JP6118983B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸が水平もしくは傾斜した回転ドラム内で洗濯、すすぎ、脱水、乾燥の各行程を行う洗濯機に関するものである。
従来のこの種の洗濯機は、水及び空気を通過させる多数の透孔が周面に形成された有底円筒形の回転ドラムを水平方向もしくは水平方向から傾斜した方向にして水槽内に配設し、回転ドラムを回転駆動できるように構成されている。前記水槽の正面側には、扉によって開閉可能に衣類出入口が形成されており、その衣類出入口から回転ドラム内に洗濯物を投入して水槽内への注水及び排水、回転ドラムの回転を制御することにより洗濯、すすぎ、脱水の各行程を行うようになっている。
本体の前面上部には、発光表示部や押圧操作ボタン部を有する操作表示パネルが配置され、使用者は希望の運転コースを選択し運転を開始する。操作表示パネルは透明樹脂製で表面はインサート成形されたフィルムで覆われて着色、印刷が施された化粧面を成す。使用者が選択したコースが点灯し、運転中は点滅するなどして、使用者が運転状況を容易に識別できるようにしている。(例えば、特許文献1参照)。
図2に従来の操作表示パネル50を示すが、51は液晶パネルで全ての表示内容を全点灯して表した状態であり、使用者が例えば「お急ぎ」コースを選ぶ時は、コースボタン52を押すとコース選択に有効な内容のみが点灯し、コースボタンを押す毎に設定したコースが変わり、「お急ぎ」に設定されたことを確認して「スタート」ボタンを押し運転をスタートさせる。
特開2003−384906号公報
しかしながら前記従来の洗濯機の構造では、操作表示パネル上にコースボタンなどの運転内容を設定する操作ボタンが数多く並び、どのボタンを押せば良いのかわかりにくく操作性が悪い。また液晶パネルの表示内容も決められた表示位置で点灯させるだけなので、数が増えるほど1つ1つの表示大きさが小さくなり、視認性も低下する。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、操作性、視認性、外観デザイン的にも優れたドラム式洗濯機を提供することにある。
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、回転駆動されるドラムを収納し、少なくとも天板および前部枠体含む洗濯機筐体と、前記前部枠体の上方と前記天板との間に配設され、開口窓を有する樹脂製の操作表示パネルと、液晶パネルに表示された内容を表示し、裏面に接着された透明電極を操作する機能を備えた透明ガラス板と、前記液晶パネルや前記透明電極を制御する制御基板ユニットとを備え、前記操作表示パネルの前記開口窓裏面側に、前記透明ガラス板と前記制御基板ユニットを配設し、前記操作表示パネルは、斜め上方を指向するとともに、前記操作表示パネルの上部は、前記天板より斜め上方に突出させ、前記操作表示パネルの下部は、前記前部枠体より斜め上方に突出させ、前記開口窓は略矩形形状を成し、この開口窓の上辺、下辺の少なくともどちらかの表面側に斜面を設けたものである。
このような構成により、使用者が運転内容を設定する時に、透明ガラス板に現れる表示を直接触って選択したいコースを選ぶと、続けて例えば「洗い」の時間設定などの更に下層の表示が現れ、それを触って決定していく階層的な操作が可能となり、操作ボタンを減らせ、表示も大きくでき、操作性、視認性を向上できる。さらに、操作表示パネルのスペースが広がり、液晶パネルが大きくでき表示範囲も広げることができる。
また、上記構成において、開口窓は略矩形形状を成し、この開口窓の上辺、下辺の少なくともどちらかの表面側に斜面を設けたものである。
このような構成により、たとえば、背の高い人が真上方向から見下ろした時に見える範囲、あるいは、車椅子を使う人が前方から見た時に見える範囲を更に広げることができ、表示範囲を広げることができる。
本発明の洗濯機は、使用者が運転内容を設定する時に、透明ガラス板に現れる表示を直接触って選択したいコースを選ぶと、続けて例えば「洗い」の時間設定などの更に下層の表示が現れ、それを触って決定していく階層的な操作が可能となり、操作ボタンを減らせ、表示も大きくでき、操作性、視認性を向上できる。同時に操作表示パネルのスペースが広がり、液晶パネルが大きくでき表示範囲も広げることができる。
