JP6123731B2 - 電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動機、電力供給装置及びインバータを備える車両に適用され、インバータにPWM制御及び矩形波制御を選択的に実行させることによって電動機を制御する、電動機の制御装置に関する。
電動機に駆動力を発生させる車両(例えば、電気自動車及びハイブリッドカー)が知られている。車両に搭載される電動機は、一般に、永久磁石と、電気エネルギーを利用して磁力を発生させる界磁巻線(コイル)と、を備えている。「電圧が印加された界磁巻線が発生させる磁力」が「永久磁石が発生させる磁力」と吸引・反発することによって、電動機はトルクを発生させる。
界磁巻線は、近接する界磁巻線及びその他の伝導体との間に電流が流れないように、絶縁被膜が施されている。しかし、界磁巻線と、近接する他の伝導体と、の間の電位差が絶縁被膜の耐電圧(以下、単に「耐電圧」とも称呼される。)を越えた場合、絶縁被膜を構成する物質から電子が放出され(即ち、放電され)、その結果、電流が流れる虞がある。この現象が絶縁破壊である。絶縁破壊が頻繁に発生すると絶縁皮膜が劣化し、耐電圧が不可逆的に低下する虞がある。
耐電圧は、絶縁被膜の温度及び絶縁被膜周辺の気圧に応じて変化する。具体的には、絶縁被膜の温度が高くなるほど、絶縁被膜を構成する物質の価電子の運動量が上昇するので放電が発生し易くなる。一方、絶縁被膜周辺の気圧が低くなるほど、絶縁被膜周辺の空気密度が低くなるので、放電が発生し易くなる。従って、絶縁被膜の温度が高くなるほど耐電圧が低下し、絶縁被膜周辺の気圧が低くなるほど耐電圧が低下する。
そこで、絶縁被膜の温度及び絶縁被膜周辺の気圧に応じて電動機を制御し、絶縁破壊の発生を回避する電動機の制御装置が提案されている。
例えば、従来の車両制御装置の一つ(以下、「従来装置」とも称呼される。)は、絶縁破壊の発生を回避するため、気圧が低下するほどコンバータ電圧の上限値を小さくすることによってモータに印加される電圧を制限していた。更に、従来装置は、気圧が低下するほど低くなる温度閾値を取得し、実際のモータ温度がこの温度閾値よりも高いときインバータからモータに供給される電力を制限していた(特許文献1を参照。)。
特開2010−252572号公報
ところで、一般に、車両駆動用の電動機に対して、インバータが交流電力を供給する。この際、インバータはスイッチング素子のオンとオフとを繰り返すことによって可変パルス幅の交流電圧を発生させる。
より具体的に述べると、インバータはPWM制御又は矩形波制御によって可変パルス幅の交流電圧を発生させる。インバータは、PWM制御を実行するとき、変調波信号(例えば、正弦波、及び、高調波を含む正弦波)とキャリア信号(例えば、三角波)との比較によってスイッチング素子のオン及びオフのタイミングを決定する。「キャリア信号の振幅」に対する「変調波信号の振幅」の比が「変調率」である。この制御は、変調率が「1」以下であれば「PWM制御」と称呼され、変調率が「1」より大きければ「過変調PWM制御」と称呼される。但し、過変調PWM制御もPWM制御の一種である。一方、インバータは、矩形波制御を実行するとき、各スイッチング素子のオン状態とオフ状態とを変調波信号の半周期と同じ時間間隔で変更させる。
電動機がPWM制御(過変調PWM制御を含む)によって制御されているとき、インバータが出力する(即ち、電動機の界磁巻線に印加される)電圧波形(オンとオフとの繰り返しによって発生する方形波)は、界磁巻線が有するインダクタンスによって平滑化されて元の変調波信号(正弦波又は高調波を含む正弦波)に近似した波形となる。
この波形は、変調率が高くなるほど「変調波信号の1周期内におけるインバータのスイッチング素子がオン状態となる時間の割合」が長くなるので(即ち、デューティー比が高くなるので)、振幅が大きくなる。従って、変調率が高い場合、変調波信号がピーク近傍となるとき、界磁巻線に高い電圧が印加される。
ところで、スイッチング素子のオン状態とオフ状態とが入れ替わるとき、界磁巻線に印加される電圧が急激に変化するので、サージ電圧が発生する。界磁巻線に印加される電圧にサージ電圧が重畳された電圧が耐電圧を越えるとき、絶縁破壊が発生する虞がある。
加えて、界磁巻線に印加されている電圧が高いほど、その時に発生するサージ電圧は高電圧になる。換言すれば、電動機が高い変調率にて制御され且つ界磁巻線に印加される電圧波形のピーク近傍にてサージ電圧が発生する場合、そのサージ電圧は高電圧となる。
更に、変調率が高ければ、変調波信号の振幅がキャリア信号の振幅に比して大きくなるので、変調率が低いときと比較して、スイッチング素子がオン状態からオフ状態に変化してから再びオン状態に変化するまでの時間が短くなる。即ち、図2[C]に表されたパルスwp1及びパルスwp2のように、幅の短い(オフ状態となる時間が短い)パルスが発生する。
