JP6121252B2 - 可動式防波堤 - Google Patents

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Description

本発明は、必要に応じて水底から水面に向かって突出する可動式防波堤に関する。
水底に昇降可能な防波装置を設置して、津波が発生した場合又は荒天時等には防波装置を水面上まで突出させて、波の影響を低減する可動式防波堤が提案されている。例えば、特許文献1には、海底面に設けたコンクリートを貫通して水底地盤内に鉛直に挿入され、かつ密集状態で基礎コンクリートの表面に上端面を開口させて配列された複数の鞘鋼管と、鞘鋼管に昇降可能に挿入され、かつ下端面が開口し、上端面が閉塞された浮上用鋼管と、各浮上用鋼管内に空気を供給するための給気装置とを備えた可動式防波堤が記載されている。
特開2006−348611号公報
可動式防波堤は、可動部分を確実に浮上させることが要求される。本発明は、可動式防波堤が有する可動部分の浮上動作の信頼性を向上させることを目的とする。
本発明は、水底に埋め込まれて前記水底側に開口部を有する第1筒状部材と、前記第1筒状部材の内部に、前記第1筒状部材の長手方向に対して移動できるように配置されるとともに、内部に供給される気体により浮力を発生する第2筒状部材と、前記第2筒状部材の内部であって水面側に設けられる機器室と、前記第2筒状部材の内部であって前記機器室よりも水底側に設けられて、前記気体が供給される気室と、前記機器室内から前記気室に接続される排気管と、前記気室側から順に前記排気管へ直列に接続される第1排気弁及び第2排気弁と、前記第1排気弁及び前記第2排気弁の動作を制御する制御装置と、を含む可動式防波堤である。
この可動式防波堤は、排気管に第1排気弁と第2排気弁とが接続されている。このため、一方に不具合があって開いた状態のままであったとしても、他方を閉じることにより、沈降して水底にある可動部分、すなわち第2筒状部材を確実に浮上させることができる。その結果、可動式防波堤が有する可動部分の浮上動作の信頼性を向上させることができる。
本発明において、前記排気管の前記気室と前記第1排気弁との間から分岐する分岐管と、前記分岐管に接続される第3排気弁と、を有することが好ましい。分岐管及び第3排気弁により、第2筒状部材が浮上しているときに第1排気弁及び第2排気弁が何らかの原因で開かなくなった場合でも、第3排気弁を開くことにより、第2筒状部材を確実に沈降させることができる。
本発明において、前記排気管の前記気室と前記第1排気弁との間に設けられる第1圧力センサと、前記排気管の前記第1排気弁と前記第2排気弁との間に設けられる第2圧力センサと、を有することが好ましい。このようにすることで、第1圧力センサと第2圧力センサとを用いて、第1排気弁及び第2排気弁の動作及び密閉等を検査することができる。
本発明において、前記気室の圧力を検出する気室用圧力センサと、前記機器室の圧力を検出する機器室用圧力センサと、を有することが好ましい。このようにすることで、気室の圧力変化から、意図しない気体の供給を検知することができる。
本発明において、前記排気管の前記第1排気弁と前記気室との間に接続される開閉弁を有することが好ましい。第2筒状部材が浮上しているときにこれを点検する場合、開閉弁を閉じることにより、気室からの気体の漏洩が抑制されるので、第2筒状部材の沈降を回避できる。
本発明において、前記制御装置は、前記第1排気弁及び前記第2排気弁を開いた後に前記第2筒状部材が沈降を開始したら、前記第1排気弁及び前記第2排気弁を閉じることが好ましい。このようにすることで、第2筒状部材が沈降して着底するときの衝撃を緩和することができる。
本発明において、前記制御装置は、前記第1圧力センサ及び前記第2圧力センサが検出した圧力に基づき、前記第1排気弁及び前記第2排気弁の状態を検出することが好ましい。このようにすることで、第2筒状部材が沈降して水底にあるときでも、第1排気弁及び第2排気弁の動作及び密封を確認することができる。
本発明において、前記制御装置は、前記第2筒状部材の内部に誤って前記気体が供給された場合には、少なくとも前記第1排気弁及び前記第2排気弁を開くことが好ましい。このようにすることで、誤って気体が第2筒状部材へ供給された場合であっても、第2筒状部材の意図しない浮上を回避することができる。
本発明において、少なくとも前記制御装置を格納する第1水密筐体と、少なくとも前記第1排気弁及び前記第2排気弁を格納する第2水密筐体と、を有することが好ましい。このようにすることで、制御装置、第1排気弁及び第2排気弁の水没を回避できるので、これらの動作の信頼性を確保できる。また、複数の水密筐体により、質量のバランスを確保しやすくなる。
本発明において、前記第1水密筐体及び前記第2水密筐体は、それぞれ内部に漏水検出センサを有することが好ましい。漏水検出センサにより、第1水密筐体又は第2水密筐体への浸水を検出することができる。
本発明において、前記制御装置は、前記漏水検出センサが水を検出したら、前記第2筒状部材を浮上させることが好ましい。このようにすることで、第1水密筐体又は第2水密筐体への浸水があった場合には、第2筒状部材を浮上させて、漏水箇所を補修することができる。
本発明において、前記第1水密筐体と前記第2水密筐体との少なくとも一方は、内部に加速度検出センサを有することが好ましい。このようにすることで、第2筒状部材等に与えられた衝撃を検出することができる。
