JP4691989B2 - 炭化けい素半導体素子の製造方法 - Google Patents

炭化けい素半導体素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は炭化けい素半導体素子の製造方法に関し、特に素子の半導体材料に炭化けい素を用いて形成されたMOS型のゲート構造を有する炭化けい素半導体素子の製造方法に関する。
炭化けい素(SiC)は、バンドギャップが例えば4H−SiCで3.25eVとシリコン(Si)の1.12eVに比べて3倍程度大きく、また、電界強度がSiよりも1桁近く大きい(2〜4MV/cm)ことから、電力半導体素子への利用が検討されている。一般に電力半導体素子のオン状態における素子の抵抗(以下「オン抵抗」という。)は、電界強度の3乗に反比例し、また、キャリア移動度に反比例することが知られている。SiCのキャリア移動度がSiより低いことを考慮しても、SiCではSiに比べて数百分の1にオン抵抗を低減することができ、SiC半導体素子は、次世代の電力用半導体素子として期待されている。これまでに、ダイオード、トランジスタ、サイリスタなど、SiCを用いた様々な素子が試作されている。そのような素子には、例えば、MOS型のゲートを有するMOS電界効果トランジスタ(以下「MOSFET」と記す。)であって、チャネル二重拡散構造を有するDI(Double Implanted)MOSFETや、ゲート電極をトレンチ(U字溝)に埋め込んだ構造を有するUMOSFET等もある。
図15はSiCを用いた従来の縦型DIMOSFETの要部断面図である。この図15にはSiCを用いたnチャネルDIMOSFETの1セルの断面を図示している。
図15に示すSiC縦型DIMOSFET100は、低抵抗n型SiC基板101の表面上にSiCのエピタキシャル成長によってn型ドリフト層102が形成された構造を有する。このn型ドリフト層102の表層部には、アルミニウム(Al)等をイオン注入してp型ベース領域103が形成され、さらに窒素(N)やリン(P)等をイオン注入してp型ベース領域103に囲まれるようにn型ソース領域104が形成される。そして、これらの上にゲート酸化膜105を介してポリシリコンでゲート電極106が形成され、このゲート電極106は絶縁膜107で被覆される。p型ベース領域103およびn型ソース領域104の上には、両領域に共に接触するソース電極108が形成され、また、n型SiC基板101の裏面にはドレイン電極109が形成される。
このSiC縦型DIMOSFET100では、ゲート電極106直下のp型ベース領域103のn型ソース領域104とn型ドリフト層102に挟まれた領域がチャネル領域110となる。p型ベース領域103およびn型ソース領域104のイオン注入による形成時には、MOSFETの特性向上のため、このチャネル領域110の長さL1を各セル間で均一にすることが重要になり、従来、長さ制御を行ってチャネル領域110を形成する方法も提案されている(例えば特許文献1参照)。
このようなSiC縦型DIMOSFET100において、あらかじめソース電極108をアース電位にしておき、ゲート電極106に十分大きな負バイアスを印加すると、チャネル領域110は正孔が誘起された蓄積状態になり、電流は流れない。ドレイン電極109に正の高電圧を印加すると、n型ドリフト層102とp型ベース領域103の間の接合が逆バイアス状態になるので、空乏層がn型ドリフト層102およびp型ベース領域103に広がり、電流が低く抑えられたまま高電圧が維持され、これがオフ状態である。この状態からゲート電極106に十分大きな正バイアスを印加すると、チャネル領域110に電子が誘起されて反転状態になり、電子がソース電極108、n型ソース領域104、チャネル領域110(反転層)、n型ドリフト層102、n型SiC基板101、ドレイン電極109の順に流れるオン状態になる。ここでゲート電極106に再び負バイアスを印加すると反転層は消滅し、電子の流れる経路が遮断されてオフ状態になる。
SiC縦型DIMOSFET100のオン抵抗は、ソース電極108の接触抵抗、ソース抵抗、反転層のチャネル抵抗、電子がn型ドリフト層102のゲート酸化膜105との界面近傍を移動するときの蓄積抵抗、電子がn型ドリフト層102をゲート酸化膜105近傍からn型SiC基板101に向かって流れるときにn型ドリフト層102がp型ベース領域103に挟まれていることによって生じるJFET抵抗、p型ベース領域103を除いたn型ドリフト層102の厚さ方向の抵抗、基板抵抗、そしてドレイン電極109の接触抵抗の各抵抗成分の総和になる。
このSiC縦型DIMOSFET100は、(1)原理的にビルトイン電圧がないのでオン電圧をバイポーラデバイスに比べて低くできる、(2)ユニポーラデバイスなのでオン状態時に素子内でキャリアの蓄積がなくスイッチングロスが小さい、(3)ゲート電極106に正負の電圧を印加してオンオフ動作させる電圧駆動であるので駆動回路が簡単になる、等の長所がある。
また、図16はSiCを用いた従来の縦型UMOSFETの要部断面図である。この図16にはSiCを用いたnチャネルUMOSFETの1セルの断面を図示している。
