JP6112959B2 - 電動工具 - Google Patents
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Description
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、モータと、モータにより駆動されるピニオンと、ピニオンと噛み合うプラネタリーギヤと、プラネタリーギヤと噛み合うインターナルギヤと、プラネタリーギヤにより駆動される出力部と、ピニオン、プラネタリーギヤ及びインターナルギヤを収容するギヤケースと、ギヤケースの後部を覆う蓋と、を有する電動工具であって、ギヤケースの内周面とインターナルギヤの外周面とを係合させてインターナルギヤを回り止めすると共に、インターナルギヤの少なくとも一部を樹脂により構成する一方、インターナルギヤの樹脂部分と一体的に熱可塑性エラストマーを形成し、ギヤケース又は蓋と熱可塑性エラストマーとを接触可能に構成したことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1の構成において、蓋とインターナルギヤとを一体的に形成したことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1の構成において、インターナルギヤは、歯車部分よりも前方で外周部分に凸部を有してギヤケースの凹部と係合することを特徴とするものである。
図1は、電動工具の一例であるインパクトドライバの一部縦断面図、図2は図1のA−A線断面図で、このインパクトドライバ1は、中心軸を前後方向(図1,2の右側を前方とする。)とする本体部2と、その本体部2から下方へ突出するグリップ部3とを有し、グリップ部3の下端に設けた取り付け部4には、電源となるバッテリーパック5が装着されている。6は取り付け部4の側面に設けたフック、7はストラップで、グリップ部3の上部には、トリガ9を前方に突出させたスイッチ8が収容されている。
ベアリングリテーナ37は、中央にくびれ部41を形成した金属製の円盤状で、本体ハウジング15の内面に設けたリブ42がくびれ部41に嵌合することで、ベアリングリテーナ37は前後方向への移動を規制された状態で本体ハウジング15に保持される。ベアリングリテーナ37の前後面には、放熱用の凹み部43がそれぞれ形成されている。
また、ベアリングリテーナ37の前面周縁には、外周に雄ネジ部を形成したリング壁44が前方へ向けて突設されて、このリング壁44に、スピンドル12及び打撃機構13を収容したギヤケースとしてのハンマケース45が結合されている。
さらに、本体ハウジング15の前方には、ハンマケース45の前部から前筒部46にかけて覆うカバー53が設けられ、カバー53の前端には、ゴム製のバンパ54が装着されている。
遊星歯車減速機構11は、内歯を有するインターナルギヤ58と、インターナルギヤ58に噛み合う外歯を有する3つのプラネタリーギヤ59,59・・と、を含む。インターナルギヤ58は、ベアリングリテーナ37のリング壁44の内側に同軸で収容される歯車部分としてのギヤ部60と、そのギヤ部60の前部外周側に連設され、ギヤ部60より大径の外周部分としての前部61とを有する樹脂製で、前部61には、図4に示すように、周方向に等間隔をおいて4つの凸部62,62・・が前向きに突設されている。この各凸部62が、ハンマケース45の内周面で雌ネジ部の前方に形成された4つの凹部63,63・・にそれぞれ係合することで、インターナルギヤ58の回り止めがなされる。軸方向への移動は、前部61の後面がリング壁44に当接し、凸部62の前面が凹部63の前側に形成される段部64に当接することで規制される。65は、ギヤ部60の後端とベアリングリテーナ37の前面との間に介在されたリング状部材で、熱可塑性エラストマーでインターナルギヤ58と一体的に形成されている。このリング状部材65によって、インターナルギヤ58とベアリングリテーナ37との間がシールされると共に、インターナルギヤ58からベアリングリテーナ37への衝撃も緩和されることになる。なお、このリング状部材は、インターナルギヤ58の前部61の後端に設けることもできる。この場合、リング状部材はリング壁44の前端と接触してシールすることになる。
また、アンビル14の後面軸心には、有底孔84が形成されて、ここにスピンドル12の前端が同軸で挿入されている。一方、アンビル14の前面軸心には、図示しないビットを受け入れる挿入孔85が形成され、アンビル14の前端には、挿入孔85に差し込まれたビットを抜け止めするボール86及びスリーブ87等からなるチャック機構が設けられている。
