JP6109018B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は半導体装置およびその製造方法に関し、特に、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを備えた半導体装置と、そのような半導体装置の製造方法とに関するものである。
近年、インバータに代表されるパワーエレクトロニクスの分野においては、高いスイッチング制御性と低オン電圧特性を併せ持つ絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:以下「IGBT」と記す。)の電力用半導体素子が主流となっている。IGBTは、家電用から産業用だけでなく、大容量・高耐圧が要求される電鉄・車両、変電設備といった用途にまで使用されるに至っている。
とりわけ、ゲート電極が半導体基板の一主面に形成された溝(トレンチ)の中に埋め込まれた構造を有する絶縁ゲート型半導体装置は、微細化によるセル集積度の向上に利点があることから注目を集めている。この種のIGBTは、トレンチゲート型IGBT(Trench gate Bipolar Transistor:以下、必要に応じて「TIGBT」と記す。)と称されている。
TIGBTでは、エミッタ電極に電気的に接続されたエミッタ領域からベース領域を経てドリフト層に達するようにトレンチ溝が形成され、そのトレンチ溝にゲート酸化膜を介してトレンチゲート電極が形成されている。ドリフト層に対してベース領域と反対側には、コレクタ電極に電気的に接続されたP型コレクタ領域(P型基板)が形成されている。
TIGBTをオン動作させるには、トレンチゲート電極に、所定のしきい値電圧以上の電圧(約0V〜20V程度)が印加される。このとき、ゲート酸化膜を挟んでトレンチゲート電極とは反対側に位置するベース領域の部分にチャネル領域が形成されて、エミッタ領域からチャネル領域を経てドリフト層に電子が注入される。
一方、P型コレクタ領域からドリフト層へ向かって、注入された電子を中和させるように正孔が注入されて、伝導度変調が生じる。伝導度変調が生じることで、ドリフト層の電気抵抗が大幅に低下し、コレクタ電極とエミッタ電極との間の導通が可能になり、オン抵抗を低減することができる。オン抵抗を低減することで、オン時の電圧損失を低減させることができる。
TIGBTでは、平面ゲート型のIGBTに比べて、MOSトランジスタのサイズを約1/10程度に微細化することができる。また、平面ゲート型のIGBTでは、表面においてベース領域に挟まれた領域に電流経路が形成され、この電流経路における電圧降下が大きくなってしまうのに対して、TIGBTでは、電流経路にはベース領域に挟まれた領域がなくなって、オン抵抗を低減させることができる。
特開2002−353456号公報
Victor Chan, et al., "Strain for CMOS performance Improvement", CUSTOM INTEGRATED CIRCUITS CONFERENCE, p667, 2005.
しかしながら、オン抵抗をさらに低減してオン時の電圧損失を低減するためには、半導体装置のさらなる微細化が望まれているが、その微細化のためには新たな製造設備を導入しなければならず、生産コストが上昇してしまうという問題がある。
一方、微細化を行わずにオン抵抗を低減させるために、たとえば、特許文献1では、キャリア蓄積型TIGBT(Carrier Stored Trench-gate Bipolar Transistor:以下、必要に応じて「CSTBT」と記す。)が提案されている。
本発明は、そのようなオン抵抗の低減を図る開発の一環でなされたものであり、一つの目的は、さらなるオン抵抗の低減が図られる半導体装置を提供することであり、他の目的は、そのような半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明に係る半導体装置は、第1導電型の半導体基板と第2導電型のベース領域と第1導電型のエミッタ領域とトレンチ溝と絶縁体と堆積膜とを備えている。第1導電型の半導体基板は、互いに対向する第1主表面および第2主表面を有する。第2導電型のベース領域は、半導体基板の第1主表面から第1深さにわたり形成されている。第1導電型のエミッタ領域は、ベース領域に選択的に形成され、ベース領域の表面から第1深さよりも浅い第2深さにわたり形成されている。トレンチ溝は、エミッタ領域およびベース領域を貫いて、半導体基板における第1導電型の領域に達するように形成されている。