JP6121199B2 - メラニン産生抑制剤、メラノソームトランスファー抑制剤及び美白剤 - Google Patents

メラニン産生抑制剤、メラノソームトランスファー抑制剤及び美白剤 Download PDF

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Description

本発明は、エルゴカルシフェロールの新規用途に関する。
皮膚の色素沈着は、様々な機序により引き起こされる。色素沈着を抑制する方法の1つとして、メラノサイト内のメラノソームで合成されたメラニンがケラチノサイトへ輸送されることを抑制する方法が知られている(特許文献1)。
エルゴカルシフェロール(Ergocalciferol)は、ビタミンD(CAS登録番号 50−14−6)の別称であり、植物に多く含まれる脂溶性ビタミンである。 エルゴカルシフェロールは、抗炎症効果を示すことが知られている(特許文献2)。また、エルゴカルシフェロールは、ペルオキシナイトライト阻害剤として作用することも知られている(特許文献3)。
特開2010−159252号公報 特開2005−220084号公報 特開2002−326922号公報
しかしながら、エルゴカルシフェロールが、単独でメラニン産生抑制作用、メラノソームトランスファー抑制作用及び美白作用を示すことについては、従来知られていない。
本発明の目的は、エルゴカルシフェロールの新たな用途を提供することである。
また、本発明の目的は、新規なメラニン産生抑制剤、及びメラノソームトランスファー抑制剤に基づく種々の新規な生理活性剤を提供することである。
本発明者らは、詳細な検討をおこなった結果、エルゴカルシフェロールが単独で優れた美白効果を示すとの知見を得た。また、本発明者らは、エルゴカルシフェロールが優れたメラニン産生抑制効果を奏するとの知見を得た。さらに、本発明者らは、エルゴカルシフェロールが、産生されたメラニンのケラチノサイトへの輸送を阻害し、美白効果を奏するとの新たな知見を得た。本発明は、このような新しい知見に基づいて達成されたものである。
本発明は以下の実施態様を含む。
[1] エルゴカルシフェロールを単独の有効成分として含有するメラニン産生抑制剤。
[2] 美白有効成分として、[1]に記載のメラニン産生抑制剤のみを含有する美白化粧料。
[3] エルゴカルシフェロールを単独の有効成分として含有するメラノソームトランスファー抑制剤。
[4] 美白有効成分として、[3]に記載のメラノソームトランスファー抑制剤のみを含有する美白化粧料。
[5] エルゴカルシフェロールを単独の有効成分として含有する美白剤。
[6] 美白有効成分として、[5]に記載の美白剤のみを含有する美白化粧料。
本発明によれば、エルゴカルシフェロールの新たな用途を提供することができる。
また、本発明によれば、新規なメラニン産生抑制剤、及びメラノソームトランスファー抑制剤に基づく種々の新規な生理活性剤を提供することができる。
実施例1にかかるメラニン産生抑制曲線について示したグラフである。 実施例2にかかるメラノソームトランスファー抑制曲線について示したグラフである。 実施例3にかかるメラニン産生抑制曲線について示したグラフである。
本発明の美白剤、メラニン産生抑制剤及びメラノソームトランスファー抑制剤は、それぞれ、エルゴカルシフェロールを有効成分とする生理活性剤である。
本発明の美白剤は、色素細胞(メラノサイト)に対するメラニン産生抑制作用、及び色素細胞と表皮細胞(ケラチノサイト)間のメラノソームトランスファー抑制作用を有する。色素細胞に対するメラニン産生抑制作用と、色素細胞と表皮細胞間のメラノソームトランスファー抑制作用とは、色素沈着抑制を促す複数のメカニズムの中でも、試験評価系が確立されておらず、両方の作用を有する成分はこれまでのところ見出されていない。
一方、本発明の美白剤は、色素細胞に対するメラニン産生抑制作用と、色素細胞と表皮細胞間のメラノソームトランスファー抑制作用とを有するため、従来の美白剤に比べて、顕著な美白効果を奏し得る。
なお、本明細書では、特に断らない限り、美白剤、メラニン産生抑制剤及びメラノソームトランスファー抑制剤を「生理活性剤」と総称する。
