JP6113153B2 - イオン交換材料を有する金属−空気セル - Google Patents

イオン交換材料を有する金属−空気セル Download PDF

Info

Publication number
JP6113153B2
JP6113153B2 JP2014516084A JP2014516084A JP6113153B2 JP 6113153 B2 JP6113153 B2 JP 6113153B2 JP 2014516084 A JP2014516084 A JP 2014516084A JP 2014516084 A JP2014516084 A JP 2014516084A JP 6113153 B2 JP6113153 B2 JP 6113153B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
metal
air
electrolyte
ion exchange
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014516084A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014520372A (ja
Inventor
エー. フリーゼン,コディー
エー. フリーゼン,コディー
ウォルフェ,デレク
ジョンソン,ポール,ブライアン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FLUIDIC Inc
Original Assignee
FLUIDIC Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FLUIDIC Inc filed Critical FLUIDIC Inc
Publication of JP2014520372A publication Critical patent/JP2014520372A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6113153B2 publication Critical patent/JP6113153B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M12/00Hybrid cells; Manufacture thereof
    • H01M12/04Hybrid cells; Manufacture thereof composed of a half-cell of the fuel-cell type and of a half-cell of the primary-cell type
    • H01M12/06Hybrid cells; Manufacture thereof composed of a half-cell of the fuel-cell type and of a half-cell of the primary-cell type with one metallic and one gaseous electrode
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M12/00Hybrid cells; Manufacture thereof
    • H01M12/08Hybrid cells; Manufacture thereof composed of a half-cell of a fuel-cell type and a half-cell of the secondary-cell type
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0017Non-aqueous electrolytes
    • H01M2300/0065Solid electrolytes
    • H01M2300/0082Organic polymers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

