JP6121978B2 - プリプレグ製造装置 - Google Patents
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Description
そのため、多量の溶剤を使用しないように、樹脂粉体を帯電させた状態でシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
そして空気と粉体17を混合してなる固気二相流を加速容器12の先端部に形成された穴18から、チャンバー19内において連続的に引き上げられる炭素繊維織物20に向けて吐出することで、帯電させた粉体17を炭素繊維織物20に付着させてプリプレグを製造するものである。
また逆に、空気と粉体17を混合してなる固気二相流の流速を遅くした場合には、加速容器12の底部に粉体17が落下して少しずつ堆積していくため、これにより圧縮部14がさらに狭くなりかえって流速が速くなってしまう。
その上、従来例は、空気をまず帯電させた後にその空気を粉体17にぶつけることにより粉体17を間接的に帯電させるものであるため直接的に粉体17を帯電させる場合と比較して帯電効率が悪いといった問題もある。
前記シート状繊維基材(50)を間にして左右に設けられ、外殻(31a,32a)とその外殻(31a,32a)に交わることなく仕切られた内殻(31b,32b)を有し、前記内殻(31b,32b)の前記シート状繊維基材(50)に相対向する前面位置には開口部(33,34)が形成され、前記外殻(31a,32a)の前記シート状繊維基材(50)側とは逆側になる後面位置には排出口(35,36)が形成されてなる左右2つのチャンバー(31,32)と、
前記2つのチャンバー(31,32)の内殻(31b,32b)内にそれぞれ設けられ、その一端が前記開口部(33,34)まで略水平に延びる供給管(37,38)と、
前記供給管(37,38)の他端側に設けられ、連続的に供給される樹脂粉体(30)に空気を混合して高圧で押し込むコンプレッサ(39,40)が接続されるとともに、前記2つのチャンバー(31,32)の幅方向に延びる本体部(41a,42a)に形成された長穴状の噴射スリットから、前記樹脂粉体(30)を前記空気とともに前記給供管(37,38)内に噴射して前記開口部(33,34)から吐出させて前記シート状繊維基材(50)に吹き付けるフラット型エアーノズル(41,42)と、
前記供給管(37,38)に設けられ前記樹脂粉体(30)を前記空気とともに帯電させる粉末樹脂帯電部(43,44)を備え、
前記2つのチャンバー(31,32)の前記開口部(33,34)から吐出し付着しなかった前記樹脂粉体(30)を、前記外殻(31a,32a)と前記内殻(31b,32b)の間に形成された流路(45,46)を介して前記外殻(31a,32a)の後面側に流して前記排出口(35,36)から前記2つのチャンバー(31,32)の外側に排出するようにしたことを特徴とする。
前記集塵機(53,54)で集められた前記樹脂粉体(30)を、前記フラット型エアーノズル(41,42)に戻し再利用することを特徴とする。
また、フラット型エアーノズルを採用したことにより、流速(風速)を均一化させるために、通常使用されていた整流装置やブロワーは不要となるため、これによっても装置全体の小型化が図れる。
そして、本発明は帯電させられた樹脂粉体と空気からなる固気二相流を供給管から吐出して速い流速の状態でシート状繊維基材に当接させるものではなく、固気二相流を供給管よりも開口面積の広いチャンバー内に一旦送り込むことでチャンバー内で固気二相流の流速を遅くしてその後にシート状繊維基材に吹き付けるにしたので、従来例で示したように、樹脂粉体が静電力の作用で炭素繊維織物などのシート状繊維基材に対して吸引される力よりも樹脂粉体の流速による慣性力のほうがかなり大きくなることはない。
これにより、従来例で示したように、樹脂粉体がシート状繊維基材に当接するが付着せずに跳ね返ってしまうことはなく、本発明では、樹脂粉体はシート状繊維基材に均一にムラなく付着して品質性能に優れたプリプレグが得られる。
外殻31a,32aのシート状繊維基材50側、すなわち、左側チャンバー31の右端(前面)及び右側チャンバー32の左端(前面)の位置は開放されていて、その間に樹脂粉体30が付着されるシート状繊維基材50が設置されている。また、外殻31a,32aのシート状繊維基材50側とは逆側、すなわち、左側チャンバー31の左端(後面)及び右側チャンバー32の右端(後面)の位置には排出口35,36が形成されている。排出口35,36には、排出口35,36から排出された樹脂粉体30を集める集塵機53,54が取付けられている。
フラット型エアーノズル41,42の本体部41a,42aの基端には、一端に樹脂粉体30が投入される投入口47a,48aが設けられた投入管47,48の他端が接続されている。投入管47,48の他端はチャンバー31,32の内殻31b,32b内に入り込んでいるが、投入管47,48の一端は、チャンバー31,32の外部に位置し、その一端に設けられた投入口47a,48aから定量フィーダーなどによって定量の樹脂粉体30が連続的に投入される。