本明細書では、特に断らない限り、紫外線や老化によって生じる皮膚の黒化を予防又は回復させること、メラニンの過剰産生による日焼け、シミ又はソバカスといった皮膚の色調変化又は色素変化を予防又は回復させること、皮膚本来の色調を維持すること、本来の肌の色を白くすること等の効果を、「美白効果」と総称する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示すものとする。
さらに本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
本発明にかかる生理活性剤において有効成分となるエルゴカルシフェロール(Ergocalciferol)は、ビタミンD(CAS登録番号 50−14−6)の別称であり、植物に多く含まれる脂溶性ビタミンの一種である。
エルゴカルシフェロールは、化学式C2844O(分子量396.659)で表される。

エルゴカルシフェロールは、一般的に用いられている合成物及び天然物成分由来の抽出物等として用いることができる。また、エルゴカルシフェロールは市販品を使用することができる。市販品としては、カルシフェロール(和光純薬、東京化成工業)、エルゴカルシフェロール(シグマアルドリッチ)等を挙げることができる。
エルゴカルシフェロールは、粉末又は結晶の形態で存在するため、本発明にかかる生理活性剤は、粉体又は結晶の形態のエルゴカルシフェロールを使用しても、紛体又は結晶の形態のエルゴカルシフェロールを水性媒体又油性媒体とともに使用してもよい。
本発明にかかる美白剤は、エルゴカルシフェロールを有効成分として含有することにより、美白効果を示すことができる。
ここで、単独とは、エルゴカルシフェロールが他の有効成分との相互作用等によらず、美白効果を奏し得ることを意味するものである。そのため、本発明の美白剤を含有する化粧料などが、本発明に係る美白剤とは異なる色素沈着抑制メカニズム等を有する他の有効成分とともに用いられる態様を阻害するものではない。
美白剤又はこれを含有する化粧料は、皮膚に付与されることにより、美白効果を得ることができるため、美白剤又はこれを含有する化粧料を皮膚に付与することにより、メラニンの過剰産生に起因する色素斑(例えば老人性色素斑(シミ)、雀卵斑(ソバカス)、肝斑、炎症後色素沈着、母斑等)の予防又は治療の効果が期待できる。
美白剤の美白効果は、例えば、メラノサイト中のメラニン産生量を指標として評価することができる。
メラニンは、培養細胞、市販の三次元培養皮膚モデル由来の細胞又はテープストリッピング等で採取したヒト表皮細胞等から抽出することができる。これをペレット化し目視スコア判定、NaOH溶解による吸光度測定、HPLCによるユーメラニン・フェオメラニン定量、放射性同位体ラベル法等などにより測定することで、美白効果を評価することができる。
また、市販の三次元培養皮膚モデル由来の細胞内のメラニン量を吸光度法で測定した際に、美白剤無添加時に比べて、市販の三次元培養皮膚モデル由来の細胞内のメラニン量が、10%〜60%減少することが好ましく、20%〜60%減少することがより好ましく、40%〜60%減少することがさらに好ましい。
培養細胞としては、例えばマウスB16メラノーマ(ヒューマンサイエンス研究資源バンク)、ヒトHMV−IIメラノーマ(理研 cell bank)、ヒト正常メラノサイト(ライフテクノロジーズ社)等が挙げられる。
市販の三次元培養皮膚モデルとしては、LabCyte MELANO−MODEL((株)ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング社)、MelanoDerm(登録商標)(MatTek社)等が挙げられる。
本発明にかかるメラニン産生抑制剤は、エルゴカルシフェロールを有効成分として含有することにより、色素細胞中のメラニン産生を抑制することができる。これにより、メラニン産生抑制剤は、美白効果を奏し得る。
メラニン産生抑制剤又はこれを含有する化粧料は、皮膚に付与されることにより、美白効果を得ることができるため、メラニン産生抑制剤又はこれを含有する化粧料を、皮膚に付与することにより、メラニンの過剰産生に起因する色素斑(例えば老人性色素斑(シミ)、雀卵斑(ソバカス)、肝斑、炎症後色素沈着、母斑等)の予防又は治療の効果が期待できる。
