JP6369833B2 - 可動式防波堤および可動式防波施設 - Google Patents

可動式防波堤および可動式防波施設 Download PDF

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本発明は、必要に応じて水底から水面上に突出する可動式防波堤および可動式防波施設に関する。
水底に昇降可能な防波装置を設置して、津波が発生した場合や荒天時などには、防波装置を水面上まで突出させて、波の影響を低減する可動式防波堤が提案されている。例えば、特許文献1には、水底に埋め込まれる上部が開口した外筒管と、当該外筒管の内部に外筒管の長手方向に対して移動可能に配置されるとともに内部に供給される空気により浮力を発生する浮上管と、外筒管の底部に接続された送気管と、当該送気管を通じて浮上管の内部に空気を供給する空気供給装置と、を備えた可動式防波堤が記載されている。
特開2010−203078号公報
上述したような可動式防波堤において、浮上管は、その内部の上方に、浮上管の周壁と
天板と底板とで区画された気室が設けられている。気室は、その側方下部に浮上管の外部に通じる水抜き孔が形成されている。また、気室は、その底板から下方に抜ける連通部が設けられている。この可動式防波堤では、浮上前は気室内に水が溜まっている。そして、浮上開始時は、送気管を通じて供給される気体が、浮上管の下端部から連通部を通って気室内に至り、気室内に溜まりつつ水抜き孔から気室外に水が抜けることで、浮上管が浮上を開始する。その後、気室内に気体が溜まって浮上管が浮上して行くにつれ、外筒管内への水の供給が必要になり、水抜き孔から気室内に入った水が連通部を通って浮上管の底部から抜けていくことになる。この際、連通管において、浮上管の底部から気室に供給される気体と、気室から浮上管の底部に抜ける水との流れが対向するため、気室への気体の供給が遅滞するため、浮上管の浮上速度が低下し、浮上時間がかかる問題が生じる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、浮上管の浮上時間を短縮することのできる可動式防波堤および可動式防波施設を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、第1の発明の可動式防波堤は、上下に長尺に形成されて水底側に開口部を有して水底地盤内に挿入固定された外筒管と、前記外筒管の内部に挿入され、前記外筒管の長手方向に昇降移動可能に配置されるとともに、自身の内部に配置された気室に供給される気体により浮力を生じて上昇可能に設けられた浮上管と、を備える可動式防波堤において、前記浮上管は、前記気室が前記浮上管の周壁と上方の第一仕切部材と下方の第二仕切部材とで区画形成され、かつ前記気室の下方に前記浮上管の下方を塞ぐ第三仕切部材が設けられており、当該第三仕切部材と前記第二仕切部材とを貫通して前記気室と前記浮上管の下側とを連通する第一連通部と、当該第三仕切部材と前記第二仕切部材とを貫通して前記気室と前記浮上管の下側とを連通するとともに前記第二仕切部材から前記気室内に延出する上突管を有する第二連通部と、を備えることを特徴とする。
この可動式防波堤によれば、第一連通部と第二連通部とを設け、かつ第二連通部に上突管を設けたことで、第一連通部で気室内の水を排出させ、第二連通部で気室内に気体を供給させ、水と気体との流れを分離させる。このため、遅滞なく気室から水を排水し、気室内に気体を供給することができるため、浮上管の浮上時間を短縮することができる。
また、第2の発明の可動式防波堤は、第1の発明において、前記第二連通部は、管状に形成されて前記第一連通部に隙間を有して挿入されていることを特徴とする。
この可動式防波堤によれば、第二連通部を第一連通部に隙間を有して挿入する構成とすることで、第一連通部を有する構成に、第二連通部を容易に追加して設けることができる。
また、第3の発明の可動式防波堤は、第1の発明において、前記第一連通部が、前記第二連通部と別に設けられており、当該第一連通部は、前記第三仕切部材から前記浮上管の下端に向けて延出する下突管を有することを特徴とする。
この可動式防波堤によれば、第一連通部と第二連通部とを別に設け、かつ第一連通部に下突管を設けたことで水と気体との流れを別に分離させ、水と気体との流れの干渉を防ぐことができる。
また、第4の発明の可動式防波堤は、第1または第3の発明において、前記第一連通部が、前記第二連通部と別に設けられており、上端が前記第一仕切部材を貫通して前記浮上管の上方に通じ下端が前記第二仕切部材近傍まで延在して前記第一連通部の上端の開口に対向、または前記第一連通部の上端に繋がる水導入部を備えることを特徴とする。
この可動式防波堤によれば、水導入部を設けたことで、水を積極的に第一連通部に導入して外筒管側に供給するため、外筒管と浮上管との隙間で外筒管側に供給する下方への水の流れによって浮上管に浮上とは逆方向に生じる吸引力を抑制するため、浮上管の浮上時間を短縮する効果を顕著に得ることができる。
