JP6112813B2 - トリアリールスルホニウム塩の製造方法 - Google Patents

トリアリールスルホニウム塩の製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体製造分野などでは化学増幅型レジスト用の光酸発生剤として、あるいはインク、塗料、接着剤などの分野では光カチオン重合開始剤として有用なトリアリールスルホニウム塩の製造方法に関する。
トリアリールスルホニウム塩の製造方法としては、五酸化リンとメタンスルホン酸の溶液の存在下でジアリールスルホキシドと芳香族化合物とを反応させることにより製造する方法(特許文献1)、ポリアリールスルホキシドとポリアリールスルフィドを脱水剤の存在下に強酸と接触させることにより製造する方法(特許文献2)、塩化アルミニウムの存在下にジアリールスルホキシドと芳香族化合物を反応させることにより製造する方法(非特許文献1)等が知られている。
しかしながら、五酸化リンとメタンスルホン酸の溶液の存在下でジアリールスルホキシドと芳香族化合物とを反応させる方法においては、五酸化リンは非常に吸湿性が高く取り扱いが困難であり、また五酸化リンをメタンスルホン酸に溶解させるためには加熱条件下に長時間攪拌する必要があり、工業的に有利な製造方法とはいい難い。また、ポリアリールスルホキシドとポリアリールスルフィドを脱水剤の存在下に強酸と接触させることにより製造する方法においては、使用できる基質が限定されること、副反応が多く生成収率が低くなるおそれがあることなどの問題があった。また、塩化アルミニウムの存在下にジアリールスルホキシドと芳香族化合物を反応させる方法においては、低収率であるばかりでなく、ジアリールスルホキシドに対して通常等モル以上の塩化アルミニウムが必要であり、アニソールのように塩化アルミニウムと錯体を形成するような芳香族化合物を原料とした場合は、さらに反応性が低下するめ多量の塩化アルミニウムが必要となり廃水量が非常に多くなる等の問題があった。
特開平05−004996号公報 特開昭61−100557号公報
J.Org.Chem.,1968,33,2671
本発明の目的は、光酸発生剤あるいは光カチオン重合開始剤として多用されているトリアリールスルホニウム塩を簡便に、高収率、高純度で製造することができる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、ジアリールスルホキシド(a)、芳香族化合物(b)並びにスルホン酸および/またはカルボン酸(d)の溶液に硫酸を滴下することによりトリアリールスルホニウム塩を製造ることを検討したが、この方法では基質により反応性に大きな差が有り、場合によっては非常に低収率となることが明らかとなった。そこで更に鋭意検討を重ねた結果、前記ジアリールスルホキシド(a)、芳香族化合物(b)並びにスルホン酸および/またはカルボン酸(d)の溶液に硫酸を加えた系に、従来技術では多量に使用する必要があった塩化アルミニウム等のルイス酸を触媒量添加することにより、劇的に反応性が向上し、且つ副生成物の生成を抑制できることを見出し、さらに改良を重ねて本発明に至った。
すなわち、本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
式(1):
Figure 0006112813
(式中、Rおよび、Rは、それぞれ独立して、置換基を有してもよい単環式炭素環基、置換基を有してもよい縮合多環式炭素環基、または置換基を有してもよい単環式複素環基を示す。)で表されるジアリールスルホキシド(a)、および芳香族化合物(b)を、ルイス酸(c)、スルホン酸および/またはカルボン酸(d)、ならびに硫酸の存在下で反応させ、
さらに無機酸のアルカリ金属塩、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアルカリ金属塩、又は有機酸のアンモニウム塩と反応させ、式(2)
式(2):
Figure 0006112813
(式中、RおよびRは前記に同じであり、Rは、RおよびRから独立して、置換基を有してもよい単環式炭素環基、置換基を有してもよい縮合多環式炭素環基または置換基を有してもよい単環式複素環基を示す。Xは、無機酸イオンまたは有機酸イオンを示す。)で表されるトリアリールスルホニウム塩を製造する方法。
なお、用いる芳香族化合物(b)の構造式は“R−H”と表記できる。
項2.
芳香族化合物(b)がアリールアルキルエーテル、ポリアリールエーテル、アリールアルキルスルフィド、ポリアリールスルフィド、および置換基を有してもよいチオフェンからなる群より選ばれた少なくとも1種である、項1に記載のトリアリールスルホニウム塩を製造する方法。
項3.
ルイス酸(c)が塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化鉄、臭化鉄、塩化亜鉛、および臭化亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種である、項1または2に記載のトリアリールスルホニウム塩を製造する方法。
項4.
スルホン酸および/またはカルボン酸(d)が、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種である、項1〜3のいずれかに記載のトリアリールスルホニウム塩を製造する方法。
項5.
前記ルイス酸(c)の使用割合が、ジアリールスルホキシド(a)1モルに対して0.0001〜0.1モルである、項1〜4のいずれかに記載のトリアリールスルホニウム塩を製造する方法。
本発明に係るトリアリールスルホニウム塩の製造方法を用いることにより、簡便に、高収率で高純度のトリアリールスルホニウム塩を製造することができる。
本発明に用いるジアリールスルホキシド(a)は下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0006112813
式中、RおよびRは、それぞれ独立して、置換基を有してもよい単環式炭素環基、置換基を有してもよい縮合多環式炭素環基、または置換基を有してもよい単環式複素環基を示す。特に制限されないが、RおよびRは同じ基であることが好ましい。
前記置換基を有してもよい単環式炭素環基、置換基を有してもよい縮合多環式炭素環基、および、置換基を有してもよい単環式複素環基は、それぞれ、置換基を有する場合は、1つの置換基を有するものであってもよく、複数の置換基を有するものであってもよい。また、複数の置換基を有する場合における当該置換基は、同じ置換基であってもよく、あるいはそれぞれ異なる置換基であってもよい。特に限定されないが、置換基を有する場合には、置換基数は1、2又は3が好ましい。
当該置換基を有してもよい単環式炭素環基としては、例えば、置換基を有してもよいフェニル基(つまり、フェニル基および置換基を有するフェニル基)等が挙げられる。
当該置換基を有してもよい縮合多環式炭素環基としては、例えば、置換基を有してもよいナフチル基(つまり、ナフチル基および置換基を有するナフチル基)等が挙げられる。
当該置換基を有してもよい単環式複素環基としては、例えば、置換基を有してもよいチエニル基(つまり、チエニル基および置換基を有するチエニル基)等が挙げられる。
なお、前記の置換基としては、例えば、水酸基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、フェノキシ基、フェニルチオ基、チエニルチオ基およびハロゲン原子等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であってよく、直鎖状であることが好ましい。また、炭素数は、より好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6、よりさらに好ましくは1〜4である。当該炭素数1〜10のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基およびn−デシル基等が好ましく挙げられる。なかでもメチル基、エチル基が好ましい。
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、およびメトキシエトキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基およびn−ブチルチオ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等が挙げられる。
前記式(1)中においてRで示される基およびRで示される基としては、置換基を有してもよい単環式炭素環基または置換基を有してもよい単環式複素環基が好適であり、中でもフェニル基、置換基を有するフェニル基、チエニル基または置換基を有するチエニル基がより好適である。また、置換基を有するフェニル基および置換基を有するチエニル基における置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヒドロキシ基、アセトキシ基、フェノキシ基、フェニルチオ基、チエニルチオ基またはフッ素原子が好適であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基がより好適である。
