JP6110322B2 - 電動ステアリングロック制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動ステアリングロック制御装置に関する。
ステアリングロック装置は、主に車両の盗難防止を目的として、車両の停止中にステアリングを動作不能に(つまり操舵不能に)ロックするための装置である。具体的には、ステアリングロック装置は、ステアリングシャフトに対して挿抜可能なロック部材を有している。ロック部材がステアリングシャフトに挿入されると(ロック状態)、ステアリングは動作できなくなり、ロック部材がステアリングシャフトから離脱されると(アンロック状態)、ステアリングが動作可能となる。
このようなステアリングロック装置として、ロック部材をモータで駆動するように構成された電動ステアリングロック装置が知られている。電動ステアリングロック装置は、ロック部材を移動させるためのモータと、モータに供給される駆動電流の極性を切り替えたり遮断したりするためのモータ駆動回路と、モータ駆動回路を制御するマイコンとを備えている。
電動ステアリングロック装置では、マイコンがモータ駆動回路の動作を制御することによりモータをロック方向又はアンロック方向に回転駆動させ、これによりステアリングのロック、アンロックが実現される。そのため、ステアリングのロックが解除されている(つまりアンロックされている)ときにマイコンが誤動作すると、誤ってステアリングがロックされてしまうおそれがある。このような誤動作が走行中に発生すると、走行中の車両の操舵が困難となってしまう。
これに対し、特許文献1には、車両のイグニションスイッチがオンされていたりシフトレンジがパーキングレンジ以外のレンジに操作されていたりしている場合に、モータ駆動回路における、モータをロック方向に回転させるための通電経路を、スイッチやリレーなどによって遮断する技術が記載されている。
特許第3851802号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、ロック方向の通電経路を遮断するためのスイッチ等に故障(例えばオン故障)が発生すると、意図せずロック方向に電流が流れてしまって誤ってロックされてしまうおそれがある。そのため、特許文献1に記載の技術は、誤動作に対する信頼性が必ずしも十分とはいえない。
走行中にステアリングがロックされるという事象は、最も好ましくない不良モードの1つである。そのため、電動ステアリングロック装置に対しては、上述したようなモータ駆動回路の異常(例えば通電経路中のスイッチのオン故障)が生じたとしても、意図せずステアリングがロックされてしまうことのないような、高い信頼性が求められる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、電動ステアリングロック装置の信頼性をより高めることを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、車両のステアリングを動作不能にロックするロック機構を搭載した車両に設けられ、ロック機構を動作させるためのモータへの通電を制御することによりそのモータによるロック機構の動作を制御する電動ステアリングロック制御装置である。本発明の電動ステアリングロック制御装置は、通電駆動部と、給電部と、給電制御部と、強制遮断部と、自己診断部と、を備える。
通電駆動部は、電源からモータへの通電経路に設けられ、入力される駆動指令に従ってモータへの通電電流の極性を切り替えることにより、モータを、駆動指令に対応した回転方向へ回転させる。給電部は、通電駆動部とは別に通電経路に設けられ、通電指令が入力されている場合に電源の電力を通電駆動部へ供給する。給電制御部は、給電部への通電指令の出力を制御することにより通電駆動部への電力供給を制御する。強制遮断部は、所定のアンロック保持条件が成立している場合に、給電制御部からの通電指令の出力有無にかかわらず、給電部から通電駆動部への電力供給を強制的に遮断させる。自己診断部は、強制遮断部が正常であるか否かを診断する。
本発明の電動ステアリングロック制御装置は、強制遮断部を備えているため、アンロック保持条件の成立中は、給電制御部の制御内容にかかわらず、給電部から通電駆動部への電力供給は強制的に遮断される。そのため、アンロック保持条件の成立中に給電制御部から通電指令が出力されたとしても、通電駆動部に電力は供給されず、モータは動作しない。
しかも、本発明の電動ステアリングロック制御装置は、強制遮断部を備えていることに加えて、その強制遮断部が正常に機能するか否かを診断する自己診断部を備えている。そのため、自己診断部による診断の結果が強制遮断部の異常を示すものである場合には、例えば車両の運転者に異常発生を報知したり、車両を走行できないようにしたりするなど、各種の適切な処置をとることができる。
したがって、信頼性のより高い電動ステアリングロック制御装置を提供することが可能となる。
自己診断部による自己診断の実行タイミングは適宜決めることができ、例えば、アンロック保持条件成立中の所定の診断タイミングで実行するようにしてもよい。その場合、自己診断部は、給電制御部から給電部へ通電指令を一定期間出力させ、その通電指令の出力中における、給電部から通電駆動部への給電状態に基づいて、強制遮断部が正常であるか否かを診断するようにしてもよい。
上記のような診断タイミング及び診断手順で自己診断を実行することで、自己診断を適切且つ効率的に実行することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
実施形態のプッシュスタート&スマートエントリシステム1の概略構成を示す構成図である。 内燃機関始動時のプッシュスタート&スマートエントリシステム1の動作の基本的な流れを示す説明図である。 上位マイコン15が実行する上位始動時処理、及びESCLマイコン21が実行するESCL始動時処理を表すフローチャートである。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)プッシュスタート&スマートエントリシステム1の概要