本発明によれば、可動式防波堤が有する可動部分の浮上動作の信頼性を向上させることができる。
図1は、本実施形態に係る可動式防波施設の平面図である。 図2は、図1のA−A矢視図である。 図3は、図1のB−B断面図である。 図4は、本実施形態に係る可動式防波堤を備える可動式防波施設の全体構成図である。 図5−1は、本実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する様子を示す模式図である。 図5−2は、本実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する様子を示す模式図である。 図5−3は、本実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する様子を示す模式図である。 図6は、本実施形態に係る可動式防波堤が備える機器の構成を示す概略図である。 図7は、本実施形態に係る可動式防波堤が備える機器への電力供給を実現する構成を示す模式図である。 図8は、本実施形態に係る可動式防波堤における通信を実現するための構成を示す模式図である。
本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の省略、置換又は変更を行うことができる。本実施形態に係る可動式防波堤は、海底、川底等の水底に設置されて、例えば、津波又は高潮等が発生した場合には、水底から水面上に浮上して、津波や高潮から港湾設備等を防御する。
図1は、本実施形態に係る可動式防波施設の平面図である。図2は、図1のA−A矢視図である。図2は、本実施形態に係る可動式防波堤が浮上した状態を示している。図3は、図1のB−B断面図である。図3は、本実施形態に係る可動式防波堤が水底にある状態、すなわち浮上前の状態を示している。図4は、本実施形態に係る可動式防波堤を備える可動式防波施設の全体構成図である。図5−1から図5−3は、本実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する様子を示す模式図である。
図1から図3に示すように、可動式防波施設1は、複数の可動式防波堤10と、監視施設100とを含む。本実施形態において、複数の可動式防波堤10は、岸壁K1、K2の間に一列に配置されて、港の内側(港内BI)と港の外側(港外BO)とを仕切っている。可動式防波堤10は、第1筒状部材の内側に第2筒状部材が配置されるとともに、第2筒状部材の内部に気体(本実施形態では空気)を供給することによって第2筒状部材を浮上させる構造である。第2筒状部材は、可動式防波堤の可動部分に相当する。
それぞれの可動式防波堤10には、送気管3から空気が送られる。複数の送気管3は、水底に配置される送気管ダクト2にまとめられて、一方の岸壁K2上の監視施設100内に備えられる気体供給装置に接続される。そして、有事の際(例えば、津波や高潮等の発生時)には、前記気体供給装置から送気管3を介して、それぞれの可動式防波堤10の第2筒状部材内へ気体が供給されて、前記第2筒状部材が水底から浮上し、一部が水面から突出する。
図2、図3に示すように、水底地盤E内には、可動式防波堤10が打ち込まれ、上層部の周囲には捨て石5が敷設されている。図3に示すように、可動式防波堤10は、第1筒状部材である外筒管11と、第2筒状部材(可動式防波堤10の可動部分)である浮上管12とを有する。外筒管11及び浮上管12は筒状(本実施形態では円筒)の部材であり、鋼管で製造される。外筒管11及び浮上管12は、いずれも電気防食等の防食処理が施されている。なお、外筒管11及び浮上管12は円筒形状に限られるものではない。
図3に示すように、外筒管11は水底側に開口部11oを有する。浮上管12は、外筒管11の内部に、外筒管11の長手方向(管軸方向)に対して移動可能に差し込まれ、配置される。そして、浮上管12は、その内部に供給される気体によって浮力を発生して、外筒管11から浮上可能になっている。本実施形態において、浮上管12は、内部に複数の仕切り部材(本実施形態では板状の部材)15、16が設けられている(以下、仕切り部材15を第1仕切り部材といい、仕切り部材16を第2仕切り部材という)。また、本実施形態において、浮上管12は一方の端部(浮上管12の浮上方向側、すなわち水面WL側の端部)が蓋17によって閉塞されている。そして、第1仕切り部材15、第2仕切り部材16、蓋17によって、浮上管12の内部が複数の部屋に仕切られる。なお、必ずしも蓋17を設ける必要はない。
第1仕切り部材15と第2仕切り部材16と浮上管12の側部とで仕切られる空間13は、送気管3から浮上管12の内部に供給された気体を溜めて、浮上管12に浮力を発生させるための空間である。以下、空間13を気室13という。蓋17と第1仕切り部材15と浮上管12の側部とで仕切られる空間CRは、可動式防波堤10の状態を監視したり、送気管3から気体が供給されなかった場合に浮上管12を浮上させたり、浮上した浮上管12を外筒管11の内部に戻す動作をさせたりするための機器(制御機器)20が配置されている。以下、空間CRを機器室CRという。第2仕切り部材16は、孔16Hを備える。孔16Hは、送気管3から浮上管12の内部に供給される気体を気室13へ導く。