また、第5の発明の可動式防波堤は、第1〜第4のいずれか一つの発明において、上下に長尺に形成されて水底側に開口部を有して水底地盤内に挿入固定された他の外筒管の内部に挿入され、前記他の外筒管の長手方向に昇降移動可能に配置される他の浮上管を備え、当該他の浮上管と、前記気室を有する浮上管とが併設して連結されており、前記他の浮上管の内部に上端から下端に通じる第三連通部を有することを特徴とする。
この可動式防波堤によれば、浮上管に併設して連結された他の浮上管に設けた第三連通部により、他の浮上管の内部に水を案内する水道をなすことで、浮上管の浮上の負荷を低減して、浮上管の浮上時間を短縮することができる。
上述の目的を達成するために、第6の発明の可動式防波施設は、第1〜第5のいずれか一つの発明に記載の可動式防波堤を複数配列したことを特徴とする。
この可動式防波施設によれば、可動式防波堤を複数配列した構成であっても、浮上管の浮上時間を短縮することができる。
本発明によれば、浮上管の浮上時間を短縮することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る可動式防波施設の平面図である。 図2は、図1のA−A矢視一部断面図である。 図3は、図1のB−B断面図である。 図4は、本発明の実施形態に係る可動式防波堤を備える可動式防波施設の全体構成図である。 図5は、本発明の実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する様子を示す模式図である。 図6は、本発明の実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する様子を示す模式図である。 図7は、本発明の実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する様子を示す模式図である。 図8は、図1のB−B拡大断面図である。 図9は、図8のC−C矢視図である。 図10は、本発明の実施形態に係る可動式防波堤の構成図である。 図11は、本発明の実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する際の作用を示す図である。 図12は、本発明の実施形態に係る可動式防波堤の他の例の構成図である。 図13は、本発明の実施形態に係る可動式防波堤の他の例の構成図である。 図14は、本発明の実施形態に係る可動式防波堤の他の例の構成図である。 図15は、本発明の実施例に係る可動式防波堤の試験模型の構成図である。 図16は、本発明の実施例に係る可動式防波堤の試験模型の仕様を示す図表である。 図17は、本発明の実施例に係る試験結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本実施形態に係る可動式防波堤は、海底、川底などの水底に設置されて、例えば、津波や高潮などが発生した場合には、水底から水面上に浮上して、津波や高潮の通過を阻害し、港湾設備などを保護する。
図1は、本実施形態に係る可動式防波施設の平面図である。図2は、図1のA−A矢視一部断面図である。この図2は、本実施形態に係る可動式防波堤が浮上した状態を示している。図3は、図1のB−B断面図である。この図3は、本実施形態に係る可動式防波堤が水底にある状態、すなわち浮上前の状態を示している。図4は、本実施形態に係る可動式防波堤を備える可動式防波施設の全体構成図である。図5〜図7は、本実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する様子を示す模式図である。
図1〜図3に示すように、可動式防波施設1は、複数の可動式防波堤10と、監視・制御システム施設100とを含んで構成される。本実施形態において、複数の可動式防波堤10は、岸壁K1、K2の間に一列に配置されて、港の内側(港内BI)と港の外側(港外BO)とを仕切っている。可動式防波堤10は、外筒管11の内側に浮上管12が配置されるとともに、浮上管12の内部に気体(本実施形態では空気)を供給することによって浮上管12を浮上(上昇)させる構造である。なお、可動式防波堤10は、岸壁K1、K2の間に限らず、防波堤(固定式、杭式、浮体式を含む)の間にも設置可能である。また、可動式防波堤10は、岸壁K1、K2の間に限らず、複数配置されていてもよい。
それぞれの可動式防波堤10は、各送気管3から空気が送られる。複数の送気管3は、水底に配置される送気管ダクト2にまとめられて、一方の岸壁K2上の監視・制御システム施設100内に備えられる後述の気体供給装置に接続される。そして、有事の際、例えば、津波や高潮などの発生時には、気体供給装置から送気管3を介して、それぞれの可動式防波堤10の浮上管12内へ気体が供給されて、浮上管12が水底から浮上し、浮上管12の一部が水面から突出する。
図2、図3に示すように、可動式防波堤10は、外筒管11(可動式防波堤10の固定部分)と、浮上管12(可動式防波堤10の可動部分)とを有する。外筒管11および浮上管12は、円筒形状の部材であり、鋼管で構成されている。外筒管11および浮上管12は、いずれも防食処理が施されている。なお、外筒管11および浮上管12は、円筒形状に限られるものではない。なお、外筒管11および浮上管12は、鋼管に限らず、例えば炭素繊維で構成されていてもよく、あるいは、外筒管11または浮上管12の一方が鋼管で、他方が炭素繊維で構成されるような異種材料による構造であってもよい。
