JP6107523B2 - 回転電機 - Google Patents

回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP6107523B2
JP6107523B2 JP2013161260A JP2013161260A JP6107523B2 JP 6107523 B2 JP6107523 B2 JP 6107523B2 JP 2013161260 A JP2013161260 A JP 2013161260A JP 2013161260 A JP2013161260 A JP 2013161260A JP 6107523 B2 JP6107523 B2 JP 6107523B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall surface
stator
rotating electrical
electrical machine
rotor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013161260A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015033226A (ja
Inventor
和夫 岡本
和夫 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2013161260A priority Critical patent/JP6107523B2/ja
Publication of JP2015033226A publication Critical patent/JP2015033226A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6107523B2 publication Critical patent/JP6107523B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)
  • Windings For Motors And Generators (AREA)

Description

本発明は、回転電機(モータ、又は発電機、又はモータ兼発電機)に関し、特に、オイル等の冷却液を循環させることが可能な冷却構造を備えた回転電機に関する。
ハイブリッド車両等に搭載されるモータジェネレータ(モータ兼発電機)等の回転電機では、ステータコイルの発熱による効率低下を抑制するため、オイルなどの冷却液を循環させる構造が採用されている。例えば特許文献1には、中空のケース(ハウジング)内に、回転軸を介して回転自在に支持されるロータと、このロータの周囲に配置される筒状のステータとを備えた回転電機において、ケース上部に設けられた冷却液滴下部から冷却液を滴下させ、ステータに沿って流下させることにより、当該ステータを冷却するものが開示されている。特に、この回転電機では、ステータの端面(回転軸方向の端面)に突起又は溝からなる誘導部が形成され、この誘導部により冷却液をコイルエンドに誘導することで、コイルエンドの冷却効果を高める構造となっている。
特開2010−68640号公報
しかし、上記従来の回転電機では、冷却液がロータに付着するとその回転抵抗の増大によるトルク損失が発生するため、大量の冷却液をステータに供給して冷却することは困難である。そのため、高い冷却効果を得ることが難しかった。
本発明は、上記のような事情に鑑みて成されたものであり、ステータをより効果的に冷却することができる回転電機を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、近年では、コイルエンドを冷却ジャケットで覆ってその内部に冷却液を充満させることでステータを冷却することが考えられている。このような構成によれば、大量の冷却液を用いてステータを冷却することが可能となる。しかし、単にコイルエンドを冷却液に浸漬するだけでは、ステータを十分に冷却することは難しい。このような課題は、次のような本発明により解決される。すなわち、本発明の一の局面に係る回転電機は、ロータと、前記ロータの周囲に配置される円筒状のコアと当該コアに設けられるコイルとを備え、前記ロータの回転軸方向におけるコア両端から各々コイルエンドが外側に突出したステータと、前記ステータ及び前記ロータを収容し、かつ前記ロータを回転自在に支持するケースと、前記ロータの径方向外側に配置され、前記ケース内を、前記ロータが配置されるロータ室とその外側のステータ室とに仕切る円筒状の仕切部材と、前記ステータ室に対して冷却液の給排を行うための液導入部および液排出部と、を備え、前記ケースは、前記回転軸方向に互いに対向する第1内壁面および第2内壁面と、これら第1内壁面および第2内壁面の間で前記ステータを包囲する内周壁面とを有し、前記液導入部は、前記ステータ室の第1内壁面、又はその近傍の位置において、前記ロータを中心としてその回転方向である周方向の互いに異なる複数の位置に各々設けられ、前記液導出部は、前記ステータ室の第2内壁面、又はその近傍の位置に設けられ、前記ケースの内周壁面と前記ステータの外周面との間に、前記第1内壁面側から前記第2内壁面側への冷却液の流動を許容する隙間が形成されているものである。
この回転電機によれば、ステータ室に導入される冷却液は、第1内壁面側のコイルエンドに供給され、ケースの内周壁面とステータとの間の隙間を通じて第2内壁面側に流動した後、第2内壁面側のコイルエンドを経由してステータ室から導出される。しかも、ロータを中心とする周方向の複数の位置からステータ室に冷却液が導入されるため、冷却液は第1内壁面側のコイルエンド全体にほぼ均等に供給されながら、ステータの外周に沿って第2内壁面側に流動することとなる。そのため、コイルエンドを含めたステータ全体を効率良く冷却することが可能となる。
この回転電機において、前記液導出部は、前記ロータを中心として前記周方向の互いに異なる複数の位置に各々設けられているのが好適である。
この構成によれば、ステータの外周面に沿って第2内壁面側のコイルエンドに達した冷却液が特定方向に偏って流れることが抑制される。そのため、第2内壁面側のコイルエンドの全体に沿って比較的均等に冷却液を流動させることができ、冷却効果が高められる。
なお、上記回転電機は、前記第1内壁面側のコイルエンドのうち、前記第1内壁面側のほぼ端部の位置で当該コイルエンドと前記内周壁面との間を塞ぐ第1流路形成部材と、前記第2内壁面側のコイルエンドのうち、ステータ側の端部の位置で当該コイルエンドと前記内周壁面との間を塞ぐ第2流路形成部材とを備えるものであってもよい。
この構成では、ステータ室に導入される冷却液は、第1流路形成部材により流れが規制されることで、第1内壁面側のコイルエンドに沿ってステータの径方向内側(ロータ側)に向かって流れ、当該コイルエンドと仕切部材との隙間に入り込んで当該仕切部材に沿って流れた後、コアの端面(第1内壁面側の端面)とコイルとの隙間に入り込み、当該コアの端面に沿ってステータの径方向外側(反ロータ側)に向かって流れる。そして、ステータの外周面に沿って第2内壁面側に流れた後、第2流路形成部材により流れが規制されることで、コアの端面(第2内壁面側の端面)とコイルとの隙間に入り込み、当該コア端面に沿ってステータの径方向内側(ロータ側)に向かって流れ、当該コイルエンドと仕切部材との間に入り込んで当該仕切部材に沿って第2内壁面側に流れることとなる。そのため、冷却液とコイルエンドとの伝熱面積をより大きく確保することができ、これによりステータをより効果的に冷却することが可能となる。