図1を用いて、本実施形態のプッシュスタート&スマートエントリシステム(以下「スマートシステム」と略称する)1について説明する。本実施形態のスマートシステム1は、内燃機関(例えばガソリンエンジン)を駆動源として走行可能な車両に搭載されている。本実施形態のスマートシステム1は、電子キー(図示略)と通信を行いながら、車両の各ドア(図示略)のロック、アンロックを制御したり、ステアリングのロック・アンロックを制御したり、スタータ(図示略)の動作を制御したりすることが可能なシステムである。
スマートシステム1は、上位ECU10と、ステアリングロックECU20とを備える。上位ECU10とステアリングロックECU20は、所定のデータ通信方式にて相互にデータ通信が可能である。
ステアリングロックECU20は、車両のステアリングホイールの回動をロックするためのステアリングロック機構を制御する。ステアリングロック機構は、ステアリングホイール(図示略)に連結されているステアリングシャフト51に形成された凹部52と、この凹部52に対して挿抜可能なロック部材53とを有している。
ロック部材53がステアリングシャフト51の凹部52に挿入されると、ステアリングシャフト51が回動できなくなり、これによりステアリングホイールも回動できなくなって、ステアリングがロックされた状態となる。ロック部材53がステアリングシャフト51の凹部52から離脱されると、ステアリングシャフト51が回動可能となり、これによりステアリングホイールも回動可能となって、ステアリングのロックが解除された状態(アンロックされた状態)となる。
ロック部材53の動作(ステアリングシャフト51の凹部52に対する挿抜)は、モータ40によって行われる。モータ40とロック部材53との間には、モータ40の回転運動を直線運動に変換してロック部材53に伝達する伝達機構(図示略)が設けられている。
モータ40は、ステアリングロックECU20により駆動、制御される。モータ40は、本実施形態では、直流モータである。モータ40に対して特定の通電方向への通電が行われると、モータ40が特定の回転方向(以下「正転方向」という)に回転し、これによりロック部材53は、ステアリングシャフト51の凹部52に挿入する方向(以下「挿入方向」という)αへ移動する。モータ40に対して上記特定の通電方向とは逆方向への通電が行われると、モータ40が正転方向とは逆の回転方向(以下「逆転方向」という)に回転し、これによりロック部材53は、ステアリングシャフト51の凹部52から離脱する方向(以下「離脱方向」という)βへ移動する。
(2)上位ECU10の構成
上位ECU10は、スマートシステム1における各種機能の制御を統括するECU(電子制御装置)である。上位ECU10は、図1に示すように、各種制御を実行するマイクロコンピュータである上位マイコン15を備えている。上位ECU10には、車両のバッテリ2からバッテリ電圧VBが供給される。上位ECU10は、バッテリ電圧VBを電源として動作する。
上位ECU10には、スタートスイッチ3、ブレーキスイッチ4、車室内発信機5、チューナ6、ACCリレー11、IGリレー12、及びスタータリレー13が接続されている。
スタートスイッチ3は、車両のユーザ(例えば運転者)により押し操作されるスイッチである。上位マイコン15は、スタートスイッチ3が押し操作される毎に、その操作時の車両の状態(例えばブレーキの操作状態やシフトレンジの操作状態)に応じて、ACCリレー11やIGリレー12をオンさせたり、スタータリレー13をオンさせたりする。例えば、ブレーキが踏まれた状態でスタートスイッチ3が押された場合は、上位マイコン15は、少なくともIGリレー12をオンさせ、その後、スタータリレー13をオンさせるための所定の制御処理を実行する。なお、IGリレー12がオンされている状態は、本発明における、車両の電源スイッチがオンされている状態の一例に相当する。
なお、上位マイコン15は、スタータリレー13をオンさせる場合は、オンさせる前に、ステアリングロックECU20に対してステアリングロックを解除させる。上位マイコン15は、ステアリングロックが解除されたことを確認し、さらに、ステアリングロックECU20内のフェールセーフ回路28が正常であることを確認した上で、スタータリレー13をオンさせる。
ブレーキスイッチ4は、ブレーキペダルの操作状態を検出するスイッチである。ブレーキペダルが踏まれていない状態では、ブレーキスイッチ4はオフ状態である。ブレーキペダルが踏まれると、ブレーキスイッチ4はオンする。上位マイコン15は、ブレーキスイッチ4から入力される信号に基づいてブレーキスイッチ4のオン・オフ状態を判断する。
車室内発信機5は、リクエスト信号を無線により送信することにより車室内にそのリクエスト信号の検知エリア(車室内検知エリア)を形成することが可能である。上位マイコン15は、所定の車室内発信条件が成立した場合に、車室内発信機5からリクエスト信号を送信させる。車室内検知エリアに電子キーが存在している場合、電子キーから、リクエスト信号に対する応答信号が送信される。この応答信号には、電子キーのID(以下「キーID」という)が含まれる。
電子キーからの応答信号は、チューナ6により受信される。チューナ6は、応答信号を受信すると、応答信号から各種情報(キーIDを含む)を抽出して上位ECU10へ出力する。上位マイコン15は、電子キーから受信されたキーIDを元に、そのキーIDが正規のキーIDであるか否かの判断処理(キーID照合)を実行する。そして、正規のキーIDだった場合に、ACCリレー11やIGリレー12をオンさせたり、スタータリレー13をオンさせたりするなどの各種処理に移行する。
なお、本実施形態では、チューナ6が上位ECU10とは別に設けられている例を示しているが、チューナ6は上位ECU10に内蔵されていてもよい。