関連出願
本出願は、2011年6月17日に出願された米国特許仮出願第61/498,308号及び2011年12月9日に出願された米国特許仮出願第61/568,875号に基づく優先権を主張する。
政府の財源支援
本発明は、合衆国エネルギー省により授与された契約番号第DB−AR−00000038による政府の支持でなされた。合衆国政府は本発明において一定の権利を有することができる。
本発明の実施形態は、電極間のイオンの移動を容易にする、またはイオンの移動におけるイオン伝導媒体を補助するイオン交換材料を使用する金属−空気電気化学セルに関する。
多くの電池のエネルギー密度の重大な損失は、電池のカソードにより引き起こされる。このことは、例えばリチウムまたはニッケルを使用する電池化学についてあてはまる。典型的には、酸化剤は、アノードよりも2倍乃至5倍少ないモル電荷容量でカソードに蓄積される。一方で、多くの電池は、酸化剤のソースとして空気からの酸素を使用する。連続的で実質的に制限のない酸素のソースの存在により、原理上、高エネルギー密度とすることができる。しかしながら、水素及び有機燃料の使用は、加湿及び膜の問題のような蒸気圧及びシステムバランスの複雑さの問題のために、高エネルギー効率を不可能にする。金属−空気電気化学セル(cell)は、近年のエネルギー需要に関連するエネルギー密度を実質的に達成するために、電池のアノードの超高容量(ultra-high anode capacity)を燃料セルの空気吸入式カソード(air-breathing cathode)と組み合わせることができる。
金属−空気電池は一般的には、金属燃料が酸化される燃料電極、酸素が還元される空気電極及びイオン伝導性を提供する電解質を有している。金属−空気電池の制限因子は、電解質溶液の蒸発、特には電解質水溶液中の水のような溶媒の蒸発である。空気電極は、酸素を吸収するために空気透過性であることを要求されるが、このことは、水蒸気のような溶媒蒸気がセルから漏出することを許容する場合がある。時間の経過とともに、セルは、溶媒の枯渇のために効果的な動作ができなくなる。実際に、多くのセルの設計において、燃料が消費される前にこの蒸発の問題によりセルが動作不能になる。さらに、電解液が(外部ソースから補充しない限り)繰り返し再充電できないのに対し、燃料はセルの寿命にわたって繰り返し再充電することができるので、この蒸発は、二次(すなわち、再充電可能な)電池において悪化する。
再充電及び自己放電中には、水の電解のような従来の水性電解液電池に関連する他の問題がある。再充電の間、電流は電池を通過して、燃料電極で酸化燃料を還元する。しかしながら一部の電流は、以下の式で表されるように、水を電解して、燃料電極において水素を発生(還元)するとともに酸素電極において酸素を発生(酸化)することとなる。
(1) 還元: 2 H2O(l) + 2e- → H2(g) + 2 OH-(aq) 及び
(2) 酸化: 2 H2O(l) → O2(g) + 4 H+(aq) + 4e-
このようにして、さらに水性電解質が電池から失われる。さらに、水素の還元において消費される電子は、燃料酸化物の還元に利用することができない。そのため、水性電解質の寄生電気分解は、二次電池の往復効率を減少させる。
自己放電は、電極の不純物または電解液との反応に起因する場合がある。一般的には、電極中の不純物による自己放電は、(1ヶ月当たり2−3%の損失と)小さい。水及び水に溶解したO2との活性金属の反応は、しかしながら、(1ヶ月当たり20〜30%の損失と)非常に高いことがある。
これらの問題を補うために、水性電解質を有する金属−空気電池は、一般的に、比較的多い量の電解質溶液を含有するように設計されている。いくつかのセルの設計では、電解質レベルを維持するために、隣接するリザーバから電解質を補給するための手段を組み込んでいる。しかしながら、いずれかのアプローチにより、(水または他の溶媒が時間とともに蒸発することを補う量の電解質溶液が存在することを確実にすることを除いて)セルの性能が向上することなく、セルの全体の大きさと同様にセルの重量が増加する。具体的には、電池性能は、一般に、燃料特性、電極特性、電解質特性および反応を起こすのに利用可能な電極の表面積の量によって決定される。しかし、セル内の電解質溶液の量は、一般的に電池の性能について重大に有益な効果を有していないため、一般的に体積及び重量ベースの比(体積または重量に対する電力及び体積または重量に対するエネルギー)に関して唯一の点で電池性能を損なう。また、過剰な電解質の量により、電極間に大きな間隔が形成されて、オーム抵抗が大きくなるとともに、性能が損なわれることがある。
電気化学セルに非水系システムを使用することが(例えば、米国特許第5827602号参照)に提案されている。非水性系システムにおいては、水性電解質は、イオン液体と置き換えられる。しかしながら、AlC13のような強ルイス酸を含有するイオン液体は、湿気にさらされたときに有害ガスを遊離することが知られている。
金属−空気電気化学セルに、水性電解質ではなく低温または常温イオン液体(low or room temperature ionic liquid)を使用することは、2010年9月16日に出願された米国特許仮出願第61/383,510号、2010年6月15日に出願された米国特許仮出願第61/355,081号、2010年5月12日に出願された米国特許仮出願第61/334,047号、2010年4月29日に出願された米国特許仮出願第61/329,2787号、2009年5月11日に出願された米国特許仮出願第61/177,072号及び2009年12月7日に出願された米国特許仮出願第61/267,240号、並びに2011年5月11日に出願された米国特許出願第13/105,794号、2011年4月28日に出願された米国特許出願第13/096,851号、2011年4月13日に出願された米国特許出願第13/085714号、及び2011年5月10日に出願された米国特許出願第12/776,962号に記載されている。これらの各開示は、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。セルにおける低温または常温イオン液体の使用は、電解質溶液からの溶媒の蒸発に関連する問題を本質的に取り除く。
常温イオン液体は、極めて低い蒸気圧を有する(いくつかは標準的な条件下で本質的に計測不能な蒸気圧を有する)ので、ほとんど又は全く蒸発を経験しない。従って、イオン伝導性媒体として低温又は常温イオン液体を使用するセルは、経時的な蒸発を補うために、過剰な量の溶液を組み入れる必要はない。比較的少量のイオン液体で、セルの動作に必要な電気化学反応を十分に支持することにより、セルの重量および体積を低減し、電力の体積/重量比を増加させる。また、水溶液中の水素の発生のような溶媒に関連する他の問題を回避することができる。
他の問題が金属−空気充電電池に存在する。例えば、電池内における亜鉛または水酸化亜鉛(例えば亜鉛酸塩(Zn(OH)4 2-))の拡散が原因で、空気電極にデンドライトが形成される場合がある。デンドライトは、亜鉛(または他の金属)の成長によりアノードとカソードの間の電解質中に針状または樹枝状構造に形成される。充電中のこの種の成長は、亜鉛が多孔質セパレータの孔部を貫通して、亜鉛が電極に接触した場合にショート及び電池故障を生じる場合がある。
空気電極から触媒または不純物が電解液中に浸出すると、金属電極でのガス発生及び電池性能の低下が生じる場合がある。浸出が、時間とともに生じるようになると、最終的に空気電極の故障が生じる。電池の寿命にわたって空気電極を損傷させずに残存させるために空気電極に触媒及び不純物が残存するように触媒及び不純物の安定性を維持するとともに、触媒及び不純物を空気電極から分離して、触媒及び不純物が金属電極に移動することを防いで、金属電極におけるガス発生傾向を低減することが望まれている。
従来の高分子多孔質セパレータでは、高分子固体電解質と同様に、金属電極と空気電極との間に亜鉛及び亜鉛酸塩が拡散することがある。亜鉛酸イオンは、水酸化カリウムのようなアルカリ電解質に非常に溶解し、多孔質セパレータを介して拡散する。セパレータの空気電極側における亜鉛酸イオン濃度が高い場合には、亜鉛酸塩の溶解度の濃度に到達してZnOが沈殿すると、酸化亜鉛の沈着が生じることがある。亜鉛酸塩の溶解度は、OH-の濃度と密接に関連しており、沈着は、充電中及び放電中の空気電極におけるOH-の濃度の変化で説明することができる。空気電極における亜鉛酸塩の沈着は、電池故障の原因となる。
電気化学発電の用途にアニオン(または一般的にイオン)交換膜を使用することが知られている。電気化学発電用途において使用される公知のアニオン交換膜は、例えば、Guらの「A Soluble and Highly Conductive Ionomer for High Performance Hydroxide Exchange Membrane Fuel Cells,」 ACIE, pp. 1-4 (2009)、Hwangらの「Preparation of anion-exchange membrane based on block copolymers. . .」, J. Membrane Sci., 140, pp. 195-203 (1998)、及び、 Agelらの「Characterization and Use of Anionic Membranes for Alkaline Fuel Cells」 J. Power Sources, 101, pp. 267-274 (2001)に記載されている。これらの文献には、(例えばトリアリールホスフィンまたはトリエチルアミンのような)特定の官能基で誘導体化された、クロロメチルポリスルホンポリマーのような、従来の膜が記載されている。
カソードまたはアノードをイオン交換高分子フィルムで囲むことが知られており、例えば、米国特許第4,333,933号及び第4,975,172号に記載されている。金属/酸素セルにイオン交換材料を組み入れることが種々の目的のために提案されている。一例として米国特許第4,137,371号では、亜鉛/酸素セルの電気化学活物質の毒作用を抑制するために、亜鉛酸塩制限膜としてイオン交換膜を使用している。イオン交換膜は、酸素電極に直接取り付けられ、酸素電極の多孔質層と亜鉛電極との間に配置される。米国特許第3,514,336号には、遊離電解質を含有するマクロ多孔性チャンネルを有するイオン交換樹脂マトリクスを、アノードとカソードとの間に配置されるチャンネルに使用する電気化学セルが記載されている。燃料電池に使用される場合には、このようなマトリクスは、浸透移動の結果として樹脂が脱水できないように混合電流キャリアとして作用すると考えられ、均一に残存する電解質を提供する。イオン交換材料のさらなる使用が米国特許第3,097,115号に記載されており、天然または人工のゼオライトが燃料電池用の電極形成に使用されている。電極は一般的に、所望の電極の形状に形成され、イオンは、所望の金属交換活性化特性を有するゼオライトから自然発生するイオンを交換する。米国特許第3,097,116号には、熱安定化されたイオン交換ゼオライトをガス拡散膜に結合することにより電極構造を形成することが開示されている。このガス拡散膜は、親水性または疎水性のいずれでもよい。
米国特許第5,798,180号には、スルホン化ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンオキサイド)のようなポリ芳香族エーテルからなる電池セパレータ(または電極コーティング)が開示されている。他の公知の電池セパレータには、ウィルミントン州デラウェアのDuPontから市販されているNafio(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレンのスルホン酸塩)、ノースカロライナ州シャーロットのDaramicから市販されているスルホンフッ素化テフロン(登録商標)、ノースカロライナ州シャーロットのCelgardから市販されているポリプロピレン及びポリエチレンセパレータが含まれる。電極の一部として、または電池セパレータとしてイオン交換膜を含む金属−空気電池、電気化学デバイス、及び/または燃料電池は、米国特許出願公開第2004/0157101号、第2008/0008937号、第2010/0137460号及び第2011/0027666号に記載されている。これらの開示の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。金属−空気充電池に使用する改良されたイオン交換材料を提供することが求められている。
本発明の実施形態は、燃料を酸化する燃料電極と、気体酸素を吸収及び減少させるように構成された空気電極と、イオノマー(アイオノマー)を有するイオン交換材料を有する電解質と、を備える金属−空気電気化学セルに関する。本発明の他の実施形態は、燃料電極と、酸素ガスを吸収及び減少させる空気電極を備える電気化学セルに使用され、固体イオノマー、塩、及び、所望により1以上の添加剤を有するイオン交換材料を備えるイオン伝導媒体に関する。