浮上管12の側部内面には、浮力発生手段14が取り付けられる。浮力発生手段14は、例えば、気泡を有する樹脂、例えば、発泡スチロール等である。また、浮力発生手段14は、単なる空間に空気や窒素等の気体を充填した構造としてもよい。可動式防波堤10は、有事の際には浮上管12の気室13に気体を供給し、この気体によって浮上管12に浮力を発生させ、浮上管12を外筒管11から浮上させる。浮力発生手段14を浮上管12に取り付けることにより、浮上管12を浮上させる際には、浮上管12を浮上させるために必要な浮力のうち、浮力発生手段14が発生する浮力で不足する分を気体によってまかなえばよい。これによって、浮上管12の内部に供給する気体の量を低減できるので、浮上管12を迅速に浮上させることができる。
浮上管12の浮上方向とは反対側の端部には、開口部12oが設けられる。送気管3は、外筒管11の底部から外筒管11の内部に差し込まれ、気体出口3eが外筒管11の内部に配置される。図3には1本の送気管3が記載されているが、後述するように、本実施形態においては、2本の送気管3を用いる。なお、送気管3の本数は、1本又は2本に限定されるものではない。送気管3の気体出口3eは、開口部12oの下側(鉛直方向側)に配置される。また、送気管3の気体入口は、上述した気体供給装置に接続されている。次に、気体供給装置を説明する。
気体供給装置は、図4に示す第1送気管3A、第2送気管3Bと、第1気体ボトル104A、第2気体ボトル104B、第3気体ボトル104Cと、第1開閉弁110A、第2開閉弁110B、三方弁110Cと、電動機103と、電動機103に駆動される圧縮機102とを含む。これらは、監視施設100に備えられる。圧縮器102は、電動機103に駆動されて圧縮した気体を吐出する。圧縮器102と第1気体ボトル104A、第2気体ボトル104B及び第3気体ボトル104Cとは、それぞれ気体供給通路116A、116B、116Cで接続されている。圧縮器102は、圧縮した気体を気体供給通路116A、116B、116Cへ吐出し、第1気体ボトル104A、第2気体ボトル104B、第3気体ボトル104Cへ供給する。第1気体ボトル104A、第2気体ボトル104B及び第3気体ボトル104Cは、それぞれの可動式防波堤10に対して設けられている。
本実施形態では、第1送気管3A及び第2送気管3Bが浮上管12の内部に気体を供給する。第1送気管3Aの気体出口3ea及び第2送気管3Bの気体出口3ebは、浮上管12の下側における開口部12oの下側(鉛直方向側)に配置される。第1送気管3Aの気体入口及び第2送気管3Bの気体入口は、それぞれ第1開閉弁110A、第2開閉弁110Bに接続されている。第1開閉弁110Aと第1気体ボトル104Aとは気体供給通路117Aで接続され、第2開閉弁110Aと第2気体ボトル104Bとは気体供給通路117Bで接続される。三方弁110Cの入口と第3気体ボトル104Cとは気体供給通路117Cで接続される。三方弁110Cの一方の出口は、気体供給通路117Dで第1送気管3Aに接続され、他方の出口は、気体供給通路117Eで第2送気管3Bに接続される。
第1気体ボトル104A、第2気体ボトル104B及び第3気体ボトル104Cには、圧縮機102によって高圧(20MPa程度)の気体が充填されている。そして、浮上管12を浮上させる際には、第1開閉弁110Aと第2開閉弁110Bとの少なくとも一方が開かれて、第1気体ボトル104Aと第2気体ボトル104Bとの少なくとも一方の気体が第1送気管3Aと第2送気管3Bとの少なくとも一方を通って浮上管12の内部に供給される。浮上管12を浮上させる場合、通常は第1気体ボトル104A又は第2気体ボトル104Bの一方から浮上管12内に気体を供給する。この場合、第1開閉弁110A又は第2開閉弁110Bの一方が開かれる。急速に浮上管12を浮上させたい場合、第1気体ボトル104A及び第2気体ボトル104Bの両方を用いて浮上管12を浮上させる。この場合、第1開閉弁110A及び第2開閉弁110Bの両方が開かれる。
また、1台の可動式防波堤10に対して第1気体ボトル104Aと第2気体ボトル104Bとが用意されているので、一方の気体供給系統に何らかの不具合が発生した場合には、他方をバックアップとして用いることもできる。その結果、より確実に浮上管12を浮上させることができる。さらに、本実施形態では、第3気体ボトル104Cから第1送気管3Aと第2送気管3Bとのいずれか一方に気体を供給することもできる。このようにすることで、第1気体ボトル104A及び第2気体ボトル104Bの両方が空になっている場合でも、第3気体ボトル104Cを用いて浮上管12を浮上させることができるので、確実に浮上管12を浮上させることができる。その結果、可動式防波堤が有する可動部分、すなわち浮上管12の浮上動作の信頼性を向上させることができる。
電動機103及び圧縮機102は、監視・制御装置101によって制御される。監視・制御装置101は、例えば、第1気体ボトル104A、第2気体ボトル104B及び第3気体ボトル104C内に充填されている気体の圧力を気体圧力センサ111A、111B、111Cによって取得する。そして、第1気体ボトル104A等に充填されている気体の圧力が規定の圧力よりも低い場合には電動機103を駆動して圧縮機102を作動させ、規定の圧力になるまで圧縮機102から第1気体ボトル104A等へ気体を充填する。また、監視・制御装置101は、第1送気管3A及び第2送気管3Bに設けられた第1送気管3A及び第2送気管3B内の圧力を検出する送気管圧力検出センサ(送気管内圧力検出手段)105A、105Bから第1送気管3A等の内部の圧力を取得して、第1送気管3A等に漏洩箇所があるか否かを監視する。