外筒管11は、上端が開口して上下に長尺に形成され、水底地盤E内に打ち込まれている。外筒管11は、下層部が水底地盤E内に挿入固定され、上層部の周囲に捨石5が敷設されている。この捨石5の上面が水底面GLとなる。外筒管11は、水底側である上端に開口部11aを有する。また、外筒管11は、水底地盤Eに挿入された底部から上記送気管3が差し込まれて、内部に気体出口3aが配置される。
浮上管12は、外筒管11の内部に、外筒管11の開口部11aから、外筒管11の長手方向(管軸方向)に沿って差し込まれ、外筒管11の長手方向に対して昇降可能に配置されている。この浮上管12は、その内部に供給される気体によって浮力を発生して、外筒管11から浮上可能に構成される。具体的に、図3に示すように、浮上管12は、内部に複数の仕切部材(本実施形態では板状の部材)15,16が設けられている(以下、仕切部材15を第一仕切部材15といい、仕切部材16を第二仕切部材16という)。第一仕切部材15は、浮上管12の上方に配置され、第二仕切部材16は、第一仕切部材15の下方に配置される。また、浮上管12は、上端が蓋17によって閉塞されている。そして、浮上管12は、第一仕切部材15、第二仕切部材16、および蓋17によって、内部が複数の部屋に仕切られる。
第一仕切部材15と第二仕切部材16と浮上管12の周壁とで仕切られる空間は、送気管3から浮上管12の内部に供給された気体を溜めて、浮上管12に浮力を発生させるための空間であり、以下、この空間を気室13という。蓋17と第一仕切部材15と浮上管12の周壁とで仕切られる空間CRは、可動式防波堤10の状態を監視したり、送気管3から気体が供給されなかった場合に浮上管12を浮上させたり、浮上した浮上管12を下降させて外筒管11の内部に戻す動作をさせたりするための制御機器20が配置されている。以下、空間CRを機械室CRという。第二仕切部材16は、孔16aを備える。孔16aは、送気管3から浮上管12の内部に供給される気体を気室13へ導く。
浮上管12は、その周壁内面に浮力発生手段14が取り付けられる。浮力発生手段14は、第二仕切部材16の下部に連続して設けられ、例えば、第二仕切部材16の下部に形成された空間に空気や窒素などの気体を充填した構造である。また、浮力発生手段14は、気泡を有する樹脂、例えば、発泡スチロールなどで構成されてその上面を第二仕切部材16とするようにしてもよい。可動式防波堤10は、有事の際には浮上管12の気室13に気体を供給し、この気体によって浮上管12に浮力を発生させ、浮上管12を外筒管11から浮上させる。浮力発生手段14を浮上管12に取り付けることにより、浮上管12を浮上させる際には、浮上管12を浮上させるために必要な浮力のうち、浮力発生手段14が発生する浮力で不足する分を気体によってまかなえばよい。これによって、浮上管12の内部に供給する気体の量を低減できるので、浮上管12を迅速に浮上させることができる。
浮上管12は、その下端に開口部12aが設けられている。そして、開口部12aの下方に、送気管3の気体出口3aが配置される。なお、送気管3の気体入口は、上述した気体供給装置に接続されている。
気体供給装置は、図4に示すように、気体ボトル104と、気体ボトル104と送気管3との間に設けられる開閉弁110と、電動機103で駆動される圧縮機102とを含んで構成される。これらは、監視・制御システム施設100に備えられる。送気管3の気体入口は、気体供給装置を構成する開閉弁110に接続されている。気体ボトル104は、圧縮機102によって高圧(20MPa程度)の気体が充填される。そして、浮上管12を浮上させる際には、開閉弁110が開かれて、気体ボトル104内の気体が送気管3を通って浮上管12の内部に供給される。気体ボトル104は、それぞれの可動式防波堤10に対して設けられており、本実施形態では、1台の可動式防波堤10に対して2台の気体ボトル104が用意される。なお、それぞれの気体ボトル104に対して個別に送気管3を設け、2本の送気管3を浮上管12の開口部12aの下方に配置してもよい。
1台の気体ボトル104によって、1台の可動式防波堤10の浮上管12を浮上させることができるが、1台の可動式防波堤10に対して2台の気体ボトル104を用意することで、一方の気体供給系統に何らかの不具合が発生した場合には、もう一方をバックアップとして用いることにより、より確実に浮上管12を浮上させることができる。また、2台の気体ボトル104から1台の可動式防波堤10へ気体を供給することにより、気体ボトル104を単独で用いるよりも迅速に浮上管12を浮上させることができる。なお、1台の気体ボトル104によって、3台の可動式防波堤10の浮上管12を浮上させるように構成する例として、中央の可動式防波堤10の浮上管12にのみ送気管3で送気し、その両側の可動式防波堤10では、中央の可動式防波堤10よりも浮力発生手段14の体積を大きくしてほぼ中性浮力とし、両側の可動式防波堤10の浮上管12を、中央の浮上管12によって吊り上げるように浮上させる構成にすることが好ましい。このように構成することで、送気管3の数を減少させることが可能になる。また、同様の構成により、1台の気体ボトル104によって、5台の可動式防波堤10の浮上管12を浮上させるように構成することも可能である。このように、1台の気体ボトル104で複数の可動式防波堤10の浮上管12を浮上させるように構成してもよい。
