JP6111079B2 - 熱溶融塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ乳酸樹脂を含有することを特徴とした環境負荷の小さい熱溶融型塗料組成物に関するものである。
近年、自動車、電気機器など様々な分野において、環境負荷低減の要求が高まっている。塗料用途においても、天然素材またはポリ乳酸樹脂に代表されるバイオマス由来原料からなる合成樹脂を利用した商品の開発が盛んに行われている。
熱溶融型塗料の代表である道路用標示塗料は、一般的に粘結樹脂、着色顔料、充填剤、可塑剤、ワックス、安定剤、酸化防止剤、およびガラスビーズなどから構成されているが、この粘結樹脂には、未だ石油を原料とする樹脂が使用されている。
例えば、特許文献1および特許文献2では、粘結樹脂としてC5留分やC9留分などの石油樹脂を使用することが開示されている。特許文献3では、吹き付け樹脂系用途として、メタクリラート樹脂の使用が開示されている。これらはいずれも石油を原料とする樹脂を使用しているため環境保護効果はなく、より環境負荷の小さい材料への転換が求められていた。
特許第4350963号公報 特開2005−15597号公報 国際公開第2008/022861号
本発明は、環境負荷の小さい熱溶融型塗料組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究をした結果、熱溶融型塗料組成物の粘結樹脂として、ポリ乳酸樹脂を使用することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、着色剤0.1〜30重量部、反射材1〜50重量部を配合してなる熱溶融型塗料組成物、
(2)ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量が10万以下である前記(1)記載の熱溶融型塗料組成物、
(3)ポリ乳酸樹脂に含まれるL−乳酸とD−乳酸の比(L/D)が5/95〜95/5の範囲である前記(1)〜(2)のいずれか記載の熱溶融型塗料組成物、
(4)反射材がガラスビーズである前記(1)〜(3)のいずれか記載の熱溶融型塗料組成物、
(5)前記(1)〜(4)のいずれか記載の組成物に対し、さらに充填剤を配合してなる熱溶融型塗料組成物、
(6)前記(1)〜(5)のいずれか記載の組成物に対し、さらに可塑剤を配合してなる熱溶融型塗料組成物、
(7)前記(1)〜(6)のいずれか記載の組成物に対し、さらにカルボキシル基反応性末端封鎖剤を配合してなる熱溶融型塗料組成物、
(8)前記カルボキシル基反応性末端封鎖剤がエポキシ化合物および/またはカルボジイミド化合物である前記(7)記載の熱溶融型塗料組成物である。
本発明によれば、以下に説明するとおり、熱溶融型塗料組成物の粘結樹脂として、ポリ乳酸樹脂を使用することにより、環境負荷の小さい熱溶融型塗料組成物を提供することができる。
本発明で使用するポリ乳酸樹脂とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーであるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。かかる他の共重合成分単位としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、およびグリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などから生成する単位が挙げられる。このような共重合単位は、全単量体単位を100モル%としたときに、通常0〜30モル%の含有量とするのが好ましく、0〜10モル%であることが好ましい。
本発明において、ポリ乳酸を構成するL−乳酸とD−乳酸の比(L/D)は、実質的に加工可能であれば特に制限されるものではないが、塗膜の柔軟性を考慮すると、5/95〜95/5の範囲にあることが好ましく、10/90〜90/10の範囲にあることがさらに好ましく、15/85〜85/15の範囲にあることが最も好ましい。
本発明において、ポリ乳酸樹脂の製造方法としては、公知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法およびラクチドを介する開環重合法などを用いることができる。
本発明において、ポリ乳酸樹脂の分子量や分子量分布は、実質的に加工が可能であれば、特に限定されるものではないが、分子量が低いほど流動性が高くなり施工性が良好であるという観点から、重量平均分子量としては、好ましくは10万以下、さらに好ましくは8万以下、最も好ましくは5万以下であるのが良い。ここでいう重量平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算の重量平均分子量である。
本発明において、ポリ乳酸樹脂の190℃、21.2N荷重条件におけるメルトフローレート(MFR)は、施工性に優れるという点で、5g/10分以上であることが好ましく、50g/10分以上であることがより好ましく、100g/10分以上であることがさらに好ましい。ここでいうメルトフローレートとは、東洋精機製「メルトインデクサー」を用い、JISK7210に従って、190℃、21.2N荷重条件において測定した値のことである。
本発明で使用される着色剤は、特に限定されることはなく、通常一般的に用いられる無機顔料および有機顔料を用いることができる。無機顔料としては、例えば二酸化チタン、亜鉛華、リトポン、チタンイエロー、鉛白、鉛丹、黄鉛、耐熱黄鉛、複合酸化物系顔料、硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫化バリウム、酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、焼成顔料、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩や、カーボンブラック、チタンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等を言い、有機顔料としては縮合アゾ系、ジスアゾ系、モノアゾ系、ジケトピロロピロール、イソインドリノン系、アンスラキノン系、複素環系、キナクリドン系、チオインジコ系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系等の顔料である。
着色剤の平均一次粒径としては、特に制限されないが、塗料の発色性から0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。上記平均一次粒子径が0.1μm未満であると光が散乱しにくくなるために、発色が低下するおそれがあり、好ましくない。10μmを超えると、塗料中での分散性が不充分となるため、多量に配合した場合の塗料の保存安定性が悪化するおそれがある。