本発明の他の実施形態は、1,4,ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)で誘導体化されたケトン基またはスルホン基を有するポリマーを備えるイオン交換材料に関する。本発明の他の実施形態は、カソード、アノード、及び1,4,ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)で誘導体化されたケトン基またはスルホン基を有するポリマーを備える固体電解質を備える電気化学セルに関する。さらなる実施形態は、カチオンで誘導体化されたポリマーと、塩と、カチオンからなるイオン対を有し、イオン対のカチオンはポリマーに結合するカチオンと同じか異なるポリマーを有するイオン交換材料に関する。さらなる実施形態は、カチオンで誘導体化されたポリマーと、カチオンの塩とを備えるイオン交換材料、上述のイオン交換材料の製造方法、並びに、カソード、アノード、及び本明細書に記載のイオン交換材料を少なくとも1つ含む電解質を備える電気化学セルを含む。
本発明の他の目的、特徴及び利点が、以下の詳細な説明、添付した図面及び添付した特許請求の範囲から明らかとなろう。
本発明は、本発明の実施形態の説明に使用される以下の説明及び添付図面を参照することにより最もよく理解することができる。
本発明の一実施形態の空気電極、燃料電極及びイオン交換材料(膜)の概略図である。 本発明の一実施形態の電気化学セルの概略図である。
一実施形態によれば、カチオンで誘導化されたポリマーを有するイオン交換材料は、電気化学セルの固体電解質成分である。他の実施形態によれば、1,4,ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)で誘導化されたスルホン基またはケトンを有するポリマーを備えるイオン交換材料は、燃料電池、金属−空気電池、O2セパレータ、食塩電解槽、または、電解槽を含むがこれらに限定されない電気化学セルの固体電解質成分である。
他の実施形態によれば、金属−空気電池は、電池内における望ましくない材料移動に関する課題への取り組みに役立つことを意図するイオン交換材料を有する。一実施形態によれば、イオン交換材料は、セパレータまたは膜の形態で提供され、または従来のセパレータ内に含むことができる。他の実施形態によれば、イオン交換材料は、空気電極の表面に塗布(例えば積層)されるフィルムまたは膜として提供することができる。他の実施形態によれば、イオン交換材料は、イオン交換材料が空気電極内に直接組み込まれるように、(例えば空気電極の活性層またはガス拡散層の1以上の層のような)空気電極の1以上の層の形成に使用される材料と混合することができる。他の実施形態によれば、イオン交換材料は、アルカリ溶液またはイオン液体を含むことができる液体電解質内においてセパレータとして機能するように配置することができる。他の種々の例示的な実施形態によってこれらの組み合わせを使用できることが理解される。
例えば、金属−空気電池は、組み込まれたイオン交換材料を含む電極の1以上の層を有するのに加えて、空気電極の表面に形成されたイオン交換材料を有していてもよい。さらに、金属ー空気電池は、液体電解質の有無によらず、セパレータとして機能するイオン交換膜と同様に、空気電極の表面にイオン交換膜を有することができる。液体電解質がない場合、イオノマーは、唯一の電解質として機能し、この実施形態における金属−空気電池は、固体状態で機能する。他の実施形態では、イオン伝導媒体は、液体/固体の混合物とすることができ、液体電解質及び固体イオノマーは種々の濃度で存在することができる。本明細書を見た当業者にとって、他の可能性及び組み合わせが明白であり、このような可能性は本明細書の範囲内で組み込まれることが意図される。
金属−空気電池に電解質として固体イオノマーを使用することに関しては多くの利点がある。例えば、限定しない可能な利点には、カソードの内側からのガス発生及びカソード内のZnO沈殿の抑制、膜をアノードに塗布することによる大量のZnカチオンのバルク電解質内への移動の抑制、アノード形状変化、焼きしまり、及び樹枝突起によるショートの鈍化の補助、電解質として実質的に単独で固体イオノマーを使用することにより、蒸発してセルの寿命を短くする液体電解質の要求の抑制、及びセルをよりコンパクトにすることがある。
電気化学デバイスは、コインまたはボタン電池、角形電池、円筒電池(例えばAA電池、AAA電池、AAAA電池、C電池またはD電池に加えて他の円筒形状)、フローセル、燃料電池等を含むがこれらに限定されない所望の形状とすることができる。さらに、金属−空気電池は、一次(ディスポーザル、使い捨て)または二次(充電)電池とすることができる。二機能空気電極の開発及び充電可能なアノード材料の利用により充電池を利用することができる。
本明細書に記載のイオン交換膜を金属−空気電池に組み込むことにより様々な利点が得られる。例えば、イオン交換膜の存在は、Zn(OH)4-の空気電極への移動を効果的に減少及び抑制し、金属電極と空気電極との間のセル内における短絡の原因となるデンドライトの形成の傾向を減少させることができる。亜鉛酸イオンの拡散を限定することにより、亜鉛電極のバルクを通して十分な沈殿を提供し、表面反応を少なくし、デンドライト及び形状変化の傾向を少なくする。イオン交換膜は、触媒または不純物が空気電極から金属電極への浸出を減少または抑制することができ、電池寿命にわたる性能を低下させる望ましくないガス発生を経験する金属電極の傾向を低下させることができる。いくつかの実施形態によれば、イオン交換膜は、空気電極の故障の抑制及び空気電極における3相境界の安定性の維持の援助を補助することができる。
本出願においては、低温のイオン液体は、1atmで150℃以下の融点を有するイオン液体として定義される。これらの低温のイオン液体は、1atmで100℃以下の融点を有するイオン液体として定義される常温イオン液体として知られる種類を含んでいてもよい。イオン液体とはまた、液体の塩を意味するものである。定義上、イオン液体は、主として塩のアニオン及びカチオンからなる。イオン液体自体は、イオン液体中に存在する添加剤またはセルの動作により生じる反応副生成物のような1以上の他の可溶性生成物についての溶媒であってもよい。一方、イオン液体は、イオン液体自体が自己溶解物である、即ち、自身の性質により電解質塩のアニオン及びカチオンの液体であるので、塩を溶解する溶媒を使用する必要がなく、塩を溶解する別の溶媒を使用する必要もない。
しかしながら、低温または常温のイオン液体を1atmにおける融点でそれぞれ定義したとしても、いくつかの実施形態では、電池は異なる圧力の環境で動作してもよく、そのため融点は、動作圧力で変化することがある。よって1atmにおける融点とは、これらの液体を定義する温度を言及するものとして使用されるのであり、動作時における実際の使用状態を示すまたは制限するものではない。
限定しないいくつかの実施形態では、溶媒としていくつか考えることができる物質は、セルの動作によりイオン液体中に添加される添加剤または生成される副生成物のようなイオン液体中の溶質の溶解度を高めるため、または特定の電気化学反応またはイオンの透過を促進するような非溶剤機能性を提供するためのいずれかとして、比較的少量がイオン液体に添加されてもよい。したがって、イオン液体の使用は、他の場合において溶媒として考えられるまたはイオン液体中の溶質についての溶剤として機能する物質の存在を完全に排除するものではないが、イオン液体の溶解に溶媒は必要ない。そのため、水性電解質溶液のような本質的に塩の溶解に大量の溶媒を必要とする従来の電解質塩と比べて実質的に少ない量で溶媒は使用されうる。実際に、いくつかの限定しない実施形態では、添加剤のない溶媒を使用することも可能である。
限定されないいくつかの実施形態では、燃料電極と空気電極との間のイオン伝導性媒体は、純粋な低温イオン液体とすることができ、即ちイオン液体から構成することができる。他の限定されない実施形態では、イオン液体から実質的になり、本出願においては、イオン液体と、イオン液体としての性質に実質的に影響しない1以上の他の物質を有しうることを意味する。イオン液体中に任意の反応副生成物またはイオンが存在することは、イオン液体そのものがこのようなイオン及び/または副生成物の輸送及び/または形成を促進するので、イオン液体からなる実施形態またはイオン液体から実質的になる実施形態のいずれにおいても当然に許容されうる。「無溶媒(solvent free)」または「溶媒のない(devoid of solvent)」とは、イオン液体の性質に使用されうる。この用語は、(a)イオン液体を溶解する目的で提供される大量の溶媒のみを排除し、他の物質(例えば添加剤またはセル反応の副生成物)に関して溶媒として機能しうるイオン液体自体を排除しない、及び(b)イオン液体のイオン輸送機能性を高め、セルの電気化学反応を支持し、及び/またはイオン液体中の溶質の溶解度を高める1以上の添加剤の存在を、このような添加剤が他の状況においてまたはイオン液体の溶質に関して溶媒として理論的に見なすことができる場合であっても、イオン液体の溶解のために機能しないのであれば排除しない、として理解されるべきである。(例えば、いくつかの実施形態では、10-100ppmの範囲の水は、他の種類の電解質、すなわち水性電解質中において溶媒として機能するが、水がイオン液体に関する溶媒として機能しないとしても、酸素還元反応を支持するためのプロトンの増加による電気化学反応の促進に使用することができる。)
イオン液体とは、一般的にイオンを有する安定した液体の形態を成す塩について言及するものである。即ちイオン液体とは、完全に解離した負及び正のイオンから実質的になる。よって、イオン液体とは、本質的に電気を伝導する。さらにイオン液体は、無視できるほどの蒸気圧及び低い粘度を有し、(最大400℃まで)広い範囲で液体であり、高い熱安定性及び高い電気化学窓(>5V)を有する。これらの性質のために、イオン液体は典型的には、電気化学セルの充電/放電サイクルの間、蒸発せずに消費される。
イオン液体は、一般的にプロトン性及び非プロトン性の2つの形態で存在する。プロトン性イオン液体は、利用可能なプロトンを有しており、この利用可能なプロトンは、酸化された若しくは還元されたものとすることができ、または還元された酸素のような陰イオンと調整することができる。プロトン性ILsのいくつかの例は、テトラクロロアルミネート、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、メチルスルホネート、ニトレート、及びアセテートのアニオンと、トリエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウムトリフレート、エチルアンモニウム、α-ピコリウム、ピリジニウム、並びに1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、2,6-ジ-tert-ブチルピリジン及びこれらの誘導体のカチオンとの組み合わせから合成することができる。しかしながら、プロトン性イオン液体は一般的に、プロトン活量を有していない。非プロトン性常温イオン液体のいくつかの例は、クロライド(Cl-)、ヘキサフルオロホスフェイト(PF6 -)、ヨージド、テトラフルオロボレート、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド(C2F6NO4S2 -) (TFSI)、トリフルオロメタンスルホナート(CF3O3S-)から選択されるアニオンと、イミダゾリウム、スルホニウム、ピロリジニウム、四級化アンモニウムまたはホスホニウム及びこれらの誘導体から選択されるカチオンとの組み合わせから合成される。プロトンの活量が失われているにもかかわらず、非プロトン性イオン液体は、プロトンを有している。たとえば、非プロトン性のイオン液体は、プロトンとの強い結合を少なくとも1つ有するカチオンを少なくとも1つ有することができる。イオン液体の多くの他の選択肢が存在し、実施例のこれらの記載はいかなる限定をも意図するものではない。
従来開示されている他のイオン液体を実施形態において使用することができる。適切なイオン液体は、例えば米国特許第4,892,944号、第5,826,602号、第5,865,513号、第7,605,297号、第7,863,458号及び第7,960,061号に開示されている。これらの開示の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、同時係属中の米国特許仮出願である、2010年9月16日出願の第61/383,510号、2010年6月15日出願の第61/355,081号、2010年5月12日出願の第61/334,047号、2010年4月29日出願の第61/329,278号、2009年5月11日出願の第61/177,072号、及び2009年12月7日出願の第61/267,240号並びに、米国特許出願である2011年5月11日出願の第13/105,794号、2011年4月28日出願の第13/096,851号、2011年4月13日出願の第13/085,714号、及び2010年5月10日出願の第12/776,962号にイオン液体が開示されている。当業者であれば、本明細書に提供されるガイドラインを使用して、本明細書に記載のイオン交換膜ととももにイオン液体を含む含む電気化学セルを製造可能であろう。
