JP2015010071A - 美白剤、メラニン分解促進剤およびメラノソームタンパク質分解促進剤 - Google Patents

美白剤、メラニン分解促進剤およびメラノソームタンパク質分解促進剤 Download PDF

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Abstract

【課題】チアミンの新たな用途を提供する。【解決手段】チアミンを有効成分として含有する、美白剤、メラニン分解促進剤およびメラノソームタンパク質分解促進剤。【選択図】なし

Description

本発明は、チアミンを有効成分として含有する美白剤、メラニン分解促進剤およびメラノソームタンパク質分解促進剤。
メラニンは、ヒトを含む動物、植物、原生動物、また一部の菌類、真正細菌において形成される色素である。脊椎動物では、メラニンの大半が皮膚の表皮最下層の基底層や毛髪の毛母などにあるメラノサイト(色素細胞)で生成され、一部は網膜色素上皮細胞で生成される。
メラノサイト内では、メラノソームと呼ばれる顆粒中でメラニンが合成され、その後、メラノソームは、周囲のケラチノサイト(表皮細胞)へ輸送される。メラニンは、細胞核のDNAを破壊する紫外線を吸収し、皮膚ガンのリスクを減らす、医学上重要な印紙である。しかしながら、皮膚内でメラニンが過剰に生成される現象はしばしば起こり、これがクスミ、シミ、ソバカスなど、美容上の大きな問題となる。
現在知られているクスミ、シミ、ソバカスなどの対策としては、紫外線をサンスクリーン剤で遮光する方法、メラニン生合成を阻害する、またはメラニン生合成を促す情報伝達物質を抑制する物質を適用する方法などが知られている。
しかしながら、これらの方法は予防手段としては有効だが、一旦できてしまったシミ、ソバカスに対する根本的な改善手段にはなり得ない。シミ部位では、基底層に過剰のメラニンが蓄積しており、この蓄積メラニンは、新陳代謝機構においても必ずしも排出されるものではない。このような背景から、当業界では基底層に蓄積しているメラニンを減少させることのできる「メラニン分解促進剤」が新規美白剤として強く望まれている。
一方、チアミンは、糖代謝酵素の補酵素として働くことが知られており、滋養強壮、疲労回復効果に効果があるとされ、従来から医薬部外品や清涼飲料水などに広く使用されている。
また、特許文献1にはアスタキサンチンとチアミンのような水溶性ビタミンが組み合わされた皮膚外用剤について記載されており、一重項酸素除去能を有する点について開示されている。
特開平8−73311号公報
しかしながら、チアミンが、単独で美白作用、メラニン分解促進作用およびメラノソームタンパク質分解作用を示すことについては、知られていない。
本発明の目的は、チアミンの新たな用途を提供することである。
また、本発明の目的は、新規な美白剤、メラニン分解促進剤およびメラノソームタンパク質分解剤に基づく種々の新規な生理活性剤を提供することである。
本発明者らは、詳細な検討をおこなった結果、チアミンが単独で優れた美白効果を示すとの知見を得た。また、本発明者らは、チアミンが優れたメラニン分解促進効果を奏するとの知見を得た。さらに、本発明者らは、チアミンがメラノソームタンパク質の分解効果を有する知見を得た。本発明は、このような新しい知見に基づいて達成されたものである。
本発明は以下のとおりである。
[1] チアミンを有効成分として含有する美白剤。
[2] [1]に記載の美白剤を含有する化粧料。
[3] チアミンを有効成分として含有するメラニン分解促進剤。
[4] [3]に記載のメラニン分解促進剤を含有する化粧料。
[5] チアミンを有効成分として含有するメラノソームタンパク質分解促進剤。
[6] [5]に記載のメラノソームタンパク質分解促進剤を含有する化粧料。
本発明によれば、チアミンの新たな用途を提供することができる。
また、本発明によれば、新規な美白剤、メラニン分解促進剤およびメラノソームタンパク質分解促進剤に基づく種々の新規な生理活性剤を提供することができる。
実施例1にかかるケラチノサイト内におけるgp100の分解量に関するグラフである。 実施例2にかかる細胞内におけるメラニンの分解量に関するグラフである。
本発明の美白剤、メラニン分解促進剤およびメラノソームタンパク質分解促進剤は、それぞれ、チアミンを有効成分とする生理活性剤である。
なお、本明細書では、特に断らない限り、美白剤、メラニン分解促進剤およびメラノソームタンパク質分解促進剤を「生理活性剤」と総称する。
本明細書では、特に断らない限り、紫外線や老化によって生じる皮膚の黒化を予防または回復させること、メラニンの過剰産生による日焼け、シミまたはソバカスといった皮膚の色調変化または色素変化を予防または回復させること、皮膚本来の色調を維持すること、本来の肌の色を白くすること等の効果を、「美白効果」と総称する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示すものとする。