着色剤の配合量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましく、1〜20重量部がより好ましい。着色顔料の配合量がこの範囲であれば、昼間、夜間とも視認性が良好である。0.1重量部未満では着色性に乏しく、また30重量部を超えると塗料の流動性が低下するため施工性が悪化し、表面外観や塗膜密着強さが低下するため、好ましくない。
本発明で使用される反射材としては特に限定されないが、光を積極的に反射させるものとして、ガラスビーズや雲母片、アルミ粉やアルミフレーク等があり、主にガラスビーズが用いられる。ガラスビーズの粒径は、好ましくは0.1〜3mm、より好ましくは0.1〜2mmである。粒径がこの範囲であれば、視認性に優れる。ここでいう粒径とは、一般的に使用されているコールターカウンター法により、測定した値である。さらに、経日の視認性を向上させる目的でガラスカレット(粒径0.1〜3mm程度)を混合しても良い。
反射材の配合量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部である。配合量がこの範囲にあれば、施工し易く、夜間での視認性にも優れている。1重量部未満では夜間の視認性が低く、また50重量部を超えると塗料の流動性が低下するため施工性が悪化し、表面外観や塗膜密着強さが低下するため、好ましくない。
本発明の熱溶融型塗料組成物は、さらに充填剤を配合しても良い。本発明で使用する充填剤としては、珪酸鉱物、珪酸塩鉱物や種々の鉱物類を粉砕などの加工により微粉化したものが好ましく用いられる。具体例としては、ベントナイト、ドロマイト、バーライト、微粉ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、ドーソナイト、シラスバルーン、クレー、セリサイト、長石粉、ゼオライト(合成ゼオライトも含む)、滑石、マイカ、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、ハイドロタルサイトおよびシリカなどが挙げられ、なかでも、炭酸カルシウムが好ましく使用できる。充填剤の平均粒子径は、表面外観、耐摩耗性の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。ここでいう平均粒子径とは、空気透過法による比表面積の測定結果から得た値である。
充填剤の配合量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、1〜200重量部であることが好ましい。200重量部を超えると、塗料組成物の流動性が低下し、施工性が悪化し、表面外観や塗膜密着強さが低下するため、好ましくない。
本発明の熱溶融型塗料組成物は、さらに可塑剤を配合しても良い。本発明で使用する可塑剤としては、一般にポリマーの可塑剤として用いられる公知のものを特に制限なく用いることができ、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートなどの脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチルなどのオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、ポリアクリル酸エステルおよびパラフィン類などを挙げることができる。
可塑剤の配合量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部であることが好ましく、0.5〜25重量部であることがさらに好ましく、1〜20重量部であることが最も好ましい。可塑剤の配合量がこの範囲であれば施工し易く、低温時の可とう性、乾燥性および汚染性も良好である。0.1重量部未満では低温時の可とう性が低下し、30重量部を超えると可塑剤がブリードアウトを起こし、好ましくない。
本発明の熱溶融型塗料組成物は、さらにカルボキシル基反応性末端封鎖剤を配合してもよい。カルボキシル基反応性末端封鎖剤としては、ポリマーのカルボキシル末端基を封鎖することのできる化合物であれば特に制限はなく、ポリマーのカルボキシル末端の封鎖剤として用いられているものを用いることができる。本発明においてかかるカルボキシル基反応性末端封鎖剤は、ポリ乳酸樹脂の末端を封鎖するのみではなく、ポリ乳酸樹脂の熱分解や加水分解などで生成する乳酸などの酸性低分子化合物のカルボキシル基を封鎖することができる。また、上記末端封鎖剤は、熱分解により酸性低分子化合物が生成する水酸基末端も封鎖できる化合物であることがさらに好ましい。
このようなカルボキシル基反応性末端封鎖剤としては、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を使用することが好ましく、なかでもエポキシ化合物および/またはカルボジイミド化合物が好ましい。
本発明にカルボキシル基反応性末端封鎖剤として用いることのできるエポキシ化合物としては、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、グリシジルアミン化合物、グリシジルイミド化合物、脂環式エポキシ化合物を好ましく使用することができる。これらを配合することで、耐久性に優れた熱溶融型塗料を得ることができる。
グリシジルエーテル化合物の例としては、ブチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェニルグリシジルエーテル、エチレンオキシドラウリルアルコールグリシジルエーテル、エチレンオキシドフェノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビスフェノール類とエピクロルヒドリンとの縮合反応から得られるビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などを挙げることができる。なかでも、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
グリシジルエステル化合物の例としては、安息香酸グリシジルエステル、p−トルイル酸グリシジルエステル、シクロヘキサンカルボン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステル、パルミチン酸グリシジルエステル、バーサティック酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル、リノール酸グリシジルエステル、リノレン酸グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ビ安息香酸ジグリシジルエステル、メチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ドデカンジオン酸ジグリシジルエステル、オクタデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ピロメリット酸テトラグリシジルエステルなどのを挙げることができる。なかでも、安息香酸グリシジルエステルやバーサティック酸グリシジルエステルが好ましい。
