JP6123154B2 - 放熱材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素元素の線状構造体を有する放熱材料の製造方法に関する。
サーバーやパーソナルコンピュータのCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)などに用いられる電子部品には、半導体素子から発する熱を効率よく放熱することが求められる。このため、これら電子部品は、半導体素子の直上に設けられた銅などの高い熱伝導度を有する材料のヒートスプレッダが配置された構造を有している。
この際、発熱源及びヒートスプレッダの表面には微細な凹凸が存在するため、互いをダイレクトに接触させても十分な接触面積を稼ぐことができず、接触界面が大きな熱抵抗となり、効率的に放熱を行うことができない。このため、接触熱抵抗を低減することを目的として、発熱源とヒートスプレッダとをサーマルインターフェイスマテリアル(TIM)を介して接続することが行われている。
この目的のもと、サーマルインターフェイスマテリアルには、それ自身が高い熱伝導率を有する材料であることに加え、発熱源及びヒートスプレッダ表面の微細な凹凸に対して広面積に接触しうる特性が求められている。
従来、サーマルインターフェイスマテリアルとしては、放熱グリースやフェイズチェンジマテリアル(PCM)、インジウムなどが用いられている。これらの材料が放熱材料として用いられる大きな特徴の一つは、電子機器の耐熱温度以下で流動性を有しているため、微細な凹凸に対して大きな接触面積を得ることが可能な点にある。
しかしながら、放熱グリースやフェイズチェンジマテリアルは、熱伝導率が1W/m・K〜5W/m・Kと低い。また、インジウムはレアメタルであることに加え、ITO関連での大幅な需要増加により価格が高騰しており、より安価な代替材料が待望されている。
このような背景から、放熱材料として、カーボンナノチューブに代表される炭素元素からなる線状構造体が注目されている。カーボンナノチューブは、その軸方向に非常に高い熱伝導度(1500W/m・K〜3000W/m・K)を有するだけでなく、柔軟性や耐熱性に優れた材料であり、放熱材料として高いポテンシャルを有している。
カーボンナノチューブを用いた熱伝導シートとしては、樹脂中にカーボンナノチューブを分散した熱伝導シートや、基板上に配向成長したカーボンナノチューブ束を樹脂等によって埋め込んだ熱伝導シートが提案されている。
特開2003−081622号公報 特開2005−150362号公報 特開2006−147801号公報 特開2006−303240号公報 特開2007−188662号公報
所望の大きさの放熱材料を得るための手法としては、樹脂中にカーボンナノチューブが埋め込まれたシートをカッターなどで所望の大きさに切断する方法が挙げられる。しかしながら、この方法は機械的切断を行うため、切断面においてカーボンナノチューブの配向乱れが生じ、放熱特性が低下することがあった。
また、触媒金属を用いてカーボンナノチューブを配向成長させる方法では、所定の領域だけに触媒金属を堆積しておき、この領域上に選択的にカーボンナノチューブを成長する方法を適用することも考えられる。切断部に触媒金属膜を設けないようにすれば、切断の際にカーボンナノチューブの配向乱れが生じることはない。しかしながら、この方法では、触媒金属のリフトオフやパターニングの際の薬液処理によって触媒金属が汚染される虞がある。触媒金属の汚染は微粒子化に影響し、カーボンナノチューブの面密度の低下や成長レートの低下など、カーボンナノチューブの成長に悪影響を及ぼすことがあった。
本発明の目的は、放熱特性や製造プロセスに与える悪影響を抑制しつつ所望の大きさの放熱材料を容易に形成しうる放熱材料の製造方法を提供することにある。
実施形態の一観点によれば、炭素元素よりなる第1の線状構造体の束を基板の第1の面上に成長し、炭素元素よりなる第2の線状構造体の束を前記基板の前記第1の面よりも低い第2の面上に成長する工程と、前記基板の前記第1の面上に第1の熱可塑性樹脂フィルムを載置し、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを形成する熱可塑性樹脂の融解温度以上の温度に加熱することにより、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを所定の位置まで前記第1の線状構造体の束内に浸透させた後、冷却して前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを固化する工程と、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを、前記第1の線状構造体の束とともに前記基板から剥離する工程と、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを前記第1の線状構造体の束内に更に浸透させる工程とを有することを特徴とする放熱材料の製造方法が提供される。
開示の放熱材料の製造方法によれば、線状構造体の配向性を損なうことなく、所望の形状の放熱材料を得ることができる。また、触媒金属膜のパターニングは不要のため、触媒金属が汚染されることもなく、線状構造体の密度の低下や成長レートの低下を防止し、信頼性の高い放熱材料を製造することができる。
図1は、第1実施形態による放熱材料の構造を示す概略断面図である。 図2は、第1実施形態による放熱材料の製造方法を示す平面図である。 図3は、第1実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 図4は、第1実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 図5は、第1実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 図6は、第1実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図(その4)である。 図7は、第1実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図(その5)である。 図8は、第2実施形態による放熱材料の製造方法を示す平面図である。 図9は、第2実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 図10は、第2実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 図11は、第2実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 図12は、第2実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図(その4)である。 図13は、第2実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図(その5)である。 図14は、第2実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図(その6)である。 図15は、第3実施形態による電子機器の構造を示す概略断面図である。 図16は、第3実施形態による電子機器の製造方法を示す工程断面図である。
