JP6124600B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、揮発性有機化合物(VOC)を分解するインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置では、保存安定性、印刷信頼性、およびメディア(記録媒体)の耐久性を得るために、少なくとも炭化水素系溶剤(揮発性有機溶剤;VOC)を含むインクを使っている。このインクに含まれる揮発性有機化合物は、インクジェット記録装置の乾燥工程における加熱によってメディアより揮散し、その多くは記録装置の近辺を漂ったり、結露して定着したりする等して、次第に大気に拡散されている。揮発性有機化合物の排出規制は国や各業界団体で強めつつあり、揮発性有機化合物を大量に生産および消費する産業および事業を中心に揮発性有機化合物の排出量の削減や揮発性有機化合物の排出に対する対策がなされている。
数ある印刷方式の中でも、インクジェット方式は無駄になるインクの少ない技術であり、個々のインクジェット記録装置から排出される揮発性有機化合物は他の印刷方式と比べて格段に少ない。そのため、インクジェット方式は印刷方式の中でも着実に普及している印刷方式である。
そこで、インクジェット方式において、インクに含まれる揮発性有機化合物の放散を防ぐ技術の開発は急務である。揮発性有機化合物の処理方法は大きく回収処理と分解処理とに大別される。分解処理では、燃焼処理法が一般に用いられている。燃焼処理法は、メディアの乾燥によって排出される揮発性有機化合物を燃焼する方法である。例えば特許文献1には、燃焼処理法を用いるドライヤが開示されている。具体的には、ドライヤ本体でメディアのインクを乾燥させた排気ガスを、燃焼式の脱臭装置を通して脱臭してから大気に排出するように構成した印刷機のドライヤが開示されている。
特開平11−291454号公報(1999年10月26日公開)
特許文献1に開示されているような燃焼処理法を用いた分解処理を行う分解装置では、揮発性有機化合物を燃焼する際に熱が生じるため、揮発性有機化合物を燃焼する際に発生する排気ガスは熱を有している。熱を有する排気ガスが分解装置内に滞留することで分解装置が高温になってしまう虞がある。そこで、高温になった冷却装置を冷却して分解装置を低温に保つために、分解装置内に送風を行う方法が採用されている。ただし、このような分解装置を用いて揮発性有機化合物の分解を行い、印刷停止時に分解装置への送風を止めてしまうと、一時的に過剰な熱が発生し、分解装置内の部品を破損してしまうことがある。このような問題は、停電等が発生した場合に特に顕著である。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷停止時においても分解装置内の部品の破損を防ぐことができるインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の一態様に係るインクジェット記録装置は、上記の課題を解決するために、揮発性有機化合物を含むインクを記録媒体に吐出する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、上記記録ヘッドから吐出されるインクに含まれる揮発性有機化合物を分解する分解装置と、上記分解装置内に送風することによって、当該分解装置を冷却する冷却手段と、上記冷却手段を制御する制御手段であって、上記記録ヘッドがインクの吐出を終了してから所定の時間が経過するまで、上記冷却手段を駆動し続ける制御手段とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、制御手段は、記録ヘッドがインクの吐出を終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段を駆動し続ける。すなわち、印刷が停止した後も、冷却手段は停止せずに、所定の時間の間だけ駆動し続ける。
分解装置において揮発性有機化合物を排気ガスに分解する際に熱が生じるため、排気ガスは揮発性有機化合物を分解する際に生じる熱を有している。従来では、印刷停止時に冷却手段による分解装置内への送風が止まり、分解装置内に滞留する揮発性有機化合物の分解が継続して行われるために分解装置が高温になり、分解装置内の部品を破損してしまうことがあった。
しかし、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置では、印刷が停止した後も、分解装置の冷却が引き続き行われる。これにより、インクジェット記録装置において、一時的に発生する分解装置内における過剰な熱を抑えることができるので、分解装置内の部品の破損を防ぐことができる。
さらに、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置においては、上記インクジェット記録装置を駆動するための電力を供給する電源部と、上記電源部が電力の供給を停止した場合に、上記制御手段および上記冷却手段に電力を供給する予備電源部とをさらに備え、上記制御手段は、上記予備電源部による電力の供給をも制御するものであり、上記電源部が電力の供給を停止したことで上記記録ヘッドがインクの吐出を終了すると、当該記録ヘッドがインクの吐出を終了してから上記所定の時間が経過するまで、上記予備電源部によって上記冷却手段を駆動し続ける構成であってもよい。
上記の構成によれば、電源部による電力の供給が停止すると、制御手段は、予備電源部に、制御手段および冷却手段に対して電力を供給させる。そして、制御手段は、記録ヘッドがインクの吐出を終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段を駆動し続ける。すなわち、停電等で電源部による電力の供給が停止することで印刷が停止した後も、冷却手段は停止せずに、予備電源部によって供給される電力により、所定の時間の間だけ駆動し続ける。
そのため、停電等によってインクジェット記録装置への電力供給が停止することで印刷が停止した後も、分解装置の冷却が引き続き行われる。これにより、停電等でインクジェット記録装置への電力供給が停止することで一時的に発生する分解装置内における過剰な熱が抑えられるので、分解装置内の部品の破損を防ぐことができる。
さらに、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置においては、上記記録ヘッドがインクの吐出を行う領域に送風することによって、上記揮発性有機化合物を上記分解装置まで導く送風手段をさらに備え、上記制御手段は、上記電源部が電力の供給を停止した場合に、上記予備電源部によって上記送風手段にも電力を供給する構成であってもよい。
上記の構成によれば、電源部による電力の供給が停止すると、制御手段は、予備電源部に、制御手段、冷却手段、および送風手段に対して電力を供給させる。そして、制御手段は、電源部による電力の供給が停止したことで記録ヘッドがインクの吐出を終了した後も、送風手段を駆動し続ける。すなわち、停電等で電源部による電力の供給が停止した後も、送風手段は停止せずに、予備電源部によって供給される電力により、駆動し続ける。
そのため、停電等によってインクジェット記録装置への電力供給が停止することで印刷が停止した後も、記録ヘッドがインクの吐出を行う領域内でインクの乾燥によって揮発する揮発性有機化合物が希釈される。これにより、記録ヘッドがインクの吐出を行う領域の内部に揮発した水蒸気および揮発性有機化合物等が滞留しないので、インクの乾燥が妨げられるのを防ぐことができる。
さらに、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置においては、上記分解装置内の温度を検出する温度センサをさらに備え、上記制御手段は、上記温度センサが検出した温度に応じて、上記冷却手段による送風量を制御する構成であってもよい。
