JP6184433B2 - プリプレグ製造装置 - Google Patents
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Description
そのため、多量の溶剤を使用しないように、樹脂粉体を帯電させた状態でシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、樹脂粉体の粒子速度が遅くなるとチャンバー内で粒樹粉体が自重で落下する恐れがあるので、チャンバーの底面に設けられた複数の穴からチャンバー内に上昇する風を送り込むことで樹脂粉体を浮遊させるようにしたものである。
略水平に延びる供給管(11)と、
前記樹脂粉体(1)を前記供給管(11)の後側から連続的に定量供給するフィーダー(12)と、
前記フィーダー(12)により供給される前記樹脂粉体(1)に空気を混合して前記供給管(11)の後側から高圧で押し込むエアー供給装置(13)と、
前記供給管(11)に設けられ前記樹脂粉体(1)を空気とともに帯電させる帯電器(14)と、
入口(15a)から出口(15b)に向けて断面積を徐々に拡大するもので、前記入口(15a)に前記供給管(11)の先端口(11a)が接続され前記樹脂粉体(1)を拡散する拡散器(15)と、
前記拡散器(15)の前記出口(15b)が、後面に形成された開口部に設置され前面には複数の吐出穴又は吐出口が設けられたチャンバー(10)と、
前記チャンバー(10)の前記拡散器(15)側上下部に設けられ、上下方向に節(F)と腹(H)が交互に形成される定在波(S)振動を発生させる超音波発生装置(20)を備え、
前記チャンバー(10)の吐出穴又は吐出口から吐出される前記樹脂粉体(1)を、前記シート状繊維基材(100)に付着させるようにしたことを特徴とする。
前記シート状繊維基材(100)を間にして左右に設けられ、前記シート状繊維基材(100)に相対向する前面に複数の吐出穴又は吐出口が設けられた左右2つのチャンバー(10A,10B)と、
前記2つのチャンバー(10A,10B)の左右外側にそれぞれ設けられた、略水平に延びる左右2つの供給管(11A,11B)と、
前記樹脂粉体(1)を前記2つの供給管(11A,11B)の、前記チャンバー(10A,10B)側とは逆側となる後側から連続的に定量供給するフィーダー(12A,12B)と、
前記フィーダー(12A,12B)により供給される前記樹脂粉体(1)に空気を混合して前記供給管(11A,11B)の後側から高圧で押し込むエアー供給装置(13A,13B)と、
前記供給管(11A,11B)に設けられ前記樹脂粉体(1)を空気とともに帯電させる帯電器(14A,14B)と、
入口(15Aa,15Ba)から出口(15Ab,15Bb)に向けて断面積を徐々に拡大するもので、前記入口(15Aa,15Ba)に前記供給管(11A,11B)の先端口(11Aa,11Ba)が接続され、前記出口(15Ab,15Bb)が前記2つのチャンバー(10A,10B)の後面に形成された開口部にそれぞれ設置された、前記樹脂粉体(1)を拡散する左右2つの拡散器(15A,15B)と、
前記2つのチャンバー(10A,10B)の前記拡散器(15A,15B)側上下部に設けられ、上下方向に節(F)と腹(H)が交互に形成される定在波(S)振動を発生させる超音波発生装置(20)を備え、
前記チャンバー(10A,10B)の吐出穴又は吐出口から吐出される前記樹脂粉体(1)を、前記シート状繊維基材(100)に付着させるようにしたことを特徴とする。
また、供給管から吐出される、帯電させられた空気と樹脂粉体からなる固気二相流は、速い流速の状態でシート状繊維基材に当接させられるものではなく、拡散器を介してチャンバー内に送り込まれるので、固気二相流の流速は遅くなり、これにより、樹脂粉体がシート状繊維基材に当接するが付着せずに跳ね返ってしまうことが防止されるとともに、拡散器を使用しない場合と比較して樹脂粉体をより均一に拡散させることができる。これにより、品質性能に優れたプリプレグを得ることができる。
このとき、樹脂粉体は流速が遅くなることで自重で落下しようとするが、本発明では、特にチャンバーの拡散器側上下部に超音波発生装置を設けて上下方向に節と腹が交互に形成される定在波を発生させるようにしたので、樹脂粉体は定在波の節の部位で存在確率が高くなり層状に凝集し、これによって樹脂粉体の自重による落下を、従来例で示したように、ブロワーやダクトなどの装置を新たに付加することなく抑制することができる。よって、装置全体が小型化され省スペース化が図られる。
