JP6122333B2 - 洗浄剤組成物及び該組成物を含有する洗浄剤並びにそれらを用いた洗浄方法 - Google Patents

洗浄剤組成物及び該組成物を含有する洗浄剤並びにそれらを用いた洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、タール状物質を含む各種スケール及び医療用器具の洗浄剤組成物及びその組成物を含有する洗浄剤並びにそれらを用いた洗浄方法に関し、さらに詳しくは重油を含む化学品貯曹タンク、熱交換器、機械部品、車両部品、ボイラ等の油分接触面及び水乃至は冷媒接触面に付着するタール状物質を含む各種スケールさらには電子材料、加工金属部品、プラスチック部品、液晶パネル部材、光学ガラスレンズ、ハードデスクの表面に生じる各種のスケール乃至は使用済み医療器具に付着するタンパク質、脂肪、血液、油、無機物、錆び等を除去するための洗浄剤組成物及びその組成物を含有する洗浄剤並びにそれらを用いた洗浄方法に関するものである。
各種化学プラント、熱交換器、加熱機器付近の反応容器、配管など常時、化学品原料、反応物、冷却水、冷媒に接触する金属材表面乃至はガラス表面に粘質乃至は硬質のスケールが析出して表面に付着して運転に支障を来たすために定期的に運転を止めてこれらのスケールを適時洗浄除去する必要がある。水系の場合は多くの場合、水中に含まれる、カルシウム、マグネシウム,アルミニウム、鉄、シリカが水に難溶の酸化物、水酸化物、塩類となって表面に固着するものである。
従来これらの洗浄剤として、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸等の酸性物質が使用されるが特に金属表面を腐食や劣化さらには洗浄力の不足と、廃水における酸処理の問題を抱えている。金属表面の腐食と劣化は装置にとって深刻である。又、油系、特に重油分に関わる貯層、熱交換器、化学反応、その他燃焼系に関連する、タール性の粘凋性スケールはより深刻で強酸では対処が出来ず、各種の強アルカリ乃至は極性溶剤が使用される。さらには近年の液晶パネル部材における重要なラビング工程に使用するラビング布(コットン、レーヨン)の毛羽立たせた繊維糸の洗浄が、毛羽布のロール回転により配向膜上に微細な溝を付けることが液晶画面の性能を左右することから、毛羽布に付着する埃、油、樹脂をミクロン単位で取り除くための優れた洗浄剤の開発が待たれていた。
一方、従来の機械部品、電子部品、プラスチック部品を始めとする工業用洗浄剤はフッ素系、塩素系、臭素系有機溶剤及び過酸化水素に代表される過酸化物がその溶解性と取り扱いの容易さから多方面で使用されている。
しかしながら近年、印刷業の洗浄工程での作業員の胆管ガンの発生が多発し、マスコミで度々報道されるようになった。例えば、2012年10月25日の日本経済新聞記事は1,2ジクロロプロパン及びジクロロメタンの胆管ガンの関連が指摘されており、これを扱う業種が下記に及ぶことが記載されている。
(1,2ジクロロプロパン)
化学工業、繊維工業、一般機械器具製造業、鉄鋼業
(ジクロロメタン)
プラスチック製品製造業、金属製品製造業、木材・木製品製造業、医薬品製造業、電気機械器具製造業、ゴム製品製造業、窯業・土石製品製造業
実に多岐にわたる。印刷業は氷山の一角と言わざるを得ない。一方、近年の環境問題は過酸化物系及びフッ素系、臭素系有機洗浄剤を含めて予断を許さず、安全な洗浄剤の開発は急務である。
現在、環境破壊を伴わない溶剤系洗浄剤としてメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系及び油脂系、イオン系界面活性剤が使用されているが洗浄性に限界がある。
更に医療用器具類の洗浄が院内感染の予防のために現場による個別の一次洗浄から中央一括による集中洗浄→消毒・滅菌方式へと移行しており、従って本発明は従来のタンパク質、油、血液、錆び等の洗浄剤に使用されるアルカリ性/酸性/中性洗剤乃至は酵素系洗剤に代わる洗浄力の強い洗浄剤を提供するものである。
そこで織物仕上げ処理剤及び洗浄剤として、2−ヒドロキシプロピル−2−ヒドロキシヘキシルーβCDのような混成エーテルのCD誘導体水溶液の提案がなされている(例えば特許文献1参照。)。また自動食器洗浄器用にメチル化変性CD,HP変性CDとカチオン化グアーガム及びアルキルエーテル硫酸ナトリウムの水溶液の洗浄液の提案がなされている(例えば特許文献2参照。)。また非イオン界面活性剤と天然型CDと2%NaOH水溶液及の湯洗によるCIP洗浄液による食品製造設備の洗浄用に提案されている(例えば特許文献3参照。)。またエーテルカルボン酸、非イオン界面活性剤、水等に各種CDを加えたCIP洗浄液を食品製造設備の洗浄用に提案されている(例えば特許文献4参照。)。また水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液にβCD乃至はHPβCDを加えたプラスチックレンズ用洗浄剤の提案がなされている(例えば特許文献5参照。)。またアミノ酸型キレート剤、グルコン酸、アルカリビルダー及び陰イオン性界面活性剤の組み合わせによる鋼板の表面清浄剤組成物の提案がなされている(例えば特許文献6参照。)。またフロン代替洗浄剤として炭化水素系溶剤と金属イオンを配位し得る有機化合物の組み合わせによる電子・機械部品、光学・ガラス部品の洗浄剤の提案がなされている(例えば特許文献7参照。)。