本発明のドラム式洗濯機の操作表示パネル部の要部平面図 従来のドラム式洗濯機の操作表示パネル部の要部平面図 本発明のドラム式洗濯機の縦断面図 同ドラム式洗濯機の全体斜視図 同ドラム式洗濯機の操作表示パネル部のA−A要部縦断面図 (a)同ドラム式洗濯機の操作表示パネル部のB−B要部横断面図(b)同洗濯機の締結ボスを含んだ要部横断面図 同ドラム式洗濯機の操作表示パネル部の要部斜視図 (a)同ドラム式洗濯機の操作表示パネル部の上部拡大図(b)同ドラム式洗濯機の操作表示パネル部の下部拡大図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なおこの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図3において、ドラム式洗濯機の本体1内に、水槽2が宙吊り状態に配設され、前記水槽2内に有底円筒形に形成された回転ドラム3がその軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させてかつ回転自在に配設されている。前記水槽2の正面側には回転ドラム3の開口端に通じる衣類出入口4が形成され、本体1の前面を構成する前部枠体5の前部に形成された上向き傾斜面に設けられた開口部6を開閉する扉9を開くことにより、衣類出入口4を通じて回転ドラム3内の洗濯物を出し入れすることができる。扉9が上向き傾斜面に設けられているため、洗濯物を出し入れする作業を腰を屈めることなく実施でき、一般には横向きにある開口部から洗濯物を出し入れするドラム式洗濯機の作業性の悪さが改善されている。
回転ドラム3の周面に水槽2内に通じる多数の透孔10が形成され、水槽2の背面側に取り付けられたモータ11によって正転及び逆転方向に回転駆動される。前記水槽2には、注水管路12及び排水管路13が配管接続され、注水弁14および排水弁15の制御に
よって水槽2内への注水及び排水がなされる。
前部枠体5の上部には操作表示パネル16が配置され、その左下には洗剤投入ケース17(図4に記載)が前方に引き出し自在に前部枠体5に配置されている。使用者は運転に先立ち洗剤を洗剤投入ケース17に入れ、必要に応じて操作表示部16を操作することにより、希望する運転内容を設定したり、運転スタート、一時停止を行い、運転の進行状態を認識することができる。
扉9を開いて回転ドラム3内に洗濯物を投入して運転を開始させると、注水弁14が開き、洗剤投入ケース17内に水が注水され、その中に投入されていた洗剤を流しながら、注水管路12を介して水槽2内に所定量の注水がなされ、モータ11により回転ドラム3が回転駆動されて洗濯行程が開始される。洗濯行程の洗濯物は、回転ドラム2の回転により回転方向に持ち上げられ落下する撹拌動作が繰り返され洗濯がなされる。
所要の洗濯時間の後、排水弁15が開き、汚れた洗濯液は排水管路13から排出され、回転ドラム3を高速回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗濯液を脱水し、その後、水槽2内に注水管路12から注水され、すすぎ行程が実施される。このすすぎ行程においても、洗濯物には回転ドラム2の回転により撹拌動作が繰り返されてすすぎ洗いが実施される。
図5、図6、図7において、操作表示パネル16は、前部枠体5の上方と天板18との間に配置され、透明樹脂部19の表面がインサート成形されたフィルム20(PETフィルム)で覆われて着色、印刷が施された化粧面を成し、中央に略矩形形状を成す開口窓21が設けられる。この開口窓21は透明樹脂もフィルムも無い領域であり、その裏面には透明ガラス板22が弾性体23を介して操作表示パネル16に取付けられ、この透明ガラス板22の裏面には透明電極24が接着される。また前記透明ガラス板22の裏面側には液晶パネル25が液晶取付台26に取付けられ、この液晶取付台26の裏面には前記透明電極や前記液晶パネルを制御する制御基板ユニットA27が取付けられる。