一実施形態においては、イオン交換材料は、カチオンで誘導体化されたポリマー骨格を有して、イオン交換材料、より詳細には、表面を横切ってアニオンを移送する電解質として機能することができるアニオン交換材料を提供する。例えば、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニルスルホン、ポリフェニレン、ポリスチレン、コポリマー、1以上のポリマーの混合物、ポリビニルアルコールとの混合物、非イオンポリマーとの混合物、交差架橋マトリクス、及びこれらの混合物からなる群より選択される1以上のポリマーを含む種々のポリマーを骨格として使用することができる。一実施形態によれば、ポリマーは、コポリマー、混合物、交差架橋ポリマー及びこれらの混合物と同様に、ケトン基及び/またはスルホン基を有する1以上のポリマーから選択される。
上記ポリマー材料の誘導体化に適したカチオンには、電気化学セルの電荷移動中心として有用な公知のカチオンまたはこれらの混合物または組み合わせが含まれる。適切なカチオンには、例えば、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルフォスフォニウム、トリアルキルスルフォニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウム、フォスフィニウム、フォスフォリニウム、ホスフォリニウム、ピペリジニウム、ピペラジニウム、キヌクリジヌウム、二環式アンモニウム、アミジニウム、グアニジニウム、アルカノールアミニウム、モノアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、トリアゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、ピリジニウム、イミダゾピリジニウム、イミダゾピリミジン、モノアルキルfポスフィニウム、、ジアルキルフォスフィニウム、トリアルキルフォスフィニウム、モノアルキルフォスフォニウム、ジアルキルフォスフォニウム 、トリアルキルフォスフォニウム、リン、モノアンモニウムリン、ジアンモニウムリン、トリアンモニウムリン、チオフェニウム、ジヒドロチオフェニウム、 テトラヒドロチオフェニウム、ジアルキルスルホキソニウム、ジアザビシクロ化合物及びこれらの組み合わせから選択される1以上のカチオンが含まれる。上述のポリマーは、本明細書に記載の方法を使用して1以上の上記カチオンで誘導体化することができる。本明細書を読んだ当業者であれば、カチオンで誘導体化されたポリマーを有するイオン交換材料を製造することができる。一実施形態によれば、イオン交換材料は、1,4,ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)で誘導体化されたケトン基またはスルホン基を有するポリマーを備える。
発明者らは、種々のポリマー、詳細には、ケトン基及びスルホン基を有するポリマーは、ケトン基及びスルホン基(または二重結合された酸素またはポリフェニレンまたはポリスチレンのような他の二重結合を含む基)を含む部位から離れたポリマー鎖の部位が容易に塩素化または塩化メチル化されることを見出した。ポリマーイオン交換の成分をより高濃度に塩素化または塩化メチル化する性質により、1,4,ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-1-プロパノール(アルキノアミノ)、及び1,1,2,3,3-ペンタメチルグアニジン(PMG)のようなカチオンでより多くの部位を塩素で置換して、アニオン(例えば水酸化物イオン)の膜を横切る移動を許容するが、カチオン(例えば亜鉛または亜鉛酸塩)を反対方向に移動させない材料でポリマーの成分を誘導体化する。DABCOで誘導体化されたこのような膜を使用する電気化学セルの例示的な実施形態が、図1に示されている。
図1に示すように、イオン交換膜SAXは、空気電極すなわちカソードと、金属電極すなわちアノードとの間に配置されている。カーソードにおいて周囲空気中の酸素の還元の結果発生した水酸化物イオン (OH-) は、ポリマー骨格上に誘導体化されたDABCOの存在のためイオン交換膜を横切って移動することができるが、亜鉛または亜鉛酸塩のイオンはアノード側からカソード側に横切って移動しない。そのため、イオン交換膜は、セルのカソード側におけるデンドライトの形成及び他の望ましくないイオン形成を防止し、セルの機能及び効用を維持する。上述のように、イオン交換膜は、電解質とともに使用することができ、膜の孔内に配置するかまたは膜のいずれか側に位置(この場合膜はセパレータとして機能)させることができ、セパレータとともに配置してもよい。
図2に符号18で示すように、電解質は、イオン液体と同様に、水酸化カリウムまたは他のヒドロキシイオン伝導材料である。図2に示すように電解質18は、例示的な実施形態のように金属電極12と空気電極14との間に実質的に配置される。電解質18は、ポリマー交換材料の孔の中に含まれていることが好ましい。本明細書においては、いずれも「電解質」として言及する。電解質18(例えば水酸化カリウム(KOH)または他の水酸化物イオン伝導媒体)は、電池10内の電気化学反応で消費されず、放電中に空気電極14から金属電極12に水酸化物イオン(OH-)を移動させるように構成されている。電池10が二次システムである場合には、充電中に金属電極12から空気電極14に水酸化物イオンを移動させる。電解質18は、金属電極12の孔のいくつか及び空気電極14の孔のいくつかの中に配置することができる。他の例示的な実施形態によれば、電解質の分布及び配置は、変更することができる(例えば、電解質を金属電極の孔内に配置するが、空気電極の孔内に配置しない等)。例示的な実施形態によれば、電解質18は、金属電極と空気電極との間の高いイオン伝導性の維持に使用されるアルカリ電解質である。他の例示的な実施形態によれば、電解質は、高いイオン伝導性、及び/または、酸素還元/発生及び金属酸化/減少(例えばNaOH、LiOH等)の高い反応率を有する電解質とすることができる。さらに他の実施形態によれば、電解質は、目的とする用途(例えば海軍/軍隊用途等)に十分な伝導性を与える塩水または塩ベース溶液を含むことができる。最も好ましくは、電解質は、使用されるのであれば、イオン液体である。
イオン交換材料は好ましくは、セパレータとして、セパレータとともに、電解質または孔内に配置された電解質材料とともに使用可能な、または空気電極12または金属電極14の周囲を配置可能な種々の厚みを有しるポリマーフィルムから構成される。一実施形態において有用なイオン交換膜は、DABCOで誘導体化されたスルホン基またはケトン基を含むポリマー骨格から構成される。DABCOは、スルホン基またはケトン基の部分から離れた位置にあるフェニル基に結合される。
好ましい一つのイオン交換膜は、ポリクロロメチルスルホンで誘導体化されたDABCOである。ポリクロロメチルスルホンのDABCOでの誘導体化は、以下の反応に従って進行する。
クロロメチル基を含むポリスルホンは、例えば、米国特許第5,128,378号に記載のように、カチオン交換体として知られており、本明細書においては、参照により全体が組み込まれる。反応が公知のイオン交換膜で開始すると、適切な反応条件のジメチルホルムアミドの存在下で、イオン交換膜は、クロロメチルポリスルホンがDABCOと接触することによりDABCOで誘導体化される。例えば、DABCO誘導体化ポリスルホンは、約25℃ないし約125℃、または約45℃ないし約95℃、または約50℃ないし約80℃の範囲内の温度で、約1時間ないし約48時間、または約5時間ないし約35時間、または約12時間ないし約20時間、過剰量のDABCO(例えば1wt%ないし約25wt%)を含むDMF溶液にポリマー膜を浸潤することにより生成することができる。未使用のDABCOは除去することができる。
同様の反応は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で進行する。PEEKは、以下に示すように、初めにクロロメチレート化され、次にDABCOで誘導体化される。
ポリマー骨格を含むケトン及び/またはスルホンの誘導体化の代わりとして、ビスフェノールAを以下の反応シーケンスに示すように、上述の条件と同様の適切な条件下でクロロメチレート化し、高濃度のクロロメチレートポリスルホンまたはポリエーテルエーテルケトンを生成し、次にDABCOで誘導体化する。
ビスフェノールAをPEEKで誘導体化
ビスフェノールAをポリスルホンで誘導体化
上記式においては、nは、約1ないし約100000、または約10ないし約5000、または約25乃至約10000で広く変化する整数である。ケトンまたはスルホンを含むポリマーを誘導体化するビスフェノールAの使用は、より高濃度の誘導体化されたイオン交換ポリマーを提供し、側鎖四級化DABCO分子を介してポリマー骨格を横切りイオン移動を多くする。このような高濃度誘導体化膜は、電池効率及び性能を、他の所望の性質と同様に、固体電解質材料の使用により改善する。
ケトン基またはスルホン基を含むポリマーをDABCOで誘導体化するために、上述したものと同じ手順を使用して他のポリマー骨格に他のカチオンを適切に結合することができる。例えば、ポリフェニルスルホン、ポリフェニレン、またはポリスチレンは、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルフォスフォニウム、トリアルキルスルホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、モルフォリニウム、フォスフィニウム、ホスフォリニウム、フォスフォリニウム、ピペリジニウム、ピペラジニウム、キヌクリジニウム、二環式アンモニウム、アミジニウム、グアニジニウム、アルカノールアミニウム、モノアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、トリアゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、ピリジニウム、イミダゾピリジニウム、イミダゾピリミジン、モノアルキルフォスフィニウム、ジアルキルフォスフォニウム、トリアルキルフォスフォニウム、モノアルキルフォスフォニウム、ジアルキルフォスフォニウム、トリアルキルフォスフォニウム、モノアンモニウムリン、ジアンモニウムリン、トリアンモニウムリン、チオフェニウム、ジヒドロチオフェニウム、テトラヒドロチオフェニウム、ジアルキルスルフォキソニウム、及びこれらの組み合わせから選択されるカチオンで誘導体化することができる。誘導体化は、塩化アルキル、好ましくは塩化メチルとの反応によりポリマー骨格を塩素化することにより行うことができ、塩化メチル誘導体化ポリマーを形成し、次に適切な反応条件のジメチルホルムアミドの存在下で、クロロメチルポリマーをカチオンと接触させる。例えば、ペンタメチルグアニジニウム誘導体化ポリマーは、約25℃ないし約125℃、または約45℃ないし約95℃、または約50℃ないし約80℃の範囲内の温度で、約1時間ないし約48時間、または約5時間ないし約35時間、または約12時間ないし約20時間、過剰量の1,1,2,3,3,ペンタメチルグアニジニウム(PMG)(例えば1wt%ないし約25wt%)を含むDMF溶液にポリマー膜を浸潤することにより生成することができる。未使用のPMGは除去することができる。
一実施形態では、ポリクロロメチルスルホンが3-ジメチルアミノ-2,2ジメチル-1-プロパノール(アルキノールアミン)で誘導体化されて、以下の式を有するポリマー交換材料を供給する。
式中nは約1ないし約100000の整数である。
同様の反応は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で進行する。PEEKは、初めにクロロメチレート化され、次にDABCOに関して上記したようにPMGで誘導体化されて、以下のポリマー交換材料を生成する。
式中nは約1ないし約100000の整数である。
ポリスルホンまたはPEEKを誘導体化するビスフェノールAについて上述した手順と同じ手順を使用して以下のアルキノールアミンで誘導体化されたポリマー交換材料を生成することができる。
式中nは、いずれのポリマー交換材料においても約1ないし約100000の整数である。
他の実施形態においては、ポリクロロメチルスルホンは、ペンタメチルグアニジニウムで誘導体化されて以下の式を有するポリマー交換材料を生成することができる。
式中nは約1ないし約100000の整数である。発明者らは、テトラメチルグアニジンを、クロロメチルポリスルホン(CMPSU)のような塩素化ポリマーと最初に反応させることによりPMGがポリマー骨格に結合されて、中性ポリマー結合TMGが生成されることを見出した。中性ポリマー結合TMGは次に、ジアルキルスルフェートと反応して、メチル基が加わるのでポリマー結合PMGを生成し、窒素上に正電荷を形成する。
同様の反応はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で進行することができる。PEEKは、初めにクロロメチレート化され、次に上述のTMGで誘導体化され、ジアルキルスルフェートと反応させて以下のポリマー交換材料を生成する。