図16に示すSiC縦型UMOSFET200は、上記SiC縦型DIMOSFET100と同じく、低抵抗n型SiC基板201の表面上にSiCのエピタキシャル成長によってn型ドリフト層202が形成された構造を有する。そして、この上に更にSiCのエピタキシャル成長によってp型ベース領域203が形成され、その表層部に窒素やリン等のイオン注入によってn型ソース領域204が形成された後に、RIE(Reactive Ion Etching)法によってn型ドリフト層202に達するトレンチが形成される。このトレンチを覆うようにしてゲート酸化膜205、ゲート電極206および絶縁層207が形成される。p型ベース領域203およびn型ソース領域204の上には、両領域に共に接触するようソース電極208が形成され、また、n型SiC基板201の裏面にはドレイン電極209が形成される。このSiC縦型UMOSFET200では、p型ベース領域203のn型ソース領域204とn型ドリフト層202に挟まれた領域がチャネル領域210となる。
このようなSiC縦型UMOSFET200のオンオフ動作は、上記SiC縦型DIMOSFET100の動作と同様である。しかし、SiC縦型UMOSFET200のオン抵抗は、構造上SiC縦型DIMOSFET100では加算されていた蓄積抵抗およびJFET抵抗が発生しないという長所がある。また、JFET抵抗が存在しないので、隣り合わせのp型ベース領域203間の距離を小さくすることができ、セルピッチを小さくできるため、オン抵抗をSiC縦型DIMOSFET100のときより小さくできるというメリットがある。
また、従来、SiC半導体素子については、その特性改善を目的とした種々の提案がなされている。例えばSiC層表層部に設けられたチャネル領域とゲート絶縁膜との間にSiC層表面の熱酸化によって結合膜を形成してチャネル領域とゲート絶縁膜の界面を良好にし、キャリアのトラップや散乱を抑制してキャリア移動度を向上させる試みがなされている(例えば特許文献2参照)。
特開2000−22137号公報(段落番号〔0035〕〜〔0044〕,図1,図2) 特開2002−222950号公報(段落番号〔0045〕〜〔0047〕,図4)
ところで、SiC半導体素子の設計耐圧を上げていくと、素子内に存在する抵抗成分のうちドリフト層の抵抗のみが次式(1)に従って増加する。
drift=4BV2/(μεECR 3)……(1)
ここで、BVは絶縁耐圧、μはキャリア移動度、εは半導体の誘電率、ECRは半導体の臨界電界強度である。この式(1)のRdriftがユニポーラデバイスの最小オン抵抗であり、このオン抵抗と絶縁耐圧との関係は理論上のオン抵抗の下限値を示すユニポーラリミットと呼ばれる。
しかし、SiC半導体素子では、上記のようにドリフト層抵抗のほかにも様々な抵抗成分が存在している。これらの抵抗成分のためにSiC半導体素子の実際のオン抵抗はユニポーラリミットからは離れ、特に絶縁耐圧が低くなるほどこれら抵抗成分のドリフト層抵抗に対する割合が増加していくという問題点があった。
例えばMOSFETの場合には、次式(2)で表されるチャネル抵抗が大きな割合を占めるようになる。
CH=L/{WCOXμn(VG−VT)}……(2)
ここで、Lはチャネル長、Wはチャネル幅、COXは酸化膜容量、μnは電子移動度、VGはゲート電圧、VTはゲートのしきい値電圧である。
また、JFETの場合には、ゲート領域で挟まれるドリフト層の距離が小さければそこでJFET抵抗が発生する。ゲート領域で挟まれるドリフト層の距離を十分広げるとJFET抵抗を無視できるほどに下げることができるが、その場合にはゲート領域の深さ分を通過するときに発生する次式(3)で表される抵抗成分が新たに総抵抗に加わってしまうようになる。
R=LJFET/(qμnn)・(Ratio)……(3)
ここで、LJFETはゲート領域の深さ、qは電荷素量、μnは電子移動度、nはドリフト層の電子密度、(Ratio)は各セルのゲート領域で挟まれるドリフト層の領域の各セル全体に占める面積の割合である。
このようにオン抵抗には様々な抵抗成分が寄与しているが、MOSFET、JFETいずれの場合においても、抵抗値は電子移動度μnによって大きく左右される。この電子移動度μnは、JFETの場合にはバルクの移動度である。また。MOSFETの場合、電子移動度μnは、電子がSiCとゲート酸化膜の界面に存在するトラップ準位に捕獲されて実際に伝導に寄与する電子数が少なくなったり、トラップされた電子がクーロン散乱を起こしたりするため、バルクの移動度よりは低くなってしまう。そのため、界面準位を下げたり、その界面からチャネルを離して界面準位の影響を最小限にしようとしたりする試みもなされている。目標は、できるだけ電子移動度μnをバルクの値に近づけることである。しかしながら、電子移動度μnをバルクの値に近づけることができたとしても、例えば1kV以下の低絶縁耐圧ではチャネル抵抗がドリフト層抵抗に対して大きな割合を占めてしまうという問題は依然として残る。