特にRで示される基及び/又はRで示される基が、置換基を有するフェニル基である場合は、具体例として2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基(すなわち、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基)、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−n−プロピルフェニル基、3−n−プロピルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−n−ブチルフェニル基、3−n−ブチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、2−n−プロポキシフェニル基、3−n−プロポキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基、3−イソプロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、2−n−ブトキシフェニル基、3−n−ブトキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、2−イソブトキシフェニル基、3−イソブトキシフェニル基、4−イソブトキシフェニル基、2−sec−ブトキシフェニル基、3−sec−ブトキシフェニル基、4−sec−ブトキシフェニル基、2−tert−ブトキシフェニル基、3−tert−ブトキシフェニル基、4−tert−ブトキシフェニル基、2−メチルチオフェニル基、3−メチルチオフェニル基、4−メチルチオフェニル基、2−エチルチオフェニル基、3−エチルチオフェニル基、4−エチルチオフェニル基、2−n−プロピルチオフェニル基、3−n−プロピルチオフェニル基、4−n−プロピルチオフェニル基、2−イソプロピルチオフェニル基、3−イソプロピルチオフェニル基、4−イソプロピルチオフェニル基、2−n−ブチルチオフェニル基、3−n−ブチルチオフェニル基、4−n−ブチルチオフェニル基、2−tert−ブチルチオフェニル基、3−tert−ブチルチオフェニル基、4−tert−ブチルチオフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−アセトキシフェニル基、3−アセトキシフェニル基、4−アセトキシフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基が好ましく挙げられ、なかでも4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、4−メチルチオフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基が好ましい。
また、Rで示される基及び/又はRで示される基が、ビフェニル基である場合は、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基であってよく、中でも4−ビフェニル基が好ましい。ナフチル基である場合は、1−ナフチル基、2−ナフチル基であってよく、中でも2−ナフチル基が好ましい。
また、Rで示される基及び/又はRで示される基が、チエニル基である場合は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよく、2−チエニル基が好ましい。
また、Rで示される基及び/又はRで示される基が、置換基を有するチエニル基である場合には、具体例として3−メチルチエニル基、4−メチルチエニル基、5−メチルチエニル基(特に3−メチルチオフェン−2−イル基、4−メチルチオフェン−2−イル基、5−メチルチオフェン−2−イル基)が好ましく挙げられる。
式(1)で表されるジアリールスルホキシドの具体例としては、
ジフェニルスルホキシド、ビス(4−メチルフェニル)スルホキシド、ビス(4−エチルフェニル)スルホキシド、ビス(4−n−プロピルフェニル)スルホキシド、ビス(4−イソプロピルフェニル)スルホキシド、ビス(4−n−ブチルフェニル)スルホキシド、ビス(4−tert−ブチルフェニル)スルホキシド、ビス(4−ビフェニル)スルホキシド、
ビス(4−メトキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−エトキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−n−プロポキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−イソプロポキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−n−ブトキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−イソブトキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−sec−ブトキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホキシド、
ビス(4−メチルチオフェニル)スルホキシド、ビス(4−エチルチオフェニル)スルホキシド、ビス(4−n−プロピルチオフェニル)スルホキシド、ビス(4−イソプロピルチオフェニル)スルホキシド、ビス(4−n−ブチルチオフェニル)スルホキシド、ビス(4−tert−ブチルチオフェニル)スルホキシド、4−メチルフェニル−(2,4−ジメチルフェニル)スルホキシド
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−アセトキシフェニル)スルホキシド、
ビス(4−フルオロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−ブロモフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヨードフェニル)スルホキシド、
ビス(2,4−ジメチルフェニル)スルホキシド、ビス(3,4−ジメチルフェニル)スルホキシド、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホキシド、
ジ−(2−チエニル)スルホキシド、ジ−(2−ナフチル)スルホキシド等が挙げられる。
これらの中でも、ジフェニルスルホキシド、ビス(4−メチルフェニル)スルホキシド、ビス(4−エチルフェニル)スルホキシド、ビス(4−n−プロピルフェニル)スルホキシド、ビス(4−イソプロピルフェニル)スルホキシド、ビス(4−n−ブチルフェニル)スルホキシド、ビス(4−メトキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−エトキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−n−プロポキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−イソプロポキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−n−ブトキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−メチルチオフェニル)スルホキシド、ビス(4−フルオロフェニル)スルホキシドおよびビス(2,4−ジメチルフェニル)スルホキシドが好適に用いられる。
前記ジアリールスルホキシドは、公知の物質であるか、又は公知の方法により容易に製造される。市販されているものをそのまま使用してもよいし、適宜製造したものを使用してもよい。ジアリールスルホキシドの製造方法としては特に限定されず、例えば、ジアリールスルホキシドが、式(1)におけるRとRが共に4−メチルフェニル基であるビス(4−メチルフェニル)スルホキシドである場合は、トルエンと塩化チオニルとをトリフルオロメタンスルホン酸の存在下で反応させる方法(Synlett.,1999,1397)、また、ジアリールスルホキシドが、式(1)におけるRが4−メチルフェニル基であり、Rが2,4−ジメチルフェニル基である4−メチルフェニル−(2,4−ジメチルフェニル)スルホキシドである場合は、m−キシレンとp−トルエンスルフィニルクロリドとを塩化アルミニウムの存在下で反応させる方法(J.Org.Chem.,1974,39,1203)等の公知の方法により製造することができる。
本発明に係る芳香族化合物(b)は、式(2)におけるアリール基(R)を導入する作用を果たす化合物である。芳香族化合物(b)は、芳香環上に少なくとも1つ以上の水素原子を有する化合物である。(b)としては、例えば置換基を有してもよい単環式炭素環化合物、置換基を有してもよい縮合多環式炭素環化合物または置換基を有してもよい単環式複素環化合物が挙げられる。
前記置換基を有してもよい単環式炭素環化合物、置換基を有してもよい縮合多環式炭素環化合物、および、置換基を有してもよい単環式複素環化合物は、それぞれ独立して、置換基を有する場合は、1つの置換基を有するものであってもよく、複数の置換基を有するものであってもよい。また、複数の置換基を有する場合における当該置換基は、同種の置換基であってもよく、あるいは異なる置換基であってもよい。特に限定されないが、置換基を有する場合には、置換基数は1、2又は3が好ましい。
当該置換基を有してもよい単環式炭素環化合物としては、例えば、ベンゼンおよび置換基を有するベンゼン等が挙げられる。
当該置換基を有してもよい縮合多環式炭素環化合物としては、例えば、ナフタレンおよび置換基を有するナフタレン等が挙げられる。
当該置換基を有してもよい単環式複素環化合物としては、例えば、チオフェンおよび置換基を有するチオフェン等が挙げられる。
なお、前記の置換基としては、例えば、水酸基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、フェノキシ基、フェニルチオ基、チエニルチオ基およびハロゲン原子等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であってよく、直鎖状であることが好ましい。また、炭素数は、より好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6、よりさらに好ましくは1〜4である。当該炭素数1〜10のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基およびn−デシル基等が好ましく挙げられる。なかでもメチル基、エチル基が好ましい。