特開平8−59703号公報 特開2005−68327号公報 特開2005−314582号公報 特開2007−77290号公報 特開2007−33673号公報 特開平11−158492号公報 特開平10−251690号公報
しかしながら、強力な無機・有機物への広範な洗浄性を有するDMSOと様々な化学物質への分散と流動性を促進し洗浄効果を促進するシクロデキストリンはどちらも生分解性を有し環境に最もやさしい物質であることは一般的に認識されていない。すなわちDMSOは米国、カナダ等では腎臓病及び膀胱炎治療薬として20%水溶液が溜飲されており、非プロトン性極性溶剤として様々な可能性を有し、その回収方法及び希釈廃液処理は高度化しており、生分解性に優れた、地球環境に配慮された安全な物質である。DMSOとシクロデキストリン(CD)が融合したことにより、飛躍的な洗浄力と消臭機能が発現することを見出し本発明となった。
そこで本発明の目的は上記の従来問題点を解決し、人体により安全で環境に配慮され、しかも効果的な汎用の洗浄剤組成物及び該組成物を含有する洗浄剤並びにそれらを用いた洗浄方法を提供することにある。
本発明における洗浄剤組成物は、(A)ジメチルスルホキシド(DMSO)、(B)シクロデキストリンを含有する物質からなることを特徴とする。
前記洗浄組成物は、更に(C)キレート剤、(D)グリコール及びアルコール類、(E)可溶化剤、(F)水、(G)無機アルカリ及び/又は有機アミン、(H)無機酸及び/又は有機酸を少なくとも1種類以上含有する物質からなることを特徴とする。
前記洗浄組成物における前記(B)シクロデキストリンが、αシクロデキストリン、βシクロデキストリン、γシクロデキストリン、化学修飾型シクロデキストリン、分岐型シクロデキストリンからなる少なくとも1種であることを特徴とする。
前記洗浄組成物における前記(C)キレートが、エチレンジアミンテトラ酢酸塩(EDTA)、グリコール酸、クエン酸、生分解性キレート剤からなる少なくとも1種であることを特徴とする。
前記洗浄組成物における前記(D)グリコール及びアルコール類が、1,2エタンジオール、1,2プロパンジオール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,4ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、アルコール、メタノール、エタノール、イソプロパノールからなる少なくとも1種であることを特徴とする。
前記洗浄組成物における前記(E)可溶化剤が、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、Nメチルピロリドン(NMP)、スルホランの非プロトン性極性溶剤からなる少なくとも1種であることを特徴とする。
前記洗浄組成物における前記(G)無機アルカリ及び/又は有機アミンが、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリ、炭酸水素カリウム、炭酸カリの無機アルカリ及びトリエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミンからなる少なくとも1種であることを特徴とする。
前記洗浄組成物における前記(H)無機酸及び/又は有機酸が、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、グリコール酸(ヒドロキシ酢酸)からなる少なくとも1種であることを特徴とする。
前記洗浄組成物における前記(A)ジメチルスルホキシドの不純物に由来する臭気物質及び洗浄される物品のスケール(工業用、医療用含む)に由来するか生成する臭気物質を除去する目的で前記(B)シクロデキストリン類を含有することを特徴とする。
前記洗浄組成物における洗浄される物品が、一般機械部品、精密機械部品、車両機械部品、エンジン部品、熱交換器及び配管類、化学品貯蔵タンク、電子部品、電気部品、液晶パネル部材、光学ガラス部品及び部材、プラスチック部品及び部材であることを特徴とする。
前記洗浄組成物における洗浄される物品が、人及びペット乃至実験動物由来のタンパク質、脂肪、血液、油、無機物、錆びを含む物質が付着した使用済み医薬器具であることを特徴とする。
本発明における洗浄剤は、前記洗浄剤組成物を含有することを特徴とする。
前記洗浄組成物又は前記洗浄剤は、クリーニング用途、輸出用自動車のフィルム剥離用途、又は切削油洗浄用途に使用される。
本発明における洗浄方法は、前記洗浄剤組成物若しくは前記洗浄剤を含有する水溶液又は当該洗浄剤に、前記洗浄される物品を浸漬して洗浄することを特徴とする。
本発明における洗浄方法は、前記洗浄剤組成物若しくは前記洗浄剤を含有する水溶液又は当該洗浄剤を、前記洗浄される物品に高圧洗浄機で噴射して洗浄することを特徴とする。
本発明における洗浄方法は、前記洗浄方法における工程の前又は後に、前記洗浄剤組成物若しくは前記洗浄剤を含有する水溶液又は当該洗浄剤を、前記洗浄される物品に循環して洗浄することを特徴とする。