さらに本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
本発明にかかる生理活性剤において有効成分となるチアミンは、ビタミンB1(vitamin B1)とも呼ばれ、ビタミンの中で水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。化学式はC1217ClNOSで表される。
チアミンには、チアミン誘導体も包含される。チアミン誘導体としては、チアミン塩酸塩、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、ビスベンチアミン、フルスルチアミンなどが挙げられ、特に限定されるものではない。
チアミンは、一般的に用いられている合成物および天然物成分由来の抽出物などとして用いることができる。また、チアミンは市販品を使用することができる。
本発明にかかる美白剤は、チアミンを有効成分として単独で含有することにより美白効果を示すことができる。ここで、単独とは、チアミンが他の有効成分との相互作用などによらず単独で美白効果などを奏し得ることを意味するものであり、好ましくはチアミンのみが有効成分として美白効果などを奏し得ることを意味する。
美白剤またはこれを含有する化粧料は、皮膚に付与されることにより、美白効果を得ることができるため、美白剤またはこれを含有する化粧料を皮膚に付与することにより、メラニンの過剰産生に起因する色素斑(たとえば老人性色素斑(シミ)、雀卵斑(ソバカス)、肝斑、炎症後色素沈着、母斑など)の予防または治療の効果が期待できる。
本発明にかかるメラニン分解促進剤は、チアミンを有効成分として含有することにより、表皮基底層のケラチノサイト内に蓄積しているメラニン色素の分解を促進することができる。それによって、美白効果を得ることができる。そのため、メラニン分解促進剤またはこれを含有する化粧料を、皮膚に付与することにより、メラニンの過剰産生に起因する色素斑(たとえば老人性色素斑(シミ)、雀卵斑(ソバカス)、肝斑、炎症後色素沈着、母斑など)の予防または治療の効果が期待できる。
本発明にかかる生理活性剤またはこれを含有する化粧料を組成物の形態で用いる場合、当該組成物におけるチアミンの含有量は、剤型によって異なる。
一般に組成物の全質量に対して、チアミンの含有量としては、たとえば、組成物の全質量に対して、特に限定されることはないが、0.00001質量%〜10質量%であることが好ましく、0.00004質量%〜0.4質量%であることがより好ましい。チアミンの含有量は、組成物の全質量に対して、0.0004質量%〜0.1質量%であることがさらに好ましい。
チアミンの含有量が0.00001質量%以上であれば、十分な美白効果を得ることができるため好ましい。また、チアミンの含有量が10質量%以下であれば、組成物中でチアミンが析出するなどの問題も生じないため好ましい。
また、皮膚浸透を考慮したうえでの十分な美白効果およびチアミンの溶解性の観点から、チアミンの含有量は、組成物の全質量に対して、0.0004質量%〜0.4質量%であることがより好ましい。
本発明にかかる生理活性剤またはこれを含有する化粧料の形態には特に制限はない。組成物の形態としては、具体的には、オイル組成物、乳化組成物、粉末組成物などが挙げられる。オイル組成物、乳化組成物、粉末組成物は、公知の方法に従い調製することができる。
また、本発明の化粧料の形態には特に制限はなく、化粧水(ローション)、美容液(エッセンス)、クリーム、乳液などの化粧料を例示することができる。これらのいずれも通常の方法で調製することができ、たとえば乳液などの場合、水相および油相をそれぞれ加熱溶解し、乳化分散して冷却することで製造することができる。
本発明にかかる生理活性剤またはこれを含有する化粧料は、経口的または非経口的に投与することができるが、効果発現の観点から、非経口的に投与することが好ましい。具体的には、チアミンを直接皮膚へ投与可能な局所投与が好ましく、経皮投与がより好ましい。
本発明にかかる生理活性剤またはこれを含有する化粧料は、チアミンの他に組成物の形態、目的などに応じて他の成分を含むことができる。他の成分は、適宜選択することができ、好適な例としては、機能性油性成分、乳化剤、その他の添加成分などが挙げられる。
(機能性油性成分)
機能性油性成分としては、水性媒体に溶解せず、油性媒体に溶解する油溶性成分であれば、特に限定はなく、目的に応じた物性や機能性を有するものを適宜選択して使用することができる。機能性油性成分としては、紫外線吸収剤、抗炎症剤(チアミン以外)、保湿剤、毛髪保護剤、細胞賦活剤、エモリエント剤、角質溶解剤、帯電防止剤、脂溶性ビタミン剤、メタ簿リックシンドローム改善剤、降圧剤、鎮静剤などとして使用されているものが挙げられる。
ここで、機能性油性成分とは、生体において所望の生理学的作用の発揮が期待され得る油性成分を意味する。