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、およびメトキシエトキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基およびn−ブチルチオ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等が挙げられる。
前記芳香族化合物(b)としては、置換基を有してもよい単環式炭素環化合物および置換基を有してもよい単環式複素環化合物が好適であり、中でも置換基を有するベンゼン(例えばアリールアルキルエーテル、ポリアリールエーテル、アリールアルキルスルフィド、ポリアリールスルフィド等)、置換基を有してもよいチオフェン(つまりチオフェンおよび置換基を有するチオフェン)がより好適である。
また、置換基を有するベンゼンおよび置換基を有するチオフェンにおける置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、フェノキシ基、フェニルチオ基、チエニルチオ基またはフッ素原子が好適であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基またはチエニルチオ基がより好適に用いられる。
芳香族化合物(b)としては、具体的には、例えば、
トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、アニソール、エトキシベンゼン、n−プロポキシベンゼン、イソプロポキシベンゼン、n−ブトキシベンゼン、イソブトキシベンゼン、sec−ブトキシベンゼン、tert−ブトキシベンゼン、チオアニソール、エチルチオベンゼン、n−プロピルチオベンゼン、i−プロピルチオベンゼン、n−ブチルチオベンゼン、t−ブチルチオベンゼン、フェノール、アセトキシベンゼン、フルオロベンゼン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、3−メチルジフェニルエーテル、3−フェノキシフェノール、p−フェノキシフェノール、3−フェノキシベンゾイルアルコール、ジフェニルスルフィド、フェニル−p−トリルスルフィド、4−エチルフェニルチオベンゼン、4−n−プロピルフェニルチオベンゼン、4−i−プロピルフェニルチオベンゼン、4−n−ブチルフェニルチオベンゼン、4−t−ブチルフェニルチオベンゼン、
ナフタレン、メチルナフタレン、メトキシナフタレン、
チオフェン、メチルチオフェン、エチルチオフェン、n−プロピルチオフェン、イソプロピルチオフェン、n−ブチルチオフェン、tert−ブチルチオフェン、メトキシチオフェン、エトキシチオフェン、n−プロポキシチオフェン、イソプロポキシチオフェン、n−ブトキシチオフェン、イソブトキシチオフェン、sec−ブトキシチオフェン、tert−ブトキシチオフェン、メチルチオチオフェン、エチルチオチオフェン、ヒドロキシチオフェン、アセトキシチオフェン、フェニルチオフェン、フェニルチオチオフェン、ビチオフェン、ジチエニルエーテル(2つのチオフェンが−O−で結合された構造を有する化合物;特に両チオフェンの2位が−O−で結合されたものが好ましい)、ジチエニルスルフィド(2つのチオフェンが−S−で結合された構造を有する化合物;特に両チオフェンの2位が−S−で結合されたものが好ましい)、等が挙げられる。
なお、上に(b)の具体例として列挙した化合物のうち、ジフェニルエーテル、3−メチルジフェニルエーテル、3−フェノキシフェノール、p−フェノキシフェノール、3−フェノキシベンゾイルアルコール、ジチエニルエーテルはポリアリールエーテルであり、ジフェニルスルフィド、フェニル−p−トリルスルフィド、4−エチルフェニルチオベンゼン、4−n−プロピルフェニルチオベンゼン、4−i−プロピルフェニルチオベンゼン、4−n−ブチルフェニルチオベンゼン、4−t−ブチルフェニルチオベンゼン、フェニルチオチオフェン、ジチエニルスルフィドはポリアリールスルフィドであり、チオアニソール、エチルチオベンゼン、n−プロピルチオベンゼン、i−プロピルチオベンゼン、n−ブチルチオベンゼン、t−ブチルチオベンゼンはアリールアルキルスルフィドである。
これらの中でも、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、アニソール、エトキシベンゼン、n−プロポキシベンゼン、イソプロポキシベンゼン、n−ブトキシベンゼン、ジフェニルエーテル、チオアニソール、ジフェニルスルフィド、
ビチオフェン、フェニルチオフェン、フェニルチオチオフェン、ジチエニルスルフィド、が好適に用いられる。
本発明に係るルイス酸(c)としては特に限定されるものではないが、具体的には、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化チタン、臭化チタン、塩化スズ、臭化スズ、ヨウ化スズ等の金属ハロゲン化物、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三ヨウ化ホウ素等のハロゲン化ホウ素化合物、塩化アンチモン、フッ化アンチモン等のハロゲン化アンチモン化合物、
ジメチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、
トリフェニルホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等の有機ホウ素化合物、
トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム等の金属トリフラート、等が挙げられる。
これらの中でも、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化鉄、臭化鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛等の金属ハロゲン化物が好適に用いられる。これら、ルイス酸(c)は1種単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
限定的な解釈を望むものではないが、本発明にかかるスルホン酸および/またはカルボン酸(d)は、反応溶媒としてだけでなく、反応を促進させるための酸成分としての役割も兼ねると考えられる。また、スルホン酸および/またはカルボン酸(d)は、本発明で用いられる硫酸と芳香族化合物(b)等の基質とが直接接触して分解することを防ぐ緩衝剤のような役割を果たすと考えられる。
前記スルホン酸としては、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸等が挙げられる。これらの中でも、アルキルスルホン酸が好ましく、炭素数1〜8のアルキルスルホン酸がより好ましい。具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、オクタンスルホン酸等が挙げられる。
前記カルボン酸としては、アルキルカルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、アルキルカルボン酸が好ましく、炭素数1〜8のアルキルカルボン酸がより好ましい。具体的には、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸等が挙げられる。
これらの中でも、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、およびプロピオン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種が好適に用いられる。これら、スルホン酸および/またはカルボン酸(d)は1種単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。すなわち、(d)として、上記スルホン酸及び上記カルボン酸からなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。
前記芳香族化合物(b)の使用割合は、特に制限されるものではないが、収率を向上させる観点および経済性の観点から、式(1)で表されるジアリールスルホキシド(a)1モルに対して0.8〜2モルであることが好ましく、0.9〜1.8モルであることがより好ましく、0.9〜1.5モルであることがさらに好ましい。前記芳香族化合物(b)の使用割合が(a)1モルに対して0.8モル以上であれば、未反応のジアリールスルホキシド(a)が多くなって収率が低下するおそれをより低減できる。また、芳香族化合物(b)の使用割合が(a)1モルに対して2モル以下であると、使用量から考えて、より経済的である。
前記ルイス酸(c)の使用割合は、従来技術に比べ、非常に小さくてよい。(いわゆる触媒量を用いるだけでよい。)このため、従来技術に比べ、排水量を格段に低減することが出来るなど、有利である。特に制限されるものではないが、収率を向上させる観点および経済性の観点から、ジアリールスルホキシド(a)1モルに対して0.0001〜0.1モルであることが好ましく、0.001〜0.05モルであることがより好ましく、0.002〜0.03モルであることがさらに好ましい。
ルイス酸(c)の使用割合が(a)1モルに対して0.0001モル以上であれば、より高収率となり得る。また、ルイス酸(c)の使用割合が(a)1モルに対して0.1モル以下である場合、より経済的である。
スルホン酸および/またはカルボン酸(d)の使用割合は、特に制限されるものではないが、ジアリールスルホキシド(a)1モルに対して1〜50モルであることが好ましく、2〜30モルであることがより好ましい。スルホン酸および/またはカルボン酸(d)の使用割合が(a)1モルに対して1モル以上である場合、収率がより向上しえる。また、スルホン酸および/またはカルボン酸(d)の使用割合が(a)1モルに対して50モル以下の場合、より経済的である。