本発明によれば、(A)ジメチルスルホキシド(DMSO)、(B)シクロデキストリン(CD)を含有する洗浄剤組成物を使用する事により、優れた洗浄性、スケール除去及びスケール防止性、脱臭性を持ち、頑固な有機性、無機性固着をDMSOとCDの相乗効果により強力な洗浄効果を有することを特徴とし、更に種々の機器及び金属、ガラス、プラスチック材質表面及びそれに付着乃至は固着する内容物の成分等の状況に応じて、(C)キレート剤、(D)グリコール及びアルコール類(E)可溶化剤及び(F)水、(G)無機アルカリ/又は有機アミン、さらに(H)無機酸/又は有機酸を1種類以上配合して、優れた洗浄効果を発揮することを特徴とする。
なおシクロデキストリンを混合する事により、凝固点降下作用があり、他の毒性がある有機化合物より安全に使用できる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、各種無機塩類及び/又は有機タール物質を含む各種スケール及び使用済み医療器具に付着する人に由来するタンパク質、脂肪分、血液、油、錆びの溶解性に優れた非プロトン性極性溶剤で、安全な溶剤として膀胱炎の治療用に使用されている、(A)ジメチルスルホキシド(DMSO)に、相乗的な洗浄効果とスケール分散性及び再付着防止に有効な(B)シクロデキストリンを組み合わせることにより、飛躍的な洗浄効果を有する洗浄剤組成物及び該組成物を含有する洗浄剤並びにそれらを用いた洗浄方法を本発明の第一の要旨とする。
特に上記(B)成分のシクロデキストリンがαシクロデキストリン、βシクロデキストリン、γシクロデキストリン、分岐型αシクロデキストリン、分岐型βシクロデキストリン、分岐型γシクロデキストリン、化学修飾型シクロデキストリンのうちメチル化αシクロデキストリン、メチル化βシクロデキストリン、メチル化γシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルαシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルγシクロデキストリン、アセチル化αシクロデキストリン、アセチル化βシクロデキストリン、アセチル化γシクロデキストリン、から選ばれた1種以上の成分を有する洗浄剤組成物及び該組成物を含有する洗浄剤並びにそれらを用いた洗浄方法を第二の要旨とする。
そして、上記(C)成分のキレート剤が、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA),ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、ヒドロキシエタンスホスホン酸、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸四ナトリウム、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、オキシカルボン酸類、L−アスパラギン酸−N,N−2酢酸等があげられ、好ましくはEDTA,クエン酸、グルコン酸、酒石酸、3−ヒドロキシ−2,2‘−イミノジコハク酸四ナトリウムから選ばれた1種以上の成分を有する洗浄剤組成物及び該組成物を含有する洗浄剤並びにそれらを用いた洗浄方法を第三の要旨とする。
また、上記の洗浄液組成物と、(D)グリコール及びアルコール類、(E)可溶化剤及び(F)水をから選ばれた1種以上の成分を有する洗浄剤組成物及び該組成物を含有する洗浄剤並びにそれらを用いた洗浄方法を第四の要旨とする。
さらにまた、(G)無機アルカリ及び/又は有機アミン、さらに(H)無機酸及び/又は有機酸から選ばれた1種以上の成分を有する洗浄剤組成物及び該組成物を含有する洗浄剤並びにそれらを用いた洗浄方法を第五の要旨とする。
すなわち本発明は、(A)DMSO及び(B)シクロデキストリンを基軸とすることを特徴とする。即ち様々なタール物質を乃至はスケールが付着する各種化学プラント、熱交換器、加熱機器付近の反応容器、配管乃至タンク、熱交換器、機械部品、車両部品、ボイラ及び電子材料、加工金属部品、プラスチック部品、光学ガラスレンズ、ハードデスクの表面に生じる各種のスケール及び使用済み医療器具に付着するタンパク質、脂肪、血液、油、無機物、錆び等の除去に対応するために、(D)グリコール及びアルコール類、(E)可溶化剤及び(F)水、(G)無機アルカリ/又は有機アミン、さらに(H)無機酸/又は有機酸を、それぞれの状況に応じて1種類以上配合することで各種製造設備、機械部品乃至は医療用器具等における洗浄工程を集中的に短時間で洗浄することを特徴とする洗浄方法を提供するものである。
本発明の特徴である、非プロトン性極性溶剤のジメチルスルホキシド(DMSO)とシクロデキストリン(CD)をベースに各種の器具、部品、配管、装置、釜容器、熱交換機、機械、医療用器具のスケールの成分に応じて(D)、(E)、(F)、(G)、(H)その他を様々に組み合わせて、効率的で強力な洗浄剤を提供できる。これらは本発明の洗浄剤に多様性を与えるものである。当然のことながら本発明における洗浄剤は重油、ダイオキシン、PCB、放射性物質を含む重金属の汚染土壌及び植物を含む様々な汚染物質の洗浄に有効であることは類を待たない。
