JP6115270B2 - 放熱構造体及びその製造方法並びに電子装置 - Google Patents

放熱構造体及びその製造方法並びに電子装置 Download PDF

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Description

本発明は、放熱構造体及びその製造方法並びに電子装置に関する。
サーバーやパーソナルコンピュータのCPU(Central Processing Unit:中央処理装
置)などに用いられる電子部品には、半導体素子から発する熱を効率よく放熱することが求められる。このため、これら電子部品は、半導体素子の直上に設けられた銅などの高い熱伝導度を有する材料のヒートスプレッダが配置された構造を有している。
この際、発熱源及びヒートスプレッダの表面には微細な凹凸が存在するため、互いをダイレクトに接触させても十分な接触面積を稼ぐことができず、接触界面が大きな熱抵抗となり、効率的に放熱を行うことができない。このため、接触熱抵抗を低減することを目的として、発熱源とヒートスプレッダとをサーマルインターフェイスマテリアル(TIM)を介して接続することが行われている。
この目的のもと、サーマルインターフェイスマテリアルには、それ自身が高い熱伝導率を有する材料であることに加え、発熱源及びヒートスプレッダ表面の微細な凹凸に対して広面積に接触しうる特性が求められている。
従来、サーマルインターフェイスマテリアルとしては、放熱グリースやフェイズチェンジマテリアル(PCM)、インジウムなどが用いられている。これらの材料が放熱材料として用いられる大きな特徴の一つは、電子機器の耐熱温度以下で流動性を有しているため、微細な凹凸に対して大きな接触面積を得ることが可能な点にある。
しかしながら、放熱グリースやフェイズチェンジマテリアルは、熱伝導率が1W/m・K〜5W/m・Kと比較的低い。また、インジウムはレアメタルであることに加え、ITO関連での大幅な需要増加により価格が高騰しており、より安価な代替材料が待望されている。
このような背景から、カーボンナノチューブに代表される炭素元素の線状構造体が注目されている。カーボンナノチューブは、長手方向に非常に高い熱伝導度(1500W/m・K〜3000W/m・K)を有するだけでなく、柔軟性や耐熱性に優れた材料であり、放熱材料として高いポテンシャルを有している。
カーボンナノチューブを用いた放熱構造体としては、樹脂中にカーボンナノチューブを分散した放熱構造体や、基板上に配向成長したカーボンナノチューブ束を樹脂等によって埋め込んだ放熱構造体が提案されている。
特開2005−150362号公報 特開2006−147801号公報 特開2006−303240号公報 特開2006−295120号公報
しかしながら、従来の熱伝導シートでは、カーボンナノチューブの有する高い熱伝導性を十分に生かし得ない場合があった。
本発明の目的は、熱伝導性の良好な放熱構造体及びその製造方法並びにその放熱構造体を用いた電子装置を提供することにある。
実施形態の一観点によれば、上部がランダムな方向に配向したランダム配向部となっている炭素元素の複数の線状構造体を基板上に形成する工程と、前記複数の線状構造体のうちの前記基板の法線方向とは異なる方向に配向した部分を前記ランダム配向部の上部から除去する工程と、前記ランダム配向部から上方に突出した前記複数の線状構造体の一端部を湾曲させる工程と、前記複数の線状構造体の他端部を除く部分の間に樹脂を充填する工程と、前記複数の線状構造体の前記他端部を湾曲させる工程と、前記複数の線状構造体の前記他端部の間に前記樹脂を更に充填する工程とを有することを特徴とする放熱構造体の製造方法が提供される。
実施形態の他の観点によれば、 一部がランダムな方向に配向したランダム配向部となっている炭素元素の複数の線状構造体と、前記複数の線状構造体間に充填された樹脂層とを有し、前記ランダム配向部から一方の側に突出した前記複数の線状構造体の一端部が同じ側に湾曲しており、前記ランダム配向部から他方の側に突出した前記複数の線状構造体の他端部が同じ側に湾曲しており、前記複数の線状構造体の湾曲した前記一端部の側面の一部が、前記複数の線状構造体間に充填された前記樹脂層の前記一端部側の面と同一平面上にあり、前記複数の線状構造体の湾曲した前記他端部の側面の一部が、前記複数の線状構造体間に充填された前記樹脂層の前記他端部側の面と同一平面上にあることを特徴とする放熱構造体が提供される。
実施形態の更に他の観点によれば、発熱体と、放熱体と、 一部がランダムな方向に配向したランダム配向部となっている炭素元素の複数の線状構造体と、前記複数の線状構造体間に充填された樹脂層とを有し、前記ランダム配向部から一方の側に突出した前記複数の線状構造体の一端部が同じ側に湾曲しており、前記ランダム配向部から他方の側に突出した前記複数の線状構造体の他端部が同じ側に湾曲しており、前記複数の線状構造体の湾曲した前記一端部の側面の一部が、前記複数の線状構造体間に充填された前記樹脂層の前記一端部側の面と同一平面上にあり、前記複数の線状構造体の湾曲した前記他端部の側面の一部が、前記複数の線状構造体間に充填された前記樹脂層の前記他端部側の面と同一平面上にある放熱構造体とを有し、前記複数の線状構造体の湾曲した前記一端部の前記側面の一部が、前記発熱体及び前記放熱体の一方に接しており、前記複数の線状構造体の湾曲した前記他端部の前記側面の一部が、前記発熱体及び前記放熱体の他方に接していることを特徴とする電子装置が提供される。
開示の放熱構造体によれば、炭素元素の複数の線状構造体の先端部が同じ側に湾曲しており、炭素元素の複数の線状構造体の根元部が同じ側に湾曲している。炭素元素の複数の線状構造体の湾曲した先端部や根元部の側面は発熱体や放熱体に接触させやすいため、熱伝導性の良好な放熱構造体を得ることができる。