上記回転電機においては、前記ケースの内周壁面に、周方向に所定間隔で並びかつ前記ステータの外周面に当接した状態で前記回転軸方向に延びる複数の突条が形成されているのが好適である。
この構成によれば、ケースをステータのヒートシンクとして機能させることができ、合理的な構成で、ステータの冷却効果を高めることが可能となる。
この場合、前記突条は、前記回転軸方向における一乃至複数の位置に切れ目を有するものであるのが好適である。
この構成によれば、ステータの外周面に沿った冷却液の流れが適度の乱流となり、ステータ外周面の液境界面での冷却液の流動が促進される。つまり、冷却液の流速が高められることで、熱の持ち出しが促進され、ステータの冷却効果が高められる。
なお、ケース内がロータ室とステータ室とに区画される上記のような回転電機では、ロータが回転する際の回転抵抗を抑制するという観点から、ステータ内周面に、ロータ側に向かって周方向に所定間隔で並ぶ複数のスロットの開口を塞ぐ複数のシール部を露出させ、ロータ外周面に正対させた状態でケース内をロータ室とステータ室とに区画することで、ロータ室側への冷却液の侵入を防止することが求められる。しかし、区画する構造が複雑で組立性が悪くなるという欠点がある。このような課題は、次のような構成により解決される。すなわち、上記回転電機において、前記コアは、ロータ側に向かって各々開口しかつ前記周方向に所定間隔で並ぶ複数のスロットを備え、前記スロットに前記コイルが収納されており、前記仕切部材は、前記第1内壁面および前記第2内壁面のうち一方側の内壁面と当該内壁面に対向する前記コア端面との間に介在する円筒状の本体部、及びこの本体部の端面から前記回転軸方向に延びて各々前記スロットを貫通しかつ当該スロットの前記開口を塞ぐ複数のシール部を備える第1部材と、前記第1内壁面および前記第2内壁面のうち前記一方側の内壁面とは異なる他方側の内壁面と当該内壁面に対向する前記コア端面との間に介在し、前記複数のシール部の先端が各々内嵌されることにより前記第1部材に結合される円筒状の第2部材とを含む。
この構成によれば、第1部材と第2部材との2つの部材で仕切部材が構成される。回転電機の組立時には、第1部材の各シール部をステータ(コア)の一方側の端面からスロット内に差し込み貫通させ、第1部材の本体部と第2部材とでステータを挟み込み、当該第1部材と第2部材とを結合させることで、ステータの内周面(各スロットの間の部分)を内側(つまりロータ室側)に露出させた状態で仕切部材を設けることができる。従って、ステータを冷却液に浸漬させることが可能な、構造が簡単で、かつ組立性のよい回転電機を提供することができる。
この回転電機においては、前記第2部材の内周面に雌ねじが形成される一方、前記複数のシール部の先端外周面に、当該複数のシール部全体で前記雌ねじに螺合することが可能な雄ねじが各々形成され、前記第1部材および前記第2部材は、前記複数のシール部が前記第2部材にねじ嵌合されることにより互いに結合されているのが好適である。
この構成によれば、前記第1部材と前記第2部材とを互いにねじ嵌合させるだけの簡単操作でより確実に両者を結合させることが可能となる。
また、上記回転電機において、前記コアが、複数の電磁鋼板が回転軸方向に積層一体化されたものであって、周方向に連続する円筒状のバックコア部と、このバックコア部から内向きに延びて周方向に一定間隔で並ぶ複数のティース部とを備え、隣接するティース部の間に前記スロットが形成されるものでは、前記複数の電磁鋼板は、隣接する電磁鋼板のうち、前記ティース部の先端を形成する部分同士が液密に接着されているのが好適である。
この構成によれば、スロット内に侵入した冷却液が、コアを構成する電磁鋼板同士の間からロータ室側にしみ出すことが有効に防止される。
なお、上記回転電機においては、前記各シール部のうち、前記スロット内に配置される部分に、反ロータ側に突出して前記回転軸方向に延びる補強リブが形成されているのが好適である。
この構成によれば、各シール部の剛性が向上し、上記スロット内におけるシール部の撓み変形等が抑制される。そのため、シール部の変形に起因するステータ室からロータ室への冷却液の液漏れを抑制する上で有効となる。
また、上記回転電機において、前記第1部材は、前記本体部及び前記複数のシール部が繊維状フィラー又は板状フィラーの少なくとも何れかを含有する複合強化樹脂材料により一体に成型されているのが好適である。
この構成によれば、第1部材の強度を効果的に高めることができ、各シール部の折れ、欠け若しくは塑性変形等に起因するステータ室からロータ室への冷却液の液漏れを抑制する上で有効となる。
また、上記回転電機において、前記仕切部材の熱膨張係数と前記ステータの熱膨張係数とほぼ同一であるのが好適である。
この構成によれば、仕切部材とステータとの熱伸縮量の差に起因する仕切部材の変形などにより、コア端面と仕切部材との間に隙間が形成されることなどが抑制される。そのため、当該隙間の形成に起因するロータ室への冷却液の液漏れを抑制する上で有効となる。
また、上記回転電機においては、前記ステータの各スロット内であって前記シール部と前記コイルとの間に、当該スロットを前記回転軸方向に貫通する、冷却液用の貫通流路が形成されているのが好適である。
この構成によれば、冷却液とステータとの伝熱面積をより大きく確保することができ、これによりステータの冷却効果をより高めることが可能となる。
この場合、前記液導入部は、前記ステータのコア端面であって前記貫通流路の位置に向かって冷却液を供給するものであってもよい。
この構成によれば、冷却液を効果的に各スロットの貫通流量に送り込むことができ、スロット内、ひいてはステータ全体の冷却効果を高めることが可能となる。
また、上記回転電機においては、前記液導入部を第1液導入部と定義したときに、前記第1液導入部とは別に、前記貫通流路に冷却液を直接供給する第2液導入部を備えているものであってもよい。
この構成によれば、第1液導入部によりステータ室に導入される冷却液でステータ全体を外側から冷却する一方で、第2液導入部から貫通流量内に導入される冷却液でスロット内のコイル等を効果的に冷却することが可能となる。そのため、ステータの冷却効果がより一層向上する。
なお、上記回転電機においては、前記液導入部が前記仕切部材に設けられているものであってもよい。
この構成によれば、ステータに対してより近い位置で冷却液を供給することが可能となる。
また、上記回転電機においては、前記ロータ室に侵入した冷却液を排液するための排液通路を備えるのが好適である。
この構成によれば、ステータ室からロータ室に冷却液が侵入した場合でも、当該冷却液を容易に排液することが可能となる。そのため、ロータ室への冷却液の液漏れによる出力トルクの低下などを未然に抑制することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、ステータをより効果的に冷却することができる回転電機を提供することができる。