(その他の添加成分)
上記成分の他、医薬品、機能性食品、化粧品などの分野において通常用いられる添加成分を、組成物に、その形態に応じて適宜含有させてもよい。他の添加成分は、その特性によって、油溶性または水溶性の添加成分として、組成物に含有させることができる。
たとえば、その他の添加成分としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール;グルコース、加糖、乳糖、麦芽糖、ショ糖、ペクチン、カッパーカラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアガム、キサンタンガム、カラヤガム、タマリンド種子多糖、アラビアガム、トラガカントガム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、デキストリンなどの単糖類または多糖類;ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクトース。マルトトリイトール、キシリトールなどの糖アルコール;塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの無機塩;カゼイン、アルブミン、メチル化コラーゲン、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、ゼラチンなどの分子量5000超のタンパク質;グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、メチオニン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アセチルヒドロキシプロリンなどのアミノさんおよびそれらの誘導体;カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体などの合成高分子;ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体;などを挙げることができ、その機能に基づいて、たとえば機能性成分、賦形剤、粘度調整剤、ラジカル捕捉剤などとして含んでもよい。
その他、pH調整剤、pH緩衝剤、防腐剤、香料、着色剤など、通常、その用途で使用される他の添加物を併用することができる。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1:メラノソームタンパク(gp100)分解促進作用の評価
(1)ヒト膣黒色腫(HMV-II)の培養
ヒト膣黒色腫(HMV-II)を10体積% Fetal Bovine Serum(GIBCO社製)および1質量%Penicillin-Streptomycin(GIBCO社製)含有HamF12培地(SIGMA社製)でT225フラスコに8000 cells/cm2で播種し1週間37℃のCO2インキュベーターで培養した。T225フラスコから細胞を回収し、10体積%Fetal Bovine Serum(GIBCO社製)および1質量%Penicillin-Streptomycin(GIBCO社製)含有DMEM/F12,GlutaMAX(登録商標)培地(GIBCO社製)でHYPER Flask(登録商標)に播種し1週間37℃のCO2インキュベーターで培養した。細胞を回収し、-80℃で保存した。
(2)メラノソームの抽出
ヒト膣黒色腫(HMV-II)2×108細胞に細胞破砕液(0.1 M Tris,1質量% IgepalCA630, 0.01 質量%SDS, pH 7.5)4 mLを加えボルテックスを5秒行い、氷上でピペッティングを行い破砕した。氷上で10分放置し再度ピペッティングを行いさらに10分放置した。細胞破砕液を遠心し(1000 G、10分)、上清を回収し再度遠心した(20000 G、10 分)。沈殿をPBSで洗浄し遠心(20000 G、10 分)により回収し、PBS 100mLに懸濁しメラノソーム抽出ペレットを調製した。
(3)メラノソーム貪食ケラチノサイトの調製
ヒト表皮ケラチノサイト(HaCaT)を10 体積%Fetal Bovine Serum(GIBCO社製)および1質量% Penicillin-Streptomycin-Glutamine(GIBCO社製)含有DMEM培地(GIBCO社製)でT225フラスコに6500 cells/cm2で播種し4日間培養した。(2)で調整したメラノソーム抽出ペレットを添加し18時間培養した。培養後、PBSで洗浄しトリプシンを5mL加え5分間37℃でインキュベートした。DMEM培地を5mL加えピペッティングし遠沈管に移し、室温300 Gで遠心分離した。上清を捨て沈殿した細胞をDMEM培地でほぐし、これをメラノソーム貪食ケラチノサイトの懸濁液とした。
(4)細胞播種・薬剤添加