図1は、一実施形態による放熱構造体を示す断面図である。 図2は、一実施形態による電子装置を示す断面図である。 図3は、一実施形態による放熱構造体の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 図4は、一実施形態による放熱構造体の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 図5は、一実施形態による放熱構造体の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 図6は、一実施形態による放熱構造体の製造方法を示す工程断面図(その4)である。 図7は、一実施形態による放熱構造体の製造方法を示す工程断面図(その5)である。 図8は、一実施形態による放熱構造体の製造方法を示す工程断面図(その6)である。 図9は、一実施形態による放熱構造体の製造方法を示す工程断面図(その7)である。 図10は、走査型電子顕微鏡写真を示す図である。 図11は、一実施形態による電子装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 図12は、一実施形態による電子装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 図13は、一実施形態の変形例による放熱構造体の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 図14は、一実施形態の変形例による放熱構造体の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 図15は、一実施形態の変形例による放熱構造体の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 図16は、一実施形態の変形例による電子装置の製造方法を示す工程断面図である。
従来の熱伝導シートでは、カーボンナノチューブの端面を発熱体や放熱体に点接触で接触させる構造となっていた。
このため、カーボンナノチューブの端面を発熱体や放熱体に点接触で確実に接触させることは容易ではなく、発熱体や放熱体に端面が接触しないカーボンナノチューブが生じる場合があった。
発熱体や放熱体とカーボンナノチューブとが接触しない箇所が生じると、熱伝導性の低くなり、発熱体から発せられる熱を効果的に放熱し得ない。
[一実施形態]
一実施形態による放熱構造体及びその製造方法並びにその放熱構造体を用いた電子装置及びその製造方法を図1乃至図12を用いて説明する。
(放熱構造体)
まず、本実施形態による放熱構造体について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態による放熱構造体を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態による放熱構造体(放熱部材、放熱材料、放熱シート、熱伝導シート)10は、炭素元素の複数の線状構造体(カーボンナノチューブ)12を有している。複数のカーボンナノチューブ12は、互いに間隔を空けて形成されている。
カーボンナノチューブ12は、単層カーボンナノチューブであってもよいし、多層カーボンナノチューブであってもよい。ここでは、例えば多層カーボンナノチューブ12が形成されている。
一本の多層カーボンナノチューブ12に含まれるカーボンナノチューブの層数は、特に限定されるものではないが、例えば3〜6程度である。一本の多層カーボンナノチューブ12に含まれるカーボンナノチューブの層数の平均は、例えば4程度である。カーボンナノチューブ12の直径は、特に限定されるものではないが、例えば10〜20nm程度である。カーボンナノチューブ12の直径の平均は、例えば15nm程度である。カーボンナノチューブ12の長さは、特に限定されるものではないが、例えば50〜200μm程度である。カーボンナノチューブ12の面密度は、特に限定されるものではないが、十分な熱伝導性を得る観点からは、1×1010本/cm以上であることが好ましい。ここでは、カーボンナノチューブ12の面密度を、例えば1×1011本/cm程度とする。
複数のカーボンナノチューブ12の上部、即ち、図1における紙面上側は、複数のカーボンナノチューブ12がランダムな方向に配向したランダム配向部16となっている。換言すれば、複数のカーボンナノチューブ12の先端部14は、複数のカーボンナノチューブ12がランダムな方向に配向したランダム配向部16となっている。ランダム配向部16においては、複数のカーボンナノチューブ12が絡み合うような状態となっている。
なお、カーボンナノチューブの先端部とは、カーボンナノチューブを基板上に成長した際に、基板側に位置していた部分とは反対側の部分のことである。カーボンナノチューブを基板上に成長した際に、基板側に位置していた部分は根元部と称される。
ランダム配向部16上には、複数のカーボンナノチューブ12の先端部14が突出している。ランダム配向部16上に突出した複数のカーボンナノチューブ12の先端部14は、同じ側に湾曲している。換言すれば、ランダム配向部16から上方に突出した複数のカーボンナノチューブ12の端部14が、同じ側に湾曲している。
ランダム配向部14よりも根元部18側、即ち、図1における紙面下側においては、複数のカーボンナノチューブ12が同じ方向に配向している。より具体的には、ランダム配向部14よりも根元部18側の複数のカーボンナノチューブ12は、垂直方向に配向している。
複数のカーボンナノチューブ12の根元部18は、同じ側に湾曲している。換言すれば、ランダム配向部14から下方に突出した複数のカーボンナノチューブ12の端部18が同じ側に湾曲している。
本実施形態において、複数のカーボンナノチューブ12の先端部14側と根元部18側とをそれぞれ同じ側に湾曲させているのは、以下のような理由によるものである。
即ち、従来は、カーボンナノチューブの先端部側のランダム配向部を発熱体及び発熱体の一方に接触させ、カーボンナノチューブの根元部側の端面を発熱体及び放熱体の他方に点接触で接触させる構造となっていた。発熱体や放熱体の表面にはラフネスが存在するため、カーボンナノチューブの先端部や根元部を発熱体や放熱体に確実に接触させることは容易ではない。また、点接触での接触は、温度変化等による発熱体や放熱体の変形に追随し得ない。