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、素子内部でのキャリア移動度を飛躍的に向上させ、低絶縁耐圧であってもオン抵抗を大幅に低減したSiC半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、第1導電型のSiC基板の表面上にSiCを用いて形成された第1導電型ドリフト層と、SiCを用いて前記第1導電型ドリフト層に接合して形成された第2導電型ベース領域と、SiCを用いて前記第2導電型ベース領域に接合して形成された第1導電型ソース領域と、を有し、前記第1導電型ドリフト層と前記第1導電型ソース領域とに挟まれた前記第2導電型ベース領域の一部をチャネル領域とし、前記チャネル領域を覆うようにゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記第2導電型ベース領域と前記第1導電型ソース領域とに共に接触して形成されたソース電極と、前記SiC基板の裏面に形成されたドレイン電極と、を有するSiC半導体素子の製造方法において、キャリアが流れる領域を構成するSiCに応力を与えて結晶格子間隔を変化させる工程を有することを特徴とするSiC半導体素子の製造方法が提供される。
本発明の一観点によれば、Al x Ga 1-x N(0≦x≦1)からなる膜を形成し、前記膜上に前記キャリアが流れる領域を構成するSiCを形成することによって、前記キャリアが流れる領域を構成するSiCに応力を与えて結晶格子間隔を変化させるSiC半導体素子の製造方法が提供される。
また、本発明の一観点によれば、前記キャリアが流れる領域を構成するSiCに対してアルゴンのイオン注入およびアニールを行うことによって、前記キャリアが流れる領域を構成するSiCに応力を与えて結晶格子間隔を変化させるSiC半導体素子の製造方法が提供される。
また、本発明の一観点によれば、SiCに対してアルゴンのイオン注入およびアニールを行った後、前記イオン注入および前記アニールを行ったSiC上に更に前記キャリアが流れる領域を構成するSiCを形成することによって、前記キャリアが流れる領域を構成するSiCに応力を与えて結晶格子間隔を変化させるSiC半導体素子の製造方法が提供される。
このようなSiC半導体素子の製造方法によれば、SiC半導体素子内のキャリアが流れる領域に用いられるSiCに応力を与え、その結晶格子間隔を変化させる。これにより、その領域でのキャリア移動度は増加し、その結果、その領域で生じる抵抗が低減されるようになる。これは、そのようなキャリアが流れる領域が応力を与えられることで歪みを導入され、それによってSiCのバンド構造、特に伝導帯底の縮退が解かれ、バンド間散乱が抑制され、また、電子の有効質量が減少するようになるためである。
本発明のSiC半導体素子の製造方法は、SiC半導体素子内のキャリアが流れる領域を構成するSiCに応力を与え、その結晶格子間隔を変化させる。それにより、その領域におけるキャリア移動度を向上させ、抵抗を低減させることが可能になり、低絶縁耐圧でもユニポーラリミットに近く、オン抵抗の低い高性能なSiC半導体素子を実現できるようになる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
本発明のSiC半導体素子の製造方法においては、素子の半導体材料として用いるSiCに応力を与え、SiC半導体の結晶格子間隔が、応力を与えない場合の結晶格子間隔とは異なる領域を形成し、その領域をキャリアが流れるようにする。応力を与える方法のひとつとして、例えば、まず窒化アルミニウム(AlN)および/または窒化ガリウム(GaN)からなる薄膜(AlxGa1-xN,0≦x≦1)を形成し、この薄膜上にチャネル領域等のキャリアが流れる領域を構成するSiCを結晶成長させることにより、その薄膜上のSiCに引っ張り応力あるいは圧縮応力を与えることができる。なお、以下では、AlxGa1-xN薄膜(0≦x≦1)を単に「AlGaN薄膜」と記す。ただし、このAlGaN薄膜には、特に示した場合を除き、AlNとGaNとの混晶からなる薄膜である場合のほか、AlNからなる薄膜(x=1)あるいはGaNからなる薄膜(x=0)である場合もあるものとする。
図1は引っ張り応力が与えられている場合におけるSiCの伝導帯および価電子帯端部のバンド構造を示す図、図2は応力が与えられていない場合におけるSiCの伝導帯および価電子帯端部のバンド構造を示す図である。
まず、図2に示すように、SiCに応力が与えられていない場合には、第1ブリルアンゾーン内に存在する等電位面の形状はどれも同じであり、このとき、伝導帯底のバンドは縮退している。そして、図1に示すように、SiCに引っ張り応力が与えられ、各結晶軸での結晶格子間隔が応力の与えられていない場合と異なる、すなわち結晶が歪むと、第1ブリルアンゾーン内の電子の等電位面の形状を互いにわずかに変化させることが可能になる。その結果、伝導帯底のバンドの縮退は解け、伝導帯底あるいは価電子帯頂上のバンドを分離させることができるようになる。このような場合、伝導電子は、低いエネルギーを持つバンドに優先的に入る。同じエネルギーを持つバンドの数が減るため、同エネルギーの異なるバンド間のキャリア同士の散乱は抑制され、その結果、電子の移動度が向上するようになる。
また、SiCに引っ張り応力が与えられている場合には、引っ張り応力が与えられていない場合に現れる等電位面の一部の等電位面しか現れない。したがって、応力が与えられていない場合には、等電位面の面内に異方性がないため電子の有効質量に面内異方性がなくその移動度に異方性がないが、引っ張り応力が与えられることで電子の移動度に異方性が発現するようになる。電子を有効質量が最小になるような方向に流すことによって、その移動度を、応力が与えられていない場合より大きく向上させることが可能になる。(図1上図および図2上図。)
