JP6118081B2 - 灯油基材及び灯油組成物 - Google Patents

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

本発明は灯油基材及びこれを含有する灯油組成物に関する。
ナフサの熱分解留分として、例えばエチレン製造装置から副生される熱分解留分は、オレフィンやジエン分が多く、特有の臭い、低酸化安定性の点から、燃料油として使用することが難しい。そのため、流動接触分解装置に熱分解留分を通油し接触分解処理を行うが、コークが多く生成し再生塔温度が高くなるという問題があった。オレフィンやジエンを除去する他の方法として水素添加する方法があるが、通常の方法では、水素添加される前にオレフィンやジエンが重合するため、特殊なプロセスや高価な貴金属触媒が必要になってしまいコスト高となる問題があった。
また、Mo、Co、Ni又はWをアルミナやシリカアルミナに担持した触媒を用いて熱分解留分の水素化精製を行うと、触媒寿命が著しく短くなってしまうという問題がある。そのため、一般的には直留軽油に、触媒活性の劣化が顕著にでない程度に熱分解油を混合して水素化精製処理が施されてきた。しかし、この方法では熱分解留分の処理量が制限されると共に、触媒活性の劣化も十分には避けられない状況であった。
そこで、熱分解留分と直留軽油留分を5:95〜80:20の容量比で混合し、これに5〜45容量%の接触分解油を混合して水素化する水素化精製処理方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該処理方法によれば、熱分解油の処理量を増大することができるとともに、触媒活性の劣化を抑制し、深度脱硫、あるいは高度な脱窒素処理が可能であるとされている。
特開平08−048981号公報
しかし、上記のような方法でも、オレフィンやジエン類に起因する特有の臭いが残り、かつ、灯油組成物とした際に良好な酸化安定性と低温流動性が得られないという問題があった。
以上から、本発明は、オレフィンやジエン類に起因する特有の臭いが低減されており、灯油組成物とした際に良好な酸化安定性と低温流動性とを発揮させることが可能な灯油基材、及びこの灯油基材を含み、良好な酸化安定性と低温流動性とを有する灯油組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは下記本発明に想到し当該課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] 重質ナフサ及び/又は灯油100容量部に対し、ナフサの熱分解から得られる下記(1)及び(2)の性状を有する熱分解油1〜50容量部を混合し、反応温度180〜210℃にて水素化処理して得られるPetroOXYが6分以上、メルカプタン濃度が18質量ppm以下の灯油基材。
(1)10%留出温度が40〜100℃、50%留出温度が150〜210℃、90%留出温度が240〜380℃である。
(2)密度が0.93〜0.99g/cm3である。
[2] 56℃に加熱した際に揮発して得られる成分中に、ジシクロペンタジエン及びスチレンモノマーが含有されていない[1]に記載の灯油基材。
[3] 前記水素化処理が、水素の存在下、水素化触媒を用いて行われる処理であり、その処理条件が、水素圧力2〜6MPa、液空間速度(LHSV)0.3〜1.5h-1、水素/油比250〜500Nm3/kLである[1]又は[2]に記載の灯油基材。
[4] 上記[1]〜[4]のいずれかに記載の灯油基材を1容量%以上含有してなり、引火点が40℃以上、煙点が21.0以上、90%留出温度が268℃以下であり、PetroOXYが50分以上である灯油組成物。
本発明によれば、オレフィンやジエン類に起因する特有の臭いが低減されており、灯油組成物とした際に良好な酸化安定性と低温流動性とを発揮させることが可能な灯油基材、及びこの灯油基材を含み、良好な酸化安定性と低温流動性とを有する灯油組成物を提供することができる。
[灯油基材]
本発明の灯油基材は、重質ナフサ及び/又は灯油100容量部に対し、ナフサの熱分解から得られる所定の性状を有する熱分解油(以下、「本発明に係る熱分解油」ということがある)1〜50容量部を混合し、反応温度180〜210℃にて水素化処理して得られる。
本発明に係る熱分解油が1容量部未満では添加効果がなく、50容量部を超えると水素化処理に用いられる反応塔で大量の水素化熱が発生し、熱暴走の危険がある。また、臭いの低減が不十分という問題がある。
本発明に係る熱分解油は、5〜40容量部であることが好ましく、10〜30容量部であることがより好ましい。
本発明に係る熱分解油は、所定の性状として下記(1)及び(2)の性状を有する。
(1)10%留出温度(T10)が40〜100℃、50%留出温度(T50)が150〜210℃、90%留出温度(T90)が240〜380℃である。
このような蒸留性状を有することで、好適に水素化処理することができる。