本明細書では、オフ状態が短時間だけ継続する波形は「細パルス」とも称呼される。即ち、変調波信号が高いときに変調波信号のピーク近傍にて細パルスが発生する場合、高い電圧のサージ電圧が発生する。従って、「界磁巻線に印加される電圧とサージ電圧とを合算した電圧の最大値」が耐電圧を越えることが無いように電動機が制御される必要がある。
しかしながら、上記の従来装置ではサージ電圧が上昇する要因としての変調率が考慮されていなかった。その結果、従来装置では、電動機の運転状態が、絶縁破壊が発生しない状態であるにも拘わらず、その運転が禁止される制御が実行されていた。このような制御は電動機にとって過剰な保護であり、電動機が発揮し得る能力を不必要に低下させてしまうことになる。
そこで、本発明の目的の一つは、界磁巻線の絶縁破壊の発生を抑制し且つ電動機に対する不必要な運転制限を行わない電動機の制御装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の電動機の制御装置(以下、「本発明装置」とも称呼される。)は、
絶縁皮膜が施された界磁巻線を備える電動機と、
直流電力を出力する電力供給装置と、
PWM制御及び矩形波制御のいずれかの制御モードを選択的に実行することによって前記直流電力を交流電力に変換し、その交流電力を前記電動機に出力するインバータと、
を備える車両に適用される。
更に、本発明装置は、
前記電動機に要求トルクを発生させるため、「前記直流電力の目標電圧」と「前記インバータの制御モード」と「同制御モードがPWM制御である場合の目標変調率」とを決定し、前記決定された目標電圧の直流電力を出力するように前記電力供給装置を制御し且つ前記決定された制御モード及び目標変調率にて交流電力を出力するように前記インバータを制御する制御部を備える。
更に、前記制御部は、
前記制御モードがPWM制御であるとき、前記絶縁皮膜の耐電圧に影響を及ぼす耐電圧パラメータにより示される同耐電圧が低下するほど電圧閾値及び/又は変調率閾値を低く設定する。
更に、前記制御部は、
前記目標電圧が前記電圧閾値よりも高く且つ前記目標変調率が前記変調率閾値よりも高いという特定条件が成立するか否かを判定し、同特定条件が成立していれば、同目標電圧を同電圧閾値以下に変更する処理及び/又は同目標変調率を同変調率閾値以下に変更する処理を実行するように構成されている。
電力供給装置は、発生させる電圧を制御可能な直流電源であり、例えば、充放電可能な蓄電池と同蓄電池が発生させる電圧を昇圧可能な昇圧コンバータとの組み合わせによって構成される。耐電圧パラメータは、例えば、界磁巻線周辺の気圧及び界磁巻線の温度等である。より具体的に述べると、界磁巻線周辺の気圧が低下するほど耐電圧が低下し、界磁巻線の温度が上昇するほど耐電圧が低下する。
前記制御部が実行する前記電力供給装置及び前記インバータに対する制御は「絶縁保護処理」とも称呼される。本発明装置によれば、耐電圧が低下している場合であって、PWM制御(過変調PWM制御を含む)が実行され且つ絶縁破壊が発生する虞のあるとき、制御部が絶縁保護処理を実行することによって界磁巻線に印加される電圧の最大値を低下させる。
絶縁保護処理は、前記直流電力の電圧の最大値を低下させる又は前記変調率の最大値を低下させることによって実行される。或いは、絶縁保護処理は、前記直流電力の電圧の最大値を低下させ且つ前記変調率の最大値を低下させることによって実行される。
一方、前記インバータが矩形波制御によって交流電力を出力するとき、細パルスが発生しないので、前記制御部は絶縁保護処理を実行しない。
このように、本発明装置によれば、細パルスに起因するサージ電圧の重畳によって絶縁破壊が発生し得る場合にのみ絶縁保護処理が実行される。その結果、電動機の過剰な保護がなされることがないため、本発明装置は、絶縁破壊を回避しながらも電動機の能力を十分に発揮させることができる。
なお、本発明は、上記電動機の制御装置のみならず、上記電動機の制御装置と同様の作動を行う「電動機を駆動源として搭載した車両」にも及び、更に、上記絶縁保護処理によって使用される電動機の制御方法にも及ぶ。
本発明の実施形態に係る電動機(本電動機)の制御装置(本制御装置)が適用される車両の概略構成図である。 PWM制御、過変調PWM制御及び矩形波制御のそれぞれのパルス波形を表す図である。 本電動機のU相及びV相の界磁巻線に印加される電圧並びにU相とV相との間の線間電圧を表す図である。 本電動機の運転領域ごとの高圧側電圧と制御モードとを表す図である。 本制御装置が実行する絶縁保護処理を表したフローチャートである。 温度及び気圧に対する最大変調率及び最大電圧との関係を表したグラフである。 絶縁保護処理に伴って出力トルクが制限される運転領域を表した図である。 絶縁保護処理に伴って出力トルクが制限される運転領域を表した図である。
<構成>