発熱体や放熱体の表面のラフネスに放熱構造体を追随させるべく、発熱体と放熱体との間に放熱構造体を挟み込んだ後に、加熱しながら押圧することも行われる。この場合には、放熱構造体が変形し、カーボンナノチューブの根元部の端面の高さ位置にばらつきが生じる。カーボンナノチューブの根元部の端面の高さ位置にばらつきが生じると、複数のカーボンナノチューブのうちの一部の根元部しか発熱体や放熱体に接し得なくなる。発熱体や放熱体とカーボンナノチューブとが接しない箇所においては、熱が伝達されにくい。
このように、従来の放熱構造体では、必ずしも十分に良好な熱伝導性が得られなかった。
これに対し、カーボンナノチューブ12の先端部14や根元部18を湾曲させれば、カーボンナノチューブ12の先端部14や根元部18の側面が発熱体や放熱体に線接触で接触し得る。しかも、カーボンナノチューブ12の先端部14や根元部18を同じ側に湾曲させれば、カーボンナノチューブ12の先端部14や根元部18が互いに重なりにくくなる。カーボンナノチューブ12の先端部14や根元部18が互いに重なりにくくなれば、各々のカーボンナノチューブ12の先端部14や根元部18の側面が発熱体や放熱体に接触しやすくなる。しかも、カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14や根元部18は変形に追随しやすい。このため、本実施形態では、発熱体や放熱体とカーボンナノチューブ12とが接しない箇所が生ずるのを抑制することができる。従って、本実施形態によれば、熱伝導性の良好な放熱構造体を得ることが可能となる。
このような理由により、本実施形態では、複数のカーボンナノチューブ12の先端部14側を同じ側に湾曲させるとともに、複数のカーボンナノチューブ12の根元部18側を同じ側に湾曲させている。
複数のカーボンナノチューブ12間を充填するように、充填層20が形成されている。充填層20の材料としては、例えば熱可塑性樹脂が用いられている。充填層(樹脂層)20は、複数のカーボンナノチューブ12を支持している。充填層20は、温度に応じて液体と固体との間で可逆的に状態変化するものであり、室温では固体であり、加熱すると液状に変化し、冷却すると接着性を発現しつつ固体に戻る。充填層20の材料としては、例えば、以下に示すようなホットメルト樹脂が挙げられる。ポリアミド系ホットメルト樹脂としては、例えば、ヘンケルジャパン株式会社製の「Micromelt6239」(軟化点温度:140℃)が挙げられる。また、ポリエステル系ホットメルト樹脂としては、例えば、ノガワケミカル株式会社の「DH598B」(軟化点温度:133℃)が挙げられる。また、ポリウレタン系ホットメルト樹脂としては、例えば、ノガワケミカル株式会社製の「DH722B」が挙げられる。また、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂としては、例えば、松村石油株式会社製の「EP−90」(軟化点温度:148℃)が挙げられる。また、エチレン共重合体ホットメルト樹脂としては、例えば、ノガワケミカル株式会社製の「DA574B」(軟化点温度:105℃)が挙げられる。また、SBR系ホットメルト樹脂としては、例えば、横浜ゴム株式会社製の「M−6250」(軟化点温度:125℃)が挙げられる。また、EVA系ホットメルト樹脂としては、例えば、住友スリーエム株式会社製の「3747」(軟化点温度:104℃)が挙げられる。また、ブチルゴム系ホットメルト樹脂としては、例えば、横浜ゴム株式会社製の「M−6158」が挙げられる。
ランダム配向部16上に突出した複数のカーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14の側面の一部は、充填層20から露出していることが好ましい。
ランダム配向部16上に突出した複数のカーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14の側面が充填層20により覆われていてもよいが、カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14を覆う部分の充填層20の厚さは十分に薄いことが好ましい。カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14を覆う部分の充填層20の厚さが十分に薄ければ、ある程度良好な熱伝導性を得ることが可能なためである。カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14を覆う部分の充填層20の厚さは、例えば1μm以下とすることが好ましい。
複数のカーボンナノチューブ12の湾曲した根元部18の側面の一部は、例えば、充填層22の下面と同一平面上に位置している。
こうして、本実施形態による放熱構造体10が形成されている。
このように、本実施形態によれば、ランダム配向部16から突出する複数のカーボンナノチューブ12の先端部14が、同じ側に湾曲している。また、複数のカーボンナノチューブ12の根元部18が同じ側に湾曲している。このため、カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14や根元部18が発熱体や放熱体に接触しやすくなり、熱伝導性の良好な放熱構造体10を得ることができる。
(電子装置)
次に、本実施形態による放熱構造体を用いた電子装置について図2を用いて説明する。図2は、本実施形態による電子装置を示す断面図である。
図2に示すように、多層配線基板などの回路基板22には、例えばCPUなどの半導体素子(半導体チップ)24が実装されている。半導体素子24は、はんだバンプ26等を介して回路基板22に電気的に接続されている。