式中nは約1ないし約100000の整数である。
上述のポリスルホンまたはPEEKを誘導体化するビスフェノールAと同じ手順を、ポリマー連結PMGを生成する手順と(ポリマーの塩素化、TMGとの反応、及びジアルキルスルフェートとの反応)の結合を、PMGで誘導体化された以下のポリマー交換材料の生成に使用することができる。
式中nは、いずれのポリマー交換材料においても約1ないし約100000の整数である。
同様の方法においてアニオンはいくつでも本明細書に記載のポリマー骨格に結合させてカチオン交換イオノマーとして使用することができる。例えば、様々なポリマーを、ケトン基またはスルホン基(または二重結合された酸素またはポリフェニレンまたはポリスチレンのような他の二重結合を含む基)を含む部位から離れたポリマー鎖の部位で正に帯電した交換可能な種を含むように修飾することができる。より高密度に帯電する性質は、正に帯電された種を、ハロフォスフェイト特にはヘキサフルオロフォスフェイト、アルキルフォスフェイト、アリールフォスフェイト、ニトレート、スルフェート、ビスルフェート、アルキルスルフェート、アリールスルフェート、ペルフルオリネートアルキルスルフェート及びアリールスルフェート、スルホネート、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ペルフルオリネートアルキルスルホネート及びアリールスルホネート特にトリフルオロメチルスルホネート、トシレート、ペルクロレート、テトラクロロアルミネート、ヘプタクロロジアルミネート、テトラフルオロボレート、アルキルボレート、アリールボレート、アミド特にはペルフルオリネートアミド、ジシアンアミド、サッカリネート、チオシアネート、カルボキシレート、アセテート好ましくはトリフルオロアセテート及びビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン、クロライド(Cl-)、ヒドロキサイド(OH-)、ヘキサフルオロホスフェイト(PF6 -)、ヨージド、または他のハロゲン化物、テトラフルオロボレート、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド(C2F6NO4S2 -)、トリフルオロメタンスルホナート(CF3O3S、CF3 SO3 -;TfO-)、ジシアンアミド(N(CN)2-;dca)、ベンゾエート、アセサルフェーム、サッカリネート、メタンスルホネート、イセチオネート(ise)、タウリネート(tau)、3−モルフォリノプロパンスルホネート(MOPS)、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンプロパンスルホネート(HEPPS、EPPS)、1,4-ピペラジンジエタンスルホネート(PIPES)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホネート(ACES)、N-シクロヘキシル-3-アミノプロパンスルホネート(CAPS)、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンジエタンスルホネート(HEPES)、2-[(2-ヒドロキシ-1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホネート(TES)、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]-3-アミノプロパンスルホネート(TAPS)、3-(N-トリス[ヒドロキシメチル]メチルアミノ)-2-ヒドロキシプロパンスルホネート(TAPSO)、及びこれらの混合物のようなアニオンで置換する多くの部位を提供する。アニオン及び正に帯電した種の置換は、ポリマー成分をカチオンの膜を横切る移動を許容するが、アニオンを反対方向に移動させない材料で誘導体化する。
本明細書に記載のポリマー交換材料は、電池における、好ましくは金属−空気電極の唯一の電解質として使用することができ、また液体電解質とともに使用することができる。液体電解質は、交換膜とともに使用することができるが、イオン液体が好ましい。
イオン液体電解質を使用する亜鉛−空気電池では、水分は、水素の放出を最小化し、メッキの形態を制御し、さらにセル内の水分活性を一定に維持するように一般的に制御される。水分はさらに、本明細書の記載のポリマー交換材料を使用する場合、特に追加の電解質なしで単独で使用される場合に、さらに制御される。放電時に、亜鉛金属は、燃料電極で酸化されるとともに、溶液中に溶媒化または複合化されて、回路内に電子を放出する。同時に酸素分子は、空気電極で還元されてアノードで放出された電子を消費する。亜鉛イオンの溶解度に達すると、ZnOがセル内に沈殿する。充電時には、Zn2+イオンが負極(燃料極)で還元される。空気電極では同時に、酸素分子を発生する酸化反応がおきる。図1には、Zn2+イオンのカソード(空気)電極への移動を妨げるようにポリマー交換膜が作用する方法が示されている。
水性アルカリ金属−空気電池の充電時に、酸化された亜鉛種が金属電極で亜鉛金属に還元されるのと同時に、水酸化物は空気電極で酸化されて水を形成するとともにO2ガスを放出する。ファラデーまたはクーロン効率は、電気化学システムにおける電子(電荷)の移動に効率である。効率の損失は、非生産的反応に寄与する電子及び短絡によって生じる。充電時に金属電極における、水の還元により水酸化物の発生は、このような非生産的な反応の例である。この寄生反応は、クーロン効率を低下させる。しかしながら、亜鉛は水性電解質における水酸化物発生反応について大きな過電圧を有しているので、95%オーダーのクーロン効率が見られる。
好ましい実施形態に有用ないくつかのイオン液体は、放電中の空気電極における酸素還元反応(ORR)を支持する亜鉛−空気イオン液体電池内において0.1-50%(またはよりも高く)の範囲とすることができる。さらに、イオン液体内の少量の水は、不均化反応による非プロトン性媒体、高pKa共役酸、及び塩基性媒体に発生する公知のスーパーオキシド(O2O-)を不安定化する。イオン液体のような電解質を使用しないポリマーイオン交換膜自体の使用により、上述の亜鉛上の水からの水酸化物の発生を制限するのと同様に、スーパーオキシド種の発生を安定化及び/または抑制する。
金属−空気電池では、金属は燃料である。即ち放電の間、金属はアノードで酸化され、電気的な仕事に使用することができる電子を供給する。酸化反応は、以下の式で表すことができる。
(3) Metal → Metaln+ + (n)e-
金属燃料は、任意の種類とすることができ、電着、吸収、物理的沈殿、若しくは他の方法で提供されて、燃料電極を構成する。燃料は、例えば合金または合金の水素化物を含む任意の金属とすることができる。例えば、燃料は、遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び他の卑金属を有することができる。遷移金属には、亜鉛、鉄、マグネシウム、及びバナジウムが含まれるが、これらに限定されない。最も一般的なアルカリ金属は、リチウムであるが、他のアルカリ金属を使用することができる。他の金属には、マグネシウム、アルミニウム及びガリウムが含まれるがこれらに限定されない。本明細書で使用する金属燃料という語は、元素金属、酸化物、金属合金、金属水素化物等を含む分子または錯体内に結合された金属を含む任意の燃料について広く言及するものである。
燃料電極は、任意の構造または構成とすることができる。例えば燃料電極は、孔の三次元網目構造を有する多孔質構造体、メッシュスクリーン、互いに分離された複数のメッシュスクリーン、または任意の他の適宜の電極とすることができる。燃料電極は、個別の要素としてもよい集電体を有していてもよく、燃料を収容する本体は、導電性とすることができ、したがって集電体とすることができる。一実施形態では、燃料電極は、燃料電極の外面を構成する基材に積層され、結合され、または取り付けられる。基材は、イオン液体が燃料電極の外面を通って燃料電極の外部に透過しないように、液体不透過であるか、イオン液体を実質的に不透過とすることができる。基材は、放電の間に電極で起こる燃料電極の存在下における酸化剤の還元のような望ましくない任意の寄生反応を防止するために、空気特には酸素または他の酸化体を不透過であることがより好ましい。
金属燃料及び燃料電極についてのさらなる詳細は、米国特許出願第12/385,217号、第12/385,489号、第12/885,268号、第12/901,410号、第12/631,484号、第12/549,617号、第13/019,923号、第13/028,496号、第61/193,540号、第61/301,377号、第61/323,384号、第61/329,278号、第61/365,645号、第61/394, 954号、第61/358,339号、第61/383,510号、及び第61/243,970号に見ることができる。これらの各開示は、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。
放電の間、空気電極で酸素は還元されて電子を消費する。酸素の還元についていくつかの可能な機構がある。酸素の還元反応は、例えば以下に記載する3つの機構のうちの1つで起こすことができる。しかしながら他の機構は、化学的システム(イオン液体、電極材料)の選択により起こすことができる。
限定されない第1の可能な機構は、生成物が完全に還元された酸素ジアニオンになる4電子酸素還元反応(ORR)である。4電子酸素還元反応は、以下の式で表すことができる。
(4) O2 + 2H2O + 4e- → 4OH-
特定の化学システムに応じて、この反応は、可溶性生成物を生成し、または局所的に不溶性の金属−酸化物を構成する。
この反応において遊離したアニオンは、連続するアノード反応を媒介するように機能させることができる。他の酸素還元反応に比べて、4電子酸素還元反応は、エネルギー密度及び酸素分子あたりの最大電子抽出数が増加する利点がある。
限定されない第2の可能な機構は、2電子過酸化物ルートである。この機構の例は、以下の式で表すことができる。
(6) Zn2+ +O2 +2e- → ZnO2
この機構は、過酸化物反応の過電圧が比較的低い利点がある。また、第1の機構に比べて高い再充電性を有する傾向がある。しかしながら、2電子過酸化物機構は、4電子プロセスに比べて酸素電極におけるエネルギー密度が低くなってしまう。
限定されない第3の可能な機構は、特定のアリオバレント(aliovalent)カチオンの還元力を利用する2電子/4電子ORRの混合である。この機構の例は、以下の式で表すことができる。
(7) Mn2+ +O2+2e- → MnO2
この機構のニュアンスは、生成物がアリオバレント金属の還元力により生じた完全に還元されたO2-の種を含んでいることである。この例において、Mn2+は、右側でMn4+の状態となっている。この機構は、アリオバレントカチオンの還元力のために、過電圧が低い利点がある。さらに、アリオバレント金属は、より高効率のセルを製造するのに使用することができる。しかしながら、2電子/4電子の混合機構は、4電子プロセスに比べて電池のエネルギー密度が低くなってしまう。
空気電極は、典型的にはテフロン(登録商標)のようなポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる多孔質構造である。好ましくは、空気電極材料は、電解質についての高い疎溶性を有している。空気電極における疎溶性は、「防水(wet-proofing)」(即ち液体電解質がセルからなくなることを妨げる)及び多孔質構造における酸素還元反応の触媒への空気中の酸素の接近を容易にする2つの役割として機能する。触媒への接近は、空気−触媒−電解質のトリプル−ジャンクションの線の長さが大きくなるので、疎溶性によって高められる。トリプル−ジャンクションの線の長さが大きくなることにより、輸送限界が減少する。強い疎溶性の性質は、利点があるものの、電極中に疎溶性成分が含まれていると、トリプル−ジャンクションのねじれを改善して、表面的な反応部位密度を向上させる。
図2には、本発明の実施形態による電気化学セル(「電気化学セル」)の全体が10で示されている。以下に図示及び説明するように、電気化学セル10は、第1の電極12及び第2の電極14を有する複数の電極を備えている。他の実施形態では、電気化学セル10の第1の電極または第2の電極は、単一の電極とは異なる構成により提供することができる。例えば、電気化学セルは、コインまたはボタン電池、角形電池、円筒電池(例えばAA電池、AAA電池、AAAA電池、C電池またはD電池に加えて他の円筒形状)、フローセル、燃料電池等を含むがこれらに限定されない所望の形状とすることができる。さらに、電気化学セルは、一次(ディスポーザル、使い捨て)または二次(充電)電池とすることができる。二機能空気電極の開発及び充電可能なアノード材料の利用により充電池を利用することができる。
図2に示す限定しない実施形態では、第1の電極12はカソード、より具体的には、空気カソードであり、本明細書においては空気電極12として言及する。第2の電極14はアノードであり、本明細書においては金属電極14として言及する。一実施形態では、以下に説明するように、電気化学セル10は、空気電極12での酸化剤20の半反応と並行する、即ち実質的に同時に、金属電極14で燃料の酸化半反応の効力により電気を発生することができる。図示の実施形態は、いかなる限定をも意味するものではない。
空気電極12及び金属電極14は、間隔を空けて配置されて、間にギャップ16を形成することが好ましい。全体が符号18で示されるポリマー交換材料(またはアニオン交換膜)は、単独でまたは常温イオン液体(RTIL)と組み合わされて、電解質又はポリマー交換材料18が空気電極12及び金属電極14の両方に同時に接触できるように、ギャップ16に沿って流れうる。この議論については、参照符号18は、単に電解質18を言及するものであるとともに、電解質18はポリマー交換材料だけで、または、ポリマー交換材料と組み合わされた液体電解質(本明細書に記載のイオン液体または水性電解質)から構成されうることが理解される。一実施形態では、電気化学セル10は、どのような方向に向けられていてもよく、流動液体電解質が使用される場合には、電解質は、図2の矢印で示す以外の方向に流れてもよいことが理解される。よって、いかなる方向についての参照も、図2に示す方向に関して行うことができ、いかなる特定の方向の実際の実施形態に限定することを意図するものではない。一実施形態では、電解質18は、電解質18がポリマー交換材料のみからなる場合のように、電解質18は、全く流れずに静止していてもよい。電解質18は、空気電極/電解質接触面24で空気電極12と接触してもよい。電解質18は、金属電極/電解質接触面26で金属電極14と接触してもよい。好ましい実施形態では、ポリマー交換材料のみが固体電解質として使用され、電解質は流れない。即ち、セルには流れを起こす機構が含まれない。
電解質18がRTILを含む場合には、いくつかの実施形態においては、RTILは、電気化学セル10内で起こる電気化学反応(多くのサイクルに亘る放電及び充電)を容易にする水を含んでいてもよい。イオン液体は、好ましくは約15%乃至約50%、より好ましくは約20%乃至約40%、最も好ましくは約25%乃至約30%の量の水を含む。電気化学反応を容易にする水が必要なカソード及び/またはアノードを有さない電気化学セル10においては、RTILは好ましくは約25%よりも少ない、より好ましくは約20%よりも少ない、さらに好ましくは約15%よりも少ない水を有していてもよい。当業者であれば、本実施形態に従って、本明細書に提供されるガイドラインを使用して、調製したRTILに含む水の適切な量を決定することが可能であろう。
上述のように、還元半反応は、空気電極12で起こりうる。一実施形態において、酸化剤20は、空気電極12における還元半反応を介して還元されてもよい。限定しない説明を目的として、金属電極14からの電子は、外部回路22(すなわち負荷)に流れ、空気電極12に戻って酸化剤20の還元を促進しうる。酸化剤20は、好ましくは空気電極12の酸化剤還元反応サイト21で還元される。一実施形態において、酸化剤還元反応サイト21における酸化剤還元半反応を促進するために触媒が使用される。空気電極12は、以下に説明する酸化剤の還元を触媒する高い酸素還元活性を有する酸化マンガン、ニッケル、熱分解コバルト、活性炭、銀、プラチナ若しくはその他の触媒のような触媒材料、またはこれらの材料の混合物を含んでいてもよい。一実施形態では、空気電極12は多孔性とすることができ、高い表面積を有する多孔体は、触媒材料を有することができる。
一実施形態では、空気電極12は、例えば窓部または開口部を介するように、酸化剤のソース(一般的には周囲空気中の酸素)に消極的に露出して、電気化学セル10の反応において消費する酸化剤20を吸収する不活性または「通気性(breathing)」の空気電極12とすることができる。即ち、酸化剤20は、酸化剤のソースから空気電極12内に透過する。従って、酸化剤20は、注入口を経るように、積極的にポンプまたは他での方法で空気電極12に向ける必要はない。酸化剤20が吸収されるまたは透過する、即ち空気電極12と接触する全ての部分は、一般的に「インプット(input)」として言及される。インプットという語は、空気電極12の酸化剤還元反応サイト21における酸化還元半反応のために空気電極12に酸化剤を供給する全ての方法を広く含むものである。
限定しない説明として、空気電極12は、酸化剤20が空気電極12を透過する酸素を有するように、外気に曝される表面を有するガス透過性電極とすることができる。同様に、空気電極12は、空気電極12の外面を介した酸化剤20の透過を許容し、RTIL18が使用される場合にRTILが空気電極12の外面を通って流れることを妨げるように、ガスを透過し、かつ、液体を透過しない空気電極12の外面に隔膜を有していてもよい。一実施形態においては、空気電極12は、RTILが使用される場合に、RTILが多孔質体と接触できるように、RTILが通過する液体透過性層により内側が覆われた多孔質体としてもよい。
電解質18と空気電極12との関係は、電気化学セル10の全体のエネルギー密度に影響しうる。そのため、空気電極12を考慮した電解質18の蒸気圧及び表面張力特性は、慎重に選択されるべきである。例えば、一実施形態においては、空気電極12は、電解質18がウィッキング(wicking)しないように、即ち空気電極12を通って毛細管状に流れないように、RTILが使用される場合にRTILを通さなくてもよい。他の実施形態においては、空気電極12は、空気電極12における所望の電気化学反応を可能にする目的のためにRTILがより空気電極12の表面領域に曝されるように、RTILを吸収するために多孔性に設計される。空気電極12は、酸化剤還元反応サイト21における触媒の修飾を支持して、反応の効率を向上させうる。一実施形態において、触媒は、空気電極12の酸化剤還元反応サイト21における酸化剤還元反応を触媒する触媒の活量を向上させる金属イオンで修飾されうる。空気電極12は、反応物質を生成し、空気電極12から酸化還元反応の生成物を除去する高いイオン伝導性を有しうる。一実施形態では、空気電極12は、外部負荷22から酸化剤還元反応サイト21に電子を移動する高い電気導電性を有しうる。空気電極12及び電解質18の特性についてさらに定義する。
一実施形態では、金属酸化物の副生成物28は、金属電極14で形成されてもよい。水性電解質中の還元された酸化剤のイオンが機能する、即ち、電子を水分子に提供して水、過酸化物、及び/または水酸化物を形成することにより蒸気圧及び腐食の問題が大きくなるのに対して、この限定しない実施形態では、電解質18は、空気電極12における酸化剤還元反応及び金属電極14への還元された酸化剤のイオンの伝導の両方を促進することができる。この結果の裏づけとして、一般的にプロトン性であるRTIL18と一緒に使用した場合は特に、電解質18は、還元された酸化剤のイオンと相互に作用する可溶な種類を含みうる。電解質18は、還元された酸化剤のイオンが金属電極14に移動するので、還元された酸化剤のイオンを支持することができる。限定しない説明として、還元された酸化剤のイオンの移動とは、対流輸送(convection transport)、伝導輸送(conduction transport)または拡散輸送(diffusion transport)によって還元された酸化剤のイオンを輸送することを意味しうる。電解質18はまた、金属電極14に残留する酸化された金属−燃料イオンを支持する。このため、電解質18は、還元された酸化剤のイオンと酸化された金属−燃料イオンとの間の反応を促進して、金属−酸化物の副生成物28を生成する。一実施形態においては、金属−酸化物の副生成物28は、金属電極14に蓄積されうる。一実施形態においては、金属−酸化物の副生成物28が金属電極14に蓄積されると、酸素は金属電極14に蓄積されるととももに、還元された酸素の種の酸化する酸素発生電極を局所的に利用できないので、この実施形態は、一次電池(即ち非充電電池)としての使用に最も適している。
空気電極における局所的な金属酸化物の蓄電は、空気電極12本体内に酸化物を含
有するのに十分なイオン液体と接触する領域に少なくとも細孔を有する空気電極12
により促進される。即ち細孔の大きさは、酸化剤の大きさに依存する。このような細
孔のネットワークは、空気電極12の蓄積能力を大きくすることができる。
一実施形態においては、酸化剤のソースは環境空気であり、酸化剤20は酸素であ
る。一実施形態においては、酸化剤20としての酸素は空気電極12で還元されて、
還元酸素イオンを生成する。一実施形態では、酸素は、再生電気化学セルで使用され
る発生酸素回収システムから供給されてもよい。本発明の有用な実施形態とすること
ができる電気化学セルの他の例は、例えば2009年8月28日に出願された米国特許出願第
12/549,617号に示されており、その全部の記載が本明細書に参考として組み込まれる
本発明の電解質は、他のセル構成に使用することができる。例えば代わりのセル構成
は、その全体が本明細書に参考として組み込まれる米国特許出願第61/267,240号及び
第12/776,962号に記載の小型の捲回セルを有する。
蒸発のために、再充電及び自己放電中の水の電解、水性電解質が金属−空気電池に
ついて問題となることがある。これらの問題は、電解質の損失が発生するだけでなく
、充電式電池の往復効率の低下をもたらす。電解質として単独でまたはイオン液体と
組み合わせてポリマー交換材料を使用することにより、これらの問題を低減又は排除
することができる。しかしながら、イオン液体電解質であっても、水の存在により有
毒ガスの放出及び/または自己放電が生じることがある。一方、イオン液体は、少量
の水を含むことができる。例えば、10-100ppmの水の含有は、許容できない自己放電ま
たは有毒ガスの放出をすることなく、非プロトンシステムの酸素還元を改善すること
が見出されている。したがって、いくつかの好ましい実施形態は、約5乃至約100,000
ppmの水、より好ましくは約7乃至約1,000ppmの水、及び最も好ましくは約10乃至約10
0ppmの水を含有するイオン液体を含む。
いくつかの実施形態では、固体イオノマーを含むイオン交換材料は、固体イオノマ
ーに添加剤として添加される塩のような1以上の塩、及び所望により追加の添加剤を
含んでもよい。塩には、無機または有機の塩を含むことができ、無機または有機の塩
は、ドーパント添加剤として添加することができる。以下に限定しない塩の例が含ま
れているが、他の塩を使用することができる。
固体イオノマーにおける塩の使用は、以下に機能の1以上を提供することを含め様々な理由から有用であると考えられる。イオン伝導性の向上、亜鉛イオンの錯化を経由する亜鉛溶解度の増大による不動態化の抑制、及び特にF-の場合に、電気化学セルに利用可能な水分量を増加する湿潤剤としての作用。使用量は、チャートに定められた最大量よりも少なく、実際にはかなり少なく、微量及び最大値の範囲を使用することができる。適切な添加剤には、電気的に中性に帯電する有機分子のような、電気化学の分野において有用な公知の添加剤が含まれる。限定しない例には、フタレート、アジペート、セバケート、マレエート、ベンゾエート、スルホンアミド、オルガノフォスフェイト及びポリブテンが含まれる。
他の実施形態においては、イオン交換材料は、ポリマー骨格に結合されていない遊離カチオンを含んでいてもよく、上述の塩と同じ態様で機能すると考えられる。追加の添加剤を添加してもよい。遊離カチオンは、ポリマーに結合するカチオンと同じでもよく、異なってもよく、ポリマーに結合するカチオンと、上記表に記載した1以上のカチオンとの組み合わせとすることができる。
遊離カチオンを含むイオン交換材料の生成では、まず上述の方法を使用してカチオンで誘導体化されたポリマーからなる固体イオン交換材料を生成する。次に固体イオン交換材料を、適切な溶媒に溶解させ、任意には固体イオン交換材料を細かく砕くことにより溶媒への溶解が促進される。適切な溶媒には、例えば、アルコール、二置換アミド、スルホキシド及びスルホンを含む。
ポリマー骨格に結合されたカチオン、及びこれらの混合物を含む本明細書に記載のカチオンを含むイオン液体には、遊離または「結合されていない(un-bond)」カチオンが溶媒混合物中に存在するように溶媒混合物を添加することができる。カチオンの添加は、イオン液体の添加またはカチオンを含むイオン固体の添加を含む任意の方法を使用することができる。添加剤は、混合物中に添加されてもよい。混合物は次に、当該技術分野において公知の方法を使用して固体フィルムまたはコーティングの形成に使用され、ポリマーと、遊離カチオンと、必要に応じて添加剤を含む固体イオン交換材料を提供する。この固体フィルムまたはコーティングは、固体電解質として、または電極のコーティングまたは1以上の層として使用することができる。
本出願において引用されたすべての出願、特許、公開特許は、参照により、全体として本明細書に組み込まれる。
冠詞「a」及び「an」は、本明細書において、当該冠詞の文法的な対象の1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指す。例えば、「a plymer resin」は、1つのポリマー樹脂又は2つ以上のポリマー樹脂を意味する。本明細書における範囲は包括的なものである。本明細書全体を通じて使用される「実質的」及び「約」の語は、小さな変動を示し及び説明するために用いられる。例えば、これらの用語は、例えば、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.2%以下、±0.1%以下、±0.05%以下等の±5%以下の範囲を示すことができる。
上述した様々な実施形態は、専ら本発明の例示を示すために与えられたものであって、限定的なものとして意図されたものではない。むしろ,本発明は,本明細書に記載の実施形態の範囲の趣旨及び範囲内にある全ての変更,代替物,及び修正を含むことを意図している。