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る電動機の制御装置(以下、「本制御装置」とも称呼される。)について説明する。本制御装置は、図1に概略構成を表した車両10に適用される。車両10は電動車両である。車両10は、蓄電池21、昇圧コンバータ22、インバータ23、電動機24、減速機構25、駆動輪26及びECU30を含んでいる。
蓄電池21は、充放電が可能な二次電池であり、本実施形態においてはリチウムイオン電池である。蓄電池21は、電圧VLの直流電力を出力することができる。
昇圧コンバータ22は、スイッチング素子を含む昇圧チョッパ回路を備える。昇圧コンバータ22は、昇圧チョッパ回路を利用して、蓄電池21の出力する電圧VL(低圧側電圧)を電圧VH(高圧側電圧)へ変換して、後述するインバータ23へ出力することができる。後述する電動機24が発電機として作動するとき、昇圧コンバータ22は、高圧側電圧VHを低圧側電圧VLへ変換する。この場合、蓄電池21が充電される。
インバータ23は、スイッチング素子を含み、昇圧コンバータ22が出力する直流電力を、U相、V相及びW相の三相交流電力に変換して、後述する電動機24へ出力することができる。インバータ23は、U相、V相及びW相の各相に対して、オン状態であるときに電動機24に正電圧を印加することができる上アームスイッチと、オン状態であるときに電動機24に負電圧を印加することができる下アームスイッチと、を含んでいる。
電動機24が発電機として作動するとき、インバータ23は、三相交流電力を直流電力へ変換することができる。昇圧コンバータ22及びインバータ23は、「パワーコントロールユニット」とも総称される。
電動機24は、回転磁界を発生させる三相の界磁巻線(ステーターコイル)を備えるステータ、及び、その回転磁界と吸引又は反発する磁気力によってトルクを発生させる永久磁石を備える回転子(ロータ)、を含む。ステータは、8個のU相の界磁巻線、8個のV相の界磁巻線及び8個のW相の界磁巻線、即ち、合計24個の界磁巻線を備える。ロータは、回転軸を中心とする円周上に8個の永久磁石を備えている。即ち、電動機24は8極24スロット型の電動機である。
界磁巻線には絶縁皮膜が施されている。絶縁被膜が絶縁を維持できる最大の電圧が耐電圧dsである。通常、互いに隣接する巻線との間に発生する電圧(即ち、巻線ターン間の分担電圧)は、耐電圧dsを超えない。一方、各スロットの界磁巻線(例えば、U相)と、隣接する他の相のスロットの界磁巻線(例えば、V相)と、の間に発生する電圧は、「線間電圧」とも称呼される。各相に印加される電圧と線間電圧との関係については後述する。
電動機24は、電動機として動作するとともに発電機として動作することも可能である。電動機24の回転軸は減速機構25を介して駆動輪26とトルク伝達可能に連結されている。
ECU30は、CPU31、CPU31が実行するプログラム及びルックアップテーブル等を記憶するROM32並びにデータを一時的に記憶するRAM33を含んでいる。ECU30は、以下に述べるセンサ類と接続されている。
温度センサ41は、電動機24が備える界磁巻線の温度Tmに応じた信号を発生させる。大気圧センサ42は、電動機24に隣接して設置され、周囲の気圧Prに応じた信号を発生させる。なお、大気圧センサ42は、パワーコントロールユニット内の基板上に配設されても良い。
回転角センサ43は、電動機24の回転軸の回転角度θに応じた信号を発生させる。本実施形態において回転角センサ43は、レゾルバによって実現される。ECU30は、回転角センサ43からの信号に基づいて電動機24の回転速度Nmを算出する。
アクセル開度センサ44は、車両10の図示しないアクセルペダルの開度(アクセル開度)Apを表す信号を発生させる。速度センサ45は、車両10の走行速度(車速)Vsを表す信号を発生させる。
<電動機制御の詳細>
ECU30は、アクセル開度Ap及び車速Vs等に基づいて電動機24の目標トルクTr*を決定し、目標トルクTr*を発生するように界磁巻線に印加される電圧を制御する。より具体的に述べると、ECU30は、インバータ23にPWM制御、過変調PWM制御及び矩形波制御の何れかの制御モードにより交流電力を発生させ、その交流電力を電動機24に対して出力させる。
PWM制御(過変調PWM制御を含む)は、パルス幅変調によってインバータ23の各スイッチング素子のオンとオフとのタイミングを調整することにより実現される。より具体的に述べると、PWM制御においては、図2[A]の曲線M1により表される変調波信号(三次高調波を含む正弦波)と、同図の折れ線C1により表されるキャリア信号(三角波)と、が用いられ、それらの比較結果に基づいてインバータ23の各スイッチング素子のオン・オフ状態(スイッチング信号)が決定される。変調波信号及びキャリア信号の周波数は、電動機24の回転速度Nmに基づいて決定される。
PWM制御において、変調波信号の振幅(本例では、振幅a1)はキャリア信号の振幅(本例では、振幅ac)以下である(即ち、a1≦ac)。キャリア信号の振幅に対する変調波信号の振幅の比が変調率Mである。即ち、PWM制御において、変調率Mは「1」以下となっている(即ち、変調率M≦1)。