また、定在波の節の部位で樹脂粉体の存在確率が高くなると帯電された樹脂粉体は狭い領域で密集するため、超音波発生装置を設けない場合と比較して、定在波の節平面内で樹脂粉体はより早く拡散するので、樹脂粉体を拡散させるチャンバーの水平方向の長さを短くすることもできる。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るプリプレグ製造装置の構成概要を示し、図3は、図1に示す装置構成の要部をそれぞれ示したものである。
フィーダー12A,12Bは、二軸式の二軸フィーダーであり、左右それぞれに2つ設けられているが、一つのフィーダーから樹脂粉体1を左側の供給管11Aと右側の供給管11Bにそれぞれ連続供給させることもできる。
また、シート状繊維基材100はグランド接続されていて、チャンバー10A,10Bの前面とシート状繊維基材100の間に高圧の電界をかける導電性網状物17A,17Bが、図3に示すように、チャンバー10A,10B内で超音波発生装置20,20が設けられた部位の内側に設置されている。
例えば、40KHzの正弦波で駆動した場合、音速を340m/secと仮定すると波長λ=約8.5mmとなり、そのn(nは整数)倍をとることで定在波Sを発生させることができる。なお、この数値に限定されるものではない。
定在波Sは、音響放射圧のために音圧の腹Hから節Fに対して向かう力が作用するため、定在波Sを横切るように通過する樹脂粉体1は節Fのところに凝集し、節Fにおける樹脂粉体1の存在確率が大きくなる。
二軸のフィーダー12A,12Bによって定量の樹脂粉体1が連続的に投入されると、樹脂粉体1は、コンプレッサ42A,42Bから送られた圧縮空気が空気増幅装置41A,41Bによってその流速がさらに高められた高圧の空気と供給管11A,11Bの内部で混合された後、拡散器15A,15Bに押し込まれる。
そして、負の高電圧がかけられた導電性網状物17A,17Bの網の目から吐出されたマイナスに帯電された樹脂粉体1は、グランドに接地されたシート状繊維基材100に対して強固な接着力で付着され、プリプレグが製造される。
シート状繊維基材100に付着されなかった樹脂粉体1は、2つのチャンバー10A,10Bの下部に設けられた回収口35A,35Bに集められ再利用できるようにしている。
また、供給管11A,11Bから吐出される、帯電させられた空気と樹脂粉体1からなる固気二相流は、速い流速の状態でシート状繊維基材100に当接させられるものではなく、拡散器15A,15Bを介してチャンバー10A,10B内に送り込まれるので、固気二相流の流速は遅くなり、これにより、樹脂粉体1がシート状繊維基材100に当接するが付着せずに跳ね返ってしまうことが防止されるとともに、拡散器15A,15Bを使用しない場合と比較して樹脂粉体1をより均一に拡散させることができる。これにより、品質性能に優れたプリプレグを得ることができる。
このとき、樹脂粉体1は流速が遅くなり自重によって落下しようとするが、特にチャンバー10A,10Bの拡散器15A,15B側上下部に超音波振動子21,21からなる超音波発生装置20を設けて上下方向に節Fと腹Hが交互に形成される定在波Sを発生させるようにしたので、樹脂粉体1は定在波Sの節Fの部位で存在確率が高くなり層状に凝集し、これによって樹脂粉体1の落下を、従来例で示したように、ブロワーやダクトなどの装置を新たに付加することなく抑制することができる。よって、装置全体が小型化され省スペース化が図られる。
また、シート状繊維基材100を間にして左右に2つのチャンバー10A,10Bを設け、左右2つの拡散器15A,15Bと超音波発生装置20,20を設けて、シート状繊維基材100の両面に対して樹脂粉体1を同時に付着させるように装置全体の小型化と省スペース化を図るようにしたが、図6及び図7に示すように、シート状繊維基材100の片面(左面又は右面)だけに樹脂粉体1を付着させるものであってもよい。この場合のプリプレグ製造装置は、略水平に延びる供給管11と、樹脂粉体1を供給管11の後側から連続的に定量供給するフィーダー12と、フィーダー12により供給される樹脂粉体1に空気を混合して供給管11の後側から高圧で押し込む空気増幅器41とコンプレッサ42からなるエアー供給装置13と、供給管11に設けられ樹脂粉体1を空気とともに帯電させる帯電器14と
入口15aから出口15bに向けて断面積を徐々に拡大するもので入口15aに供給管11の先端口11aが接続され樹脂粉体1を拡散する拡散器15と、拡散器15の出口15bが、後面に形成された開口部に設置され前面には吐出口が設けられたチャンバー10と、チャンバー10の拡散器15側上下部に設けられ、上下方向に節Fと腹Hが交互に形成される定在波S振動を発生させる2つの超音波振動子21,21からなる超音波発生装置20を備え、チャンバー10の吐出口から吐出される樹脂粉体1を、シート状繊維基材100に付着させるようにしたものである。