前記操作表示パネル16は押圧操作ボタン部28や発光表示部29も有し、この操作表示パネル16の内部にはスイッチ30や発光素子31などを積載した制御基板ユニットB32があり、裏面カバー33に取付けられる。また前記発光素子31の光を前記発光表示部29に導く導光経路34や、スイッチ30を押圧操作するボタン部35を有する操作部材36が、前記操作表示パネル16と前記裏面カバー33の間に設けられる。前記押圧操作ボタン部28には透明樹脂部19が無くフィルム20のみが存在するので、軽い操作力でスイッチ30を操作できる。また発光表示部29には透過性の高い印刷が施され発光素子31の弱い光でも充分光らせることができる。
使用者が電源入りボタン(押圧操作ボタンの1つ)を押すと、液晶パネル25には例えば図1に示すような表示が現れ、前記透明ガラス板22を通して表示が見える。次に使用者が例えば「わたし流」と表示された領域の透明ガラス板の表面を指で触ると、図示はしないが例えば「洗い」の回数や時間の設定表示画面になったり、水位の設定などの表示になったりして、次々に下位の設定に進んでいく。このように表示画面を直接触って階層的に設定するのはタッチパネル方式と呼ばれ、透明ガラス板22の裏面に接着された透明電極24によって、指がガラスに触れた時の静電容量の変化を検知することで、指が触れた位置を特定し、表示内容を操作に応じて進めていくことができる。
図2に従来例の操作表示パネル50を示すが、中央の表示窓は液晶パネル51の表示内容を、透明樹脂とその表面にインサート成形されたフィルムを通して見せるだけであり、表示場所も決まっているので、表示内容が増えると表示文字は小さくなってしまう。また
「コース」ボタン52などの設定ボタンが多数並び、使用者がどこを押したらいいのかわかりにくく、操作性が悪い、表示文字も小さく視認性が悪いという課題がある。
そこで、上述したように操作表示パネル16に開口窓21を設け、その裏面側に透明電極24を接着した透明ガラス板22を弾性体23を介して取り付けることにより、使用者が表示画面を直接触って階層的に設定することができ、その結果、固定された操作ボタンを多数設ける必要が無くなって、操作ボタンを大幅に減らすことができる。また液晶パネル25には、今操作する時に必要な表示のみを絞って表示したらいいので、表示内容を少なくかつ大きくでき、操作性、視認性の向上が図れる。
ところで静電容量の変化は指が触る物質の誘電率によって決まり、誘電率が大きいほど静電容量の変化が大きくなり感度が高くなる。なお感度が高いとは、指で押された位置を正確に早く認識でき、例えば水滴が付着したことを指が触れた状態と認識してしまうような誤検知を起こし難く、また外部ノイズの影響を受けて誤検知しにくいことをいう。ここで、例えばガラスの誘電率は9程度、ABS樹脂やPET樹脂は3程度であり、また静電容量の変化は厚みに反比例するので、指で触る部分の材質がガラス板だと、ABS樹脂やPET樹脂に比べて3倍の厚みがあっても、感度が同等にできる。
ちなみにABS樹脂やPET樹脂とは、一般的に操作表示パネルの材料として使われる透明の樹脂成形材料であり、本実施の形態、従来例とも透明樹脂部19に使用している。ただし従来例は中央の表示部も他と同じ厚み3mm程度の透明樹脂と表面に厚み0.2mm程度のフィルム(PET)がインサート成形されたものであるのに対し、本実施の形態の操作表示部は開口窓21があり、裏面に透明電極24が接着された厚み2mm程度の透明ガラス板22となっている。これは感度を少しでも高くしたいからである。
開口窓21を設けなくても、透明樹脂部19の厚みを薄くして裏面に透明電極24を直接接着すれば操作時の感度を高めることができるかもしれない。しかし表面にフィルム(PET)がインサート成形されるので、フィルムの密着性を確保し、また成形後のソリ、変形を抑える為には透明樹脂の厚みは2.5mm以上が必要となり、それ以上の薄肉化はできない。一方使用者が操作する時に違和感なく操作できる程度の感度を得る為には、透明樹脂の厚みは1.5mm程度に抑える必要があり両立しない。更に透明電極24を操作表示パネルに接着する際は、気泡が残らないように、また密着性を高める為に、接着後に専用の設備で加圧、過熱を施す必要があるが、操作表示パネル16全体を入れるとなると、大きな設備が必要となり生産性も高めることができない。以上の理由で操作表示パネルに直接透明電極を接着する構成は採れなかった。