PWM制御においては、変調波信号(三次高調波を含む正弦波)が正側に振れる半周期の期間において、変調波信号がキャリア信号(三角波)よりも大きいとき、「インバータ23の、その変調波信号に対応する相(対応相)の上アーム」のスイッチング素子がオン状態に維持される。このとき、対応相の下アームのスイッチング素子はオフ状態に維持される。一方、変調波信号がキャリア信号(三角波)よりも小さいとき、対応相の上アームのスイッチング素子はオフ状態に維持され、対応相の下アームのスイッチング素子はオン状態に維持される。
変調波信号が負側に振れる次の半周期の期間において、変調波信号の絶対値がキャリア信号の絶対値よりも大きいとき、対応相の下アームのスイッチング素子がオン状態に維持され、対応相の上アームのスイッチング素子がオフ状態に維持される。一方、変調波信号の絶対値がキャリア信号の絶対値よりも小さいとき、対応相の下アームのスイッチング素子がオフ状態に維持され、対応相の上アームのスイッチング素子がオン状態に維持される。従って、PWM制御によって、図2[B]に表されるパルス波形Q1が得られる。
過変調PWM制御においても、図2[A]の曲線M2より表される変調波信号(三次高調波を含む正弦波)と、同図の折れ線C1により表されるキャリア信号(三角波)と、が用いられ、それらの比較結果に基づいてインバータ23の各スイッチング素子のオン・オフ状態(スイッチング信号)が決定される。従って、過変調PWM制御によって、図2[C]に表されるパルス波形Q2が得られる。
ただし、過変調PWM制御においては、変調波信号の振幅(本例では、振幅a2)はキャリア信号の振幅(本例では、振幅ac)より大きい(即ち、a2>ac)。即ち、過変調PWM制御において、変調率Mは、「1」より大きくなっている(即ち、変調率M>1)。
変調率Mが「1」近傍、或いは、「1」より大きい場合、変調波信号のピーク近傍にてキャリア信号との大小関係が入れ替わるときに、スイッチング素子のオン状態とオフ状態との変化が短時間の間に繰り返される現象(細パルス)が発生し得る。具体的には図2[C]に表される「パルス波形Q2に含まれるパルスwp1及びパルスwp2」が細パルスに該当する。
一方、矩形波制御において、変調波信号の半周期と同じ期間、対応相の上アームのスイッチング素子がオン状態に維持され、対応相の下アームのスイッチング素子がオフ状態に維持される。そして、次の変調波信号の半周期と同じ期間、対応相の下アームのスイッチング素子がオン状態に維持され、対応相の上アームのスイッチング素子がオフ状態に維持される。従って、矩形波制御によって、図2[D]に表される矩形波形Q3が得られる。
なお、図2[A]乃至[D]に表された波形は、例えば、電動機24のU相に対する波形であり、V相に対する波形は同図に表された変調波信号の位相を120度遅らせることにより生成され、W相に対する波形は同図に表された変調波信号の位相を240度遅らせることにより生成される。
インバータ23において、PWM制御(過変調PWM制御を含む)及び矩形波制御によって生成された、U相、V相及びW相のそれぞれの波形(電圧)は、インバータ23から電動機24の各相の界磁巻線に印加される。
PWM制御(過変調PWM制御を含む)によって生成されたパルス波形(電圧)が各界磁巻線に印加されるとき、各界磁巻線が有するインダクタンスによって入力波形が平滑化され、元の変調波信号に近似した波形となる。更に、変調波信号が正側に振れる半周期の期間において、対応相の上アームのスイッチング素子がオン状態となる時間は、変調率Mが大きくなるほど長くなる。同様に、変調波信号が負側に振れる半周期の期間において、対応相の下アームのスイッチング素子がオン状態となる時間は、変調率Mが大きくなるほど長くなる。その結果、変調率Mが高いほど印加電圧が高くなる。
従って、変調率Mが高くなるほど電動機24の出力が増加する。例えば、電動機24が過変調PWM制御(即ち、変調率M>1)によって制御されるとき、PWM制御(即ち、変調率M≦1)によって制御されるときよりも出力が増加する。
矩形波制御におけるスイッチング素子のオン時間は、過変調PWM制御におけるスイッチング素子のオン時間よりも長くなるため、電動機24の出力が更に増加する。その反面、矩形波制御においては、電動機24に付与されるパルスの数が減少するため、パルス幅の調整によって電動機24のコイルに流れる電流を精密に調整することが困難となる。
図3の曲線Uは、電動機24が備えるU相の界磁巻線に印加される電圧Vuを、曲線Vは、V相の界磁巻線に印加される電圧Vvを、それぞれ表している。電圧Vuは下式(1)によって表される波形に近似している。
Figure 0006123731
同様に、電圧Vvは下式(2)によって表される波形に近似している。
Figure 0006123731