電動機103および圧縮機102は、監視・制御装置101によって制御される。監視・制御装置101は、例えば、気体ボトル104内に充填されている気体の圧力を気体圧力センサ111によって取得し、規定の圧力よりも低い場合には電動機103を駆動して圧縮機102を作動させ、規定の圧力になるまで圧縮機102から気体ボトル104内へ気体を充填する。また、監視・制御装置101は、送気管3に設けられた送気管3内の圧力を検出する送気管圧力検出センサ(送気管内圧力検出手段)105から送気管3内の圧力を取得して、送気管3に漏洩箇所があるか否かを監視する。
さらに、監視・制御装置101は、可動式防波堤10の機械室CR内の制御機器20と通信して、可動式防波堤10の状態を監視したり、浮上管12の動きを制御したりする。例えば、浮上した浮上管12を外筒管11内に戻す場合、監視・制御装置101は、制御機器20を介して、気室13と気室13の外部とを接続する送気管の途中に設けられた排気弁18を開く。これによって、気室13内の気体が気室13の外部に放出されるとともに、気室13内の気体が水に置換されて浮上管12の浮力が低下するので、浮上管12は沈降して外筒管11内に収まる。
有事の際、例えば、監視・制御装置101が津波や高潮などの警報を受信した場合、監視・制御装置101は、開閉弁110を開き、図5に示すように、送気管3を介して気体ボトル104内の気体を浮上管12の内部に供給する。送気管3から浮上管12内へ供給された気体は、図5に示すように、第二仕切部材16の孔16aを通って気室13へ入る。気室13の内部の気体によって発生する浮力と、浮力発生手段14によって発生する浮力との和が水中における浮上管12全体の重量を超えると、図6に示すように、浮上管12は、水面WLに向かって外筒管11から浮上を開始する。そして、図7に示すように、浮上管12の一部が水面WL上に突出する。このとき、気室13内の水や余分な気体は、気室13に設けられた孔D1から排出される。また、機械室CR内の水は、機械室CRに設けられた孔D2から排水される。このようにして、有事の際には、図2に示すように複数の浮上管12が一列に水面WLから突出して防波堤の機能を発揮し、津波や高潮などから港湾設備などを保護する。
図8は、図1のB−B拡大断面図である。この図8は、本実施形態に係る可動式防波堤が水底にある状態、すなわち浮上前の状態を示している。図9は、図8のC−C矢視図である。可動式防波堤10は、浮上管12に充電装置および蓄電池が内蔵されている。充電装置および蓄電池は、図には明示しないが、上述した制御機器20に設けられている。また、図8および図9に示すように、可動式防波堤10は、電力受信部21および電力送信部22を有している。
電力受信部21は、浮上管12に設けられており、蓄電池に電力を供給したり、水中通信における送受信をしたりするためのものである。また、電力送信部22は、浮上管12の下降時において電力受信部21に電力を送信したり、水中通信における送受信をしたりするためのものである。これら、電力受信部21および電力送信部22は、互いに対向することで、電磁誘導を利用して電力や通信信号を非接触(例えば0mmを超え30mm程度の隙間を隔て)で伝送する。
電力送信部22は、陸上の監視・制御システム施設100が備える電源(図示せず)と電気的に接続されている。電源は、交流をそのまま、あるいは直流電源をインバータによって交流に変換して、電力送信部22へ送る。電力送信部22は、給電側コイルと給電回路とからなり、電力受信部21は、受電側コイルと受電回路とからなる。すなわち、電力送信部22の給電側コイルへ交流が流れることにより発生する磁界の変化によって、電力受信部21の受電側コイルへ誘導起電力を発生させ、非接触で電源から送られる電力を制御機器20の充電装置へ伝送する。このように、電力送信部22で電気エネルギを磁気エネルギに変換して伝送し、電力受信部21でその磁気エネルギを電気エネルギに変換して、非接触で電力を伝送する。なお、充電装置は、電力受信部21から交流で伝送されてきた電力を直流に変換し、蓄電池へ充電するものである。
電力送信部22は、外筒管11において、水底面GLから所定深さH1で捨石5により埋設された範囲で、外筒管11の周壁が切り欠かれた箇所に設けられている。具体的に、電力送信部22は、外筒管11の周壁が切り欠かれた箇所で、リブなどで補強されたブラケット22aを介して外筒管11に固定されている。このため、電力送信部22は、水底面GLよりも下方に配置されることになる。