硫酸の使用割合は、特に制限されるものではないが、ジアリールスルホキシド(a)1モルに対して1〜20モルであることが好ましく、2〜10モルであることがより好ましい。硫酸の使用割合が(a)1モルに対して1モル未満である場合は、収率が低下するおそれがある。また、硫酸の使用割合が(a)1モルに対して20モル以下であれば、より経済的である。特に制限されないが、前記の硫酸の使用割合を効率よく達成するため、濃硫酸を用いることが好ましい。市販の濃硫酸を好ましく用いることができる。なお、市販の濃硫酸は通常96〜98質量%程度の濃度である。
本発明にかかる、ジアリールスルホキシド(a)、および芳香族化合物(b)とを、ルイス酸(c)、スルホン酸および/またはカルボン酸(d)、ならびに硫酸の存在下で反応させる方法において、撹拌効率を向上させる等の目的で、スルホラン、ジクロロメタン、クロロホルム等の溶媒を、スルホン酸および/またはカルボン酸(d)と共に反応溶媒として用いてもよい。これらの溶媒(スルホラン、ジクロロメタン及びクロロホルムからなる群より選択される少なくとも1種)を用いる場合の使用量は、ジアリールスルホキシド(a)100質量部に対して30〜2000質量部であることが好ましく、50〜1000質量部であることがより好ましい。
前記反応における反応温度は、−20〜100℃であることが好ましく、−15〜70℃であることがより好ましく、−10〜50℃であることがさらに好ましい。反応温度が−20℃以上である場合、反応速度が遅くなることで反応に長時間を要するおそれが、より低減される。また、反応温度が100℃以下である場合は、副反応が起こりやすく、収率および純度が低下するおそれがより低減される。反応時間は、反応温度等により異なるが、通常、0.5〜48時間であり、好ましくは1〜24時間である。
式(2)で表されるトリアリールスルホニウム塩は、ジアリールスルホキシド(a)と芳香族化合物(b)との前記反応の後(好ましくは当該反応に引き続いて)、当該反応物を無機酸のアルカリ金属塩、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアルカリ金属塩、又は有機酸のアンモニウム塩と反応させることにより製造することができる。
前記無機酸の具体例としては、
ヘキサフルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロヒ酸、ヘキサフルオロリン酸、ペンタフルオロヒドロキソアンチモン酸、テトラフルオロホウ酸、トリフルオロトリストリフルオロメチルリン酸、トリフルオロトリスペンタフルオロエチルリン酸、トリフルオロトリスヘプタフルオロプロピルリン酸、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ホウ酸、トリフルオロ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸、テトラキス(ジフルオロフェニル)ホウ酸、ジフルオロビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸等が挙げられる。
前記無機酸のアルカリ金属塩の具体例としては、前記無機酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。前記無機酸のアンモニウム塩の具体例としては、前記無機酸の、アンモニウムイオン(NH4+)を含むアンモニウム塩や、第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラ−n−ブチルアンモニウム塩等が挙げられる。
前記有機酸の具体例としては、
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、ベンゼン−1,3−ジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、アントラキノン−1−スルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸、アントラキノン−1,5−ジスルホン酸、カンファースルホン酸、
ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド等を挙げることができる。
前記有機酸のアルカリ金属塩の具体例としては、前記有機酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。前記有機酸のアンモニウム塩の具体例としては、前記有機酸の、アンモニウムイオン(NH4+)を含むアンモニウム塩や、第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラ−n−ブチルアンモニウム塩等が挙げられる。
これらの塩の中でも、得られるトリアリールスルホニウム塩を光酸発生剤または光カチオン重合開始剤として用いた際に発生する酸の酸強度の観点および安全性の観点等から、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、トリフルオロトリスペンタフルオロエチルリン酸ナトリウム、トリフルオロトリスペンタフルオロエチルリン酸カリウム、トリフルオロトリスヘプタフルオロプロピルリン酸ナトリウム、トリフルオロトリスヘプタフルオロプロピルリン酸カリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸カリウム、カンファースルホン酸ナトリウム、カンファースルホン酸カリウム、ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウム、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドカリウム、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアンモニウム、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドカリウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムが好ましい。
前記無機酸のアルカリ金属塩、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアルカリ金属塩、又は有機酸のアンモニウム塩の使用割合は、特に限定されるものではないが、ジアリールスルホキシド(a)1モルに対して0.8〜2モルであることが好ましく、0.9〜1.5モルであることがより好ましい。当該塩の使用割合が(a)1モルに対して0.8モル以上である場合、収率がより向上しえる。また、当該塩の使用割合が2モル以下の場合、より経済的である。なお、無機酸のアルカリ金属塩、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアルカリ金属塩、有機酸のアンモニウム塩は、いずれも水溶液として用いることができる。水溶液として用いる場合の濃度としては、1〜80質量%であることが好ましく、3〜50質量%であることがより好ましい。
前記反応物と無機酸のアルカリ金属塩、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアルカリ金属塩、又は有機酸のアンモニウム塩とを反応させる操作としては、特に限定されるものではなく、前記反応物と当該塩を混合すればよい。例えば、前記反応後の反応溶液に所定量の当該塩を添加する方法、反応後の反応溶液を所定量の当該塩に添加する方法、反応後の反応溶液を所定量の水に添加して縮合反応物の水溶液を形成させた後に当該塩を添加する方法、および、反応後の反応溶液を所定量の水に添加して縮合反応物の水溶液を形成させた後に当該水溶液を当該塩に添加する方法等が挙げられる。これらの反応の際、必要に応じて、水酸化ナトリウムなどの塩基性物質を用いて、反応系中に存在する酸性成分を中和してもよい。
また、これらの操作の際に、モノクロロベンゼン、酢酸エチルおよびジクロロメタン等の有機溶媒を存在させていてもよい。
反応温度は、特に制限されないが、−10〜100℃であることが好ましく、0〜80℃であることがより好ましい。反応温度が−10℃以上の場合、反応速度がより早く進行しえる。また、反応温度が100℃以下である場合、エネルギー効率の観点等からより効率的である。
かくして得られるトリアリールスルホニウム塩は、反応終了後、精製してもよい。精製方法としては、析出した固体を濾別する方法、あるいは、モノクロロベンゼン、酢酸エチルおよびジクロロメタン等の有機溶媒を用いて抽出した後、当該有機溶媒を留去する方法等が挙げられる。
また、トリアリールスルホニウム塩を溶液として得たい場合は、例えば前記濃縮物に所望の有機溶媒を添加、再溶解させる方法等により溶液とすることができる。
このような有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコール−1−メチルエーテル−2−アセテート、乳酸エチル、カルビトール、カルビトールアセテートなどが挙げられる。
本発明の製造方法により製造したトリアリールスルホニウム塩は非常に高純度であり、そのままで光酸発生剤あるいは光カチオン重合開始剤として使用できるが、さらに、必要に応じて、モノクロロベンゼン、トルエン、酢酸エチル、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ヘプタン、水又はこれらの混合液等の溶媒による再結晶、活性炭処理、あるいはカラム精製等の常法により精製することができる。
本発明の製造方法により製造したトリアリールスルホニウム塩は
式(2):
Figure 0006112813
(式中、RおよびRは、前記に同じであり、Rは、RおよびRから独立して、置換基を有してもよい単環式炭素環基、置換基を有してもよい縮合多環式炭素環基または置換基を有してもよい単環式複素環基を示す。Xは、無機酸イオンまたは有機酸イオンを示す。)で表される。
前記式(2)中においてRで示される基およびRで示される基は、前記に同じである。(すなわち、前記式(1)で表されるジアリールスルホキシド(a)のRで示される基およびRで示される基と同一である。)