図5はその一例を示すもので、インパクトドライバ1Aにおいて、遊星歯車減速機構11で使用されるインターナルギヤ58aは、ギヤ部60が樹脂で形成され、凸部62を含む前部61が金属で形成されている。
このような構成により、インターナルギヤ58aの外周にプラネタリーギヤ59からの衝撃が加わった場合にも耐久性を確保できる。
なお、ギヤ部60と前部61とをより強固に結合させるために、前部61から内径側に突起を延ばしてもよい。
図6は図5の場合と逆で、インパクトドライバ1Bにおいて、遊星歯車減速機構11で使用されるインターナルギヤ58bは、ギヤ部60が金属で形成され、凸部62を含む前部61が樹脂で形成されている。
このような構成により、摩耗が起きる歯車部分の耐久性を向上させることができる。
なお、ギヤ部60と前部61とをより強固に結合させるために、ギヤ部60から外径側に突起を延ばしてもよい。
図5,6何れの場合も金属に対して樹脂を一体成形させることによって作製することができる。
このように、インターナルギヤの一部のみを樹脂製としても、コストを低減でき軽量化にも寄与できる。
図7はその一例を示すもので、インパクトドライバ1Cにおいて、ここで使用される金属製のベアリングリテーナ37の前面には、樹脂製のインターナルギヤ88が一体形成されている。ここでのハンマケース45は、ベアリングリテーナ37に対してネジ結合されておらず、雄ネジ部のないリング壁44及びインターナルギヤ88をハンマケース45の後部開口に差し込み結合する構造となっている。
このように、ここではベアリングリテーナ37に一体形成されるインターナルギヤ88を樹脂製としているので、コストを低減でき軽量化にも寄与できる。
なお、リング壁44とインターナルギヤ88とを樹脂で形成してもよい。また、軸受38用のリング状部材をエラストマーで形成することもできる。
また、図7を除く各形態に共通して、リング状部材はインターナルギヤのギヤ部とベアリングリテーナの前面との間に設ける構造に限らず、ギヤ部の外周とリング壁の内周との間に設ける構造としてもよい。
さらに、ハンマケースの内面に形成されてインターナルギヤの凸部が係合する凹部を凸部の幅よりも大きくして、その凹部内に、凸部の両側に位置する熱可塑性エラストマー製のピンを配置することもできる。このようにすればインターナルギヤの回り止め方向でピンによる緩衝作用を得ることができる。
その他、電動工具としてはインパクトドライバに限らず、遊星歯車減速機構を備えたものであれば、スクリュードライバ等の他の電動工具にも本発明は適用可能である。
Claims (4)
- モータと、
前記モータにより駆動されるピニオンと、
前記ピニオンと噛み合うプラネタリーギヤと、
前記プラネタリーギヤと噛み合うインターナルギヤと、
前記プラネタリーギヤにより駆動される出力部と、
前記ピニオン、前記プラネタリーギヤ及び前記インターナルギヤを収容するギヤケースと、
前記ギヤケースの後部を覆う蓋と、を有する電動工具であって、
前記インターナルギヤは、歯車部分と外周部分とを有して前記歯車部分が樹脂で構成され、前記外周部分が金属で構成されて、前記歯車部分が前記プラネタリーギヤと噛み合い、前記ギヤケースの内周面に設けた凹部と前記インターナルギヤの前記外周部分に設けた凸部とが係合して前記インターナルギヤが回り止めされることを特徴とする電動工具。 - モータと、
前記モータにより駆動されるピニオンと、
前記ピニオンと噛み合うプラネタリーギヤと、
前記プラネタリーギヤと噛み合うインターナルギヤと、
前記プラネタリーギヤにより駆動される出力部と、
前記ピニオン、前記プラネタリーギヤ及び前記インターナルギヤを収容するギヤケースと、
前記ギヤケースの後部を覆う蓋と、を有する電動工具であって、
前記ギヤケースの内周面と前記インターナルギヤの外周面とを係合させて前記インターナルギヤを回り止めすると共に、前記インターナルギヤの少なくとも一部を樹脂により構成する一方、
前記インターナルギヤの樹脂部分と一体的に熱可塑性エラストマーを形成し、
前記ギヤケース又は前記蓋と前記熱可塑性エラストマーとを接触可能に構成したことを特徴とする電動工具。 - 前記蓋と前記インターナルギヤとを一体的に形成したことを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
- 前記インターナルギヤは、前記歯車部分よりも前方で前記外周部分に前記凸部を有して前記ギヤケースの前記凹部と係合することを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
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