半導体素子24からの熱を拡散するためのヒートスプレッダ28が半導体素子24を覆うように形成されている。半導体素子24とヒートスプレッダ28との間には、本実施形態による放熱構造体10が配されている。ヒートスプレッダ28は、例えば有機シーラント30等により回路基板22に接着されている。
このように、本実施形態による電子装置では、半導体素子24とヒートスプレッダ28との間、すなわち発熱体(発熱部)124と放熱体(放熱部)28との間に、本実施形態による放熱構造体10が設けられている。
カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14の側面の一部が、例えば発熱体24に接している。
カーボンナノチューブ12の湾曲した根元部18の側面の一部が、例えば放熱体28に接している。
なお、カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14の側面の一部が、放熱体28に接していてもよい。また、カーボンナノチューブ12の湾曲した根元部18の側面の一部が、発熱体24に接していてもよい。
こうして、本実施形態による電子装置32が形成されている。
(放熱構造体の製造方法)
次に、本実施形態による放熱構造体の製造方法について図3乃至図10を用いて説明する。図3乃至図9は、本実施形態による放熱構造体の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図3(a)に示すように、カーボンナノチューブ12を成長するための土台となる基板(基材、基体)34を用意する。基板34としては、例えばシリコン基板を用いる。
なお、基板34はシリコン基板に限定されるものではない。基板34として、例えば、アルミナ基板、サファイア基板、MgO基板、ガラス基板等を用いてもよい。
次に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相堆積)法又は熱酸化法により、シリコン基板34の表面に、膜厚300nm程度のシリコン酸化膜(図示せず)を形成する。
次に、シリコン酸化膜上に下地膜(図示せず)を形成する。下地膜は、後述する触媒金属膜(図示せず)の下地となるものである。下地膜の材料としては、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、窒化タンタル(TaN)、チタンシリサイド(TiSi)、アルミニウム(Al)等を用いることができる。また、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、窒化チタン(TiN)等を、下地膜の材料として用いてもよい。また、これらの材料のうちのいずれかを含む合金を、下地膜の材料として用いてもよい。ここでは、下地膜の材料として、例えばアルミニウムを用いる。
次に、例えばスパッタリング法により、触媒金属膜(図示せず)を形成する。触媒金属膜は、基板34上にカーボンナノチューブ12を成長する際の触媒となるものである。触媒金属膜の材料としては、例えば、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、金、銀、白金、又は、これらのうちのいずれかを含む合金を用いることができる。ここでは、触媒金属膜の材料として、例えば鉄を用いる。
下地膜(図示せず)の材料としてアルミニウムを用い、触媒金属膜の材料として鉄を用いた場合には、アルミニウム膜と鉄膜との積層構造が基板34上に形成される。この場合、アルミニウムの下地膜の膜厚は、例えば10nm程度とし、鉄の触媒金属膜の膜厚は、例えば2.5nm程度とする。
下地膜の材料として窒化チタンを用い、触媒金属膜の材料としてコバルトを用いた場合には、窒化チタン膜とコバルト膜との積層構造が基板34上に形成される。この場合、窒化チタンの下地膜の膜厚は、例えば5nm程度とし、コバルトの触媒金属膜の膜厚は、例えば2.5nm程度とする。
また、カーボンナノチューブを成長する際に用いる触媒は、金属膜に限定されるものではなく、金属微粒子であってもよい。触媒として金属微粒子を用いる場合には、例えば、微分型静電分級器(DMA:differential mobility analyzer)等を用いて、金属微粒子のサイズを制御することが好ましい。金属微粒子の材料としては、上述した触媒金属膜の材料と同様の材料を適宜用いることができる。
下地膜の材料として窒化チタンを用い、金属微粒子の触媒の材料としてコバルトを用いた場合、窒化チタンの下地膜上にコバルトの金属微粒子が存在する構造が基板34上に形成される。この場合、窒化チタンの膜厚は例えば5nm程度とし、コバルトの金属微粒子の平均粒径は例えば3.8nm程度とする。
次に、例えばホットフィラメントCVD(Hot Filament Chemical Vapor Deposition)法により、触媒が形成された基板34上にカーボンナノチューブ12を成長する。複数のカーボンナノチューブ12の先端部14側、即ち、図3(a)における紙面上側には、複数のカーボンナノチューブ12がランダムな方向に配向されたランダム配向部16が形成される。ランダム配向部16においては、複数のカーボンナノチューブ12が絡み合うような状態となる。一方、ランダム配向部16よりも根元部18側、即ち、図3(a)における紙面下側においては、複数のカーボンナノチューブ12は、基板34の法線方向に沿って互いに並行するように配向する。即ち、複数のカーボンナノチューブ12の根元部18側は、基板34に対して垂直に配向された垂直配向部となる。なお、図3(a)においては、便宜上、ランダムな方向を向いて絡まった状態のカーボンナノチューブ12をランダム配向部16として一塊で描いている。
カーボンナノチューブ12の根元部18側が基板34の法線方向に配向した状態となり、カーボンナノチューブ12の先端部14側がランダムな方向を向いた状態となるのは、以下のようなメカニズムによるものと推察される。
即ち、触媒金属膜を形成した基板34を成膜室内に搬入して昇温すると、触媒金属膜を形成する金属材料の凝集が進行し、触媒金属微粒子が形成される。そして、カーボンナノチューブ12が成長するサイズの触媒金属微粒子が徐々に増加していく。カーボンナノチューブはこの触媒金属微粒子を触媒として成長される。