[第1実施形態]
第1実施形態による放熱材料及びその製造方法について図1乃至図7を用いて説明する。
図1は、本実施形態による放熱材料の構造を示す概略断面図である。図2は、本実施形態による放熱材料の製造方法を示す平面図である。図3乃至図7は、本実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図である。
はじめに、本実施形態による放熱材料の構造について図1を用いて説明する。
本実施形態による放熱材料36は、図1(a)及び図1(b)に示すように、複数のカーボンナノチューブ30と、複数のカーボンナノチューブ30の間隙に形成され複数のカーボンナノチューブ30を支持する充填層34とを有するシート状の構造体である。複数のカーボンナノチューブ30は、一端部から他端部に渡って、シートの膜厚方向、すなわちシートの面と交差する方向に配向し、互いに間隔を空けて配置されている。
カーボンナノチューブ30は、単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブのいずれでもよい。カーボンナノチューブ30の面密度は、特に限定されるものではないが、放熱性及び電気伝導性の観点からは、1×1010本/cm以上であることが望ましい。
カーボンナノチューブ30の長さは、特に限定されるものではないが、好ましくは数十μm〜数百μm程度の値に設定することができる。本実施形態による放熱材料36を発熱源(例えばICチップ)と放熱部品(例えばヒートスプレッダ)との間に形成するサーマルインターフェイスマテリアルとして使用する場合、少なくとも発熱源及び放熱部品の表面の凹凸を埋める長さ以上であることが望ましい。
なお、図1には示していないが、カーボンナノチューブ30の一端部又は両端部に、金属、合金、ダイヤモンドライクカーボン等の被膜を形成するようにしてもよい。金属材料としては、例えば、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Au(金)、In(インジウム)等が挙げられる。また、被膜は、単層構造である必要はなく、例えばTi(チタン)とAuとの積層構造など、2層或いは3層以上の積層構造であってもよい。カーボンナノチューブ30の端部を覆う被膜を形成することにより、放熱材料36の被着体(発熱体や放熱体)に対する接触熱抵抗を低減することができる。
また、カーボンナノチューブ30の表面に一様に、ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)法により形成された膜厚が1nm〜20nm程度の酸化物材料や金属材料の被膜を形成するようにしてもよい。このような被膜を形成することにより、カーボンナノチューブ30の縦方向の機械的強度を向上することができる。これにより、アセンブリ時の圧縮耐性を向上することができる。このような被膜の材料としては、例えば、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ハフニウム酸化物、鉄酸化物、インジウム酸化物、ランタン酸化物、モリブデン酸化物、ニオブ酸化物、ニッケル酸化物、ルテニウム酸化物、シリコン酸化物、バナジウム酸化物、タングステン酸化物、イットリウム酸化物、ジルコニウム酸化物、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、ランタン等が挙げられる。
充填層34は、シートの膜厚方向に配向した複数のカーボンナノチューブ30を支持するためのものであり、カーボンナノチューブ30の間隙を充填するように形成される。カーボンナノチューブ30の端部は、充填層34内に位置してもよいし、充填層34から露出してもよい。図1(a)に示す例では、カーボンナノチューブ30の一方の端部が充填層34から露出している。図1(b)に示す例では、カーボンナノチューブ30の両方の端部が充填層34から露出している。放熱材料36と被着体との間の接触熱抵抗を低減する観点からは、アッセンブリ時に放熱材料36と被着体との間に充填材が介在するのを防止できる点で、カーボンナノチューブ30の端部が充填層34から露出していることが望ましい。
充填層34の構成材料は、温度に応じて液体と固体との間で可逆的に状態変化し、室温では固体であり、加熱すると液状に変化し、冷却すると接着性を発現しつつ固体に戻るものが望ましい。このような材料としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。
充填層34を形成する熱可塑性樹脂は、本実施形態による放熱材料36が用いられる電子機器の発熱温度等に応じて、熱可塑性樹脂の融解温度をもとに選択することができる。熱可塑性樹脂の融解温度の下限値は、稼働時の発熱温度の上限値よりも高いことが望ましい。稼働時に熱可塑性樹脂が融解すると、放熱材料36が変形してカーボンナノチューブ30が配向性を損なうなど、熱伝導性を低下するなどの不具合を引き起こす虞があるからである。熱可塑性樹脂の融解温度の上限値は、発熱体及び放熱体の耐熱温度の下限値よりも低いことが望ましい。放熱材料36の充填層34は、発熱体に接触させた後にリフローを行うことが望ましいが、熱可塑性樹脂の融解温度が耐熱温度より高いと、発熱体及び/又は放熱体にダメージを与えることなくリフローをすることが困難となるからである。
例えば、本実施形態の電子部品をCPUなどの電子機器の放熱用途に用いる場合、CPU稼働時の発熱温度の上限がおよそ125℃であり、CPU電子部品の耐熱温度がおよそ250℃であることに鑑み、融解温度が125℃〜250℃程度の熱可塑性樹脂が好適である。
また、充填層34には、必要に応じて、添加物を分散混合してもよい。添加物としては、例えば、熱伝導性の高い物質が考えられる。充填層34部分に熱伝導性の高い添加物を分散混合することにより、充填層34部分の熱伝導率を向上することができ、放熱材料36の全体としての熱伝導率を向上することができる。熱伝導性の高い材料としては、カーボンナノチューブ、金属材料、窒化アルミニウム、シリカ、アルミナ、グラファイト、フラーレン等を適用することができる。
次に、本実施形態による放熱材料の製造方法について図2乃至図7を用いて説明する。
まず、カーボンナノチューブ30を成長するための土台として、シリコン基板10を用意する。シリコン基板10の厚さは例えば200μm〜が想定される。シリコン基板は、不純物をドープすることにより導電性を付与したものでもよい。不純物としては、B(ホウ素)などのP型不純物や、P(リン)、As(砒素)、Sb(アンチモン)などのN型不純物を採用することができる。
なお、ここでは基板としてシリコン基板10を用いる例を示すが、カーボンナノチューブ30を成長する際の土台となるものであれば、これに限定されるものではない。カーボンナノチューブ30を成長するための土台となる基板としては、例えば、シリコン基板などの半導体基板、アルミナ(サファイア)基板、MgO基板、ガラス基板などの絶縁性基板、金属基板などを用いることができる。また、これら基板上に薄膜が形成されたものでもよい。
基板は、カーボンナノチューブ30の成長後に剥離されるものである。この目的のもと、基板としては、カーボンナノチュー30の成長温度において変質しないことが望ましい。また、少なくともカーボンナノチューブ30に接する面がカーボンナノチューブ30から容易に剥離できる材料によって形成されていることが望ましい。或いは、少なくともカーボンナノチューブ30に接する部分が、カーボンナノチューブ30に対して選択的にエッチングできる材料によって形成されている基板を用いてもよい。