さらに、監視・制御装置101は、可動式防波堤10の機器室CR内の制御機器20と通信して、可動式防波堤10の状態を監視したり、浮上管12の動きを制御したりする。例えば、浮上した浮上管12を外筒管11内に戻す場合、監視・制御装置101は、制御機器20を介して、気室13と気室13の外部とを接続する配管の途中に設けられた排気弁を開く。これによって、気室13内の気体が気室13の外部に放出されるとともに、気室13内の気体が水に置換されて浮上管12の浮力が低下するので、浮上管12は沈降して外筒管11内に収まる。
有事の際、例えば、監視・制御装置101が津波や高潮等の警報を受信した場合、監視・制御装置101は、第1開閉弁110Aと第2開閉弁110Bとの少なくとも一方を開き、図5−1に示すように、第1送気管3Aと第2送気管3Bとの少なくとも一方を介して第1気体ボトル104A等の気体を浮上管12の内部に供給する。第1送気管3A等から浮上管12内へ供給された気体は、図5−1に示すように、第2仕切り部材16の孔16Hを通って気室13へ入る。気室13の内部の気体によって発生する浮力と、浮力発生手段14によって発生する浮力との和が水中における浮上管12全体の重量を超えると、図5−2に示すように、浮上管12は水面WLに向かって外筒管11から浮上を開始する。そして、図5−3に示すように、浮上管12の一部が水面WL上に突出する。このとき、気室13内の余分な気体は、気室13に設けられた孔D1から排出される。また、機器室CR内の水は機器室CRに設けられた孔D2から排水される。このようにして、有事の際には、図2に示すように複数の浮上管12が一列に水面WLから突出して防波堤の機能を発揮し、津波や高潮等から港湾設備等を保護する。
図6は、本実施形態に係る可動式防波堤が備える機器の構成を示す概略図である。図7は、本実施形態に係る可動式防波堤が備える機器への電力供給を実現する構成を示す模式図である。図8は、本実施形態に係る可動式防波堤における通信を実現するための構成を示す模式図である。本実施形態では、上述したように、可動式防波堤10の機器室CRに制御機器20を設けて、可動式防波堤10の状況を監視したり浮上管12を外筒管11内に戻したりする。機器室CRは、第1仕切り部材15と蓋17と浮上管12とで囲まれる空間である。図6に示すように、制御機器20は、制御装置21と、電源変換器22と、蓄電池24と、接続器25と、第1排気弁26と、第2排気弁27と、第1圧力センサ40と、第2圧力センサ41と、漏水検出センサ45、46と、加速度センサ47とを含む。
制御装置21と、電源変換器22と、蓄電池24と、漏水検出センサ45と、加速度センサ47とは、第1水密筐体20CA内に格納されている。接続器25と、第1排気弁26と、第2排気弁27と、第1圧力センサ40と、第2圧力センサ41と、漏水検出センサ46とは、第2水密筐体20CB内に格納されている。第1水密筐体20CA及び第2水密筐体20CBは、水密構造を有しており、内部に格納された機器類を密封する。このようにすることで、浮上管12が沈降した後、第1水密筐体20CA及び第2水密筐体20CBが水没しても、これらの内部の機器類への浸水を回避する。第1水密筐体20CA及び第2水密筐体20CBは、浮上管12の内壁に設けられた支持台19に載置されて固定される。
第1水密筐体20CAと第2水密筐体20CBとは、浮上管12の長手方向における軸の周りに配置される。第1水密筐体20CAと第2水密筐体20CBとがこのように配置されることで、機器室CR内における質量のバランスが向上する。その結果、浮上管12が浮上するときには、外筒管11に対する浮上管12の傾斜が抑制されるので、浮上管12が滑らかに浮上する。また、浮上管12と外筒管11との接触面に作用する力を低減できる。機器室CR内における質量のバランスを向上させる観点からは、前記軸に対して対称に配置することが好ましい。また、内部の機器類を含めた第1水密筐体20CAと第2水密筐体20CBとの質量を考慮して、前記軸から第1水密筐体20CAと第2水密筐体20CBとの距離を調整してもよい。
制御装置21は、例えば、コンピュータである。電源変換器22は、非接触電力電送装置30を介して地上の電源106から供給される電力を、制御装置21、第1排気弁26及び第2排気弁27を駆動するために適したものにしたり、電源106から供給される電力で蓄電池24を充電したりする。蓄電池24は、浮上管12の浮上時で、非接触電力伝送装置30を介して地上の電源106から供給される電力がなくなったときに、制御装置21へ電力を供給する。加速度センサ47は、浮上管12に与えられる加速度を検出する。加速度センサ47は、例えば、物体が浮上管12に衝突したことを検出することができる。漏水検出センサ45は、第1水密筐体20CA内へ浸入した水を検出する。
接続器25は、第2水密筐体20CB内の機器類、すなわち第1排気弁26、第2排気弁27、第1圧力センサ40、第2圧力センサ41及び漏水検出センサ46と、第1水密筐体20CA内の制御装置21とを電気的に接続する。第1排気弁26及び第2排気弁27は、機器室CR内から気室13に接続される排気管60に、気室13側から順に直列に接続される。そして、第1排気弁26及び第2排気弁27が開閉することで、排気管60を気体が通過する状態と気体が通過しない状態とを切り替える。第1排気弁26及び第2排気弁27は、いずれも電気で動作するアクチュエータ(モータ又はソレノイド等)で開閉する、電動式の開閉弁である。制御装置21は、第1排気弁26及び第2排気弁27の開閉動作を制御する。第1圧力センサ40は、排気管60の気室13と第1排気弁26との間に設けられる。第2圧力センサ41は、排気管60の第1排気弁26と第2排気弁27との間に設けられる。第1圧力センサ40及び第2圧力センサ41は、排気管60内の圧力を検出する。漏水検出センサ46は、第2水密筐体20CB内へ浸入した水を検出する。