本発明の洗浄剤におけるCDのDMSOに対する配合量は2〜45重量%好ましくは10〜30重量%である。更にこのものに水を加えて溶解特性を上げるのが最も好ましい。この場合、上記、DMSOとCDの全配合量に対して水の割合は、洗浄液全重量の5〜40重量%が良く、好ましくは15〜25重量%である。水とCDの添加はスケールの分散と溶解を促し、重要なことだが、スケール物質の再付着乃至は凝集を防止することを見出し本発明にいたった。
CDはαシクロデキストリン、βシクロデキストリン、γシクロデキストリン、分岐型αシクロデキストリン、分岐型βシクロデキストリン、分岐型γシクロデキストリン、化学修飾型シクロデキストリンのうちメチル化αシクロデキストリン、メチル化βシクロデキストリン、メチル化γシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルαシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルγシクロデキストリン、アセチル化αシクロデキストリン、アセチル化βシクロデキストリン、アセチル化γシクロデキストリン、から選ばれた1種以上の成分が選ばれる。
最も溶解洗浄が難しい最悪の有機性スケール物質は、石炭を乾留して製造するコークス製造工程から発生するタール/ピッチ成分である。即ちコールター/ピッチ留分を分離するコークス炉上部の熱交換器に付着する粘調物のタール/ピッチ物質はナフタレン、クレゾール、フェノール、フェナントレン等の多環性炭化水素を含む芳香族性物質を多く含有しその洗浄は困難を極める。本発明に至った研究は長年のこの難題を解決することであった。その結果、DMSOとメチル化βCD及び水の組み合わせが好ましく、DMSO単独乃至はDMSO水溶液のみでは洗浄は不完全で且つ時間がかかり、常温洗浄は難しく温度を50℃以上に上げ且つKOH等のアルカリを加える必要があり、その洗浄廃液の処理は困難を極め、DMSOの回収に複雑な工程処理が必要となる。本発明はDMSOとCDを組み合わせることにより、洗浄性とDMSO等の溶剤回収を簡潔にするなどの後処理を簡潔にした。
本発明に使用する各種シクロデキストリンの作用の説明をする。
そもそもシクロデキストリンは澱粉を酵素分解して直鎖に連なるグルコースを輪切りにして環状に連ねたもので、植木鉢の底が抜けた構造をしており、グルコース6個のものをαシクロデキストリン、7個をβシクロデキストリン、8個をγシクロデキストリンと呼び、様々な物質(分子)を鉢の穴の中に出し入れする。(入るのを“包接”と言い、出すのを“除放”と言う)ドナーとアクセプター(シクロデキストリン)の電子論的分子間力のなせる技である。この機能を利用して、金属、ガラス、プラスチック、木材、繊維、石材表面に付着したスケールの分散剥離作用及びスケールの再付着を防止する作用があることを見出したことが本発明に至った。近年、α型シクロデキストリン、γ型シクロデキストリンが市場に安価に供給が開始されたことにより、その機能を生かした用途開発が進んでいる。生分解性があり最も環境に配慮された物質といえる。
本発明における洗浄剤に配合するシクロデキストリンは、αシクロデキストリン(分岐型αシクロデキストリン含む)及びメチル化βシクロデキストリン、分岐型βシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン分岐型αシクロデキストリン、分岐型βシクロデキストリン、分岐型γシクロデキストリン、化学修飾型シクロデキストリンのうちメチル化αシクロデキストリン、メチル化βシクロデキストリン、メチル化γシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルαシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルγシクロデキストリン、アセチル化αシクロデキストリン、アセチル化βシクロデキストリン、アセチル化γシクロデキストリン、及びその混合物である。
上記シクロデキストリンを1種類以上配合しても良いが、好ましくはαシクロデキストリン、βシクロデキストリン及びメチル化βシクロデキストリン、分岐型βシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、分岐型αシクロデキストリン、分岐型βシクロデキストリンであり、これらのシクロデキストリンを1種類以上配合してもよいが洗浄剤全重量に占める割合は既に上述してある。これらのシクロデキストリンは洗浄剤に由来する乃至はスケール除去乃至は溶解の再に発生する臭気物質を除去する効果があり、本発明を特徴できるものである。
そもそもが、DMSOは非プロトン性極性溶剤で、各種の無機塩、有機化合物を溶解する溶剤として様々に利用されている。即ち、ポリアクリロニトリル、トリアセチルセルローズ、エポキシ樹脂ポリビニルピロリドン等の接着性物質に優れた溶解性を持ち、その特質により、電子部品、機械部品、半導体の剥離材として利用されているが、DMSO中に微量含有する不純物のジメチルスルフィド(CH3)S、メチルメルカプタン(CHSH)、硫化水素(HS)は共に悪臭物質であり、DMSO自体が持っている安全性(Oral LD50=17400、Dermal LD50=40000)にも拘らず、一部の電子材料の洗浄剤、エッチング後の残渣処理、有機合成溶剤、IPS細胞の保存液に限られていた。