ゲート電極は、トレンチ溝の側壁面にゲート絶縁膜を介在させて形成されている。絶縁体は、ゲート電極の上面覆うように形成されている。引っ張り応力を有する堆積膜は、絶縁体を覆うように形成され、ゲート電極とゲート絶縁膜を介在させて対向するベース領域の部分に引張り応力を加えて、ベース領域の部分の電子の移動度を向上させるとともに、ゲート電極の直下に位置する半導体基板における第1導電型の領域の部分に圧縮応力を加えて、その領域の部分の正孔の移動度を向上させる。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、上述した半導体装置の製造方法であって、堆積膜を形成する工程は、化学気相成長法によって堆積膜を形成する工程を備えている。
本発明に係る半導体装置によれば、ゲート電極を覆う絶縁体を覆うように形成される堆積膜が引っ張り応力を有することで、半導体装置のオン抵抗を低減させることができる。
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、堆積膜に引っ張り応力をもたせることができ、オン抵抗の低減が図られる半導体装置を製造することができる。
本発明の実施の形態1に係る、IGBTを備えた半導体装置の断面図である。 同実施の形態において、半導体装置の動作を説明するための断面図である。 第1比較例に係る、IGBTを備えた半導体装置の断面図である。 第2比較例に係るCSTBTを備えた半導体装置の断面図である。 同実施の形態において、作用効果を説明するための第1の断面図である。 同実施の形態において、作用効果を説明するための第2の断面図である。 本発明の実施の形態2に係る、IGBTを備えた半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図7に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図8に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図9に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図10に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図11に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、コンタクトホールの平面パターンを示す部分平面図である。 比較例に係る、コンタクトホールの平面パターンを示す部分平面図である。 本発明の実施の形態3に係る、IGBTを備えた半導体装置の断面図である。
実施の形態1
実施の形態1に係る、IGBTを備えた半導体装置の一例について説明する。図1に示すように、IGBT50では、N型半導体層3の一方の表面から所定の深さにわたり、P型ベース領域4が形成されている。そのP型ベース領域4の表面から、P型ベース領域4よりも浅い深さにわたり、N型エミッタ領域5が選択的に形成されている。そのN型エミッタ領域5の表面からN型エミッタ領域5、P型ベース領域4を貫いて、N型半導体層3のN型の領域(ドリフト層)に達するトレンチ溝7が形成されている。
トレンチ溝7内には、トレンチ溝7の側壁面にゲート酸化膜8を介在させてトレンチゲート電極10が形成されている。トレンチゲート電極10を覆い、その上面から突出するように、絶縁体としての層間絶縁膜9が形成されている。トレンチゲート電極10および層間絶縁膜9を覆うように、引っ張り応力を有する堆積膜14が形成されている。
その堆積膜14を覆うように層間絶縁膜15が形成されている。層間絶縁膜15および堆積膜14を貫通してN型エミッタ領域5の一部を露出するコンタクトホール12が形成されている。そのコンタクトホール12を埋め込むとともに、層間絶縁膜15等を覆うように、エミッタ電極22が形成されている。
一方、N型半導体層3の他方の表面から所定の深さにわたり、N型バッファ層2が形成されている。N型バッファ層2に接するように、P型コレクタ領域1が形成されている。P型コレクタ領域1に接するようにコレクタ電極21が形成されている。なお、ここでは、IGBTの単位セル(単位素子A1)の構造について説明したが、半導体装置としては、上述したIGBTを複数配置させた領域と、その領域を取り囲む終端領域と、外部に電流を取り出すための複数のパッド領域(いずれも図示せず)とによって構成される。