ACCリレー11は、例えばナビゲーション装置やオーディオ装置などのアクセサリ(ACC)系の装置に対してバッテリ電圧VBを供給又は遮断するためのリレーである。ACCリレー11は、上位マイコン15により制御される。
IGリレー12は、各種のイグニション(IG)系の装置へその電源電圧としてのバッテリ電圧VBを供給又は遮断するためのリレーである。IGリレー12は、上位マイコン15により制御される。
スタータリレー13は、車両の内燃機関を始動させるスタータを動作させるためのリレーである。スタータリレー13がオンされると、スタータが動作し、内燃機関が始動する。スタータリレー13は、上位マイコン15により制御される。
上位マイコン15は、上述した各種制御機能のほか、ステアリングロックECU20内のマイコン(ESCLマイコン)21の動作を制御するためのSLR信号を出力する機能や、ESCLマイコン21との間で各種データ通信を行う機能を有する。SLR信号は、H(High)レベル又はL(Low)レベルの二値信号である。
(3)ステアリングロックECU20の構成
ステアリングロックECU20は、モータ40の駆動を制御(ひいてはステアリングのロック、アンロックを制御)するためのECUである。ステアリングロックECU20は、図1に示すように、ESCL(Erectronic Steering Column Lock )マイコン21と、モータ駆動回路22と、モータ電源回路23と、第1アンロック検出スイッチ24と、第2アンロック検出スイッチ25と、ロック検出スイッチ26と、診断回路27と、フェールセーフ回路28と、通信I/F(インタフェース)29と、ロジック電源回路30とを備える。
モータ駆動回路22は、ESCLマイコン21からのロック信号及びアンロック信号に基づき、バッテリ2からモータ40への通電を実行又は遮断させたり、通電実行時における通電方向を切り換えたりする機能を有する。本実施形態のモータ駆動回路22は、例えば4つのスイッチング素子を有するいわゆるHブリッジ回路を備えている。
ESCLマイコン21からモータ駆動回路22へロック信号が出力されると、モータ駆動回路22において、Hブリッジ回路を構成する4つのスイッチング素子のうち特定の通電方向に対応した2つのスイッチング素子がオンされる。このとき、モータ電源回路23からバッテリ電圧VBが供給されていれば、モータ40に特定の通電方向への電流が流れ、モータが正転方向へ回転する。モータが正転方向へ回転すると、ロック部材53が挿入方向αへ移動する。
ESCLマイコン21からモータ駆動回路22へアンロック信号が出力されると、モータ駆動回路22において、Hブリッジ回路を構成する4つのスイッチング素子のうち特定の通電方向とは逆方向に対応した2つのスイッチング素子がオンされる。このとき、モータ電源回路23からバッテリ電圧VBが供給されていれば、モータ40に特定の通電方向とは逆方向への電流が流れ、モータが逆転方向へ回転する。モータが逆転方向へ回転すると、ロック部材53が離脱方向βへ移動する。
モータ電源回路23は、フェールセーフ回路28からの電源制御信号に従って、バッテリ2からモータ駆動回路22への通電(バッテリ電圧VBの供給)を制御する。具体的には、フェールセーフ回路28からLレベルの電源制御信号が入力されている場合は、モータ電源回路23は、モータ駆動回路22へのバッテリ電圧VBの供給を遮断する。逆に、フェールセーフ回路28からHレベルの電源制御信号が入力されている場合は、モータ電源回路23は、モータ駆動回路22へバッテリ電圧VBを供給する。
モータ電源回路23の具体的構成は種々考えられる。例えば、バッテリ2からモータ駆動回路22への通電経路を導通・遮断可能なパワー半導体素子やリレーを用いてもよい。また例えば、バッテリ電圧VBを所定の定電圧に変換するレギュレータを備え、その変換後の定電圧がモータ駆動用の電力としてモータ駆動回路22へ供給される構成であってもよい。その場合、電源制御信号に従ってレギュレータを動作又は停止させることによりモータ駆動回路22への電力供給を実行又は停止させるようにしてもよい。
第1アンロック検出スイッチ24は、ステアリングのアンロックを検出するスイッチである。本実施形態では、ステアリングのアンロックを検出するためのスイッチとして、第1アンロック検出スイッチ24及び第2アンロック検出スイッチ25の2つのスイッチが設けられている。
第1アンロック検出スイッチ24は、凹部52に挿入された状態のロック部材53が凹部52から離脱(離脱方向βへ移動)していく過程において、ロック部材53における所定の検知部位(例えばロック部材53の後端)53aが図1に例示する位置Bに到達した場合にオンされる。検知部位53aが位置Bに到達したとき、ロック部材53は凹部52から完全に離脱した状態となる。検知部位53aが位置B及び位置Bよりも離脱方向β側に位置している間は、第1アンロック検出スイッチ24はオン状態が維持される。換言すれば、検知部位53aが位置Bよりも挿入方向α側に位置している間は、第1アンロック検出スイッチ24はオフ状態に維持される。
第2アンロック検出スイッチ25は、凹部52に挿入された状態のロック部材53が凹部52から離脱していく過程において、ロック部材53の検知部位53aが図1に例示する位置Aに到達した場合にオンされる。検知部位53aが位置A及び位置Aよりも離脱方向β側に位置している間は、第2アンロック検出スイッチ25はオン状態が維持される。換言すれば、検知部位53aが位置Aよりも挿入方向α側に位置している間は、第2アンロック検出スイッチ25はオフ状態に維持される。
そのため、ロック部材53が凹部52に挿入されたロック状態においては、各アンロック検出スイッチ24,25はいずれもオフされている。そして、ロック状態からアンロック状態に移行する過程で、ロック部材53の検知部位53aが位置Bに到達するとまず第1アンロック検出スイッチ24がオンされ、その後さらに検知部位53aが位置Aに到達すると、第2アンロック検出スイッチ25もオンされる。