本発明における第二の特徴は、シクロデキストリンを加えることにより、上記悪臭物質のジメチルスルフィド(CH3)S、メチルメルカプタン(CHSH)、硫化水素(HS)をシクロデキストリンの包接能を利用して脱臭除去できることが判明し本発明を完成した。
本発明における第三の特徴は医療用の器具洗浄の洗浄剤を提供することにある。既に述べたように、DMSOの優れた安全性と溶解性にも拘らず、医療用器具の洗浄剤としての使用が遅れたのはその臭気物質のためである。しかしながら、医療用器具(血液汚染鋼製器具、プラスチック類、金属・ガラス・金属カップ類)の洗浄方法として、浸漬洗浄、ブラッシング洗浄、ジェット式洗浄、超音波洗浄等があり、医療用使用済み汚染器材の一次洗浄の後、殺菌・滅菌工程を得て、検査・組み立てから包装・乾燥工程に進むのであるが、現場での一次洗浄は様々な細菌・ウイルス等の院内感染を誘発することから、厚生労働省は平成17年に、医政指発第0201004号「医療設備における院内感染の防止について」で消毒・滅菌に先立ち、現場での一次洗浄は行わずに中央部門での一括洗浄を通達した。
即ち、本発明は様々な医療器具の中央集中型の一括洗浄に有効であり、DMSOとCDの相乗効果特性から従来型のアルカリ性/酸性/中性/酵素系洗浄剤に変わる効率的で強力な汎用型洗浄剤として、人及びペット動物乃至は実験動物由来のタンパク質、脂肪、血液、油、無機物、錆び等の集中型洗浄に有効であり本発明の第四の特徴である。
本発明における第五の特徴として近年の液晶パネル製造技術の向上に伴い、ガラスにコートされた配向膜に、起毛布をロールで捲きつけた上部起毛で配向膜表面に一定方向の微細な溝を付け、このものが液晶ポリマーの配向性を左右するのであるが、このコットン、モッケット及びレーヨン、ベルベット、ポリアミド繊維のカットされた起毛布の洗浄は液晶画面の性能を左右し、本発明が有効であることが見出された。
本発明におけるキレート剤としてはエチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA),ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、ヒドロキシエタンスホスホン酸、3−ヒドロキシ−2,2‘イミノジコハク酸四ナトリウム、クエン酸、グルコン酸、グリコール酸、酒石酸、オキシカルボン酸類、L−アスパラギン酸−N,N−2酢酸等があげられ、好ましくはEDTA,クエン酸、グルコン酸、酒石酸である。本発明では、洗浄剤にこれらを洗浄剤全重量の2〜10重量%加えることにより、機器、配管、医療機器に付着した、Cu、Fe、Mn、Co、Sn等の重金属イオン及び希土類イオンを効果的に除去することができ、DMSOとCDでのスケール除去後の金属及びプラスチッ乃至はガラス表面の接触外気及び仕上げ用洗浄水等の外部要因による金属イオンの再付着防止に有効であることを見出した。
更には、本発明は、上記(C)キレート剤以外に(D)グリコール類、(E)可溶化剤及び(F)水、(G)無機アルカリ及び/又は有機アミン、さらに(H)無機酸及び/又は有機酸を1種類以上配合することを特徴とする。グリコール類としては1,2エタンジオール、1,2プロパンジオール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,4ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコールからからなる少なくとも1種である、グリコール類を洗浄液総重量の5〜15重量%であり、好ましくは8〜10重量%である。特に好ましいのは1,3プロパンジオールである。このものは植物由来であり、その安全性と相まって洗浄効果と金属、プラスチック、ガラス等の洗浄表面のスケール再付着に有効である。
次に、本発明の(E)可溶化剤としての非プロトン系極性溶剤のジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、Nメチルピロリドン(NMP),スルホランを提供することが出来る。これらはスケールの成分により洗浄剤に配合することにより、用途に応じて、優れた効果を発揮するものである。このものはDMSO及びCDを基幹とした洗浄剤に配合することにより種々の工程及び機器、器具等に生じるスケール組成に応じて洗浄剤総重量の4〜20重量%好ましくは8〜15重量%配合される。スケール組成がDMSOとCD以外は必要としない場合はその限りではない。
また、本発明では、(F)水、(G)無機アルカリ及び/又は有機アミン、さらに(H)無機酸及び/又は有機酸を1種類以上含有することを特徴とするが、これらを洗浄液に加えることで、スケール物質の再凝集の防止とDMSO及びCDと相まって流動性と消臭性を促し、最終的仕上げ洗浄に有効であり、洗浄コスト削減に必要である。特に洗浄剤に水を加えることは溶剤の静電気等の原因による発火を防止し、重要な要素である。これらの洗浄液総重量に占める割合は全体の30重量%以下であり好ましくは29重量%以下である。