上記の構成によれば、分解装置内の温度に応じて、冷却手段による送風量を制御する。例えば、温度センサによって検出された分解装置内の温度が所定の温度よりも高い場合には、制御手段は、冷却手段による分解装置内への送風量を増加させることによって、分解装置の冷却をより効果的に行う。一方、温度センサによって検出された分解装置内の温度が所定の温度以下の場合には、制御手段は、冷却手段による分解装置内への送風量を低減させる。このように、分解装置内の温度に応じて、冷却手段による送風量を制御することにより、分解装置内の温度上昇を抑えることができ、分解装置内の部品の破損を防ぐことができる。
さらに、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置においては、上記記録ヘッドがインクの吐出を行う領域から上記分解装置までの間に位置し、上記揮発性有機化合物の濃度を検出する濃度センサをさらに備え、上記制御手段は、上記濃度センサが検出した濃度に応じて、上記冷却手段による送風量を制御する構成であってもよい。
上記の構成によれば、記録ヘッドがインクの吐出を行う領域から分解装置までの間の揮発性有機化合物の濃度に応じて、冷却手段による送風量を制御する。例えば、濃度センサによって検出された揮発性有機化合物の濃度が所定の濃度よりも高い場合には、制御手段は、冷却手段による分解装置内への送風量を増加させることによって、分解装置内の揮発性有機化合物の濃度の上昇を抑制する。一方、濃度センサによって検出された揮発性有機化合物の濃度が所定の濃度以下の場合には、制御手段は、冷却手段による分解装置内への送風量を低減させる。このように、記録ヘッドがインクの吐出を行う領域から分解装置までの間の揮発性有機化合物の濃度に応じて、冷却手段による送風量を制御することにより、分解装置内の揮発性有機化合物の濃度の上昇が抑えられるので、分解装置内の部品の破損を防ぐことができる。
さらに、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置においては、上記記録ヘッドがインクの吐出を行う領域から上記分解装置まで上記揮発性有機化合物を導く排気ダクトであって、外部の大気を内部に流通するための流通口を設けた排気ダクトと、上記流通口を開閉する開閉手段とをさらに備え、上記制御手段は、上記開閉手段による上記流通口の開閉をも制御するものであり、上記電源部が電力の供給を停止した場合に、上記予備電源部によって上記開閉手段にも電力を供給すると共に、上記予備電源部によって上記開閉手段に上記流通口を開かせる構成であってもよい。
上記の構成によれば、電源部による電力の供給が停止すると、制御手段は、予備電源部に、制御手段、冷却手段、および開閉手段に対して電力を供給させる。そして、制御手段は、電源部による電力の供給が停止すると、開閉手段に流通口を開かせる。すなわち、停電等で電源部による電力の供給が停止すると、開閉手段は予備電源部によって供給される電力により流通口を開き、排気ダクト内に外部の大気を流通する。これにより、排気ダクト内に外部の大気が導入されると共に、排気ダクト内の揮発性有機化合物が外部に排出される。その結果、分解装置内の揮発性有機化合物の濃度の上昇が抑えられるので、分解装置内の部品の汚損を防ぐことができる。
本発明の一態様に係るインクジェット装置によれば、制御手段は、記録ヘッドがインクの吐出を終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段を駆動し続ける。すなわち、印刷が停止した後も、冷却手段は停止せずに、所定の時間の間だけ駆動し続ける。そのため、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置では、印刷が停止した後も、分解装置の冷却が引き続き行われる。これにより、インクジェット記録装置において、一時的に発生する分解装置内における過剰な熱を抑えられるので、分解装置内の部品の破損を防ぐことができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置を示す要部構成図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る検出手段が検出した情報に基づいて、冷却制御手段が冷却手段の駆動を制御するまでの流れを示すフロー図である。 本発明の他の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図である。 本発明の他の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す要部構成図である。 本発明の他の実施形態に係る検出手段が検出した電源部による電力の供給状態の情報に基づいて、予備電源制御手段が予備電源部を制御するまでの流れを示すフロー図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す要部構成図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る検出手段が検出した電源部による電力の供給状態の情報に基づいて、送風制御手段が送風手段を制御するまでの流れを示すフロー図である。 本発明のまたさらに他の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図である。 本発明のまたさらに他の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す要部構成図である。 本発明のまたさらに他の実施形態に係る検出手段が検出した電源部による電力の供給状態の情報に基づいて、開閉制御手段が開閉手段を制御するまでの流れを示すフロー図である。
図面に基づいて、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、同一の機能および作用を示す部材については、同一の符号を付し、説明を省略する。
〔第1の実施形態〕
(インクジェット記録装置1)
以下、本発明の第1の実施形態について、図2を参照して詳細に説明する。図2は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図である。
本実施形態に係るインクジェット記録装置は、記録ヘッドとメディアとの位置を相対的に移動させて、メディア(記録媒体)に印刷を行っている。本実施形態に係るインクジェット記録装置では、揮発性有機化合物(VOC)を含むインク(以下、「インク」とも称する。)をメディアに吐出するために使用している。
図2に示すように、本実施形態に係るインクジェット記録装置1は、制御手段2、分解装置3、冷却手段4、およびインク吐出部5を有している。インク吐出部5は、さらに記録ヘッド17、ガイド機構18、およびプラテン19を有している。インクジェット記録装置1は、記録ヘッド17の移動方向と、メディア20の移動方向が直交した状態でメディア20に印刷を行うシリアルヘッド式のインクジェットプリンタである。
(インク吐出部5)
インク吐出部5では、記録ヘッド17から揮発性有機化合物を含むインクをメディア20に吐出する。記録ヘッド17は、ガイド機構18に沿って図2の紙面左右方向に走査しながら、所望の画像をメディア20にインクで描画する。
本実施形態において、メディア20はプラテン19に載置されている。プラテン19は、メディア20に吐出されたインクを乾燥するために、ヒーター等の乾燥手段(図示せず)を備えている。記録ヘッド17によってインクが吐出されたメディア20は、プラテン19の乾燥手段によってインクが乾燥された後、インクジェット記録装置1から外部に排出される。
(分解装置3)
メディア20に吐出されたインクを乾燥する際に、インクが加熱されることにより、インクに含まれる水および揮発性有機化合物等が揮発する。揮発した揮発性有機化合物は、排気ダクト14a、冷却手段4、および排気ダクト14bを通って、インク吐出部5から分解装置3へと導かれる。分解装置3は、排気ダクト14bから導入された揮発性有機化合物を水蒸気および炭酸ガス等に分解し、これらの気体を排気ガスとして排気ダクト14cから外部に排出するものである。なお、記録ヘッドから吐出されたインクがすべてメディア20に付着するわけではなく、一部のインクはメディア20に付着せず、霧状のインクがインクジェット記録装置1内に生じる。そして、インクに含まれる揮発性有機化合物が揮発すると、記録ヘッド17からインクが吐出される際に生じる霧状のインクとインクジェット記録装置1内で混合する。そこで、分解装置3は、メディア20上に吐出されたインクから揮発した揮発性有機化合物のみならず、霧状のインク中に含まれる揮発性有機化合物をも分解するものであってもよい。