本発明にかかる回転電機(第1実施形態)を示す断面図である。 (a)は、コア単体の断面図であり、(b)は、図1のII−II線断面図であり、(c)は、(b)の要部拡大図である。 コアと仕切部材とを示す分解状態の斜視図である。 図1の要部拡大図である。 図1のV−V線断面図である。 仕切部材のシール部の変形例を示す断面図である。 本発明にかかる回転電機(第2実施形態)を示す断面図である。 本発明にかかる回転電機(第3実施形態)を示す断面図である。 図8のIX−IX線断面図(略図)である。 ケース(円筒板)に形成される突条の変形例を示す模式図である。 本発明にかかる回転電機(第4実施形態)の要部を示す断面図である。 図11のXII−XII線断面図である。 図11のXIII−XIII線断面図である。 本発明にかかる回転電機(第5実施形態)の要部を示す断面図である。 (a)は、環状パッキンを示す平面図であり、(b)は、(a)のXV−XV線断面図である。 第1実施形態の回転電機の変形例を示す断面図である。 図16のXVII−XVII線断面図である。 第1実施形態の回転電機の変形例を示す断面図である。 (a)は、隣接する電磁鋼板のティース先端の平面図であり、(b)は、同側面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る回転電機(モータ、又は発電機、又はモータ兼発電機)を断面図で示している。同図に示す回転電機1Aは、冷却液を循環させることが可能な冷却構造を備えた回転電機である。
この回転電機1Aは、ロータ12と、その外側に配置される円筒状のステータ10と、これらステータ10及びロータ12を収容し、かつ前記ロータ12を回転自在に支持するケース14とを含む。
前記ケース14は、円筒板17と、この円筒板17の内側を塞ぐように当該円筒板17の軸方向両端に固定される円盤状の一対の側板16a、16b(適宜、第1側板16a、第2側板16bと称す)とから構成されている。当例では、第1側板16a、第2側板16b、円筒板17の各内壁面がそれぞれ、本発明の第1内壁面、第2内壁面、内周壁面に相当する。
前記ロータ12は、円柱状のロータ本体20と、その中心に一体的に設けられる回転軸21とを備えている。ロータ12は、回転軸21がベアリング22を介して前記側板16a、16bに支持されることで、ケース14に回転自在に支持されている。なお、以下の説明では、前記回転軸21と平行な方向を「回転軸方向」と称し、当該回転軸21回りの方向を「周方向」と称す。
前記ステータ10は、前記ロータ本体20との間、およびケース14の前記円筒板17との間に所定寸法の隙間を隔てた状態で、前記ロータ12の周囲に配置されている。ステータ10は、円筒状のステータコア24(以下、単にコア24と称す)と、このコア24に設けられるコイル28とを備える。
コア24は、ロータ12側に向かって各々開口しかつ周方向に所定間隔で並ぶ複数のスロット26を備えている。詳しくは、図2(a)に示すように、コア24は、円筒状のバックコア部24aと、このバックコア部24aから各々内向き(ロータ12側)に延びて周方向に一定間隔で並ぶ複数のティース部24bとを備えている。各ティース部24bは、回転軸方向において前記バックコア部24aの全域に亘って延設されており、これにより、互いに隣接するティース部24bの間に、ロータ12側に向かって開口しかつ回転軸方向に延びる空間部である上記スロット26が形成されている。
図面中では明示していないが、コア24は、その断面形状と同一形状にプレスされた所定枚数の電磁鋼板、例えば珪素鋼板等の電磁鋼板が回転軸方向に積層され、これらが溶接又は接着により一体化されることにより構成されている。
前記コイル28は、エナメル導線等の導電素線が前記ティース部24bの周囲に巻回されることにより構成されている。なお、コイル28の巻き方は、集中巻きであってもよいし、分布巻きであってもよい。また、コイル28は、巻線機によりティース部24bの周囲に巻回されるものの他、予め円環状に束ねられた導電素線がティース部24bの周囲に巻回されるようにコア24の内側からスロット26内に収容されたものであってもよい。
このようにティース部24bの周囲に巻回されたコイル28は、図1に示すように、スロット26に収容される部分と、コア24の端面から回転軸方向に突出する部分(コイルエンド28a、28bと称す)とを有している。コイルエンド28a、28bは、ステータ10を回転軸方向から見たときに、ほぼコア24の端面上に位置し、ステータ全体としてほぼ円環状を成している。以下の説明では、適宜、第1側板16a側のコイルエンド28aを第1コイルエンド28aと称し、第2側板16b側のコイルエンド28bを第2コイルエンド28bと称す。
前記ケース14の内部は、円筒状の仕切部材18によって内外2つの室に仕切られている。具体的には、前記ロータ12が配置される内側のロータ室Rrとその外側のステータ室Srとに仕切られている。そして、前記ステータ10が、この仕切部材18を介してケース14に支持(固定)されている。
仕切部材18は、図1および図3に示すように、回転軸方向に互いに結合される、共に円筒状の第1部材18aおよび第2部材18bから構成される。
第1部材18aは、ケース14内の第1側板16a側に位置する。この第1部材18aは、第1側板16aとステータ10の端面との間に介在する円筒状の本体部30と、この本体部30の端面から回転軸方向に延びて各々前記スロット26を貫通する軸状の複数のシール部32とを備え、これら本体部30とシール部32とが同一樹脂材料により一体に成型された構造を有している。一方、第2部材18bは、第2側板16bとステータ10の端面との間に介在する円筒状をなし、第1部材18aと同じ樹脂材料で形成されている。
当例では、第1部材18aおよび第2部材18bは、ガラス繊維やカーボン繊維等の繊維状フィラーや、タルク等の板状フィラーを含有する複合強化樹脂材料により構成されており、従って、仕切部材18(18a、18b)は高剛性でかつ高強度を有している。
第1部材18aと第2部材18bとは、コア24(スロット26)を各々貫通したシール部32が第2部材18bに内嵌されることで互いに結合されている。そして、このように両部材18a、18bが結合されることにより、ステータ10のうち、コア24が第1部材18aの本体部30と第2部材18bとにより回転軸方向両側から挟み込まれている。
図3、図4に示すように、第1部材18aの各シール部32は、それらの先端外周面(反ロータ側の面)に各々係止突起33を備えており、他方、第2部材18bの内周面には係止溝19が形成されている。つまり、両部材18a、18bが結合された状態では、同図に示すように、各シール部32の係止突起33と係止溝19とが係合し、これにより第1部材18aと第2部材18bとが互いに係止される。