そこで本実施の形態では操作表示パネル16に開口窓21を設けて、裏面側から透明電極24を接着した透明ガラス板22を弾性体23を介して開口窓21の裏面に取り付けた。使用者は液晶パネル25に表示された表示を見て、透明ガラス板22の表面を指で触り、必要に応じて各種運転内容の設定を行う。予期せぬ外力が加わることによる破損防止を考慮して、透明ガラス板22の厚みは2mm程度としたが、前述したように誘電率がABS樹脂より大きい為、操作時の感度は充分高くでき、指で押された位置を正確に早く認識でき、例えば水滴が付着したことを指が触れた状態とみなすような誤検知を起こし難く、また外部ノイズの影響を受けて誤検知しにくいものとなる。
透明ガラス板22の裏側には、液晶パネル25や制御ユニット基板Aなどの電装部品があり、防水が必要となる。そこで略矩形形状の透明ガラス板22の外周部を枠形状の弾性体23で覆い、この弾性体を介して略矩形形状の開口窓21の裏面に取り付けている。開口窓21の上辺37の内部、および下辺38の内部では、透明ガラス板22の表面側、裏面側、端面側の3方向とも弾性体23を介して、透明ガラス板22が操作表示パネル16
と液晶取付台26の間に防水的に取付けられる。また開口窓21の左辺39の内部、および右辺40の内部では、透明ガラス板22の裏面側、端面側の2方向とも弾性体23を介して、透明ガラス板22が操作表示パネル16と液晶取付台26の間に防水的に取付けられる。
操作表示パネル16の裏面の開口窓21の4隅にはボス41が設けられ、液晶取付台26、および裏面カバー33がビス締結される。ビス締結状態では、弾性体23が液晶取付台26で押し付けられて透明ガラス板22および操作表示パネル16と密着するので、開口窓21の防水性が確保される。よって使用者が誤って開口窓21に水をこぼしたりしても、内部にある液晶パネル25や制御基板ユニットA27などの電装部品に水が付着することが無く、安全に守る。なお本実施の形態では液晶取付台26、および裏面カバー33が友締めされる例を示したが、液晶取付台26を単独で操作表示パネル16にビス締結しても同様の効果が得られる。
透明ガラス板22が弾性体23を介して開口窓21の裏面に取り付けることで、外部から加わる衝撃でガラスが破損することも防止できる。透明ガラス板22には、例えば使用者が何かを落とした時に衝撃荷重が加わる。また製品が包装状態で使用者宅に届けられる物流の途中で、積荷状態から落下したり転倒したりされた時でも同じく衝撃力が加わる。操作表示パネル16は樹脂製で少しは衝撃を吸収するが、透明ガラス板22は硬いけれど衝撃には弱いものである。よって透明ガラス板22の外周に弾性体23を配置させることで柔構造となり、外部から衝撃が加わっても破損を防げる。
またガラスはABS樹脂に比べ線膨張係数が1オーダー小さい。製品が使用者宅で設置される場所が夏場、冬場では気温差が大きく、また倉庫で包装状態で保管された状態でも季節、地域差でかなりの温度差が生じる。線膨張係数の違いが大きい部品同士を組み合わせる時は、熱膨張差による変形を吸収する構造にしないと部品の破損を招くことがある。そこで本実施の形態では、透明ガラス板22は弾性体23を介して開口窓21の裏面に取り付けることで、熱膨張差で透明ガラス板22と操作表示パネル16や液晶取付台26との間に寸法変化が生じても、弾性体23によって吸収され部品の破損を防げる。
操作表示パネル16には、使用者が透明ガラス板22に指を触れて運転内容を設定できる開口窓21内の領域の他にも、電源入り、電源切り、スタートなどの押圧操作ボタン部28も幾つか残している。使用者が液晶パネル25に表示された内容に応じて透明ガラス板に直接触れて設定していくことで、押圧操作ボタン部を無くしてしまうことも可能ではある。しかし常に外観から見える固定された操作ボタンも残しておかないと、使用者が操作の途中で間違えて1つ前の操作に戻したい時とか、運転中に何か不具合が起きてすぐに止めたい時など、何をしたらいいのかわからなくなることがあるので、そうならないような配慮をしている。