本実施形態に係る分解装置3の詳細な構成について説明する。分解装置3は、導入口、分解部、および排出口を有している。導入口は、揮発性有機化合物を分解装置3内に導入するためのものである。分解部は、導入口から導入された揮発性有機化合物を分解し、排気ガスを生じさせるものである。排出口は、分解部が発生した排気ガスを排気ダクト14cに排出するためのものである。
上述したように、分解部は、導入口から供給された揮発性有機化合物を分解し、排気ガスを生じさせるものである。分解部は、揮発性有機化合物の分解反応を促進させるために、ヒーター等の加熱手段を備えていてもよい。揮発性有機化合物の分解には、任意の分解方法を採用することができるが、酸化分解処理法によって揮発性有機化合物を分解することが好ましい。酸化分解処理法を採用することにより、他の分解手法に比べて、長期間安定した揮発性有機化合物の除去性能を維持することができる。酸化分解処理法の具体例としては、触媒燃焼方式、バーナー、または電熱線等を使用する直接燃焼方式等が挙げられる。触媒燃焼方式は、有機成分を例えば350℃程度の低温に加熱し、貴金属等の触媒を用いて当該有機成分を酸化分解させる方式である。触媒燃焼方式は、触媒の表面では酸化反応が低温で進行する触媒反応を利用した燃焼方式であるため、低温で有機成分を酸化分解させることができる。したがって、触媒燃焼方式は直接燃焼方式に比べて高温にする必要がなく、加熱のためのエネルギーを少なくできる利点がある。また、分解時に発生する熱によって継続して触媒を熱活性させることができるため、さらに加熱のためのエネルギーが少なくて済む。
分解部における揮発性有機化合物の分解には、例えば、一般的に用いられるプラチナの他に、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化コバルト、酸化セリウム、および酸化チタン等の酸化物触媒を触媒として使用することができる。これらの酸化物触媒を使用する場合には、触媒の温度が200℃以上500℃以下になるように、ヒーター等によって触媒を加熱し、熱活性することが好ましい。これにより、揮発性有機化合物を分解部にて効率的に分解することができる。
分解部は、導入口と排出口とを繋ぐ導入管の内部に配置されていてもよい。この場合、導入管は分解部を内部に含んでいるため、揮発性有機化合物を分解する際に生じる熱は、導入管の内部を通過する揮発性有機化合物を含む気体に吸収させることができ、揮発性有機化合物の分解効率を向上させることができる。また、高温部が露出しないため、安全性および耐久性等に優れたインクジェット記録装置1を実現できる。また、分解部にて生じる熱が、外部に伝導することをより抑制するため、インクジェット記録装置1が熱によって損傷することを抑制できる。
(冷却手段4)
分解装置3において揮発性有機化合物を排気ガスに分解する際に熱が生じるため、排気ガスは揮発性有機化合物を分解する際に生じる熱を有している。熱を有する排気ガスが分解装置3内に滞留することで分解装置3が高温になり、分解装置3内の部品を破損してしまう虞がある。そこで、インクジェット記録装置1では、排気ダクト14aと排気ダクト14bとの間に冷却手段4を配置している。冷却手段4は、送風ファン等の冷却手段であり、分解装置3内に送風することによって、分解装置3を冷却する。このように、揮発性有機化合物を分解装置3にて分解することにより、熱を有する排気ガスが生じるが、冷却手段4が駆動することにより分解装置3が冷却される。結果、分解装置3が過熱して分解装置3内の部品を破損することがない。
冷却手段4の駆動は、制御手段2によって制御されている。具体的には、分解装置3内の温度、インク吐出部5から分解装置3までの揮発性有機化合物の濃度、あるいはインク吐出部5におけるインク吐出の状態に応じて、冷却手段4の駆動は制御されている。制御手段2による具体的な制御処理については、後ほど詳しく説明する。
(メディア20)
メディア20は、ヘッドから吐出されるインクを付着させるものである。メディア20は、目的に応じて適宜定めることができる。例えば、板状部材、およびシート状の部材等が挙げられる。
(インク)
インクジェット記録装置1に用いるインクとしては、揮発性有機化合物を含んでいるインクであれば限定されない。例えば、水性インク、溶剤インク、熱硬化型インク、および紫外線硬化型インク等のインクが挙げられる。本実施形態においては、上述したように、インク吐出部5の記録ヘッド17からメディア20にインクが吐出され、プラテン19の乾燥手段によって乾燥されることにより、インクに含まれる水および揮発性有機化合物等が揮発する。
揮発性有機化合物は、常温常圧で大気中に容易に揮発する有機化学物質であり、水性インク、溶剤インク、熱硬化型インク、および紫外線硬化型インク等のインクに使用される有機溶剤である。揮発性有機化合物としては、例えばグリコールエーテル系溶剤、ラクトン系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、およびエチルベンゼン等の炭化水素系溶剤、また、ジクロロメタン、フロン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール、テトラリン、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールエチルメチルエーテル、およびエチレングリコールモノメチルエーテル等の有機化学物質が挙げられる。
(制御手段2)
上述したように、制御手段2は、冷却手段4の駆動を制御している。具体的な制御処理について、図1を参照して説明する。図1は、インクジェット記録装置1を示す要部構成図である。
図1に示すように、制御手段2は、冷却制御手段7および検出手段8を有している。検出手段8は、インク吐出部5におけるインク吐出の状態を検出する。冷却制御手段7は、インクジェット記録装置1に設けられたセンサ6が検出した情報、あるいは検出手段8が検出した情報に基づいて、冷却手段4の駆動を制御している。
<冷却手段4の送風量の制御>
まず、センサ6が検出した情報に基づいて、冷却制御手段7が冷却手段4の駆動を制御する処理について説明する。インクジェット記録装置1に設けられているセンサ6は、分解装置3内の温度を検出する温度センサ、および排気ダクト14aまたは排気ダクト14b(すなわち、インク吐出部5から分解装置3までの間)に位置し、揮発性有機化合物の濃度を検出する濃度センサである。なお、インクジェット記録装置1は、センサ6として温度センサおよび濃度センサの双方を有している必要はなく、いずれか一方のみを有していてもよい。
温度センサは、自身が検出した分解装置3内の温度の情報を冷却制御手段7に送る。冷却制御手段7は、温度センサが検出した分解装置3内の温度の情報に基づいて、冷却手段4による分解装置3内への送風量を制御する。具体的には、熱を有する排気ガスが分解装置3内に滞留することで分解装置3が高温になり過ぎると、分解装置3内の部品を破損してしまうことがある。そのため、温度センサによって検出された分解装置3内の温度が所定の温度よりも高い場合には、冷却制御手段7は、冷却手段4による分解装置3内への送風量を増加させることによって、分解装置3の冷却をより効果的に行う。一方、温度センサによって検出された分解装置3内の温度が所定の温度以下の場合には、冷却制御手段7は、冷却手段4による分解装置3内への送風量を低減させる。
このように、分解装置3内の温度に応じて、冷却手段4による送風量を制御することにより、分解装置3内の温度上昇を抑えることができ、分解装置3内の部品の破損を防ぐことができる。また、分解装置3内の温度が所定値以下の場合には、冷却手段4による分解装置3内への送風量を低減させることにより、冷却手段4の駆動電力、すなわちインクジェット記録装置1の消費電力を削減することができる。
