JP6121813B2 - コンロバーナ - Google Patents

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本発明は、環状のバーナヘッドの外周面に開口する多数の主炎口を有する主バーナ部と、バーナヘッドの外周面に主炎口の下側で開口する多数の副炎口を有する副バーナ部とを備えるコンロバーナに関する。
従来、この種のコンロバーナとして、主バーナ部と副バーナ部への燃料ガスの供給量を調節するガス量調節手段と、副バーナ部のみに燃料ガスを供給して副バーナ部のみを燃焼させる状態と主バーナ部にも燃料ガスを供給して主バーナ部も燃焼させる状態とに切換える切換手段とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、上記従来例のもので、主バーナ部及び副バーナ部は、主バーナ用と副バーナ用の各混合管の上流端の流入口から一次空気が吸引されるようにした自然給気式バーナで構成され、主バーナ部及び副バーナ部に各混合管を介して空気過剰率(一次空気量/理論空気量)が1未満の混合気が供給されるようにしている。また、従来、主バーナ部に供給される混合気の空気過剰率を副バーナに供給される混合気の空気過剰率よりも高くし、主バーナ部の火炎が二次空気を求めて上方に長くのびることを抑制できるようにしたものも知られている(特許文献2参照)。
尚、コンロバーナで調理容器を加熱する際の熱効率を向上させるには、調理容器をその底面中央部に亘って加熱できるように、バーナ外径(バーナヘッドの外径)を小さくすることが望まれる。然し、バーナ外径を小さくすると、バーナ内部の圧力損失が大きくなって、一次空気の吸引量が減少する。従って、主バーナ部での一次空気不足による燃焼不良を防止する上で、バーナ外径はあまり小さくできず、熱効率を十分に向上するまでには至っていないのが現状である。
そこで、本願出願人は、先に、副バーナ部は自然給気式バーナで構成するが、主バーナ部は、主バーナ用混合管に給気ファンから一次空気を強制的に供給する強制給気式バーナで構成するものを提案した。このように主バーナ部を強制給気式バーナで構成すれば、バーナ外径が小さくて圧力損失が大きくなっても、一次空気不足による燃焼不良を生じない。従って、バーナ外径を小さくして、主バーナ部も燃焼させる強火状態での熱効率を向上させることができる。尚、副バーナ部も強制給気式バーナで構成すると、吹き消えを防止する上で副バーナ部への燃料ガスの供給量を然程絞ることができなくなるが、上記の如く副バーナ部を自然給気式バーナで構成すれば、吹き消えを生ずることなく副バーナ部への燃料ガスの供給量を絞ることができ、ターンダウン比を比較的大きくすることが可能になる。
ところで、主バーナ部も燃焼させる状態では、環状のバーナヘッドで囲われるバーナ中央空間を介して主バーナ部に燃焼用の二次空気が流れるが、副バーナ部のみを燃焼させる状態では、バーナ中央空間に二次空気は殆んど流れず、二次空気によるバーナヘッドの冷却効果が得られなくなる。そして、副バーナ部の火炎による加熱でバーナヘッドの温度が過度に上昇してしまい、バーナヘッドの耐久性に悪影響が及ぶ。
特開2008−281271号公報 特開2009−58195号公報
本発明は、以上の点に鑑み、先の提案のコンロバーナを改良し、副バーナ部のみを燃焼させる状態でのバーナヘッドの過熱を防止できるようにしたコンロバーナを提供することをその課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、環状のバーナヘッドの外周面に開口する多数の主炎口を有する主バーナ部と、バーナヘッドの外周面に主炎口の下側で開口する多数の副炎口を有する副バーナ部と、主バーナ部と副バーナ部への燃料ガスの供給量を調節するガス量調節手段と、副バーナ部のみに燃料ガスを供給して副バーナ部のみを燃焼させる状態と主バーナ部にも燃料ガスを供給して主バーナ部も燃焼させる状態とに切換える切換手段とを備えるコンロバーナであって、副バーナ部は、副バーナ用混合管の上流端の流入口から一次空気が吸引されるようにした自然給気式バーナで構成され、主バーナ部は、主バーナ用混合管に給気ファンから一次空気を強制的に供給する強制給気式バーナで構成され、使用者の火力調節操作に応じてガス量調節手段と切換手段と給気ファンとを制御する制御手段を備えるものにおいて、制御手段は、副バーナ部のみを燃焼させるときにも、給気ファンを回転させる制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、副バーナ部のみを燃焼させる状態で、バーナ中央空間に二次空気が流れなくなっても、給気ファンの回転で主バーナ部に供給される空気によりバーナヘッドが冷却される。従って、副バーナ部のみを燃焼させる状態でのバーナヘッドの過熱を防止できる。