次に、上述したIGBT50の動作について説明する。トレンチゲート電極10に、所定のしきい値電圧以上の電圧(約0V〜20V程度)が印加される。このとき、ゲート酸化膜8を挟んでトレンチゲート電極10とは反対側に位置するP型ベース領域4の部分にチャネル領域が形成される。これにより、図2に示すように、N型エミッタ領域5からチャネル領域を経てN型半導体層3の領域(ドリフト層)に電子が注入される。
一方、P型コレクタ領域1からN型半導体層3の領域(ドリフト層)へ向かって、注入された電子を中和させるように正孔が注入される。N型半導体層3の領域(ドリフト層)へ電子と正孔とが注入されることで、伝導度変調が生じてドリフト層の電気抵抗が大幅に低下し、コレクタ電極21とエミッタ電極22との間の導通が可能になる。
上述したIGBT50では、引っ張り応力を有する堆積膜14がトレンチゲート電極10との間に層間絶縁膜9を介在させて形成されていることで、堆積膜14の引っ張り応力がトレンチゲート電極10に作用する結果、オン抵抗を低減することができる。このことについて、比較例に係るIGBTとの関係で説明する。
まず、図3に示すように、第1比較例に係る半導体装置として、TIGBT500について説明する。TIGBT500では、N型半導体層103の一方の表面から所定の深さにわたり、P型ベース領域104が形成され、その表面から、P型ベース領域104よりも浅い深さにわたり、N型エミッタ領域105が形成されている。N型エミッタ領域105の表面からN型エミッタ領域105、P型ベース領域104を貫いて、N型半導体層103の領域に達するトレンチ溝107が形成されている。
トレンチ溝107内には、トレンチ溝107の側壁面にゲート酸化膜108を介在させてトレンチゲート電極110が形成されている。トレンチゲート電極110を覆うように、層間絶縁膜115が形成されている。層間絶縁膜115を貫通してN型エミッタ領域105の一部を露出するコンタクトホール112が形成されている。そのコンタクトホール112を埋め込むとともに、層間絶縁膜115を覆うように、エミッタ電極122が形成されている。
一方、N型半導体層103の他方の表面から所定の深さにわたり、N型バッファ層102が形成され、そのN型バッファ層102に接するように、P型コレクタ領域101が形成されている。P型コレクタ領域101に接するようにコレクタ電極121が形成されている。
第1比較例に係るTIGBT500において、さらなるオン抵抗の低減を図るには、TIGBTの微細化(セルの集積化)を図ることが求められるが、そのような微細化には、新規の製造設備の導入が可決であり、製造コストが上昇してしまうという問題がある。
次に、図4に示すように、第2比較例に係る半導体装置として、CSTBT600について説明する。CSTBT600では、微細化を行わずにオン抵抗を低減させることができるとされる。このCSTBT600では、P型ベース領域104とN型半導体層103の領域(ドリフト層)との間に、キャリアを蓄積させるためのキャリア蓄積層113が形成されている。なお、これ以外の構成については、図3に示す第1比較例に係るIGBT500と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除きその説明を繰り返さないこととする。
キャリア蓄積層113には、P型コレクタ領域101からN型エミッタ領域105(エミッタ電極122)へ向かって流れようとする正孔が蓄積されることになる。CSTBT600では、キャリア蓄積層113に正孔を蓄積させることで、オン抵抗のさらなる低減を図っている。
ところが、CSTBT600では、キャリア蓄積層113の不純物濃度がばらついてしまうような場合には、結果として、トレンチゲート電極110に印加するしきい値電圧(VGEth)も大きく変動してしまうことになる。このため、製品の歩留まりが低下してしまったり、また、製造工程の管理を厳格にする必要がある。
第1比較例および第2比較例に対して、実施の形態に係るIGBT50では、引っ張り応力を有する堆積膜14を形成することで、トレンチゲート電極10がトレンチ溝7の底へ向かって押し込まれることになる。このことによる作用効果について説明する。
まず、トランジスタが形成された半導体基板に歪を加えることで、半導体基板中のキャリアの動作速度、すなわち、キャリア移動度が向上することが、たとえば、非特許文献1等において報告されている。歪を加えられた半導体基板においてキャリア移動度が向上する理由は、歪を加えることによって半導体基板中の格子間距離が変化することによる。