成長の初期段階では、触媒金属膜の微粒子化はあまり進行しておらず、カーボンナノチューブ12が成長するサイズの微粒子化した触媒金属(触媒金属微粒子)の密度は小さい。このため、触媒金属微粒子から析出して成長されるカーボンナノチューブの密度も小さく、カーボンナノチューブ12の成長方向は殆ど制限を受けない。この結果、成長の初期段階では、カーボンナノチューブ12はランダムな方向に成長する。
更に時間が経過すると、触媒金属膜の微粒子化が進行し、カーボンナノチューブ12が成長するサイズの触媒金属微粒子の密度が増加する。これにより、ランダムな方向に向かうカーボンナノチューブ12の本数が増加し、カーボンナノチューブ12の横方向への行き場がなくなってくる。その結果、高さ方向しか自由に進める方向がなくなり、カーボンナノチューブ12は垂直方向に配向して成長するようになる。これにより、基板上に成長されるカーボンナノチューブ12は、基板34に接する側である根元部18側が垂直方向に配向した状態となり、先端部14側がランダムな方向を向いた形状(ランダム配向部)となる。
図10(a)は、カーボンナノチューブの先端部の走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)写真を示す図である。
図10(a)に示すように、カーボンナノチューブ12の先端部14はランダムな方向を向いている。
カーボンナノチューブ12の成長条件は、例えば以下の通りとする。原料ガスとしては、例えば、アセチレンガスとアルゴンガスとの混合ガスを用いる。アセチレンガスとアルゴンガスとの分圧比は、例えば1:9程度とする。成長室内における総ガス圧は、例えば1kPa程度とする。ホットフィラメントの温度は、例えば1000℃程度とする。このような条件でカーボンナノチューブ12を成長すると、カーボンナノチューブ12の成長レートは、例えば4μm/min程度となる。カーボンナノチューブ12の長さは、例えば80μm程度とする。カーボンナノチューブ12の長さは、例えば成長時間を適宜調整することにより制御し得る。一本の多層カーボンナノチューブ12に含まれるカーボンナノチューブの層数は、例えば3〜6程度とする。一本の多層カーボンナノチューブ12に含まれるカーボンナノチューブの層数の平均は、例えば4程度とする。カーボンナノチューブ12の直径は、例えば4〜8nm程度とする。カーボンナノチューブ12の直径の平均は、例えば6nm程度とする。カーボンナノチューブ12の面密度は、特に限定されるものではないが、十分な熱伝導性を得る観点からは、1×1010本/cm以上であることが好ましい。上記のような条件で成長すると、カーボンナノチューブ12の面密度は、例えば1×1011本/cm程度となる。
なお、カーボンナノチューブ12の成長方法は、ホットフィラメントCVD法に限定されるものではない。例えば、熱CVD法やリモートプラズマCVD法等によりカーボンナノチューブ12を成長することも可能である。
また、成長するカーボンナノチューブ12は、単層カーボンナノチューブであってもよい。
また、カーボンナノチューブ12を成長する際に用いる原料は、アセチレンに限定されるものではない。例えば、メタンガス、エチレンガス等の炭化水素類を原料として用いて、カーボンナノチューブ12を成長してもよい。また、エタノール、メタノール等のアルコール類を原料として用いて、カーボンナノチューブ12を成長してもよい。
次に、例えば平行平板型のドライエッチング装置を用い、ランダム配向部16の上部を異方性エッチングする。これにより、基板34の法線方向とは異なる方向に向いているカーボンナノチューブ12が、ランダム配向部16の上部において除去される。これにより、ランダム配向部16の上部においては、基板34の法線方向に配向したカーボンナノチューブ12が残存することとなる。即ち、基板34の法線方向に配向したカーボンナノチューブ12の先端部14が、ランダム配向部16上に突出した状態となる。ランダム配向部16上においては、複数のカーボンナノチューブ12が束状に集まったものが、複数存在する状態となる。
図10(b)は、ランダム配向部の上部を異方性エッチングした後のSEM写真を示す図である。
図10(b)に示すように、複数のカーボンナノチューブ12が束状に集まったものが、複数存在している。
エッチング条件は、例えば以下の通りとする。エッチングガスとしては、例えばアルゴン(Ar)ガスを用いる。印加電力は、例えば数十W程度とする。チャンバ内の圧力は、例えば数十mTorr程度とする。エッチング時間は、例えば数分程度とする。
ランダム配向部16に対するエッチング量は、例えば数μm〜数十μm程度とする。ランダム配向部16に対するエッチング量は、例えばエッチング時間等を適宜設定することにより制御し得る。
次に、カーボンナノチューブ12の先端部14を湾曲させる際に用いられる装置の載置台(図示せず)上に基板34を載置する(図4(a)参照)。カーボンナノチューブ12の先端部14を湾曲させる際に用いられる装置は、回転可能な部材36を有している。ここでは、回転可能な部材36として、バイトホルダが用いられている。バイトホルダ36には、バイト38が取り付けられている。バイト38は、バイトホルダ36の回転軸40から離間した位置に取り付けられている。このため、バイト38は、バイトホルダ36の回転に伴って周回する。バイトホルダ36の回転数は、例えば数千rpm程度とする。バイト38の刃(図示せず)の材料としては、例えばダイヤモンドが用いられる。バイト38の刃の下端の高さは、例えば、ランダム配向部16の上端よりわずかに高い位置に設定される。
バイト38を周回させながら、バイトホルダ36の回転軸の位置を移動(スライド)させる。バイトホルダ36の回転軸の位置を移動させる方向は、基板34の主面に対して平行な方向とする。ランダム配向部16上に突出しているカーボンナノチューブ12の先端部14には、周回するバイト38の刃が衝突する。即ち、基板34の主面に平行な方向からカーボンナノチューブ12の先端部14にバイト38が衝突する。これにより、束状に集まっていた複数のカーボンナノチューブ12の先端部14は、バイト38によりほどかれつつ湾曲する。