各アンロック検出スイッチ24,25は、ロジック電源回路30から供給される電力を電源として動作し、オフ時にはLレベルの検知信号を出力し、オン時にはHレベルの検知信号を出力する。第1アンロック検出スイッチ24から出力される第1アンロック検知信号は、ESCLマイコン21に入力される。第2アンロック検出スイッチ25から出力される第2アンロック検知信号は、ESCLマイコン21及びフェールセーフ回路28に入力される。
ESCLマイコン21は、各アンロック検知信号が共にオンになった場合に、ステアリングのロックが解除された(アンロックされた)ものと判断し、ステアリングのアンロック状態を確定する。なお、第1アンロック検出スイッチ24がオンされている状態ですでにロック部材53が凹部52から離脱した状態になっているのだが、本実施形態では、第2アンロック検出スイッチ25がオンされるまでさらにロック部材53をステアリングシャフト51から遠ざけるようにしている。
ロック検出スイッチ26は、ロック部材53が凹部52内に一定長挿入されたときにオンされるスイッチである。ロック検出スイッチ26は、ロジック電源回路30から供給される電力を電源として動作し、オフ時にはLレベルの検知信号を出力し、オン時にはHレベルの検知信号を出力する。ロック検出スイッチ26から出力されるロック検知信号は、ESCLマイコン21に入力される。ESCLマイコン21は、ロック検知信号がオンになった場合に、ステアリングがロックされたものと判断する。
診断回路27は、モータ電源回路23からモータ駆動回路22へ供給される電圧を検出してその検出値を示すアナログの電圧検知信号をESCLマイコン21へ出力する。ESCLマイコン21は、診断回路27から入力される電圧検知信号に基づいて、モータ電源回路23からモータ駆動回路22へモータ駆動用の電力が給電されているか否かを判断することができる。
通信I/F(インタフェース)29は、ESCLマイコン21と上位マイコン15との間で所定のデータ通信方式によるデータ通信を実現するための通信モジュールである。ロジック電源回路30は、ESCLマイコン21、通信I/F29、各検出スイッチ24〜26などへの動作用電源の供給を制御するための回路である。ロジック電源回路30は、上位ECU10から入力されるSLR信号がLレベルの間は、上記供給対象へ動作用電源を供給せず、両者の動作を停止させる。一方、上位ECU10から入力されるSLR信号がHレベルの間は、ロジック電源回路30は、バッテリ電圧VB(またはこれを降圧した電圧)を上記供給対象へ供給することによりそれら供給対象を動作させる。
なお、ロジック電源回路30は、SLR信号に対して上記とは逆論理で動作する構成であってもよい。即ち、ロジック電源回路30は、上位ECU10がSLR信号をHレベルにしている間は動作用電源の供給を行わず、上位ECU10がSLR信号をLレベルにしている間に動作用電源の供給を行う構成であってもよい。
フェールセーフ回路28は、所定のアンロック保持条件が成立している間はESCLマイコン21の動作内容にかかわらずモータ電源回路23からモータ駆動回路22への給電(バッテリ電圧VBの供給)を強制的に遮断するための回路である。アンロック保持条件は、本実施形態では、IGリレー12がオンされていて且つ第2アンロック検出スイッチ25によりステアリングのアンロックが検知されていること、である。
ESCLマイコン21は、モータ40を駆動させる際は、通電指令SuをHレベルにすると共に、モータ駆動回路22へロック信号又はアンロック信号の何れかを出力する。通電指令SuをHレベルにするということは、モータ電源回路23に対してモータ駆動回路22への給電を指示することを意味する。
モータ電源回路23は、入力される電源制御信号がHレベルの間に、バッテリ2のバッテリ電圧VBをモータ駆動用の電源としてモータ駆動回路22へ供給する。そのため、仮に、ESCLマイコン21からの通電指令Suが電源制御信号としてモータ電源回路23へ直接入力されるよう構成されている場合は、モータ電源回路23は、ESCLマイコン21からの通電指令Suに依存して動作することになる。ESCLマイコン21が常に正常に動作することが保証されるのであれば、そのような構成であってもよい。
しかし、ESCLマイコン21に何らかの異常が生じてESCLマイコン21が誤動作すると、モータ40を動作させるべきでない状況で誤って通電指令SuがHレベルになってしまい、これによりモータ40が動作してしまうおそれがある。このような誤動作が生じると、ステアリングのロック状態を維持すべき状況でありながらロックが解除されてしまったり、逆に、ステアリングのアンロック状態を維持すべき状況でありながらアンロックが解除されてロックされてしまったりするおそれがある。車両が走行中に誤ってステアリングがロックされてしまうと、車両の走行性能に支障をきたすおそれがある。そのため、特にアンロック状態から誤ってロック状態になってしまうような誤動作についてはこれが発生しないようにすることが望ましい。
そこで、本実施形態では、ESCLマイコン21からの通電指令Suがモータ電源回路23へ直接入力されず、フェールセーフ回路28を介して入力されるよう構成されている。
フェールセーフ回路28は、第1AND回路31と、第2AND回路32とを備えている。第1AND回路31は、IGリレー12を介して供給されるバッテリ電圧(以下「IG信号」という)と、第2アンロック検出スイッチ25からの第2アンロック検知信号との論理積を演算して出力する。第1AND回路31の出力信号は、第2AND回路32の2つの入力端子のうち一方(反転入力端子)に入力される。
第2AND回路32は、第1AND回路31からの出力信号が論理反転されて入力されると共に、ESCLマイコン21からの通電指令Suが入力される。第2AND回路32は、これら各入力の論理積を演算し、その演算結果を、電源制御信号としてモータ電源回路23へ出力する。