分解装置3に触媒燃焼方式を採用した場合、分解装置3内の温度が低下すると触媒が不活性の状態となり、揮発性有機化合物の分解可能量が低下する。分解装置3内に分解可能量を超える揮発性有機化合物が滞留すると、未分解の成分が分解装置3に付着するため、分解装置3内の部品を汚損する虞がある。分解装置3内の温度が所定値以下の場合には、冷却手段4による分解装置3内への送風量を低減させることにより、分解装置3内の部品の汚損を防ぐことができる。
一方、濃度センサは、自身が検出したインク吐出部5から分解装置3までの間の揮発性有機化合物の濃度の情報を冷却制御手段7に送る。冷却制御手段7は、濃度センサが検出した揮発性有機化合物の濃度の情報に基づいて、冷却手段4による分解装置3内への送風量を制御する。具体的には、インク吐出部5から分解装置3までの間の揮発性有機化合物の濃度の増減は、分解装置3内における揮発性有機化合物の濃度の増減を意味する。分解装置3内の揮発性有機化合物の濃度が上昇すると、分解装置3内に滞留する揮発性有機化合物の分解が継続して行われるため、熱を有する排気ガスが分解装置3内に滞留することで分解装置3が高温になり過ぎ、分解装置3内の部品を破損してしまうことがある。そのため、濃度センサによって検出された揮発性有機化合物の濃度が所定の濃度よりも高い場合には、冷却制御手段7は、冷却手段4による分解装置3内への送風量を増加させることによって、分解装置3内の揮発性有機化合物の濃度の上昇を抑制する。ただし、冷却手段4による分解装置3内への送風によって、排気ダクト14b内に存在している揮発性有機化合物を分解装置3内に流入することにもなる。そのため、濃度センサによって検出された揮発性有機化合物の濃度が所定の濃度よりも高い場合には、冷却制御手段7は、分解装置3内に分解可能量を超える揮発性有機化合物が流入しない程度に、冷却手段4による分解装置3内への送風量を増加させることが好ましい。一方、濃度センサによって検出された揮発性有機化合物の濃度が所定の濃度以下の場合には、冷却制御手段7は、冷却手段4による分解装置3内への送風量を低減させる。
このように、インク吐出部5から分解装置3までの間の揮発性有機化合物の濃度に応じて、冷却手段4による送風量を制御することにより、分解装置3内の揮発性有機化合物の濃度の上昇を抑えることができ、分解装置3内の部品の破損を防ぐことができる。また、インク吐出部5から分解装置3までの間の揮発性有機化合物の濃度が所定値以下の場合には、冷却手段4による分解装置3内への送風量を低減させることにより、冷却手段4の駆動電力、すなわちインクジェット記録装置1の消費電力を削減することができる。
なお、以上では分解装置3内の温度、あるいはインク吐出部5から分解装置3までの間の揮発性有機化合物の濃度に応じて、冷却手段4による送風量を制御する構成を挙げたが、必ずしもこれに限定されるわけではない。例えば、分解装置3内の温度、あるいはインク吐出部5から分解装置3までの間の揮発性有機化合物の濃度に応じて、インクジェット記録装置1の駆動を制御してもよい。具体的には、インクジェット記録装置1を駆動するための電力を供給する電源部(図示せず)を制御する電源制御手段を制御手段2に設け、分解装置3内の温度、あるいはインク吐出部5から分解装置3までの間の揮発性有機化合物の濃度が所定値よりも大きい場合には、電源制御手段が電源部による電力の供給を停止してもよい。このように、分解装置3内の温度、あるいはインク吐出部5から分解装置3までの間の揮発性有機化合物の濃度が所定値よりも大きい場合にはインクジェット記録装置1を停止することによっても、分解装置3内の部品の破損を防ぐことができる。
<冷却手段4の駆動の制御>
インクジェット記録装置1では、印刷停止時に冷却手段4による分解装置3内への送風を止めてしまうと、分解装置3内に一時的に過剰な熱が発生し、分解装置3内の部品を破損してしまうことがある。そこで、本実施形態に係るインクジェット記録装置1では、印刷が停止した後も冷却手段4を駆動させることを特徴としている。具体的には、検出手段8が検出したインク吐出部5におけるインク吐出の状態の情報に基づいて、印刷が停止した後も冷却手段4が駆動し続けるように、冷却制御手段7が冷却手段4の駆動を制御している。
以下では、検出手段8が検出した情報に基づいて、冷却制御手段7が冷却手段4の駆動を制御する処理について、図3に沿って説明する。図3は、検出手段8が検出した情報に基づいて、冷却制御手段7が冷却手段4の駆動を制御するまでの流れを示すフロー図である。
まず検出手段8は、インク吐出部5におけるインク吐出の状態を検出する(ステップS1;以下、「S1」と略記する。)。インク吐出の状態を検出するとは、記録ヘッド17がインクを吐出している状態であるのか否かを検出することである。検出手段8では、記録ヘッド17がインクを吐出している状態から、インクを吐出していない状態に切り替わった時点でインク吐出部5においてインクの吐出が終了したと判断する。すなわち、記録ヘッド17がインクを吐出している状態から、インクを吐出していない状態に切り替わった時点で印刷が停止したと判断する。
検出手段8が、インク吐出部5においてインクの吐出が終了したことを検知すると(S2,YES)、その検知情報は冷却制御手段7に送られる。冷却制御手段7は、検出手段8の検知情報に基づいて、インク吐出部5におけるインクの吐出が終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段4を駆動し続ける(S3)。これにより、印刷が停止した後も、所定の時間の間だけ冷却手段4は駆動し続けることになる。
一方、検出手段8が、インク吐出部5においてインクの吐出が終了したことを検知しない場合には(S2,NO)、S1に戻り、インク吐出部5におけるインク吐出の状態の検出を行う。インクジェット記録装置1では、以上の一連の動作を繰り返し行う。
このように、検出手段8が、インク吐出部5においてインクの吐出が終了したことを検知すると、冷却制御手段7は、インク吐出部5におけるインクの吐出が終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段4を駆動し続ける。すなわち、印刷が停止した後も、冷却手段4は停止せずに、所定の時間の間だけ駆動し続ける。そのため、印刷が停止した後も、分解装置3の冷却が引き続き行われる。これにより、インクジェット記録装置1において、一時的に発生する分解装置3内における過剰な熱を抑えられるので、分解装置3内の部品の破損を防ぐことができる。
〔第2の実施形態〕
以下には、本発明の第2の実施形態について、図4を参照して詳細に説明する。図4は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図である。なお、第1の実施形態と同一の部材については、共通の番号を付し、その説明を省略している。
(インクジェット記録装置1a)
図4に示すように、本実施形態に係るインクジェット記録装置1aは、制御手段2a、分解装置3、冷却手段4、インク吐出部5、予備電源部15、および電源部16を有している。電源部16は、インクジェット記録装置1aを駆動するために必要な電力を供給する。また、予備電源部15は、電源部16が電力の供給を停止した場合に、制御手段2aおよび冷却手段4に電力を供給する。図中の太線の矢印は、予備電源部15による電力供給を表している。なお、図を簡略化するために電源部16による電力供給は表していない。予備電源部15は、一般的にサーバ等に用いられる大容量の電源であってもよいし、キャパシタ等であってもよい。
(制御手段2a)
第1の実施形態において、インクジェット記録装置1への電力の供給が停止してしまうと、冷却手段4が停止する。インクジェット記録装置1への電力の供給が停止するのは、例えば災害による停電時、あるいは分解装置3の過熱を検知したことを受けて電力の供給を停止した時等が挙げられる。冷却手段4が停止すると、分解装置3内に一時的に過剰な熱が発生し、分解装置3内の部品を破損してしまう虞がある。そこで、本実施形態に係るインクジェット記録装置1aでは、電源部16による電力の供給が停止したことで印刷が停止した後も、予備電源部15によって供給される電力により冷却手段4を駆動し続けることを特徴としている。具体的な制御処理について、図5を参照して説明する。図5は、インクジェット記録装置1aを示す要部構成図である。