こうして、ランダム配向部16上に突出したカーボンナノチューブ12の先端部14が、同じ側に湾曲した状態となる(図4(b)参照)。
次に、先端部が湾曲した複数のカーボンナノチューブ12が形成された基板28の上方に、フィルム状の熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂フィルム)20を載置する(図5(a)参照)。熱可塑性樹脂フィルム20は、充填層となるものである。熱可塑性樹脂フィルム20の厚さは、例えば100μm程度とする。
熱可塑性樹脂フィルム20の材料としては、例えば、上述したようなホットメルト樹脂を用いることができる。ここでは、熱可塑性樹脂フィルム20の材料として、例えばヘンケルジャパン株式会社製の「Micromelt6239」を用いる。「Micromelt6239」の溶解温度は135〜145℃程度である。また、「Micromelt6239」の融解時における粘度は、225℃において5.5〜8.5Pa・s程度である。
次に、熱可塑性樹脂フィルム20が載置された基板34を、熱可塑性樹脂フィルム20の融解温度以上の温度に加熱する。必要に応じて、熱可塑性樹脂フィルム20上から押圧してもよい。これにより、熱可塑性樹脂フィルム20が融解し、カーボンナノチューブ12の束内に徐々に浸透していく(図5(b)参照)。熱可塑性樹脂フィルム20の浸透は、カーボンナノチューブ12の根元部18に達する前に停止する。カーボンナノチューブ12の根元部18まで熱可塑性樹脂フィルム20を浸透させてしまうと、カーボンナノチューブ12の根元部18を湾曲させることが困難となるためである。熱可塑性樹脂フィルム20の下面とカーボンナノチューブ12の根元部18の下面との間の距離は、例えば10μm程度とする。熱可塑性樹脂フィルム20をカーボンナノチューブ12の束に浸透させる深さは、熱処理温度や熱処理時間によって制御することができる。ここでは、例えば、熱処理温度を例えば200℃程度とし、熱処理時間を例えば10分程度とする。こうして、カーボンナノチューブ12の束のうちの根元部18を除く部分が熱可塑性樹脂の充填層(樹脂層)20により充填された状態となる。
次に、例えば室温まで冷却することにより、熱可塑性樹脂フィルム20を固化する。
次に、図6(a)に示すように、鋭利な刃42の先端を基板34の主面に沿って移動させ、カーボンナノチューブ12の根元部18を基板34から剥離し、カーボンナノチューブ12の根元部18を湾曲させる。これにより、充填層20の下面を起点としてカーボンナノチューブ12の根元部18が湾曲する。鋭利な刃42としては、例えば剃刀の刃を用いることができる。
こうして、先端部14と根元部18とがそれぞれ湾曲した複数のカーボンナノチューブ12を含む構造物10aが得られる(図6(b)参照)。
次に、構造物10aを台座44上に載置する(図7(a)参照)。この際、カーボンナノチューブ12の根元部18が台座44側に接するようにする。台座44の材料としては、例えば、充填層20が固着しない材料を用いる。ここでは、台座44の材料として、例えばテフロン(登録商標)を用いる。台座44の材料として充填層20が固着しない材料を用いるのは、後工程において、台座44上から放熱構造体10を容易に取り外すことができるようにするためである。
次に、台座44上の構造物10aを熱可塑性樹脂フィルム14の融解温度以上の温度に加熱する。この際、熱可塑性樹脂フィルム14上から押圧してもよい。これにより、熱可塑性樹脂フィルム14が融解し、カーボンナノチューブ12の束の根元部18側にも浸透していく(図7(b)参照)。熱可塑性樹脂フィルム14の浸透は、例えば、熱可塑性樹脂フィルム14の下面が台座44の上面に達するまで行われる。熱処理温度は例えば220℃程度とする。熱処理時間は例えば10分程度とする。こうして、カーボンナノチューブ12の束の根元部12までもが熱可塑性樹脂の充填層20により充填された状態となる。
次に、充填層14の上面に吸い取り紙46を載置する(図8(a)参照)。
次に、吸い取り紙46上から押圧するとともに、熱処理を行う。熱処理温度は、例えば220℃程度とする。熱処理時間は、例えば10分程度とする。これにより、充填層20の上部の熱可塑性樹脂が吸い取り紙46中に浸透する。即ち、充填層20の上部の熱可塑性樹脂が吸い取り紙46により吸い取られる。
この後、充填層20上から吸い取り紙46を取り外す(図8(b)参照)。こうして、カーボンナノチューブ12の先端部14側の充填層20が部分的に除去される。カーボンナノチューブ12の先端部側の充填層20を部分的に除去するのは、カーボンナノチューブ12の先端部14側を放熱体又は発熱体に確実に接続するためである。
この後、例えば室温まで冷却することにより、充填層20を固化する。
次に、例えばRIE(Reactive Ion Etching、反応性イオンエッチング)法により、充填層20の上部に対してドライエッチングを行う(図9(a)参照)。エッチングガスとしては、例えばOガスを用いる。印加電力は、例えば数十W程度とする。エッチング時間は、例えば数分程度とする。これにより、カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14の一部が充填層20から露出する。
