JP6112664B2 - 作業用機械の油圧走行装置 - Google Patents

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Description

本発明は、左右の走行体を駆動する、作業用機械の油圧走行装置に関する。
従来より、左右の走行体(クローラ等)を駆動させるための油圧走行装置がある(例えば特許文献1〜3など)。特許文献1〜3に記載の油圧走行装置では、左右の走行回路が独立している。この油圧走行装置では、左右の走行回路それぞれが、走行体を駆動させるモータと、モータに油を供給するポンプと、を備えている。この油圧走行装置では、直進走行を行う場合、左右のモータの回転数が同一となるように制御される。
[従来技術1]特許文献1に記載の技術では、左右の走行回路が独立している。そのため、操作レバーで直進操作(直進走行をするための操作)が行われても、左右のモータ(42L,42R)の回転数に差が生じるおそれがある。その結果、走行偏向が生じる(直進しない、曲がる)おそれがある。
[従来技術2]特許文献2に記載の技術には、左右の走行回路を連通させる弁装置(23)がある。この弁装置(23)により、左右のモータに供給される油の流量を等しくすることで、走行偏向の抑制を図っている。特許文献2の[要約]には、次の記載がある(同文献に記載の符号に括弧を付した)。「走行操作レバー(15a,16a)が前進及び後進のいずれか一方の同方向にフル入力操作されたときは弁装置(23)を遮断位置から絞り連通位置に切り換え、それ以外のときは弁装置(23)を遮断位置に保持する」。
[従来技術3]特許文献3に記載の技術には、[従来技術2]の弁装置(23)と同様に、左右の走行回路を連通させる切替弁(5)がある。特許文献3の[要約]には、次の記載がある(同文献に記載の符号に括弧を付した)。「登坂直進走行と判別されると前記切替弁(5)が閉じて左右走行モータ(3,4)へ前記油圧ポンプ(1,2)から個別に作動圧油が供給される」
特開2009−293669号公報 特開2006−82767号公報 特開2002−38530号公報
上記[従来技術2]では、走行体がスリップ(地面に対して走行体が滑る状態)から抜け出すことができないおそれがある。詳細は次の通りである。[従来技術2]では、弁装置(23)を連通位置とするか否かを、左右両方の走行操作レバー(15a,16a)がフル入力操作されたか否かで判断している。ここで、弁装置(23)が連通位置のときに、左右の走行体のうち片方が、ぬかるみに入る等によりスリップに陥ったとする。すると、ポンプの吐出油は、スリップしている走行体を駆動する側(負荷の軽い側)のモータに流れ(とられ)、スリップしていない走行体を駆動する側(負荷の大きい側)のモータには供給されない(又はほとんど供給されない)。そのため、スリップしている走行体がさらにスリップし、スリップしていない走行体は駆動しない(又はほとんど駆動しない)。そのため、作業用機械はスリップから抜け出すことが困難となり、作業用機械での作業性が損なわれる。
上記[従来技術3]では、平地走行状態のときに、走行体がスリップから抜け出せないおそれがある。詳細は次の通りである。[従来技術3]では、登坂直進走行と判別されると、切替弁(5)が閉じる。その結果、スリップしていない走行体を駆動する側のモータにポンプから油が供給されるので、作業用機械は走行でき、スリップから抜け出せる。このように、登坂直進走行と判別された場合には、[従来技術2]の問題が抑制される。しかし、特許文献3の図3に記載のように、登坂直進走行と判別されない場合(例えば平地直進走行の場合)には、切替弁が開かれ(S8)、左右の走行モータ連通回路が連通する(S9)。そのため、平地走行状態では、走行体がスリップから抜け出せないおそれがある。
そこで本発明は、走行偏向を抑制できる構成を備えるにもかかわらず、平地走行状態でのスリップを抑制できる、作業用機械の油圧走行装置を提供することを目的とする。
本発明の作業用機械の油圧走行装置は、左走行装置および右走行装置と、前記左走行装置と前記右走行装置とにつながれる連通弁と、前記左走行装置、前記右走行装置、及び前記連通弁の動作を制御するコントローラと、を備える。前記左走行装置および前記右走行装置それぞれは、走行体と、前記走行体を駆動させる油圧式のモータと、前記モータに油を供給するポンプと、前記ポンプから前記モータに供給される油が通る油路と、前記走行体を操作するための操作レバーと、前記走行体の状態を検出するスリップ状態検出手段と、を備える。前記スリップ状態検出手段は、前記走行体がスリップしている可能性がある状態である第1状態と、前記走行体がスリップしている可能性がない状態である第2状態と、を検出可能である。前記コントローラは、左右の前記操作レバーが同方向に操作されるとともに左右の前記操作レバーの操作量の差が直進判定用設定値以下の場合に、左右の前記操作レバーによる直進操作があると判定する。前記コントローラは、前記スリップ状態検出手段が前記第1状態を検出した場合、前記連通弁を遮断状態とすることで、前記左走行装置および前記右走行装置それぞれの前記油路どうしを独立させる。前記コントローラは、前記直進操作があると判定し、かつ、前記スリップ状態検出手段が前記第2状態を検出した場合、前記連通弁を連通状態とすることで、前記左走行装置および前記右走行装置それぞれの前記油路どうしを連通させる。
上記構成により、走行偏向を抑制できる構成を備えるにもかかわらず、平地走行状態でのスリップを抑制できる。
油圧走行装置1の回路図である。 図1に示す油圧走行装置1の動作のフローチャートである。 図2に示す「左モータ状態判定S30L」等のフローチャートである。 第2実施形態の油圧走行装置201の回路図である。 図4に示す油圧走行装置201の動作のフローチャートである。 第2実施形態の変形例の動作のフローチャートである。 (a):図4に示す油圧走行装置201の一部を示す図であり、スリップなしの状態を示す図である。(b):一方の走行体がスリップしている状態を示す図であり、図7(a)相当図である。 第3実施形態の油圧走行装置301の回路図である。 図8に示す油圧走行装置301の動作のフローチャートである。 第4実施形態の油圧走行装置401の回路図である。 図10に示す油圧走行装置401の動作のフローチャートである。 図11に示す「モータ,ポンプ容量制御S450」のフローチャートである。 図10に示す操作レバー37Lの操作量(レバー操作量)と、図12に示すポンプ容量指令(S453,S463,S473)と、の関係を示すグラフである。
(第1実施形態)
図1〜図3を参照して第1実施形態の油圧走行装置1について説明する。
油圧走行装置1は、油圧により作業用機械を走行させるための装置である。この作業用機械は、例えばショベル等である。油圧走行装置1は、左走行装置10Lと、右走行装置10Rと、連通弁51と、連通弁制御弁53と、コントローラ60と、を備える。左走行装置10Lの構成と右走行装置10Rの構成とは同様であるので、左走行装置10Lについて詳細に説明し、右走行装置10Rの詳細な説明は省略する。
左走行装置10Lは、走行体11Lの駆動や制御を行うための装置である。左走行装置10Lは、走行体11Lと、走行回路21L〜27Lと、制御機器類30〜37Lと、センサ類41L〜47Lと、を備える。
走行体11Lは、地面と接し、作業用機械を走行させる部分である。走行体11Lは、例えばクローラである。
走行回路21L〜27Lは、走行体11Lを駆動させるための回路である。走行回路21L〜27Lは、モータ21Lと、ポンプ23Lと、油路25Lと、走行制御弁27Lと、を備える。