本発明にかかるメラノソームトランスファー抑制剤は、エルゴカルシフェロールを有効成分として含有することにより、色素細胞から表皮細胞へのメラニンの輸送を抑制することができる。また、美白効果を得ることができる。そのため、メラノソームトランスファー抑制剤又はこれを含有する化粧料を、皮膚に付与することにより、メラニンの過剰産生に起因する色素斑(例えば老人性色素斑(シミ)、雀卵斑(ソバカス)、肝斑、炎症後色素沈着、母斑等)の予防又は治療の効果が期待できる。
本発明にかかるメラノソームトランスファー抑制剤は、メラノソームトランスファー抑制剤無添加時に比べて、色素細胞から表皮細胞へのメラニンの輸送を抑制させればよい。
メラノソームトランスファー抑制剤の評価方法は、蛍光色素で標識した色素細胞と表皮細胞を共培養し表皮細胞に移行した蛍光量を測定する方法、移行したメラノソームタンパクを免疫染色で特異的に検出する方法、色素細胞から抽出したメラノソームまたは蛍光マイクロビーズを表皮細胞に貪食させる方法、などが挙げられるが、特に限定されるものではない。例えば、J. Invest. Dermatol. 2005 Dec; 125(6):p1190−9 (Keratinocyte Growth Factor Promotes Melanosome Transfer to Keratinocytes)に記載の方法に準じて評価することができる。また、メラノソームトランスファーを促進させる薬剤を併用することで、当該作用の識別を容易にすることができる。メラノソームトランスファーを促進させる薬剤としては、具体的には、αメラノサイト刺激ホルモン(α−melanocyte stimulating hormone(αMSH))、ケラチノサイト成長因子(Keratinocyte growth factor(KGF))、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明にかかる生理活性剤又はこれを含有する化粧料は、メラニン産生抑制作用を有する。そのため、生理活性剤又はこれを含有する化粧料は、メラニンの過剰産生に起因する疾患の予防又は治療に用いることができる。
メラニンの過剰産生に起因する疾患としては、老人性色素斑又は日光黒子(シミ)、雀卵斑(ソバカス)、肝斑、炎症後色素沈着、母斑等が挙げられる。
本発明にかかる生理活性剤又はこれを含有する化粧料を組成物の形態で用いる場合、当該組成物におけるエルゴカルシフェロールの含有量は、剤型によって異なる。
一般に組成物の全質量に対して、エルゴカルシフェロールの含有量としては、例えば、組成物の全質量に対して、特に限定されることはないが、0.00001質量%〜10質量%であることが好ましく、0.00004質量%〜0.4質量%であることがより好ましい。エルゴカルシフェロールの含有量は、組成物の全質量に対して、0.0004質量%〜0.1質量%であることがさらに好ましい。
エルゴカルシフェロールの含有量が0.00001質量%以上であれば、十分な美白効果を得ることができるため好ましい。また、エルゴカルシフェロールの含有量が10質量%以下であれば、組成物中でエルゴカルシフェロールが析出するなどの問題も生じないため好ましい。
また、皮膚浸透を考慮した上での十分な美白効果及びエルゴカルシフェロールの溶解性の観点から、エルゴカルシフェロールの含有量は、組成物の全質量に対して、0.00004質量%〜0.4質量%であることがより好ましい。
本発明にかかる生理活性剤又はこれを含有する化粧料を使用する場合、組成物の形態には特に制限はない。組成物は、エルゴカルシフェロールの他、後述する他の成分(医薬や化粧品として許容可能な担体や、必要に応じた他の任意成分)を含む組成物の形態としてもよい。組成物の形態としては、具体的には、オイル組成物、乳化組成物、粉末組成物などが挙げられる。オイル組成物、乳化組成物、粉末組成物は、公知の方法に従い調製することができる。
また、本発明の化粧料の形態には特に制限はなく、化粧水(ローション)、美容液(エッセンス)、クリーム、乳液等の化粧料を例示することができる。これらのいずれも通常の方法で調製することができ、例えば乳液等の場合、水相及び油相をそれぞれ加熱溶解し、乳化分散して冷却することで製造することができる。
本発明にかかる生理活性剤又はこれを含有する化粧料は、経口的又は非経口的に投与することができるが、効果発現の観点から、非経口的に投与することが好ましい。具体的には、エルゴカルシフェロールを直接皮膚へ投与可能な局所投与が好ましく、経皮投与がより好ましい。