Claims (16)

  1. 一又は複数のカチオンで誘導体化されたポリマーを含むイオン交換材料であって、前記ポリマーは以下の式で表されるイオン交換材料。
    式中、nは1から約100000の整数である。
  2. 燃料電極と、酸素ガスを吸収し還元する空気電極と、イオン伝導媒体とを備える電気化学セルにおいて使用するイオン伝導媒体であって、請求項1に記載のイオン交換材料を備えるイオン伝導媒体。
  3. 金属−空気電気化学セルであって、
    放電動作の間、燃料を酸化する燃料電極と、
    放電動作の間、気体酸素を吸収し還元するように構成された空気電極と、
    請求項2のイオン伝導媒体を有する電解質とを備える金属−空気電気化学セル。
  4. 前記空気電極は、フルオロポリマーを含む請求項3の金属−空気電気化学セル。
  5. 前記空気電極は、多孔質である請求項3の金属−空気電気化学セル。
  6. 前記燃料電極は、金属燃料を有する請求項3の金属−空気電気化学セル。
  7. 前記燃料電極は、多孔質である請求項3の金属−空気電気化学セル。
  8. 前記セルは二次電池であり、
    前記燃料電極は、充電動作の間、前記金属燃料が電着するように金属イオンを還元するように構成され、
    充電電極は酸素を放出するように構成され、
    前記イオン交換材料が、反応を支持するように電極間のイオンを伝導し、
    前記充電電極は、前記空気電極及び前記空気電極とは別体の電極からなる群より選択される、
    請求項3の金属−空気電気化学セル。
  9. 前記イオン交換材料がさらに塩を備える、請求項2のイオン伝導媒体。
  10. 前記塩は、前記イオン交換材料に結合されたカチオンの塩である請求項9のイオン伝導媒体。
  11. 前記塩は、カリウム、テトラメチルアンモニウム、アルキルアルミニウム、1,4ジアザビシクロ[2,2,2,]オクタン(DABCO)、3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール(アルキノールアミン)、1,1,2,3,3−ペンタメチルグアニジン(PMG)及びこれらの混合物からなる群より選択されるカチオンと、ハイドロオキサイド、フルオライド、カーボネート、クロライド、ブロマイド、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスフェート、イセチオネート、スルフェート、スルファメート、タウリネート及びこれらの混合物からなる群より選択されるアニオンとからなる、請求項9のイオン伝導媒体。
  12. 前記塩は、カリウムの塩である請求項9のイオン伝導媒体。
  13. 前記塩は、四級アンモニウムの塩である請求項9のイオン伝導媒体。
  14. 前記塩は、アルキノールアミニウムカチオンの塩である請求項9のイオン伝導媒体。
  15. 前記イオン交換材料は、電気的に中性に帯電する1以上の有機分子から選択される添加剤をさらに備える請求項2のイオン伝導媒体。
  16. 電気化学発電装置であって、
    アノードと
    カソードと、
    請求項2のイオン伝導媒体を備える固体電解質と、
    を備える電気化学発電装置。
JP2014516084A 2011-06-17 2012-06-18 イオン交換材料を有する金属−空気セル Active JP6113153B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161498308P 2011-06-17 2011-06-17
US61/498,308 2011-06-17
US201161568875P 2011-12-09 2011-12-09
US61/568,875 2011-12-09
PCT/US2012/043000 WO2012174558A1 (en) 2011-06-17 2012-06-18 Metal-air cell with ion exchange material