たとえば、半導体基板に引っ張り応力を加え、電子が進む方向に向かって格子間距離を引き伸ばした状態での半導体基板中においては、半導体基板中を進む電子の散乱が減少するとともに、有効質量が減少するため、電子の移動度が大きく向上する。一方、半導体基板に圧縮応力を加え、正孔の進行方向に向かって格子間距離を縮めた半導体基板中においては、半導体基板中を進む正孔の有効質量が減少するため、正孔の移動度が向上する。
キャリア移動度が向上するということは、同一体積における電流取得量が増大することを意味し、これは、電流密度が向上することを示している。上述した実施の形態に係るIGBT50において、トレンチゲート電極10のトレンチ溝7の深さ方向に応力が作用するということは、トレンチゲート電極10とはゲート酸化膜8を介在させて対向するP型ベース領域4の部分にせん断応力が加わることになる。
このせん断応力が加わることになるP型ベース領域4の部分は、オン動作の際に電子が流れるチャネルが形成される部分である。この電子が流れるチャネルとなるP型ベース領域4の部分にせん断応力が加わることで、図5に示すように、このP型ベース領域4の部分には、電子の進行方向に向かって引っ張り応力が加わることになる。これにより、このP型ベース領域4の部分の格子間距離が増大して、P型ベース領域4(チャネル領域)を通過する電子の移動度を向上させることができる。
また、トレンチゲート電極10にトレンチ溝7の深さ方向に応力を作用させることで、図6に示すように、トレンチゲート電極10の直下(トレンチ溝7の底)に位置するN型半導体層3の領域(ドリフト層)の部分では圧縮応力が加わることになる。このN型半導体層3の領域(ドリフト層)の部分に圧縮応力が加わることで、この部分の格子間距離が縮められて、正孔の移動度を向上させることができる。
こうして、実施の形態に係るIGBT50では、電子は、トレンチゲート電極10とはゲート酸化膜8を介在させて対向するP型ベース領域4の部分において移動度が向上する。また、正孔は、トレンチゲート電極10の直下(トレンチ溝7の底)に位置するN型半導体層3の領域(ドリフト層)の部分において移動度が向上する。これにより、IGBT50では、単位素子A1における電流密度が向上することで、オン抵抗の低減に寄与することができる。
また、上述したIGBT50では、化学気相堆積装置を含めて、既存の製造設備を用いて製造することが可能であり、製造コストを増大させることなくオン抵抗を低減することができる。
さらに、実施の形態に係るIGBT50では、第2比較例に係るCSBTB600の場合と比べて、キャリア蓄積層が不要であり、キャリア蓄積層113の不純物濃度のばらつき等に起因するしきい値電圧の変動による、製品の歩留まり低下や製造工程の管理の厳格化を解消させることができる。
実施の形態2
ここでは、前述したIGBTを備えた半導体装置の製造方法の一例について説明する。まず、図7に示すように、N型半導体層3とP型コレクタ領域1を備えた基体が用意される。P型コレクタ領域1は、N型半導体層3において、コレクタ電極が形成される側の表面に形成されている。
次に、図8に示すように、熱拡散法等によって、P型コレクタ領域1の表面からn型の不純物を導入することによって、N型半導体層3の一方の表面から所定の深さにわたりN型バッファ層2が形成される。次に、N型半導体層3の他方の表面からp型の不純物を導入することにより、N型半導体層3の表面から所定の深さにわたりP型ベース領域4が形成される。
次に、P型ベース領域4の表面に、所定のマスクパターン(図示せず)が形成される。次に、そのマスクパターンを注入マスクとして、n型の不純物を導入することによって、P型ベース領域4の表面から、P型ベース領域4よりも浅い所定の深さにわたりN型エミッタ領域5が選択的に形成される。
次に、P型ベース領域4およびN型エミッタ領域5の表面に所定のマスクパターン(図示せず)が形成される。次に、そのマスクパターンをエッチングマスクとして、反応性イオンエッチング処理等の化学反応を用いたエッチング処理を施すことにより、図9に示すように、トレンチ溝7が形成される。
このとき、トレンチ溝7は、N型エミッタ領域5の表面から、N型エミッタ領域5およびP型ベース領域4を貫通して、N型半導体層3の領域(ドリフト層)に達するように形成される。また、トレンチ溝7は、一定の間隔(ピッチ)をもって互いに平行に配列されるように形成される。
次に、図10に示すように、トレンチ溝7内に、たとえば、シリコン酸化膜からなるゲート酸化膜8が形成され、次に、トレンチ溝7を埋め込むように、たとえば、多結晶シリコン膜からなるトレンチゲート電極10が形成される。次に、トレンチゲート電極10を覆うように、絶縁体としての層間絶縁膜9が選択的に形成される。