図2(a)に示すように、コア24の各ティース部24bは、その先端に、周方向に互いに反対向きに延びる一対の突出部25を有しており、これにより、前記スロット26の断面形状がロータ12側で先窄まりの形状となっている。一方、前記第1部材18aの各シール部32は、断面T字形に形成されている。これらシール部32は、図2(b)、(c)に示すように、スロット26を形成する両側の突出部25に当該スロット26の内側から当接しかつこれら突出部25の間に嵌り込んだ状態で各々スロット26を貫通している。これにより、各スロット26の開口が各々シール部32により塞がれた状態で、ステータ10が仕切部材18に組み付けられている。そして、図1に示すように、仕切部材18の両端が、ケース14の各側板16a、16bに固定されることにより、前記ステータ10が、この仕切部材18を介してケース14に支持(固定)されている。
各シール部32と突出部25との間には、図2(c)に示すように、それらの長手方向(回転軸方向)に亘って接着剤や樹脂材などのシール材34が塗布されている。また、図示を省略するが、仕切部材18(第1部材18aの本体部30および第2部材18b)とコア24端面との間、および仕切部材18と各側板16a、16bとの間にも同様のシール材が塗布されている。これにより、図2(b)に示すように、ステータ10の内周面(つまり、ティース部24bの先端)のみをロータ室Rr側に露出させた状態で、ケース14内が仕切部材18によりロータ室Rrとステータ室Srとに液密に仕切られている。
なお、図19(a)、(b)に示すように、ステータ10のコア24を構成する上記複数の電磁鋼板は、隣接する電磁鋼板のティース先端部60(ティース部24の先端を構成する部分)が互いに接着剤により液密に接着されている。このように電磁鋼板のティース部先端が互いに接着されることで、スロット26に侵入した後記冷却液が隣接する電磁鋼板の間からロータ室Rr側にしみ出すことが防止されるようになっている。
図1に示すように、ステータ室Srのうち第1側板16aには、当該ステータ室Srへ冷却液を導入するための液導入部36が設けられ、第2側板16bには、ステータ室Srの冷却液を導出するための液導出部38が設けられている。これら液導入部36および液導出部38は、いずれもケース14の側板に形成された穴(開口)である。
液導入部36は、図5に示すように、ロータ12を中心として周方向の互いに異なる複数の位置であって、ステータ10の第1コイルエンド28aに対向する位置に設けられている。当例では、合計16個の液導入部36が周方向に等間隔(つまり、22.5°間隔)で設けられている。各液導入部36は、第1側板16a内に形成される通路37を介してケース上部のポート部2に連通している。液導出部38も同様に、ロータ12を中心として周方向の互いに異なる複数の位置であって、第2コイルエンド28bに対向する位置に設けられている。当例では、各液導出部38も合計16個であり、ステータ10を挟んで各液導入部36に各々対向する位置に設けられている。各液導出部38は、第2側板16b内に形成される通路39を介してケース下部のポート部4に連通している。
以上のような回転電機1Aでは、ステータ室Sr内に冷却液(例えばオイル)が充満され、ステータ10が冷却液に浸漬されることにより当該ステータ10が冷却される。そして、回転電機1Aの作動中は、ポート部2、通路37及び液導入部36を通じてステータ室Srに冷却液が導入される一方、ステータ室Sr内の冷却液が液導出部38、通路39及びポート部4を通じて外部に導出されることで、図1中に破線矢印で示すように、ステータ室Srに供給された冷却液が、前記ケース14の円筒板17とステータ10との隙間を通じて回転軸方向に流動する。このように、ステータ室Srに対して冷却液が循環供給されることによりステータ10が冷却され、当該ステータ10の発熱に伴う回転電機1Aの運転効率の低下が抑制されることとなる。
特に、この回転電機1Aによれば、ロータ12を中心とする周方向の複数の位置であって、ステータ10の第1コイルエンド28aに対向する位置に液導入部36が設けられているので、ステータ室Srに導入される冷却液が第1コイルエンド28a全体に亘ってほぼ均等に供給されながら、ステータ10の外周面に沿って第2コイルエンド28b側に流動することとなる。また、液導出部38も液導入部36と同様に、ロータ12を中心とする周方向の複数の位置であって、第2コイルエンド28bに対向する位置に設けられているので、ステータ10の外周面に沿って第2コイルエンド28bに達した冷却液は、ステータ10の外周面から第2コイルエンド28b全体にほぼ均等に回り込みながら流動することとなる。そのため、コイルエンド28a、28bを含め、ステータ10全体を冷却液で効率良く冷却することができる。従って、従来の回転電機(背景技術の特許文献1の回転電機)と比較すると、ステータ10の発熱に伴う回転電機1Aの運転効率の低下をより高度に抑制することが可能となる。
なお、この回転電機1Aによれば、上述したステータ10の冷却面に加え、組立構造の面でも次のような利点もある。すなわち、ケース内をステータ室とロータ室とに仕切る回転電機において、所望の回転トルクを効率良く得るには、ステータの内周面をロータ室側に露出させてロータ外周面に正対させた状態で、ケース内をステータ室とロータ室とに液密に仕切る必要があり、いきおい構造が複雑で組立性が悪いものになる傾向がある。しかしながら、上記回転電機1Aによれば、上記の通り、第1部材18aと第2部材18bの2つの部材で仕切部材18が構成されている。そして、回転電機1Aの組立時には、第1部材18aの各シール部32をステータ10(コア24)の一方側の端面からスロット26内に差し込み貫通させ、第1部材18a(本体部30)と第2部材18bとでステータ10のコア24を挟み込みながら当該第1部材18aと第2部材18bとを結合させ、その上で、当該組立体をケース14に固定すれば、ステータ10の内周面(つまり、ティース部24bの先端)をステータ室Srに露出させた状態で、ケース14内を仕切部材18によりステータ室Srとロータ室Rrとに仕切ることができる。しかも、第1部材18aと第2部材18bとの結合は、第1部材18aの各シール部32の先端を第2部材18bの内側に差し込み、各シール部32の係止突起33を第2部材18bの係止溝19に係合させることで容易に行うことができる。従って、この回転電機1Aによれば、ケース14内をステータ室Srとロータ室Rrとに仕切ってステータ10を冷却液に浸漬させるものでありながらも、構造が比較的簡単でかつ組立性の良いものとなる。
また、第2部材18bを各シール部32の径方向外側へ差し込む構造であることにより、各シール部32はスロット26内において径方向外側への動きが規制されて、突出部25(ティース部24b)に圧接された状態が維持される。また、ステータ室Sr内に冷却液が充満した状態では、この冷却液の液圧によってもシール部32が突出部25に圧接される。そのため、高度なシール構造を適用することなく、スロット26の開口をシール部32で良好に塞ぐことができるという利用もある。
また、この回転電機1Aによれば、上記の通り、仕切部材18(第1部材18a、第2部材18b)がガラス繊維やカーボン繊維等の繊維状フィラーや、タルク等の板状フィラーを含有する複合強化樹脂材料により構成されているので、仕切部材18の剛性および強度を好適に確保しつつ当該仕切部材18の軽量化、ひいては回転電機1Aの軽量化を図ることができる。特に、この回転電機1Aでは、細長い(軸状の)シール部32によりステータ10のスロット26の開口が塞がれるため、このシール部32に折れ、欠け若しくは塑性変形等が生じると、スロット26の開口を通じてロータ室Rrへ冷却液が侵入することが考えられるが、上記回転電機1Aによれば、シール部32の剛性および強度が好適に確保されているので、上記のような不都合が生じることを効果的に抑制することができる。