また、副バーナ部のみを燃焼させる状態で給気ファンから供給される空気は、主炎口から副バーナ部の火炎と被加熱物との間に送風されて、火力(被加熱物に対する加熱量)を下げる働きをする。そして、本発明においては、副バーナ部のみを燃焼させる状態で火力を最小火力にする火力調節操作が行われたとき、副バーナ部への燃料ガスの供給量を所定の下限値から減少せずに、給気ファンの回転数を副バーナ部のみを燃焼させる状態での定常回転数よりも高くする制御を行うことが望ましい。これによれば、副バーナ部での燃焼の安定性を損なうことなく最小火力を可及的に小さくして、ターンダウン比を可及的に大きくすることができる。
本発明の実施形態のコンロバーナの斜視図。 図1のII−II線で切断した断面図。 火力調節用操作子の操作位置と主バーナ部及び副バーナ部への燃料ガスの供給量との関係を示すグラフ。 副バーナ部のみを燃焼させる状態での給気ファンの制御内容を示すフロー図。
図1を参照して、本発明の実施形態のコンロバーナ1は、図示省略したコンロ天板のバーナ用開口に挿通されるバーナボディ2と、バーナボディ2上の環状のバーナヘッド3とを備えている。バーナヘッド3の外周面には、主炎口4mとその下側に位置する副炎口4sとが夫々周方向の間隔を存して多数開口している。尚、副炎口4sの総開口面積は、主炎口4mの総開口面積よりも小さい。
バーナボディ2は、図2に示す如く、外側の筒体21と中間の筒体22と内側の筒体23との内外3重の筒体を備えている。バーナヘッド3は、内周にバーナボディ2の中間筒体22に嵌合する筒部31aを垂設した環状の下ヘッド部材31と、下面内周部にバーナボディ2の内側筒体23に嵌合する筒部32aを垂設した環状の上ヘッド部材32とで構成されている。
下ヘッド部材31の上面外周部には、上ヘッド部材32が着座する上環状壁33が立設されている。上環状壁33には、その上端面から下方に窪む主炎口4mとなる溝が周方向の間隔を存して多数形成されている。そして、これらの溝の上端が上ヘッド部材32により閉塞されることで、下ヘッド部材31と上ヘッド部材32との間に主炎口4mが画成されるようにしている。また、主炎口4mは、下ヘッド部材31と上ヘッド部材32とバーナボディ2の中間筒体22と内側筒体23とで囲われる空間に連通しており、これら下ヘッド部材31、上ヘッド部材32、中間筒体22及び内側筒体23で主炎口4mを有する主バーナ部1mが構成される。
また、下ヘッド部材31の下面外周部には、バーナボディ2の外側筒体21の上端部に着座する下環状壁34が垂設されている。下環状壁34には、その下端面から上方に窪む副炎口4sとなる溝が周方向の間隔を存して多数形成されている。そして、これら溝の下端が外側筒体21の上端部により閉塞されることで、バーナボディ2と下ヘッド部材31との間に副炎口4sが画成されるようにしている。また、副炎口4sは、下ヘッド部材31とバーナボディ2の外側筒体21と中間筒体22とで囲われる空間に連通しており、これら下ヘッド部材31、外側筒体21及び中間筒体22で副炎口4sを有する副バーナ部1sが構成される。
バーナ1は、更に、バーナボディ2の中間筒体22と内側筒体23との間の空間に連通する主バーナ用混合管5mと、バーナボディ2の外側筒体21と中間筒体22との間の空間に連通する副バーナ用混合管5sとを備える。図1を参照して、主バーナ用混合管5mには、共通ガス供給路6から分岐した主バーナ用ガス供給路6mを介して燃料ガスが供給され、副バーナ用混合管5sには、共通ガス供給路6から分岐した副バーナ用ガス供給路6sを介して燃料ガスが供給される。