このような構成により、例えば、IG信号又は第2アンロック検知信号の何れか一方でもLレベルの場合は、第1AND回路31の出力はLレベルとなり、第2AND回路32の2つの入力信号のうち反転入力信号はHレベルになる。そのため、この場合は、ESCLマイコン21からの通電指令Suが有効となり、通電指令Suの状態がそのまま電源制御信号としてモータ電源回路23へ出力されることになる。
一方、IG信号及び第2アンロック検知信号の双方がHレベルの場合、即ちIGリレー12がオンされていて且つ第2アンロック検出スイッチ25によりステアリングのアンロックが検知されている場合は、第1AND回路31の出力はHレベルとなり、第2AND回路32の2つの入力信号のうち反転入力信号はLレベルになる。そのため、この場合は、ESCLマイコン21からの通電指令Suの状態にかかわらず、第2AND回路32からの出力信号(電源制御信号)はLレベルに維持される。つまり、通電指令Suが無効化され、電源制御信号が強制的にLレベルに維持される。電源制御信号がLレベルに維持されるということは、モータ電源回路23からモータ駆動回路22への給電が行われない状態が維持されるということを意味する。
ESCLマイコン21は、上位ECU10の上位マイコン15と適宜データ通信を行いながら、そのデータ通信の内容に応じてモータ40の駆動を制御することにより、ステアリングのロック及びアンロックを制御する。また、本実施形態のESCLマイコン21は、フェールセーフ回路28が正常か否かを診断する自己診断機能を有している。
上位マイコン15は、車両が動作を停止している状態において、ブレーキが踏まれた状態でスタートスイッチ3がオンされると、ACCリレー11及びIGリレー12を順次オンさせ、ESCLマイコン21へステアリングのアンロックを指示する。上位マイコン15は、アンロックの指示後、ステアリングがアンロックされたことを示す通知をESCLマイコン21から取得し、さらに、ESCLマイコン21によるフェールセーフ回路28の自己診断結果が正常である旨の通知を取得した場合に、スタータリレー13をオンさせてスタータを始動させる(ひいては内燃機関を動作させる)。
(4)始動時の動作の基本的な流れ
車両のユーザが、内燃機関を始動させるべくスタートスイッチ3をオン(押し操作)した場合の、スタータ作動までの動作の基本的な流れを、図2を用いて説明する。なお、図2において、破線で囲んでいる5種類の動作状態は、ステアリングロックECU20内の動作状態(主にESCLマイコン21の動作状態)を示している。また、図2に示している各動作状態のうち、上位マイコンとESCLマイコン間の通信の動作状態については、上位マイコン15及びESCLマイコン21の双方の動作が含まれている。
車両のユーザが、ブレーキを踏んだ状態(即ちブレーキスイッチ4がオンの状態)でスタートスイッチ3をオンすると(時刻t1)、電子キーと上位マイコン15との間で照合のための無線通信が行われる。具体的には、上位マイコン15が車室内発信機5からリクエスト信号を送信させ、そのリクエスト信号に対する電子キーからの応答信号(キーID含む)を受信する。そして、上位マイコン15は、受信したキーIDが予め登録されている正規のキーIDだった場合に、ACCリレー11及びSLR信号をオンさせ(時刻t2)、さらにIGリレー12をオンさせる(時刻t3)。時刻t3では、上位マイコン15は、データ通信によるステアリングロック解除指令及びESCLIDの送信も行う。
時刻t2でSLR信号がオンされると、ESCLマイコン21に電源が供給され、ESCLマイコン21が起動する。また、時刻t3でIGリレー12がオンされると、ステアリングロックECU20のフェールセーフ回路28に入力されるIG信号はHレベルとなる。なお、車両の始動前は、通常、ステアリングはロックされているため、各アンロック検出スイッチ24,25からの各アンロック検知信号はいずれもLレベルとなっている。
時刻t2で起動したESCLマイコン21は、時刻t3で上位マイコン15からステアリングロック解除指令及びESCLIDを受信すると、受信したESCLIDが自身に予め登録されているESCLIDと一致するか否かの照合を行う。そして、双方のESCLIDが一致した場合に、通電指令Suをオンし(Hレベルにし)、アンロック信号をHレベルにすることで、ステアリングのアンロックを指示する(時刻t4)。
時刻t4で通電指令SuがHレベルになると、フェールセーフ回路28から出力される電源制御信号がHレベルとなり、モータ電源回路23からモータ駆動回路22へバッテリ電圧VBが供給される。これにより、モータ40が作動(逆転)し、ロック部材53の離脱方向βへの移動が開始される。ロック部材53の移動が進むと、やがて第1アンロック検出スイッチ24がオンし(時刻t5)、さらにその後、第2アンロック検出スイッチ25がオンする(時刻t6)。
時刻t6で第2アンロック検出スイッチ25がオンすると、第2アンロック検出スイッチ25から出力される第2アンロック検知信号はHレベルとなる。ESCLマイコン21は、第2アンロック検知信号がHレベルになったことをもって、ステアリングがアンロックされたことを確定する。ESCLマイコン21は、アンロックを確定すると、通電指令Suをオフし(Lレベルにし)、モータ駆動回路22へのアンロック信号をLレベルにし、さらに、上位マイコン15へデータ通信にてアンロック確定通知を送信する。
また、時刻t6で第2アンロック検知信号がHレベルになると、アンロック保持条件が成立する。そのため、フェールセーフ回路28から出力される電源制御信号は、ESCLマイコン21からの通電指令SuにかかわらずLレベルとなる。つまり、ESCLマイコン21からの通電指令Suが無効化される。
ESCLマイコン21は、アンロック確定後、時刻t7にて、フェールセーフ回路28の自己診断を実行する。具体的には、通電指令Suを一定期間オン(Hレベル化)させ、その間のモータ駆動回路22への電源供給状態を、診断回路27からの電圧検知信号に基づいて監視する。