グリシジルアミン化合物の例としては、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−パラアミノフェノール、トリグリシジル−メタアミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、ジグリシジルトリブロモアニリン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、トリグリシジルシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレートなどを挙げることができる。グリシジルイミド化合物の例としては、N−グリシジルフタルイミド、N−グリシジル−4−メチルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−3−メチルフタルイミド、N−グリシジル−3,6−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−4−エトキシフタルイミド、N−グリシジル−4−クロルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジクロルフタルイミド、N−グリシジル−3,4,5,6−テトラブロムフタルイミド、N−グリシジル−4−n−ブチル−5−ブロムフタルイミド、N−グリシジルサクシンイミド、N−グリシジルヘキサヒドロフタルイミド、N−グリシジル−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、N−グリシジルマレインイミド、N−グリシジル−α,β−ジメチルサクシンイミド、N−グリシジル−α−エチルサクシンイミド、N−グリシジル−α−プロピルサクシンイミド、N−グリシジルベンズアミド、N−グリシジル−p−メチルベンズアミド、N−グリシジルナフトアミド、N−グリシジルステラミドなどを挙げることができる。なかでも、N−グリシジルフタルイミドが好ましい。
脂環式エポキシ化合物の例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、N−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−エチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−フェニル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−ナフチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−トリル−3−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミドなどを挙げることができる。
また、その他のエポキシ化合物として、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化鯨油などのエポキシ変性脂肪酸グリセリド、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノゾラック型エポキシ樹脂などを用いることができる。
本発明で用いるカルボキシル基反応性末端封鎖剤として用いることのできるオキサゾリン化合物の例としては、2−メトキシ−2−オキサゾリン、2−エトキシ−2−オキサゾリン、2−プロポキシ−2−オキサゾリン、2−ブトキシ−2−オキサゾリン、2−ペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−ヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−ヘプチルオキシ−2−オキサゾリン、2−オクチルオキシ−2−オキサゾリン、2−ノニルオキシ−2−オキサゾリン、2−デシルオキシ−2−オキサゾリン、2−シクロペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−シクロヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−アリルオキシ−2−オキサゾリン、2−メタアリルオキシ−2−オキサゾリン、2−クロチルオキシ−2−オキサゾリン、2−フェノキシ−2−オキサゾリン、2−クレジル−2−オキサゾリン、2−o−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−o−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−o−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−m−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−ペンチル−2−オキサゾリン、2−ヘキシル−2−オキサゾリン、2−ヘプチル−2−オキサゾリン、2−オクチル−2−オキサゾリン、2−ノニル−2−オキサゾリン、2−デシル−2−オキサゾリン、2−シクロペンチル−2−オキサゾリン、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリン、2−アリル−2−オキサゾリン、2−メタアリル−2−オキサゾリン、2−クロチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2−o−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−フェニルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェニル−2−オキサゾリン、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4,4′−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−デカメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−9,9′−ジフェノキシエタンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−シクロヘキシレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)などが挙げられる。さらには、上記した化合物をモノマー単位として含むポリオキサゾリン化合物なども挙げることができる。