排気管60は、排気通路60A、60B、60C、60D、60E、60Fを有している。排気通路60Aは、気室13に開口している。排気通路60Aと排気通路60Bとの間には、開閉弁62が取り付けられている。開閉弁62は、作業者の操作によって開閉する。通常、開閉弁62は開かれているが、浮上管12を浮上させた状態で、機器室CR内を点検する際に作業者が機器室CR内へ入る場合には閉じられる。このようにすることで、気室13内の気体が気室13の外部へ放出されることを回避して、点検中に浮上管12が沈降することを回避する。
排気通路60Bは、第1排気弁26と開閉弁62とを接続する。排気通路60Bからは、分岐管60Gが分岐している。すなわち、分岐管60Gは、排気管60の気室13と第1排気弁26との間から分岐する。排気通路60Bには、圧力取り出し弁29が取り付けられている。圧力取り出し弁29の排気通路60Bとは反対側には、第1圧力センサ40が取り付けられている。第1圧力センサ40は、圧力取り出し弁29を介して排気管60、より具体的には排気通路60B内の圧力を検出する。圧力取り出し弁29も開閉弁62と同様に、通常は開かれている。
排気通路60Cは、第1排気弁26と第2排気弁27とを接続する。また、排気通路60Cには、第2圧力センサ41が取り付けられている。第2圧力センサ41は、排気管60、より具体的には排気通路60C内の圧力を検出する。第2排気弁27の排気通路60Cとは反対側には、排気通路60Dが接続されている。排気通路60Dは、機器室CR内に開口している。このような構造により、第1排気弁26と第2排気弁27とが閉じられた状態で気室13へ気体が供給されると、浮上管12は浮上する。この場合、後述するように、第3排気弁28も閉じられている。浮上した浮上管12を沈降させるときには、第1排気弁26と第2排気弁27とが開かれることにより、気室13の気体が機器室CR内に放出され、機器室CR内の開口CRHから浮上管12の外部に放出されて、浮上管12は沈降する。
本実施形態では、排気管60に第1排気弁26と第2排気弁27とが接続されている。このため、一方に不具合があって開いた状態のままであったとしても、他方を閉じることにより、沈降している浮上管12を確実に浮上させることができる。その結果、可動式防波堤が有する可動部分、すなわち浮上管12の浮上動作の信頼性を向上させることができる。
分岐管60Gには、第3排気弁28が接続されている。第3排気弁28は、蓋17の凹部17U内に配置される。凹部17Uは、蓋17が機器室CR側に凹んだ部分である。第3排気弁28は、凹部17U内に配置されるので、蓋17の表面から突出しない。このため、第3排気弁28は、水底において異物等の衝突等から保護される。第3排気弁28が開閉することで、分岐管60Gを気体が通過する状態と気体が通過しない状態とを切り替える。第3排気弁28は、電気で動作するアクチュエータ(モータ又はソレノイド等)で開閉するとともに、作業者の操作によっても開閉する、電動式かつ手動式の開閉弁である。制御装置21は、第3排気弁28の開閉動作を制御する。
浮上管12が沈降している状態から浮上する場合、第3排気弁28は閉じられる。このとき、第1排気弁26及び第2排気弁27も閉じられている。この状態で気室13に気体が供給されると浮上管12は浮上する。浮上している浮上管12を沈降させる場合、第1排気弁26及び第2排気弁27が開かれるが、このとき、第3排気弁28も開かれてもよい。また、浮上管12を沈降させるときには、第3排気弁28のみが開かれてもよい。第1排気弁26、第2排気弁27及び第3排気弁28をすべて開くことにより浮上管12を急速に沈降させることができる。また、第1排気弁26及び第2排気弁27が開かなかった場合、第3排気弁28を開くことにより、浮上管12を確実に沈降させて、航路等を確保することができる。
例えば、何らかの原因で、浮上管12が浮上した後に、第1排気弁26、第2排気弁27及び第3排気弁28が制御装置21によって動作しなくなった場合、作業者が第3排気弁28を手動で操作することにより、第3排気弁28を介して気室13内の気体を排出させることができる。このように、第3排気弁28を電動式かつ手動式の開閉弁とすることにより、第1排気弁26、第2排気弁27及び第3排気弁28のすべてが電動で開かなくなった場合でも、確実に浮上管12を沈降させて航路等を確保することができる。第3排気弁28は、蓋17の凹部17U内に設けられているので、作業者がアクセスしやすいという利点がある。
機器室CR内には、気室13の圧力を検出する気室用圧力センサ42と、機器室CRの圧力を検出する機器室用圧力センサ43とが配置される。気室用圧力センサ42及び機器室用圧力センサ43の出力は、制御装置21が取得する。気室用圧力センサ42は、圧力検出管61に取り付けられている。圧力検出管61は、気室13に開口している。気室13と気室用圧力センサ42との間には、弁装置63が取り付けられている。弁装置63は、通常は開いており、気室13と圧力検出管61とを連通させる。圧力検出管61の気室13とは反対側の端部には、気室用圧力センサ42が接続されている。気室用圧力センサ42は、圧力検出管61内の圧力を検出することにより、気室13内の圧力を検出する。機器室用圧力センサ43は、機器室CR内の圧力を検出する。浮力発生手段14として、気体を封入したタンクを用いる場合、前記タンク内の圧力を検出するタンク内圧力センサ44を用いる。制御装置21は、タンク内圧力センサ44が検出した前記タンク内の圧力に基づき、前記タンク内への浸水を検出する。浮力発生手段14に発泡スチロール等を用いる場合、タンク内圧力センサ44は用いなくてもよいが、信頼性を向上させるため、前述した場合であってもタンク内圧力センサ44を用いることが好ましい。