なお、この回転電機1Aでは、例えば図6に示すように、各シール部32に、反ロータ側に突出して回転軸方向に延びる補強リブ32cを設けて曲げ応力を増大させるようにしてもよい。この構成によれば、コイル28の弾発力等によるシール部32の変形等をより効果的に抑制することが可能となる。
(第2の実施形態)
図7は、第2実施形態に係る回転電機1Bを断面図で示している。なお、第2実施形態の回転電機1Bの基本的な構成は、第1実施形態の回転電機1Aと共通するため、共通する構成部分については第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態との相違点について詳細に説明する。この点は、後に説明する第3〜第5実施形態についても同じである。
第2実施形態の回転電機1Bは、第1側板16aの近傍位置に、ケース14の円筒板17に沿って第1誘導板40(本発明の第1流路形成部材に相当する)が固定される一方、第2側板16bの近傍位置に、円筒板17に沿って第2誘導板42(本発明の第2流路形成部材に相当する)が固定されている。この点で、回転電機1Bは、第1実施形態の回転電機1Aと構成が相違している。
これらの誘導板40、42は、扁平なドーナッツ形である。第1誘導板40は、第1コイルエンド28aの端部に当接する状態で円筒板17に固定されている。これにより第1コイルエンド28aと円筒板17との隙間が第1誘導板40により塞がれている。一方、第2誘導板42は、第2コイルエンド28bのステータ側の端部に当接する状態で円筒板17に固定されている。これにより第2コイルエンド28bと円筒板17との隙間が第2誘導板42により塞がれている。
この第2実施形態の回転電機1Bによれば、図7中に破線矢印で示すように、液導入部36からステータ室Srに導入された冷却液は、第1誘導板40により流れが規制されることで、まず、第1コイルエンド28aに沿ってロータ12側に向かって流れ、第1コイルエンド28aと仕切部材18との隙間に入り込んで当該仕切部材18に沿ってコア24側に流れた後、当該コア24の端面とコイル28との隙間に入り込み、コア端面に沿って反ロータ12に向かって流れる。そして、ステータ10の外周面に沿って第2側板16b側に流動し、第2誘導板42により流れが規制されることで、コア24の端面(第2側板16b側の端面)とコイル28との隙間に入り込み、コア端面に沿ってロータ12側に向かって流れた後、第2コイルエンド28bと仕切部材18との間に入り込んで第2側板16b側に流れることとなる。
この回転電機1Bによれば、冷却液とコイルエンド28a、28bとの伝熱面積をより大きく確保することができ、これによりステータ10を効果的に冷却することが可能となる。すなわち、第1実施形態の回転電機1Aでは、液導入部36からステータ室Srに導入された冷却水の殆どは、第1コイルエンド28aの端面からそのままステータ10の外周面側に流動し、第2コイルエンド28bの外周面から端面側に回り込んだ後、液導出部38から導出される。そのため、コイルエンド28a、28bにおいて、冷却水がコイル28とコア端面との隙間を流動することが殆どない。これに対して、第2実施形態の回転電機1Bによれば、上記の通り、コイルエンド28a、28bにおいて、コイル28とコア端面との隙間を積極的に冷却液が流動することとなる。しかも、この隙間は比較的狭く、冷却液の流速も速くなるので、当該コイルエンド28a、28bの冷却が効果的に促進される。そのため、ステータ10をより効果的に冷却することが可能となる。
(第3の実施形態)
図8、図9は、第3実施形態に係る回転電機1Cを断面図で示している。この回転電機1Cは、以下の点で、第1実施形態の回転電機1Aと構成が相違している。
この回転電機1Cでは、ケース14の円筒板17の内周面に、周方向に所定間隔で並びかつ回転軸方向に延びる複数の突条44が形成されている。これら突条44は、ステータ10からケース14への伝熱が可能となるようにコア24の外周面に当接している。つまり、ケース14がステータ10のヒートシンクとして機能する構成となっている。
このような第3実施形態の回転電機1Cによれば、円筒板17を介してステータ10の熱を放熱することが可能になるとともに、ステータ10と円筒板17との隙間を流動する冷却液とステータ10(コア24)との間の伝熱面積を実質的に増大させることができる。そのため、ステータ10をより効果的に冷却することが可能となる。
なお、この回転電機1Cにおいて、各突条44は、長手方向(回転軸方向)に連続するものであってもよいが、長手方向の一乃至複数の位置に切れ目を有するものであってもよい。図10は、各突条44に4箇所の切れ目44aを設けた例を模式的に示している。このような構成によれば、ステータ10と円筒板17との隙間を流れる冷却液に適度の乱流が発生し、ステータ外周面の液境界面での冷却液の流動が促進される。そのため、冷却液の流速が高められて、熱の持ち出しが促進される結果、ステータ10をより効果的に冷却することが可能となる。
(第4の実施形態)
図11、図12は、第4実施形態に係る回転電機1Dの要部を断面図で示している。この回転電機1Dは、以下の点で、第1実施形態の回転電機1Aと構成が相違している。
この回転電機1Dでは、図12に示すように、ステータ10のスロット26内に、冷却液を通すための流路fc(本発明の貫通流路に相当する)が設けられている。詳しくは、コイル28が、同図に示すようにバックコア部24a側に偏った状態でスロット26に収容されることで、仕切部材18のシール部32とコイル28との間に、コア24を回転軸方向に貫通する前記流路fcが形成されている。
また、仕切部材18を構成する第1部材18aの本体部30が、図11および図13に示すように二重筒構造となっている。詳しくは、本体部30は、内筒部30aと外筒部30bとを有し、これら内筒部30aと外筒部30bとが周方向の複数の位置でリブ30cにより連結された構造を有している。各シール部32は、内筒部30aの端面から回転軸方向に延びるように形成されている。そして、本体部30の内部が、ケース14の第1側板16aに形成された前記通路37に連通している。
つまり、この第4実施形態の回転電機1Dでは、上述した液導入部36(本発明の第1液導入部に相当する)とは別に、ステータ室Sr内への冷却液の導入が仕切部材18によっても行われる構成となっている。具体的には、冷却液は、第1側板16a内の通路37を通じて第1部材18aの本体部30内に導入される。そして、本体部30の先端の開口46(本発明の第2液導入部に相当する)から各スロット26の流路fcに導入され、当該流路fc内を流動してステータ10の反対側(第2側板16b側)に流出した後、上記液導出部38から導出される。
このような第4実施形態の回転電機1Dによれば、液導入部36によりステータ室Srに導入される冷却液でステータ10全体が外側から冷却される一方で、仕切部材18(開口46)から流路fcに導入される冷却液でスロット26内のコイル28等が効果的に冷却されることとなる。従って、ステータ10をより効果的に冷却することができる。特に、この回転電機1Dによれば、比較的温度の低い冷却液をスロット26(流路fc)内に直接導入してステータ10を冷却することができるため、高い冷却効果が期待できる。