共通ガス供給路6には、元電磁弁61と、ガス量調節手段たるガス流量調節弁62とが介設され、また、主バーナ用ガス供給路6mには、切換手段たる主バーナ用電磁弁63が介設されている。そして、主バーナ用電磁弁63の閉弁と開弁とにより、副バーナ部1sのみに燃料ガスを供給して副バーナ部1sのみを燃焼させる状態と、主バーナ部1mにも燃料ガスを供給して主バーナ1mも燃焼させる状態とに切換自在としている。尚、副バーナ部1sの周方向一箇所に臨ませて点火プラグ7が設けられており、図示省略した点消火用の操作子の点火操作による点火プラグ7での火花放電で副バーナ部1sに点火される。
ここで、副バーナ部1sは、副バーナ用混合管5sの上流端の流入口5saに臨む図示省略したガスノズルからの燃料ガスの噴射に伴い流入口5saから一次空気が吸引されるようにした自然給気式バーナで構成される。一方、主バーナ用混合管5mの上流端には給気ファン8が接続されている。そして、主バーナ部1mは、給気ファン8から一次空気を強制的に供給する強制給気式バーナで構成される。尚、主バーナ用混合管5mの上流端近傍の側面には、混合管5m内部の図示省略したガスノズルに連なるガス流入口5maが設けられており、このガス流入口5maに主バーナ用ガス供給路6mが接続される。
上記元電磁弁61、ガス流量調節弁62、主バーナ用電磁弁63及び給気ファン8は、マイクロコンピュータから成る図示省略した制御手段で制御される。元電磁弁61は、点消火用の操作子の点火操作で開弁され、消火操作で閉弁されるように制御される。ガス流量調節弁62は、図示省略した火力調節用の操作子に連動して開度が変化するように制御される。主バーナ用電磁弁63は、火力調節用操作子が所定の中間位置を超えて強火側に操作されたときに開弁されるように制御される。また、給気ファン8は、火力調節用操作子が中間位置を超えて強火側に操作されたとき、即ち、主バーナ部1mで燃焼させるときに、主バーナ部1mへの燃料ガスの供給量に対応する基準回転数で回転するように制御される。この基準回転数は、主バーナ部1mに供給される混合気の空気過剰率が0.8〜1程度の比較的高い値になるように設定される。
図3は、本実施形態における火力調節用操作子の操作位置と主バーナ部1m及び副バーナ部1sへの燃料ガスの供給量との関係を示している。火力調節用操作子は、最小火力のP1位置と最大火力のP6位置との間で操作される。そして、火力調節用操作子がP3位置とP6位置との間に存するときに主バーナ用電磁弁63が開弁される。副バーナ部1sへの燃料ガスの供給量は、火力調節用操作子がP1位置とP2位置との間に存するときに所定の下限値Qminに維持され、P2位置からP6位置に操作するときに次第に増加する。ここで、上記下限値Qminは、副バーナ部1sで安定燃焼させるのに必要なガス供給量の下限に近い値に設定され、ガス供給量が下限値Qminより減少すると燃焼が不安定になって失火しやすくなる。
ここで、本実施形態の如く主バーナ部1mを強制給気式バーナで構成すれば、バーナ外径が小さくて圧力損失が大きくなっても、一次空気不足による燃焼不良を生じない。従って、バーナ外径を小さくして、主バーナ部1mも燃焼させる強火状態での熱効率を向上させることができる。尚、副バーナ部1sも強制給気式バーナで構成すると、吹き消えを防止する上で副バーナ部1sへの燃料ガスの供給量を然程絞ることができなくなるが、本実施形態の如く副バーナ部1sを自然給気式バーナで構成すれば、吹き消えの恐れなく副バーナ部1sへの燃料ガスの供給量を上記下限値Qminまで絞ることができ、ターンダウン比を比較的大きくすることが可能になる。
ところで、主バーナ部1mも燃焼させる状態では、環状のバーナヘッド3で囲われるバーナ中央空間を介して主バーナ部1mに燃焼用の二次空気が流れるが、副バーナ部1sのみを燃焼させる状態では、バーナ中央空間に二次空気は殆んど流れず、二次空気によるバーナヘッド3の冷却効果が得られなくなる。そして、副バーナ部1sの火炎による加熱でバーナヘッド3の温度が過度に上昇してしまい、バーナヘッド3の耐久性に悪影響が及ぶ。