本発明にかかる生理活性剤又はこれを含有する化粧料は、エルゴカルシフェロールの他に組成物の形態、目的等に応じて他の成分を含むことができる。他の成分は、適宜選択することができ、好適な例としては、機能性油性成分、乳化剤、その他の添加成分等が挙げられる。
(機能性油性成分)
機能性油性成分としては、水性媒体に溶解せず、油性媒体に溶解する油溶性成分であれば、特に限定はなく、目的に応じた物性や機能性を有するものを適宜選択して使用することができる。機能性油性成分としては、紫外線吸収剤、抗炎症剤(エルゴカルシフェロール以外)、保湿剤、毛髪保護剤、細胞賦活剤、エモリエント剤、角質溶解剤、帯電防止剤、脂溶性ビタミン類(エルゴカルシフェロール以外)、メタボリックシンドローム改善剤、降圧剤、鎮静剤などとして使用されているものが挙げられる。
ここで、機能性油性成分とは、生物体内に存在した場合に生体において所望の生理学的作用の発揮が期待され得る油性成分を意味する。
(その他の添加成分)
上記成分の他、医薬品、機能性食品、化粧品等の分野において通常用いられる添加成分を、組成物に、その形態に応じて適宜含有させてもよい。他の添加成分は、その特性によって、油溶性又は水溶性の添加成分として、組成物に含有させることができる。
例えば、その他の添加成分としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール;グルコース、果糖、乳糖、麦芽糖、ショ糖、ペクチン、カッパーカラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアガム、キサンタンガム、カラヤガム、タマリンド種子多糖、アラビアガム、トラガカントガム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、デキストリン等の単糖類又は多糖類;ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクトース、マルトトリイトール、キシリトールなどの糖アルコール;塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの無機塩;カゼイン、アルブミン、メチル化コラーゲン、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、ゼラチン等の分子量5000超のタンパク質;グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、メチオニン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アセチルヒドロキシプロリン等のアミノ酸及びそれらの誘導体;カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体等の合成高分子;ヒドロキシエチルセルロース・メチルセルロース等の水溶性セルロース誘導体;などを挙げることができ、その機能に基づいて、例えば機能性成分、賦形剤、粘度調整剤、ラジカル捕捉剤等として含んでもよい。
その他、pH調整剤、pH緩衝剤、防腐剤、香料、着色剤など、通常、その用途で使用される他の添加物を併用することができる。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。
[実施例1:メラニン産生抑制試験]
10%(v/v)ウシ胎児血清(FBS)含有MEM培地(Minimum Essential Medium)(GIBCO社)を用いて、12穴培養プレートに、B16メラノーマ細胞が2.5×10個/wellとなるように播種して、24時間前培養した。
前培養後、評価試料を添加した試験培地に交換し、72時間培養を行った。
評価試料として、エルゴカルシフェロール(和光純薬)、アルブチン(LKT Labs,社)コウジ酸(和光純薬)、4−メトキシサリチル酸カリウムを用いた。
試験培地としては、上記前培養用培地(10%(v/v)FBS含有DMEM培地)に、テオフィリンを0.25mmol/L、ジメチルスルホキシド(DMSO)を1%(v/v)となるように添加したものを使用した。