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014520372A JP2014520372A (ja) 2014-08-21
JP6113153B2 true JP6113153B2 (ja) 2017-04-12

Family

ID=46420546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014516084A Active JP6113153B2 (ja) 2011-06-17 2012-06-18 イオン交換材料を有する金属−空気セル

Country Status (10)

Country Link
US (1) US9118089B2 (ja)
EP (1) EP2721687B1 (ja)
JP (1) JP6113153B2 (ja)
CN (1) CN103748738B (ja)
AU (1) AU2012271273B2 (ja)
CA (1) CA2839543A1 (ja)
ES (1) ES2666853T3 (ja)
MX (1) MX343838B (ja)
WO (1) WO2012174558A1 (ja)
ZA (1) ZA201309493B (ja)

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10559827B2 (en) 2013-12-03 2020-02-11 Ionic Materials, Inc. Electrochemical cell having solid ionically conducting polymer material
US9819053B1 (en) 2012-04-11 2017-11-14 Ionic Materials, Inc. Solid electrolyte high energy battery
WO2016197098A1 (en) 2015-06-04 2016-12-08 Ionic Materials, Inc. Solid state bipolar battery
US11319411B2 (en) 2012-04-11 2022-05-03 Ionic Materials, Inc. Solid ionically conducting polymer material
US11251455B2 (en) 2012-04-11 2022-02-15 Ionic Materials, Inc. Solid ionically conducting polymer material
US11152657B2 (en) 2012-04-11 2021-10-19 Ionic Materials, Inc. Alkaline metal-air battery cathode
EP2909880B1 (en) 2012-10-18 2021-12-01 NantEnergy, Inc. Electrochemical cell with doping of metallic anodes
JP6316322B2 (ja) 2013-02-11 2018-04-25 フルイディック,インク.Fluidic,Inc. 電気化学電池における水の回収/リサイクルシステム
JP6509805B2 (ja) * 2013-03-13 2019-05-08 ナントエナジー,インク. 電着燃料を備える電気化学電池のための相乗効果添加物
JP6509804B2 (ja) * 2013-03-13 2019-05-08 ナントエナジー,インク. 金属燃料を含む電気化学電池のヘテロ原子イオン芳香族添加物
US9054394B2 (en) 2013-06-28 2015-06-09 Dynantis Corporation Secondary alkali metal/oxygen batteries
CA2929694A1 (en) * 2013-08-18 2015-02-26 Ftorion, Inc. Flow battery and regeneration system with improved safety
EP3813157A1 (en) 2013-12-03 2021-04-28 Ionic Materials, Inc. Solid, ionically conducting polymer material, and applications
US10153528B2 (en) 2014-03-06 2018-12-11 California Institute Of Technology Metal hydride-air (MH-AIR) battery for low cost storage applications
KR102385977B1 (ko) 2014-04-01 2022-04-13 아이오닉 머터리얼스, 인코퍼레이션 고용량 중합체 캐소드 및 당해 캐소드를 포함하는 고 에너지 밀도 재충전가능한 전지
US9666916B2 (en) * 2014-11-05 2017-05-30 Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. Biphase electrolyte for a metal-air battery
US20160141725A1 (en) * 2014-11-13 2016-05-19 Basf Corporation Electrolytes and Metal Hydride Batteries
US10587012B2 (en) 2015-03-26 2020-03-10 Basf Corporation Electrolyte compositions comprising ionic liquids and metal hydride batteries comprising same
US20210399281A1 (en) * 2015-04-01 2021-12-23 Ionic Materials, Inc. Alkaline battery cathode with solid polymer electrolyte
EP3304636A4 (en) 2015-06-04 2018-11-07 Ionic Materials, Inc. Lithium metal battery with solid polymer electrolyte
KR102607433B1 (ko) 2015-06-08 2023-11-27 아이오닉 머터리얼스, 인코퍼레이션 알루미늄 애노드와 고체 중합체를 갖는 배터리
US11342559B2 (en) 2015-06-08 2022-05-24 Ionic Materials, Inc. Battery with polyvalent metal anode
KR20210059795A (ko) * 2016-05-27 2021-05-25 아이오닉 머터리얼스, 인코퍼레이션 이온 전도성 고체 폴리머 물질을 가지는 전기화학 셀
US11018387B2 (en) 2016-07-22 2021-05-25 Form Energy, Inc. Moisture and carbon dioxide management system in electrochemical cells
EP3574542A4 (en) * 2017-01-26 2020-09-02 Ionic Materials, Inc. ALKALINE BATTERY CATHODE WITH SOLID POLYMERIC ELECTROLYTE
US20220029248A1 (en) * 2018-12-05 2022-01-27 Phinergy Ltd. Dendrite growth prevention in a rechargeable battery
US11424484B2 (en) 2019-01-24 2022-08-23 Octet Scientific, Inc. Zinc battery electrolyte additive
WO2021236982A1 (en) * 2020-05-22 2021-11-25 Zelos Energy Ltd. Air electrode assemblies incorporating ion exchange materials