なお、当例では、第1部材18aの本体部30を二重筒構造とすることにより、当該本体部30から流路fcに冷却液を供給しているが、例えば、第2部材18bを二重筒構造とすることにより、当該第2部材18bから流路fcに冷却液を供給するように構成してもよい。この場合には、冷却液の給排の観点から、液導入部36と同じ側に第1部材18aが位置するように、仕切部材18の向きを設定するのが望ましい。
(第5の実施形態)
図14は、第5実施形態に係る回転電機1Eの要部を断面図で示している。この回転電機1Eは、以下の点で、第1実施形態の回転電機1Aと構成が相違している。
この回転電機1Eは、概略的には、仕切部材18を構成する第1部材18aと第2部材18bとの嵌合構造がねじ嵌合である点で第1実施形態の回転電機1Aと構成が相違している。すなわち、同図に示すように、第2部材18bの内周面であってステータ側の端部を含む一定領域には雌ねじ48が形成されている。一方、第2部材18bの各シール部32の外周面であって第2部材18b側の端部を含む一定の領域には、第1部材18aのシール部全部が一体となって雌ねじ48に螺合し得るように、当該雌ねじ48に対応する雄ねじ47が各々形成されている。そして、第1部材18aのシール部32が第2部材18bに螺合挿入されることにより、第1部材18aと第2部材18bとが結合されている。
なお、当例では、ステータ10の両側に環状パッキン50、52が設けられ、これら環状パッキン50、52によりステータ10と仕切部材18との間がシールされている。
具体的には、環状パッキン50は、図15(a)、(b)に示すように、円筒部51aと、その一方側の端部の周方向の複数の位置から内向きに各々突出する複数の突片51bとを有し、これら円筒部51aと突片51bとがゴム材料又は樹脂材料により一体に成型された構造を有する。環状パッキン50は、隣接する突片51bの間にシール部32が介在するように本体部30の端部外周面上に装着されている。そして、図14に示すように、第1部材18aと第2部材18bとが結合された状態では、本体部30の端面とコア24との間に各突片51bが挟み込まれることで、ステータ10と仕切部材18との間をシールする。一方、詳細図を省略するが、環状パッキン52は、円筒部と、その一方側の端部の内周面全域に亘って内向きに延びるフランジ部とを有し、これら円筒部とフランジ部とがゴム材料又は樹脂材料により一体に成型された構造を有する。環状パッキン52は、第2部材18bの端面にフランジ部が当接するように当該第2部材18bの端部外周面上に装着されている。そして、図14に示すように、第1部材18aと第2部材18bとが結合された状態では、第2部材18bの端面とコア24との間にフランジ部が挟み込まれることで、ステータ10と仕切部材18との間をシールする。
このような第5実施形態の回転電機1Eによれば、第1部材18aと第2部材18bとを互いにねじ嵌合させるだけで簡単に結合させることができる。なお、上述した環状パッキン50、52は、第1部材18aと第2部材18bとの結合構造がねじ嵌合である場合に限定されるものではなく、他の実施形態の回転電機1A〜1Dについても適用が可能である。
以上、本発明の回転電機1A〜1Eについて説明したが、これら回転電機1A〜1Eは、本発明にかかる回転電機の好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような構成を採用することも可能である。
(1)第1実施形態の回転電機1Aでは、液導入部36がケース14の第1側板16aに設けられ、液導出部38が第2側板16bに設けられているが、これらの配置は逆であってもよい。また、液導入部36および液導出部38は、必ずしもケース14の側板16a、16bに設けられている必要はなく、側板16a、16bの近傍の位置に設けられていてもよい。例えば、図16、図17に示すように、円筒板17における周方向の複数の位置に液導入部36(液導出部38)が設けられていてもよい。また、液導入部36や液導出部38は、側板16a、16bや円筒板17に設けられる以外に、仕切部材18に設けられていてもよい。例えば、第4実施形態の回転電機1D(図11参照)において、仕切部材18(本体部30)の外筒部30bとコア24との間に隙間が形成されるように本体部30を構成し、コア24の端面よりも第1側板16aに離れた位置で、本体部30の開口46からステータ室Sr内に冷却液を導入するとともに、スロット26の流路fcに向かって冷却液を供給するようにしてもよい。この場合には、ケース14の第1側板16aに形成される液導入部36を省略してもよい。
(2)第1実施形態の回転電機1Aにおいて、例えば図18に示すように、ロータ室Rr内に侵入した冷却液を排出するための排液通路6を設けるようにしてもよい。これによれば、仮にロータ室Rrに冷却液が侵入した場合でも、当該冷却液を速やかに排液することができ、ロータが回転する際の回転抵抗を抑制することができる。この場合、ポンプ等により積極的にステータ室Sr内を吸引するようにしてもよい。
(3)上記実施形態の説明では言及していないが、回転電機1A〜1Eにおいて、ステータ10(主にコア24)と仕切部材18とは、これらの熱膨張係数がほぼ同一であるのが好ましい。すなわち、仕切部材18のステータ10との熱伸縮量に大きな差があると、これに起因する仕切部材18の変形、例えばシール部32等の変形によりコア端面と仕切部材18(本体部30や第2部材18b)との間に隙間が形成されるが、上記構成によれば、このような隙間の形成を抑制することができる。従って、当該隙間の形成に起因するロータ室Rrへの冷却液の液漏れを抑制する上で有効となる。
なお、回転電機1A〜1Eで説明した各構成については、可能な場合には、適宜、他の回転電機で適用するようにしてもよい。また、図16〜図18に示す構成についても、第1実施形態の回転電機1A以外の回転電機1B〜1Eに適用するようにしてもよい。
1A〜1E 回転電機
10 ステータ
12 ロータ
14 ケース
16a 第1側板
16b 第2側板
17 円筒板
18 仕切部材
18a 第1部材
18b 第2部材
20 ロータ本体
21 回転軸
24 ステータコア
28 コイル
28a 第1コイルエンド
28b 第2コイルエンド
36 液導入部
38 液導出部
Rr ロータ室
Sr ステータ室

Claims (17)

  1. ロータと、
    前記ロータの周囲に配置される円筒状のコアと当該コアに設けられるコイルとを備え、前記ロータの回転軸方向におけるコア両端から各々コイルエンドが外側に突出したステータと、
    前記ステータ及び前記ロータを収容し、かつ前記ロータを回転自在に支持するケースと、
    前記ロータの径方向外側に配置され、前記ケース内を、前記ロータが配置されるロータ室とその外側のステータ室とに仕切る円筒状の仕切部材と、
    前記ステータ室に対して冷却液の給排を行うための液導入部および液排出部と、を備え、
    前記ケースは、前記回転軸方向に互いに対向する第1内壁面および第2内壁面と、これら第1内壁面および第2内壁面の間で前記ステータを包囲する内周壁面とを有し、