蓋17の機器室CRとは反対側には、外側信号送受信部80が取り付けられる。制御装置21は、浮上管12が浮上したときには、外側信号送受信部80を介して陸上の監視・制御装置101と通信する。外筒管11及び浮上管12の蓋17側には、非接触電力電送装置30と非接触信号電送装置31とが配置される。蓋17側における外筒管11の端部11Tには、凹部11Uが設けられる。浮上管12の蓋17側における外周部には、凹部18が設けられる。非接触電力電送装置30及び非接触信号電送装置31は、凹部11U、18に設置される。非接触電力伝送装置30及び非接触信号電送装置31を一体化した装置とし、この一体化した装置を図6に示す非接触電力伝送装置30及び非接触信号電送装置31の場所に2セット配置して、通信及び電力供給の安定のために2重経路化を図るとより好ましい。
図6、図7に示すように、非接触電力電送装置30は、対向して配置される電力受信部30Bと電力送信部30Aとを有しており、電磁誘導を利用して電力や信号を非接触で伝送する。電力受信部30Bは浮上管12側の凹部18に設置され、電力送信部30Aは外筒管11側の凹部11Uに設置される。電力送信部30Aは、陸上の監視施設100が備える電源106と電気的に接続されている。電源106は、交流をそのまま又は直流電源をインバータによって交流に変換して、電力送信部30Aへ送る。図7に示すように、電力送信部30Aは、給電側コイル51と給電回路50とを有し、電力受信部30Bは、受電側コイル53と受電回路52とを有する。非接触電力電送装置30は、電力送信部30Aの給電側コイル51へ交流が流れることにより発生する磁界の変化によって電力受信部30Bの受電側コイル53へ誘導起電力を発生させ、非接触で電源106から送られる電力を制御機器20の電源変換器22へ伝送する。すなわち、非接触電力電送装置30は、電力送信部30Aで電気エネルギを磁気エネルギに変換して伝送し、電力受信部30Bでその磁気エネルギを電気エネルギに変換して、非接触で電力を伝送する。
電源変換器22は、電力受信部30Bから交流で伝送されてきた電力を直流に変換して制御装置21へ供給したり、蓄電池24へ充電したりする。蓄電池24を充電するにあたって、蓄電池24の充電量が不足している場合、制御装置21は、蓄電池24の充電量や端子電圧や温度等を監視して、適切に蓄電池24へ充電されるように電源変換器22を制御する。本実施形態において、制御装置21は、浮上管12が沈降して外筒管11の内部に収まっているか否かを判定し、浮上管12が沈降して外筒管11の内部に収まっている場合、制御装置21は電源変換器22を制御して、電源変換器22から制御装置21へ電力が供給されるようにする。
一方、浮上管12が浮上している場合、電力受信部30Bと電力送信部30Aとが離れるため、非接触電力電送装置30を介して陸上の電源106から制御装置21へ電力を供給することはできない。この場合、制御装置21は、蓄電池24から制御装置21へ電力が供給されるようになっている。これによって、浮上管12の浮上時においても、制御装置21は、可動式防波堤10の監視や制御を継続できる。なお、浮上管12が沈降して外筒管11の内部に収まっている場合、電力受信部30Bが受信し、電源変換器22から供給される電力を、制御装置21とともに蓄電池24へ供給する。
制御装置21は、陸上に配置される監視施設100の監視・制御装置101からの指令により、浮上した浮上管12を沈降させたり、緊急時に監視装置100の監視・制御装置101へ指令を送り、浮上管12を浮上させたりする。また、制御装置21は、可動式防波堤10の状態、例えば、浮上管12が確実に外筒管11の内部に収納されたか否か、浮上管12が確実に浮上したか否か、蓄電池24に異常がないか否か等を監視する。このため、制御装置21と監視・制御装置101とは相互に通信して情報をやり取りできるようになっている。このため、制御装置21は、外側信号送受信部80と接続されている。本実施形態において、外側信号送受信部80は、浮上管12の浮上方向側における端部(この例では蓋17)に取り付けられる。
本実施形態においては、図6、図8に示すように、陸上には陸上信号送受信部107を設け、監視施設100の監視・制御装置101と接続する。そして、可動式防波堤10の外側信号送受信部80と陸上信号送受信部107との間で電磁波を搬送波として通信して、情報をやり取りする。より具体的には、浮上管12の外側信号送受信部80が水面WL上にあるときには外側信号送受信部80と陸上信号送受信部107との間で通信する。