電力受信部21は、浮上管12の下降位置(下降により浮上管12の上端が水底面GLと一致する位置)において、浮上管12の上端よりも下方の範囲で浮上管12の周壁が切り欠かれた箇所にて電力送信部22に対向して設けられている。具体的に、電力受信部21は、浮上管12の周壁が切り欠かれた箇所で、リブなどで補強されたブラケット21aを介して浮上管12に固定されている。このため、電力受信部21は、水底面GLよりも下方に配置されることになる。また、電力受信部21は、浮上管12の上端に設けられた蓋17により上方が覆われている。
また、図9において符号23で示す部分は、浮上管12の外壁に長手(水深)方向に沿って設けられ、浮上管12が外筒管11に対して回転する事態を防止する回転防止部材である。かかる回転防止部材23により、電力受信部21と電力送信部22とは、互いに対向する位置が決められることになる。
以下、上述した可動式防波施設1に設けられる可動式防波堤10の要部詳細について図を参照して説明する。図10は、本実施形態に係る可動式防波堤の構成図である。
図10では、上述した可動式防波堤10において、要部を主として模式的に示したものである。この可動式防波堤10では、図10に示すように、浮上管12は、気室13が、浮上管12の周壁と、上方の第一仕切部材15(図10では上述した蓋17の位置に示している)と、下方の第二仕切部材16と、で区画形成されている。この気室13は、その下部であって浮上管12の周壁に孔D1が形成されている。また、浮上管12は、第二仕切部材16の下方が、第三仕切部材31により塞がれている。第三仕切部材31は、浮上管12の開口部12aよりも上方に位置する。
この浮上管12は、第三仕切部材31と第二仕切部材16とを貫通し、浮上管12の下側である開口部12aと気室13とを連通する第一連通部32が設けられている。第一連通部32は、管状に形成されており、その上端32aが第二仕切部材16に形成された孔16aを塞ぐように第二仕切部材16に固定され、その下端32bが第三仕切部材31に形成された孔31aを塞ぐように第三仕切部材31に固定されている。図10において、第二仕切部材16と第三仕切部材31との間であって第一連通部32の外側は、浮上管12の周壁で密閉されて浮力発生手段14が形成されている。また、第一連通部32は、その上端32aが第二仕切部材16の上面から突出しないように、第二仕切部材16の上面と同じ位置に配置されている。
また、浮上管12は、第三仕切部材31と第二仕切部材16とを貫通し、浮上管12の下側である開口部12aと気室13とを連通する第二連通部33が設けられている。第二連通部33は、管状に形成されており、図10では、第一連通部32に隙間を有して挿入されている。この第二連通部33は、その上端33aが第二仕切部材16から気室13内に延出する上突管として形成されている。上突管33aの第二仕切部材16から気室13内への突出高さh1は、浮上管12の周壁に形成された孔D1の上縁よりも上になるように設定することが好ましい。また、第二連通部33は、その下端33bが第三仕切部材31の底面から突出しないように配置されている。図10では、第二連通部33は、その下端33bが第三仕切部材31の底面と同じ位置に配置されている。
このように構成された可動式防波堤10における浮上管12の浮上時の作用を説明する。図11は、本実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する際の作用を示す図である。
図10は、浮上管12が水底にある浮上前の状態を示しており、この状態では気室13内に水が貯められ、この浮上管12の水中重量と浮力発生手段14の浮力とのバランスにより浮上管12が水底に配置される。この図10の状態において、図11(a)に示すように、送気管3から浮上管12内へ気体が供給されると、この気体は、第一連通部32および第二連通部33を介して気室13に向かって上昇しようとする。ここで、第二連通部33は、上突管33aが第二仕切部材16から気室13内に延出して設けられているため、第二連通部33には上向きの気体の供給、第一連通部32には下向きの水が流入しやすくなり、送気した気体と水の流れを別に分離させ、気体と水の流れの干渉を防ぐことができる。そして、気室13内に気体が供給されることで、気室13内の水が孔D1から気室13(浮上管12)の外部に排出され、浮上管12が浮上し始める。
図11(b)および図11(c)に示すように、継続する気体の供給により浮上管12が浮上をし続けると、第二連通部33を介して気室13内に供給された気体が気室13内に溜まる一方、外筒管11内へ水の供給が必要になり孔D1から気室13内に水が進入しつつ第一連通部32を介して第三仕切部材31の下方に排出される。これら、気体と水とは逆方向の流れになるが、第二連通部33は、上突管33aが第二仕切部材16から気室13内に延出して設けられているため、気体が第二連通部33を介して気室13内に供給され、水が第一連通部32を介して気室13から排出されることになる。
このように、本実施形態の可動式防波堤10によれば、第一連通部32と第二連通部33とを設け、かつ第二連通部33に上突管33aを設けたことで、第一連通部32で気室13内の水を排出させ、第二連通部33で気室13内に気体を供給させ、水と気体との流れを分離させる。このため、遅滞なく気室13から水を排水し、気室13内に気体を供給することができるため、浮上管の浮上時間を短縮することができる。