曲線UVは、U相の界磁巻線とV相の界磁巻線との間の線間電圧Vuv(即ち、Vuv=Vu−Vv)を表している。図3から理解されるように、線間電圧Vuvの最大値m2は、電圧Vu及び電圧Vvの最大値m1よりも高くなっている(即ち、m1<m2)。
曲線Uに現れる突端電圧suは、図2[C]に表されたパルスwp1に伴うU相の界磁巻線の急激な電圧変動によって発生したサージ電圧を表している。このサージ電圧の結果、曲線UVには突端電圧suvが現れている。
サージ電圧が発生しなければ、線間電圧Vuvの最大値はm2であるのに対し、サージ電圧が発生した結果、線間電圧Vuvの最大値はm3に増加している(即ち、m2<m3)。絶縁皮膜の耐電圧dsが最大値m2よりも高くても、耐電圧dsが最大値m3よりも低ければ(即ち、m2<ds<m3)、絶縁被膜の絶縁破壊が発生する可能性が高くなる。
なお、図3にて表された突端電圧su及び突端電圧suvの他にもサージ電圧が発生し得る場所は存在するが、図3においては、その図示が省略されている。加えて、「V相の界磁巻線とW相の界磁巻線との間の線間電圧Vvwの最大値」が耐電圧dsよりも大きいとき、絶縁破壊が発生する可能性が高くなる。同様に、「W相の界磁巻線とU相の界磁巻線との間の線間電圧Vwuの最大値」が耐電圧dsよりも大きいとき、絶縁破壊が発生する可能性が高くなる。
<作動の概要>
次に、ECU30の作動の概要について説明する。ECU30は、図4に表される「電動機24の動作点(回転速度NmとトルクTrとの組合せ)と高圧側電圧VHとの関係」をROM32にルックアップテーブルの形式にて記憶している。ECU30は、このテーブルに、目標トルクTr*をトルクTrとして適用するとともに現在の回転速度Nmを適用することによって、高圧側電圧VHの目標値である目標電圧VH*を決定する。
図4には、高圧側電圧VHの例としてVH1乃至VH4が表されている。VH1乃至VH4の関係は、VH1<VH2<VH3<VH4となっている。図4から理解されるように、回転速度Nmが大きくなるほど目標電圧VH*が高い値に設定され、トルクTrが大きくなるほど目標電圧VH*が高い値に設定される。
次いで、ECU30は、図4に表され且つROM32にルックアップテーブルの形式にて記憶された「電動機24の動作点と、制御モード(PWM制御、過変調PWM制御及び矩形波制御の何れか)及び変調率Mと、の関係」を参照することによって電動機24の制御モードを決定する。より具体的に述べると、電動機24の目標動作点(現在の回転速度Nmと目標トルクTr*との組合せ)が図4の領域Rpに含まれるとき、ECU30は電動機24をPWM制御によって制御する。同様に、目標動作点が領域Roに含まれるときECU30は電動機24を過変調PWM制御によって制御し、目標動作点が領域Rrに含まれるときECU30は電動機24を矩形波制御によって制御する。
制御モードがPWM制御又は過変調PWM制御である場合、ECU30は変調率Mの目標値である目標変調率M*を、上記テーブルを参照することによって決定する。図4には、変調率Mの例として直線L1(M=1となる動作点の集合)及び直線L2(M=Mcとなる動作点の集合)が表されている(但し、1<Mc)。このテーブルによれば、回転速度Nmが大きくなるほど目標変調率M*が高い値に設定され、トルクTrが大きくなるほど目標変調率M*が高い値に設定される。変調率Mcは、制御モードが過変調PWM制御である場合の変調率Mの最大値である。
<絶縁保護処理の概要>
次に、ECU30のCPU31(以下、単に「CPU」とも称呼される。)が実行する絶縁保護処理について説明する。
耐電圧dsは、気圧Prが低下するほど低下し、温度Tmが上昇するほど低下する。気圧Pr及び温度Tmのように耐電圧dsに影響を及ぼすパラメータは「耐電圧パラメータ」とも称呼される。
耐電圧dsが低下する場合であって電動機24がPWM制御(過変調PWM制御を含む)によって制御されるとき、CPUは絶縁保護処理を実行する。より具体的に述べると、
CPUは「高圧側電圧VHの最大値である最大電圧VHmax」及び「変調率Mの最大値である最大変調率Mmax」の値をそれぞれ低下させる。その結果、トルクTrが低下する一方で、細パルスの発生が抑制され、以て、高電圧のサージ電圧が発生することが回避される。絶縁保護処理が実行されていないとき、最大電圧VHmaxは、電圧VH4と等しい値に設定され、最大変調率Mmaxは変調率Mcと等しい値に設定されている。
一方、電動機24が矩形波制御によって制御されるとき、細パルスが発生しないので、CPUは絶縁保護処理を実行しない。
<絶縁保護処理の具体的作動>
CPUは、所定の時間が経過する毎に図5にフローチャートにより示した「絶縁保護処理ルーチン」を実行する。以下、CPUの作動について場合分けをして説明する。
(A)耐電圧の低下が顕著に発生していないため、絶縁保護処理が実行されないとき。