前記式(2)中においてRは、前記芳香族化合物(b)から水素原子1個を除いた1価のアリール基である。言い換えれば、前記芳香族化合物(b)の構造式は“R−H”と記載することができる。
としては、例えば、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいチエニル基が例示される。当該置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいチエニル基、の「置換基」としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アセトキシ基、ハロゲン原子、フェノキシ基、フェニルチオ基、チエニル基、チエニルオキシ基、チエニルチオ基等が挙げられる。ここでのアルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。ここでのアルコキシ基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。
なかでも、上で芳香族化合物(b)の具体例として列挙した各化合物の構造式を“R−H”と記載した場合の基Rを好ましく用いることができる。
としては、具体的には、フェニル基、アルキルフェニル基、アルコキシフェニル基、アルキルチオフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ハロゲン置換フェニル基、フェノキシフェニル基、フェニルチオフェニル基、ナフチル基、アルキルナフチル基、チエニル基、アルキルチエニル基、アルキルチオチエニル基、ヒドロキシチエニル基、アセトキシチエニル基、ビチエニル基、フェニルチエニル基、フェニルチオチエニル基、或いはR−Hがジチエニルエーテル又はジチエニルスルフィドである基(ここでアルキルフェニル基、アルキルチオ基、アルキルナフチル基、アルキルチエニル基、又はアルキルチオチエニル基のアルキル基は、それぞれ独立して、炭素数が1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。また、アルコキシフェニル基のアルコキシ基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。)が例示でき、
より具体的には、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、n−プロポキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基、n−ブトキシフェニル基、イソブトキシフェニル基、sec−ブトキシフェニル基、tert−ブトキシフェニル基、メチルチオフェニル基、エチルチオフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アセトキシフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ビフェニル基、フェノキシフェニル基、フェニルチオフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、メトキシナフチル基、チエニル基、メチルチエニル基、エチルチエニル基、n−プロピルチエニル基、イソプロピルチエニル基、n−ブチルチエニル基、tert−ブチルチエニル基、メトキシチエニル基、エトキシチエニル基、n−プロポキシチエニル基、イソプロポキシチエニル基、n−ブトキシチエニル基、イソブトキシチエニル基、sec−ブトキシチエニル基、tert−ブトキシチエニル基、メチルチオチエニル基、エチルチオチエニル基、ヒドロキシチエニル基、アセトキシチエニル基、ビチエニル基、フェニルチエニル基、フェニルチオチエニル基、
−Hがジチエニルエーテル(両チオフェンの2位が−O−で結合されたものが好ましい))又はジチエニルスルフィド(両チオフェンの2位が−S−で結合されたものが好ましい))である基、が好ましく例示でき、
さらに具体的には、
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基(すなわち、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基)、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−n−プロピルフェニル基、3−n−プロピルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−n−ブチルフェニル基、3−n−ブチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、2−n−プロポキシフェニル基、3−n−プロポキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基、3−イソプロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、2−n−ブトキシフェニル基、3−n−ブトキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、2−イソブトキシフェニル基、3−イソブトキシフェニル基、4−イソブトキシフェニル基、2−sec−ブトキシフェニル基、3−sec−ブトキシフェニル基、4−sec−ブトキシフェニル基、2−tert−ブトキシフェニル基、3−tert−ブトキシフェニル基、4−tert−ブトキシフェニル基、2−メチルチオフェニル基、3−メチルチオフェニル基、4−メチルチオフェニル基、2−エチルチオフェニル基、3−エチルチオフェニル基、4−エチルチオフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−アセトキシフェニル基、3−アセトキシフェニル基、4−アセトキシフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、2−フェノキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基、2−フェニルチオフェニル基、3−フェニルチオフェニル基、4−フェニルチオフェニル基、
1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基、5−メチル−2−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、7−メチル−2−ナフチル基、8−メチル−2−ナフチル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、3−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、5−メトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−1−ナフチル基、7−メトキシ−1−ナフチル基、8−メトキシ−1−ナフチル基、1−メトキシ−2−ナフチル基、3−メトキシ−2−ナフチル基、4−メトキシ−2−ナフチル基、5−メトキシ−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、8−メトキシ−2−ナフチル基、
2−チエニル基、3−チエニル基、
3−メチルチエニル基、4−メチルチエニル基、5−メチルチエニル基(特に3−メチルチオフェン−2−イル基、4−メチルチオフェン−2−イル基、5−メチルチオフェン−2−イル基)、
3−エチルチエニル基、4−エチルチエニル基、5−エチルチエニル基(特に3−エチルチオフェン−2−イル基、4−エチルチオフェン−2−イル基、5−エチルチオフェン−2−イル基)、
3−n−プロピルチエニル基、4−n−プロピルチエニル基、5−n−プロピルチエニル基(特に3−n−プロピルチオフェン−2−イル基、4−n−プロピルチオフェン−2−イル基、5−n−プロピルチオフェン−2−イル基)、
3−イソプロピルチエニル基、4−イソプロピルチエニル基、5−イソプロピルチエニル基(特に3−イソプロピルチオフェン−2−イル基、4−イソプロピルチオフェン−2−イル基、5−イソプロピルチオフェン−2−イル基)、
3−n−ブチルチエニル基、4−n−ブチルチエニル基、5−n−ブチルチエニル基(特に3−n−ブチルチオフェン−2−イル基、4−n−ブチルチオフェン−2−イル基、5−n−ブチルチオフェン−2−イル基)、
3−tert−ブチルチエニル基、4−tert−ブチルチエニル基、5−tert−ブチルチエニル基(特に3−tert−ブチルチオフェン−2−イル基、4−tert−ブチルチオフェン−2−イル基、5−tert−ブチルチオフェン−2−イル基)、
3−メトキシチエニル基、4−メトキシチエニル基、5−メトキシチエニル基(特に3−メトキシチオフェン−2−イル基、4−メトキシチオフェン−2−イル基、5−メトキシチオフェン−2−イル基)、
3−エトキシチエニル基、4−エトキシチエニル基、5−エトキシチエニル基(特に3−エトキシチオフェン−2−イル基、4−エトキシチオフェン−2−イル基、5−エトキシチオフェン−2−イル基)、
3−n−プロポキシチエニル基、4−n−プロポキシチエニル基、5−n−プロポキシチエニル基(特に3−n−プロポキシチオフェン−2−イル基、4−n−プロポキシチオフェン−2−イル基、5−n−プロポキシチオフェン−2−イル基)、
3−イソプロポキシチエニル基、4−イソプロポキシチエニル基、5−イソプロポキシチエニル基(特に3−イソプロポキシチオフェン−2−イル基、4−イソプロポキシチオフェン−2−イル基、5−イソプロポキシチオフェン−2−イル基)、
3−n−ブトキシチエニル基、4−n−ブトキシチエニル基、5−n−ブトキシチエニル基(特に3−n−ブトキシチオフェン−2−イル基、4−n−ブトキシチオフェン−2−イル基、5−n−ブトキシチオフェン−2−イル基)、
3−イソブトキシチエニル基、4−イソブトキシチエニル基、5−イソブトキシチエニル基(特に3−イソブトキシチオフェン−2−イル基、4−イソブトキシチオフェン−2−イル基、5−イソブトキシチオフェン−2−イル基)、