モータ21Lは、走行体11Lを駆動させる、走行用モータである。モータ21Lは、油(圧油、作動油)が供給されることで駆動する、油圧式のモータ(油圧モータ)である。モータ21Lの容量は可変である。モータ21Lの容量は、モータ21Lの傾転角に応じて変わる。モータ21Lの傾転角を大きくするほど、モータ21Lの容量が大きくなる。モータ21Lの容量は、複数段に切替可能である。モータ21Lの容量は、「1速」(大傾転モード、大容量モード)と、「2速」(小傾転モード、小容量モード)と、の2段階に切替可能である。「1速」は、例えばモータ21Lの最大容量(又はその近傍)である。「2速」は、「1速」よりも小さい容量である。なお、モータ21Lの容量は、3段階以上に切替可能でもよい。
ポンプ23Lは、モータ21Lに油を供給する、油圧式のポンプ(油圧ポンプ)である。ポンプ23Lの容量は可変である。ポンプ23Lの容量は、ポンプ23Lの傾転角に応じて変わる。ポンプ23Lの傾転角を大きくするほど、ポンプ23Lの容量が大きくなる。ポンプ23Lの駆動源は、例えばエンジンE(図10参照)である。ポンプ23Lの駆動源には電動機(図示なし)が含まれてもよい。
油路25Lは、ポンプ23Lとモータ21Lとにつながれる。油路25Lでは、ポンプ23Lからモータ21Lに供給される油が通る。油路25Lのうち、ポンプ23Lと走行制御弁27Lとの間の部分を油路25aLとし、走行制御弁27Lとモータ21Lとの間の部分を油路25bLとする。
走行制御弁27Lは、ポンプ23Lからモータ21Lに供給される油の流量や方向を切り替える弁(コントロールバルブ)である。走行制御弁27Lは、モータ21Lの回転方向や回転速度を制御する弁である。走行制御弁27Lは、ポンプ23Lとモータ21Lとの間(油路25L上)に設けられる。
制御機器類30〜37Lは、走行回路21L〜27Lの動作を制御する。制御機器類30〜37Lは、制御用ポンプ30と、モータ容量制御手段31aL・31bLと、ポンプ容量制御手段33aL・33bLと、操作レバー37Lと、を備える。
制御用ポンプ30(コントロール用ポンプ)は、制御用の油圧(パイロット圧)の圧源であり、油圧ポンプである。制御用ポンプ30は、モータ容量制御手段31aL・31bLと、ポンプ容量制御手段33aL・33bLと、操作レバー37Lと、に制御用の油圧を供給する。1つの制御用ポンプ30は、左走行装置10Lと右走行装置10Rとに油圧を供給する。なお、左走行装置10L用の制御用ポンプ30とは別に、右走行装置10Rの制御用ポンプ30が設けられてもよい(図示なし)。
モータ容量制御手段31aL・31bLは、モータ21Lの容量を変える(制御する、切り替える)。モータ容量制御手段31aL・31bLは、傾転切替ピストン31aLと、傾転切替ピストン制御弁31bLと、を備える。傾転切替ピストン31aLは、制御用ポンプ30から供給される油圧により駆動することで、モータ21Lの傾転角を変える。傾転切替ピストン制御弁31bLは、制御用ポンプ30から傾転切替ピストン31aLに供給される油圧を制御する弁である。傾転切替ピストン制御弁31bLは、例えば電磁切替弁である。
ポンプ容量制御手段33aL・33bLは、ポンプ23Lの容量を変える(制御する、調整する)。ポンプ容量制御手段33aL・33bLは、レギュレータ33aLと、レギュレータ制御弁33bLと、を備える。レギュレータ33aLは、制御用ポンプ30から供給される油圧により駆動することで、ポンプ23Lの傾転角を変える。レギュレータ制御弁33bLは、制御用ポンプ30からレギュレータ33aLに供給される油圧を制御する弁である。レギュレータ制御弁33bLは、例えば電磁比例弁である。
操作レバー37Lは、走行体11Lを操作するための手段(走行操作レバー)である。操作レバー37Lは、作業用機械の操作者(オペレータ)に操作される。操作レバー37Lの操作方向f・rに応じて、走行体11Lの前進と、走行体11Lの後退と、が切り替わる。操作レバー37Lの操作量(レバー操作量)に応じて、走行体11Lの走行速度の大きさが変わる。操作レバー37Lの操作により、走行制御弁27Lが動作する。操作レバー37Lの操作量および操作方向f・rに応じて、制御用ポンプ30から走行制御弁27Lに供給されるパイロット圧が変わる。
センサ類41L〜47Lは、走行回路21L〜27Lや制御機器類30〜37Lの状態を検出する。センサ類41L〜47Lは、モータ前後圧センサ41L(スリップ状態検出手段、走行状態検出手段)と、操作量センサ47Lと、を備える。
モータ前後圧センサ41Lは、モータ21Lの吸込口(入口)と吐出口(出口)との差圧(前後差圧)を検出するための、2つのセンサである。モータ前後圧センサ41Lは、走行体11Lがスリップしている(第1状態)か、スリップしていない(第2状態)か、を検出するために設けられる(スリップ状態検出手段)。モータ前後圧センサ41Lは、作業用機械の走行状態が、登坂走行状態、平地走行状態、及び降坂走行状態のうち、どの状態であるかを検出するために設けられる(走行状態検出手段)。モータ前後圧センサ41Lの検出結果に基づいて、コントローラ60によりモータ21Lの前後差圧が算出される。モータ前後圧センサ41Lの検出結果に基づくモータ21Lの前後差圧を、モータ前後差圧ΔPlとする。なお、右走行装置10Rのモータ前後圧センサ41Rの検出結果に基づくモータ21Rの前後差圧を、モータ前後差圧ΔPrとする。
操作量センサ47Lは、操作レバー37Lの操作量および操作方向f・rを検出する手段(操作量検出手段)である。操作量センサ47Lは、操作レバー37Lから走行制御弁27Lに供給されるパイロット圧を検出する圧力センサである。操作量センサ47Lは、前進操作(操作方向f)の検出用のセンサと、後進操作(操作方向r)の検出用のセンサと、の2つのセンサを備える。なお、操作量センサ47Lは、電気式の操作レバー37L(図示なし)から出力される電気信号を検出することで、操作レバー37Lの操作量および操作方向f・rを検出するもの等でもよい。
右走行装置10Rは、上述したように左走行装置10Lと同様の構成要素を備える。なお、右走行装置10Rの各構成要素の符号は、左走行装置10Lの各構成要素の符号の末尾の「L」を「R」に読み替えたものである。具体的には例えば、右走行装置10Rのモータ21Rの符号は、左走行装置10Lのモータ21Lの末尾の「L」を「R」に読み替えた「21R」である。
連通弁51は、左走行装置10Lと右走行装置10Rとにつながれる。連通弁51は、左右の走行回路(走行回路21L〜27Lと走行回路21R〜27Rと)につながれる。連通弁51は、油路25Lと油路25Rとにつながれる。連通弁51は、油路25aLと油路25aRとにつながれる。連通弁51は、油路25bLと油路25bRとにつながれてもよい(図示なし)。連通弁51は、油路25Lと油路25Rとを、連通および遮断する。連通弁51は、2位置切替弁である。連通弁51の切替位置は、連通弁51に入力されるパイロット圧に応じて切り替わる。連通弁51の切替位置には、遮断位置51a(遮断状態)と連通位置51b(連通状態)とがある。
遮断位置51a(遮断状態)は、左走行装置10Lおよび右走行装置10Rそれぞれの油路どうしを(油路25Lと油路25Rとを)独立させる(遮断する)切替位置である。
連通位置51b(連通状態)は、左走行装置10Lおよび右走行装置10Rそれぞれの油路どうしを(油路25Lと油路25Rとを)連通させる切替位置である。
連通弁制御弁53は、連通弁51の切替位置(遮断位置51aと連通位置51bと)を切り替える。連通弁制御弁53は、制御用ポンプ30から連通弁51に供給されるパイロット圧を制御する。連通弁制御弁53は、例えば電磁比例弁である。