(A−1)温度TmがT1より低く(即ち、温度Tm<T1)、気圧PrがP3であり(即ち、気圧Pr=P3)、電動機24の目標動作点が図4の点ca(即ち、対応する高圧側電圧VHはVaであり且つ対応する変調率MはMa)であると仮定する。但し、変調率Maは「1」より大きい(即ち、1<Ma<Mc)。
適当なタイミングになると、CPUは図5のステップ500から処理を開始してステップ505に進み、アクセル開度Ap及び車速Vs等に基づいて電動機24の目標トルクTr*を決定する。
次いで、CPUはステップ510に進み、回転速度Nm及び目標トルクTr*に基づき、上述した図4に表された関係(テーブル)を参照することによって目標電圧VH*及び制御モードを決定する。加えて、制御モードがPWM制御(過変調PWM制御を含む)である場合、CPUは上述した図4に表された関係(テーブル)を参照することによって変調率Mの目標値である目標変調率M*を決定する。
前述の仮定によれば、電動機24の目標動作点が図4の点caであるので、CPUは目標電圧VH*を電圧Vaに設定し、更に、制御モードを過変調PWM制御に設定し、目標変調率M*を変調率Maに設定する。
次いで、CPUはステップ515に進み、制御モードがPWM制御(過変調PWM制御を含む)であるか否かを判定する。
前述の仮定によれば、制御モードは過変調PWM制御であるので、CPUはステップ515にて「Yes」と判定してステップ520に進み、最大変調率Mmaxを決定する。
より具体的に述べると、ECU30は、図6[A]に表されるような「温度Tmごとの気圧Prと最大変調率Mmaxとの関係」をROM32にルックアップテーブルの形式にて記憶している。CPUは、このテーブルに基づいて最大変調率Mmaxを決定する。図6において、温度Tmは、T1<T2<T3<T4の関係になっている。また、気圧Prは、P1<P2<P3の関係になっている。気圧P3は1気圧に相当する気圧である。図6[A]から理解されるように、温度Tmが高くなるほど最大変調率Mmaxは低い値に設定され、気圧Prが低くなるほど最大変調率Mmaxは低い値に設定される。
温度T1は、気圧Prが気圧P2よりも高いとき、絶縁保護処理を実行する必要の無い温度Tmの範囲における最小値であり、温度T4は車両10が運行可能な状態における温度Tmの最大値である。気圧P2は、温度Tmが温度T1よりも低いとき、絶縁保護処理を実行する必要の無い気圧Prの範囲における最小値であり、気圧P1は、車両10が運行可能な状態における気圧Prの最小値である。
前述の仮定では温度TmがT1より低く且つ気圧PrがP3に等しいので、図6[A]に表された関係によれば、この場合に該当する最大変調率MmaxはMcである。従って、CPUは最大変調率MmaxをMcに等しい値に設定する。
次いで、CPUはステップ525に進んで最大電圧VHmaxを決定する。より具体的に述べると、CPUは図6[B]に表され且つROM32にルックアップテーブルの形式にて記憶された「温度Tmごとの気圧Prと最大電圧VHmaxとの関係」に基づいて最大電圧VHmaxを決定する。図6[B]から理解されるように、温度Tmが高くなるほど最大電圧VHmaxは低い値に設定され、気圧Prが低くなるほど最大電圧VHmaxは低い値に設定される。
図6[B]に表された関係(テーブル)によれば、前述の仮定(即ち、温度Tm<T1且つ気圧Pr=P3)に該当する最大電圧VHmaxはVH4である。従って、CPUは最大電圧VHmaxをVH4に等しい値に設定する。
次いで、CPUはステップ530に進んで目標変調率M*が最大変調率Mmaxよりも大きく且つ目標電圧VH*が最大電圧VHmaxよりも大きいか否かを判定する。前述の仮定によれば、目標変調率M*はMaであり且つ最大変調率MmaxはMcである。更に、Ma<Mcである。そのため、目標変調率M*は最大変調率Mmaxよりも小さい。加えて、前述の仮定によれば、目標電圧VH*はVaであり且つ最大電圧VHmaxはVH4である。更に、Va<VH4である。そのため、目標電圧VH*は最大電圧VHmaxよりも小さい。
従って、CPUはステップ530にて「No」と判定してステップ550に進み、変調率Mを目標変調率M*に等しい値に設定する。即ち、この場合、CPUは変調率MをMaに等しい値に設定する。
次いで、CPUはステップ555に進み、高圧側電圧VHを目標電圧VH*に等しい値に設定する。即ち、この場合、CPUは高圧側電圧VHを電圧Vaに等しい値に設定する。
次いで、CPUはステップ545に進んで昇圧コンバータ22の高圧側電圧VHが設定された値(この場合、電圧Va)となるように昇圧コンバータ22を制御し、インバータ23の制御モードが設定された制御モード(この場合、過変調PWM制御)であって、変調率Mが設定された値(この場合、変調率Ma)となるようにインバータ23を制御する。次いで、CPUはステップ595に進んで本ルーチンを一旦終了する。即ち、この場合、絶縁保護処理は実行されず、電動機24は過変調PWM制御によって制御され且つ目標トルクTr*に等しいトルクを発生させる。