アンロック保持条件が成立している間、即ちIG信号がHレベルで且つアンロック状態(第2アンロック検知信号がHレベル)の間は、上記の通り、ESCLマイコン21からの通電指令Suはフェールセーフ回路28によって無効化される。そのため、フェールセーフ回路28が正常である限り、通電指令SuがHレベルにされても、モータ電源回路23からモータ駆動回路22へバッテリ電圧VBは供給されない。一方、フェールセーフ回路28に異常が生じると、IG信号がHレベルで且つアンロック状態であるにもかかわらず、通電指令Suが無効化されず、通電指令SuがHレベルになるとモータ駆動回路22へバッテリ電圧VBが供給されてしまう可能性がある。そのため、通電指令SuをHレベルにしたときの診断回路27からの電圧検知信号をみることで、フェールセーフ回路28が正常であるか否か(通電指令Suを無効化できているか否か)を診断することができる。
ESCLマイコン21は、時刻t7〜t8の間にフェールセーフ回路28の自己診断を行い、その診断結果を上位マイコン15へデータ通信にて送信する。上位マイコン15は、ESCLマイコン21から受信した診断結果が正常であった場合に、車両を走行可能な状態に移行させる。具体的には、内燃機関を始動させて車両を走行させてもよい状態であると判断し、スタータリレー13をオンさせる(時刻t9)。時刻t9では、ACCリレー11及びSLR信号をいずれもオフさせる。
(5)始動時における各マイコンの制御処理
車両の内燃機関が停止していて且つ電源スイッチがオフされている(スタートスイッチ3によりオフ操作されている)動作停止状態からスタータが始動されるまでの間に各マイコン15,24で実行される始動時処理について、図3を用いて具体的に説明する。なお、動作停止状態であっても、上位マイコン15は電源が供給されて動作可能である。
(5−1)上位マイコン15の処理(上位始動時処理)
上位マイコン15は(詳しくはその内部のCPUが)、起動後、図3の左側に示す上位始動時処理をメモリ(図示略)から読み出して実行する。
上位マイコン15は、上位始動時処理を開始すると、S110で、ブレーキスイッチ4がオンされているか否か判断する。ブレーキスイッチ4がオフされている間はこのS110の判断処理を繰り返す。ブレーキスイッチ4がオンされている場合は(S110:YES)、S120で、スタートスイッチ3が押下(押し操作)されたか否か判断する。スタートスイッチ3が押下されていない場合はS110に戻る。スタートスイッチ3が押下された場合は(S120:YES)、S130で、キーIDの照合処理を行う。キーIDの照合処理の具体的内容は既述の通りである。
S140では、キーIDの照合結果を判断する。キーIDの照合結果が失敗だった場合は(S140:NO)、S110に戻る。キーIDの照合結果が照合OK(照合成功)だった場合は(S140:YES)、S150に進む。
S150では、ACCリレー11をオンする。S160では、SLR信号をオンする。このSLR信号のオンにより、ステアリングロックECU20のESCLマイコン21が起動する。S170では、IGリレー12をオンする。S180では、データ通信にて、ESCLマイコン21へ、ステアリングロック解除指令を送信する。このとき、既述の通りESCLIDも送信する。このステアリングロック解除指令及びESCLIDの送信により、ESCLマイコン21において、ESCLIDの照合が行われる。
S190では、ステアリングのロックが解除されたか否か判断する。具体的には、ESCLマイコン21からデータ通信にてアンロック確定通知を受信したか否かを判断する。アンロック確定通知を受信するまでは、S190の判断処理を繰り返す。アンロック確定通知を受信した場合は、ステアリングのロックが解除されたと判断して(S190:YES)、S200に進む。
S200では、ステアリングロックECU20内におけるフェールセーフ回路28の自己診断結果がOK(正常)だったか否か判断する。具体的には、ESCLマイコン21からデータ通信にて、正常であることを示す正常信号又は異常であることを示す異常信号のどちらが受信されたかによって判断する。
ESCLマイコン21から正常信号を受信した場合は、自己診断結果が正常だったものと判断して(S200:YES)、S210でスタータリレー13をオンする。さらに、S220でACCリレー11をオフし、S230でSLR信号をオフして、上位始動時処理を終了する。
S200で、ESCLマイコン21から異常信号を受信した場合は、自己診断結果が異常だったものと判断して(S200:NO)、S240で所定の異常時処理を実行する。
(5−2)ESCLマイコン21の処理(ESCL始動時処理)
ESCLマイコン21は(詳しくはその内部のCPUが)、起動後、図3の右側に示すESCL始動時処理をメモリ(図示略)から読み出して実行する。
ESCLマイコン21は、起動後、ESCL始動時処理を開始すると、S310で、ESCLIDの照合を行う。S320では、ESCLIDの照合結果を判断する。ESCLIDの照合結果が失敗だった場合は(S320:NO)、ESCL始動時処理を終了する。ESCLIDの照合結果が照合OK(照合成功)だった場合は(S320:YES)、S330に進む。
S330では、ステアリングのアンロックのための駆動制御を行う。具体的には、フェールセーフ回路28への通電指令Suをオン(Hレベル化)し、モータ駆動回路22へのアンロック信号をオン(Hレベル化)する。これにより、フェールセーフ回路28が正常である限り、モータ40が逆転方向に回転し、ロック部材53が離脱方向βへと移動する。
S340では、第1スイッチ(第1アンロック検出スイッチの略称)24がオンされたか否か判断する。第1スイッチ24がオンされた場合は(S340:YES)、S350で、第2スイッチ(第2アンロック検出スイッチの略称)25がオンされたか否か判断する。第2スイッチ25がオンされた場合は(S350:YES)、S360で、ステアリングがアンロックされたことを確定し、アンロック信号及び通電指令Suを共にオフする。S370では、データ通信にて上位マイコン15へ、アンロック確定通知を送信する。