また、図10に示すように、第二連通部33を第一連通部32に隙間を有して挿入して構成することで、第一連通部32を有する構成に、第二連通部33を容易に追加して設けることができる。
図12は、本実施形態に係る可動式防波堤の他の例の構成図である。図12は、本実施形態の変形例を示しており、この可動式防波堤10の浮上管12は、図10に示す第一連通部32と第二連通部33とが別に設けられている。この構成としても、図10に示す可動式防波堤10と同様に図11に示すように作用する。
そして、図12に示すように、浮上管12は、第一連通部32の下端32bが第三仕切部材31から下方(浮上管12の下端に)に向けて延出する下突管32bとして形成されている。
このように、本実施形態の可動式防波堤10によれば、第一連通部32と第二連通部33とを別に設け、かつ第一連通部32に下突管32bを設けたことで、第二連通部33に入る気体の流れに対し、第一連通部32に下向きに流れる水と流れが阻害する影響を少なくすることができるため、浮上管の浮上時間を短縮する効果を顕著に得ることができる。
図13は、本実施形態に係る可動式防波堤の他の例の構成図である。図13は、本実施形態の変形例を示しており、この可動式防波堤10の浮上管12は、図10に示す第一連通部32と第二連通部33とが別に設けられている。この構成としても、図10に示す可動式防波堤10と同様に図11に示すように作用する。
また、図13に示すように、浮上管12は、図12に示す下突管32bが設けられている。従って、気体と水の流れが分離され、浮上管の浮上時間を短縮する効果を顕著に得ることができる。
そして、図13に示すように、浮上管12は、水導入部34が設けられている。水導入部34は、上端34aが第一仕切部材15を貫通して浮上管12の上方に開口して通じ、下端34bが第二仕切部材16の近傍まで延在して第一連通部32の上端32aの開口に対向して設けられている。また、水導入部34は、その下端34bが第一連通部32の上端32aに繋がっていてもよい。
水導入部34は、浮上管12が上昇する際、図11(b)および図11(c)に示すように、孔D1から気室13内に水が進入しつつ第一連通部32を介して第三仕切部材31の下方に排出されるが、水導入部34からも浮上管12の外部から水が導入され、この水をそのまま第一連通部32に案内して第一連通部32から浮上管12の外に排出させる。ここで、図11(b)に示すように、孔D1の位置がまだ外筒管11内にあると、孔D1から気室13内に進入する水は、外筒管11と浮上管12との間の隙間を上方から下方に流れるため、浮上管12を外筒管11内に下方に引き込む吸引力が発生する。この点、本実施形態では、水導入部34から水を導入して第一連通部32に流すため、孔D1から気室13内に進入する水を少量として吸引力を低減する。
このように、本実施形態の可動式防波堤10によれば、水導入部34を設けたことで、水を積極的に第一連通部32に導入して外筒管11側に供給するため、外筒管11と浮上管12との隙間で外筒管11側に供給する下方への水の流れによって浮上管12に浮上とは逆方向に生じる吸引力を抑制するため、浮上管の浮上時間を短縮する効果を顕著に得ることができる。
なお、水導入部34は、図13において、第一連通部32に下突管32bが設けられていない構成に対して適用されていてもよい。
図14は、本実施形態に係る可動式防波堤の他の例の構成図である。図14は、本実施形態の変形例を示しており、この可動式防波堤10は、上述した本実施形態の浮上管12A(12)の両側に他の浮上管12B(12)が連結部材36で併設して連結された形態を示している。また、図14では、外筒管11を省略している。
浮上管12Aは、基本的には、図13で示す浮上管12と同等の構成であり、第一仕切部材15の上方に浮上管12Aの上端を閉塞する蓋17が設けられている。この蓋17の下側には、浮上管12Aの周壁を切り欠いた孔D3が形成されている。その他の構成は、図13で示す浮上管12と同等であり、同一構成に同一符号を付して説明を省略する。
浮上管12Bは、他の外筒管(構成は上述した外筒管11と同等であるため図示せず説明を省略する。)の内部に挿入され、当該他の外筒管の長手方向に昇降移動可能に配置される。この浮上管12Bは、上述した第二仕切部材16および第三仕切部材31と同等部材が設けられ、これら第三仕切部材31と第二仕切部材16とを貫通し、浮上管12の下側である開口部12aと第二仕切部材16の上方の浮上管12B内の部屋とを連通する第三連通部35が設けられている。第三連通部35は、管状に形成されており、その上端35aが第二仕切部材16に形成された孔16aを塞ぐように第二仕切部材16に固定され、その下端35bが第三仕切部材31に形成された孔31aを塞ぐように第三仕切部材31に固定されている。図14において、浮上管12Bは、第二仕切部材16と第三仕切部材31との間であって第三連通部35の外側は、浮上管12Bの周壁で密閉されて浮力発生手段14が形成されている。また、浮上管12Bは、気室13を有しておらず、気体は供給されない。この他の浮上管12Bは、気室13を有さないが、浮力発生手段14が形成されていることで浮上管12Aの浮上を助勢する。