次いで、シリコン基板10上に、フォトレジスト膜14を形成する。フォトレジスト膜14を形成するフォトレジスト材料としては、例えば、AZエレクトロニックマテリアルズ社製のAZP4620を用いることができる。このフォトレジスト材料を、例えば2000rpmの回転速度でスピンコートし、例えば120℃の温度でプリベークを行い、フォトレジスト膜14を形成する。
次いで、フォトリソグラフィにより、フォトレジスト膜14をパターニングする(図3(a))。フォトレジスト膜14は、フォトレジスト膜14により覆われた領域及びフォトレジスト膜14により覆われていない領域のそれぞれが、形成しようとする放熱材料の平面形状に対応する形状となるように、パターニングする。
フォトレジスト膜14のパターンは、特に限定されるものではないが、ここでは例えば図2に示すようなパターンを形成するものとする。図2の例は、四角形形状又は三角形形状の平面形状を有する13個の放熱材料を形成する場合を想定した例である。図中、「A」又は「B」と付した各領域が、それぞれ放熱材料の形成領域である。ここでは、図に「A」と付した領域がフォトレジスト膜14の被覆領域であり、図に「B」と付した領域がフォトレジスト膜14の露出領域であるものとする。
次いで、フォトレジスト膜14をマスクとしてシリコン基板10を異方性エッチングし、フォトレジスト膜14で覆われていない領域のシリコン基板10に、深さが数十μm〜数百μm程度の溝16を形成する(図3(b))。溝16は、図2の「B」と付した領域に形成される。
溝16の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えばDRIE(深掘りRIE:Deep Reactive Ion Etching)法を適用することができる。DRIE法は、側壁保護のためのパッシベーション膜を形成するステップと、エッチングするステップとを繰り返し行うことにより、アスペクト比の大きい溝を形成する手法である。
パッシベーション膜を形成するステップでは、例えば、コイルパワーを600W、プロセスチャンバ内の圧力を14.5mTorrとした状態下にて、Cガスを130sccmの流量で導入して7秒間、処理を行う。シリコンをエッチングするステップでは、例えば、コイルパワーを600W、プロセスチャンバ内の圧力を14.5mTorr、基板へのRFパワーを13.56MHzで20Wとした状態下にて、SFガスを130sccmの流量で導入して8秒間、処理を行う。
或いは、パッシベーション膜を形成するステップでは、例えば、コイルパワーを600W、プロセスチャンバ内の圧力を14.5mTorrとした状態下にて、Cガスを130sccmの流量で導入して6.3秒間、処理を行う。シリコンをエッチングするステップでは、例えば、コイルパワーを600W、プロセスチャンバ内の圧力を14.5mTorr、基板へのRFパワーを380kHzで23Wとした状態下にて、SFガスを130sccmの流量で導入して7.5秒間、処理を行う。
次いで、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜14を除去する。
こうして、シリコン基板10に、シリコン基板10の最上面で規定される第1の面22と、溝16の底面で規定される第2の面24とを有する段差形状を形成する(図3(c))。第1の面22及び第2の面24は、それぞれ、図2の領域「A」及び領域「B」に形成される。
次いで、シリコン基板10上に、例えば熱酸化法により、シリコン酸化膜(図示せず)を形成する。シリコン酸化膜の膜厚は、例えば10nm〜が想定される。このシリコン酸化膜は、カーボンナノチューブ30を合成する際に触媒金属とシリコン基板10との反応を抑制するためのものである。カーボンナノチューブ合成の際の触媒として例えばFe(鉄)を用いた場合、シリコン基板10上に直に配置するとシリサイド化されて触媒能が失われてしまう。ただし、後述するようにカーボンナノチューブ30の合成に用いることができる触媒金属は多数存在するため、シリサイド化しても触媒能が失われない又はシリサイド化しにくい若しくはしない触媒金属及び化合物であれば、必ずしもシリコン酸化膜を形成する必要はない。
次いで、溝16が形成されたシリコン酸化膜付きのシリコン基板10上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚2.5nm相当のFeを堆積する。これにより、シリコン基板10の第1の面22上に膜厚2.5nmのFeの触媒金属膜28Aを形成し、シリコン基板10の第2の面24上に膜厚2.5nmのFeの触媒金属膜28Bを形成する(図4(a))。
触媒金属としては、Feのほか、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)、Pt(白金)又はこれらのうち少なくとも一の材料を含む合金を用いてもよい。また、触媒として、金属膜以外に、微分型静電分級器(DMA:differential mobility analyzer)等を用い、予めサイズを制御して作製した金属微粒子を用いてもよい。この場合も、金属種については薄膜の場合と同様でよい。
また、これら触媒金属の下地膜として、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)、TaN(窒化タンタル)、TiSi(チタンシリサイド)、Al(アルミニウム)、Al(酸化アルミニウム)、TiO(酸化チタン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Cu(銅)、Au(金)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、TiN(窒化チタン)などの膜又はこれらのうち少なくとも一の材料を含む合金からなる膜を形成してもよい。例えば、Fe(2.5nm)/Al(10nm)の積層構造、Co(2.6nm)/TiN(5nm)の積層構造等を適用することができる。金属微粒子を用いる場合は、例えば、Co(平均直径:3.8nm)/TiN(5nm)などの積層構造を適用することができる。
次いで、触媒金属膜28A,28Bを触媒として、例えばホットフィラメントCVD法により、第1の面22上及び第2の面24上にカーボンナノチューブ30を成長する。
カーボンナノチューブ30の成長条件は、例えば、原料ガスとしてアセチレン・アルゴンの混合ガス(分圧比1:9)を用い、成膜室内の総ガス圧を1kPa、ホットフィラメント温度を1000℃、成長時間を20分とする。これにより、層数が3層〜6層(平均4層程度)、直径が4nm〜8nm(平均6nm)、長さが80μm(成長レート:4μm/min)の多層カーボンナノチューブを成長することができる。なお、カーボンナノチューブ30は、熱CVD法やリモートプラズマCVD法などの他の成膜方法により形成してもよい。また、成長するカーボンナノチューブ30は、単層カーボンナノチューブでもよい。また、炭素原料としては、アセチレンのほか、メタン、エチレン等の炭化水素類や、エタノール、メタノール等のアルコール類などを用いてもよい。