また本実施の形態では、押圧操作ボタン部を押すことで動作するスイッチ30や、発光表示部29を光らせる発光素子31などを積載した制御基板ユニットB32は、透明電極24や液晶パネル25を制御する制御基板ユニットA27から分離させるとともに、制御基板ユニットB32は裏面カバー33に取り付け、制御基板ユニットA27は液晶取付台26に取付けている。制御基板ユニットA、Bを分離したのは、操作表示パネル16の表面形状が、製品のセンター位置から端に行くほど後退するラウンド形状をしているためである。このラウンド形状の為に、センター付近に置かれる制御基板ユニットA27に比べて、右端に置かれる制御基板ユニットB32は相対的に後退し、お互いに段違いになって1つに合体できなかったからである。よって例えば操作表示パネル16の表面形状が平面に近い形状であるならば、制御基板ユニットA、Bを一体にして液晶取付台26などに取り付けた構成としても構わない。
図5において、前部枠体5の前面は、衣類出入口4に洗濯物を出し入れし易いように、水平に対して10°〜20°上方に傾斜している。よって操作表示パネル16や裏面カバー33などが収納される収納部の側壁51の水平線に対する角度θ2は金型の抜き方向の制約を受け、最大でも20°程度しか取れない。一方操作表示パネル16、及び液晶パネル25は斜め上方を向いており、水平線に対する液晶パネル25の面から垂直方向の角度θ1は40°程度に構成している。これは液晶には視野角度があって斜めからは見えない範囲があるからであり、身長177cm程度の背の高い人の視線でも、身長150cm程度の背の低い人が車椅子を使った視線でも液晶表示が見えやすいようにする為に40°程度にしている。
液晶パネル25の角度θ1が側壁51の水平線に対する角度θ2より大きいということは、操作表示パネル16の裏面側に置かれる液晶パネル25や制御基板ユニットA27や裏面カバー33のスペースが表面から奥まるほど狭くなっていくということである。そこで本実施の形態では、天板18と前部枠体5で形成される本体1の形状より操作表示パネル16を斜め上方に突出させて、液晶パネル25の大きさを最大限確保できるようにした。
即ち、操作表示パネル16の上部は天板18より斜め上方にD1だけ突出し、下部は前部枠体5より斜め上方にD2だけ突出している。D1とD2はほぼ等しく、液晶パネル25の角度θ1が視野範囲を広くカバーできる40°程度に構成される。この突出分D1、D2を設けたことによって、液晶パネル25が収納部の側壁51から離れ、操作表示パネル16の幅を広げることなく液晶パネル25の幅を広く取れるのである。
製品の表示部を大きくできれば当然操作性、視認性が向上しデザイン的なインパクトも強くなる。その為に操作表示パネル16の幅を広げることができれば良いが、下部を下げると洗剤投入ケース17の大きさに影響が出たり、扉9の大きさに影響が出る。また上部を上げると製品高さが高くなり、製品の設置性や梱包サイズに影響が出るので簡単には幅を広げることはできない。
よって操作表示パネルの幅は広げずに斜め上方にD1、D2分突出させることで、上述した悪影響を出さずに液晶パネル25の幅を広げることができ、表示範囲を広げることが可能となる。即ち洗剤投入ケースや扉の大きさや梱包サイズを変えること無く、操作性、視認性を向上できる。なお突出量D1、D2は製品のセンター位置付近の断面での値であり、透明ガラス板22や液晶パネル25が存在しない製品の両端部では突出させる必要が無いので、一律に突出させる代わりに製品センターから両端にかけて除変させてもよい。
次に開口窓の上辺37と下辺38の表面側に斜面52、53を設けた例を説明する。図8(a)は開口窓の上辺37付近、および(b)は下辺38付近の拡大断面図である。開口窓の上辺37の内部、および下辺38の内部では、透明ガラス板22の表面側、裏面側、端面側の3方向とも弾性体23を介しており、上辺の凹段差H1、下辺の凹段差H2は透明樹脂の厚み3mmと弾性体の厚み2.5mmを足した5.5mm程度となりH1、H2はほぼ同じに構成している。