正孔についても、価電子帯端部における軽い正孔と重い正孔のバンドの縮退が歪みによって解け、軽い正孔バンドが上に押し上げられ、正孔はこのバンドを優先的に占有するようになる。それにより、正孔による谷間散乱が抑制され、その有効質量が減少するので、その移動度が向上するようになる。(図1下図および図2下図。)
SiCへの歪みの導入には、上記のように例えばAlGaN薄膜が用いられる。これは、SiC、AlN、GaNの結晶格子定数の違いを利用するためである。
単位格子セルの六角形の一辺の長さaと、c軸方向の単位格子セルの長さcの値は、AlNがa=3.112×10-10m,c=4.982×10-10m、GaNがa=3.189×10-10m,c=5.186×10-10mである。また、SiCでは、4H−SiCがa=3.073×10-10m,c=10.053×10-10m、6H−SiCがa=3.0806×10-10m,c=15.1173×10-10mである。ここで、AlNおよびGaNの結晶型は2H型であり、これに対応する4H−SiC、6H−SiCのc軸方向の長さはそれぞれc/2(=10.053×10-10/2=5.0265×10-10m)、c/3(=15.1173×10-10/3=5.0391×10-10m)となる。
このように、SiC、AlN、GaNの結晶格子定数は異なるが非常に近い値であり、SiCをその結晶格子定数に近いAlGaN薄膜上に成長させることで、その結晶に歪みが導入されるようになる。さらに、AlNとGaNの成分比を変化させればAlGaN薄膜の結晶格子定数を変化させることができるので、その結晶格子定数に応じてその上に成長されるSiCに引っ張り応力も圧縮応力も与えることが可能である。
また、AlNおよびGaNは、SiCと同等以上の最大破壊電界強度を有しているので、SiC半導体素子にAlGaN薄膜を用いてもその絶縁耐圧の低下を招くことはない。さらにまた、AlNおよびGaNは、その昇華温度が1600℃以上と高温であり、一般に行われているSiCの成長温度である1500℃より高いため、AlGaN薄膜形成後のSiCの結晶成長が容易であり、結晶性の良いSiCを形成することが可能である。
SiCに応力を与えて歪みを導入するためには、このようにAlGaN薄膜を用いる方法のほか、AlGaN薄膜を用いずに、SiCにアルゴン(Ar)をイオン注入してアニールを行うことによって応力を与える方法、素子形成後に素子に機械的圧力を加えることによって内部のSiCに応力を与える方法等を用いることができる。
以下、SiC半導体素子の製造方法について具体的に説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図3から図6はSiC縦型DIMOSFETの各製造工程の要部断面図であって、図3は第1の実施の形態のAlN薄膜形成工程の要部断面図、図4は第1の実施の形態のSiC成長工程の要部断面図、図5は第1の実施の形態のベース・ソース領域形成工程の要部断面図、図6は第1の実施の形態の電極形成工程の要部断面図である。
この第1の実施の形態のSiC縦型DIMOSFETの形成では、まず、図3に示すように、n型4H−SiCの(1−100)面あるいは(11−20)面が露出しているn型SiC基板1の表面上に、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法によりn型4H−SiCのエピタキシャル層を厚さ5μm、n型不純物濃度1×1016cm-3で成長させ、n型ドリフト層2を形成する。続いて、このn型ドリフト層2の上に、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法により4H−AlNを成長させ、AlN薄膜3を形成する。
そして、後に素子のチャネル領域がすべて4H−AlN上に来るように、形成したAlN薄膜3を塩素(Cl2)雰囲気中のRIEによりパターニングする。これにより、図4に示したように、後にチャネル領域下となる領域にAlN薄膜3が残されるようになる。
次いで、図4に示すように、n型ドリフト層2およびAlN薄膜3上に、MBE法によりn型4H−SiCを厚さ40nm成長させ、SiC層4を形成する。その際、AlN薄膜3上に成長された4H−SiCには両者の結晶格子定数の違いから引っ張り応力が与えられ、その結晶格子間隔が引っ張り応力を与えられていない場合に比べて大きくなる。結晶格子間隔の変化は、RHEED(Reflective High Energy Electron Diffraction)等を用いて観察することができる。
次いで、図5に示すように、SiC層4、AlN薄膜3およびn型ドリフト層2に対し、n型ドリフト層2表面からの深さ1μm、p型不純物濃度1×1017cm-3のp型ベース領域5をアルミニウムのイオン注入により形成する。続いて、n型ドリフト層2表面からの深さ0.3μm、n型不純物濃度1×1019cm-3のn型ソース領域6を窒素のイオン注入により形成する。図中2つのAlN薄膜3に挟まれたn型のSiC層4は、その下層のn型ドリフト層2と共にドリフト層の一部として機能する。また、AlN薄膜3上でn型のSiC層4とn型ソース領域6に挟まれたp型ベース領域5は、素子のチャネル領域になる。p型ベース領域5およびn型ソース領域6の形成時には、そのチャネル領域の表面の長さL2が1μmになるようにする。また、動作時に(1−100)面あるいは(11−20)面に形成される反転層を流れるキャリアの方向がSiCのc軸に垂直になるようn型ソース領域6およびチャネル領域を配置する。