また、投口管47,48の略中央には、空気増幅装置Tを介してコンプレッサ39,40が接続されている。これにより、コンプレッサ39,40から送られた圧縮空気は、空気増幅装置Tで流速がさらに高められるとともに、投入口47a,48aから定量フィーダーなどによって供給される樹脂粉体30に混合され、高圧の固気二相流としてフラット型エアーノズル41,42に押し込まれるようになっている。
また、シート状繊維基材50はグランド接続されていて、チャンバー31,32の内殻31b,32bに形成された開口部33,34の周囲に設置された高電圧板51,52との間に高圧の電界がかけられている。
投入管47,48の投入口47a,48aから定量フィーダーなどによって定量の樹脂粉体30が連続的に投入されると、樹脂粉体30は、コンプレッサ39,40から送られた圧縮空気が空気増幅装置Tによってその流速がさらに高められた高圧の空気と投入管47,48の内部で混合された後、フラット型エアーノズル41,42に押し込まれる。
なお、樹脂粉体30が粉末樹脂帯電部43,44によってプラスに帯電される場合には、高電圧板51,52によって開口部33,34側には正の高電圧がかけられる。
また、本発明の実施形態でいうプリプレグにはシート状繊維基材50に付着する樹脂粉体30の量を抑えたいわゆるセミプレグも含まれる。
排出された樹脂粉体30は、排出口35,36に接続された集塵機53,54によって、集められ再利用できるようにしている。本実施形態では、図1に示したように、集塵機53,54で集められた樹脂粉体30を再度、定量フィーダーなどを介して投入管47,48の投入口47a,48aに投入し、コンプレッサ39,40を介して空気とともにフラット型エアーノズル41,42に押し込むようにしている。
しかも、フラット型エアーノズル41,42を採用したことで、樹脂粉体30が空気と混合されて供給管37,38の後側から高圧でかつ均一の流速で押し込まれるので、供給管37,38内で帯電させられた樹脂粉体30と空気からなる固気二相流の流速は速く、しかも均一化されるために、通常使用されていた整流装置やブロワーは不要となり、これによっても装置全体の小型化が図れる。
また、本発明の実施形態では、チャンバー31,32の開口部33,34の周囲に高電圧板51,52を設置してシート状繊維基材50に対して樹脂粉体30がより強固に付着するようにしたが、高電圧板51,52を省いてもシート状繊維基材50に対して樹脂粉体30を付着させることはできる。
12 加速容器
13 ブラシ
14 圧縮部
15 格納ボックス
16 チューブ
17 粉体
18 穴
19 チャンバー
20 炭素繊維織物
30 樹脂粉体
31,32 チャンバー
31a,32a 外殻
31b,32b 内殻
33,34 開口部
35,36 排出口
37,38 供給管
39,40 コンプレッサ
41,42 フラット型エアーノズル
41a,42a 本体部
43,44 粉末樹脂帯電部
45,46 流路
47,48 投入管
47a,48a 投入口
50 シート状繊維基材
51,52 高電圧板
53,54 集塵機
T 空気増倍装置
Claims (4)
- 樹脂粉体をシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置において、
前記シート状繊維基材を間にして左右に設けられ、外殻とその外殻に交わることなく仕切られた内殻を有し、前記内殻の前記シート状繊維基材に相対向する前面位置には開口部が形成され、前記外殻の前記シート状繊維基材側とは逆側になる後面位置には排出口が形成されてなる左右2つのチャンバーと、
前記2つのチャンバーの内殻内にそれぞれ設けられ、その一端が前記開口部まで略水平に延びる供給管と、
前記供給管の他端側に設けられ、連続的に供給される樹脂粉体に空気を混合して高圧で押し込むコンプレッサが接続されるとともに、前記2つのチャンバーの幅方向に延びる本体部に形成された長穴状の噴射スリットから、前記樹脂粉体を前記空気とともに前記給供管内に噴射して前記開口部から吐出させて前記シート状繊維基材に吹き付けるフラット型エアーノズルと、
前記供給管に設けられ前記樹脂粉体を前記空気とともに帯電させる粉末樹脂帯電部を備え、
前記2つのチャンバーの前記開口部から吐出し付着しなかった前記樹脂粉体を、前記外殻と前記内殻の間に形成された流路を介して前記外殻の後面側に流して前記排出口から前記2つのチャンバーの外側に排出するようにしたことを特徴とするプリプレグ製造装置。 - 前記2つのチャンバーの前記開口部と前記シート状繊維基材の間に高圧の電界をかける高電圧板を前記開口部の周囲に設置したことを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ製造装置。
- 前記排出口から排出された前記樹脂粉体を集める集塵機をさらに備え、
前記集塵機で集められた前記樹脂粉体を、前記フラット型エアーノズルに戻し再利用することを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプレグ製造装置。 - 前記シート状繊維基材を上方向又は下方向に連続的に搬送可能な搬送装置をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のプリプレグ製造装置。
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