本実施形態では、図7に示すように、浮上管側信号送受信部31Bと水中側信号送受信部31Aとを含む非接触信号電送装置31を備える。浮上管側信号送受信部31Bは浮上管12側の凹部18に設置され、水中側信号送受信部31Aは外筒管11側の凹部11Uに設置される。浮上管側信号送受信部31Bと水中側信号送受信部31Aとは、浮上管12が沈降して外筒管11の内部に収まっているとき、対向して配置される。水中側信号送受信部31Aは、水中側送受信コイル55と水中側送受信回路54とを有し、浮上管側信号送受信部(第2筒状部材側送受信部)31Bは、浮上管側送受信コイル(第2筒状部材側送受信コイル)57と浮上管側送受信回路(第2筒状部材側送受信回路)56とを有する。非接触信号電送装置31は、浮上管側信号送受信部31Bと水中側信号送受信部31Aとの間で信号を送受信する。水中側送受信コイル55及び水中側送受信回路54は、電気信号を電磁波信号に変換する。また、浮上管側送受信コイル57及び浮上管側送受信回路56は、水中側信号送受信部31A、より具体的には水中側送受信コイル55から出力される電磁波信号を電気信号に変換する。
外側信号送受信部80に加え、非接触信号電送装置31を用いることで、浮上管12が沈降して外筒管11の内部に収まっているときには、非接触信号電送装置31によっても可動式防波堤10の制御機器20と監視施設100の監視・制御装置101との間で通信して、情報をやり取りできる。ここで、浮上管12が浮上すると、非接触信号電送装置31を用いた情報のやり取りはできなくなるので、外側信号送受信部80を用いて、可動式防波堤10の制御機器20と監視施設100の監視・制御装置101との間で通信して、情報をやり取りすることになる。次に、制御装置21による制御例を説明する。
制御装置21は、浮上管12が浮上している状態で第1排気弁26及び第2排気弁27を開いた後に、浮上管12が沈降を開始したら、第1排気弁26及び第2排気弁27を閉じる。このようにすることで、制御装置21は、浮上管12が着底したときの衝撃を緩和させることができる。
また、制御装置21は、浮上管12の内部、より具体的には気室13に誤って気体が供給された場合には、少なくとも第1排気弁26及び第2排気弁27を開く。このとき、第3排気弁28を開いてもよい。このようにすることで、意図しないタイミングで浮上管12が浮上することを回避できる。例えば、地上の監視・制御装置101は、浮上の指令を制御装置21へ送信しない状態で、気室用圧力センサ42から浮上時に相当する気室13の圧力変化を制御装置21から受信した場合、制御装置21を介して第1排気弁26及び第2排気弁27を開く。また、地上の監視・制御装置101は、浮上管12への気体の供給を停止する。このようにして、誤った気体の供給による浮上管12の意図しない浮上が回避される。また、浮上中の浮上管12の上方を船舶が通過するような場合にも、監視・制御装置101は、第1排気弁26及び第2排気弁27を開くとともに、気体の供給を停止する。
浮上管12へ誤って気体が供給されないようにするため、地上の監視・制御装置101は、浮上管12へ気体を供給する際に、モニタ又はスピーカ等に、気体を供給してもよいか否かのメッセージを報知させるとともに、少なくとも2回のスイッチの操作によって気体の供給を開始する。このようにすることで、浮上管12に対する誤った気体の供給のおそれを低減することができる。
さらに、制御装置21は、複数(本実施形態では2個)の漏水検出センサ45、46のうち少なくとも1個が水を検出したら、浮上管12を浮上させる。漏水検出センサ45、46が水を検出するということは、第1水密筐体20CAと第2水密筐体20CBとの少なくとも一方に浸水したおそれがあるということである。上述したような制御により、第1水密筐体20CAと第2水密筐体20CBとに浸水のおそれがあるときには、制御装置21から地上の監視・制御装置101へ指令を送り、浮上管12を浮上させて点検することができる。
次に、浮上管12が長期間沈降している場合の動作確認について説明する。第1排気弁26及び第2排気弁27が正常に動作するか否か、第1排気弁26及び第2排気弁27の密閉が保たれているか否か及び排気管60に詰まりがないか否か等を確認するため、制御装置21は、第1圧力センサ40及び第2圧力センサ41が検出した圧力に基づき、第1排気弁26及び第2排気弁27の状態を検出する。具体的には、制御装置21は、気室13と第1排気弁26との間の圧力を第1圧力センサ40から取得し、第1排気弁26と第2排気弁27との間の圧力を第2圧力センサ41から取得する。そして、制御装置21は、第1圧力センサ40及び第2圧力センサ41が検出した圧力又は圧力の変化に基づき、第1排気弁26及び第2排気弁27の動作、密閉(リークがないこと)及び開放(詰まっていない)等を検出し、地上の監視・制御装置101へ送信する。
例えば、排気管60、第1排気弁26及び第2排気弁27がすべて正常である場合、気室13に気体が残留している場合、気室13の圧力と気室13から第1圧力センサ40の間における排気管60(排気通路60A)の圧力とは等しくなる。第1排気弁26を開いたとき、第1圧力センサ40が検出した圧力と第2圧力センサ41が検出した圧力とが等しくなり、これらの圧力と気室用圧力センサ42が検出した圧力とが等しくなる。第1排気弁26を閉じて第2排気弁27を開くと、第1排気弁26と第2排気弁27との間の圧力(第2圧力センサ41が検出した圧力)は、排気通路60Cの圧力(機器室CR内の圧力であり、気室用圧力センサ42が検出した圧力)と等しくなる。
第1圧力センサ40が検出した圧力と、気室用圧力センサ42が検出した圧力とが等しい場合、排気通路60Aに詰まりはないと判断できる。この状態で、第1排気弁26を開いたとき、第1圧力センサ40が検出した圧力と第2圧力センサ41が検出した圧力とが等しくなり、これらの圧力と気室用圧力センサ42が検出した圧力とが等しくなれば、第1排気弁26は正常に動作しているともに、排気通路60Bに詰まりはないと判断できる。次に、第1排気弁26を閉じて第2排気弁27を開いた状態において、第2圧力センサ41が検出した圧力と気室用圧力センサ42が検出した圧力とが等しくなれば、第2排気弁27は正常に動作しているともに、排気通路60Cに詰まりはないと判断できる。