カーボンナノチューブ30の長さは、溝16の深さよりも少なくとも数十μm程度以上長ければ特に限定されるものではないが、好ましくは数十μm〜数百μm程度の値に設定することができる。サーマルインターフェイスマテリアルとして使用する場合、少なくとも発熱源及び放熱部品の表面の凹凸を埋める長さ以上であることが望ましい。
こうして、シリコン基板10の第1の面22上に、シリコン基板10の法線方向に配向(垂直配向)した複数のカーボンナノチューブ30を有するカーボンナノチューブ束30Aを形成する。また、シリコン基板の第2の面24上に、基板10の法線方向に配向(垂直配向)した複数のカーボンナノチューブ30を有するカーボンナノチューブ束30Bを形成する(図4(b))。カーボンナノチューブ束30Aとカーボンナノチューブ束30Bとの間には、溝16の深さに相当する高さの違いが存在する。
なお、上記の成長条件で形成したカーボンナノチューブ30の面密度は、1×1011本/cm程度であった。これは、基板10表面の面積のおよそ10%の領域上にカーボンナノチューブ30が形成されていることに相当する。なお、放熱性や導電性の観点から、カーボンナノチューブ30の面密度は1×1010本/cm程度以上であることが望ましい。
次いで、カーボンナノチューブ束30A,30Bを成長したシリコン基板10上に、フィルム状に加工した熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂フィルム32A)を載置する。このとき、カーボンナノチューブ束30Aとカーボンナノチューブ束30Bとの間には溝16の深さに相当する高さの違いが存在するため、熱可塑性樹脂フィルム32Aはカーボンナノチューブ束30Aには接するが、カーボンナノチューブ束30Bには接しない(図4(c))。
熱可塑性樹脂フィルム32Aの熱可塑性樹脂としては、例えば、以下に示すホットメルト樹脂を適用することができる。ポリアミド系ホットメルト樹脂としては、例えば、ヘンケルジャパン株式会社製の「Micromelt6239」が挙げられる。また、ポリエステル系ホットメルト樹脂としては、例えば、ノガワケミカル株式会社製の「DH598B」が挙げられる。また、ポリウレタン系ホットメルト樹脂としては、例えば、ノガワケミカル株式会社製の「DH722B」が挙げられる。また、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂としては、例えば、松村石油株式会社製の「EP−90」が挙げられる。また、エチレン共重合体ホットメルト樹脂としては、例えば、ノガワケミカル株式会社製の「DA574B」が挙げられる。また、SBR系ホットメルト樹脂としては、例えば、横浜ゴム株式会社製の「M−6250」が挙げられる。また、EVA系ホットメルト樹脂としては、例えば、住友スリーエム株式会社製の「3747」が挙げられる。また、ブチルゴム系ホットメルト樹脂としては、例えば、横浜ゴム株式会社製の「M−6158」が挙げられる。
ここでは、一例として、ヘンケルジャパン株式会社製の「Micromelt6239」を厚さ100μmのフィルム状に加工した熱可塑性樹脂フィルム32Aを用いた場合について説明する。なお、「Micromelt6239」は、融解温度が135℃〜145℃、融解時粘度が5.5Pa.s〜8.5Pa.s(225℃)のホットメルト樹脂である。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32Aを載置したシリコン基板10を、熱可塑性樹脂フィルム32Aを形成する熱可塑性樹脂の融解温度以上の温度に加熱する。上記の熱可塑性樹脂材料を用いた場合、例えば195℃の温度で加熱する。必要に応じて、熱可塑性樹脂フィルム32A上から押圧してもよい。これにより、熱可塑性樹脂フィルム32Aの熱可塑性樹脂が融解し、カーボンナノチューブ束30A内に徐々に浸透していく。
熱可塑性樹脂フィルム32Aは、少なくとも、カーボンナノチューブ束30Aを熱可塑性樹脂フィルム32Aによって支持するに十分な深さまで浸透させる。熱可塑性樹脂フィルム32Aは、少なくとも数μm〜数十μm程度の深さまで浸透させることにより、カーボンナノチューブ束30Aを支持することができる。熱可塑性樹脂フィルム32Aの浸透は、カーボンナノチューブ束30Bに達しない程度のところで停止する。
熱可塑性樹脂フィルム32Aをカーボンナノチューブ束30A内に浸透させる深さは、熱処理時間によって制御することができる。例えば、上記条件で成長した長さ80μmのカーボンナノチューブ束30Aに対しては、195℃で1分間程度の熱処理を行うことにより、カーボンナノチューブ束30Bに達しない程度まで熱可塑性樹脂フィルム32Aを浸透させることができる。熱可塑性樹脂フィルム32Aの熱処理時間は、熱可塑性樹脂フィルム32Aを所望の深さまで浸透させるように、カーボンナノチューブ束30Aの長さ、熱可塑性樹脂の融解時の粘度、熱可塑性樹脂フィルム32Aの膜厚等に応じて適宜設定することが望ましい。
カーボンナノチューブ30間に最終的に充填する充填材の量は、圧着時において圧力と温度によってコントロールすることができる。軟化点以上の温度において、圧力をコントロールすることによって除去する樹脂の量をコントロールすることによって、充填量を制御する。熱可塑性樹脂の形状は、予めフィルム状に加工しておくことが好適であるが、ペレット状や棒状でも構わない。後工程においてカーボンナノチューブ束30Aを支持した状態で熱可塑性樹脂フィルム32Aをハンドリングする観点からは、熱可塑性樹脂フィルム32Aのシート膜厚は、少なくとも数十μm〜数百μm程度あることが望ましい。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32Aを所定の位置まで浸透させた後、室温まで冷却し、熱可塑性樹脂フィルム32Aを固化する(図5(a))。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32Aを、カーボンナノチューブ束30Aとともにシリコン基板10から剥離する。このとき、カーボンナノチューブ束30B内には熱可塑性樹脂フィルム32Aは浸透していないため、カーボンナノチューブ束30Bはシリコン基板10上に残存する。これにより、形成しようとする放熱材料の平面形状に対応する形状の領域ごとに分離したカーボンナノチューブ束30Aが、熱可塑性樹脂フィルム32Aとともにシリコン基板10から剥離される(図5(b))。
次いで、カーボンナノチューブ束30A及び熱可塑性樹脂フィルム32Aを剥離したシリコン基板10上に、熱可塑性樹脂フィルム32Aと同様の材料よりなる熱可塑性樹脂フィルム32Bを載置する。このとき、カーボンナノチューブ束30Bは溝16の深さよりも長いため、熱可塑性樹脂フィルム32Bはカーボンナノチューブ束30Bには接するが、シリコン基板10には接しない(図6(a))。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32Bを載置したシリコン基板10を、熱可塑性樹脂フィルム32Bを形成する熱可塑性樹脂の融解温度以上の温度に加熱する。上記の熱可塑性樹脂材料を用いた場合、例えば195℃の温度で加熱する。必要に応じて、熱可塑性樹脂フィルム32B上から押圧してもよい。これにより、熱可塑性樹脂フィルム32Bの熱可塑性樹脂が融解し、カーボンナノチューブ束30B内に徐々に浸透していく。