なお、ここでは、カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14の側面の一部を充填層20から露出させる場合を例に説明したが、カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14の側面の一部を充填層20から露出させなくてもよい。カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14の側面を覆う充填層20の厚さが十分に薄ければ、良好な熱伝導性が得られるためである。カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14の側面が薄い充填層14により覆われている場合、カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14の側面を覆う部分の充填層14の厚さは例えば1μm程度にまで薄くすることが好ましい。
この後、台座44上から本実施形態による放熱構造体10を取り外す(図9(b)参照)。放熱構造体10は、台座44上から容易に取り外すことができる。
こうして、本実施形態による放熱構造体10が製造される。
(電子装置の製造方法)
次に、本実施形態による電子装置の製造方法について図11及び図12を用いて説明する。図11及び図12は、本実施形態による電子装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図11(a)に示すように、回路基板22上に半導体素子24を実装する。半導体素子24は、例えば半田バンプ26等を用いて回路基板22に接続される。
次に、図11(b)に示すように、回路基板22上に実装された半導体素子24上に、本実施形態による放熱構造体10を配し、更に、ヒートスプレッダ28を被せる。例えば、カーボンナノチューブ12の先端部14側を半導体素子24側に位置させ、カーボンナノチューブ12の根元部18側をヒートスプレッダ28側に位置させる。回路基板24上には、ヒートスプレッダ28を固定するための有機シーラント30等を塗布しておく。
なお、カーボンナノチューブ12の根元部18側を半導体素子24側に位置させ、カーボンナノチューブ12の先端部14側をヒートスプレッダ28側に位置させてもよい。
次に、ヒートスプレッダ18に荷重を加えた状態で熱処理を行う。熱処理温度は、充填層20の融解温度より高い温度とする。これにより、充填層20が融解される。熱処理温度は、例えば220℃とする。熱処理時間は、例えば10分程度とする。温度の上昇に伴って、充填層20によるカーボンナノチューブ12の拘束が緩み、放熱構造体10内のカーボンナノチューブ12の両端部14,18の側面の一部が半導体素子24やヒートスプレッダ28にそれぞれ十分に線接触する状態となる。
次に、室温まで冷却することにより、充填層20を固化するとともに、ヒートスプレッダ28を有機シーラント30により回路基板22上に固定する。この際、充填層20の接着性が発現し、半導体素子24とヒートスプレッダ28とが放熱構造体10により接着固定される。室温に冷却した後も、半導体素子24やヒートスプレッダ28と放熱構造体10との間で低い熱抵抗が維持される。
このように本実施形態によれば、ランダム配向部16から突出する複数のカーボンナノチューブ12の先端部14が、同じ側に湾曲している。また、複数のカーボンナノチューブ12の根元部18が同じ側に湾曲している。カーボンナノチューブ12の湾曲した先端部14や根元部18は発熱体24や放熱体28に接触させやすいため、熱伝導性の良好な電子装置を製造することができる。
(放熱構造体の製造方法の変形例)
次に、本実施形態による放熱構造体の製造方法の変形例を図13乃至図15を用いて説明する。図13乃至図15は、本変形例による放熱構造体の製造方法を示す工程断面図である。
まず、基板34上にカーボンナノチューブ12を成長する工程からカーボンナノチューブ12の根元部18側を湾曲させつつ基板34から剥離する工程までは、図3(a)乃至図6(b)を用いて上述した放熱構造体の製造方法と同様であるため説明を省略する。
次に、ヒートスプレッダ28上に構造物10aを載置する。この際、ヒートスプレッダ28のうちの半導体素子24に対向する側の面の上に構造物10aを載置する。また、カーボンナノチューブ12の根元部18側をヒートスプレッダ28側に位置させる。
この後の充填層20に熱処理を行う工程からカーボンナノチューブ12の先端部14の側面の一部を充填層20上に露出させる工程までは、図7(b)乃至9(a)を用いて上述した放熱構造体の製造方法と同様である。従って、充填層20に熱処理を行う工程からカーボンナノチューブ12の先端部14の側面の一部を充填層20上に露出させる工程まで説明を省略する(図13(b)乃至図15(a)参照)。
こうして、ヒートスプレッダ28の半導体素子24と対向する面側に放熱構造体10が取り付けられた状態となる(図15(b)参照)。
このように、ヒートスプレッダ28上に放熱構造体10を取り付けた状態にしてもよい。
(電子装置の製造方法の変形例)
次に、本実施形態による電子装置の製造方法の変形例について図16を用いて説明する。図16は、本変形例による電子装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、回路基板22上に半導体素子24を実装する。半導体素子24は、例えば半田バンプ26等を用いて回路基板22に接続される。
次に、半導体素子16が実装された回路基板22上に、放熱構造体10が取り付けられたヒートスプレッダ28を配する(図16(a)参照)。カーボンナノチューブ12の先端部14側が半導体素子24と対向する。回路基板22上には、ヒートスプレッダ28を固定するための有機シーラント30等を塗布しておく。
次に、ヒートスプレッダ28に荷重を加えた状態で熱処理を行う。熱処理温度は、充填層20の融解温度より高い温度とする。これにより、充填層20が融解される。熱処理温度は、例えば220℃とする。熱処理時間は、例えば10分程度とする。温度の上昇に伴って、充填層20によるカーボンナノチューブ12の拘束が緩み、放熱構造体10内のカーボンナノチューブ12の先端部14の側面の一部が半導体素子24に接する状態となる。
次に、室温まで冷却することにより、充填層20を固化するとともに、ヒートスプレッダ28を有機シーラント30により回路基板22上に固定する。この際、充填層20の接着性が発現し、半導体素子24とヒートスプレッダ28とが放熱構造体10により接着固定される。室温に冷却した後も、半導体素子24やヒートスプレッダ28と放熱構造体10との間で低い熱抵抗が維持される。