また従来、機器類、釜及び配管類、プラスチック機材及び部品類、ガラス基板、光学ガラス、医療用機材の洗浄工程として、水洗浄→溶剤洗浄→水すすぎ→アルカリ洗浄→水すすぎ→酸洗浄→水すすぎ→殺菌→水すすぎの工程で行われるのが一般的である。
本発明における、DMSOなどの非プロトン性極性溶剤とメチル化βシクロデキストリン、αシクロデキストリン、βシクロデキストリンなどの各種シクロデキストリンを基材とする洗浄剤乃至は水溶液は、汚れの状況及び種類に応じて、洗浄の順序や工程が簡略変更されるか乃至は同じ工程を繰り返し行われる。
これらは機器類、釜及び配類管、プラスチック機材及び部品類、ガラス基板、光学ガラス、医療用機材、クロス等の被洗浄物にこれらの洗浄剤組成物乃至は希釈液を浸漬して処理する方法、あるいは被洗浄物内部乃至は外面に希釈液を高圧洗浄機等により噴射して処理する方法がある。
本発明の洗浄剤組成物乃至は希釈物による洗浄処理を行う場合、上記記載の工程の前及び/又は後に本発明洗浄剤組成物乃至は希釈物を循環させることにより行うことができる。又本発明では洗浄工程を複数回に分けて繰り返し行うことにより、より高度な洗浄脱臭効果を期待できる。
この場合、洗浄剤組成物乃至は希釈液を5〜170℃の温度範囲、好ましくは15〜150℃の温度範囲にて、各種機器類、配管類、プラスチック機材及び部品類、ガラス基板、光学ガラス、医療用機材、クロス等と内部及び外部と接触させながら循環させて行うのが好ましい。勿論、加圧化で行う場合は50〜150℃の温度範囲で機器類の材質等から熱変性を考慮して設定されるべきである。
本発明におけるDMSO等の非プロトン性極性溶剤に各種シクロデキストリンを加えた洗浄剤組成物を水等で希釈する場合は全洗浄剤組成物の0.15〜40.0%好ましくは5.0〜20.0%の希釈水溶液として用いることが好ましい。
また本発明における洗浄剤組成物乃至は希釈液は前記工程の酸洗浄工程の酸処理剤あるいはアルカリ洗浄工程のアルカリ処理剤と同時に洗浄脱臭工程を行うことが出来、洗浄時間の短縮が可能となる。
次に、本発明を実施例等により詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらにより制限されるものではない。
以下の実施例に示す配合組成の洗浄剤を、ジャケット付きミキサーを使用して混合し、均一なスラリーを調製後、冷却を行って表1、表3〜表5に記載の実施例1〜25の洗浄液を製造した。
(洗浄性評価法1)
(タールスケール;洗浄評価法)
無水タール(比重1.2、粘度1000CP:60℃、水分0.2,固定炭素30〜35%、JFEケミカル株式会社製)10グラムをビーカーに取り、予めジメチルスルホキシド(DMSO)にシクロデキストリン(CD)を溶解させ、実施例に従い添加するキレート剤、グルコース類、水、アルカリ/酸を適量加え、30分間設定の温度で攪拌し、その後10分間静置して、タール分の洗浄性を下記により目視で評価する。
(洗浄性評価)
◎;ビーカーガラス壁面及び底面に未溶解残渣を含むタール付着物が全く認められない。
○;ビーカーガラス壁面及び底面に未溶解残渣は無いが底面に微量のタール付着物が認められる。
△;ビーカーガラス壁面及び底面に未溶解残渣は無いが壁面及び底面に微量のタール付着物が認められる。
×;ビーカーガラス壁面及び底面に未溶解残渣を含むタール付着物を認められる。
(◎、○はその後の、水による濯ぎ液洗浄工程を加えて実用性ありと判定される)
(洗浄性評価法2)
(炭酸カルシウムスケール;洗浄評価法)
炭酸カルシウム(純度99.9%、純正化学品)150mgをビーカーに取り、このものに予めジメチルスルホキシド(DMSO)にシクロデキストリン(CD)を溶解させ、実施例に従い添加するキレート剤、グルコース類、水、アルカリ/酸を加え、30分間設定の温度(20℃)で攪拌し、その後10分間静置して、EDTAで標準溶液、NN試薬を用いてキレート法にて溶解した炭酸カルシウムを算出して以下の標準基準で洗浄性を評価した。
(洗浄性評価)
◎;洗浄剤溶液1000ml当たりの炭酸カルシウム溶解量が150mgを超えるもの。
○;洗浄剤溶液1000ml当たりの炭酸カルシウム溶解量が100mgを超えるもの。
△;洗浄剤溶液1000ml当たりの炭酸カルシウム溶解量が50mgを超えるもの。
×;洗浄剤溶液1000ml当たりの炭酸カルシウム溶解量が50mg未満のもの。
(◎、○はその後の、水による濯ぎ液洗浄工程を加えて実用性ありと判定される)
(洗浄性評価法3)
(プラスチックレンズ及びガラスレンズ表面の洗浄評価法)
レンズ研摩加工後は研摩に伴う、プラスチックのモノマー残渣及び樹脂粉が表面に付着する。一方、ガラスレンズ研摩後にはレアアース等の残存研磨剤残渣及びガラスの削り残渣(SiO2等)、その他の酸化物質がガラス表面に残る。本発明では永田製作所株式会社から提供された研摩後(未洗浄)の直径50mmのガラス凸レンズ及びプラスチック凸レンズを速やかにビーカーに移し、予めジメチルスルホキシド(DMSO)にシクロデキストリン(CD)を溶解させ、或いは実施例に従い添加するキレート剤、グルコース類、水、アルカリ/酸を加え、30分間設定の温度(20℃)で攪拌し、その後10分間静置し取り出した後、更に純水200mlに20分浸漬して研摩液を取り除き、風乾で1昼夜乾燥後、目視にて以下の標準基準で洗浄性を評価した。