熱可塑性樹脂フィルム32Bをカーボンナノチューブ束30B内に浸透させる深さは、カーボンナノチューブ束30Bを支持しうる範囲内において適宜選択することができる。熱可塑性樹脂フィルム32Bは、少なくとも数μm〜数十μm程度の深さまで浸透させることにより、カーボンナノチューブ束30Bを支持することができる。シリコン基板10に達しない程度のところで熱可塑性樹脂フィルム32Bの浸透を停止すれば、シリコン基板10と熱可塑性樹脂フィルム32Bとが接着されるのを防止でき、カーボンナノチューブ束30B及び熱可塑性樹脂フィルム32Bをシリコン基板10から容易に剥離できるというメリットがある。シリコン基板10に対する熱可塑性樹脂フィルム32Bの粘着性が低い場合などは、シリコン基板10に達するまで熱可塑性樹脂フィルム32Bを浸透させるようにしてもよい。
熱可塑性樹脂フィルム32Bをカーボンナノチューブ束30B内に浸透させる深さは、熱処理時間によって制御することができる。例えば、上記条件で成長した長さ80μmのカーボンナノチューブ束30Bに対しては、195℃で1分間程度の熱処理を行うことにより、シリコン基板10に達しない程度まで熱可塑性樹脂フィルム32Bを浸透させることができる。熱可塑性樹脂フィルム32Bの熱処理時間は、熱可塑性樹脂フィルム32Bを所望の深さまで浸透させるように、カーボンナノチューブ束30Bの長さ、熱可塑性樹脂の融解時の粘度、熱可塑性樹脂フィルム32Bの膜厚等に応じて適宜設定することが望ましい。
カーボンナノチューブ30間に最終的に充填する充填材の量は、圧着時における圧力と温度によってコントロールすることができる。樹脂の軟化点以上の温度において、圧力をコントロールすることによって除去する樹脂の量をコントロールして、充填量を制御する。熱可塑性樹脂の形状は、予めフィルム状に加工しておくことが好適であるが、ペレット状や棒状でも構わない。後工程においてカーボンナノチューブ束30Bを支持した状態で熱可塑性樹脂フィルム32Bをハンドリングする観点からは、熱可塑性樹脂フィルム32Bのシート膜厚は、少なくとも数十μm〜数百μm程度あることが望ましい。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32Bを所定の位置まで浸透させた後、室温まで冷却し、熱可塑性樹脂フィルム32Bを固化する(図6(b))。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32Bを、カーボンナノチューブ束30Bとともにシリコン基板10から剥離する。このとき、カーボンナノチューブ束30Aはすでにシリコン基板10上から剥離されているため、形成しようとする放熱材料の平面形状に対応する形状の領域ごとに分離したカーボンナノチューブ束30Bが、熱可塑性樹脂フィルム32Bとともにシリコン基板10から剥離される(図6(c))。
次いで、シリコン基板10から剥離した熱可塑性樹脂フィルム32A,32Bを、カッターなどを用いて切断する。この際、カーボンナノチューブ束30A,30Bは、形成しようとする放熱材料の平面形状に対応する形状の領域ごとに分離しているため、カーボンナノチューブ束30A,30Bを傷つけることなく、容易に熱可塑性樹脂フィルム32A,32Bを切断することができる。
このようにして、カーボンナノチューブ30の間隙に熱可塑性樹脂フィルム32の熱可塑性樹脂よりなる充填層34が充填されてなる複数の放熱材料36を形成する(図7(a))。
次いで、必要に応じて、熱可塑性樹脂の融解温度よりも若干高い温度で再度加熱し、熱可塑性樹脂フィルム32の充填層34をカーボンナノチューブ30の間隙の所望の位置まで更に浸透させる。樹脂の量が多い場合は樹脂の軟化点以上の温度において、加圧することで樹脂を除去し、充填量を制御する。浸透させる深さは、例えば図7(b)に示すように、カーボンナノチューブ30の上端部が露出されない状態で、充填層34をより深くまで浸透させる。或いは、例えば図7(c)に示すように、充填層34を更に浸透させ、カーボンナノチューブ30の両端部を充填層34から露出させる。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32を所定の位置まで浸透させた後、室温まで冷却し、熱可塑性樹脂フィルム32を固化する。
この熱行程は、熱可塑性樹脂フィルム32を切断する前に行ってもよい。
こうして、図1に示す本実施形態による放熱材料を完成する。
このように本実施形態では、基板の表面に所定の形状を有し高さの異なる複数の面を形成しておき、この基板上に成長したカーボンナノチューブ束を熱可塑性樹脂フィルムを用いて上のものから順次剥離することにより、放熱材料を得る。したがって、基板から剥離した放熱材料は、所望の形状の領域に形成されたカーボンナノチューブ束を有しており、切断に伴うカーボンナノチューブの配向性の低下を防止することができる。また、触媒金属膜のパターニングは不要のため、触媒金属が汚染されることもなく、カーボンナノチューブの密度の低下や成長レートの低下を防止し、信頼性の高い放熱材料を製造することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態による放熱材料の製造方法について図8乃至図14を用いて説明する。図1乃至図7に示す第1実施形態による放熱材料及びその製造方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し又は簡潔にする。
図8は、本実施形態による放熱材料の製造方法を示す平面図である。図9乃至図14は、本実施形態による放熱材料の製造方法を示す工程断面図である。
本実施形態では、図1に示す第1実施形態による放熱材料の他の製造方法を示す。
まず、図3(a)に示す第1実施形態による放熱材料の製造方法と同様にして、シリコン基板10上にフォトレジスト膜14を形成する。
次いで、フォトリソグラフィにより、フォトレジスト膜14をパターニングする(図9(a))。フォトレジスト膜14のパターンは、特に限定されるものではないが、ここでは例えば図8に示すパターンにおいて、「A」及び「B」と付した領域がフォトレジスト膜14の被覆領域であり、「C」と付した領域がフォトレジスト膜14の露出領域であるものとする。図中、「A」、「B」又は「C]と付した各領域が、それぞれ放熱材料の形成領域である。
次いで、フォトレジスト膜14をマスクとしてシリコン基板10を異方性エッチングし、フォトレジスト膜14で覆われていない領域のシリコン基板10に、深さが数十μm〜数百μm程度の溝16を形成する(図9(b))。溝16は、図8の「C」と付した領域に形成される。
次いで、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜14を除去する。
次いで、溝16を形成したシリコン基板10上に、フォトレジスト膜18を形成する。
次いで、フォトリソグラフィにより、フォトレジスト膜18をパターニングする(図10(a))。
フォトレジスト膜18のパターンは、特に限定されるものではないが、ここでは例えば図8に示すパターンにおいて、「A」と付した領域がフォトレジスト膜18の被覆領域であり、「B」及び「C」と付した領域がフォトレジスト膜18の露出領域であるものとする。
次いで、フォトレジスト膜18をマスクとして、シリコン基板10を数十μm〜数百μm程度、異方性エッチングする。これにより、溝16を数十μm〜数百μm程度更に深くするとともに、図8の「B」と付した領域に、深さが数十μm〜数百μm程度の溝20を形成する(図9(b))。溝20は、図8の「B」と付した領域に形成される。
