JP6108488B2 - 回転駆動装置 - Google Patents
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Description
垂直面内で点Oを中心に回転可能な回転体と、
その回転体の回転状態を検知し得る回転検知手段と、
前記回転体に取り付けられたX個(Xは2以上の整数)の回転重錘装置と、
前記回転体の回転で発電する発電装置と、を有し、
前記回転重錘装置は、
前記回転体に対し前記点Oを中心とするほぼX点対称の位置に回転可能に軸着された回転アームと、
その回転アームを前記回転体と同じ回転速度で反対回りに回転させるモーターと、
前記回転アームの自由端側に設けた重錘と、を備えており、
全ての回転重錘装置は、全ての回転アームが同じ側の横を向くように前記モーターで制御されるものであり、全ての回転アームの自由端側に設けた全ての重錘の前記点Oを中心とする重量バランスによって前記回転体を回転させるようにした回転駆動装置を提供する。
なお、ここで、点Oを中心とするほぼX点対称の位置に回転可能に軸着された回転アームとは、点Oのまわりにほぼ(360゜/X)゜間隔に設けた軸によって回転アームが回転可能に支持されていることをいう。
回転駆動装置1は、図1、図2に示したように、固定的な装置基台2の上面に複数の軸受3,3,3で水平且つ回転自在に取り付けられた回転軸4と、中心の点Oに前記回転軸4を挿通してその回転軸4に固着することにより垂直面内で回転し得るようになっている回転体5と、その回転体5の回転状態を検知し得る回転検知手段6と、回転体5に対し前記点Oを中心とする六点対称の位置に取り付けられた六個の回転重錘装置7a〜7fと、回転体5の回転力で発電する発電装置8と、から概略構成される。
前記回転体5は、回転軸4の軸方向に所定の間隔を離して固着された二枚の円板5a,5bと、その円板5a,5b同士の間隔を保つように円周位置に等間隔に取り付けられた六枚の周側板5c,5c…と、からなる。
前記回転検知手段6は、図2、図6に示したように装置基台2の上面後方(図2において右端)に装着されており、その内部に前記回転軸4の後端部が挿通されている。そして、この回転軸4の回転状態(主として回転速度)を検知することにより、回転軸4と一体の回転体5の回転状態を検知し得る。
前記回転重錘装置7a〜7fは、前記のように回転体5に対し点Oを中心とする六点対称の位置に六個取り付けられているが、全ての回転重錘装置7a〜7fは皆同一構成であるため、その構成の詳細を図3〜図5により一つの回転重錘装置7aについて説明する。
前記発電装置8は、装置基台2の前方(図2において左側)の内部に設置されており、回転体5の回転軸4に伝動機構を介して連結されている。この伝動機構は、ベルト伝動機構と、歯車伝動機構(図示省略)と、クラッチ15とを組み合わせたものであって、回転軸4側の大径な原動プーリ16aと歯車伝動機構側の小径な従動プーリ16bに無端ベルト16cを掛け渡してなるベルト伝動機構で回転軸4の回転を増速し、さらに歯車伝動機構で回転軸4の回転を増速して発電装置8に伝達し、また、クラッチ15で回転軸4と発電装置8を断続させる。なお、発電装置8は、図示しないバッテリーに接続されており、発電した電気は一旦バッテリーに蓄えられ、そこから各モーター11に供給することができる。
その他、図2において符合17は回転軸4の前方に設けたブレーキ、符合18,18は回転軸4の途中に設けたスリップリングである。このスリップリング18,18は、回転体5と一緒に回転するモーター11に対して電力を供給し、また、回転制御信号等をモーター11に送信するためのものである。
以上のように構成される回転駆動装置1の作動について説明する。
まず、準備段階として回転軸4をブレーキ17で制動して回転体5をロックしておき、その状態で各回転重錘装置7a〜7fのモーター11,11…を作動させてそれぞれの回転アーム10,10…を横向きの三時の方向に設定し、さらにクラッチ15を切って発電装置8と回転軸4を切り離しておく。
回転アーム10,10…を横向きの三時の方向に設定した状態での回転体5の点Oを中心とする重量バランスは、各回転重錘装置7a〜7fの重錘12の配置により図1に示したように右寄りに偏った状態になっている。
したがって回転体5には、点Oを中心として図1において時計回りの回転力が作用するが、ブレーキ17の制動力と、前記した歯車伝動機構の逆伝動性、つまり、ウォーム6bとウォームホイール6c又は平歯車同士の大きな減速比によって回転軸4に作用する回転力がウォーム6bで止められることによる制動力と、によって回転体5が静止状態を保つ。