S380では、フェールセーフ回路28の自己診断処理を実行する。具体的には、既述の通り、通電指令Suを一定期間オン(Hレベル化)し、その間にモータ電源回路23からモータ駆動回路22へ給電が行われるか否かを監視する。モータ駆動回路22への給電が行われない場合は、自己診断の結果が正常であると判断する。モータ駆動回路22への給電が行われた場合は、自己診断の結果が異常であると判断する。
S390では、S380の自己診断処理の結果がOK(正常)だったか否かを判断する。自己診断処理の結果が正常だった場合は(S390:YES)、S400で、データ通信にて上位マイコン15へ、正常信号を送信する。自己診断処理の結果が異常だった場合は(S390:NO)、S410で、データ通信にて上位マイコン15へ、異常信号を送信する。
(6)実施形態の効果
以上説明したように、本実施形態のスマートシステム1では、ステアリングロックECU20に、フェールセーフ回路28が設けられている。このフェールセーフ回路28は、IG信号がオンで且つステアリングがアンロック状態の場合にはESCLマイコン21からの通電指令Suを無効化してモータ電源回路23からモータ40側へ電源が供給されないようにする。
そのため、車両の走行中にESCLマイコン21が誤動作して通電指令Suがオンされてしまったとしても、フェールセーフ回路28によりその通電指令Suは無効化され、ステアリングが誤ってロックされることが抑止される。
しかも、ステアリングロックECU20は、フェールセーフ回路28を備えていることに加えて、そのフェールセーフ回路28が正常に機能するか否かを診断する自己診断機能を備えている。そのため、信頼性のより高いスマートシステム1が実現されている。
仮に、フェールセーフ回路28に異常が生じると、ESCLマイコン21からの通電指令Suを無効化する機能が正常に働かなくなり、ESCLマイコン21の誤動作に起因してステアリングロック機構が誤動作してしまうおそれがある。ESCLマイコン21が正常であっても、例えばフェールセーフ回路28に異常が生じて且つモータ駆動回路22が故障すると、ステアリングロック機構が誤動作してしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態では、走行前(詳しくは内燃機関の始動前)にフェールセーフ回路28の自己診断を行い、正常である場合に、車両を走行可能な状態に移行させるようにしている。そのため、フェールセーフ回路28及びモータ駆動回路22の二重故障(双方の故障)による動作不良を抑制することができる。
ESCLマイコン21による、フェールセーフ回路28の自己診断は、IGリレー12がオンされてステアリングのロックが解除された後、スタータが始動される前に、実行される。この実行タイミングでは、フェールセーフ回路28が正常である限り、ESCLマイコン21からの通電指令Suがフェールセーフ回路28によって無効化される状態となっている。そのため、この実行タイミングにおいて通電指令Suを一定期間オンさせ、その時のモータ電源回路23からモータ40側への給電状態をみることで、自己診断を適切且つ効率的に実行することができる。
そして、自己診断の結果が正常であった場合に、車両が走行可能な状態に移行される。具体的には、スタータリレー13がオンされ、これにより内燃機関が始動して、走行可能な状態となる。このように、アンロック保持条件が成立して且つフェールセーフ回路28が正常であることを確認した上で、車両を走行可能な状態に移行させることで、走行中のステアリングロック機構の誤動作をより高いレベルで抑止することができる。
[他の実施形態]
(1)上記実施形態のフェールセーフ回路28は、IG信号がオンで且つ第2アンロック検出スイッチ25がオンの場合にESCLマイコン21からの通電指令Suを無効化する構成であったが、フェールセーフ回路28が通電指令Suを無効化する条件(アンロック保持条件)は、他にも種々考えられる。例えば、ステアリングがアンロック状態であって且つ車両が少なくとも走行中の状態である場合に、通電指令Suが無効化されるような構成としてもよい。つまり、少なくとも車両が走行中は、ESCLマイコン21が誤動作しても誤ってステアリングがロックされないようにしてもよい。また例えば、ステアリングがアンロック状態であって且つ内燃機関が動作している場合に通電指令Suが無効化されるような構成としてもよい。より高いレベルでの安全性を確保するならば、上記実施形態のように、一旦アンロックされた後は、IG信号がオンされている限り(スタートスイッチ3により電源オフ操作がなされない限り)通電指令Suが無効化されるような構成とするのが好ましい。
(2)上記実施形態では、通電指令Suを無効化するためにフェールセーフ回路28へ入力させる入力信号の1つが、第2アンロック検出スイッチ25からの第2アンロック検知信号であった。これに対し、第1アンロック検出スイッチ24からの第1アンロック検知信号もフェールセーフ回路28へ入力させ、第1AND回路31において、IG信号、第1アンロック検知信号、及び第2アンロック検知信号の三者の論理積を演算するようにしてもよい。
(3)アンロック検出のためのアンロック検出スイッチを2つ設けることは必須ではない。アンロック検出スイッチは、1つだけ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。アンロック検出スイッチを3つ以上設ける場合に、どのアンロック検出スイッチからのアンロック検知信号をフェールセーフ回路に入力させるかについても、適宜決めることができる。
(4)ESCLマイコン21による、フェールセーフ回路28の自己診断の具体的方法は、診断回路27からの電圧検知信号に基づく方法に限定されない。例えば、フェールセーフ回路28の出力信号を直接ESCLマイコン21に取り込んで自己診断するようにしてもよい。