(洗浄性評価)
◎;レンズの表面に残渣、樹脂粉乃至はガラス粉、皮脂の汚れが全く認められない。
○;レンズの表面に残渣、樹脂粉乃至はガラス粉、皮脂の汚れが殆んど認められない。
△;レンズの表面に残渣、樹脂粉乃至はガラス粉、皮脂の汚れが若干認められる。
×;レンズの表面に残渣、樹脂粉乃至はガラス粉、皮脂の汚れが相当数認められる。
(◎、○はその後の、水による濯ぎ液洗浄工程を加えて実用性ありと判定される)
(洗浄性評価法4)
(タンパク質;医療器具洗浄評価法)
複数個の鶏卵から卵黄(脂肪26.5%,タンパク質15.8%)のみを取り出し、良く攪拌し、このものにアルミニウムの切片(15mm×50mm厚み3mm)を30分間浸漬し、取り出した後、1昼夜放置して卵黄タンパク質が固着乃至は付着したものをビーカーに移し、予めジメチルスルホキシド(DMSO)にシクロデキストリン(CD)を溶解させ、或いは実施例に従い添加するキレート剤、グルコース類、水、アルカリ/酸を加え、30分間設定の温度(20℃)で攪拌し、その後10分間静置し、取り出した後、更に水200mlに20分浸漬して研摩液を取り除き、風乾で1昼夜乾燥後、アルミニウム切片重量変化にて以下の標準基準で洗浄性を評価した。
(洗浄性評価)
○;アルミニウム切片の重量変化が無く、アミドブラック染色法でもタンパク質残留が全く認められない。
△;アルミニウム切片の重量変化が無いが、アミドブラック染色法でタンパク質残留が痕跡が認められる。
×;アルミニウム切片の重量変化が認められ、タンパク質付着物が認められる。
(○はその後の、水による濯ぎ液洗浄工程を加えて実用性ありと判定される)
(総合洗浄性)
上記洗浄評価法1,2,4に従い、下記の消臭性評価を含め、総合的に判断して評価基準の多いものを総合洗浄基準とした。洗浄評価法3のプラスチック及びレンズの洗浄効果は特に光学レンズのサンプルの特殊性からそれのみでの評価とした。
(脱臭性評価)
洗浄液の洗浄前及び洗浄後の臭気の判定は5人のパネラーによる官能テストにより行われた。臭気の度合いを以下の4段階での評価基準で評価した。
(臭気評価基準)
◎;臭気なし
○;僅かにメルカプタン乃至は硫黄臭あり。
△;ややメルカプタン乃至は硫黄臭あり。
×;メルカプタン乃至は硫黄臭が強い。
(◎、○はその後の、水による濯ぎ液洗浄工程を加えて実用性ありと判定される)
(ラビングクロス洗浄性)
液晶パネルの配向膜に溝を付ける、カット済みラビングクロス(トリコット起毛布;パイル太さ;40番双糸、長さ;1.7mm、本数;275.5本/cm2,ベース厚み;0.5mm)の切片;50mm×20mmを、予めビーカー内にジメチルスルホキシド(DMSO)にシクロデキストリン(CD)を溶解させ、或いは実施例に従い添加するキレート剤、グルコース類、水を加え、30分間設定の温度(20℃)で攪拌し、その後10分間静置し取り出した後、更に純水200mlに20分浸漬して研摩液を取り除き、風乾で1昼夜乾燥後拡大鏡を使用する目視にて以下の標準基準で洗浄性を評価した。
(洗浄性評価)
◎;起毛布の立毛起毛に起毛の絡みが無く、表面に埃、有機物乃至は油の汚れが全く認められない。
○;起毛布の立毛起毛に起毛の絡みが僅かにあるが、表面に埃、有機物乃至は油の汚れが全く認められない。
△;起毛布の立毛起毛に起毛の絡みが僅かにあり、表面に微量の埃が認められ、有機物乃至は油の汚れが全く認められない。
×;起毛布の立毛起毛に起毛の絡みが僅かにあり、表面に微量の埃が認められ、有機物乃至は油の汚れが認められる。
(◎、○はその後の、水による濯ぎ液洗浄工程を加えて実用性ありと判定される)
以下の実施例(表1、3〜10の1〜63)及び比較例(表2の1〜7)において、各成分の割合は質量%で示す。試験結果及び評価法は既に説明済みの方法による。なお実施例及び比較例において記載した(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分、(G)成分、(H)成分は以下の通りである。
(A)成分
ジメチルスルホキシド(DMSO)
(B)成分
α−シクロデキストリン(αCD)
β−シクロデキストリン(βCD)
γ−シクロデキストリン(γCD)
メチル化βシクロデキストリン(MeβCD)
ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HPβCD)
分岐型βシクロデキストリン(分岐型βCD)
(C)成分
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA)
グルコン酸
クエン酸
エチレンジアミン
(D)成分
1,3プロパンジオール
メタノール
エタノール
イソプロパノール
(E)成分
ジメチルホルムアミド(DMF)
ジメチルアセトアミド(DMAC)
Nメチルピロリドン(NMP)
スルホラン
(F)成分

(G)成分
炭酸ソーダ
炭酸水素ナトリウム
トリエチルアミン
(H)成分
硫酸
塩酸(純分換算)
酢酸

Claims (16)

  1. (A)ジメチルスルホキシド(DMSO)、(B)シクロデキストリンを含有する物質からなることを特徴とする洗浄剤組成物。