10%留出温度は好ましくは45〜95℃であり、より好ましくは50〜90℃である。50%留出温度は好ましくは160〜200℃であり、より好ましくは170〜190℃である。90%留出温度は好ましくは240〜370℃であり、より好ましくは240〜360℃である。
これらの留出温度の範囲内であれば、窒素分の含有量を低減でき、窒素分による水素化触媒への被毒を抑えることができる。なお、熱分解油の窒素分は、50質量ppm以下であることが好ましく、30質量ppm以下であることがより好ましい。また、熱分解油における各留出温度はガスクロ蒸留の留出温度である。
(2)密度が0.93〜0.99g/cm3である。密度が0.93g/cm3未満では発熱量が低下してしまい燃料使用量が増加する。また、0.99g/cm3を超えると水素化処理が困難(コーキング、触媒の活性低下)になってしてしまう。密度は0.94〜0.985g/cm3であることが好ましく、0.945〜0.98g/cm3であることがより好ましく、0.95〜0.98g/cm3であることがさらに好ましい。
本発明の灯油基材は、56℃に加熱した際に揮発して得られる成分中に、ジシクロペンタジエン及びスチレンモノマーが含有されていないことが好ましい。臭気の原因物質として、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、2,4,4-トリメチル-1-ペンテン、スチレンモノマーおよび4-ビニルシクロヘキセン等が挙げられるが、水素化処理の条件を強化してもジシクロペンタジエンおよびスチレンモノマーが最後まで残存するため、ジシクロペンタジエン及びスチレンモノマーが含有されないことが指標となり、オレフィンやジエン類に起因する特有の臭気を大幅に低減することができる。
また、本発明の灯油基材のPetroOXYは6分以上、好ましくは50分以上であり、メルカプタン濃度は18質量ppm以下、好ましくは16ppm以下である。
PetroOXYは、酸化安定度の指標となるもので、後述の実施例に記載の方法にて測定される。PetroOXYが6分未満では、長期保存時に酸化劣化する可能性が高くなってしまう。
また、メルカプタン濃度についても後述の実施例に記載の方法にて測定される。メルカプタン濃度が18質量ppmを超えると独特の強い臭いが感じられる。
また、基材のメルカプタン濃度を下げることにより、製品(灯油)のメルカプタン濃度も低下し、製品で5ppm以下であれば独特の臭いは感じられなくなる。
重質ナフサ及び/又は灯油に本発明に係る熱分解油を混合した後、反応温度180〜210℃にて水素化処理が施されて本発明の灯油基材が得られる。この水素化処理によって、スチレン、ジエン等の悪臭物質が水素化され、比較的臭いの少ないアルキルベンゼンやモノオレフィンに水素化される。
なお、通常の灯油水素化処理装置では反応温度が300℃以上となるため、熱分解油をブレンド通油すると210℃を超える部位でオレフィンやジエンが重合し、熱交換器、加熱炉、反応塔等において、汚れや圧力損失の増加が起こり、運転継続が困難になることがある。
水素化処理の詳細な条件(好ましい条件)は後述する。
ここで、重質ナフサとしては、引火点を考慮してエングラー蒸留での10%留出温度が120℃以上、好ましくは140℃以上、レジン分の存在を考慮して90%留出温度が240℃以下、好ましくは220℃以下のものが好適に使用される。また、重油組成物としての使用を考慮すると90%留出温度は160℃以上が好ましい。例えば、輸入ナフサから、主として炭素数5、6の留分からなるライトナフサと、主として炭素数7、8の留分からなるヘビーナフサを蒸留分離した後に得られる塔底留分である重質ナフサが挙げられる。
重質ナフサを得るナフサ原料としては、一般にフルレンジナフサと呼ばれるナフサが挙げられる。輸入ナフサには、炭素数9、10以上の重質分を含むため、ライトナフサやヘビーナフサを分離した後に得られる重質ナフサが特に好適に使用される。
また、灯油としては、特に限定されず、一般的な灯油を使用することができるが、灯油についても引火点を考慮してエングラー蒸留での10%留出温度(T10)が120℃以上、好ましくは140℃以上、レジン分の存在を考慮して90%留出温度(T90)が240℃以下、好ましくは220℃以下のものが好適に使用される。例えば、直留系の灯油留分や分解系の灯油留分が適用可能である。
重質ナフサ及び灯油の性状としては、水素化触媒への被毒を抑えるため、窒素分が20質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以下であることがより好ましく、5質量ppm以下であることがさらに好ましく、3質量ppm以下であることが最も好ましい。また、密度は0.76〜0.80g/mlであることが好ましい。
本発明の灯油基材には、本発明の効果を阻害しない限り種々の添加剤を混合させることができる。例えば、酸化防止剤、低温性流動向上剤等が挙げられる。
以上のような本発明の灯油基材は、既述の重質ナフサ及び/又は灯油100容量部に対し、本発明に係る熱分解油1〜50容量部を混合し、反応温度180〜210℃にて水素化処理する工程を経て製造される。