次いで、図6に示すように、ゲート酸化膜7aをゲート絶縁膜として形成し、その上にチャネル領域をすべて覆うようにゲート電極7をポリシリコンにより形成し、ゲート電極7の表面を絶縁膜7bで被覆して電極部を構成する。その後、p型ベース領域5およびn型ソース領域6に共に接触するようにソース電極8を形成し、n型SiC基板1の裏面にドレイン電極9を形成する。
このように第1の実施の形態の製造方法では、AlN薄膜3上にチャネル領域となるSiCを結晶成長させてこれに引っ張り応力を与える。これにより、チャネル領域における電子移動度の向上が図られ、チャネル抵抗を低減することができるようになる。
本製造方法を用いてSiC縦型DIMOSFETを形成したところ、AlN薄膜3を用いずに形成された従来のSiC縦型DIMOSFETに比べ、電子移動度が約100cm2/Vsから約200cm2/Vsに向上し、その結果、チャネル抵抗が約1mΩcm2から約0.5mΩcm2まで減少した。このことから、本製造方法を用いることにより、たとえ1kV以下の低絶縁耐圧でもSiC半導体素子を理論下限値であるユニポーラリミットにより近づけることができるようになるため、SiC半導体素子のいっそうの高性能化を図ることができるようになる。
なお、SiC縦型DIMOSFETを形成するこの第1の実施の形態の製造方法においては、4H−SiC、4H−AlNに代えて6H−SiC、6H−AlNを用いてもよい。また、AlNに代えてGaNやAlxGa1-xN(0<x<1)を用いてもよい。また、上記の導電型を反転させてSiC縦型DIMOSFETを形成することもできる。
次に、第2の実施の形態について説明する。
図7から図11はSiC縦型UMOSFETの各製造工程の要部断面図であって、図7は第2の実施の形態のエピタキシャル成長工程の要部断面図、図8は第2の実施の形態のトレンチ部形成工程の要部断面図、図9は第2の実施の形態のAlN薄膜形成工程の要部断面図、図10は第2の実施の形態のSiCおよびベース・ソース領域形成工程の要部断面図、図11は第2の実施の形態の電極形成工程の要部断面図である。
この第2の実施の形態のSiC縦型UMOSFETの形成では、まず、図7に示すように、n型4H−SiCの(0001)面が露出しているn型SiC基板20の表面上に、熱CVD法により順次4H−SiCのn型ドリフト層21、p型ベース層22およびn型ソース層23をエピタキシャル成長させる。n型ドリフト層21、p型ベース層22およびn型ソース層23に用いる不純物や不純物濃度は、例えば、第1の実施の形態のSiC型DIMOSFETにおけるn型ドリフト層2、p型ベース領域5およびn型ソース領域6とそれぞれ同じとする。
次いで、図8に示すように、RIEにより垂直にn型ソース層23およびp型ベース層22を貫通してn型ドリフト層21に達するトレンチ24を形成する。このとき、n型SiC基板の(0001)面側から見たトレンチ24の形状は、ストライプ状になるようにする。トレンチ24の形成後は、全面にMBE法により4H−AlNを厚さ100nmで成長させ、Cl2雰囲気中のRIEによりトレンチ24の側壁にのみ4H−AlNを残してその他の部分の4H−AlNを除去したAlN薄膜25を形成する。さらに、トレンチ24の側壁に残ったAlN薄膜25について、トレンチ24の溝方向と垂直方向にストライプ状に除去するためのウェットエッチングを行う。これは、後にAlN薄膜25上に形成するSiC層26の電位を浮遊電位にしないためである。
次いで、図9に示すように、基板を所定角度に傾け、Cl2雰囲気中のRIEによりトレンチ24の一方のn型ソース層23の側壁に残るAlN薄膜25を除去する。同様に、今度は基板を反対側に傾け、Cl2雰囲気中のRIEによりトレンチ24のもう一方のn型ソース層23の側壁に残るAlN薄膜25も除去する。これにより、図9に示したように、トレンチ24内で向かい合うp型ベース層22の側壁にAlN薄膜25が残される。
次いで、図10に示すように、熱CVD法により厚さ40nm、p型不純物濃度1×1017cm-3のp型4H−SiCを成長させ、p型のSiC層26を形成する。そして、基板を再び所定角度に傾け、加速エネルギー30keV、ドーズ量1×1015cm-2で窒素のイオン注入を行い、トレンチ24上部のn型ソース層23に対応する領域のSiC層26をp型からn型に変換する。同様にして、今度は基板を反対側に傾け、トレンチ24上部のもう一方のn型ソース層23に対応する領域のSiC層26に同条件の窒素のイオン注入を行い、対応する領域のSiC層26をp型からn型に変換する。その後、n型ソース層23上面のSiC層26はRIE等で除去する。n型に変換された領域とn型ソース層23は、形成するSiC縦型UMOSFETのn型ソース領域となり、また、変換されずに残ったp型領域とp型ベース層22は、SiC縦型UMOSFETのチャネル領域が形成されるp型ベース領域となる。