培養終了後、B16メラノーマ細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した後、10%(v/v)DMSOを含有する1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加し、50℃で30分間超音波処理した。その後、溶解液の吸光度を波長400nmにて測定し、B16メラノーマ細胞中のメラニン量を算出した。評価試料を添加しない場合のメラニン量を100として、評価試料を添加した場合のメラニン産生率(%)を求めた。
〔結果〕
結果を図1に示す。図1はエルゴカルシフェロール及びその他の評価試料のメラニン産生抑制曲線を示す。
図1中、縦軸はメラニンの産生率(%)を示し、横軸は評価試料の濃度(μM)を示す。また、図1中、丸はエルゴカルシフェロール、四角はアルブチン、三角はコウジ酸、菱形は4−メトキシサリチル酸カリウムそれぞれのメラニン産生率の結果を示す。
図1の結果から、エルゴカルシフェロールは、濃度依存的に強力なメラニン産生抑制効果を示すことが明らかになった。また、その効果は既存の美白有効成分であるアルブチン、コウジ酸、4−メトキシサリチル酸カリウムと比較しても、顕著に強いことが明らかになった。
[実施例2:メラノソームトランスファー抑制試験]
10%(v/v)FBS含有DMEM培地(GIBCO社)を用いて、12穴培養プレートに、HaCaTケラチノサイトを、2.0×10個/wellとなるように播種し、72時間前培養した。
前培養後、培地を、FBS不含DMEM培地に全量交換し、さらに12時間培養した。
その後、培地に、蛍光ビーズ(粒径;200nm、Invitorogen社)を0.01%(v/v)、メラノソームトランスファー促進剤としてケラチノサイト成長因子(Keratinocyte growth factor(KGF))(ミリポア社)を20ng/mLとなるように添加し、さらに評価試料を添加した。
評価試料は、エルゴカルシフェロール、及びメラノソームトランスファー抑制作用の報告のある 4−amino−5−(4−methylphenyl)−7−(t−butyl)pyrazolo−D−3,4−pyrimidine (PP1)を用いた。
6時間後、細胞を回収しフローサイトメトリー(BD社)にて細胞内の蛍光強度を測定した。
評価試料を添加しない場合の蛍光強度を100として、評価試料を添加した場合のHaCaTケラチノサイトの貪食率(%)を求めた。
〔結果〕
結果を図2に示す。図2はメラノソームトランスファー抑制曲線(HaCaTケラチノサイトの貪食率(%))を示す。
図2中、縦軸はHaCaTケラチノサイトの貪食率(%)を示し、横軸は評価試料の濃度(μM)を示す。また、図2中、丸はエルゴカルシフェロール、四角はPP1のメラノソームトランスファー抑制曲線をそれぞれ示す。
図2の結果から、エルゴカルシフェロールは、濃度依存的に強力なメラノソームトランスファー抑制作用を示すことが明らかになった。また、その作用は比較対照であるPP1と同等以上であることがわかった。
[実施例3:メラノサイト含有ヒト3次元培養表皮モデルを用いた美白評価試験]
メラノサイト含有ヒト3次元培養表皮モデル LabCyte MELANO−MODEL24((株)ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング社)を寒天培地から取り出し、標準プロトコルに従い、付属の培養カップ及び改良メラニン産生促進培地を用いて、培養した。
各培養カップ内に評価試料50μLを添加した。また、培地にはメラノソームトランスファー促進剤としてKGFを20ng/mL添加して、14日間培養を行った。
評価試料としてエルゴカルシフェロール、アルブチン、4−メトキシサリチル酸カリウムを用いた。
培養期間中は、培地交換と培養カップ内の検体交換を2〜3日毎に行った。14日間培養後、標準プロトコルに従いメラニンの定量を行い、評価試料を添加しない場合のメラニン量を100として、評価試料を添加した場合のメラニン産生率(%)を求めた。
[結果]
結果を図3に示す。図3は皮膚モデルにおけるメラニン産生抑制曲線を示す。
図3中、縦軸はメラニンの産生率(%)を示し、横軸は評価試料の濃度(μM)を示す。また、図3中、丸はエルゴカルシフェロール、四角はアルブチン、菱形は4−メトキシサリチル酸カリウムそれぞれのメラニン産生率の結果を示す。
図3の結果から、本発明のエルゴカルシフェロールは、濃度依存的に強力なメラニン抑制効果を示すことが明らかになった。また、その効果は既存の美白有効成分であるアルブチン、4−メトキシサリチル酸カリウムと比較しても、顕著に強いことがわかった。