コントローラ60は、信号の入出力や演算(算出、判定)を行う。コントローラ60には、センサ類41L〜47L・41R〜47Rから検出結果が入力される。コントローラ60には、モータ前後圧センサ41L・41Rから、モータ21L・21Rそれぞれの吸込口および吐出口の圧力(合計4か所の圧力)が入力される。コントローラ60には、操作量センサ47L・47Rから、操作レバー37L・37Rの操作方向f・rおよび操作量が入力される。コントローラ60は、左走行装置10L、右走行装置10R、及び連通弁51の動作を制御する。コントローラ60は、傾転切替ピストン制御弁31bL・31bRを制御(励磁・非励磁)して、傾転切替ピストン31aL・31aRを駆動させることで、モータ21L・21Rの容量を変える(調整する)。コントローラ60は、レギュレータ制御弁33bL・33bRを制御(励磁・非励磁)して、レギュレータ33aL・33aRを駆動させることで、ポンプ23L・23Rの容量を変える。コントローラ60は、連通弁制御弁53を制御(励磁・非励磁)して、連通弁51の状態(切替位置、遮断位置51aと連通位置51bと)を切り替える。
(動作)
油圧走行装置1の動作の概略は次の通りである(以下、上述した油圧走行装置1の各構成要素10L〜60については図1参照)。図2に示すように、コントローラ60は、操作レバー37L・37Rによる直進操作があるか否か(「直進操作あり」か否か)を判定する(S11)。「直進操作あり」の場合、モータ前後圧センサ41L・41R及びコントローラ60は、走行体11Lが「スリップあり」(第1状態)か「スリップなし」(第2状態)のうちどちらであるかを検出及び判定する(S21、S30L、及びS30R)。コントローラ60は、「スリップあり」の場合(S41でYES)、連通弁51を遮断位置51aとする(S43)。コントローラ60は、「スリップなし」の場合(S41でNO)、連通弁51を連通位置51bとする(S45)。以下、油圧走行装置1の動作の詳細を説明する。
ステップS11では、左右の操作レバー37L・37Rによる直進操作があるか否か(「直進操作あり」か「直進操作なし」か)が、コントローラ60により判定される。ステップS11では、走行体11L・11Rでの走行偏向が問題となる可能性がある状態か否かが判定される。次の[条件a]及び[条件b]が満たされる場合に、「直進操作あり」と判定される。[条件a]及び[条件b]の少なくともいずれかが満たされない場合に、「直進操作なし」と判定される。
[条件a]左右の操作レバー37L・37Rが同方向に操作される(操作レバー37Lと操作レバー37Rとで操作方向f又はrが同じである)。
[条件b]左右の操作レバー37Lの操作量の差が、直進判定用設定値以下である。この直進判定用設定値は、コントローラ60に予め設定される。
このステップS11で「直進操作あり」と判定される場合には、例えば、操作レバー37L・37Rを同方向にフルレバーとした場合などがある。「直進操作なし」と判定される場合には、例えば、操作レバー37L・37Rの操作がない場合(操作量が0の場合)や、ステアリング操作がされた場合がある(図1では「ステアリング操作」のみ記載)。「直進操作あり」と判定された場合(YES)、ステップS21に進む。「直進操作なし」と判定された場合(NO)、ステップS13に進む。
ステップS13では、連通弁51が遮断位置51aとされる。そして、左右のモータ21L・21Rが互いに異なる回転速度で駆動させられる。次に、「リターン」に進む、すなわち「スタート」に戻る。
ステップS21では、モータ21Lのモータ前後差圧ΔPlと、モータ21Rのモータ前後差圧ΔPrと、がコントローラ60により算出される。コントローラ60は、モータ前後圧センサ41L・41Rからコントローラ60に入力された検出結果に基づいて、モータ前後差圧ΔPlおよびモータ前後差圧ΔPrを算出する。次に、図3に示す左モータ状態判定S30L、及び、右モータ状態判定S30Rに進む。左モータ状態判定S30Lと右モータ状態判定S30Rとは同様のフローを有するので、左モータ状態判定S30Lについて説明し、右モータ状態判定S30Rの説明は省略する。
左モータ状態判定S30Lでは、走行体11Lが「スリップあり」(後述)か否かが判定される。また、左モータ状態判定S30Lでは、作業用機械の走行状態(登坂走行状態、平地走行状態、降坂走行状態)の判定が行われる。左モータ状態判定S30Lでは、「登坂スリップなし」、「平地スリップなし」、「降坂スリップなし」、及び「スリップあり」のうちどの状態に該当するかが判定される。「登坂スリップなし」は、作業用機械の走行状態が登坂走行状態であり、走行体11Lが地面に対してスリップしていない(グリップしている)状態である。「平地スリップなし」は、作業用機械の走行状態が平地走行状態であり、走行体11Lが地面に対してスリップしていない状態である。「降坂スリップなし」は、作業用機械の走行状態が降坂走行状態であり、走行体11Lが地面に対してスリップしていない状態である。「スリップあり」は、走行体11Lが地面に対してスリップしている状態である。なお、「スリップあり」か「スリップなし」かの判定のみが行われ、走行状態の判定が行われなくてもよい(第2、第3実施形態も同様)。
ステップS31では、モータ前後差圧ΔPlが設定値ΔPs1以上(ΔPl≧ΔPs1)か否かが判定される。設定値ΔPs1(第一モータ前後差圧設定値)は、コントローラ60に予め設定される。設定値ΔPs1は、操作レバー37Lの操作量(レバー操作量)に基づいて決まる値である。コントローラ60には、設定値ΔPs1とレバー操作量との関係(マップ)が予め設定される。ΔPl≧ΔPs1(YES)の場合、「平地スリップなし」又は「登坂スリップなし」と判定され(S31y)、ステップS33に進む。ΔPl<ΔPs1(NO)の場合、「降坂スリップなし」又は「スリップあり」と判定され(S31n)、ステップS35に進む。
ステップS33では、モータ前後差圧ΔPlが設定値ΔPs2以上(ΔPl≧ΔPs2)か否かが判定される。ステップS33では、「登坂スリップなし」か、「平地スリップなし」か、が判定される。設定値ΔPs2(第二モータ前後差圧設定値)は、コントローラ60に予め設定される。設定値ΔPs2は、設定値ΔPs1と同様に、操作レバー37Lの操作量(レバー操作量)に基づいて決まる値である。設定値ΔPs2は、設定値ΔPs1よりも大きい値である。ΔPl≧ΔPs2(YES)の場合、「登坂スリップなし」と判定され(S33y)、ステップS41(図2参照)に進む。ΔPl<ΔPs2(NO)の場合(ΔPs1≦ΔPl<ΔPs2の場合)、「平地スリップなし」と判定され(S33n)、ステップS41(図2参照)に進む。
ステップS35では、モータ前後差圧ΔPlが0未満(ΔPl<0)か否かが判定される。ステップS35では、「降坂スリップなし」か、「スリップあり」か、が判定される。ΔPl<0(YES)の場合、「降坂スリップなし」と判定され(S35y)、ステップS41(図2参照)に進む。ΔPl≧0(NO)の場合(0≦ΔPl<ΔPs1の場合)、「スリップあり」と判定され(S35n)、図2に示すステップS41に進む。
ステップS41では、左走行装置10Lの走行体11Lおよび右走行装置10Rの走行体11Rのうち、少なくとも一方が「スリップあり」か否かが判定される。走行体11L・11Rの一方又は両方が「スリップあり」(YES)の場合、ステップS43に進む。左右の走行体11L・11Rの両方が「スリップなし」(NO)の場合、ステップS45に進む。
ステップS43では、連通弁51が遮断位置51aとされる。その結果、走行回路21L〜27Lと走行回路21R〜27Rとが独立する。その結果、ポンプ23Lの吐出油はモータ21Lに供給され、ポンプ23Rの吐出油はモータ21Rに供給される。その結果、スリップしていない側(又はスリップの度合いが小さい側)の走行体11L又は11Rを駆動するモータ21L又は21Rに、確実に油が供給される。その結果、作業用機械はスリップから脱しやすい。次に、「リターン」に進む。