本発明で用いることのできるカルボキシル基反応性末端封鎖剤としてのオキサジン化合物の例としては、2−メトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−エトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−プロポキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ブトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ペンチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ヘキシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ヘプチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−オクチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ノニルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−デシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−シクロペンチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−シクロヘキシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−アリルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−メタアリルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−クロチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジンなどが挙げられ、さらには、2,2′−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−メチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−エチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−プロピレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ブチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−p−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−m−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ナフチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−P,P′−ジフェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)などが挙げられる。さらには、上記した化合物をモノマー単位として含むポリオキサジン化合物などが挙げられる。
上記オキサゾリン合物やオキサジン化合物の中では、2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)が好ましい。
本発明でカルボキシル基反応性末端封鎖剤として使用することのできるカルボジイミド化合物とは、分子内に少なくともひとつの(−N=C=N−)で表されるカルボジイミド基を有する化合物であり、例えば適当な触媒の存在下に、有機イソシアネートを加熱し、脱炭酸反応で製造できる。
カルボジイミド化合物の例としては、ジフェニルカルボジイミド、ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジオクチルデシルカルボジイミド、ジ−o−トルイルカルボジイミド、ジ−p−トルイルカルボジイミド、ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、ジ−o−クロルフェニルカルボジイミド、ジ−3,4−ジクロルフェニルカルボジイミド、ジ−2,5−ジクロルフェニルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−o−トルイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、2,6,2′,6′−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−シクロヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N′−ジフェニルカルボジイミド、N,N′−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N′−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジ−tert−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トルイル−N′−フェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−トルイルカルボジイミド、N,N′−ベンジルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−フェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−トリルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N′−トリルカルボジイミド、N−フェニル−N′−トリルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−トリルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミドなどのモノ又はジカルボジイミド化合物、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(4,4′−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(4,4′−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)などのポリカルボジイミドなどが挙げられる。なかでもN,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、2,6,2′,6′−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミドが好ましい。
上記カルボキシル基反応性末端封鎖剤は1種または2種以上の化合物を任意に選択して使用することができる。
カルボキシル基反応性末端封鎖剤の量は、ポリ乳酸樹脂100重量部としたときに、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がさらに好ましい。