3−sec−ブトキシチエニル基、4−sec−ブトキシチエニル基、5−sec−ブトキシチエニル基(特に3−sec−ブトキシチオフェン−2−イル基、4−sec−ブトキシチオフェン−2−イル基、5−sec−ブトキシチオフェン−2−イル基)、
3−tert−ブトキシチエニル基、4−tert−ブトキシチエニル基、5−tert−ブトキシチエニル基(特に3−tert−ブトキシチオフェン−2−イル基、4−tert−ブトキシチオフェン−2−イル基、5−tert−ブトキシチオフェン−2−イル基)、
3−メチルチオチエニル基、4−メチルチオチエニル基、5−メチルチオチエニル基(特に3−(メチルチオ)チオフェン−2−イル基、4−(メチルチオ)チオフェン−2−イル基、5−(メチルチオ)チオフェン−2−イル基)、
3−エチルチオチエニル基、4−エチルチオチエニル基、5−エチルチオチエニル基(特に3−(エチルチオ)チオフェン−2−イル基、4−(エチルチオ)チオフェン−2−イル基、5−(エチルチオ)チオフェン−2−イル基)、
3−ヒドロキシチエニル基、4−ヒドロキシチエニル基、5−ヒドロキシチエニル基(特に3−ヒドロキシチオフェン−2−イル基、4−ヒドロキシチオフェン−2−イル基、5−ヒドロキシチオフェン−2−イル基)、
3−アセトキシチエニル基、4−アセトキシチエニル基、5−アセトキシチエニル基(特に3−アセトキシチオフェン−2−イル基、4−アセトキシチオフェン−2−イル基、5−アセトキシチオフェン−2−イル基)、
3−フェニルチエニル基、4−フェニルチエニル基、5−フェニルチエニル基(特に3−フェニルチオフェン−2−イル基、4−フェニルチオフェン−2−イル基、5−フェニルチオフェン−2−イル基)、
3−フェニルチオチエニル基、4−フェニルチオチエニル基、5−フェニルチオチエニル基(特に3−(フェニルチオ)チオフェン−2−イル基、4−(フェニルチオ)チオフェン−2−イル基、5−(フェニルチオ)チオフェン−2−イル基)、あるいは、
以下の構造式で表される基;
Figure 0006112813
Figure 0006112813
又は
Figure 0006112813
がより好ましく例示できる。
前記式(2)中においてXで示される無機酸イオンは、反応に供した無機酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の無機酸のイオンである。具体的には、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ペンタフルオロヒドロキソアンチモン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、トリフルオロトリストリフルオロメチルリン酸イオン、トリフルオロトリスペンタフルオロエチルリン酸イオン、トリフルオロトリスヘプタフルオロプロピルリン酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ホウ酸イオン、トリフルオロ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン、テトラキス(ジフルオロフェニル)ホウ酸イオンおよびジフルオロビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン等が例示できる。
前記式()中においてXで示される有機酸イオンは、反応に供した有機酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の有機酸のイオンである。具体的には、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、プロパンスルホン酸イオン、ブタンスルホン酸イオン、オクタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、パーフルオロブタンスルホン酸イオン、パーフルオロヘキサンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、ベンゼン−1,3−ジスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、アントラキノン−1−スルホン酸イオン、アントラキノン−2−スルホン酸イオン、アントラキノン−1,5−ジスルホン酸イオン、カンファースルホン酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドイオン、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドイオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオン等が例示できる。
これらの中でも、得られるトリアリールスルホニウム塩を光酸発生剤または光カチオン重合開始剤として用いた際に発生する酸の酸強度の観点および安全性の観点から、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロトリスペンタフルオロエチルリン酸イオン、トリフルオロトリスヘプタフルオロプロピルリン酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、パーフルオロブタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、カンファースルホン酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドイオン、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドイオン及びトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオンが好ましい。
本発明の製造方法により製造できるトリアリールスルホニウム塩の具体例としては、
ジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファート、ジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムパーフルオロブタンスルホナート、ジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−メトキシフェニル)スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
ジフェニル(4−エトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファート、ジフェニル(4−エトキシフェニル)スルホニウムパーフルオロブタンスルホナート、ジフェニル(4−エトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニル(4−エトキシフェニル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−エトキシフェニル)スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
ビス(4−メチルフェニル)(4−エトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファート、ビス(4−メチルフェニル)(4−エトキシフェニル)スルホニウムパーフルオロブタンスルホナート、ビス(4−メチルフェニル)(4−エトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−メチルフェニル)(4−エトキシフェニル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−メチルフェニル)(4−エトキシフェニル)スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
ビス(4−メチルフェニル)(4−ブトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファート、ビス(4−メチルフェニル)(4−ブトキシフェニル)スルホニウムパーフルオロブタンスルホナート、ビス(4−メチルフェニル)(4−ブトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−メチルフェニル)(4−ブトキシフェニル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−メチルフェニル)(4−ブトキシフェニル)スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
ビス(4−メトキシフェニル)(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファート、ビス(4−メトキシフェニル)(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムパーフルオロブタンスルホナート、ビス(4−メトキシフェニル)(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−メトキシフェニル)(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ビス(4−メトキシフェニル)(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