ステップS45では、連通弁51が連通位置51bとされる。その結果、走行回路21L〜27Lと走行回路21R〜27Rとが連通する。その結果、ポンプ23L及びポンプ23Rの吐出油は、モータ21L及びモータ21Rに供給される。このとき、モータ21Lに供給される油の流量と、モータ21Rに供給される油の流量とは、等しくなる(又はほぼ等しくなる)。その結果、走行体11Lの走行速度と走行体11Rの走行速度とが等しくなる。その結果、作業用機械が走行偏向することなく直進する。次に、「リターン」に進む。
(効果1(発明1))
図1に示す油圧走行装置1による効果を説明する。油圧走行装置1は、左走行装置10Lおよび右走行装置10Rと、左走行装置10Lと右走行装置10Rとにつながれる連通弁51と、左走行装置10L、右走行装置10R、及び連通弁51の動作を制御するコントローラ60と、を備える。左走行装置10L(及び右走行装置10R)は、走行体11L(11R)と、走行体11L(11R)を駆動させる油圧式のモータ21L(モータ21R)と、モータ21L(21R)に油を供給するポンプ23L(23R)と、ポンプ23L(23R)からモータ21L(21R)に供給される油が通る油路25L(25R)と、走行体11L(11R)を操作するための操作レバー37L(37R)と、走行体11L(11R)の状態を検出するモータ前後圧センサ41L(41R)(スリップ状態検出手段)と、を備える。モータ前後圧センサ41L(41R)は、「スリップあり」(走行体11L(11R)がスリップしている可能性がある状態である第1状態)と、「スリップなし」(走行体11L(11R)がスリップしている可能性がない状態である第2状態)と、を検出可能である。コントローラ60は、左右の操作レバー37L・37Rが同方向に操作されるとともに左右の操作レバー37L・37Rの操作量の差が直進判定用設定値以下の場合に、「直進操作あり」(左右の操作レバー37L・37Rによる直進操作がある)と判定する。
[構成1−1]コントローラ60は、モータ前後圧センサ41L・41Rが「スリップあり」を検出した場合(図2のS41でNO)、連通弁51を遮断位置51aとする(図2のS45)。これにより、左走行装置10Lおよび右走行装置10Rそれぞれの油路25L・25Rどうしを独立させる。
[構成1−2]コントローラ60は、「直進操作あり」と判定し(図2のS11でYES)、かつ、モータ前後圧センサ41L・41R(両方)が「スリップなし」を検出した場合(図2のS41でNO)、連通弁51を連通位置51bとする(図2のS43)。これにより、左走行装置10Lおよび右走行装置10Rそれぞれの油路25L・25Rどうしを連通させる。
上記[構成1−2]では、「直進操作あり」かつ「スリップなし」の場合に、左走行装置10Lおよび右走行装置10Rそれぞれの油路25L・25Rどうしが連通する。よって、左右のモータ21L・21Rに供給される油の流量を等しくできる。よって、左右のモータ21L・21Rの回転速度を等しく(又はほぼ等しく)できる。よって、左右の走行体11L・11Rの走行偏向を抑制できる。
上記[構成1−1]では、「スリップあり」の場合に、左走行装置10Lおよび右走行装置10Rそれぞれの油路25L・25Rどうしが独立する。よって、ポンプ23Lからモータ21Lに油が供給されるとともに、ポンプ23Rからモータ21Rに油が供給される。よって、スリップしていない(又はスリップの度合いが小さい)走行体11L又は11Rを駆動するモータ21L又は21Rに、確実に油が供給される。その結果、走行体11L・11Rはスリップから脱出しやすい。ここで、上記「スリップあり」の判定は、平地走行状態でもなされる。したがって、油圧走行装置1は、上記[構成1−2]のように走行偏向を抑制できる構成を備えるにもかかわらず、平地走行状態でのスリップを抑制できる。
(効果2(発明2))
[構成2]「スリップ状態検出手段」は、モータ21Lの前後差圧を検出するモータ前後圧センサ41L・41Rを備える。
上記[構成2]では、作業用機械の走行状態が、登坂走行状態、平地走行状態、及び降坂走行状態、のどの状態であっても、「スリップあり」か「スリップなし」かを確実に判定できる(図3のS30R(S30L)参照)。
(第2実施形態)
図4及び図5を参照して、図4に示す第2実施形態の油圧走行装置201について、第1実施形態の油圧走行装置1(図1参照)との相違点を説明する。
「スリップ状態検出手段」および「走行状態検出手段」は、第1実施形態では、図1に示すモータ前後圧センサ41L・41Rであったが、第2実施形態では、図4に示すポンプ圧センサ243L・243Rである。
第1実施形態では、図3に示すようにモータ前後差圧ΔPl・ΔPrにより、「スリップあり」か、「スリップなし」か、が判定された(図3のS30L(S30R))。一方、第2実施形態では、図5に示すようにポンプ圧平均値Paにより、「スリップあり」又は降坂走行状態(第1状態、S231でYES)か、「平地スリップなし」又は「登坂スリップなし」(第2状態、S231でNO)か、が判定される。
図1に示す第1実施形態では、「直進操作あり」(図2のS11でYES)かつ「降坂スリップなし」の場合(S41でNO)、連通弁51が連通位置51bとされ(S45)、また、「直進操作あり」かつ「スリップあり」の場合(S41でYES)、連通弁51が遮断位置51aとされた(S43)。一方、第2実施形態では、「直進操作あり」(図5のS11でYES)かつ降坂走行状態の場合(図5のS231y)、スリップの有無にかかわらず連通弁51が遮断位置51aとされる(図5のS232)。
以下、上記相違点をさらに説明する。
ポンプ圧センサ243L・243R(スリップ状態検出手段、走行状態検出手段)は、図4に示すポンプ23L・23Rの吐出油の圧力(吐出圧)を検出する、圧力センサである。ポンプ圧センサ243L・243Rは、油路25L・25R(油路25aL・25aR)上に設けられる。ポンプ圧センサ243Lに検出されたポンプ23Lの吐出圧をポンプ圧Plとする。ポンプ圧センサ243Rに検出されたポンプ23Rの吐出圧をポンプ圧Prとする。
コントローラ260には、ポンプ圧センサ243L・243Rから、ポンプ圧Pl及びポンプ圧Prが入力される。
(動作)
油圧走行装置201の動作と、第1実施形態の油圧走行装置1(図1参照)の動作と、の相違点を図5を参照して説明する(油圧走行装置201の各構成要素10L〜260については図4参照)。
ステップS11で「直進操作あり」(YES)と判定された場合、ステップS221に進む。
ステップS221では、ポンプ23Lのポンプ圧Plと、ポンプ23Rのポンプ圧Prと、の平均値であるポンプ圧平均値Pa(図中「平均値Pa」)が、コントローラ260により算出される。次に、ステップS231に進む。
ステップS231では、ポンプ圧平均値Paが設定値Pas1未満(Pa<Pas1)か否かが判定される。ステップS231では、走行体11L・11Rがスリップしている可能性がある第1状態(「スリップあり」又は「降坂走行状態」(図中「降坂」))か、走行体11L・11Rがスリップしている可能性がない第2状態(「登坂スリップなし」又は「平地スリップなし」)か、が判定される。設定値Pas1(第一ポンプ圧平均値設定値)はコントローラ260に予め設定される。設定値Pas1は、第1実施形態で用いられた設定値ΔPs1(図3のS31参照)と同様に、操作レバー37L・37Rの操作量に基づいて決まる。Pa<Pas1(YES)の場合、第1状態(「スリップあり」又は「降坂走行状態」)と判定され(S231y)、ステップS232に進む。Pa≧Pas1(NO)の場合、第2状態(「登坂スリップなし」又は「平地スリップなし」)と判定され、ステップS233に進む。
