JP6105959B2 - タイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの製造方法に関し、特には、コードをゴム被覆してなるストリップ(帯状部材)をタイヤ周方向に巻き回して形成した周方向ベルト補強層を備えるタイヤの製造方法に関するものである。
従来、カーカスのクラウン部外周側に、タイヤ径方向に隣接するベルト層間でコードをタイヤ赤道面に対して互いに異なる方向に傾斜させた2層以上のベルト層よりなる交錯ベルトと、コードをゴム被覆してなるストリップをタイヤ周方向に螺旋状に巻き回して形成した周方向ベルト補強層とを順次配設し、周方向ベルト補強層により交錯ベルトの補強効果を高めることで高速回転時のタイヤの径成長を抑制してタイヤの高速耐久性を高めたり、トレッド部のタイヤ周方向剛性を確保して、操縦安定性を向上させたり、騒音性能を改善したりする空気入りタイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−8250号公報
ここで、一般に、交錯ベルトを形成するベルト層のコードとしては非伸張性のスチールコードが使用され、周方向ベルト補強層のコードとしては伸張性の有機繊維コードが使用されている。そのため、タイヤ接地時に変形するトレッド部に周方向ベルト補強層を有する上記従来の空気入りタイヤでは、周方向ベルト補強層の有機繊維コードがクリープ変形して、フラットスポットが発生する可能性がある。
このような有機繊維コードのクリープ変形の問題に対し、周方向ベルト補強層における有機繊維コードの使用量を低減してフラットスポットの発生を抑制することも考えられる。
具体的には、周方向ベルト補強層の形成に使用するストリップをタイヤ幅方向に互いに離隔させて巻き回すことにより、有機繊維コードの使用量を低減してフラットスポットの発生を抑制することが考えられる。しかし、タイヤ幅方向に隣接するストリップ間に大きな間隙を設けた場合、交錯ベルトを形成するベルト層のスチールコードが間隙部分においてうねり(即ち、波打ち)、トレッド部踏面における接地圧分布が不均一になり、偏摩耗が発生することがある。
一方、ストリップの巻回ピッチpに対するストリップ間の間隙のタイヤ幅方向寸法dの比(間隙率d/p)を小さくすると共にストリップを狭幅とすることにより、スチールコードのうねりの発生を抑制しつつ有機繊維コードの使用量を低減することも考えられる。しかし、ストリップを狭幅とした場合には、グリーンタイヤを加硫成形してタイヤを形成する際に、タイヤ成形用金型内での未加硫ゴムの流動によりストリップが移動してストリップの巻回ピッチが所望のピッチからずれる可能性がある。そして、ストリップの巻回ピッチが所望の巻回ピッチからずれた場合には、ストリップの巻回ピッチが大きくなった部分において接地圧が局所的に低下し、偏摩耗が発生することがある。なお、加硫成形時のストリップの移動は、トレッド部踏面にタイヤ周方向に延びる周方向溝を形成する部分において特に起こり易かった。周方向溝を形成する部分に対応するタイヤ成形用金型の内周面には、周方向溝を形成するための凸部が設けられており、その凸部により未加硫ゴムの流れが局所的に大きくなるからである。
そこで、本発明は、狭幅のストリップを小さな間隙率で巻き回して周方向ベルト補強層を形成した場合であっても、タイヤの加硫成形時のストリップの移動を抑制して、偏摩耗の発生を抑制することができるタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のタイヤの製造方法は、グリーンタイヤをタイヤ成形用金型内で加熱および加圧してタイヤを形成する加硫成形工程を含むタイヤの製造方法であって、前記グリーンタイヤは、カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に、タイヤ径方向に隣接するベルト層間でコードをタイヤ赤道面に対して互いに異なる方向に傾斜させた2層以上のベルト層よりなる交錯ベルトと、コードをゴム被覆してなるストリップをタイヤ周方向に螺旋状に巻き回して形成した周方向ベルト補強層と、未加硫トレッドゴムとを順次配設してなり、前記グリーンタイヤのタイヤ幅方向断面視において、タイヤ幅方向に隣接する前記ストリップは互いに離隔し、前記タイヤ成形用金型は、タイヤ周方向に延びる周方向溝をタイヤのトレッド部踏面に形成する凸部を金型内周面に有し、前記未加硫トレッドゴムの表面のうち、周方向溝が形成されることとなる領域の少なくとも一部に凹部を形成する凹部形成工程を含み、前記凸部の金型幅方向断面積Aと、前記凹部のタイヤ幅方向断面積Bとが、関係式:0.3≦B/A≦0.9を満たすことを特徴とする。