本発明に係る熱分解油は、エチレン製造装置から副生される熱分解留分を適用することができる。既述の所定の性状を有する熱分解油は、熱分解条件と蒸留条件をコントロールすることにより得ることができる。なお、他の石油化学製造装置からの副生品を有効活用するために、本発明の効果を阻害しない範囲で、当該副生品を熱分解油の一部として使用することもできる。例えば、スチレンモノマー装置より副生されるスロップ等が挙げられる。
重質ナフサ及び/又は灯油と本発明に係る熱分解油との混合方法としては、特に限定されず、タンクでの撹拌混合、配管でのスタティックミキサーによる混合等が挙げられる。
水素化処理は、水素の存在下、水素化触媒を用いて行う。水素化触媒としては、既存のモリブデン系水素化触媒(CoMoやNiMo)にPを含んでも良い。担体はアルミナ系のものが好適に使用される。
水素化処理の条件として、水素圧力は2〜6MPaとすることが好ましく、3〜4MPaとすることがより好ましい。水素圧力を2〜6MPaとすることでコーキングを防止し、触媒を長寿命化することができる。
なお、水素圧力(=全圧(反応塔出口の高圧セパレータの圧力)×供給水素ガス中の水素濃度で定義される)が高いほど水素化が容易に行われるが、同時に水素化による発熱が多くなりすぎ制御が困難になる、設備費が高くなる等の不具合が起こるため、コストを考慮しても上記のような範囲とすることが好ましい。
反応温度は180〜210℃であり、190〜200℃とすることがより好ましい。反応温度を180〜210℃とすることで重合反応の進行を抑えることにより安全・安定に操業することが可能になり、かつ臭いの改善を図ることができる。臭いについては、反応温度を180℃以上とすることにより、既述のオレフィンやジエン類に起因する特有の臭いを低減でき、反応温度を210℃以下とすることにより、水素化脱硫して生成した硫黄化合物が再度反応して生成するメルカプタンに起因する臭いも低減することができる。
なお、反応器が管型反応器(反応塔)の場合の反応温度は、触媒重量平均温度で定義される温度をさす。
また、液空間速度(LHSV)は0.3〜1.5h-1とすることが好ましく、0.5〜1.0h-1とすることがより好ましく、0.75〜1.0h-1とすることがさらに好ましい。液空間速度を0.3〜1.5h-1とすることで臭気の原因物質を選択的に水素化することができる。
さらに、水素/油比は250〜500Nm3/kLとすることが好ましく、300〜500Nm3/kLとすることがより好ましい。水素/油比を250〜500Nm3/kLとすることで反応に必要な水素を供給し、触媒の劣化を抑制することができる。なお、水素/油比の油は、ポンプ送液量(kL:キロリットル)をベースとしている。
[灯油組成物]
本発明の灯油組成物は、既述の本発明の灯油基材を1容量%以上含有してなり、引火点が40℃以上、煙点が21.0以上、90%留出温度が268℃以下である。
本発明の灯油基材の含有量が1容量%未満では、添加量が少なく効果が小さい。本発明の灯油基材は1〜50容量%であることが好ましく、1〜25容量%であることがより好ましく、1〜20容量%であることがさらに好ましく、5〜20容量%であることが特に好ましい。
本発明の灯油組成物のセタン指数が35未満であると、燃焼性が悪化してしまう。また、引火点が60℃未満であると、取り扱いの安全の面で好ましくない。さらに、目詰まり点が−6℃より高いと、低温でのフィルターが閉塞してしまう可能性が高くなる。また、流動点が−20℃より高いと、低温時にラインで固化してしまう可能性が高くなる。
セタン指数は35以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましい。引火点は60以上℃であることが好ましく、62以上℃であることがより好ましい。目詰まり点は−6以下℃であることが好ましく、−9℃以下であることがより好ましい。流動点−20℃以下であることが好ましく、−22.5℃以下であることがより好ましい。
なお、セタン指数は水素化条件、具体的には、水素圧力、水素/油比、反応温度を高く調整し、密度及び蒸留性状を制御することにより、35以上とすることができる。引火点は蒸留条件を調整することにより、60℃以上とすることができる。目詰まり点及び流動点については、熱分解油には目詰まり点を悪化させる直鎖パラフィンが少ないのでそのブレンド量を調整することにより、それぞれ−6℃以下及び−20℃以下とすることができる。
本発明の灯油組成物における本発明の灯油基材を加える灯油成分としては、JIS K 2203の1号又は2号の規定に適合する灯油を用いることが好ましい。
また、上記灯油としては常圧蒸留装置より得られる直留灯油(又は脱硫処理した灯油)、直留軽質軽油(又は脱硫処理した軽質軽油)、直留重質軽油(又は脱硫処理した重質軽油)の直留系基材を主体として用い、これに流動接触分解装置及び/又は残渣流動接触分解装置より得られる軽質サイクル油、減圧蒸留装置より得られる減圧軽油を水素化した水素化減圧軽油、水素化分解装置より得られる水素化分解軽油、直接重油脱硫装置より得られる直脱軽油等を混合し、更に残留炭素付与用の常圧残油、直脱残油、減圧残油等を混合して10%残油の残留炭素分が0.2重量%を超えるように製造されるものを適用することができる。