図5に示すように、制御手段2aは、冷却制御手段7、検出手段8、および予備電源制御手段9を有している。検出手段8は、インク吐出部5におけるインク吐出の状態を検出するのに加えて、電源部16による電力の供給状態を検出する。予備電源制御手段9は、検出手段8が検出した電源部16による電力の供給状態の情報に基づいて、予備電源部15を制御している。
<予備電源部15の制御>
検出手段8が検出した電源部16による電力の供給状態の情報に基づいて、予備電源制御手段9が予備電源部15を制御する処理について、図6に沿って説明する。図6は、検出手段8が検出した電源部16による電力の供給状態の情報に基づいて、予備電源制御手段9が予備電源部15を制御するまでの流れを示すフロー図である。
まず検出手段8は、インク吐出部5におけるインク吐出の状態を検出する(ステップS11)。検出手段8では、インク吐出部5においてインクを吐出している状態から、インクを吐出していない状態に切り替わった時点でインク吐出部5においてインクの吐出が終了したと判断する。すなわち、インク吐出部5においてインクを吐出している状態から、インクを吐出していない状態に切り替わった時点で印刷が停止したと判断する。
検出手段8が、インク吐出部5においてインクの吐出が終了したことを検知すると(S12,YES)、検出手段8は、続いて電源部16による電力の供給状態を検出する(S13)。電力の供給状態を検出するとは、電源部16によるインクジェット記録装置1への電力の供給が停止している状態であるのか否かを検出することである。
検出手段8が、電源部16による電力の供給が停止していることを検知すると(S14,YES)、検出手段8の検知情報は冷却制御手段7および予備電源制御手段9に送られる。具体的には、インク吐出部5においてインクの吐出が終了した旨の情報は冷却制御手段7に送られ、電源部16による電力の供給が停止している旨の情報は予備電源制御手段9に送られる。
予備電源制御手段9は、検出手段8の検知情報に基づいて、予備電源部15に、制御手段2aおよび冷却手段4に対して電力を供給させる(S16)。そして、冷却制御手段7は、検出手段8の検知情報に基づいて、インク吐出部5においてインクの吐出が終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段4を駆動し続ける(S15)。これにより、停電等で電源部16による電力の供給が停止したことで印刷が停止した後も、予備電源部15によって供給される電力により、所定の時間の間だけ冷却手段4は駆動し続けることになる。
一方、検出手段8が、電源部16による電力の供給が停止していることを検知しない場合には(S14,NO)、冷却制御手段7は、検出手段8の検知情報に基づいて、インク吐出部5におけるインクの吐出が終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段4を駆動し続ける(S15)。このように、停電等で電源部16による電力の供給が停止したためではなく、通常の印刷処理が終了したことで印刷が停止した後も、所定の時間の間だけ冷却手段4は駆動し続けることになる。
S12にて、インク吐出部5においてインクの吐出が終了したことを検知しない場合には(NO)、S11に戻り、インク吐出部5におけるインク吐出の状態の検出を行う。インクジェット記録装置1aでは、以上の一連の動作を繰り返し行う。
このように、検出手段8が、電源部16による電力の供給が停止したことでインク吐出部5においてインクの吐出が終了したことを検知すると、予備電源制御手段9は、予備電源部15に、制御手段2aおよび冷却手段4に対して電力を供給させる。そして、冷却制御手段7は、インク吐出部5におけるインクの吐出が終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段4を駆動し続ける。すなわち、停電等で電源部16による電力の供給が停止することで印刷が停止した後も、冷却手段4は停止せずに、予備電源部15によって供給される電力により、所定の時間の間だけ駆動し続ける。そのため、停電等によってインクジェット記録装置1aへの電力供給が停止することで印刷が停止した後も、分解装置3の冷却が引き続き行われる。これにより、インクジェット記録装置1aにおいて、一時的に発生する分解装置3内における過剰な熱を抑えられるので、分解装置3内の部品の破損を防ぐことができる。
〔第3の実施形態〕
続いて、本発明の第3の実施形態について、図7を参照して詳細に説明する。図7は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図である。なお、第1および第2の実施形態と同一の部材については、共通の番号を付し、その説明を省略している。
(インクジェット記録装置1b)
図7に示すように、本実施形態に係るインクジェット記録装置1bは、制御手段2b、分解装置3、冷却手段4、インク吐出部5、送風手段11、電源部16、および予備電源部15を有している。送風手段11は、インク吐出部5から排気ガスが排出される排出口とは反対側の開口部に設けられている。送風手段11は、インク吐出部5(記録ヘッド17がインクの吐出を行う領域)内に送風することによって、インク吐出部5内の揮発性有機化合物を、排気ダクト14a、冷却手段4、および排気ダクト14bを通って、分解装置3まで導く。また、予備電源部15は、電源部16による電力の供給が停止した場合に、制御手段2bおよび冷却手段4に加えて、送風手段11にも電力を供給する。図中の太線の矢印は、予備電源部15による電力供給を表している。なお、図を簡略化するために電源部16による電力供給は表していない。
(制御手段2b)
第1の実施形態に係るインク吐出部5では、プラテン19の乾燥手段がメディア20に吐出されたインクを乾燥するため、インク吐出部5の内部には揮発した水蒸気および揮発性有機化合物等が滞留しており、高湿度になっている。高湿度下では、プラテン19の乾燥手段によるインクの乾燥が妨げられる可能性が高い。そこで、本実施形態に係るインクジェット記録装置1bでは、インク吐出部5内に送風する送風手段11を有していることを特徴としている。送風手段11がインク吐出部5内の揮発性有機化合物を排気ダクト14aに導くことにより、インク吐出部5内でインクの乾燥によって揮発する揮発性有機化合物を希釈している。
しかしながら、停電等でインクジェット記録装置1bへの電力の供給が停止してしまうと、送風手段11が停止する。そのため、インク吐出部5の内部には揮発した水蒸気および揮発性有機化合物等が滞留し、プラテン19の乾燥手段によるインクの乾燥が妨げられる虞がある。そこで、本実施形態に係るインクジェット記録装置1bでは、電源部16による電力の供給が停止した後も、予備電源部15によって供給される電力により送風手段11を駆動し続けることも特徴としている。具体的な制御処理について、図8を参照して説明する。図8は、インクジェット記録装置1bを示す要部構成図である。
図8に示すように、制御手段2bは、冷却制御手段7、検出手段8、予備電源制御手段9、および送風制御手段10を有している。上述したように、検出手段8は、インク吐出部5におけるインク吐出の状態を検出するのに加えて、電源部16による電力の供給状を検出する。送風制御手段10は、検出手段8が検出した電源部16による電力の供給状態の情報に基づいて、送風手段11を制御している。
<送風手段11の制御>
検出手段8が検出した電源部16による電力の供給状態の情報に基づいて、送風制御手段10が送風手段11を制御する処理について、図9に沿って説明する。図9は、検出手段8が検出した電源部16による電力の供給状態の情報に基づいて、送風制御手段10が送風手段11を制御するまでの流れを示すフロー図である。