ビス(4−メトキシフェニル)[5−(チオフェン−2−イルチオ)−チオフェン−2−イル]スルホニウムフルオロホスファート、ビス(4−メトキシフェニル)[5−(チオフェン−2−イルチオ)−チオフェン−2−イル]スルホニウムパーフルオロブタンスルホナート、ビス(4−メトキシフェニル)[5−(チオフェン−2−イルチオ)−チオフェン−2−イル]スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−メトキシフェニル)[5−(チオフェン−2−イルチオ)−チオフェン−2−イル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−メトキシフェニル)[5−(チオフェン−2−イルチオ)−チオフェン−2−イル]スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
ビス(4−メチルフェニル)(4−フェノキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファート、ビス(4−メチルフェニル)(4−フェノキシフェニル)スルホニウムパーフルオロブタンスルホナート、ビス(4−メチルフェニル)(4−フェノキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−メチルフェニル)(4−フェノキシフェニル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−メチルフェニル)(4−フェノキシフェニル)スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
ビス(4−メトキシフェニル)[5−(チオフェン−2−イルチオ)−チオフェン−2−イル]テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、
ジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
等が好ましく挙げられる。
特に制限はされないが、本発明において、原料である式(1)で表されるジアリールスルホキシドに対する、得られる式(2)で表されるトリアリールスルホニウム塩の収率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上がよりさらに好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
実施例1
<ジフェニル(4−エトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファートの作製>
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた100mL容の四つ口フラスコに、ジフェニルスルホキシド20.2g(0.10モル)、エトキシベンゼン13.4g(0.11モル)、メタンスルホン酸28.8g(0.30モル)および塩化アルミニウム0.13g(0.001モル)を仕込み、内温を5〜15℃に保ちながら、濃硫酸50.6g(0.50モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後も同温度に維持しながら3時間撹拌することにより、縮合反応物の反応溶液を得た。ジフェニルスルホキシドの反応率は99%であった。
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに、ヘキサフルオロリン酸カリウム19.3g(0.105モル)、水100gおよびモノクロロベンゼン100gを仕込み、内温を25〜40℃に保ちながら30分かけて前記反応溶液の全量を滴下した。さらに、30〜40℃で30分撹拌した後、モノクロロベンゼン層を分取した。次いで、得られたモノクロロベンゼン層を水50gで洗浄した後、モノクロロベンゼンを留去して淡黄色の濃縮物43.9gを得た。ジフェニルスルホキシドに対するジフェニル(4−エトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファートの収率は97.0%であり、HPLC分析による純度は98.3%であった。
実施例2
<ジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファートの作製>
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた100mL容の四つ口フラスコに、ジフェニルスルホキシド20.2g(0.10モル)、アニソール11.9g(0.11モル)、メタンスルホン酸28.8g(0.30モル)および塩化アルミニウム0.08g(0.0006モル)を仕込み、内温を5〜15℃に保ちながら、濃硫酸30.3g(0.30モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度に維持しながら4時間撹拌することにより、縮合反応物の反応溶液を得た。ジフェニルスルホキシドの反応率は99.7%であった。
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに、ヘキサフルオロリン酸カリウム19.3g(0.105モル)、水100gおよびモノクロロベンゼン100gを仕込み、内温を25〜35℃に保ちながら30分かけて前記反応溶液の全量を滴下した。さらに、30〜35℃で30分撹拌した後、モノクロロベンゼン層を分取した。次いで、得られたモノクロロベンゼン層を水50gで洗浄した後、モノクロロベンゼンを留去して淡黄色の濃縮物43.0gを得た。ジフェニルスルホキシドに対するジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファートの収率は98.1%であり、HPLC分析による純度は99.3%であった。
実施例3
<ビス(4−メトキシフェニル)(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートの作製>
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた100mL容の四つ口フラスコに、ビス(4−メトキシフェニル)スルホキシド5.2g(0.02モル)、ジフェニルスルフィド3.9g(0.02モル)、メタンスルホン酸5.8g(0.06モル)および塩化アルミニウム0.03g(0.0002モル)を仕込み、内温を5〜15℃に保ちながら、濃硫酸6.1g(0.06モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度に維持しながら2時間撹拌し更に20〜25℃で1時間攪拌することにより、縮合反応物の反応溶液を得た。ビス(4−メトキシフェニル)スルホキシドの反応率は99.5%であった。
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた300mL容の四つ口フラスコに、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム(73wt%−ジエチルエーテル錯体)18.8g(0.02モル)、水100gおよびモノクロロベンゼン50gを仕込み、内温を30〜50℃に保ちながら30分かけて前記反応溶液の全量を滴下した。さらに、40〜50℃で30分撹拌した後、モノクロロベンゼン層を分取した。次いで、得られたモノクロロベンゼン層を水50gで洗浄した後、モノクロロベンゼンを留去して淡黄色の濃縮物21.1gを得た。ビス(4−メトキシフェニル)スルホキシドに対するビス(4−メトキシフェニル)(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートの収率は95.0%であり、HPLC分析による純度は99.1%であった。
実施例4
<ジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファートの作製>
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた200mL容の四つ口フラスコに、ジフェニルスルホキシド20.2g(0.10モル)、アニソール11.9g(0.11モル)、酢酸30.0g(0.50モル)および塩化アルミニウム0.13g(0.001モル)を仕込み、内温を5〜15℃に保ちながら、濃硫酸60.7g(0.60モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度に維持しながら2時間撹拌し、更に20〜25℃で3時間攪拌することにより、縮合反応物の反応溶液を得た。ジフェニルスルホキシドの反応率は99.3%であった。
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに、ヘキサフルオロリン酸カリウム19.3g(0.105モル)、水100gおよびモノクロロベンゼン100gを仕込み、内温を25〜35℃に保ちながら30分かけて前記反応溶液の全量を滴下した。さらに、30〜35℃で30分撹拌した後、モノクロロベンゼン層を分取した。次いで、得られたモノクロロベンゼン層を水50gで洗浄した後、モノクロロベンゼンを留去して淡黄色の濃縮物42.5gを得た。ジフェニルスルホキシドに対するジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファートの収率は97.0%であり、HPLC分析による純度は99.1%であった。
実施例5
<ビス(4−メチルフェニル)(4−ブトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファートの作製>
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた100mL容の四つ口フラスコに、ビス(4−メチルフェニル)スルホキシド23.0g(0.10モル)、ブトキシベンゼン16.5g(0.11モル)、メタンスルホン酸28.8g(0.30モル)および塩化アルミニウム0.08g(0.0006モル)を仕込み、内温を5〜15℃に保ちながら、濃硫酸30.3g(0.30モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度に維持しながら4時間撹拌することにより、縮合反応物の反応溶液を得た。ビス(4−メチルフェニル)スルホキシドの反応率は98.5%であった。