    前記液導入部は、前記ステータ室の第1内壁面、又はその近傍の位置において、前記ロータを中心としてその回転方向である周方向の互いに異なる複数の位置に各々設けられ、
    前記液導出部は、前記ステータ室の第2内壁面、又はその近傍の位置に設けられ、
    前記ケースの内周壁面と前記ステータの外周面との間に、前記第1内壁面側から前記第2内壁面側への冷却液の流動を許容する隙間が形成されている、ことを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記液導出部は、前記ロータを中心として前記周方向の互いに異なる複数の位置に各々設けられている、ことを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1又は2に記載の回転電機において、
    前記第1内壁面側のコイルエンドのうち、前記第1内壁面側のほぼ端部の位置で当該コイルエンドと前記内周壁面との間を塞ぐ第1流路形成部材と、
    前記第2内壁面側のコイルエンドのうち、ステータ側の端部の位置で当該コイルエンドと前記内周壁面との間を塞ぐ第2流路形成部材とを備える、ことを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項の回転電機において、
    前記ケースの内周壁面に、周方向に所定間隔で並びかつ前記ステータの外周面に当接した状態で前記回転軸方向に延びる複数の突条が形成されている、ことを特徴とする回転電機。
  5. 請求項4に記載の回転電機において、
    前記突条は、前記回転軸方向における一乃至複数の位置に切れ目を有する、ことを特徴とする回転電機。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の回転電機において、
    前記コアは、ロータ側に向かって各々開口しかつ前記周方向に所定間隔で並ぶ複数のスロットを備え、前記スロットに前記コイルが収納されており、
    前記仕切部材は、前記第1内壁面および前記第2内壁面のうち一方側の内壁面と当該内壁面に対向する前記コア端面との間に介在する円筒状の本体部、及びこの本体部の端面から前記回転軸方向に延びて各々前記スロットを貫通しかつ当該スロットの前記開口を塞ぐ複数のシール部を備える第1部材と、前記第1内壁面および前記第2内壁面のうち前記一方側の内壁面とは異なる他方側の内壁面と当該内壁面に対向する前記コア端面との間に介在し、前記複数のシール部の先端が各々内嵌されることにより前記第1部材に結合される円筒状の第2部材とを含む、ことを特徴とする回転電機。
  7. 請求項6に記載の回転電機において、
    前記第2部材の内周面に雌ねじが形成される一方、前記複数のシール部の先端外周面に、当該複数のシール部全体で前記雌ねじに螺合することが可能な雄ねじが各々形成され、
    前記第1部材および前記第2部材は、前記複数のシール部が前記第2部材にねじ嵌合されることにより互いに結合されている、ことを特徴とする回転電機。
  8. 請求項6又は7に記載の回転電機において、
    前記コアは、複数の電磁鋼板が回転軸方向に積層一体化されたものであって、周方向に連続する円筒状のバックコア部と、このバックコア部から内向きに延びて周方向に一定間隔で並ぶ複数のティース部とを備え、隣接するティース部の間に前記スロットが形成されたものであり、
    前記複数の電磁鋼板は、隣接する電磁鋼板のうち、前記ティース部の先端を形成する部分同士が液密に接着されていることを特徴とする回転電機。
  9. 請求項6乃至8の何れか一項に記載の回転電機において、
    前記各シール部は、反ロータ側に突出して前記回転軸方向に延びる補強リブを備えている、ことを特徴とする回転電機。
  10. 請求項6乃至9の何れか一項に記載の回転電機において、
    前記第1部材は、前記本体部及び前記複数のシール部が繊維状フィラー又は板状フィラーの少なくとも何れかを含有する複合強化樹脂材料により一体に成型されている、ことを特徴とする回転電機。
  11. 請求項6乃至10の何れか一項に記載の回転電機において、
    前記仕切部材の熱膨張係数と前記ステータの熱膨張係数とほぼ同一である、ことを特徴とする回転電機。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項に記載の回転電機において、
    前記ステータの各スロット内であって前記シール部と前記コイルとの間に、当該スロットを前記回転軸方向に貫通する、冷却液用の貫通流路が形成されている、ことを特徴とする回転電機。
  13. 請求項12に記載の回転電機において、
    前記液導入部は、前記ステータのコア端面であって前記貫通流路の位置に向かって冷却液を供給する、ことを特徴とする回転電機。
  14. 請求項12に記載の回転電機において、
    前記液導入部を第1液導入部と定義したときに、
    前記第1液導入部とは別に、前記貫通流路に冷却液を直接供給する第2液導入部を備えている、ことを特徴とする回転電機。
  15. 請求項1乃至14の何れか一項に記載の回転電機において、
    前記液導入部が前記仕切部材に設けられていることを特徴とする回転電機。
  16. 請求項1乃至15の何れか一項に記載の回転電機において、
    前記ロータ室に侵入した冷却液を排液するための排液通路を備えることを特徴とする回転電機。
  17. 内側に向かって各々開口しかつ周方向に所定間隔で並ぶ複数のスロットを備える円筒状のコアと、各スロットに収容されるコイルとを備えるステータと、
    前記ステータの内側に配置されるロータと、
    前記ステータ及び前記ロータを収容し、かつ前記ロータを回転自在に支持するケースと、
    前記ロータの径方向外側に配置され、前記ケース内を、前記ロータが配置されるロータ室とその外側のステータ室とに区画する円筒状の仕切部材と、
    前記ステータ室に対して冷却液の給排を行うための液導入部および液排出部と、を備え、
    前記仕切部材は、前記第1内壁面および前記第2内壁面のうち一方側の内壁面と当該内壁面に対向する前記コア端面との間に介在する円筒状の本体部、及びこの本体部の端面から前記回転軸方向に延びて各々前記スロットを貫通しかつ当該スロットの前記開口を塞ぐ複数のシール部を備える第1部材と、前記第1内壁面および前記第2内壁面のうち前記一方側の内壁面とは異なる他方側の内壁面と当該内壁面に対向する前記コア端面との間に介在し、前記複数のシール部の先端が各々内嵌されることにより前記第1部材に結合される円筒状の第2部材とを含む、ことを特徴とする回転電機。
JP2013161260A 2013-08-02 2013-08-02 回転電機 Active JP6107523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013161260A JP6107523B2 (ja) 2013-08-02 2013-08-02 回転電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013161260A JP6107523B2 (ja) 2013-08-02 2013-08-02 回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015033226A JP2015033226A (ja) 2015-02-16