次いで、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜18を除去する。
こうして、シリコン基板10に、シリコン基板10の最上面で規定される第1の面22と、溝20の底面で規定される第2の面24と、溝16の底面で規定される第3の面26とを有する段差形状を形成する(図11(a))。第1の面22、第2の面24及び第3の面26は、それぞれ、図8の領域「A」、領域「B」及び領域「C」に形成される。
次いで、シリコン基板10上に、例えば熱酸化法により、シリコン酸化膜(図示せず)を形成する。シリコン酸化膜の膜厚は、例えば10nm〜が想定される。シリサイド化しても触媒能が失われない又はシリサイド化しにくい若しくはしない触媒金属及び化合物であれば、必ずしもシリコン酸化膜を形成する必要はない。
次いで、溝16,20が形成されたシリコン酸化膜付きのシリコン基板10上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚2.5nm相当のFe(鉄)を堆積する。これにより、シリコン基板10の第1の面22上に膜厚2.5nmのFeの触媒金属膜28Aを形成し、シリコン基板10の第2の面24上に膜厚2.5nmのFeの触媒金属膜28Bを形成し、シリコン基板10の第3の面26上に膜厚2.5nmのFeの触媒金属膜28Cを形成する(図11(b))。
次いで、触媒金属膜28A,28B,28Cを触媒として、例えばホットフィラメントCVD法により、第1の面22上、第2の面24上及び第3の面26上にカーボンナノチューブ30を成長する。これにより、シリコン基板10の第1の面22上に、シリコン基板10の法線方向に配向(垂直配向)した複数のカーボンナノチューブ30を有するカーボンナノチューブ束30Aを形成する。また、シリコン基板の第2の面24上に、基板10の法線方向に配向(垂直配向)した複数のカーボンナノチューブ30を有するカーボンナノチューブ束30Bを形成する。また、シリコン基板の第3の面26上に、基板10の法線方向に配向(垂直配向)した複数のカーボンナノチューブ30を有するカーボンナノチューブ束30Cを形成する。カーボンナノチューブ束30Aとカーボンナノチューブ束30Bとの間には、溝20の深さに相当する高さの違いが存在する。また、カーボンナノチューブ束30Bとカーボンナノチューブ束30Cとの間には、溝16と溝20との深さの違いに相当する高さの違いが存在する。
次いで、カーボンナノチューブ束30A,30B,30Bを成長したシリコン基板10上に、熱可塑性樹脂フィルム32Aを載置する。このとき、カーボンナノチューブ束30Aとカーボンナノチューブ束30B,30Cとの間には溝16,20の深さに相当する高さの違いが存在するため、熱可塑性樹脂フィルム32Aはカーボンナノチューブ束30Aには接するが、カーボンナノチューブ束30B,30Cには接しない。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32Aを載置したシリコン基板10を、熱可塑性樹脂フィルム32Aを形成する熱可塑性樹脂の融解温度以上の温度に加熱し、熱可塑性樹脂フィルム32Aをカーボンナノチューブ束30A内に徐々に浸透させる。
熱可塑性樹脂フィルム32Aがカーボンナノチューブ束30Aを支持するに十分な深さまで且つカーボンナノチューブ束30B,30Cに達しない程度まで浸透した後、室温まで冷却し、熱可塑性樹脂フィルム32Aを固化する(図12(a))。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32Aを、カーボンナノチューブ束30Aとともにシリコン基板10から剥離する。このとき、カーボンナノチューブ束30B,30C内には熱可塑性樹脂フィルム32Aは浸透していないため、カーボンナノチューブ束30B,30Cはシリコン基板10上に残存する。これにより、形成しようとする放熱材料の平面形状に対応する形状の領域ごとに分離したカーボンナノチューブ束30Aが、熱可塑性樹脂フィルム32Aとともにシリコン基板10から剥離される(図12(b))。
次いで、カーボンナノチューブ束30A及び熱可塑性樹脂フィルム32Aを剥離したシリコン基板10上に、熱可塑性樹脂フィルム32Aと同様の材料よりなる熱可塑性樹脂フィルム32Bを載置する。このとき、カーボンナノチューブ束30Bは溝20の深さよりも長いため、熱可塑性樹脂フィルム32Bはカーボンナノチューブ束30Bには接するが、カーボンナノチューブ束32Cには接しない。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32Bを載置したシリコン基板10を、熱可塑性樹脂フィルム32Bを形成する熱可塑性樹脂の融解温度以上の温度に加熱し、熱可塑性樹脂フィルム32Bをカーボンナノチューブ束30B内に徐々に浸透させる。
熱可塑性樹脂フィルム32Bがカーボンナノチューブ束30Bを支持するに十分な深さまで且つカーボンナノチューブ束30Cに達しない程度まで浸透した後、室温まで冷却し、熱可塑性樹脂フィルム32Bを固化する(図13(a))。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32Bを、カーボンナノチューブ束30Bとともにシリコン基板10から剥離する。このとき、カーボンナノチューブ束30C内には熱可塑性樹脂フィルム32Bは浸透していないため、カーボンナノチューブ束30Cはシリコン基板10上に残存する。これにより、形成しようとする放熱材料の平面形状に対応する形状の領域ごとに分離したカーボンナノチューブ束30Bが、熱可塑性樹脂フィルム32Bとともにシリコン基板10から剥離される(図13(b))。
次いで、カーボンナノチューブ束30B及び熱可塑性樹脂フィルム32Bを剥離したシリコン基板10上に、熱可塑性樹脂フィルム32Aと同様の材料よりなる熱可塑性樹脂フィルム32Cを載置する。このとき、カーボンナノチューブ束30Cは溝20の深さよりも長いため、熱可塑性樹脂フィルム32Cはカーボンナノチューブ束30Cには接するが、シリコン基板10には接しない。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32Cを載置したシリコン基板10を、熱可塑性樹脂フィルム32Cを形成する熱可塑性樹脂の融解温度以上の温度に加熱し、熱可塑性樹脂フィルム32Cをカーボンナノチューブ束30Cに徐々に浸透させる。
熱可塑性樹脂フィルム32Cがカーボンナノチューブ束30Cを支持するに十分な深さまで且つシリコン基板10に達しない程度まで浸透した後、室温まで冷却し、熱可塑性樹脂フィルム32Cを固化する(図14(a))。
次いで、熱可塑性樹脂フィルム32Cを、カーボンナノチューブ束30Cとともにシリコン基板10から剥離する。このとき、カーボンナノチューブ束30A,30Bはすでにシリコン基板10上から剥離されているため、形成しようとする放熱材料の平面形状に対応する形状の領域ごとに分離したカーボンナノチューブ束30Cが、熱可塑性樹脂フィルム32Cとともにシリコン基板10から剥離される(図14(b))。
この後、図7(a)乃至図7(c)に示す第1実施形態による放熱材料の製造方法と同様にして、熱可塑性樹脂フィルム32を切断して放熱材料36を得る。また、必要に応じて熱処理を行い、充填層34を所望の深さまで更に浸透させる。
こうして、図1に示す第1実施形態による放熱材料を完成する。