本発明の灯油組成物には、本発明の効果を阻害しない限り種々の添加剤を混合させることができる。例えば、セタン価向上剤、酸化防止剤、安定化剤、分散剤、流動性向上剤、金属不活性化剤、微生物殺菌剤、助燃剤、帯電防止剤、識別剤等が挙げられる。
本実施例で使用した各基材は下記の通りである。
[基材]
(1)重質ナフサ
使用した重質ナフサの性状を下記表1に示す。
Figure 0006118081
(2)熱分解油
使用した熱分解油の性状を下記表2に示す。
Figure 0006118081
(3)灯油
使用した灯油の性状を下記表3に示す。
Figure 0006118081
[測定・評価方法]
本実施例における各種の測定・評価方法は下記の通りである。
(1)密度
JIS K 2249に準拠して測定した。
(2)蒸留性状
(i)ガスクロ蒸留性状
JIS K 2254に準拠して測定した。
(ii)エングラー蒸留性状
JIS K 2254に準拠して測定した。
(3)メルカプタン濃度及び硫黄分
メルカプタン濃度: JIS K 2276 メルカプタン硫黄分分析試験方法
硫黄分:JIS K 2541−4「放射線式励起法」(10wtppm以上の場合)
JIS K 2541−7「波長分散蛍光X線法」(10wtppm未満の場合)
(4)ジシクロペンタジエン及びスチレンモノマー濃度の測定
56℃に加熱した際に揮発して得られる成分中のジシクロペンタジエン濃度を、下記ののようにして測定した。また、スチレンモノマーの濃度も同様にして測定した。ここで、ジシクロペンタジエン及びスチレンモノマーを測定したガスクロのエリア%が合わせて0.1%未満の場合、上記の臭い成分なしとした。0.1以上の場合はありとした。
まず、バイアルビン20mlサイズにサンプルを0.03g採取し、オーブンに入れて56℃で0.1分間加熱し、揮発した成分を採取した。その後、揮発した成分のサンプル1mlを用いて、GC−MS分析を実施した。
GCの条件:注入口 240℃
カラム DB−1(長さ30m、直径0.32mm)
オーブン温度 40℃(5min)→240℃(10min)
昇温速度は10℃/min
MSの条件:Scan Mode(m/z 29〜400)
(5)官能試験
三点嗜好法に準拠して行った。独特の強い臭いがあると感じた場合を×、独特の臭いが少しある場合を△、独特の臭いがない場合を○とした。
(6)煙点
JIS K 2537に準拠して測定した。
(7)引火点
JIS K 2265に準拠して測定した。
(8)酸化安定度
灯油基材及び灯油組成物の酸化安定度は、PetroOXY試験「経済産業省告知第72号(軽油中の酸化安定度の測定方法として経済産業大臣が定める方法)」により測定される誘導期間で表した。誘導期間とは、試料5mlに所定量の酸素を封入し、140℃まで上昇させて、初期圧力が10%低下するまでの時間である。
(9)臭素価
JIS K 2605に準拠して測定した。
(10)窒素分
JIS K 2609に準拠して測定した。
[実施例1〜及び比較例1〜2
下記表4−1、表4−2に示す条件及び下記の条件にて、各種基材を混合し水素化処理して灯油基材を作製した。
水素化処理には高圧固定床流通式の反応器を用い、触媒は、軽油深度脱硫装置で、脱硫軽油の硫黄分が10質量ppm以下となるように2年間使用したコバルトモリブデン系の市販軽油脱硫触媒(使用済触媒)を市販の灯油で洗浄後、空気中で風乾したものを60ミリリットル充填した。
原料油は純度100%の水素ガスとともに反応管の上段から導入するダウンフロー形式で流通させて反応評価を行った。
使用した使用済触媒は硫化済のものであるが、空気で酸化されているおそれがあったため、予備硫化に相当する処理を実施した。反応圧力(水素圧力)は反応器出口で調整した。水素/原料油比は水素化反応器入口の供給量で調整した。
前処理として、DMDS(ジメチルジスルフィド)を添加し硫黄濃度を2.0質量%に調整した、密度0.844g/cmの中東系軽油をベースとする予備硫化油を水素ガスとともに流通させて、最初110℃で4時間処理後、温度360℃まで10時間で昇温し、温度360℃で4時間硫化処理を行った。その後、原料油を重質ナフサに切替え、温度360℃で4時間通油し、触媒に含まれると考えられる重質分を洗浄・除去した後、所定の温度に低下させた。
生成油は、回収時間を調整することにより、400ccから最大2L回収した。系内容器に所定量回収した生成油に窒素ガスを60NL/hで0.5時間流通し、生成油に含まれる硫化水素の除去を行った。該熱分解油及び重質ナフサ等による希釈油は、常温では変質するため、温度0℃の保冷庫で保管した。
作製した灯油基材について、各種測定・評価を行った。結果を下記表4−1及び表4−2、並びに下記表5−1及び表5−2に示す