(A−2)次に、温度TmがT1より低く、気圧PrがP3であり、電動機24の目標動作点が図4の点cb(即ち、対応する高圧側電圧VHはVaであり且つ対応する制御モードは矩形波制御)であると仮定する。
この場合、CPUはステップ515にて「No」と判定してステップ555に直接進む。即ち、この場合、絶縁保護処理は実行されず、電動機24は矩形波制御によって制御され且つ目標トルクTr*に等しいトルクを発生させる。
(B)電動機がPWM制御によって制御され且つ絶縁保護処理が実行されるとき。
次に、温度TmがT4であり(即ち、Tm=T4)、気圧PrがP1であり(即ち、Pr=P1)、電動機24の目標動作点が図4の点caであると仮定する。この場合、ステップ510にて決定される目標電圧VH*はVaであり、制御モードは過変調PWM制御であり且つ目標変調率M*はMaである。更に、ステップ520にて決定される最大電圧VHmaxはVH3であり、ステップ525にて決定される最大変調率Mmaxは「1」である。
更に、目標変調率M*はMaであり且つ最大変調率Mmaxは「1」であり、更に、Ma>1である。従って、目標変調率M*は最大変調率Mmaxよりも大きい。加えて、目標電圧VH*はVaであり且つ最大電圧VHmaxはVH3であり、更に、Va>VH3である。従って、目標電圧VH*は最大電圧VHmaxよりも大きい。そのため、CPUはステップ530にて「Yes」と判定してステップ535に進んで変調率MをMmaxに等しい値に設定する。即ち、この場合、CPUは変調率Mを「1」に設定する。
次いで、CPUはステップ540に進んで高圧側電圧VHを最大電圧VHmaxに等しい値に設定する。即ち、この場合、CPUは高圧側電圧VHをVH3に設定する。
従って、この場合、絶縁保護処理が実行され、その結果、電動機24は過変調PWM制御によって制御され且つ目標トルクTr*よりも小さいトルクを発生させる。
より一般化して述べると、上述の仮定(即ち、Tm=T4且つPr=P1である場合)の下において、電動機24の目標動作点が図7に表された領域R1に含まれるとき、即ち、目標変調率M*が「1」より高く且つ目標電圧VH*がVH3より高いとき、絶縁保護処理が実行される。この場合、高圧側電圧VHが最大電圧VHmax(本例では、電圧VH3)に抑えられ、更に、変調率Mが最大変調率Mmax(本例では、「1」)に抑えられる。その結果、細パルスの発生が抑制されるので、高電圧のサージ電圧の発生が回避される。
(C)絶縁保護処理が実行されるべき状況であるが電動機が矩形波制御によって制御されるとき。
次に、温度TmがT4であり、気圧PrがP1であり、電動機24の目標動作点が図4の点cbであると仮定する。この場合、ステップ510にて決定される目標電圧VH*はVaであり、制御モードは矩形波制御である。
この仮定によれば、CPUは、制御モードが矩形波制御であるから、ステップ515にて「No」と判定してステップ555に直接進む。従って、CPUは高圧側電圧VHを目標電圧VH*に等しい値に設定する。即ち、この場合、制御モードがPWM制御(過変調PWM制御を含む)であれば絶縁保護処理が実行されるべき状況であるが、電動機24は矩形波制御によって制御され且つ目標トルクTr*と等しいトルクを発生させることができる。
より一般化して述べると、上述の仮定(即ち、Tm=T4且つPr=P1である場合)の下において、電動機24の目標動作点が図7に表された領域R2に含まれるとき、即ち、電動機24が矩形波制御によって制御され且つ目標電圧VH*がVH3より高いとき、絶縁保護処理が実行されない。従って、電動機24は目標トルクTr*と等しいトルクを発生させることができる。
(D)絶縁保護処理のバリエーション
温度Tmが図6に表されるT3であり且つ気圧PrがP3であるとき、対応する最大変調率MmaxはMbであり且つ対応する最大電圧VHmaxはVbである。
この場合、絶縁保護処理によって最大変調率Mmax及び最大電圧VHmaxが制限される運転領域(電動機24の動作点の集合)は、図8の領域R3によって表される。領域R3は、図7に表された領域R1よりも狭い。換言すれば、温度Tm及び気圧Prに応じて、即ち、耐電圧dsの低下の程度に応じて、「最大変調率Mmax及び最大電圧VHmaxが制限される運転領域の大きさ」が変化する。
本実施形態を総括すると、ECU30は、PWM制御が実行されるとき、「目標電圧VH*及び目標変調率M*の組み合わせによって定まる電動機24の線間電圧(サージ電圧を含む)の最大値に応じた値」が「耐電圧パラメータ(本例では、温度Tm及び気圧Pr)によって定まる耐電圧に応じた値」を超えるという絶縁破壊発生条件が成立するか否かを判定している。絶縁破壊発生条件が成立していれば、ECU30は、目標電圧VH*及び/又は目標変調率M*をより小さい値に変更し、絶縁破壊発生条件が成立しないようにしている。
以上説明したように、本制御装置(ECU30)は、
絶縁皮膜が施された界磁巻線を備える電動機(24)と、