  2. 請求項1に記載の洗浄組成物に更に(C)キレート剤、(D)グリコール及びアルコール類、(E)可溶化剤、(F)水、(G)無機アルカリ及び/又は有機アミン、(H)無機酸及び/又は有機酸を少なくとも1種類以上含有する物質からなることを特徴とする洗浄剤組成物。
  3. 前記(B)シクロデキストリンが、αシクロデキストリン、βシクロデキストリン、γシクロデキストリン、化学修飾型シクロデキストリン、分岐型シクロデキストリンからなる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  4. 前記(C)キレートが、エチレンジアミンテトラ酢酸塩(EDTA)、グリコール酸、クエン酸、生分解性キレート剤からなる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2又は3のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  5. 前記(D)グリコール及びアルコール類が、1,2エタンジオール、1,2プロパンジオール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,4ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、アルコール、メタノール、エタノール、イソプロパノールからなる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  6. 前記(E)可溶化剤が、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、Nメチルピロリドン(NMP)、スルホランの非プロトン性極性溶剤からなる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  7. 前記(G)無機アルカリ及び/又は有機アミンが水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリ、炭酸水素カリウム、炭酸カリの無機アルカリ及びトリエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミンからなる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  8. 前記(H)無機酸及び/又は有機酸が、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、グリコール酸(ヒドロキシ酢酸)からなる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  9. 前記(A)ジメチルスルホキシドの不純物に由来する臭気物質及び洗浄される物品のスケール(工業用、医療用含む)に由来するか生成する臭気物質を除去する目的で前記(B)シクロデキストリン類を含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  10. 洗浄される物品が、一般機械部品、精密機械部品、車両機械部品、エンジン部品、熱交換器及び配管類、化学品貯蔵タンク、電子部品、電気部品、液晶パネル部材、光学ガラス部品及び部材、プラスチック部品及び部材であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれ一項に記載の洗浄剤組成物。
  11. 洗浄される物品が、人及びペット乃至実験動物由来のタンパク質、脂肪、血液、油、無機物、錆びを含む物質が付着した使用済み医薬器具であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれ一項に記載の洗浄剤組成物。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物を含有することを特徴とする洗浄剤。
  13. クリーニング用途、輸出用自動車のフィルム剥離用途、又は切削油洗浄用途に使用される請求項1乃至11のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物又は請求項12に記載の洗浄剤。
  14. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物若しくは請求項12に記載の洗浄剤又は当該洗浄剤を含有する水溶液に、前記洗浄される物品を浸漬して洗浄することを特徴とする洗浄方法。
  15. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物若しくは請求項12に記載の洗浄剤又は当該洗浄剤を含有する水溶液を、前記洗浄される物品に高圧洗浄機で噴射して洗浄することを特徴とする洗浄方法。
  16. 請求項14又は15に記載の洗浄方法における工程の前又は後に、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物若しくは請求項12に記載の洗浄剤又は当該洗浄剤を含有する水溶液を、前記洗浄される物品に循環して洗浄することを特徴とする洗浄方法。
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