第1排気弁26を閉じて第2排気弁27を開いたとき、第1圧力センサ40が検出した圧力と第2圧力センサ41が検出した圧力との差圧が、気室用圧力センサ42が検出した圧力と機器室用圧力センサ43が検出した圧力との差圧と等しくなれば、第2排気弁26の密閉は確保されていると判断できる。第1排気弁26を開いて第2排気弁27を閉じたとき、第2圧力センサ41が検出した圧力と機器室用圧力センサ43が検出した圧力との差圧が、気室用圧力センサ42が検出した圧力と機器室用圧力センサ43が検出した圧力との差圧と等しくなれば、第1排気弁27の密閉は確保されていると判断できる。例えば、このようなアルゴリズムにより、第1排気弁26、第2排気弁27及び排気管60の状態を判断することができる。
1 可動式防波施設
3 送気管
3A 第1送気管
3B 第2送気管
3e、3ea、3eb 気体出口
10 可動式防波堤
11 外筒管
12 浮上管
12S 側部
13 気室(空間)
14 浮力発生手段
15 第1仕切り部材(仕切り部材)
16 第2仕切り部材(仕切り部材)
17 蓋
20 制御機器
20CA 第1水密筐体
20CB 第2水密筐体
21 制御装置
22 電源変換器
24 蓄電池
25 接続器
26 第1排気弁
27 第2排気弁
30 非接触電力電送装置
30A 電力送信部
30B 電力受信部
31 非接触信号電送装置
31A 水中側信号送受信部
31B 浮上管側信号送受信部
40 第1圧力センサ
41 第2圧力センサ
42 気室用圧力センサ
43 機器室用圧力センサ
44 タンク内圧力センサ
45 漏水検出センサ
46 漏水検出センサ
47 加速度センサ
60 排気管
60G 分岐管
61 圧力検出管
62 開閉弁
63 弁装置
100 監視施設
101 監視・制御装置
102 圧縮機
104A 第1気体ボトル
104B 第2気体ボトル
104C 第3気体ボトル
106 電源
107 陸上信号送受信部
108 水中信号送受信部
110A 第1開閉弁
110B 第2開閉弁
110C 三方弁

Claims (12)

  1. 水底に埋め込まれて前記水底側に開口部を有する第1筒状部材と、
    前記第1筒状部材の内部に、前記第1筒状部材の長手方向に対して移動できるように配置されるとともに、内部に供給される気体により浮力を発生する第2筒状部材と、
    前記第2筒状部材の内部であって水面側に設けられる機器室と、
    前記第2筒状部材の内部であって前記機器室よりも水底側に設けられて、前記気体が供給される気室と、
    前記機器室内から前記気室に接続される排気管と、
    前記気室側から順に前記排気管へ直列に接続される第1排気弁及び第2排気弁と、
    前記第1排気弁及び前記第2排気弁の動作を制御する制御装置と、
    を含む可動式防波堤。
  2. 前記排気管の前記気室と前記第1排気弁との間から分岐する分岐管と、
    前記分岐管に接続される第3排気弁と、
    を有する請求項1に記載の可動式防波堤。
  3. 前記排気管の前記気室と前記第1排気弁との間に設けられる第1圧力センサと、
    前記排気管の前記第1排気弁と前記第2排気弁との間に設けられる第2圧力センサと、
    を有する請求項1又は2に記載の可動式防波堤。
  4. 前記気室の圧力を検出する気室用圧力センサと、
    前記機器室の圧力を検出する機器室用圧力センサと、
    を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の可動式防波堤。
  5. 前記排気管の前記第1排気弁と前記気室との間に接続される開閉弁を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の可動式防波堤。
  6. 前記制御装置は、前記第1排気弁及び前記第2排気弁を開いた後に前記第2筒状部材が沈降を開始したら、前記第1排気弁及び前記第2排気弁を閉じる請求項1から5のいずれか1項に記載の可動式防波堤。
  7. 前記制御装置は、前記第1圧力センサ及び前記第2圧力センサが検出した圧力に基づき、前記第1排気弁及び前記第2排気弁の状態を検出する請求項3に記載の可動式防波堤。
  8. 前記制御装置は、前記第2筒状部材の内部に誤って前記気体が供給された場合には、少なくとも前記第1排気弁及び前記第2排気弁を開く請求項1から7のいずれか1項に記載の可動式防波堤。
  9. 少なくとも前記制御装置を格納する第1水密筐体と、
    少なくとも前記第1排気弁及び前記第2排気弁を格納する第2水密筐体と、
    を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の可動式防波堤。
  10. 前記第1水密筐体及び前記第2水密筐体は、それぞれ内部に漏水検出センサを有する請求項9に記載の可動式防波堤。
  11. 前記制御装置は、前記漏水検出センサが水を検出したら、前記第2筒状部材を浮上させる請求項10に記載の可動式防波堤。
  12. 前記第1水密筐体と前記第2水密筐体との少なくとも一方は、内部に加速度検出センサを有する請求項9から11のいずれか1項に記載の可動式防波堤。
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