次に、図11に示すように、層間絶縁膜9およびトレンチゲート電極10を覆うように、高い引っ張り応力を有する堆積膜14が形成される。この堆積膜14の膜種や成膜条件についていは、後で具体的に説明する。次に、その堆積膜14を覆うように、たとえば、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜15が形成される。
次に、層間絶縁膜15の表面に所定のマスクパターン(図示せず)が形成される。次に、そのマスクパターンをエッチングマスクとして、層間絶縁膜15および堆積膜14にエッチング処理を施すことにより、N型エミッタ領域5の一部を露出するコンタクトホール12(図12参照)が形成される。次に、図12に示すように、そのコンタクトホール12を埋め込むように、選択的にエミッタ電極22が形成される。次に、P型コレクタ領域1の表面にコレクタ電極21が形成される。こうして、IGBTを備えた半導体装置の主要部分が完成する。
上述したIGBTを備えた半導体装置の製造方法では、トレンチゲート電極10と層間絶縁膜9を覆うように、引っ張り応力を有する堆積膜14が形成される。ここで、引っ張り応力を有する堆積膜14の形成方法の一例について具体的に説明する。
高い引っ張り応力を有する堆積膜としては、窒化物、高密度プラズマによる酸化物およびこれら窒化物と酸化物とを組み合わせた材料のいずれかの、応力を誘起させる材料を適用して、たとえば、低圧CVD(LPCVD:Low Pressure Chemical Vapor Deposition)、プラズマ強化CVD(PECVD:Plasma Enhanced CVD)、急速加熱CVD(RTCVD:Rapid Thermal CVD)等のような、種々の化学気相堆積(CVD)によって形成される。
より具体的には、応力を付与する堆積膜14として、シリコン窒化膜(Si34)のような窒化物を含み、成膜条件として、堆積される膜内に引っ張り歪みを与える成膜条件が選択される。たとえば、プラズマ強化CVDによって、固有の引っ張り歪を有する窒化物の堆積膜を形成することができ、トレンチゲート電極10に対して深さ方向に応力を付与することができる。
プラズマ強化CVDによって形成される堆積膜(シリコン窒化膜)の引っ張り応力は、堆積チャンバ内の反応速度を変えることによって制御することができる。つまり、堆積条件として、モノシランガス(SiH4)、窒素ガス(N2)およびアンモニアガス(NH3)のそれぞれの流量、圧力、RF(Radio Frequency)パワー、真空度(ガス圧力)ならびに温度を変化させることによって、堆積膜14の引っ張り応力を制御することができる。
たとえば、モノシランガス(SiH4)の流量とアンモニアガス(NH3)の流量との流量比を70:30、RFパワーを1kW、真空度を3.5〜6.0torr、堆積温度を400℃とする成膜条件のもとで、堆積膜としてシリコン窒化膜を形成することで、そのシリコン窒化膜に引っ張り応力を発生させることが可能となる。
なお、このときのモノシランガス(SiH4)とアンモニアガス(NH3)との混合ガスの濃度は約15〜20%程度であり、残りは窒素ガス(N2)である。また、上記成膜条件のうち、応力の制御において最も重要なのは真空度であり、この場合、3.5〜6.0torrの範囲において安定な特性を得ることができる。
トレンチゲート電極に印加するしきい値電圧のばらつきの観点からでは、キャリア蓄積層113(図4参照)を追加的に形成する際の不純物濃度の制御に起因する、しきい値電圧Vthのばらつきに比べて、真空度等の成膜条件(製造パラメータ)によって安定化が容易な引っ張り応力を制御することで、しきい値電圧Vthのばらつきを低減することが可能になる。
なお、コンタクトホール12の平面パターンとしては、図13に示す円形のパターンの方が、図14に示すトレンチ溝に沿って延在するコンタクトホール212よりも、堆積膜14の引っ張り応力をトレンチゲート電極10に効果的に作用させることが可能であると考えられる。
実施の形態3
実施の形態3に係る、IGBTを備えた半導体装置の他の例について説明する。図15に示すように、IGBT50では、絶縁体としての層間絶縁膜9を直接覆うように、引っ張り応力を有する堆積膜16が形成されている。その堆積膜16を貫通してN型エミッタ領域5の一部を露出するコンタクトホール12が形成されている。そのコンタクトホール12を埋め込むとともに、堆積膜16を覆うように、エミッタ電極22が形成されている。なお、これ以外の構成については図1に示すIGBT50と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除きその説明を繰り返さないこととする。