JP6107523B2 true JP6107523B2 (ja) 2017-04-05

Family

ID=52518145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013161260A Active JP6107523B2 (ja) 2013-08-02 2013-08-02 回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6107523B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2852030A1 (de) * 2013-09-20 2015-03-25 Siemens Aktiengesellschaft Kühlvorrichtung für eine elektrische Maschine und elektrische Maschine umfassend eine Kühlvorrichtung
JP6072866B1 (ja) * 2015-08-26 2017-02-01 三菱電機株式会社 回転電機
US10381900B2 (en) * 2017-03-24 2019-08-13 Ge Aviation Systems Llc Method and assembly of an electric machine
JP6787245B2 (ja) * 2017-04-28 2020-11-18 株式会社デンソー 回転電機
DE102017208566A1 (de) 2017-05-19 2018-11-22 Mahle International Gmbh Elektrische Maschine, insbesondere für ein Fahrzeug
DE102017208556A1 (de) * 2017-05-19 2018-11-22 Mahle International Gmbh Elektrische Maschine, insbesondere für ein Fahrzeug
JP6852817B2 (ja) * 2018-02-13 2021-03-31 日産自動車株式会社 回転電機
DE102019113159A1 (de) * 2019-05-17 2020-11-19 Avl Software And Functions Gmbh Elektrische Maschine mit Ölkühlung
DE102022113563A1 (de) 2022-05-30 2023-11-30 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Kühlsystem zur effektiven Kühlung einer elektrischen Maschine eines Kraftfahrzeugs

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6036696B2 (ja) * 1976-03-24 1985-08-22 株式会社東芝 回転電機
JPH088757B2 (ja) * 1986-08-08 1996-01-29 株式会社東芝 車両用回転電機の通風冷却構造
JPS63190533A (ja) * 1987-01-29 1988-08-08 Fuji Electric Co Ltd 回転電機の冷却構造
JPH0169358U (ja) * 1987-10-27 1989-05-09
JPH02193546A (ja) * 1989-01-20 1990-07-31 Mayekawa Mfg Co Ltd キヤンドモーターの冷却方法
JP2003224945A (ja) * 2002-01-30 2003-08-08 Nissan Motor Co Ltd 回転電機におけるステータの冷却構造
JP5261052B2 (ja) * 2008-07-17 2013-08-14 トヨタ自動車株式会社 回転電機及び回転電機冷却システム
JP5958406B2 (ja) * 2013-04-12 2016-08-02 マツダ株式会社 回転電機
JP5962570B2 (ja) * 2013-04-15 2016-08-03 マツダ株式会社 回転電機
JP6137218B2 (ja) * 2015-02-13 2017-05-31 マツダ株式会社 回転電機の冷却構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015033226A (ja) 2015-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6107523B2 (ja) 回転電機
JP6603737B2 (ja) 電気駆動機械を製造する方法、電気駆動機械、及び、自動車両
JP5134064B2 (ja) 回転電機
ES2745686T3 (es) Máquina eléctrica sin carcasa
JP5656556B2 (ja) 回転電機
JP4687180B2 (ja) モータジェネレータの冷却構造
US10574117B2 (en) Stator of electric motor and cooling structure of electric rotating machine
JP6090572B2 (ja) モータおよびモータの製造方法
JP5594350B2 (ja) 電動機
JP2010206993A (ja) 電動機
BR112013030201B1 (pt) máquina dínamo-elétrica com um alojamento autoportante
EP3163087A1 (en) Electric pump
JP6950499B2 (ja) 回転電機、及び回転電機における蓋部材の取り付け方法
JP7498222B2 (ja) 電気駆動機械の固定子及びその製造方法
WO2017082023A1 (ja) 回転電機
KR102444446B1 (ko) 인버터 일체형 bldc 모터
JP2014003807A (ja) 回転電機
JP2010239776A (ja) 回転電機
JP5392012B2 (ja) 電動機
JP5174119B2 (ja) 回転電機の冷却構造
JP2022529306A (ja) ステータ冷却を改良した回転電気機械
JP6197462B2 (ja) ステータコイルの冷却構造及びステータコイルの冷却構造の製造方法
JP2010239775A (ja) 回転電機
JP5270635B2 (ja) 回転電機の冷却構造
JP2015095908A (ja) 電動機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6107523

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150