メラノソーム貪食ケラチノサイトを10 体積%Fetal Bovine Serum(GIBCO社製)および1質量%Penicillin-Streptomycin-Glutamine(GIBCO社製)含有DMEM培地(GIBCO社製)で12穴プレートに50000 cells/cm2、96穴プレートに32000 cells/cm2になるように播種し3時間培養した。前培養後、DMSOを用いて1μM、10μM、100μM、1000μMの濃度に調製したチアミン(和光純薬工業株式会社製)を培地に対して1質量%添加し、2日間培養を行った。
(5)細胞生存率試験
被験物質溶液を添加し培養した96穴プレートについて、細胞をPBSで洗浄した後、培地100 μLとCell Counting Kit-8溶液(DOJINDO社製)10 μLを加え、37℃のCO2インキュベーターで1時間保温した。その後、450 nm(対照600 nm)における吸光度を測定し生細胞数の指標とした。被験物質を添加しない場合の生細胞数を100として、チアミンを添加した場合の細胞生存率(%)を求めた。
(6)メラノソームタンパク(gp100)の定量
被験物質溶液を添加し48時間培養した12穴プレートについて、細胞をPBSで洗浄した後、トリプシン200μLを加え5分間37 ℃インキュベートした。DMEM培地を200μL加えピペッティングし、96穴ディープウェルプレートに移し室温300 Gで遠心分離した。上清を捨て沈殿した細胞をPBSで洗浄し再度300 Gで遠心分離した。
4質量%パラホルムアルデヒドで固定した後(室温、15 分)、メタノールで固定し(44℃、30分)、1質量%BSA (Bovine Serum Albumin)溶液で1時間ブロッキングした。TPBSで1回洗浄後、Can Get Signal(登録商標) immunostain(solution A)で一次抗体を終濃度2 μg/mLになるように希釈し50 μLを加え懸濁し一晩4℃で反応させた。TPBSで2回洗浄後、二次抗体を終濃度2μg/mLになるように希釈し50μLを加え懸濁し1時間室温で反応させた。TPBSで2回洗浄後、TPBSを100μL加えU字96穴プレートに移し、BD(登録商標) FACSCalibur(登録商標)付随High Throughput Samplerを用い測定し、蛍光強度積算値を求めた。
一次抗体:Anti-Melanoma Associated Anigen 100+/7kDa antibody [NKI/beteb](ab34165: abcam社製)
二次抗体:Alexa 488 Goat Anti-Mouse IgG2b(A-21141: life technologies社製)
(7)データの解析
(6)で求めた蛍光強度積算値に(5)で求めた細胞生存率を積算し補正を行い、メラノソームタンパクであるgp100のタンパク量とした。
図1より、チアミンの濃度に依存してgp100量が減少することを見出した。この結果、チアミンはケラチノサイト内において、メラノソームタンパクであるgp100の分解を促進する作用を持つことが明らかとなった。
実施例2:細胞内メラニン分解促進効果の評価
(1)メラノソーム貪食ケラチノサイトの調製
ヒト表皮ケラチノサイト(HaCaT)を10 体積% Fetal Bovine Serum(GIBCO社製)および1質量% Penicillin-Streptomycin-Glutamine(GIBCO社製)含有DMEM培地(GIBCO社製)でT225フラスコに6500 cells/cm2で播種し4日間培養した。実施例1の(2)で調整したメラノソーム抽出ペレットを添加し18時間培養した。培養後、PBSで洗浄しトリプシンを5 mL加え5分間37℃でインキュベートした。DMEM培地を5 mL加えピペッティングし遠沈管に移し、室温300Gで遠心分離した。上清を捨て沈殿した細胞をDMEM培地でほぐし、これをメラノソーム貪食ケラチノサイトの懸濁液とした。
(2)細胞培養
メラノソーム貪食ケラチノサイトを2×106cellsをT75フラスコに播種し、10体積% Fetal Bovine Serum(GIBCO社製)および1質量%Penicillin-Streptomycin-Glutamine(GIBCO社製)含有DMEM培地(GIBCO社製)で6時間培養した。
<コントロールの作製>
PBSで洗浄しトリプシンを2 mL加え5分間37℃でインキュベートした。DMEM培地を4 mL加えピペッティングし遠沈管に移し、室温300Gで遠心分離した。沈殿した細胞をコントロールとした。
<サンプルの作製>
DMEM培地を交換後、DMSOを用いて1μM、10μM、100μM、1000μMの濃度に調製したチアミンを培地に対して1質量%添加し、18時間培養した。PBSで洗浄しトリプシンを2 mL加え5分間37℃でインキュベートした。DMEM培地を4 mL加えピペッティングし遠沈管に移し、室温300Gで遠心分離した。上清を捨て沈殿した細胞をサンプルとした。
(2)細胞内メラニンの定量