Figure 0006118081
Figure 0006118081

Figure 0006118081
Figure 0006118081

熱分解油Bを75容量%とした場合(比較例2)は、反応温度が220℃でオレフィンの重合等により、コーキングが発生した。このとき発熱反応が見られ、リアクター入口付近でコーキングが起こり、詰りが発生していた。そのため、生成油が得られず評価ができなかった。
[実施例7〜11及び比較例
下記表6−1及び表6−2に示すように、各種基材を混合して灯油組成物を作製した。作製した灯油組成物について各種測定・評価を行った。結果を下記表6−1及び表6−2に示す。

Figure 0006118081

Figure 0006118081

Claims (4)

  1. 重質ナフサ100容量部に対し、ナフサの熱分解から得られる熱分解油1〜50容量部を混合し、水素化処理して得られるPetroOXY(酸化安定度)が6分以上、メルカプタン濃度が18質量ppm以下の灯油基材であって、
    前記ナフサの熱分解から得られる熱分解油が、エチレン製造装置から副生される熱分解留分で、下記(1)及び(2)の性状を有し、
    前記水素化処理は、水素の存在下、水素化触媒を用いて行われる処理であり、その処理条件が、水素圧力2〜6MPa、反応温度180〜210℃、液空間速度(LHSV)0.3〜1.5h −1 、水素/油比250〜500Nm /kLである、灯油基材。
    (1)10%留出温度が40〜100℃、50%留出温度が150〜210℃、90%留出温度が240〜380℃である。
    (2)密度が0.93〜0.99g/cmである。
  2. 56℃に加熱した際に揮発して得られる成分中に、ジシクロペンタジエン及びスチレンモノマーが含有されていない請求項1に記載の灯油基材。
  3. 前記水素化触媒が、モリブデン系水素化触媒である請求項1または2に記載の灯油基材。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の灯油基材を1容量%以上含有してなり、引火点が40℃以上、煙点が21.0mm以上、90%留出温度が268℃以下であり、PetroOXY(酸化安定度)が50分以上である灯油組成物。
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