この他の浮上管12Bは、その内部に、上端(孔D3)から下端(開口部12a)に通じる第三連通部35を有する。この第三連通部35は、浮上管12Aの気室13に気体が供給されて浮上する際、上端の孔D3から進入する水を下端の開口部12aに案内する水道をなす。
このように、本実施形態の可動式防波堤10によれば、浮上管12Aに併設して連結された他の浮上管12Bに設けた第三連通部35により、他の浮上管12Bの上端の孔D3から下端の開口部12aに水を案内する水道をなすことで、浮上管12Aの浮上の負荷を低減して、浮上管の浮上時間を短縮することができる。
また、本実施形態の可動式防波施設1は、上述した可動式防波堤10を複数配列した構成であっても、浮上管の浮上時間を短縮することができるものである。
図15は、本実施例に係る可動式防波堤の試験模型の構成図である。図16は、本実施例に係る可動式防波堤の試験模型の仕様を示す図表である。図17は、実施例に係る試験結果を示す図表である。
本実施例では、可動式防波堤の模型を作成して浮上管の浮上試験を行った。試験模型は、アクリル樹脂で製作し、図15に示す構成であり、図13で示す構成と同等である同一箇所に同一符号を付す。試験用の追加構成としては、第三仕切部材31と第二仕切部材16とを貫通して気室13と浮上管12の下側とを連通する第四連通部51の内部に第二連通部33を配置する点、および外筒管11と浮上管12との隙間を塞ぐスタビライザ52を配置する点である。
図16に示すように、試験模型は、実機に対して縮尺したものとする。実機は、試験模型における第四連通部51に相当する構成を有し、第一連通部32、第二連通部33、水導入部34の構成を有さない。また、※1において、φ1cmの孔を4箇所設けた(π×1.0/4×4=3.1cm)。※2において、孔は2箇所である(81.9×15.5×2=2048cm)、※3において、ブラシにより遮蔽率85%とする(π(10.6−10.0)/4×0.15=1.5cm)。※4において、外筒管の開口部において浮上管との隙間を塞ぐスタビライザ(図示せず)について円周上長さを1193mmとし厚さ32mmとし周上に4個設置する。なお、試験模型の縮尺比は、1/28相当としたが、上下長さの縮尺比はさらに1/3相当縮尺した。また、外筒管と浮上管との隙間は、実機と相似とするには片側2mmとすべきであるが、水の粘性影響を発生させないように片側7mmとした。ただし、浮上管の上端部で隙間を絞り、実機の1/2相当とした。また、試験模型について、図15において、第一連通部32をφ16mmとし、第二連通部33をφ3mmとし、第三連通部34をφ16mmとしている。
試験ケースは、図15において第二連通部33を外し、第一連通部32および水導入部34に栓を付けて塞いだケースA(従来例)と、第二連通部33を取り付け、第一連通部32を開放し、水導入部34に栓を付けて塞いだケースB(実施例1:図12相当)と、第二連通部33を取り付け、第一連通部32および水導入部34を開放したケースC(実施例2:図13相当)と、第二連通部33を取り付け、第一連通部32および水導入部34に栓を付けて塞いだケースD(実施例3:図10相当)と、でそれぞれ送気管3から空気を供給(送気)して浮上管12が水面に浮上する(浮上完了)までの時間を計測した。図17に示すように、計測時間は、送気開始〜浮上完了と、浮上開始(浮上管12の浮上し始め)から浮上完了までの浮上時間の他、送気開始〜浮上完了の細目として、送気開始〜浮上開始、浮上開始〜水抜通過(孔Dがスタビライザ位置を通過)、水抜通過〜浮上完了とした。また、試験模型の計測時間を実機に換算した浮上時間実機換算では、目安として水深で計算した(相似比:(14.5/0.22)1/2=8.1)。
図17に示すように、ケースAに対し、ケースB、ケースCは、浮上管12の浮上時間が短縮され改善されていることが分かる。そして、この試験結果を実機に換算しても改善されていることが分かる。また、ケースAに対し、ケースDは、水抜通過〜浮上完了において第一連通管32を下降する水量が少なく浮上が遅れる試験結果であるものの、浮上開始〜水抜通過では第一連通管32を下降する水量が多く浮上が短縮され改善されていることが分かる。
1 可動式防波施設
10 可動式防波堤
11 外筒管
12(12A) 浮上管
12B 他の浮上管
13 気室
15 第一仕切部材
16 第二仕切部材
31 第三仕切部材
32 第一連通部
32b 下突管
33 第二連通部
33a 上突管
34 水導入部
35 第三連通部

Claims (7)

  1. 上下に長尺に形成されて水底側に開口部を有して水底地盤内に挿入固定された外筒管と、前記外筒管の内部に挿入され、前記外筒管の長手方向に昇降移動可能に配置されるとともに、自身の内部に配置された気室に供給される気体により浮力を生じて上昇可能に設けられた浮上管と、を備える可動式防波堤において、