(5)自己診断の実行タイミングは、アンロック確定後からスタータリレー13のオンまでの期間に限定されず、少なくとも車両が実際に走行する前に自己診断を実行すればよい。例えば、スタータリレー13のオン後に自己診断を実行させ(つまり内燃機関の始動自体は許容し)、自己診断の結果が正常だった場合に走行を許可するようにしてもよい。この場合、自己診断の結果が異常だった場合は、内燃機関を強制停止させるようにしてもよい。
(6)モータ駆動回路22としてHブリッジ回路を用いることは必須ではない。モータ駆動回路22は、モータ40の回転方向を切り替えることが可能なあらゆる種類の回路によって実現できる。
(7)本発明は、内燃機関が搭載された車両への適用に限定されない。ステアリングにより操舵を行うよう構成されたあらゆる種類の車両に対して本発明を適用可能である。
(8)その他、本発明は、上記の実施形態に示された具体的手段や構造等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の形態を採り得る。例えば、上記の実施形態の構成の一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えたり、他の実施形態の構成に対して付加、置換等したり、課題を解決できる限りにおいて省略したりしてもよい。また、上記の複数の実施形態を適宜組み合わせて構成してもよい。
1…プッシュスタート&スマートエントリシステム、2…バッテリ、3…スタートスイッチ、4…ブレーキスイッチ、5…車室内発信機、6…チューナ、10…上位ECU、11…ACCリレー、12…IGリレー、13…スタータリレー、15…上位マイコン、20…ステアリングロックECU、21…ESCLマイコン、22…モータ駆動回路、23…モータ電源回路、24…第1アンロック検出スイッチ、25…第2アンロック検出スイッチ、26…ロック検出スイッチ、27…診断回路、28…フェールセーフ回路、29…通信I/F、30…ロジック電源回路、31…第1AND回路、32…第2AND回路、40…モータ、51…ステアリングシャフト、52…凹部、53…ロック部材、53a…検知部位。

Claims (4)

  1. 車両のステアリングを動作不能にロックするロック機構(51,52,53)を搭載した車両に設けられ、前記ロック機構を動作させるためのモータ(40)への通電を制御することにより前記モータによる前記ロック機構の動作を制御する電動ステアリングロック制御装置であって、
    電源(2)から前記モータへの通電経路に設けられ、入力される駆動指令に従って前記モータへの通電電流の極性を切り替えることにより、前記モータを、前記駆動指令に対応した回転方向へ回転させる通電駆動部(22)と、
    前記通電駆動部とは別に前記通電経路に設けられ、通電指令が入力されている場合に前記電源の電力を前記通電駆動部へ供給する給電部(23)と、
    前記給電部への前記通電指令の出力を制御することにより前記通電駆動部への電力供給を制御する給電制御部(21,S330,S360)と、
    所定のアンロック保持条件が成立している場合に、前記給電制御部からの前記通電指令の出力有無にかかわらず、前記給電部から前記通電駆動部への電力供給を強制的に遮断させる強制遮断部(28)と、
    前記アンロック保持条件が成立していることによって前記給電部から前記通電駆動部への電力供給が前記強制遮断部により強制的に遮断されている間における、所定の診断タイミングで、前記強制遮断部が正常であるか否かを診断する自己診断部(21,S380)と、
    を備え
    前記アンロック保持条件は、前記ロック機構によるロックが解除された状態になっていて、且つ、前記車両の電源スイッチ(3)がオンされていることである
    ことを特徴とする電動ステアリングロック制御装置(1)。
  2. 請求項1に記載の電動ステアリングロック制御装置であって、
    前記自己診断部は、前記診断タイミングで、前記給電制御部から前記給電部へ前記通電指令を一定期間出力させ、その通電指令の出力中における、前記給電部から前記通電駆動部への給電状態に基づいて、前記強制遮断部が正常であるか否かを診断する
    ことを特徴とする電動ステアリングロック制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電動ステアリングロック制御装置であって、
    前記強制遮断部(31,32)は、前記アンロック保持条件が成立している間は前記給電制御部から前記給電部への前記通電指令を無効とし、前記アンロック保持条件が成立していない間は前記給電制御部から前記給電部への前記通電指令を有効とするように構成されている
    ことを特徴とする電動ステアリングロック制御装置。
  4. 請求項1〜請求項の何れか1項に記載の電動ステアリングロック制御装置であって、
    前記車両の電源スイッチ(3)をオンさせるための所定の電源投入操作を含む、前記車両を走行可能な状態に移行させるための所定の始動操作が行われた場合に、前記ロック機構によるロックを解除させるための前記駆動指令であるアンロック指令を前記通電駆動部へ出力する駆動制御部(21,S330)と、
    前記始動操作に基づく駆動制御部からの前記アンロック指令の出力によって前記ロック機構によるロックが解除された後、前記車両を走行可能な状態に移行させる走行許可部(10,S210)と、
    を備え、
    前記診断タイミングは、前記始動操作に基づく前記駆動制御部からの前記アンロック指令の出力によって前記ロック機構によるロックが解除された後の所定のタイミングであり、
    前記走行許可部は、前記診断タイミングにおける前記自己診断部の診断によって前記強制遮断部が正常であると診断された場合に、前記車両を走行可能な状態に移行させる
    ことを特徴とする電動ステアリングロック制御装置。
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