次いで、図11に示すように、ゲート酸化膜27aを形成し、その上にチャネル領域をすべて覆うようにゲート電極27をポリシリコンにより形成する。ゲート電極27の表面は絶縁膜27bで被覆する。その後、RIEによりn型ソース層23の一部をp型ベース層22が露出するまで選択的に除去する。そして、p型ベース層22およびn型ソース層23に共に接触するようにソース電極28を形成し、n型SiC基板1の裏面にドレイン電極29を形成する。
このように第2の実施の形態の製造方法では、AlN薄膜25上のSiCには引っ張り応力が与えられ、それにより、チャネル領域の電子移動度が向上され、チャネル抵抗が低減されるようになる。この方法を用いて形成されるSiC縦型UMOSFETは、上記第1の実施の形態で述べたのと同等の高性能化を図ることができる。
なお、SiC縦型UMOSFETを形成するこの第2の実施の形態の製造方法においても、4H−SiC、4H−AlNに代えて6H−SiC、6H−AlNを用いてもよく、AlNに代えてGaNやAlxGa1-xN(0<x<1)を用いてもよい。また、上記の導電型を反転させてSiC縦型UMOSFETを形成することもできる。
次に、第3の実施の形態について説明する。
図12は第3の実施の形態のSiC縦型DIMOSFETの要部断面図である。
この第3の実施の形態のSiC縦型DIMOSFETの形成では、まず、n型4H−SiCの(1−100)面あるいは(11−20)面が露出しているn型SiC基板30の表面上に、熱CVD法によりn型4H−SiCのエピタキシャル層を厚さ5μm、n型不純物濃度1×1016cm-3で成長させ、n型ドリフト層31を形成する。
そして、このn型ドリフト層31に対し、アルゴンを加速エネルギー30keV、ドーズ量1×1015cm-2の条件でイオン注入する。その後、1300℃のアニールを行い、イオン注入時の結晶ダメージを除去する。これにより、アルゴンがイオン注入されたn型ドリフト層31の表面近傍のSiCは応力を与えられ、結晶格子間隔が増加する。結晶格子間隔の変化は、RHEED等により観察することができる。なお、イオン注入されたアルゴンは、素子の電気的特性に影響を及ぼすことはない。
これ以降のn型ドリフト層31へのイオン注入によるp型ベース領域32およびn型ソース領域33の形成、並びにゲート酸化膜34a、ゲート電極34、絶縁膜34b、ソース電極35およびドレイン電極36の形成は、第1の実施の形態のSiC縦型DIMOSFETの形成と同様に行う。
このように第3の実施の形態の製造方法では、SiC表面に対してアルゴンをイオン注入しアニールすることによってその表面近傍に応力を与えて歪みを導入し、そこをチャネル領域とする。これにより、チャネル領域の電子移動度が向上され、チャネル抵抗が低減されるようになる。この方法を用いて形成されるSiC縦型DIMOSFETは、上記第1の実施の形態で述べたのと同等の高性能化を図ることができる。
なお、イオン注入とアニールによってSiCの表面近傍の結晶格子間隔を変化させた後に、更にSiCをエピタキシャル成長させ、その上で第1の実施の形態で述べたのと同様にしてイオン注入によるp型ベース領域32およびn型ソース領域33の形成、並びにゲート酸化膜34a、ゲート電極34、絶縁膜34b、ソース電極35およびドレイン電極36の形成を行うようにしてもよい。
また、この第3の実施の形態の製造方法においても、4H−SiCに代えて6H−SiCを用いてもよく、また、上記の導電型を反転させてSiC縦型DIMOSFETを形成することもできる。
次に、第4の実施の形態について説明する。
図13は第4の実施の形態のSiC縦型UMOSFETの要部断面図である。
この第4の実施の形態のSiC縦型UMOSFETの形成では、まず、n型4H−SiCの(0001)面が露出しているn型SiC基板40の表面上に、熱CVD法により順次4H−SiCのn型ドリフト層41、p型ベース層42およびn型ソース層43をエピタキシャル成長させる。n型ドリフト層41、p型ベース層42およびn型ソース層43に用いる不純物や不純物濃度は、例えば、第1の実施の形態のSiC型DIMOSFETにおけるn型ドリフト層2、p型ベース領域5およびn型ソース領域6とそれぞれ同じとする。なお、このp型ベース層42、n型ソース層43は、それぞれSiC縦型UMOSFETのp型ベース領域、n型ソース領域となる。
そして、RIEにより垂直にn型ソース層43およびp型ベース層42を貫通してn型ドリフト層41に達するトレンチ44を形成する。このとき、n型SiC基板の(0001)面側から見たトレンチ44の形状は、ストライプ状となるようにする。トレンチ44の形成後は、基板を所定角度に傾け、加速エネルギー30keV、ドーズ量1×1014cm-2でアルゴンのイオン注入を行う。同様に、今度は基板を反対側に傾け、同条件のアルゴンのイオン注入を行う。そして、1300℃のアニールを行ってイオン注入時の結晶ダメージを除去する。これにより、アルゴンがイオン注入されたトレンチ44の側壁の表面近傍のSiCは応力を与えられ、結晶格子間隔が増加する。結晶格子間隔の変化は、RHEED等により観察することができる。なお、イオン注入されたアルゴンは、素子の電気的特性に影響を及ぼすことはない。
これ以降のゲート酸化膜45a、ゲート電極45、絶縁膜45b、ソース電極46およびドレイン電極47の形成は、第2の実施の形態のSiC縦型UMOSFETの形成と同様に行う。