このように本実施形態では、基板の表面に所定の形状を有し高さの異なる複数の面を形成しておき、この基板上に成長したカーボンナノチューブ束を熱可塑性樹脂フィルムを用いて上のものから順次剥離することにより、放熱材料を得る。したがって、基板から剥離した放熱材料は、所望の形状の領域に形成されたカーボンナノチューブ束を有しており、切断に伴うカーボンナノチューブの配向性の低下を防止することができる。また、触媒金属膜のパターニングは不要のため、触媒金属が汚染されることもなく、カーボンナノチューブの密度の低下や成長レートの低下を防止し、信頼性の高い放熱材料を製造することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態による電子機器及びその製造方法について図15及び図16を用いて説明する。
図15は、本実施形態による電子機器の構造を示す概略断面図である。図16は、本実施形態による電子機器の製造方法を示す工程断面図である。
本実施形態では、第1実施形態による放熱材料を用いた電子機器及びその製造方法について説明する。
はじめに、本実施形態による電子機器の構造について図15を用いて説明する。
多層配線基板などの回路基板50上には、例えばCPUなどの半導体素子54が実装されている。半導体素子54は、はんだバンプなどの突起状電極52を介して回路基板50に電気的に接続されている。
半導体素子54上には、半導体素子54を覆うように、半導体素子54からの熱を拡散するためのヒートスプレッダ56が形成されている。半導体素子54とヒートスプレッダ56との間には、第1実施形態に記載の放熱材料36が形成されている。ヒートスプレッダ56は、例えば有機シーラント58によって回路基板50に接着されている。
このように、本実施形態による電子機器では、半導体素子54とヒートスプレッダ56との間、すなわち発熱部と放熱部との間に、第1実施形態による放熱材料36が設けられている。
上述のように、第1実施形態による放熱材料36は、カーボンナノチューブ30がシートの膜厚方向に配向しており、面直方向の熱伝導度が極めて高いものである。したがって、上記実施形態の放熱材料36を半導体素子54とヒートスプレッダ56との間に配置することにより、半導体素子54から発せられた熱を効率よくヒートスプレッダ56に伝えることができ、半導体素子54を効果的に冷却することができる。これにより、電子機器の信頼性を向上することができる。
次に、本実施形態による電子機器の製造方法について、図16を用いて説明する。
まず、回路基板50上に、突起状電極52を介して半導体素子54を実装する(図16(a))。
次いで、半導体素子54を実装した回路基板50上に、カーボンナノチューブ30の露出面側が半導体素子54側に位置するように放熱材料36を載置し、その上からヒートスプレッダ56を被せる(図16(b))。この際、回路基板50上には、ヒートスプレッダ56を固定するための有機シーラント58を塗布しておく。放熱材料40は、ヒートスプレッダ56に予め接着しておいてもよい。
次いで、ヒートスプレッダ58に荷重をかけた状態で熱処理を行い、放熱材料36の充填層34をリフローする。充填層34として例えばヘンケルジャパン株式会社製の「Micromelt6239」を用いた放熱材料36では、例えば荷重0.25MPaを加えた状態で、例えば195℃、10分間の熱処理を行う。
この熱処理により、放熱材料36の充填層34を形成する熱可塑性樹脂が液状融解し、半導体素子54及びヒートスプレッダ56の表面凹凸に沿って放熱材料36が変形する。また、放熱材料36内のカーボンナノチューブ30は、充填層34による拘束がゆるみ、その端部は半導体素子54及びヒートスプレッダ56に直に接するようになる。この際、カーボンナノチューブ30はしなやかで柔軟性に富んだ材料であるため、半導体素子54及びヒートスプレッダ56が有する凹凸形状に追従して撓むことができる。これにより、半導体素子54及びヒートスプレッダ56に直に接するカーボンナノチューブ30が増加し、放熱材料36と半導体素子54及びヒートスプレッダ56との間の接触熱抵抗を大幅に低減することができる。
次いで、室温まで冷却し、充填層34の熱可塑性樹脂を固化するとともに、ヒートスプレッダ56を有機シーラント58によって回路基板50上に固定する(図15(c))。この際、熱可塑性樹脂は接着性を発現し、半導体素子54とヒートスプレッダ56との間を放熱材料36によって接着固定することができる。これにより、室温に冷却した後も、放熱材料36と半導体素子54及びヒートスプレッダ56との間の低い接触熱抵抗を維持することができる。
このように、本実施形態によれば、半導体素子とヒートスプレッダとの間に、第1実施形態による放熱材料を配置するので、これらの間の熱伝導度を大幅に向上することができる。これにより、半導体素子から発せられる熱の放熱効率を高めることができ、電子機器の信頼性を向上することができる。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、炭素元素の線状構造体を用いた放熱材料の例としてカーボンナノチューブを用いたシート状構造体を示したが、炭素元素の線状構造体を用いた放熱材料は、これに限定されるものではない。炭素元素の線状構造体は、炭素の六員環構造を有するグラフェンシートが筒状なったものであり、カーボンナノチューブのほか、カーボンナノワイヤ、カーボンロッド、カーボンファイバをも含むものである。これら線状構造体は、サイズが異なるほかは、カーボンナノチューブと同様である。これら線状構造体を用いた放熱材料においても適用することができる。
また、上記実施形態では、同じ高さの表面に設けられる複数の領域間が辺で接しないように配置しているが、必ずしも総ての辺が接しないように配置する必要はない。辺で接している部分では熱可塑性樹脂フィルムの切断の際にカーボンナノチューブの配向に乱れが生じる虞もあるが、辺で接していない他の部分においては上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記第1実施形態では高さの異なる2つの表面上にカーボンナノチューブを成長し、上記第2実施形態では高さの異なる3つの表面上にカーボンナノチューブを成長したが、高さの異なる表面の数は、これらに限定されるものではなく、4つ以上でもよい。
また、上記実施形態に記載の構成材料や製造条件は、当該記載に限定されるものではなく、目的等に応じて適宜変更が可能である。
また、放熱材料の使用目的も、上記実施形態に記載のものに限定されるものではない。開示の放熱材料は、熱伝導シートとしては、例えば、CPUの放熱シート、無線通信基地局用高出力増幅器、無線通信端末用高出力増幅器、電気自動車用高出力スイッチ、サーバー、パーソナルコンピュータなどへの適用が考えられる。
また、カーボンナノチューブの高い許容電流密度特性を利用して、縦型配線シートやこれを用いた種々のアプリケーションにも適用可能である。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 炭素元素よりなる第1の線状構造体の束を基板の第1の面上に成長し、炭素元素よりなる第2の線状構造体の束を前記基板の前記第1の面よりも低い第2の面上に成長する工程と、
第1の熱可塑性樹脂フィルムを、前記第1の線状構造体の束内に浸透させる工程と、