(1)で作製した細胞ペレットに100μLの水を加えピペッティングを行い、1 mLのエーテル / エタノール = 1 / 1溶液を加えボルテックスを行った。遠心分離後(4℃、300 G、 3分)、上清を除去し一晩乾燥させた。乾燥した細胞塊に、10体積%ジメチルスルホキシドを含有する1 mol / L水酸化ナトリウム水溶液500 μLを加え80℃で30分間加温し、溶解させ、400 nmの吸光度を測定した。
図2より、チアミンの濃度に依存して細胞内のメラニン量が減少することを見出した。この結果、チアミンはケラチノサイト内において、メラニン色素自体の分解を促進する作用を持つことが明らかとなった。
実施例3:化粧水の調製
以下の処方に従って、常法により化粧水を調製する。以下の数値は処方の全質量に対する質量%を意味する。
<組成> (質量%)
チアミン 0.01
アルブチン 1.0
グリチルリチン酸ジカリウム 1.0
ジプロピレングリコール 5.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 6.5
ポリエチレングリコール1540 1.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
エタノール 12.0
フェノキシエタノール 0.15
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 1.0
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル 0.2
モノオレイン酸ポリグリセリル 0.05
ショ糖ステアリン酸エステル 0.05
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.1
コラーゲン 1.0
N−アセチル−L−ヒドロキシプロリン 1.0
水溶性コラーゲン液 1.0
加水分解コラーゲン(魚由来) 1.0
海藻エキス 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2
天然ビタミンE 0.2
アスタキサンチン液 0.1
大豆リン脂質 0.5
ツボクサエキス 0.01
グライカシル2000※ 0.2
トマト抽出液 0.01
精製水 残量
※グライカシル2000(ロンザ株式会社製)は、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル(6%)とシクロデキストリンを含有する。
実施例4:美容液の調製
以下の処方に従って、常法により美容液を調製する。以下の数値は処方の全質量に対する質量%を意味する。
<組成> (質量%)
チアミン 0.01
グリチルリチン酸ジカリウム 1.0
ジプロピレングリコール 5.0
トリメチルグリシン 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.05
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 6.5
キサンタンガム 1.2
アルカリゲネスレタースB−16ポリマー 0.1
エタノール 12.0
フェノキシエタノール 0.5
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 3.0
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル 1.0
モノオレイン酸ポリグリセリル 0.05
ショ糖ステアリン酸エステル 0.05
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.1
コラーゲン 1.0
N−アセチル−L−ヒドロキシプロリン 1.0
水溶性コラーゲン液 1.0
加水分解コラーゲン(魚由来) 1.0
加水分解酵母エキス溶液 0.05
酵母エキス 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2
天然ビタミンE 0.03
アスタキサンチン液 0.1
大豆リン脂質 0.4
ツボクサエキス 0.01
水溶性ツボクサエキス 0.03
精製水 残量
実施例5:クリームの調製
以下の処方に従って、常法によりクリームを調製する。以下の数値は処方の全質量に対する質量%を意味する。
<組成> (質量%)
チアミン 0.01
アルブチン 1.0
グリチルリチン酸ジカリウム 1.0
1,2−ペンタンジール 1.0
ジプロピレングリコール 5.0
ポリエチレングリコール6000 1.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
トリメチルグリシン 0.5
グリセリン 1.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
キサンタンガム 0.15