直流電力を出力する電力供給装置(蓄電池21及び昇圧コンバータ22)と、
PWM制御及び矩形波制御のいずれかの制御モードを選択的に実行することによって前記直流電力を交流電力に変換し、その交流電力を前記電動機に出力するインバータ(23)と、
を備える車両(10)に適用され、
前記電動機に要求トルク(目標トルクTr*)を発生させるため、前記直流電力の目標電圧(VH*)と前記インバータの制御モードと同制御モードがPWM制御である場合の目標変調率(M*)とを決定し、前記決定された目標電圧の直流電力を出力するように前記電力供給装置を制御し且つ前記決定された制御モード及び目標変調率にて交流電力を出力するように前記インバータを制御する(図5のステップ545)制御部を備え、
前記制御部は、
前記制御モードがPWM制御であるとき、前記絶縁皮膜の耐電圧に影響を及ぼす耐電圧パラメータにより示される同耐電圧が低下するほど電圧閾値及び/又は変調率閾値を低く設定し(図5のステップ520及びステップ525並びに図6[A]及び[B])、前記目標電圧が前記電圧閾値よりも高く且つ前記目標変調率が前記変調率閾値よりも高いという特定条件が成立するか否かを判定し(図5のステップ530)、同特定条件が成立していれば、同目標電圧を同電圧閾値以下に変更する処理(図5のステップ540)及び/又は同目標変調率を同変調率閾値以下に変更する処理(図5のステップ535)を実行するように構成されている。
本制御装置によれば、電動機24の界磁巻線に絶縁破壊が発生する虞のあるとき、絶縁保護処理が実行されることによって細パルスの発生が抑制される。その結果、高電圧のサージ電圧発生を防ぐことが可能となり、以て、界磁巻線に耐電圧を越える電圧が印加されることが回避される。即ち、本制御装置によって絶縁破壊の発生を防ぐことが可能となる。加えて、電動機24が矩形波制御によって制御されるとき、目標トルクTr*に等しいトルクを発生させることができる。
以上、本発明に係る蓄電池の充電制御装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、本発明は、車両駆動のために電動機のみを備える電気自動車はもとより、駆動用に内燃機関と電動機との両方を備えるハイブリッド車両にも及ぶ。
加えて、本実施形態に係るECU30は、温度Tmの上昇及び気圧Prの低下に伴って、徐々に最大変調率Mmax及び最大電圧VHmaxを低下させていた。しかし、ECU30は、温度Tmが所定の閾値を越えたとき、最大変調率Mmax及び/又は最大電圧Vmaxを急激に低下させても良い。或いは、ECU30は気圧Prが所定の閾値を下回ったとき、最大変調率Mmax及び/又は最大電圧Vmaxを急激に低下させても良い。
加えて、本実施形態に係るECU30は、絶縁保護処理を実行するとき、最大変調率Mmax及び最大電圧VHmaxを制限していた。しかし、ECU30は、絶縁保護処理を実行するとき、最大変調率Mmaxのみを制限しても良い。或いは、ECU30は、絶縁保護処理を実行するとき、最大電圧VHmaxのみを制限しても良い。
加えて、本実施形態に係るECU30は、温度Tmが上昇したとき及び/又は気圧Prが低下したときに絶縁保護処理を実行していた。しかし、ECU30は、温度Tmが上昇したときのみ絶縁保護処理を実行しても良い。或いは、ECU30は、気圧Prが低下したときのみ絶縁保護処理を実行しても良い。
10…車両、21…蓄電池、22…昇圧コンバータ、23…インバータ、24…電動機、30…ECU。

Claims (1)

  1. 絶縁皮膜が施された界磁巻線を備える電動機と、
    直流電力を出力する電力供給装置と、
    PWM制御及び矩形波制御のいずれかの制御モードを選択的に実行することによって前記直流電力を交流電力に変換し、その交流電力を前記電動機に出力するインバータと、
    を備える車両に適用され、
    前記電動機に要求トルクを発生させるため、前記直流電力の目標電圧と前記インバータの制御モードと同制御モードがPWM制御である場合の目標変調率とを決定し、前記決定された目標電圧の直流電力を出力するように前記電力供給装置を制御し且つ前記決定された制御モード及び目標変調率にて交流電力を出力するように前記インバータを制御する制御部を備える、
    電動機の制御装置において、
    前記制御部は、
    前記制御モードがPWM制御であるとき、前記絶縁皮膜の耐電圧に影響を及ぼす耐電圧パラメータにより示される同耐電圧が低下するほど電圧閾値及び/又は変調率閾値を低く設定し、前記目標電圧が前記電圧閾値よりも高く且つ前記目標変調率が前記変調率閾値よりも高いという特定条件が成立するか否かを判定し、同特定条件が成立していれば、同目標電圧を同電圧閾値以下に変更する処理及び/又は同目標変調率を同変調率閾値以下に変更する処理を実行するように構成された
    電動機の制御装置。
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