ステップS232では、連通弁51が遮断位置51aとされる。第1実施形態では、「スリップあり」の場合のみ、連通弁51が遮断位置51aとされた(図2のS41でYES,S43)。一方、第2実施形態では、「スリップあり」の場合だけでなく、降坂走行状態の場合も(スリップの有無にかかわらず)、連通弁51が遮断位置51aとされる。この理由は、「スリップ状態検出手段」がポンプ圧センサ243L・243Rの場合、降坂走行状態のときのスリップの有無の判定ができないからである。その結果、「直進操作あり」(S11でYES)かつ「降坂スリップなし」の場合、走行偏向が生じうる。しかし、油圧走行装置401では、走行偏向の抑制効果よりも、スリップ脱出の効果を優先させて、連通弁51を遮断位置51aとする。次に、「リターン」に進む。
ステップS233では、ポンプ圧平均値Paが設定値Pas2未満(Pa<Pas2)か否かが判定される。ステップS233では、「平地スリップなし」か、「登坂スリップなし」か、が判定される。設定値Pas2(第二ポンプ圧平均値設定値)は、コントローラ260に予め設定される。設定値Pas2は、第1実施形態の設定値ΔPs1(図3のS31)等と同様に、操作レバー37Lの操作量に基づいて決まる。設定値Pas2は、設定値Pas1よりも大きい値である。Pa<Pas2(YES)の場合(Pas1≦Pa<Pas2の場合)、「平地スリップなし」と判定され(S233y)、連通弁51が連通位置51bとされる(S45)。Pa≧Pas2(NO)の場合、「登坂スリップなし」と判定され(S233n)、連通弁51が連通位置51bとされる(S45)。なお、ステップS233は行われなくてもよい。次に、「リターン」に進む。
(効果3(発明3))
図4に示す油圧走行装置201による効果を説明する。
[構成3]「スリップ状態検出手段」は、ポンプ23L・23Rの吐出油の圧力を検出するポンプ圧センサ243L・243Rを備える。
上記[構成3]では、1つの走行装置(左走行装置10L又は右走行装置10R)につき、1つのポンプ圧センサ(ポンプ圧センサ243L又はポンプ圧センサ243R)を設けるのみで、第1状態および第2状態の検出ができる。よって、1つの走行装置(左走行装置10L又は右走行装置10R)につき複数のセンサが必要な場合(例えばモータ前後圧センサ41L(図1参照)では2つのセンサが必要)に比べ、スリップ状態検出手段に要するコストを削減できる。
(第2実施形態の変形例)
図6及び図7を参照して、図4に示す油圧走行装置201の動作の変形例について、図5に示す動作との相違点を説明する(油圧走行装置201の各構成要素10L〜260については図4参照)。
上記第2実施形態では、図5に示すように、ポンプ圧平均値Paにより、「スリップあり」又は降坂走行状態(第1状態、S231でYES)か、「平地スリップなし」又は「登坂スリップなし」(第2状態、S231でNO)か、が判定された。一方、図6に示すように、第2実施形態の変形例では、ポンプ差圧Pdにより(S221−1)、「スリップあり」(第1状態)か、スリップなし(第2状態)か、が判定される(S231−1)。以下、上記相違点をさらに説明する。
(動作)
ステップS221−1では、ポンプ差圧Pd(図6中「差圧Pd」)がコントローラ260により算出される。ポンプ差圧Pdは、ポンプ23Lのポンプ圧Plと、ポンプ23Rのポンプ圧Prと、の差圧の絶対値である(Pd=|Pl−Pr|)。次に、ステップS231−1に進む。
ステップS231−1では、ポンプ差圧Pdが設定値Pds以上(Pd≧Pds)か否かが判定される。ステップS231−1では、走行体11L・11Rが「スリップあり」か否かが判定される。設定値Pds(ポンプ差圧設定値)は、コントローラ260に予め設定される。設定値Pdsは、第1実施形態で用いられた設定値ΔPs1(図3のS31参照)と同様に、操作レバー37L・37Rの操作量に基づいて決まる。
このステップS231−1で行われる、ポンプ差圧Pdに応じたスリップの有無の判定の詳細は次の通りである。左右の走行体11L・11R(図4参照)が「スリップなし」の場合、図7(a)に示すように、モータ21Lの負荷(負荷圧)とモータ21Rの負荷とは等しい(又はほぼ等しい)。一方、左右の走行体11L・11R(図4参照)のうち、片方の走行体(走行体11Lとする)がスリップし、他方の走行体11Rがスリップしていないとする。すると、図7(b)に示すように、モータ21Lの負荷は、モータ21Rの負荷よりも小さくなる。すると、ポンプ23Lの吐出圧Plが低下する。また、上述したように、ポンプ23Rの吐出油が、連通弁51を介してモータ21Lに流れる(とられる)。すると、連通弁51を流れる油の流量に応じた圧力が、連通弁51(及び連通弁51が設けられた流路)に生じる。そのため、ポンプ圧Prは、ポンプ圧Plよりも高くなる。よって、一方の走行体11L(図4参照)がスリップしている場合、両方の走行体11L・11R(図4参照)がスリップしていない場合に比べ、ポンプ差圧Pdが大きくなる。そこで、図6に示すように、このポンプ差圧PdがPds以上か否かの判定により、スリップの有無を判定する。Pd≧Pds(YES)の場合、「スリップあり」と判定され(S231−1y)、連通弁51が遮断位置51aとされ(S232)、「リターン」に進む。Pd<Pds(NO)の場合、「スリップなし」と判定され(S231−1n)、連通弁51が連通位置51bとされ(S45)、「リターン」に進む。なお、ポンプ差圧Pdと設定値Pdsとの比較(S231−1)のみでは、走行状態(降坂、平地、登坂)の判別は不可能である。また、図7(a)及び図7(b)に記載の「6MPa」等の具体的数値は、一例に過ぎない。また、図4では連通弁51を切替弁として示しているが、図7(a)及び図7(b)では連通弁51を可変絞りとして示している。
(効果4(発明4))
図4に示す油圧走行装置201の動作の変形例(図6参照)による効果を説明する。
[構成4]「スリップ状態検出手段」は、左走行装置10Lのポンプ23Lの吐出油のポンプ圧Plと、右走行装置10Rのポンプ23Rの吐出油のポンプ圧Prと、の差の絶対値(ポンプ差圧Pd)に基づいて、図6に示すように、「スリップあり」(S231−1y、第1状態)および「スリップなし」(S231−1n、第2状態)を検出する。
上記[構成4]では、1つの走行装置(左走行装置10L、右走行装置10R)あたり、1つのセンサ(ポンプ圧センサ243L、ポンプ圧センサ243R)を設けるのみで、「スリップあり」か「スリップなし」かを確実に判定できる(図6のS231−1y、S231−1n参照)。
(第3実施形態)
図8及び図9を参照して、図8に示す第3実施形態の油圧走行装置301について、第1実施形態の油圧走行装置1(図1参照)との相違点を説明する。
「スリップ状態検出手段」は、第1実施形態では、図1に示すモータ前後圧センサ41L・41Rであったが、第3実施形態では、図8に示すモータ回転速度センサ341L・341Rである。
第1実施形態では、モータ前後差圧ΔPl・ΔPrの大きさに基づいて、スリップの有無が判定された(図3のS30L(S30R))。一方、第3実施形態では、モータ回転速度Vl・Vrの大きさに基づいて、スリップの有無が判定される(図9のS321、S331等)。
なお、油圧走行装置301は、「走行状態判定手段」を備えない(備えてもよい)。以下、上記相違点をさらに説明する。
モータ回転速度センサ341L・341R(スリップ状態検出手段)は、モータ21L・21Rの回転速度を検出する。モータ回転速度センサ341L・341Rは、モータ21L・21Rの回転軸(駆動軸)の回転速度を検出する。モータ回転速度センサ341Lが検出したモータ21Lの回転速度を、モータ回転速度Vlとする。モータ回転速度センサ341Rが検出したモータ21Rの回転速度を、モータ回転速度Vrとする。