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに、ヘキサフルオロリン酸カリウム19.3g(0.105モル)、水100gおよびモノクロロベンゼン100gを仕込み、内温を25〜35℃に保ちながら30分かけて前記反応溶液の全量を滴下した。さらに、30〜35℃で30分撹拌した後、モノクロロベンゼン層を分取した。次いで、得られたモノクロロベンゼン層を水50gで洗浄した後、モノクロロベンゼンを留去して淡黄色の濃縮物49.1gを得た。ビス(4−メチルフェニル)スルホキシドに対するビス(4−メチルフェニル)(4−ブトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファートの収率は96.6%であり、HPLC分析による純度は97.5%であった。
実施例6
<ビス(4−メチルフェニル)(4−エトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファートの作製>
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた100mL容の四つ口フラスコに、ビス(4−メチルフェニル)スルホキシド23.0g(0.10モル)、エトキシベンゼン13.4g(0.11モル)、メタンスルホン酸28.8g(0.30モル)および塩化アルミニウム0.08g(0.0006モル)を仕込み、内温を5〜15℃に保ちながら、濃硫酸30.3g(0.30モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度に維持しながら4時間撹拌することにより、縮合反応物の反応溶液を得た。ビス(4−メチルフェニル)スルホキシドの反応率は99.2%であった。
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに、ヘキサフルオロリン酸カリウム19.3g(0.105モル)、水100gおよびモノクロロベンゼン100gを仕込み、内温を25〜35℃に保ちながら30分かけて前記反応溶液の全量を滴下した。さらに、30〜35℃で30分撹拌した後、モノクロロベンゼン層を分取した。次いで、得られたモノクロロベンゼン層を水50gで洗浄した後、モノクロロベンゼンを留去して淡黄色の濃縮物46.1gを得た。ビス(4−メチルフェニル)スルホキシドに対するビス(4−メチルフェニル)(4−エトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファートの収率は96.0%であり、HPLC分析による純度は98.7%であった。
実施例7
<ビス(4−メトキシフェニル)[5−(チオフェン−2−イルチオ)−チオフェン−2−イル]テトラキスペンタフルオロフェニルボレートの作製>
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた100mL容の四つ口フラスコに、ビス(4−メトキシフェニル)スルホキシド5.2g(0.02モル)、2,2’−ジチエニルスルフィド4.0g(0.02モル)、酢酸9.6g(0.16モル)および塩化アルミニウム0.03g(0.0002モル)を仕込み、内温を5〜15℃に保ちながら、濃硫酸13.7g(0.14モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度に維持しながら4時間撹拌し、更に20〜25℃で2時間攪拌することにより、縮合反応物の反応溶液を得た。ビス(4−メトキシフェニル)スルホキシドの反応率は96.5%であった。
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた300mL容の四つ口フラスコに、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム(73wt%−ジエチルエーテル錯体)18.8g(0.02モル)、水100gおよびモノクロロベンゼン50gを仕込み、内温を30〜50℃に保ちながら30分かけて前記反応溶液の全量を滴下した。さらに、40〜50℃で30分撹拌した後、モノクロロベンゼン層を分取した。次いで、得られたモノクロロベンゼン層を水50gで洗浄した後、モノクロロベンゼンを留去して淡黄色の濃縮物21.6gを得た。ビス(4−メトキシフェニル)スルホキシドに対するビス(4−メトキシフェニル)[5−(チオフェン−2−イルチオ)−チオフェン−2−イル]テトラキスペンタフルオロフェニルボレートの収率は96.2%であり、HPLC分析による純度は96.1%であった。
実施例8
<ジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの作製>
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた100mL容の四つ口フラスコに、ジフェニルスルホキシド20.2g(0.10モル)、アニソール11.9g(0.11モル)、メタンスルホン酸28.8g(0.30モル)および塩化鉄(III)(無水)0.10g(0.0006モル)を仕込み、内温を5〜15℃に保ちながら、濃硫酸30.3g(0.30モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度に維持しながら4時間撹拌することにより、縮合反応物の反応溶液を得た。ジフェニルスルホキシドの反応率は99.6%であった。
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム30.1g(0.105モル)、水100gおよびモノクロロベンゼン100gを仕込み、内温を25〜35℃に保ちながら30分かけて前記反応溶液の全量を滴下した。さらに、30〜35℃で30分撹拌した後、モノクロロベンゼン層を分取した。次いで、得られたモノクロロベンゼン層を水50gで洗浄した後、モノクロロベンゼンを留去して淡黄色の濃縮物56.3gを得た。ジフェニルスルホキシドに対するジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの収率は98.2%であり、HPLC分析による純度は99.3%であった。
比較例1(実施例1に対応:AlCl なし)
実施例1において塩化アルミニウムを使用しなかった以外は同様に反応を行ったが、ジフェニルスルホキシドの反応率はわずか10%であった。その後、更に20〜25℃で3時間攪拌を継続したが、ジフェニルスルホキシドの反応率は20%であり、目的のスルホニウム塩であるジフェニル(4−エトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスファートの生成収率は10%であった。
比較例2(実施例2に対応:メタンスルホン酸及び濃硫酸なし)
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた200mL容の四つ口フラスコに、アニソール11.9g(0.11モル)、モノクロロベンゼン100gおよび塩化アルミニウム26.7g(0.20モル)を仕込み、内温を20〜30℃に保ちながら、ジフェニルスルホキシド20.2g(0.10モル)を1時間かけて分割添加した。添加終了後、同温度に維持しながら5時間撹拌したが、反応は全く進行しなかった。
以上の結果から、本発明の製造方法によれば、例えば光酸発生剤あるいは光カチオン重合開始剤として有用なトリアリールスルホニウム塩を、簡便に、高収率、高純度で製造することができることがわかった。

Claims (4)

  1. 式(1):
    Figure 0006112813
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して、置換基を有してもよい単環式炭素環基、置換基を有してもよい縮合多環式炭素環基、または置換基を有してもよい単環式複素環基を示す。)で表されるジアリールスルホキシド(a)、および芳香族化合物(b)を、ルイス酸(c)、スルホン酸および/またはカルボン酸(d)、ならびに硫酸の存在下で反応させた後、
    無機酸のアルカリ金属塩、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアルカリ金属塩、又は有機酸のアンモニウム塩と反応させ、式(2)
    式(2):
    Figure 0006112813
    (式中、RおよびRは前記に同じであり、Rは、RおよびRから独立して、置換基を有してもよい単環式炭素環基、置換基を有してもよい縮合多環式炭素環基または置換基を有してもよい単環式複素環基を示す。Xは、無機酸イオンまたは有機酸イオンを示す。)で表されるトリアリールスルホニウム塩を製造する方法において、
    前記ルイス酸(c)の使用割合が、前記ジアリールスルホキシド(a)1モルに対して0.0001〜0.1モルである、トリアリールスルホニウム塩を製造する方法
  2. 芳香族化合物(b)がアリールアルキルエーテル、ポリアリールエーテル、アリールアルキルスルフィド、ポリアリールスルフィド、および置換基を有してもよいチオフェンからなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載のトリアリールスルホニウム塩を製造する方法。
  3. ルイス酸(c)が塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化鉄、臭化鉄、塩化亜鉛、および臭化亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1または2に記載のトリアリールスルホニウム塩を製造する方法。
  4. スルホン酸および/またはカルボン酸(d)が、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載のトリアリールスルホニウム塩を製造する方法。
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