まず検出手段8は、インク吐出部5におけるインク吐出の状態を検出し、続いて電源部16による電力の供給状態を検出する(S21〜S24)。S21〜S24の処理は、第2の実施形態におけるS11〜S14の処理と同じであるため、その処理内容についてはここでは言及しない。
検出手段8が、電源部16による電力の供給が停止していることを検知すると(S24,YES)、検出手段8の検知情報は冷却制御手段7、予備電源制御手段9、および送風制御手段10に送られる。具体的には、インク吐出部5においてインクの吐出が終了した旨の情報は冷却制御手段7に送られ、電源部16による電力の供給が停止している旨の情報は予備電源制御手段9および送風制御手段10に送られる。
予備電源制御手段9は、検出手段8の検知情報に基づいて、予備電源部15に、制御手段2b、冷却手段4、および送風手段11に対して電力を供給させる(S26)。そして、冷却制御手段7は、検出手段8の検知情報に基づいて、インク吐出部5においてインクの吐出が終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段4を駆動し続ける(S25)。これにより、停電等で電源部16による電力の供給が停止したことで印刷が停止した後も、予備電源部15によって供給される電力により、所定の時間の間だけ冷却手段4は駆動し続けることになる。また、送風制御手段10は、検出手段8の検知情報に基づいて、送風手段11を駆動し続ける(S27)。これにより、停電等で電源部16による電力の供給が停止した後も、予備電源部15によって供給される電力により送風手段11も駆動し続けることになる。
一方、検出手段8が、電源部16による電力の供給が停止していることを検知しない場合には(S24,NO)、冷却制御手段7は、検出手段8の検知情報に基づいて、インク吐出部5におけるインクの吐出が終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段4を駆動し続ける(S25)。このように、停電等で電源部16による電力の供給が停止したためではなく、通常の印刷処理が終了したことで印刷が停止した後も、所定の時間の間だけ冷却手段4は駆動し続けることになる。
S22にて、インク吐出部5においてインクの吐出が終了したことを検知しない場合には(NO)、S21に戻り、インク吐出部5におけるインク吐出の状態の検出を行う。インクジェット記録装置1bでは、以上の一連の動作を繰り返し行う。
このように、検出手段8が、電源部16による電力の供給が停止したことでインク吐出部5においてインクの吐出が終了したことを検知すると、予備電源制御手段9は、予備電源部15に、制御手段2b、冷却手段4、および送風手段11に対して電力を供給させる。そして、送風制御手段10は、インク吐出部5におけるインクの吐出が終了した後も、送風手段11を駆動し続ける。すなわち、停電等で電源部16による電力の供給が停止した後も、送風手段11は停止せずに、予備電源部15によって供給される電力により、駆動し続ける。そのため、停電等によってインクジェット記録装置1bへの電力供給が停止することで印刷が停止した後も、インク吐出部5内への送風が引き続き行われ、インク吐出部5内でインクの乾燥によって揮発する揮発性有機化合物が希釈されている。これにより、インク吐出部5の内部に揮発した水蒸気および揮発性有機化合物等が滞留しないので、プラテン19の乾燥手段によるインクの乾燥が妨げられるのを防ぐことができる。
〔第4の実施形態〕
以下には、本発明の第4の実施形態について、図10を参照して詳細に説明する。図10は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図である。なお、第1〜第3の実施形態と同一の部材については、共通の番号を付し、その説明を省略している。
(インクジェット記録装置1c)
図10に示すように、本実施形態に係るインクジェット記録装置1cは、制御手段2c、分解装置3、冷却手段4、インク吐出部5、開閉手段13、予備電源部15、および電源部16を有している。開閉手段13は、排気ダクト14aに設けられており、排気ダクト14aに設けられた流通口21を開閉する開閉弁等の開閉手段である。開閉手段13は、流通口21を開くことによって、外部の待機を排気ダクト14aの内部に流通する。また、予備電源部15は、電源部16による電力の供給が停止した場合に、制御手段2cおよび冷却手段4に加えて、開閉手段13にも電力を供給する。図中の太線の矢印は、予備電源部15による電力供給を表している。なお、図を簡略化するために電源部16による電力供給は表していない。
(制御手段2c)
第1の実施形態において、停電等でインクジェット記録装置1aへの電力の供給が停止してしまうと、分解装置3が停止する。これにより、分解装置3内の温度が上昇すると共に、分解装置3内に揮発性有機化合物や微細なインクミストが滞留していき、分解装置3内の揮発性有機化合物の濃度が分解可能量を超えて高まることで未分解の成分が分解装置3に付着するため、分解装置3内の部品を汚損する虞がある。そこで、本実施形態に係るインクジェット記録装置1cでは、電源部16による電力の供給が停止すると、予備電源部15によって供給される電力により開閉手段13が流通口21を開くことを特徴としている。具体的な制御処理について、図11を参照して説明する。図11は、インクジェット記録装置1cを示す要部構成図である。
図11に示すように、制御手段2cは、冷却制御手段7、検出手段8、予備電源制御手段9、および開閉制御手段12を有している。上述したように、検出手段8は、インク吐出部5におけるインク吐出の状態を検出するのに加えて、電源部16による電力の供給状を検出する。開閉制御手段12は、検出手段8が検出した電源部16による電力の供給状態の情報に基づいて、開閉手段13を制御している。
<開閉手段13の制御>
検出手段8が検出した電源部16による電力の供給状態の情報に基づいて、開閉制御手段12が開閉手段13を制御する処理について、図12に沿って説明する。図12は、検出手段8が検出した電源部16による電力の供給状態の情報に基づいて、開閉制御手段12が開閉手段13を制御するまでの流れを示すフロー図である。
まず検出手段8は、インク吐出部5におけるインク吐出の状態を検出し、続いて電源部16による電力の供給状態を検出する(S31〜S34)。S31〜S34の処理は、第2の実施形態におけるS11〜S14の処理と同じであるため、その処理内容についてはここでは言及しない。
検出手段8が、電源部16による電力の供給が停止していることを検知すると(S34,YES)、検出手段8の検知情報は冷却制御手段7、予備電源制御手段9、および開閉制御手段12に送られる。具体的には、インク吐出部5においてインクの吐出が終了した旨の情報は冷却制御手段7に送られ、電源部16による電力の供給が停止している旨の情報は予備電源制御手段9および開閉制御手段12に送られる。
予備電源制御手段9は、検出手段8の検知情報に基づいて、予備電源部15に、制御手段2b、冷却手段4、および開閉手段13に対して電力を供給させる(S36)。そして、冷却制御手段7は、検出手段8の検知情報に基づいて、インク吐出部5においてインクの吐出が終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段4を駆動し続ける(S35)。これにより、停電等で電源部16による電力の供給が停止したことで印刷が停止した後も、予備電源部15によって供給される電力により、所定の時間の間だけ冷却手段4は駆動し続けることになる。また、開閉制御手段12は、検出手段8の検知情報に基づいて、開閉手段13に流通口21を開かせる(S37)。これにより、停電等で電源部16による電力の供給が停止すると、予備電源部15によって供給される電力により開閉手段13は流通口21を開く。