Family Cites Families (45)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3097115A (en) 1960-08-01 1963-07-09 Leesona Corp Catalysts and electrodes for fuel cells
US3097116A (en) 1960-12-15 1963-07-09 Leesona Corp Fuel cell electrodes
US3514336A (en) 1965-10-04 1970-05-26 Leesona Corp Fuel cell comprising an ion-exchange membrane having electrolyte channels therein
GB1297955A (ja) 1969-05-19 1972-11-29
NL7607471A (nl) 1976-07-07 1978-01-10 Electrochem Energieconversie Elektrochemische zink-zuurstof-cel.
US4333993A (en) 1980-09-22 1982-06-08 Gould Inc. Air cathode for air depolarized cells
EP0374145A1 (en) 1987-03-02 1990-06-27 Westinghouse Electric Corporation Ionomeric polymers with ionomer membrane in pressure tolerant gas diffusion electrodes
US4892944A (en) 1987-05-13 1990-01-09 Mitsubishi Petrochemical Co., Ltd. Process for producing quaternary salts
JPH01215348A (ja) 1988-02-25 1989-08-29 Asahi Glass Co Ltd 陽イオン交換体
CA2125840A1 (en) 1994-06-14 1995-12-15 Universite D'ottawa/ University Of Ottawa Thin film composite membrane as battery separator
JP3724845B2 (ja) 1995-06-09 2005-12-07 本田技研工業株式会社 車両のアンチロックブレーキ制御方法
US5827602A (en) 1995-06-30 1998-10-27 Covalent Associates Incorporated Hydrophobic ionic liquids
US5826602A (en) 1996-04-30 1998-10-27 Chen; We-Yu Process and apparatus for flushing carbon deposits and contaminants from the fuel and air intake systems of an internal combustion engine
US6183914B1 (en) * 1998-09-17 2001-02-06 Reveo, Inc. Polymer-based hydroxide conducting membranes
JP3656244B2 (ja) * 1999-11-29 2005-06-08 株式会社豊田中央研究所 高耐久性固体高分子電解質及びその高耐久性固体高分子電解質を用いた電極−電解質接合体並びにその電極−電解質接合体を用いた電気化学デバイス
JP2001266961A (ja) * 2000-03-24 2001-09-28 Sekisui Chem Co Ltd 空気電池
DE50006969D1 (de) 2000-08-24 2004-08-05 Solvent Innovation Gmbh Halogenidfreie Herstellung ionischer Flüssigkeiten
JP2002184472A (ja) * 2000-12-11 2002-06-28 Hitachi Maxell Ltd アルミニウム−空気電池
US6586632B2 (en) 2001-03-28 2003-07-01 Cognis Corporation Preparation of quaternary ammonium compounds
DE10208822A1 (de) 2002-03-01 2003-09-11 Solvent Innovation Gmbh Halogenfreie ionische Flüssigkeiten
DE10241555A1 (de) 2002-09-07 2004-03-18 Basf Ag Verfahren zur Durchführung chemischer Reaktionen in der Flüssigphase in Gegenwart eines Katalysators und eines 1,3-substituierten Imidazoliumsalzes
US20040157101A1 (en) 2003-02-11 2004-08-12 Smedley Stuart I. Fuel cell electrode assembly
US20040241537A1 (en) 2003-03-28 2004-12-02 Tetsuo Okuyama Air battery
JP3974088B2 (ja) 2003-06-30 2007-09-12 株式会社東芝 非水電解質空気電池
US7179310B2 (en) * 2003-07-03 2007-02-20 The Gillette Company Zinc/air cell with improved anode
WO2005019137A1 (de) 2003-07-21 2005-03-03 Basf Aktiengesellschaft Verfahren zur extraktion von verunreinigungen mit ionischen flüssigkeiten
CN1581567A (zh) * 2003-08-06 2005-02-16 明志技术学院 固态高分子锌-空气电池的制法
ES2404532T3 (es) 2003-08-27 2013-05-28 Proionic Production Of Ionic Substances Gmbh & Co Kg Procedimiento para la fabricación de líquidos iónicos, sólidos iónicos o mezclas de los mismos
EP1730098A4 (en) 2004-03-26 2008-03-19 Albemarle Corp PROCESS FOR EXCHANGE OF ANIONS OF TETRAALKYLAMMONIUM SALTS
DE102004018929A1 (de) 2004-04-20 2005-11-17 Degussa Ag Elektrolytzusammensetzung sowie deren Verwendung als Elektrolytmaterial für elektrochemische Energiespeichersysteme
GB0500028D0 (en) 2005-01-04 2005-02-09 Univ Belfast Base stable ionic liquids
KR101129162B1 (ko) * 2005-06-03 2012-03-28 토요 보세키 가부시기가이샤 양성자 전도성 고분자막 및 그의 제조 방법, 및 이를이용한 연료 전지
US20080096061A1 (en) 2006-06-12 2008-04-24 Revolt Technology Ltd Metal-Air Battery or Fuel Cell
US7972726B2 (en) 2006-07-10 2011-07-05 The Gillette Company Primary alkaline battery containing bismuth metal oxide
JP5110850B2 (ja) * 2006-10-31 2012-12-26 株式会社オハラ リチウムイオン伝導性固体電解質およびその製造方法
ITFI20070152A1 (it) * 2007-07-10 2009-01-11 Acta Spa Dipositivi elettrochimici contenenti membrane e ionomeri polimerici a scambio anionico.
JP5207407B2 (ja) * 2008-02-18 2013-06-12 独立行政法人産業技術総合研究所 空気極
JP2010146851A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Equos Research Co Ltd 空気電池
CN101960664B (zh) 2008-12-25 2014-06-04 丰田自动车株式会社 锂空气电池
JP5986505B2 (ja) 2009-05-11 2016-09-06 アリゾナ ボード オブ リージェンツ アクティング フォー アンド オン ビハーフ オブ アリゾナ ステイト ユニバーシティArizona Board Of Regents Acting For And On Behalf Of Arizona State University 金属空気低温イオン液体電池
GB0908986D0 (en) 2009-05-26 2009-07-01 Univ Belfast Process for removing organic acids from crude oil and crude oil distillates
WO2011013005A1 (en) * 2009-07-31 2011-02-03 Revolt Technology Ltd. Metal-air battery with ion exchange material
US8492049B2 (en) * 2009-09-14 2013-07-23 Los Alamos National Security, Llc Anion exchange polymer electrolytes
CN102050788B (zh) 2010-11-22 2013-07-10 南京大学 一种无卤素咪唑类离子液体的合成方法
JP5644873B2 (ja) * 2011-02-16 2014-12-24 富士通株式会社 空気二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
EP2721687B1 (en) 2018-03-21
AU2012271273A1 (en) 2014-01-16
MX343838B (es) 2016-11-24
AU2012271273B2 (en) 2017-06-08
MX2013014873A (es) 2014-09-25
US9118089B2 (en) 2015-08-25
CN103748738A (zh) 2014-04-23
JP2014520372A (ja) 2014-08-21
ES2666853T3 (es) 2018-05-08
CN103748738B (zh) 2016-11-23
US20120321970A1 (en) 2012-12-20
CA2839543A1 (en) 2012-12-20
WO2012174558A1 (en) 2012-12-20
EP2721687A1 (en) 2014-04-23
ZA201309493B (en) 2014-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6113153B2 (ja) イオン交換材料を有する金属−空気セル
EP2583348B1 (en) Metal-air cell with tuned hydrophobicity
US9935319B2 (en) Synthesis of hetero ionic compounds using dialkylcarbonate quaternization
JP6235470B2 (ja) ジアルキルカーボネートの四級化を利用するヘテロイオン化合物の合成
JP6436906B2 (ja) ナトリウム−ハロゲン二次電池
US20150093659A1 (en) Aluminium-air battery and accumulator system
JP6461766B2 (ja) 金属空気電気化学セル、リチウム空気電池、および車両
Friesen et al. Metal-air cell with ion exchange material
Wolfe et al. Ionic liquid containing sulfonate ions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6113153

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250