直径1292mm、厚さ4.5mmの鉄製の円板5a,5bを91mmの間隔を開けて接合して前記回転体5とする。
前記円板5aの中心である点Oから半径418mmの円上に回転アーム10の従動軸9の中心が位置するように六個の回転重錘装置7a〜7fを60度間隔で六点対称の位置に設置する。
直径136mm、重さ約4.3kgの金属円板で前記回転重錘装置7a〜7fの重錘12を形成する。
前記回転アーム10は、従動軸9の中心から重錘12の中心までの有効アーム長を約160mmに設定する。
回転重錘装置7a〜7fのモーター11は、安川電機株式会社製のACサーボモータ(SGMJV-01A 3AHB2C 100W)を使用し、モーター11の原動軸11aと回転アーム10をつなぐウォーム13aとウォームホイール13bの減速比を20:1とする。
回転検知手段6の制御モーター6aは、安川電機株式会社製のACサーボモータ(SGMJV-02A 3AHB2C 200W)を使用し、制御モーター6aの出力軸と回転軸4をつなぐ歯車伝動機構は、減速比を10:1とした平歯車同士の組み合わせとする。
前記発電装置8は、株式会社スカイ電子製の発電機(SKY-HG350W)とする。
回転軸4の回転が63倍に増速されて発電装置8に伝達されるよう伝動機構のギヤ比等を設定する。
また、実施形態では、回転体5を一つにしたが、回転体5を同軸上に複数個設置し、隣合う回転体5,5同士の回転方向が逆向きになるように回転重錘装置7a〜7fの向きを設定してもよい。その場合、隣合う回転軸4,4同士の境界部に回転方向変換装置(例えば、一対の対向かさ歯車と、両かさ歯車間にあって両者に噛合する中間かさ歯の組み合わせ)を介在させて、一方の回転軸4の回転方向が逆向きに変換されて他方の回転軸4に伝達されるようにすればよい。このように回転体5を同軸上に複数個設置して回転軸4,4同士を連結し、そうして隣合う回転体5,5同士の回転方向が逆向きになるようにした場合には、回転体5の重量バランスの偏りをもう一方の回転体5の重量バランスの偏りで打ち消すことができるため、回転駆動装置1全体の重量バランスを良くすることができる。
また、実施形態では、回転検知手段6を制御モーター6aと歯車伝動機構の組合せで形成したが、回転体5の回転を適宜なセンサー等で直接検知するようにしてもよい。
5 …回転体
6 …回転検知手段
7 …回転重錘装置
8 …発電装置
10 …回転アーム
11 …モーター
11a …原動軸
12 …重錘
13a …ウォーム(歯車伝動機構)
13b …ウォームホイール(歯車伝動機構)
O …回転体の回転中心
Claims (4)
- 垂直面内で点Oを中心に回転可能な回転体と、
その回転体の回転状態を検知し得る回転検知手段と、
前記回転体に取り付けられたX個(Xは2以上の整数)の回転重錘装置と、
前記回転体の回転で発電する発電装置と、を有し、
前記回転重錘装置は、
前記回転体に対し前記点Oを中心とするほぼX点対称の位置に回転可能に軸着された回転アームと、
その回転アームを前記回転体と同じ回転速度で反対回りに回転させるモーターと、
前記回転アームの自由端側に設けた重錘と、を備えており、
全ての回転重錘装置は、全ての回転アームが同じ側の横を向くように前記モーターで制御されるものであり、全ての回転アームの自由端側に設けた全ての重錘の前記点Oを中心とする重量バランスによって前記回転体を回転させるようにしたことを特徴とする回転駆動装置。 - 前記モーターは、前記回転体が時計回りに回転する方向に立って見たとき、前記重錘が常にほぼ三時の方向に向くように前記回転アームを制御するものであることを特徴とする請求項1記載の回転駆動装置。
- 前記モーターの原動軸と前記回転アームは、歯車伝動機構を介して連結されており、その歯車伝動機構の減速比を大きくして回転アーム側からモーターの原動軸に逆伝動されないようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転駆動装置。
- 前記発電装置により発電された電気をバッテリーに蓄電し、そのバッテリーの電気を前記モーターに供給するようにしたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の回転駆動装置。
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