一方、検出手段8が、電源部16による電力の供給が停止していることを検知しない場合には(S34,NO)、冷却制御手段7は、検出手段8の検知情報に基づいて、インク吐出部5におけるインクの吐出が終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段4を駆動し続ける(S35)。このように、停電等で電源部16による電力の供給が停止したためではなく、通常の印刷処理が終了したことで印刷が停止した後も、所定の時間の間だけ冷却手段4は駆動し続けることになる。
S32にて、インク吐出部5においてインクの吐出が終了したことを検知しない場合には(NO)、S31に戻り、インク吐出部5におけるインク吐出の状態の検出を行う。インクジェット記録装置1cでは、以上の一連の動作を繰り返し行う。
このように、検出手段8が、電源部16による電力の供給が停止したことでインク吐出部5においてインクの吐出が終了したことを検知すると、予備電源制御手段9は、予備電源部15に、制御手段2b、冷却手段4、および開閉手段13に対して電力を供給させる。そして、開閉制御手段12は、電源部16による電力の供給が停止すると、開閉手段13に流通口21を開かせる。すなわち、停電等で電源部16による電力の供給が停止すると、開閉手段13は予備電源部15によって供給される電力により流通口21を開き、排気ダクト14a内に外部の大気を流通する。これにより、排気ダクト14a内に外部の大気が導入されると共に、排気ダクト14a内の揮発性有機化合物が外部に排出される。その結果、分解装置3内の揮発性有機化合物の濃度の上昇が抑えられるので、分解装置3内の部品の汚損を防ぐことができる。
なお、以上では、排気ダクト14aに流通口21を設ける構成を挙げたが、必ずしもこれに限定されるわけではない。例えば、分解装置3から排出された排気ガスを、インク吐出部5に戻す循環経路を設けている場合には、流通口21を分解装置3の排出口に設けてもよい。この場合は、電源部16による電力の供給が停止すると、開閉手段13は排出口に設けられた流通口21を開く。これにより、停電等で電源部16による電力の供給が停止した場合に、分解装置3内の揮発性有機化合を外部に迅速に排出することができる。
〔付記事項〕
本発明の一態様に係るインクジェット記録装置1は、揮発性有機化合物を含むインクを記録媒体に吐出する記録ヘッド17を備えるインクジェット記録装置1であって、上記記録ヘッド17から吐出されるインクに含まれる揮発性有機化合物を分解する分解装置3と、上記分解装置3内に送風することによって、当該分解装置3を冷却する冷却手段4と、上記冷却手段4を制御する制御手段2であって、上記記録ヘッド17がインクの吐出を終了してから所定の時間が経過するまで、上記冷却手段4を駆動し続ける制御手段2とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、制御手段2は、記録ヘッド17がインクの吐出を終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段4を駆動し続ける。すなわち、印刷が停止した後も、冷却手段4は停止せずに、所定の時間の間だけ駆動し続ける。
分解装置3において揮発性有機化合物を排気ガスに分解する際に熱が生じるため、排気ガスは揮発性有機化合物を分解する際に生じる熱を有している。従来では、印刷停止時に冷却手段による分解装置内への送風が止まり、分解装置内に滞留する揮発性有機化合物の分解が継続して行われるために分解装置が高温になり、分解装置内の部品を破損してしまうことがあった。
しかし、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置1では、印刷が停止した後も、分解装置3の冷却が引き続き行われる。これにより、インクジェット記録装置1において、一時的に発生する分解装置3内における過剰な熱を抑えることができるので、分解装置3内の部品の破損を防ぐことができる。
さらに、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置1aにおいては、上記インクジェット記録装置1aを駆動するための電力を供給する電源部16と、上記電源部16が電力の供給を停止した場合に、上記制御手段2および上記冷却手段4に電力を供給する予備電源部16とをさらに備え、上記制御手段2は、上記予備電源部16による電力の供給をも制御するものであり、上記電源部15が電力の供給を停止したことで上記記録ヘッド17がインクの吐出を終了すると、当該記録ヘッド17がインクの吐出を終了してから上記所定の時間が経過するまで、上記予備電源部16によって上記冷却手段4を駆動し続ける構成であってもよい。
上記の構成によれば、電源部15による電力の供給が停止すると、制御手段2は、予備電源部16に、制御手段2および冷却手段4に対して電力を供給させる。そして、制御手段2は、記録ヘッド17がインクの吐出を終了してから所定の時間が経過するまで、冷却手段4を駆動し続ける。すなわち、停電等で電源部15による電力の供給が停止することで印刷が停止した後も、冷却手段4は停止せずに、予備電源部16によって供給される電力により、所定の時間の間だけ駆動し続ける。
そのため、停電等によってインクジェット記録装置1aへの電力供給が停止することで印刷が停止した後も、分解装置3の冷却が引き続き行われる。これにより、分解装置3内に一時的に過剰な熱の発生が抑えられるので、分解装置3内の部品の破損を防ぐことができる。
さらに、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置1bにおいては、上記記録ヘッド17がインクの吐出を行う領域に送風することによって、上記揮発性有機化合物を上記分解装置3まで導く送風手段11をさらに備え、上記制御手段2は、上記電源部15が電力の供給を停止した場合に、上記予備電源部16によって上記送風手段11にも電力を供給する構成であってもよい。
上記の構成によれば、電源部15による電力の供給が停止すると、制御手段2は、予備電源部16に、制御手段2、冷却手段4、および送風手段11に対して電力を供給させる。そして、制御手段2は、電源部15による電力の供給が停止したことで記録ヘッド17がインクの吐出を終了した後も、送風手段11を駆動し続ける。すなわち、停電等で電源部15による電力の供給が停止した後も、送風手段11は停止せずに、予備電源部16によって供給される電力により、駆動し続ける。
そのため、停電等によってインクジェット記録装置1bへの電力供給が停止することで印刷が停止した後も、記録ヘッド17がインクの吐出を行う領域への送風が引き続き行われ、当該領域内でインクの乾燥によって揮発する揮発性有機化合物が希釈される。これにより、記録ヘッドがインクの吐出を行う領域の内部に揮発した水蒸気および揮発性有機化合物等が滞留し、インクの乾燥が妨げられるのを防ぐことができる。
さらに、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置1においては、上記分解装置3内の温度を検出する温度センサをさらに備え、上記制御手段2は、上記温度センサが検出した温度に応じて、上記冷却手段4による送風量を制御する構成であってもよい。
上記の構成によれば、分解装置3内の温度に応じて、冷却手段4による送風量を制御する。例えば、温度センサによって検出された分解装置3内の温度が所定の温度よりも高い場合には、制御手段2は、冷却手段4による分解装置3内への送風量を増加させることによって、分解装置3の冷却をより効果的に行う。一方、温度センサによって検出された分解装置3内の温度が所定の温度以下の場合には、制御手段2は、冷却手段4による分解装置3内への送風量を低減させる。このように、分解装置3内の温度に応じて、冷却手段4による送風量を制御することにより、分解装置3内の温度上昇が抑えられるので、分解装置3内の部品の破損を防ぐことができる。
さらに、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置1においては、上記記録ヘッド17がインクの吐出を行う領域から上記分解装置3までの間に位置し、上記揮発性有機化合物の濃度を検出する濃度センサをさらに備え、上記制御手段2は、上記濃度センサが検出した濃度に応じて、上記冷却手段4による送風量を制御する構成であってもよい。