前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを、前記第1の線状構造体の束とともに前記基板から剥離する工程と
を有することを特徴とする放熱材料の製造方法。
(付記2) 付記1記載の放熱材料の製造方法において、
前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを浸透させる工程では、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムが前記第2の線状構造体束に達する前に前記第1の熱可塑性樹脂フィルムの浸透を停止する
ことを特徴とする放熱材料の製造方法。
(付記3) 付記1又は2記載の放熱材料の製造方法において、
前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを剥離する工程の後、
第2の熱可塑性樹脂フィルムを、前記第2の線状構造体の束内に浸透させる工程と、
前記第2の熱可塑性樹脂フィルムを、前記第2の線状構造体の束とともに前記基板から剥離する工程と
を更に有することを特徴とする放熱材料の製造方法。
(付記4) 付記3記載の放熱材料の製造方法において、
前記第2の熱可塑性樹脂フィルムを浸透させる工程では、前記第2の熱可塑性樹脂フィルムが前記基板の前記第1の面に達する前に前記第2の熱可塑性樹脂フィルムの浸透を停止する
ことを特徴とする放熱材料の製造方法。
(付記5) 付記1乃至4のいずれか1項に記載の放熱材料の製造方法において、
前記第1の面及び前記第2の面は、製造しようとする放熱材料の形状に対応する平面形状を有する
ことを特徴とする放熱材料の製造方法。
(付記6) 付記1乃至5のいずれか1項に記載の放熱材料の製造方法において、
前記第1の面は、互いに分離された複数の領域に配置されており、前記複数の領域のそれぞれに、前記第1の線状構造体の束を形成する
ことを特徴とする放熱材料の製造方法。
(付記7) 付記6記載の放熱材料の製造方法において、
前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを前記基板から剥離する工程の後、前記複数の領域のそれぞれに形成された前記第1の線状構造体の束ごとに分かれるように、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを切断する工程を更に有する
ことを特徴とする放熱材料の製造方法。
(付記8) 付記1乃至7のいずれか1項に記載の放熱材料の製造方法において、
前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを前記基板から剥離した後、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを前記第1の線状構造体の束内に更に浸透させる工程を更に有する
ことを特徴とする放熱材料の製造方法。
(付記9) 付記1乃至8のいずれか1項に記載の放熱材料の製造方法において、
前記第1の線状構造体の束及び前記第2の線状構造体の束を成長する工程の前に、前記基板に溝を形成する工程を更に有し、
前記基板の最上面により規定される前記第1の面と、前記溝の底面により規定される前記第2の面とを有する前記基板を形成する
ことを特徴とする放熱材料の製造方法。
(付記10) 基板の異なる高さの複数の面上に、炭素元素よりなる線状構造体の束をそれぞれ成長する工程と、
前記線状構造体の束が形成された前記基板上に熱可塑性樹脂フィルムを載置し、前記熱可塑性樹脂フィルムを前記線状構造体の束内に浸透させる工程と、
前記熱可塑性樹脂フィルムを前記線状構造体の束とともに前記基板から剥離する工程とを有し、
前記熱可塑性樹脂フィルムを浸透させる工程と前記熱可塑性樹脂フィルムを剥離する工程とを繰り返し行い、前記基板の最も高い面上に形成された前記線状構造体の束から順に、前記基板から剥離する
ことを特徴とする放熱材料の製造方法。
10…シリコン基板
14,18…フォトレジスト膜
16,20…溝
22…第1の面
24…第2の面
26…第3の面
28A,28B,28C…触媒金属膜
30…カーボンナノチューブ
30A,30B,30C…カーボンナノチューブ束
32A,32B,32C…熱可塑性樹脂フィルム
34…充填層
36…放熱材料
50…回路基板
52…突起状電極
54…半導体素子
56…ヒートスプレッダ
58…有機シーラント

Claims (5)

  1. 炭素元素よりなる第1の線状構造体の束を基板の第1の面上に成長し、炭素元素よりなる第2の線状構造体の束を前記基板の前記第1の面よりも低い第2の面上に成長する工程と、
    前記基板の前記第1の面上に第1の熱可塑性樹脂フィルムを載置し、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを形成する熱可塑性樹脂の融解温度以上の温度に加熱することにより、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを所定の位置まで前記第1の線状構造体の束内に浸透させた後、冷却して前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを固化する工程と、
    前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを、前記第1の線状構造体の束とともに前記基板から剥離する工程と、
    前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを前記第1の線状構造体の束内に更に浸透させる工程と
    を有することを特徴とする放熱材料の製造方法。
  2. 請求項1記載の放熱材料の製造方法において、
    前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを浸透させる工程では、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムが前記第2の線状構造体束に達する前に前記第1の熱可塑性樹脂フィルムの浸透を停止する
    ことを特徴とする放熱材料の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の放熱材料の製造方法において、
    前記第1の熱可塑性樹脂フィルムを剥離する工程の後、
    第2の熱可塑性樹脂フィルムを、前記第2の線状構造体の束内に浸透させる工程と、
    前記第2の熱可塑性樹脂フィルムを、前記第2の線状構造体の束とともに前記基板から剥離する工程と
    を更に有することを特徴とする放熱材料の製造方法。
  4. 請求項3記載の放熱材料の製造方法において、
    前記第2の熱可塑性樹脂フィルムを浸透させる工程では、前記第2の熱可塑性樹脂フィルムが前記基板の前記第1の面に達する前に前記第2の熱可塑性樹脂フィルムの浸透を停止する
    ことを特徴とする放熱材料の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放熱材料の製造方法において、
    前記第1の面及び前記第2の面は、製造しようとする放熱材料の形状に対応する平面形状を有する
    ことを特徴とする放熱材料の製造方法。
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