コントローラ360には、モータ回転速度センサ341L・341Rから、モータ回転速度Vl及びモータ回転速度Vrが入力される。
(動作)
油圧走行装置301の動作と、第1実施形態の油圧走行装置1(図1参照)の動作と、の相違点を図9を参照して説明する(油圧走行装置301の各構成要素10L〜360については図8を参照)。
ステップS11で「直進操作あり」(YES)と判定された場合、ステップS321に進む。
ステップS321では、モータ21Lのモータ回転速度Vlと、モータ21Rのモータ回転速度Vrと、が検出される。次に、ステップS331に進む。
ステップS331では、モータ回転速度Vl及びモータ回転速度Vrの少なくとも一方が設定値Vs以上(Vl≧Vs、or、Vr≧Vs)か否かが判定される。ステップS331では、走行体11L・11Rのスリップの有無が判定される。設定値Vs(モータ回転速度設定値)は、コントローラ360に予め設定される。設定値Vsは、第1実施形態の設定値ΔPs1(図3のS31)等と同様、操作レバー37Lの操作量に基づいて決まる。モータ回転速度Vl及びVrの両方または一方がVs以上(Vl≧Vs、or、Vr≧Vs)(YES)の場合、「スリップあり」と判定され(S331y)、連通弁51が遮断位置51aとされる(S43)。モータ回転速度Vl及びVr両方がVs未満(Vl<Vs、かつ、Vr<Vs)(NO)の場合、「スリップなし」と判定され(S331n)、連通弁51が連通位置51bとされる(S45)。次に、「リターン」に進む。
(効果5(発明2))
図8に示す油圧走行装置301による効果を説明する。
[構成4]「スリップ状態検出手段」は、モータ21L・21Rの回転速度を検出するモータ回転速度センサ341L・341Rを備える。
上記[構成4]では、走行体11L・11Rのスリップの有無を確実に判別できる(図9のS331)。
(第4実施形態)
図10〜図13を参照して、図10に示す第4実施形態の油圧走行装置401について、第3実施形態の油圧走行装置301(図8参照)との相違点を説明する。油圧走行装置401は、走行モード選択手段449と、第2実施形態と同様のポンプ圧センサ243L・243Rと、を備える。油圧走行装置401では、第2実施形態と同様にポンプ圧Pl・Prのポンプ圧平均値Paが算出される(図11のS221)。油圧走行装置401では、「モータ,ポンプ容量制御S450」(図11参照)が行われる。以下、上記相違点をさらに説明する。
走行モード選択手段449は、作業用機械の操作者が、複数の走行モードから1つの走行モードを選択(変更、切り替え)するための手段(スイッチやボタンなど)である。走行モード選択手段449は、作業用機械の操作者が、モータ21L・21Rの容量を選択(変更、切り替え)するための手段である。走行モード選択手段449が切替可能な走行モードの数(段数)は、モータ21Lの切替可能な容量の数(段数)と同じである。上述したように、モータ21L・21Rの容量は、例えば「1速」と「2速」との2段階に切り替え可能であるところ、走行モード選択手段449は、この「1速」と「2速」との選択が可能である。
コントローラ460には、走行モード選択手段449により選択されている走行モード(以下、単に「走行モード」ともいう)が入力される。
(動作)
油圧走行装置401の動作と、第3実施形態の油圧走行装置301(図8参照)の動作と、の相違点を図11及び図12を参照して説明する(油圧走行装置401の各構成要素10L〜460については図10参照)。
ステップS11で「直進操作あり」(YES)と判定された場合、図11に示すように、ステップS221に進む。ステップS221では、コントローラ460により、ポンプ圧平均値Paが算出される(第2実施形態参照)。次に、ステップS321に進み、コントローラ460により、モータ回転速度Vl・Vrが算出される(第3実施形態参照)。
モータ,ポンプ容量制御S450は、「直進操作なし」(S11でNO)と判定され、連通弁51が遮断位置51aとされる場合(S13)に行われる。また、モータ,ポンプ容量制御S450は、ステップS331で「スリップなし」(S331n)と判定され、連通弁51が連通位置51bとされる場合(S45)に行われる。
このモータ,ポンプ容量制御S450では、「省エネ動作」又は「通常動作」が行われる。
省エネ動作は、図10に示すエンジンE(ポンプ23L・23Rの駆動源)の燃費を低減させるための制御である。省エネ動作の概略は次の通りである。平地走行状態のときは、登坂走行状態や降坂走行状態に比べ、モータ21L・21Rのトルクの必要量は小さい。また、「スリップあり」の場合は「スリップなし」の場合に比べ、モータ21L・21Rのトルクの必要量は大きい。そこで、ポンプ容量制御S450では、次の動作が行われる。コントローラ460は、「平地スリップなし」の場合(図11のS331でNO、図12のS461でYES)、「登坂スリップなし」または「降坂スリップなし」の場合(図12のS461でNO)に比べ、モータ21Lの容量を小さくするとともに(図12のS471)ポンプ23Lの吐出量を小さくする(図12のS472,S473)。但し、走行モードが1速でない場合(2速の場合)は通常動作が行われる。
通常動作は、走行モードが2速の場合、登坂走行状態、及び降坂走行状態の少なくともいずれかの場合に行われる(図12のS451でNO、又は、S461でNO)。以下、図12に示すモータ,ポンプ容量制御S450の詳細を説明する。
ステップS451では、走行モードが「1速」か否かが判定される。さらに詳しくは、ステップS451では、モータ21L・21Rの容量を最大容量(又はその近傍)とすることを指示する走行モード(「1速」)が、走行モード選択手段449により選択されているか否かが判定される。走行モードが「1速」(YES)の場合、ステップS461に進む。走行モードが「1速」でない(NO、「2速」)の場合、ステップS452に進む。
(通常動作(走行モード2速))
ステップS452では、モータ21L・21Rの容量を、走行モード選択手段449により選択されている走行モード(「2速」)の通りとする。次に、ステップS453に進む。
ステップS453では、操作レバー37L及び操作レバー37Rの操作量(レバー操作量)に応じて、ポンプ23L・23Rの吐出量が調整(決定及び制御)される。ステアリング操作がされた場合(図11に示すS11でNO)は、左の操作レバー37Lの操作量に基づいてポンプ23Lの吐出量が調整され、また、右の操作レバー37Rの操作量に基づいてポンプ23Rの吐出量が調整される。ポンプ23L・23Rの吐出量は、ポンプ23L・23Rの容量と、ポンプ23L・23Rの回転数(エンジンEの回転数)と、により決まる。そこで、レバー操作量に応じたポンプ23L・23Rの吐出量の調整は、例えばポンプ23L・23Rの容量の調整により行われ、また例えば、エンジンEの回転数の調整により行われてもよく、また例えば、ポンプ23L・23Rの容量とエンジンEの回転数との調整により行われてもよい。以下では、レバー操作量に応じたポンプ23L・23Rの吐出量の調整が、ポンプ23L・23Rの容量の調整により行われる場合について説明する。図13に示すように、ポンプ23L・23Rの容量は、基準容量Qmax1を基準に、レバー操作量に応じて決定される。基準容量Qmax1は、通常動作時、かつ、操作レバー37L・37Rの操作量が最大値のときの、ポンプ23L・23Rの容量である。基準容量Qmax1は、例えば、ポンプ23L・23Rの容量の最大値(最大容量、最大傾転)である。操作レバー37L・37Rの操作量が0のとき、ポンプ23L・23Rの容量は最小容量(又はその近傍)に決定される。操作レバー37L・37Rの操作量が大きくなるほど、ポンプ23L・23Rの容量は大きい値に決定される。コントローラ460は、ポンプ23L・23Rの容量が上記の決定された値になるように、ポンプ23L・23Rの容量の制御を行う。ポンプ23L・23Rの容量は、例えば、ポジコン制御、ネガコン制御、ロードセンシング制御などにより制御される。