上記の構成によれば、記録ヘッド17がインクの吐出を行う領域から分解装置3までの間の揮発性有機化合物の濃度に応じて、冷却手段4による送風量を制御する。例えば、濃度センサによって検出された揮発性有機化合物の濃度が所定の濃度よりも高い場合には、制御手段2は、冷却手段4による分解装置内への送風量を増加させることによって、分解装置3内の揮発性有機化合物の濃度の上昇を抑制する。一方、濃度センサによって検出された揮発性有機化合物の濃度が所定の濃度以下の場合には、制御手段2は、冷却手段4による分解装置3内への送風量を低減させる。このように、記録ヘッド17がインクの吐出を行う領域から分解装置3までの間の揮発性有機化合物の濃度に応じて、冷却手段4による送風量を制御することにより、分解装置3内の揮発性有機化合物の濃度の上昇が抑えられるので、分解装置3内の部品の破損を防ぐことができる。
さらに、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置1cにおいては、上記記録ヘッド17がインクの吐出を行う領域から上記分解装置3まで上記揮発性有機化合物を導く排気ダクト14aであって、外部の大気を内部に流通するための流通口21を設けた排気ダクト14aと、上記流通口21を開閉する開閉手段13とをさらに備え、上記制御手段2は、上記開閉手段13による上記流通口21の開閉をも制御するものであり、上記電源部15が電力の供給を停止した場合に、上記予備電源部16によって上記開閉手段13にも電力を供給すると共に、上記予備電源部16によって上記開閉手段13に上記流通口21を開かせる構成であってもよい。
上記の構成によれば、電源部15による電力の供給が停止すると、制御手段2は、予備電源部16に、制御手段2、冷却手段4、および開閉手段13に対して電力を供給させる。そして、制御手段2は、電源部15による電力の供給が停止すると、開閉手段13に流通口21を開かせる。すなわち、停電等で電源部15による電力の供給が停止すると、開閉手段13は予備電源部16によって供給される電力により流通口21を開き、排気ダクト14a内に外部の大気を流通する。これにより、排気ダクト14a内に外部の大気が導入されると共に、排気ダクト14a内の揮発性有機化合物が外部に排出される。その結果、分解装置3内の揮発性有機化合物の濃度の上昇が抑えられるので、分解装置3内の部品の汚損を防ぐことができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、インクジェットプリントに好適に利用することができる。
1,1a〜1c インクジェット記録装置
2,2a〜2c 制御手段
3 分解装置
4 冷却手段
5 インク吐出部
6 センサ
7 冷却制御手段
8 検出手段
9 予備電源制御手段
10 送風制御手段
11 送風手段
12 開閉制御手段
13 開閉手段
14a〜14c 排気ダクト
15 予備電源部
16 電源部
17 記録ヘッド
18 ガイド機構
19 プラテン
20 メディア
21 流通口

Claims (6)

  1. 揮発性有機化合物を含むインクを記録媒体に吐出する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、
    上記記録ヘッドから吐出されるインクに含まれる揮発性有機化合物を分解する分解装置と、
    上記分解装置内に送風することによって、当該分解装置を冷却する冷却手段と、
    上記冷却手段を制御する制御手段であって、上記記録ヘッドがインクの吐出を終了してから所定の時間が経過するまで、上記冷却手段を駆動し続ける制御手段とを備え
    上記冷却手段は、上記分解装置内に送風することによって、上記インクから揮発した上記揮発性有機化合物を上記分解装置に導くものであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 揮発性有機化合物を含むインクを記録媒体に吐出する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、
    上記記録ヘッドから吐出されるインクに含まれる揮発性有機化合物を分解する分解装置と、
    上記分解装置内に送風することによって、当該分解装置を冷却する冷却手段と、
    上記冷却手段を制御する制御手段であって、上記記録ヘッドがインクの吐出を終了してから所定の時間が経過するまで、上記冷却手段を駆動し続ける制御手段とを備え、
    上記インクジェット記録装置を駆動するための電力を供給する電源部と、
    上記電源部が電力の供給を停止した場合に、上記制御手段および上記冷却手段に電力を供給する予備電源部とをさらに備え、
    上記制御手段は、上記予備電源部による電力の供給をも制御するものであり、上記電源部が電力の供給を停止したことで上記記録ヘッドがインクの吐出を終了すると、当該記録ヘッドがインクの吐出を終了してから上記所定の時間が経過するまで、上記予備電源部によって上記冷却手段を駆動し続けることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 上記記録ヘッドがインクの吐出を行う領域に送風することによって、上記揮発性有機化合物を上記分解装置まで導く送風手段をさらに備え、
    上記制御手段は、上記電源部が電力の供給を停止した場合に、上記予備電源部によって上記送風手段にも電力を供給することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 揮発性有機化合物を含むインクを記録媒体に吐出する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、
    上記記録ヘッドから吐出されるインクに含まれる揮発性有機化合物を分解する分解装置と、
    上記分解装置内に送風することによって、当該分解装置を冷却する冷却手段と、
    上記冷却手段を制御する制御手段であって、上記記録ヘッドがインクの吐出を終了してから所定の時間が経過するまで、上記冷却手段を駆動し続ける制御手段とを備え、
    上記分解装置内の温度を検出する温度センサをさらに備え、
    上記制御手段は、上記温度センサが検出した温度に応じて、上記冷却手段による送風量を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 揮発性有機化合物を含むインクを記録媒体に吐出する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、
    上記記録ヘッドから吐出されるインクに含まれる揮発性有機化合物を分解する分解装置と、
    上記分解装置内に送風することによって、当該分解装置を冷却する冷却手段と、
    上記冷却手段を制御する制御手段であって、上記記録ヘッドがインクの吐出を終了してから所定の時間が経過するまで、上記冷却手段を駆動し続ける制御手段とを備え、
    上記記録ヘッドがインクの吐出を行う領域から上記分解装置までの間に位置し、上記揮発性有機化合物の濃度を検出する濃度センサをさらに備え、
    上記制御手段は、上記濃度センサが検出した濃度に応じて、上記冷却手段による送風量を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 上記記録ヘッドがインクの吐出を行う領域から上記分解装置まで上記揮発性有機化合物を導く排気ダクトであって、外部の大気を内部に流通するための流通口を設けた排気ダクトと、
    上記流通口を開閉する開閉手段とをさらに備え、
    上記制御手段は、上記開閉手段による上記流通口の開閉をも制御するものであり、上記電源部が電力の供給を停止した場合に、上記予備電源部によって上記開閉手段にも電力を供給すると共に、上記予備電源部によって上記開閉手段に上記流通口を開かせることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
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