上述したIGBT50においても、前述したIGBT50(図1参照)と同様に、引っ張り応力を有する堆積膜16がトレンチゲート電極10との間に層間絶縁膜9を介在させて形成されていることで、堆積膜14の引っ張り応力がトレンチゲート電極10に作用することになる。
これにより、実施の形態1において説明したのと同様に、電子は、トレンチゲート電極10とはゲート酸化膜8を介在させて対向するP型ベース領域4の部分において移動度が向上する。また、正孔は、トレンチゲート電極10の直下(トレンチ溝7の底)に位置するN型半導体層3の領域(ドリフト層)の部分において移動が向上する。これにより、IGBT50では、単位素子における電流密度が向上することで、オン抵抗の低減に寄与することができる。
なお、上述した各実施の形態に係る、IGBT50を備えた半導体装置では、N型半導体層3となる半導体基板として、たとえば、Si、SiC、SiGeC、Ge、SiGe、Ga、GaAs、InAs、InPなどを適用することが可能である。また、堆積膜14、16とトレンチゲート電極10との間に介在させる、絶縁体としての層間絶縁膜9では、トレンチゲート電極10とその周辺に位置するN型エミッタ領域5の部分を覆うように形成された場合を示した。この他に、トレンチゲート電極10が位置する領域にだけ層間絶縁膜9を配置させるようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、IGBTを備えた半導体装置に有効に利用される。
1 P型コレクタ領域、2 N型バッファ層、3 N型半導体層、4 P型ベース領域、5 N型エミッタ領域、7 トレンチ溝、8 ゲート酸化膜、9 層間絶縁膜、10 トレンチゲート電極、12 コンタクトホール、13 キャリア蓄積層、14 堆積膜、15 層間絶縁膜、16 堆積膜、21 コレクタ電極、22 エミッタ電極、50 IGBT。

Claims (7)

  1. 互いに対向する第1主表面および第2主表面を有する第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板の前記第1主表面から第1深さにわたり形成された第2導電型のベース領域と、
    前記ベース領域に選択的に形成され、前記ベース領域の表面から前記第1深さよりも浅い第2深さにわたり形成された第1導電型のエミッタ領域と、
    前記エミッタ領域および前記ベース領域を貫いて、前記半導体基板における第1導電型の領域に達するように形成されたトレンチ溝と、
    前記トレンチ溝の側壁面にゲート絶縁膜を介在させて形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極の上面を覆うように形成された絶縁体と、
    前記絶縁体を覆うように形成され、前記ゲート電極と前記ゲート絶縁膜を介在させて対向する前記ベース領域の部分に引張り応力を加えて、前記ベース領域の前記部分の電子の移動度を向上させるとともに、前記ゲート電極の直下に位置する前記半導体基板における第1導電型の前記領域の部分に圧縮応力を加えて、前記領域の前記部分の正孔の移動度を向上させる、引っ張り応力を有する堆積膜と
    を備えた、半導体装置。
  2. 前記半導体基板の前記第1主表面側に、前記エミッタ領域に電気的に接続されるエミッタ電極が形成され、
    前記堆積膜に前記エミッタ領域に達する開口部が形成され、
    前記エミッタ電極は、前記開口部に充填されて前記エミッタ領域に接触する部分を含む、請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記開口部の平面パターンは円形である、請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記堆積膜は、窒化物および酸化物の少なくともいずれかを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記ゲート電極は、前記ゲート電極の前記上面が、前記トレンチ溝の開口端を超えないように形成された、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記堆積膜を形成する工程は、化学気相堆積法によって前記堆積膜を形成する工程を備えた、半導体装置の製造方法。
  7. 前記堆積膜を形成する工程では、前記堆積膜は窒化物および酸化物の少なくともいずれかを含む材料によって形成される、請求項記載の半導体装置の製造方法。
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