このように第4の実施の形態の製造方法では、トレンチ44形成後のSiC表面に対してアルゴンをイオン注入しアニールすることによってその表面近傍に応力を与えて歪みを導入し、そこをチャネル領域とする。これにより、チャネル領域の電子移動度が向上し、チャネル抵抗が低減されるようになる。この方法を用いて形成されるSiC縦型UMOSFETは、上記第1の実施の形態で述べたのと同等の高性能化を図ることができる。
なお、イオン注入とアニールによってSiCの表面近傍の結晶格子間隔を変化させた後に、更にSiCをエピタキシャル成長させ、その上で第2の実施の形態で述べたのと同様にしてp型ベース領域およびn型ソース領域の形成、並びにゲート酸化膜45a、ゲート電極45、絶縁膜45b、ソース電極46およびドレイン電極47の形成を行うようにしてもよい。
また、この第4の実施の形態の製造方法においても、4H−SiCに代えて6H−SiCを用いてもよく、また、上記の導電型を反転させてSiC縦型UMOSFETを形成することもできる。
次に、第5の実施の形態について説明する。
図14は素子に機械的に応力を加える方法の一例の説明図である。
ここで用いる装置は、素子50をマウントする金属板51、素子50の縁部を押さえる治具52、および治具52を金属板51に固定するねじ53を備えている。金属板51は、10mm角で高さ200μmの凸部51aを有している。
このような装置に対し、例えば従来法で形成されたSiC縦型DIMOSFETを搭載する大きさ20mm角の素子50を、その中央が金属板51の凸部51aのほぼ中央に位置するように配置し、さらに、その縁部に治具52をあてがい、この治具52をねじ53で金属板51に締め付ける。これにより、素子50には機械的な応力が与えられ、SiC縦型DIMOSFETの特にその上方から見て中央部にある電極部直下のチャネル領域を構成しているSiCの結晶格子間隔を変化させることができるようになる。
このように第5の実施の形態では、素子50に機械的圧力を加えることによってそのチャネル領域に応力を与えて歪みを導入する。これにより、チャネル領域のキャリア移動度が向上し、チャネル抵抗が低減されるようになる。この方法を用いて形成されるSiC縦型DIMOSFETは、上記第1の実施の形態で述べたのと同等の高性能化を図ることができる。
なお、凸部51aの高さや形状、素子50縁部の締め付け力等は、素子50の種類や必要な結晶格子間隔等に応じて設定する。また、このような装置を用いて素子50に応力を与える際には、DIMOSFET搭載面を凸部51a側に向けても、あるいは凸部51aと反対の側に向けてもよい。この向きによって素子のチャネル領域に与えられる応力の種類(圧縮応力か引っ張り応力か)を変化させることも可能である。
素子に機械的圧力を加える方法としては、ここに例示したもののほか、素子を凸部のある金属板にマウントして上方から押し付け、凸部に対応する領域にある電極部に集中的に機械的圧力を加えるようにしてもよい。また、電極部に対応するSiC基板中央部であって金属板と接触する部分を、その周囲から隆起させた形状にし、これを凸部のない金属板にマウントした後、その縁部をその金属板側へ押し付け、隆起した部分に対応する電極部に集中的に機械的圧力を加えるようにしてもよい。また、電極部に対応するSiC基板中央部をその周囲から窪んだ形状にし、これを凸部のない金属板にマウントした後、SiC基板中央部を素子上方からその金属板側へ押し付け、電極部に集中的に機械的圧力を加えるようにしてもよい。
以上、第1から第5の実施の形態で説明したように、本発明のSiC半導体素子の製造方法では、SiCと結晶格子定数が異なるAlGaN薄膜を用いてその上にSiCを形成する、あるいはSiCにアルゴン等をイオン注入する、あるいはまたイオン注入したSiC上に更にSiCを形成することにより、素子のチャネル領域に応力を与えて歪みを導入し、それによってチャネル領域のキャリア移動度を向上させ、チャネル抵抗を低減させる。この方法によれば、従来法で形成したSiC半導体素子に比べ、電子移動度を約2倍に増加させ、チャネル抵抗を約1/2に減少させることが可能になり、低絶縁耐圧でもユニポーラリミットに近く、オン抵抗の低い高性能なSiC半導体素子を実現できるようになる。
なお、上記の説明では、SiC半導体素子のチャネル領域を構成するSiCに応力を与え、それによってチャネル領域でのキャリア移動度を向上させてチャネル抵抗を低減させる場合を例にして述べたが、本発明は、チャネル領域に限らず、素子内でキャリアが流れる領域を構成するその他のSiCに応力を与える場合にも適用することができる。
本発明の製造方法は、半導体材料としてSiCを用いたDIMOSFETやUMOSFET等のSiC半導体素子のほか、半導体材料としてSiを用いたDIMOSFETやUMOSFET等の形成にも同様に適用可能である。