また、本発明の熱溶融型塗料組成物に対して、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリ乳酸樹脂以外の粘結樹脂、無機繊維、有機繊維、蓄光顔料、蛍光顔料、夜光顔料、沈降防止剤、流動性改良剤、老化防止剤、紫外線吸収剤などを配合してもよい。ポリ乳酸樹脂以外の粘結樹脂としては、例えば、生ロジン、マレイン化ロジン、マレイン化ロジンエステル樹脂、水添ロジン、石油樹脂、水添石油樹脂、テルペン樹脂などが挙げられる。
以上の塗料組成物を構成する各成分を乾式混合することにより、熱溶融型塗料組成物が製造できる。本発明において、乾式混合するとは、配合された熱溶融型塗料組成物が溶融しない条件で、各成分を混合することをいう。
乾式混合の方法としては、例えば、タンブラーミキサーやヘンシェルミキサーなどで混合する方法が挙げられる。
得られた熱溶融型塗料組成物は、ポリエチレン製や紙製の袋に所定量詰めることにより、運搬し易くなる。
本発明の熱溶融型道路標示塗料組成物は、前記の方法で得られるものである。
この熱溶融型塗料組成物は、通常、加熱ニーダーなどの加熱溶融混練装置を用いて、170〜210℃で溶融混練される。溶融物を道路表面に塗布する場合は、平滑表示・区画線用施工機を用いて、溶融状態で道路上に施工される。施工にあたり、予め道路表面に下地処理を施すこともできる。
以下に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。また、使用した原料を以下に示す。
(A)粘結樹脂
(A−1)ポリ乳酸樹脂:L/D=95/5、重量平均分子量5万
(A−2)ポリ乳酸樹脂:L/D=5/95、重量平均分子量5万
(A−3)ポリ乳酸樹脂:L/D=99.5/0.5、重量平均分子量5万
(A−4)ポリ乳酸樹脂:L/D=95/5、重量平均分子量15万
(A−5)石油樹脂:C5系石油樹脂(丸善石油化学)
(B)着色剤:二酸化チタン(石原産業「タイペークCR−60」)
(C)反射剤:ガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ「GB153T」、粒径範囲:0.11〜0.85mm)
(D)充填材:重質炭酸カルシウム(白石カルシウム「BF−200」、平均粒子径5μm)
(E)可塑剤:ポリエチレングリコール(三洋化成「PEG−6000P」)
(F)カルボキシル基反応性末端封鎖剤
(F−1)ポリカルボジイミド化合物(日清紡績“カルボジライト”HMV−8CA)
(F−2)エポキシ基含有スチレン/アクリル酸エステル共重合体(東亞合成“ARUFON”UG4040)
また、本発明の実施例および比較例で用いた測定方法および評価方法を以下に示す。
(1)環境負荷
粘結樹脂にバイオマス樹脂を使用した場合を○、石油系樹脂を使用した場合を×とした。
(2)表面状態
乾式混合した熱溶融型塗料組成物を、ニーダー混合機を用いて、190℃にて30分間混練した。30分間混練した溶融物の表面状態を観察して、以下の基準で判定した。
○:表面に艶があり、平滑である
×:表面に艶がなく、ざらついている。
(3)施工性
熱溶融型塗料を190℃で加熱溶融させ、施工速度0.8km/hにてかすれ等の不具合が生じないかを目視観察した。
◎:塗料の伸びが非常に良好であり、かすれ無し
○:塗料の伸びが良好であり、かすれ無し
△:塗料の伸びがやや悪く、かすれもやや確認できる
×:塗料の伸びが悪く、かすれが大きい。
(4)密着強さ
コンクリート平板上に熱溶融型塗料を190℃で塗布し、23℃で24時間放置後、インストロン製5581型引張試験機を用いて、速度5mm/minで引張試験を行い、剥離までの最大荷重を測定した。
(5)耐久性
コンクリート平板上に190℃で塗布したものを12ヶ月間屋外暴露し、塗料の状態に異常がないか目視観察した。
○:異常なし
△:やや気泡が発生するが、塗料の崩壊なし
×:塗料が崩壊
[実施例1〜8、10〜11、参考例9
表1に示す割合で原料を配合し、ニーダー混合機を用いて190℃で溶融混練し、各種評価を実施した。
Figure 0006111079
実施例1〜6では、L/D=5/95〜95/5、重量平均分子量5万であるポリ乳酸樹脂を粘結樹脂として使用し、着色剤、反射材、充填剤、可塑剤を本発明の範囲内で配合したものであるが、塗料の表面状態、施工性が良好で、密着強さにも優れることが分かる。耐久性に関しては、気泡が発生するものの、塗料の崩壊は認められない。実施例7、8は、粘結樹脂にL/D=99.5/0.5、重量平均分子量5万のポリ乳酸樹脂を使用したものであり、ポリ乳酸の結晶化により塗膜密着強さがやや低い傾向ではあるが、実用上問題ないレベルである。耐久性に関しても、塗料の崩壊は認められない。参考例9は、粘結樹脂にL/D=95/5、重量平均分子量15万であるポリ乳酸樹脂を使用したものであり、分子量が高く流動性が低いため、施工性がやや劣るものの、塗料として実用上問題ないレベルである。実施例10、11はカルボキシル基反応性末端封鎖剤を配合したものであり、耐久性が向上していることが分かる。
[比較例1〜3]
表2に示す割合で原料を配合し、ニーダー混合機を用いて190℃で溶融混練し、各種評価を実施した。
Figure 0006111079
比較例1〜2は、粘結樹脂にポリ乳酸樹脂を使用し、着色剤、反射材の配合量を本発明の範囲を超えて配合したものであるが、塗料の表面状態、施工性、密着強さに劣ることが分かる。比較例3は、粘結樹脂に石油樹脂を使用したものであり、施工性や密着強さ、耐久性に優れるものの、環境負荷が高い。
本発明の熱溶融型塗料組成物は、ポリ乳酸樹脂を含有することを特徴とした塗料組成物であり、従来の石油系塗料組成物に比べ、環境負荷を低減することができる。

Claims (7)

  1. ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、着色剤0.1〜30重量部、反射材1〜50重量部を乾式混合してなり、前記ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量が10万以下である熱溶融型塗料組成物。
  2. ポリ乳酸樹脂に含まれるL−乳酸とD−乳酸の比(L/D)が5/95〜95/5である請求項記載の熱溶融型塗料組成物。
  3. 反射材がガラスビーズである請求項1または2記載の熱溶融型塗料組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項記載の組成物に対し、さらに充填剤を配合してなる熱溶融型塗料組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の組成物に対し、さらに可塑剤を配合してなる熱溶融型塗料組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載の組成物に対し、さらにカルボキシル基反応性末端封鎖剤を配合してなる熱溶融型塗料組成物。
  7. 前記カルボキシル基反応性末端封鎖剤がエポキシ化合物および/またはカルボジイミド化合物である請求項記載の熱溶融型塗料組成物。
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