ステップS461では、ポンプ圧平均値Paが、設定値Pas1以上、かつ、設定値Pas2未満(Pas1≦Pa<Pas2)であるか否かが判定される(設定値Pas1及び設定値Pas2については、図5に示す第2実施形態のステップS231及びステップS233を参照)。ステップS461では、平地走行状態か否かが判定される。ステップS461では「省エネ動作」をするか否かが判定される。Pas1≦Pa<Pas2の場合(YESの場合、平地走行状態の場合)、ステップS471に進む。Pa<Pas1、又は、Pa≧Pas2の場合(NOの場合、登坂走行状態または降坂走行状態の場合)、ステップS462に進む。
(通常動作(走行モード1速))
ステップS462では、モータ21L・21Rの容量が、走行モード選択手段449により選択されている走行モード(「1速」)の通りとされる。次に、ステップS463に進む。
ステップS463では、ステップS453と同様に、操作レバー37L・37Rの操作量に応じて、ポンプ23L・23Rの吐出量が調整される。ステップS463では、図13に示すように、ポンプ23L・23Rの基準容量Qmax1を基準に、操作レバー37L・37Rの操作量に応じて、ポンプ23L・23Rの容量が決定される。コントローラ460は、決定された容量に基づいてポンプ23L・23Rの容量を制御する。
(省エネ動作)
ステップS471では、図12に示すように、モータ21L・21Rの容量が「2速」とされる。ステップS471では、モータ21L・21Rの容量が、モータ21L・21Rの最大容量よりも小さくされる。ステップS471では、走行モード選択手段449で選択されている走行モードが「1速」である(S451でYES)にもかかわらず、モータ21L・21Rの容量が「2速」とされる。次に、ステップS472に進む。
ステップS472では、ポンプ23Lの基準容量Qmax2が決定される(通常動作での基準容量Qmax1が、調整される、下げられる)。基準容量Qmax2は、省エネ動作時、かつ、操作レバー37L・37Rの操作量が最大値のときの、ポンプ23L・23Rの容量である。省エネ動作時の基準容量Qmax2は、通常動作時の基準容量Qmax1よりも小さく設定される。基準容量Qmax2は、次のように決められる。「通常動作(1速)」の場合と「省エネ動作」の場合とを比べたとき、操作レバー37L・37Rの操作量が同じであれば、モータ21L・21Rの回転数が同じになるように、基準容量Qmax2が決められる。具体的には基準容量Qmax2は次式により決められる。
Qmax2=Qmax1×(QM2/QM1)
QM2は、モータ21L・21Rの「2速」での容量である。QM1は、モータ21L・21Rの「1速」での容量である。すなわち、(QM2/QM1)は、ステップS471でのモータ21L・21Rの容量の減少(1速から2速への減少)の比率である。なお、基準容量Qmax2は、コントローラ460により算出されてもよく、コントローラ460に予め設定されてもよい。次に、ステップS473に進む。
ステップS473では、図13に示すように、基準容量Qmax2と、操作レバー37L・37Rの操作量と、に基づいて、ポンプ23L・23Rの容量が決定される。上記ステップS453と同様に、操作レバー37L・37Rの操作量が0のとき、ポンプ23L・23Rの容量は最小容量(又はその近傍)に決定される。操作レバー37L・37Rの操作量が大きくなるほど、ポンプ23L・23Rの容量は大きい値に決定される。コントローラ460は、決定された容量に基づいてポンプ23L・23Rの容量を制御する。
(登坂スリップなし、降坂スリップなし、スリップあり、の場合について)
「登坂スリップなし」及び「降坂スリップなし」の場合(S451でNO、S461でNO)、上述したように通常動作が行われる(S451〜S463)。また、図11に示す「スリップあり」の場合(S331y)、上記通常動作と同様に、基準容量Qmax1に基づいてポンプ23L・23Rの容量が決められる(図示なし)。「登坂スリップなし」、「降坂スリップなし」、及び「スリップあり」の場合は通常動作等が行われるので、省エネ動作が行われる場合に比べ、モータ21L・21Rのトルクが確保される。よって、「登坂スリップなし」の場合は登坂に必要なトルクが確保される。「降坂スリップなし」の場合はブレーキトルクが確保される。「スリップあり」の場合は、グリップしている側の走行体11L又は11Rのトルクが確保されるのでスリップから脱出しやすい。
(効果6(発明5))
図10に示す油圧走行装置401による効果を説明する。油圧走行装置401は、ポンプ23L・23Rの駆動源であるエンジンEと、作業用機械の走行状態が「登坂走行状態」「平地走行状態」及び「降坂走行状態」のうちどの状態であるかを検出するポンプ圧センサ243L・243R(走行状態検出手段)と、を備える。
[構成5−1]コントローラ460は、ポンプ圧センサ243L・243R(走行状態検出手段)が「平地走行状態」を検出し(図12のS461でYES)、かつ、モータ回転速度センサ341L・341R(スリップ状態検出手段)が「スリップなし」(第2状態)を検出した場合(図11のS331でNO)、次の動作を行う。
[構成5−2]ポンプ圧センサ243L・243R(走行状態検出手段)が「登坂走行状態」または「降坂走行状態」を検出した場合に比べ、モータ21L・21Rの容量を小さくするとともに(図12のS471)ポンプ23L・23Rの吐出量を小さくする(図12のS473、図13参照)。
上記[構成5−1]の場合、すなわち「平地スリップなし」の場合は、「スリップあり」、登坂走行状態、及び、降坂走行状態の場合(以下「登坂等時」)に比べ、モータ21L・21Rのトルクの必要量は小さい。そこで、油圧走行装置401では、「平地スリップなし」の場合に、上記[構成5−2]の動作が行われる。よって、ポンプ23L・23Rからモータ21L・21Rへ供給される油の流量を上記「登坂等時」よりも低減できる。よって、走行回路21L〜27L・21R〜27Rでの圧損を低減できる。よって、ポンプ23L・23Rの動力を低減できる。よって、ポンプ23L・23Rの駆動源であるエンジンEの燃費を低減できる。
(変形例1)
上記「省エネ動作」は、上記[構成5−2]のように行われればよい。例えば、上記第4実施形態では、「省エネ動作」は、走行モードが「1速」の場合に行われ、「2速」の場合は行われない(図12のS451参照)。しかし、「省エネ動作」は、走行モードが「2速」の場合に行われてもよい。具体的には例えば、走行モードが「2速」かつ「平地スリップなし」の場合に、モータ21L・21Rの容量を「2速」から「3速」(「2速」よりも容量が小さい「3速」)に減らしてもよい。
(変形例2)
図11に示すステップS11でNOの場合(ステアリング操作)、モータ,ポンプ容量制御S450に必ず進む。しかし、ステップS11でNOの場合(ステアリング操作)の場合にもステップS331と同様の判定(スリップ有無の判定)を行い、「スリップなし」と判定された場合のみ、モータ,ポンプ容量制御S450に進むようにしてもよい。
(変形例3)
図10に示す連通弁51を連通位置51bとする条件は、適宜変更してもよい。第1〜第4実施形態では、連通弁51を連通位置51bとする(図11のS45)条件は、次の[条件α]かつ[条件β]だったが、この条件に[条件γ]を付加してもよい。すなわち、連通弁51を連通位置51bとする(図11のS45)条件は、[条件α]かつ[条件β]かつ[条件γ]でもよい。