引っ張り応力が与えられている場合におけるSiCの伝導帯および価電子帯端部のバンド構造を示す図である。 応力が与えられていない場合におけるSiCの伝導帯および価電子帯端部のバンド構造を示す図である。 第1の実施の形態のAlN薄膜形成工程の要部断面図である。 第1の実施の形態のSiC成長工程の要部断面図である。 第1の実施の形態のベース・ソース領域形成工程の要部断面図である。 第1の実施の形態の電極形成工程の要部断面図である。 第2の実施の形態のエピタキシャル成長工程の要部断面図である。 第2の実施の形態のトレンチ部形成工程の要部断面図である。 第2の実施の形態のAlN薄膜形成工程の要部断面図である。 第2の実施の形態のSiCおよびベース・ソース領域形成工程の要部断面図である。 第2の実施の形態の電極形成工程の要部断面図である。 第3の実施の形態のSiC縦型DIMOSFETの要部断面図である。 第4の実施の形態のSiC縦型UMOSFETの要部断面図である。 素子に機械的に応力を加える方法の一例の説明図である。 SiCを用いた従来の縦型DIMOSFETの要部断面図である。 SiCを用いた従来の縦型UMOSFETの要部断面図である。
符号の説明
1,20,30,40 n型SiC基板
2,21,31,41 n型ドリフト層
3,25 AlN薄膜
4,26 SiC層
5,32 p型ベース領域
6,33 n型ソース領域
7,27,34,45 ゲート電極
7a,27a,34a,45a ゲート酸化膜
7b,27b,34b,45b 絶縁膜
8,28,35,46 ソース電極
9,29,36,47 ドレイン電極
22,42 p型ベース層
23,43 n型ソース層
24,44 トレンチ
50 素子
51 金属板
51a 凸部
52 治具
53 ねじ

Claims (3)

  1. 第1導電型の炭化けい素基板の表面上に炭化けい素を用いて形成された第1導電型ドリフト層と、炭化けい素を用いて前記第1導電型ドリフト層に接合して形成された第2導電型ベース領域と、炭化けい素を用いて前記第2導電型ベース領域に接合して形成された第1導電型ソース領域と、を有し、前記第1導電型ドリフト層と前記第1導電型ソース領域とに挟まれた前記第2導電型ベース領域の一部をチャネル領域とし、前記チャネル領域を覆うようにゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記第2導電型ベース領域と前記第1導電型ソース領域とに共に接触して形成されたソース電極と、前記炭化けい素基板の裏面に形成されたドレイン電極と、を有する炭化けい素半導体素子の製造方法において、
    キャリアが流れる領域を構成する炭化けい素に応力を与えて結晶格子間隔を変化させる工程を有し、当該工程においては、Al x Ga 1-x N(0≦x≦1)からなる膜を形成し、前記膜上に前記キャリアが流れる領域を構成する炭化けい素を形成することによって、前記キャリアが流れる領域を構成する炭化けい素に応力を与えて結晶格子間隔を変化させることを特徴とする炭化けい素半導体素子の製造方法。
  2. 第1導電型の炭化けい素基板の表面上に炭化けい素を用いて形成された第1導電型ドリフト層と、炭化けい素を用いて前記第1導電型ドリフト層に接合して形成された第2導電型ベース領域と、炭化けい素を用いて前記第2導電型ベース領域に接合して形成された第1導電型ソース領域と、を有し、前記第1導電型ドリフト層と前記第1導電型ソース領域とに挟まれた前記第2導電型ベース領域の一部をチャネル領域とし、前記チャネル領域を覆うようにゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記第2導電型ベース領域と前記第1導電型ソース領域とに共に接触して形成されたソース電極と、前記炭化けい素基板の裏面に形成されたドレイン電極と、を有する炭化けい素半導体素子の製造方法において、
    キャリアが流れる領域を構成する炭化けい素に応力を与えて結晶格子間隔を変化させる工程を有し、当該工程においては、前記キャリアが流れる領域を構成する炭化けい素に対してアルゴンのイオン注入およびアニールを行うことによって、前記キャリアが流れる領域を構成する炭化けい素に応力を与えて結晶格子間隔を変化させることを特徴とする炭化けい素半導体素子の製造方法。
  3. 第1導電型の炭化けい素基板の表面上に炭化けい素を用いて形成された第1導電型ドリフト層と、炭化けい素を用いて前記第1導電型ドリフト層に接合して形成された第2導電型ベース領域と、炭化けい素を用いて前記第2導電型ベース領域に接合して形成された第1導電型ソース領域と、を有し、前記第1導電型ドリフト層と前記第1導電型ソース領域とに挟まれた前記第2導電型ベース領域の一部をチャネル領域とし、前記チャネル領域を覆うようにゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記第2導電型ベース領域と前記第1導電型ソース領域とに共に接触して形成されたソース電極と、前記炭化けい素基板の裏面に形成されたドレイン電極と、を有する炭化けい素半導体素子の製造方法において、
    キャリアが流れる領域を構成する炭化けい素に応力を与えて結晶格子間隔を変化させる工程を有し、当該工程においては、炭化けい素に対してアルゴンのイオン注入およびアニールを行った後、前記イオン注入および前記アニールを行った炭化けい素上に更に前記キャリアが流れる領域を構成する炭化けい素を形成することによって、前記キャリアが流れる領域を構成する炭化けい素に応力を与えて結晶格子間隔を変化させることを特徴とする炭化けい素半導体素子の製造方法。
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