混合物と、別途、予め洗浄、表面処理し、接着材を塗布したバックプレートとを重ねて熱成形型に投入し、加熱加圧して成型する加熱加圧成型工程、得られた成型品を加熱して結合材の硬化反応を完了させる熱処理工程、粉体塗料を塗装する静電粉体塗装工程、塗料を焼き付ける塗装焼き付け工程、回転砥石により摩擦面を形成する研磨工程を経て製造される。なお、加熱加圧成型工程の後、塗装工程、塗料焼き付けを兼ねた熱処理工程、研磨工程の順で製造する場合もある。
必要に応じて、加熱加圧成型工程の前に、摩擦材原料混合物を造粒する造粒工程、摩擦材原料混合物を混練する混練工程、摩擦材原料混合物又は造粒工程で得られた造粒物、混練工程で得られた混練物を予備成型型に投入し、予備成型物を成型する予備成型工程が実施され、加熱加圧成型工程の後にスコーチ工程が実施される。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜20・比較例1〜13の摩擦材の製造方法]
表1、表2、表3に示す組成の摩擦材組成物をレディゲミキサーにて5分間混合し、成型金型内で30MPaにて10秒間加圧して予備成型をした。この予備成型物を、予め洗浄、表面処理、接着材を塗布した鋼鉄製のバックプレート上に重ね、熱成型型内で成型温度150℃、成型圧力40MPaの条件下で10分間成型した後、200℃で5時間熱処理(後硬化)を行い、研磨して摩擦面を形成し、乗用車用ディスクブレーキパッドを作製した(実施例1〜20、比較例1〜13)。
Figure 0006125592
Figure 0006125592
Figure 0006125592
得られた摩擦材において、高速高負荷時のブレーキの効き、効きの安定性、耐摩耗性、成型性を評価した。評価結果を表4、表5、表6に、評価基準を表7に示す。
Figure 0006125592
Figure 0006125592
Figure 0006125592
Figure 0006125592
各表より見てとれるように、本発明の組成を満足する組成物は、成型後十分な製品外観を有し、高温高負荷の履歴を受けた後においても、耐摩耗性が良好で、高いブレーキの効き、効きの安定性を有するという良好な評価結果が得られている。
本発明によれば、ディスクブレーキパッドに使用される、NAO材の摩擦材組成物を成型した摩擦材において、銅成分の含有量に関する法規を満足しながら、高温高負荷の履歴を受けた後の耐摩耗性が良好で、高く安定したブレーキの効きを持つ摩擦材を提供することができ、きわめて実用的価値の高いものである。

Claims (3)

  1. ディスクブレーキパッドに使用される、銅成分を含有しないNAO材の摩擦材組成物を成型してなる摩擦材において、
    前記摩擦材組成物は、
    無機摩擦調整材として平均粒子径が1〜8μmの単斜晶の酸化ジルコニウムを摩擦材組成物全量に対し10〜40重量%と、
    炭素質系潤滑材として弾性黒鉛化カーボンを摩擦材組成物全量に対し1.5重量%以上と、
    か焼コークスを前記弾性黒鉛化カーボンと合計で摩擦材組成物全量に対し2〜8重量%、
    且つ、前記弾性黒鉛化カーボンと前記か焼コークスの重量比率が4:6〜8:2となるように含有することを特徴とする摩擦材。
  2. 前記摩擦材組成物は無機摩擦調整材として層状鉱物粒子を摩擦材組成物全量に対し2〜6重量%含有することを特徴とする請求項に記載の摩擦材。
  3. 前記層状鉱物粒子はマイカであることを特徴とする請求項に記載の摩擦材。
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