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.05
スクワラン 0.5
シア脂 1.0
サラシミツロウ 0.5
ベヘニルアルコール 0.5
親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 0.5
メチルポリシロキサン 2.0
アクリル酸ナトリウム・アクロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体 0.05
コラーゲン 1.0
N−アセチル−L−ヒドロキシプロリン 1.0
水溶性コラーゲン液 1.0
加水分解コラーゲン(魚由来) 1.0
加水分解酵母エキス溶液 0.05
酵母エキス 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2
天然ビタミンE 0.02
アスタキサンチン液 0.1
大豆リン脂質 0.5
ツボクサエキス 0.01
精製水 残量
実施例6:パック化粧料の調製
以下の処方に従って、常法によりパック化粧料を調製する。以下の数値は処方の全質量に対する質量%を意味する。
<組成> (質量%)
チアミン 0.01
アルブチン 1.0
グリチルリチン酸ジカリウム 1.0
1,2−ペンタンジオール 1.0
ジプロピレングリコール 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.15
キサンタンガム 0.1
グリセリン 1.0
エタノール 3.0
クエン酸 0.12
水酸化ナトリウム 0.05
コラーゲン 1.0
N−アセチル−L−ヒドロキシプロリン 1.0
水溶性コラーゲン液 1.0
加水分解コラーゲン(魚由来) 1.0
加水分解酵母エキス溶液 0.05
ボタンエキス 0.05
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2
天然ビタミンE 0.02
アスタキサンチン液 0.1
大豆リン脂質 0.5
ツボクサエキス 0.01
水溶性ツボクサエキス 0.05
不織布 1シート
実施例7:油中水型日焼け止め化粧料の調製
以下の処方に従って、常法により油中水型日焼け止め化粧料を調製する。以下の数値は処方の全質量に対する質量%を意味する。
<組成> (質量%)
チアミン 0.01
シクロペンタシロキサン 40.0
ジメチコン 8.0
エタノール 3.0
PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 5.0
ポリメチルシルセスキオキサン 4.0
ブチレングリコール 3.0
(アクリル酸ブチル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー 1.0
セスキオレイン酸ソルビタン 0.25
マイカ 0.5
フェノキシエタノール 0.3
クエン酸ナトリウム 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
ツボクサエキス 0.1
酸化チタン 8.0
t−ブトキシベンゾイルメタン 2.5
水酸化アルミニウム 2.4
イソステアリン酸 1.5
精製水 残量
実施例8:水中油型日焼け止め化粧料の調製
以下の処方に従って、常法により水中油型日焼け止め化粧料を調製する。以下の数値は処方の全質量に対する質量%を意味する。
<組成> (質量%)
チアミン 0.01
シクロペンタシロキサン 1.0
エタノール 10.0
イソノナン酸イソドデシル 8.0
メトキシ桂皮酸エチルヘキシル 6.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルNa)コポリマー 1.0
(アクリル酸ブチル/ジメタクリル酸グリコール)クロスコポリマー 0.5
マイカ 0.5
ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30 0.5
フェノキシエタノール 0.3
キサンタンガム 0.05
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
ツボクサエキス 0.1
酸化チタン 5.0
t−ブトキシジベンゾイルメタン 2.5
水酸化アルミニウム 1.0
イソステアリン酸 0.5
精製水 残量

Claims (6)

  1. チアミンを有効成分として含有する美白剤。
  2. 請求項1に記載の美白剤を含有する化粧料。
  3. チアミンを有効成分として含有するメラニン分解促進剤。
  4. 請求項3に記載のメラニン分解促進剤を含有する化粧料。
  5. チアミンを有効成分として含有するメラノソームタンパク質分解促進剤。
  6. 請求項5に記載のメラノソームタンパク質分解促進剤を含有する化粧料。
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