このように、放熱構造体10が取り付けられたヒートスプレッダ28を半導体素子24が実装された回路基板22上に実装してもよい。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、カーボンナノチューブ12の先端部14側が半導体素子24に接し、カーボンナノチューブ12の根元部18側がヒートスプレッダ28に接する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。カーボンナノチューブ12の先端部14側がヒートスプレッダ28に接し、カーボンナノチューブ12の根元部18側が半導体素子24に接してもよい。
また、上記実施形態では、ランダム配向部16上に突出するカーボンナノチューブ12の先端部14をバイト38を用いて湾曲させたが、カーボンナノチューブ12の先端部14を湾曲させるための手段はバイト38に限定されるものではない。凸状体を適宜周回させて、カーボンナノチューブ12の先端部14を湾曲させることが可能である。
10…放熱構造体
10a…構造物
12…カーボンナノチューブ
14…先端部
16…ランダム配向部
18…根元部
20…充填層、熱可塑性樹脂フィルム
22…回路基板
24…半導体素子、発熱体
26…半田バンプ
28…ヒートスプレッダ、放熱体
30…有機シーラント
32…電子装置
34…基板
36…バイトホルダ
38…バイト
40…回転軸
42…刃
44…台座

Claims (8)

  1. 上部がランダムな方向に配向したランダム配向部となっている炭素元素の複数の線状構造体を基板上に形成する工程と、
    前記複数の線状構造体のうちの前記基板の法線方向とは異なる方向に配向した部分を前記ランダム配向部の上部から除去する工程と、
    前記ランダム配向部から上方に突出した前記複数の線状構造体の一端部を湾曲させる工程と、
    前記複数の線状構造体の他端部を除く部分の間に樹脂を充填する工程と、
    前記複数の線状構造体の前記他端部を湾曲させる工程と、
    前記複数の線状構造体の前記他端部の間に前記樹脂を更に充填する工程と
    を有することを特徴とする放熱構造体の製造方法。
  2. 請求項1記載の放熱構造体の製造方法において、
    前記複数の線状構造体の前記一端部を湾曲させる工程では、凸状体を周回させて、前記複数の線状構造体の前記一端部を湾曲させる
    ことを特徴とする放熱構造体の製造方法。
  3. 請求項2記載の放熱構造体の製造方法において、
    前記凸状体はバイトである
    ことを特徴とする放熱構造体の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放熱構造体の製造方法において、
    前記複数の線状構造体のうちの前記基板の法線方向とは異なる方向に配向した部分を除去する工程では、異方性エッチングにより、前記複数の線状構造体のうちの前記基板の法線方向とは異なる方向に配向した部分を除去する
    ことを特徴とする放熱構造体の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放熱構造体の製造方法において、
    前記複数の線状構造体の前記他端部を湾曲させる工程では、刃を用いて、前記複数の線状構造体の前記他端部を前記基板から切り離し、前記複数の線状構造体の前記他端部を湾曲させる
    ことを特徴とする放熱構造体の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放熱構造体の製造方法において、
    前記複数の線状構造体の前記他端部の間に前記樹脂を更に充填する工程の後、前記複数の線状構造体の前記一端部の側における充填された前記樹脂の一部を除去する工程を更に有する
    ことを特徴とする放熱構造体の製造方法。
  7. 一部がランダムな方向に配向したランダム配向部となっている炭素元素の複数の線状構造体と、
    前記複数の線状構造体間に充填された樹脂層とを有し、
    前記ランダム配向部から一方の側に突出した前記複数の線状構造体の一端部が同じ側に湾曲しており、
    前記ランダム配向部から他方の側に突出した前記複数の線状構造体の他端部が同じ側に湾曲しており、
    前記複数の線状構造体の湾曲した前記一端部の側面の一部が、前記複数の線状構造体間に充填された前記樹脂層の前記一端部側の面と同一平面上にあり、
    前記複数の線状構造体の湾曲した前記他端部の側面の一部が、前記複数の線状構造体間に充填された前記樹脂層の前記他端部側の面と同一平面上にある
    ことを特徴とする放熱構造体。
  8. 発熱体と、
    放熱体と、
    一部がランダムな方向に配向したランダム配向部となっている炭素元素の複数の線状構造体と、前記複数の線状構造体間に充填された樹脂層とを有し、前記ランダム配向部から一方の側に突出した前記複数の線状構造体の一端部が同じ側に湾曲しており、前記ランダム配向部から他方の側に突出した前記複数の線状構造体の他端部が同じ側に湾曲しており、前記複数の線状構造体の湾曲した前記一端部の側面の一部が、前記複数の線状構造体間に充填された前記樹脂層の前記一端部側の面と同一平面上にあり、前記複数の線状構造体の湾曲した前記他端部の側面の一部が、前記複数の線状構造体間に充填された前記樹脂層の前記他端部側の面と同一平面上にある放熱構造体とを有し、
    前記複数の線状構造体の湾曲した前記一端部の前記側面の一部が、前記発熱体及び前記放熱体の一方に接しており、
    前記複数の線状構造体の湾曲した前記他端部の前記側面の一部が、前記発熱体及び前記放熱体の他方に接している
    ことを特徴とする電子装置。
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