[条件α]スリップ状態検出手段(例えばモータ回転速度センサ341L・341R)が「スリップなし」(第2状態)を検出(図11のS331でNO)。
[条件β]「直進操作あり」と判定される(図11のS11でYES)。
[条件γ]ポンプ23L・23Rの容量が中間容量である。すなわち、ポンプ23L・23Rの容量が、最大値よりも小さく、最小値よりも大きい(ポンプ23L・23Rの傾転角が中間傾転である)。
上記[条件γ]の場合は、以下のように、走行偏向の問題が生じやすい。ポンプ23L・23Rの容量を中間容量とする場合、ポンプ23L・23Rの容量が最大容量や最小容量の場合に比べ、レギュレータ33aLとレギュレータ33aRとの差異(ばらつき)が問題となりやすい。上記ばらつきにより、ポンプ23Lとポンプ23Rとに容量の差が生じやすい。そのため、ポンプ23Lとポンプ23Rとに吐出量の差が生じやすい。そのため、モータ21Lとモータ21Rとに回転数の差が生じやすい。そのため、走行偏向の問題が生じやすい。なお、ポンプ23L・23Rが中間容量で用いられる場合としては、例えばレバー操作量が最小値と最大値との間(ハーフレバー)の場合や、上記「省エネ動作」が行われる場合などがある。また、上記[条件γ]を満たさない場合は、連通弁51を遮断位置51aとする。
(効果7(発明6))
変形例3による効果を説明する。
[構成5]図10に示すコントローラ460は、モータ回転速度センサ341L・341R(スリップ状態検出手段)が「スリップなし」(第2状態)を検出し、かつ、直進操作がある(図11のS11でYES)と判定し、かつ、ポンプ23L・23Rの容量が中間容量の場合、連通弁51を連通位置51bとする。
上記[構成5]では、連通弁51を連通位置51bとする条件に、ポンプ23L・23Rの容量が中間容量であることが含まれる。ポンプ23L・23Rの容量が中間容量の場合は、走行偏向の問題が特に生じやすい。よって、連通弁51を連通位置51bとすることによる走行偏向の抑制の効果(上記「効果1」参照)を、走行偏向の問題が特に生じやすい場合に、得ることができる。
(変形例4)
上記第4実施形態では、スリップ状態検出手段としてモータ回転速度センサ341L・341Rを用いた。しかし、スリップ状態検出手段として、図1に示すモータ前後圧センサ41L・41Rや、図4に示すポンプ圧センサ243L・243Rを用いてもよい。
(変形例5)
上記第4実施形態では、図10に示すように、走行状態検出手段として、ポンプ圧センサ243L・243Rを用いた。しかし、走行状態検出手段として、例えば、図1に示すモータ前後圧センサ41L・41Rを用いてもよい。また例えば、走行状態検出手段として、図10に示す傾斜角度センサ543を用いてもよい。傾斜角度センサ543は、例えばジャイロセンサである。
(その他の変形例)
なお、図2等に示すフローチャートの各ステップの順序等は適宜変更してもよい。例えば、図11に示すステップS45及びS13(連通弁51の連通や遮断)は、モータ,ポンプ容量制御S450の後に行われてもよい。
また、左走行装置10Lと右走行装置10Rとの構成は同一でなくてもよい。例えば、左走行装置10Lと右走行装置10Rとでスリップ検出手段のセンサの種類が互いに異なってもよい。
1、201、301、401 油圧走行装置
10L 左走行装置
10R 右走行装置
11L、11R 走行体
21L、21R モータ
23L、23R ポンプ
25L、25R 油路
37L、37R 操作レバー
41L、41R モータ前後圧センサ(スリップ状態検出手段、走行状態検出手段)
51 連通弁
51a 遮断位置(遮断状態)
51b 連通位置(連通状態)
60、260、360、460 コントローラ
243L、243R ポンプ圧センサ(スリップ状態検出手段、走行状態検出手段)
341L、341R モータ回転速度センサ(スリップ状態検出手段)
543 傾斜角度センサ(走行状態検出手段)

Claims (6)

  1. 左走行装置および右走行装置と、
    前記左走行装置と前記右走行装置とにつながれる連通弁と、
    前記左走行装置、前記右走行装置、及び前記連通弁の動作を制御するコントローラと、
    を備え、
    前記左走行装置および前記右走行装置それぞれは、
    走行体と、
    前記走行体を駆動させる油圧式のモータと、
    前記モータに油を供給するポンプと、
    前記ポンプから前記モータに供給される油が通る油路と、
    前記走行体を操作するための操作レバーと、
    前記走行体の状態を検出するスリップ状態検出手段と、
    を備え、
    前記スリップ状態検出手段は、
    前記走行体がスリップしている可能性がある状態である第1状態と、
    前記走行体がスリップしている可能性がない状態である第2状態と、
    を検出可能であり、
    前記コントローラは、左右の前記操作レバーが同方向に操作されるとともに左右の前記操作レバーの操作量の差が直進判定用設定値以下の場合に、左右の前記操作レバーによる直進操作があると判定し、
    前記コントローラは、前記スリップ状態検出手段が前記第1状態を検出した場合、前記連通弁を遮断状態とすることで、前記左走行装置および前記右走行装置それぞれの前記油路どうしを独立させ、
    前記コントローラは、前記直進操作があると判定し、かつ、前記スリップ状態検出手段が前記第2状態を検出した場合、前記連通弁を連通状態とすることで、前記左走行装置および前記右走行装置それぞれの前記油路どうしを連通させる、
    作業用機械の油圧走行装置。
  2. 前記スリップ状態検出手段は、前記モータの前後差圧を検出するモータ前後圧センサ、または、前記モータの回転速度を検出するモータ回転速度センサを備える、
    請求項1に記載の作業用機械の油圧走行装置。
  3. 前記スリップ状態検出手段は、前記ポンプの吐出油の圧力を検出するポンプ圧センサを備える、
    請求項1または2に記載の作業用機械の油圧走行装置。
  4. 前記スリップ状態検出手段は、前記左走行装置の前記ポンプの吐出油の圧力と、前記右走行装置の前記ポンプの吐出油の圧力と、の差の絶対値に基づいて、前記第1状態および前記第2状態を検出する、
    請求項3に記載の作業用機械の油圧走行装置。
  5. 前記ポンプの駆動源であるエンジンと、
    前記作業用機械の走行状態が、登坂走行状態、平地走行状態、及び降坂走行状態のうちどの状態であるかを検出する走行状態検出手段と、
    を備え、
    前記コントローラは、前記走行状態検出手段が前記平地走行状態を検出し、かつ、前記スリップ状態検出手段が前記第2状態を検出した場合、前記走行状態検出手段が前記登坂走行状態または前記降坂走行状態を検出した場合に比べ、前記モータの容量を小さくするとともに前記ポンプの吐出量を小さくする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の作業用機械の油圧走行装置。
  6. 請求項1に記載の作業用機械の油圧走行装置において、前記コントローラは、前記直進操作があると判定し、かつ、前記スリップ状態検出手段が前記第2状態を検出した場合、前記連通弁を連通状態とすることに代えて、
    前記コントローラは、前記直進操作があると判定し、かつ、前記スリップ状態検出手段が前記第2状態を検出し、かつ、前記ポンプの容量が中間容量の場合、前記連通弁を連通状態とする、
    請求項1〜5のいずれかに記載の作業用機械の油圧走行装置。
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