そこで、本実施形態では、制御手段により、給気ファン8を以下の如く制御するようにした。即ち、図4に示す如く、主バーナ部1mも燃焼させる状態から副バーナ部1sのみを燃焼させる状態に切換えるとき、即ち、主バーナ用電磁弁63を閉弁させたとき(STEP1)、給気ファン8を一旦停止する(STEP2)。そして、主バーナ用電磁弁63を閉弁してから主バーナ部1mのガスが抜けきるまでに要する所定時間(例えば、5秒)経過したか否かを判別し(STEP3)、所定時間経過するまでは、給気ファン8を停止状態に維持し、所定時間経過後に給気ファン8を再度回転させる。ここで、火力調節用操作子がP2位置とP3位置との間の位置に存するときは(STEP4)、給気ファン8を所定の定常回転数(例えば、500rpm)で回転させ(STEP5)、火力調節用操作子が最小火力のP1位置に存するときは、給気ファン8を定常回転数よりも高い回転数(例えば、1000rpm)で回転させる(STEP6)。
本実施形態によれば、副バーナ部1sのみを燃焼させる状態で、バーナ中央空間に二次空気が流れなくなっても、給気ファン8の回転で主バーナ部1mに供給される空気によりバーナヘッド3が冷却される。従って、副バーナ部1sのみを燃焼させる状態でのバーナヘッド3の過熱を防止できる。
また、副バーナ部1sのみを燃焼させる状態で給気ファン8から供給される空気は、主炎口4mから副バーナ部1sの火炎と被加熱物(五徳に載置する鍋等)との間に送風されて、火力(被加熱物に対する加熱量)を下げる働きをする。そして、本実施形態では、火力調節用操作子をP1位置に操作したとき、副バーナ部1sへの燃料ガスの供給量を下限値から減少せずに、給気ファン8の回転数を副バーナ部1sのみを燃焼させる状態での定常回転数よりも高くするため、副バーナ部1sでの燃焼の安定性を損なうことなく最小火力を可及的に小さくして、ターンダウン比を可及的に大きくすることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、主バーナ部1mと副バーナ部1sへの燃料ガスの供給量を調節するガス量調節手段が共通ガス供給路6に介設したガス流量調節弁62で構成されているが、主バーナ用ガス供給路6mに主バーナ用ガス流量調節弁を介設すると共に副バーナ用ガス供給路6sに副バーナ用ガス流量調節弁を介設し、これら両ガス流量調節弁でガス量調節手段を構成してもよい。この場合、主バーナ用ガス流量調節弁を主バーナ用ガス供給路6mを完全に閉鎖する閉弁機能付きのものとし、副バーナ部1sのみを燃焼させる状態と主バーナ部1mも燃焼させる状態とに切換える切換手段として主バーナ用ガス流量調節弁を兼用することも可能である。
1…コンロバーナ、1m…主バーナ部、1s…副バーナ部、3…バーナヘッド、4m…主炎口、4s…副炎口、5m…主バーナ用混合管、5s…副バーナ用混合管、62…ガス流量調節弁(ガス量調節手段)、63…主バーナ用電磁弁(切換手段)、8…給気ファン。

Claims (2)

  1. 環状のバーナヘッドの外周面に開口する多数の主炎口を有する主バーナ部と、バーナヘッドの外周面に主炎口の下側で開口する多数の副炎口を有する副バーナ部と、主バーナ部と副バーナ部への燃料ガスの供給量を調節するガス量調節手段と、副バーナ部のみに燃料ガスを供給して副バーナ部のみを燃焼させる状態と主バーナ部にも燃料ガスを供給して主バーナ部も燃焼させる状態とに切換える切換手段とを備えるコンロバーナであって、
    副バーナ部は、副バーナ用混合管の上流端の流入口から一次空気が吸引されるようにした自然給気式バーナで構成され、
    主バーナ部は、主バーナ用混合管に給気ファンから一次空気を強制的に供給する強制給気式バーナで構成され、
    使用者の火力調節操作に応じてガス量調節手段と切換手段と給気ファンとを制御する制御手段を備えるものにおいて、
    制御手段は、副バーナ部のみを燃焼させるときにも、給気ファンを回転させる制御を行うことを特徴とするコンロバーナ。
  2. 前記制御手段は、前記副バーナ部のみを燃焼させる状態で火力を最小火力にする火力調節操作が行われたとき、副バーナ部への燃料ガスの供給量を所定の下限値から減少せずに、給気ファンの回転数を副バーナ部のみを燃焼させる状態での定常回転数よりも高くする制御を行うことを特徴とする請求項1記載のコンロバーナ。
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