[実施例4]
以下の処方に従って、常法により化粧料を調製する。以下の数値は処方の全質量に対する質量%を意味する。
(1)化粧料A
(成分) (%)
エルゴカルシフェロール 0.1
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 6.5
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル 1.2
エタノール 3.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
クエン酸ナトリウム 1.0
コラーゲン 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
N−アセチルヒドロキシプロリン 1.0
精製水 残量
(2)化粧料B
(成分) (%)
エルゴカルシフェロール 0.0004
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 6.5
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル 1.2
エタノール 3.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
クエン酸ナトリウム 1.0
コラーゲン 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
N−アセチルヒドロキシプロリン 1.0
精製水 残量
(3)乳液A
(成分) (%)
エルゴカルシフェロール 0.001
スクワラン 8.0
ホホバ油 7.0
パラアミノ安息香酸グリセリル 1.0
セチルアルコール 1.5
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0
ポリオキシエチレンソオルビタンモノオレート 2.0
1,3−ブチレングリコール 1.0
グリセリン 2.0
メチルパラベン 0.4
コラーゲン 1.0
クエン酸ナトリウム 1.0
香料 適量
精製水 残量
(4)乳液B
(成分) (%)
エルゴカルシフェロール 0.1
スクワラン 8.0
ホホバ油 7.0
パラアミノ安息香酸グリセリル 1.0
セチルアルコール 1.5
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0
ポリオキシエチレンソオルビタンモノオレート 2.0
1,3−ブチレングリコール 1.0
グリセリン 2.0
メチルパラベン 0.4
コラーゲン 1.0
クエン酸ナトリウム 1.0
香料 適量
精製水 残量
(5)クリーム
(成分) (%)
エルゴカルシフェロール 0.005
セトステアリルアルコール 3.0
グリセリン脂肪酸エステル 2.0
モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1.0
モノステアリン酸ソルビタン 1.0
N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム 0.5
ワセリン 5.0
ジメチルポリシロキサン(100mPa・s) 3.0
トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 20.0
乳酸 1.0
ジプロピレングリコール 10.0
クエン酸ナトリウム 0.5
酸化チタン 0.1
香料 適量
エデト酸2ナトリウム 0.03
パラオキシ安息香酸エチル 0.05
精製水 残量

Claims (6)

  1. エルゴカルシフェロールを単独の有効成分として含有するメラニン産生抑制剤。
  2. 美白有効成分として、請求項1に記載のメラニン産生抑制剤のみを含有する美白化粧料。
  3. エルゴカルシフェロールを単独の有効成分として含有するメラノソームトランスファー抑制剤。
  4. 美白有効成分として、請求項3に記載のメラノソームトランスファー抑制剤のみを含有する美白化粧料。
  5. エルゴカルシフェロールを単独の有効成分として含有する美白剤。
  6. 美白有効成分として、請求項5に記載の美白剤のみを含有する美白化粧料。
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