また、本発明の実施形態では、チャンバー10,10A,10Bの前面とシート状繊維基材100の間に高圧の電界をかける導電性網状物17,17A,17Bを設置したが省略することも可能である。
10,10A,10B チャンバー
11,11A,11B 供給管
11a,11Aa,11Ba 先端口
12,12A,12B フィーダー
13 エアー供給装置
14,14A,14B 帯電器
15,15A,15B 拡散器
15a,15Aa,15Ba 入口
15b,15Ab,15Bb 出口
17,17A,17B 導電性網状物
20 超音波振動子(超音波発生装置)
21 超音波振動子
25 ドライバ
30 搬送装置
35A,35B 回収口
41,41A,41B 空気増幅器
42,42A,42B コンプレッサ
100 シート状繊維基材
F 節
H 腹
S 定在波
Claims (6)
- 樹脂粉体をシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置であって、
略水平に延びる供給管と、
前記樹脂粉体を前記供給管の後側から連続的に定量供給するフィーダーと、
前記フィーダーにより供給される前記樹脂粉体に空気を混合して前記供給管の後側から高圧で押し込むエアー供給装置と、
前記供給管に設けられ前記樹脂粉体を空気とともに帯電させる帯電器と、
入口から出口に向けて断面積を徐々に拡大するもので、前記入口に前記供給管の先端口が接続され前記樹脂粉体を拡散する拡散器(ディフューザー)と、
前記拡散器の前記出口が、後面に形成された開口部に設置され前面には複数の吐出穴又は吐出口が設けられたチャンバーと、
前記チャンバーの前記拡散器側上下部に設けられ、上下方向に節と腹が交互に形成される定在波振動を発生させる超音波発生装置を備え、
前記チャンバーの吐出穴又は吐出口から吐出される前記樹脂粉体を、前記シート状繊維基材に付着させるようにしたことを特徴とするプリプレグ製造装置。 - 樹脂粉体をシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置であって、
前記シート状繊維基材を間にして左右に設けられ、前記シート状繊維基材に相対向する前面に複数の吐出穴又は吐出口が設けられた左右2つのチャンバーと、
前記2つのチャンバーの左右外側にそれぞれ設けられた、略水平に延びる左右2つの供給管と、
前記樹脂粉体を前記2つの供給管の、前記チャンバー側とは逆側となる後側から連続的に定量供給するフィーダーと、
前記フィーダーにより供給される前記樹脂粉体に空気を混合して前記供給管の後側から高圧で押し込むエアー供給装置と、
前記供給管に設けられ前記樹脂粉体を空気とともに帯電させる帯電器と、
入口から出口に向けて断面積を徐々に拡大するもので、前記入口に前記供給管の先端口が接続され、前記出口が前記2つのチャンバーの後面に形成された開口部にそれぞれ設置された、前記樹脂粉体を拡散する左右2つの拡散器(ディフューザー)と、
前記2つのチャンバーの前記拡散器側上下部に設けられ、上下方向に節と腹が交互に形成される定在波振動を発生させる超音波発生装置を備え、
前記チャンバーの吐出穴又は吐出口から吐出される前記樹脂粉体を、前記シート状繊維基材に付着させるようにしたことを特徴とするプリプレグ製造装置。 - 前記超音波発生装置は、前記チャンバーの上下部にそれぞれ設けられ、同一ドライバで駆動される同一の超音波振動子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプレグ製造装置。
- 前記超音波発生装置は、前記チャンバーの上下部のうち一方側に設けられた超音波振動子と他方側に設けられた反射板であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプレグ製造装置。
- 前記チャンバーの前面と前記シート状繊維基材の間に高圧の電界をかける導電性網状物を設置したことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載のプリプレグ製造装置。
- 前記シート状繊維基材を上方向又は下方向に連続的に搬送可能な搬送装置をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載のプリプレグ製造装置。
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