この凹段差があることによって、上辺37では身長の高い人が真上方向からA矢印方向に見下ろす視線の場合に表示内容の上部が一部欠けたり、下辺38では身長の低い人が車椅子を使った略水平方向からの視線(B矢印方向)の場合に表示内容の下部が一部欠ける可能性がある。せっかく液晶パネル25の幅を広げて表示範囲を広げても、開口部の上辺37、下辺38付近では表示可能範囲として有効に使えないことになる。
そこで上辺37の表面側に例えばC2程度の斜面52を設けることで、身長の高い人が真上方向から見下ろす視線の場合に、表示内容の上部が一部欠ける範囲を少なくできる。また下辺38の表面側に例えばC3程度の斜面53を設けることで、身長の低い人が車椅子を使った水平方向からの視線の場合に、表示内容の下部が一部欠ける範囲を少なくできる。即ち液晶パネル25の表示可能範囲を開口窓21の幅により近付けることができ、表示範囲を大きくできて操作性、視認性が向上できる。
さらに下辺の斜面53を設けることにより、使用者が誤って洗剤液を透明ガラス板22にこぼした時に下辺38に溜まる量を減らすことができる。上述したように凹段差H2は透明樹脂19と弾性体23の厚みを足した5.5mm程度必要であり、斜面53を設けずに一般的な角RであるR1程度を表面側に取るだけだと、透明ガラス板22の角度θ1が40°程度という関係なので、下辺38に溜まる量が増えてしまう。よってC3程度の斜面53を設けることで、凹段差H2は変えずに下辺に溜まる量を減らすことができ、開口窓21の防水性を高めて、操作パネル内部にある液晶パネルなどの電装部品を安全に守り、さらに凹段差部に汚れが溜まった時の掃除もしやすいものとなる。
なお、斜面52と斜面53をどちらも設ける構成を示したが、どちらか一方に斜面を設ければ、相当の効果がえられる。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、使用者が運転内容を設定する時に、透明ガラス板に現れる表示を直接触って選択したいコースを選ぶと、続けて例えば洗いの時間設定などの更に下層の表示が現れ、それを触って決定していく階層的な操作が可能となり、操作ボタンを減らせ、表示も大きくでき、操作性、視認性を向上できる。さらに、操作表示パネルの内部のスペースが広がり、液晶パネルが大きくでき表示範囲も広げることができる。
また使用者が誤って開口窓に水をこぼしたりしても、内部にある液晶パネルや制御基板ユニットAなどの電装部品を安全に守る。また透明ガラス板の外周に弾性体を配置させることで柔構造となり、外部から衝撃が加わっても破損を防げるので、洗濯機分野で有用である。
1 本体
3 回転ドラム
5 前部枠体
16 操作表示パネル
18 天板
19 透明樹脂部
20 フィルム
21 開口窓
22 透明ガラス板
23 弾性体
24 透明電極
25 液晶パネル
26 液晶取付台
27 制御基板ユニットA
28 押圧操作ボタン部
29 発光表示部
30 スイッチ
31 発光素子
32 制御基板ユニットB
33 裏面カバー
34 導光経路
35 ボタン部
36 操作部材
37 開口窓の上辺
38 開口窓の下辺
39 開口窓の左辺
40 開口窓の右辺
41 ボス
42 段部
51 収納部の側壁
52 開口窓の上辺の斜面
53 開口窓の下辺の斜面

Claims (1)

  1. 回転駆動されるドラムを収納し、少なくとも天板および前部枠体含む洗濯機筐体と、
    前記前部枠体の上方と前記天板との間に配設され、開口窓を有する樹脂製の操作表示パネルと、
    液晶パネルに表示された内容を表示し、裏面に接着された透明電極を操作する機能を備えた透明ガラス板と、
    前記液晶パネルや前記透明電極を制御する制御基板ユニットとを備え、
    前記操作表示パネルの前記開口窓裏面側に、前記透明ガラス板と前記制御基板ユニットを配設し、
    前記操作表示パネルは、斜め上方を指向するとともに、前記操作表示パネルの上部は、前記天板より斜め上方に突出させ、前記操作表示パネルの下部は、前記前部枠体より斜め上方に突出させ
    前記開口窓は略矩形形状を成し、この開口窓の上辺、下辺の少なくともどちらかの表面側に斜面を設けた洗濯機。
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