    前記浮上管は、前記気室が前記浮上管の周壁と上方の第一仕切部材と下方の第二仕切部材とで区画形成され、かつ前記気室の下方に前記浮上管の下方を塞ぐ第三仕切部材が設けられており、
    当該第三仕切部材と前記第二仕切部材とを貫通して前記気室と前記浮上管の下側とを連通するとともに上端が前記第二仕切部材の上面と同じ位置に配置されて前記気室内の水を前記第三仕切部材の下方に排出させる第一連通部と、
    当該第三仕切部材と前記第二仕切部材とを貫通して前記気室と前記浮上管の下側とを連通するとともに前記第二仕切部材から前記気室内に延出する上突管を有して前記第三仕切部材の下方から前記気室内に気体を供給させる第二連通部と、
    を備えることを特徴とする可動式防波堤。
  2. 上下に長尺に形成されて水底側に開口部を有して水底地盤内に挿入固定された外筒管と、前記外筒管の内部に挿入され、前記外筒管の長手方向に昇降移動可能に配置されるとともに、自身の内部に配置された気室に供給される気体により浮力を生じて上昇可能に設けられた浮上管と、を備える可動式防波堤において、
    前記浮上管は、前記気室が前記浮上管の周壁と上方の第一仕切部材と下方の第二仕切部材とで区画形成され、かつ前記気室の下方に前記浮上管の下方を塞ぐ第三仕切部材が設けられており、
    当該第三仕切部材と前記第二仕切部材とを貫通して前記気室と前記浮上管の下側とを連通する第一連通部と、
    当該第三仕切部材と前記第二仕切部材とを貫通して前記気室と前記浮上管の下側とを連通するとともに前記第二仕切部材から前記気室内に延出する上突管を有する第二連通部と、
    を備え
    前記第二連通部は、管状に形成されて前記第一連通部に隙間を有して挿入されていることを特徴とする可動式防波堤。
  3. 上下に長尺に形成されて水底側に開口部を有して水底地盤内に挿入固定された外筒管と、前記外筒管の内部に挿入され、前記外筒管の長手方向に昇降移動可能に配置されるとともに、自身の内部に配置された気室に供給される気体により浮力を生じて上昇可能に設けられた浮上管と、を備える可動式防波堤において、
    前記浮上管は、前記気室が前記浮上管の周壁と上方の第一仕切部材と下方の第二仕切部材とで区画形成され、かつ前記気室の下方に前記浮上管の下方を塞ぐ第三仕切部材が設けられており、
    当該第三仕切部材と前記第二仕切部材とを貫通して前記気室と前記浮上管の下側とを連通する第一連通部と、
    当該第三仕切部材と前記第二仕切部材とを貫通して前記気室と前記浮上管の下側とを連通するとともに前記第二仕切部材から前記気室内に延出する上突管を有する第二連通部と、
    を備え
    前記第一連通部が、前記第二連通部と別に設けられており、上端が前記第一仕切部材を貫通して前記浮上管の上方に通じ下端が前記第二仕切部材近傍まで延在して前記第一連通部の上端の開口に対向、または前記第一連通部の上端に繋がる水導入部を備えることを特徴とする可動式防波堤。
  4. 前記第一連通部が、前記第二連通部と別に設けられており、当該第一連通部は、前記第三仕切部材から前記浮上管の下端に向けて延出する下突管を有することを特徴とする請求項1または3に記載の可動式防波堤。
  5. 上下に長尺に形成されて水底側に開口部を有して水底地盤内に挿入固定された他の外筒管の内部に挿入され、前記他の外筒管の長手方向に昇降移動可能に配置される他の浮上管を備え、当該他の浮上管と、前記気室を有する浮上管とが併設して連結されており、前記他の浮上管の内部に上端から下端に通じる第三連通部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の可動式防波堤。
  6. 上下に長尺に形成されて水底側に開口部を有して水底地盤内に挿入固定された外筒管と、前記外筒管の内部に挿入され、前記外筒管の長手方向に昇降移動可能に配置されるとともに、自身の内部に配置された気室に供給される気体により浮力を生じて上昇可能に設けられた浮上管と、を備える可動式防波堤において、
    前記浮上管は、前記気室が前記浮上管の周壁と上方の第一仕切部材と下方の第二仕切部材とで区画形成され、かつ前記気室の下方に前記浮上管の下方を塞ぐ第三仕切部材が設けられており、
    当該第三仕切部材と前記第二仕切部材とを貫通して前記気室と前記浮上管の下側とを連通する第一連通部と、
    当該第三仕切部材と前記第二仕切部材とを貫通して前記気室と前記浮上管の下側とを連通するとともに前記第二仕切部材から前記気室内に延出する上突管を有する第二連通部と、
    を備え
    上下に長尺に形成されて水底側に開口部を有して水底地盤内に挿入固定された他の外筒管の内部に挿入され、前記他の外筒管の長手方向に昇降移動可能に配置される他の浮上管を備え、当該他の浮上管と、前記気室を有する浮上管とが併設して連結されており、前記他の浮上管の内部に上端から下端に通じる第三連通部を有することを特徴とする可動式防波堤。
  7. 請求項1〜のいずれか一つに記載の可動式防波堤を複数配列したことを特徴とする可動式防波施設。
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