このように、凹部形成工程を設け、未加硫トレッドゴムの、周方向溝が形成されることとなる領域の少なくとも一部に凹部を形成すれば、加硫成形工程において、グリーンタイヤの未加硫トレッドゴムに形成された凹部と、タイヤ成形用金型の内周面に設けられた凸部とが当接する。従って、狭幅のストリップを小さな間隙率で巻き回して周方向ベルト補強層を形成した場合であっても、未加硫トレッドゴムに凹部を形成しない場合と比較して、グリーンタイヤを加硫成形する際に凸部により未加硫トレッドゴムの流れが局所的に大きくなるのを抑制することができる。そして、その結果、タイヤ成形用金型内での未加硫トレッドゴムの流動によりストリップが移動するのを抑制して、ストリップの巻回ピッチの乱れに起因した偏摩耗の発生を抑制することができる。
本発明のタイヤの製造方法によれば、狭幅のストリップを小さな間隙率で巻き回して周方向ベルト補強層を形成した場合であっても、タイヤ成形用金型内での未加硫トレッドゴムの流動によりストリップが移動するのを抑制して、偏摩耗の発生を抑制することができる。
本発明に従う代表的なタイヤの製造方法を用いて製造した空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面図である。 図1に示す空気入りタイヤの製造に用いたグリーンタイヤのタイヤ幅方向断面について、トレッド部の近傍を拡大して示す図である。 (a),(b)は、図1に示す空気入りタイヤを製造する際の加硫成形工程について、グリーンタイヤおよびタイヤ成形用金型の一部を拡大して示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ここに、本発明のタイヤの製造方法の一例は、コードをゴム被覆してなるストリップをタイヤ周方向に巻き回して形成した周方向ベルト補強層を備えるタイヤを製造する際に用いられる。具体的には、本発明のタイヤの製造方法の一例は、例えば、図1にタイヤ幅方向断面を示す空気入りタイヤ10の製造に用いることができる。
図1に示す空気入りタイヤ10は、トレッド部1と、トレッド部1の側部からタイヤ径方向内方に延びる一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内方にそれぞれ連なる一対のビード部3とを備えている。また、図1に示す空気入りタイヤ10は、一対のビード部3間に延在する1プライからなるラジアルカーカス5を備えている。ここで、ラジアルカーカス5は、トレッド部1から一対のサイドウォール部2を介して一対のビード部3にわたってトロイド状に延び、ビード部3内に埋設された断面四角形のビードコア4の周りに折り返されてなる。更に、この空気入りタイヤ10では、ラジアルカーカス5のクラウン部のタイヤ径方向外方(クラウン部外周側)に、2層のベルト層61,62よりなる交錯ベルト6と、コードをゴム被覆してなるストリップ71をタイヤ周方向に螺旋状に巻き回して形成した周方向ベルト補強層7とがタイヤ径方向内側からタイヤ径方向外側に向かって順次配設されている。
ここで、交錯ベルト6を構成するベルト層61,62は、互いに平行に配列された複数本のコード(図示せず)をゴム被覆してなるプライを用いて構成されており、傾斜ベルト層61,62のコードは、タイヤ周方向に対して所定の傾斜角度で配列されている。そして、タイヤ径方向内側に位置するベルト層61のコードと、タイヤ径方向外側に位置するベルト層62のコードとは、タイヤ赤道面EPを挟んで相互に交差している。なお、ベルト層61,62のコードとしては、非伸張性のコード、例えばスチールコードを用いることができる。
また、ストリップ71をタイヤ周方向に巻き回してなる周方向ベルト補強層7は、ラジアルカーカス5のクラウン部のタイヤ径方向外方、より詳細には交錯ベルト6のタイヤ径方向外側に配設されている。なお、ストリップ71のコードとしては、伸張性のコード、例えば有機繊維コードを用いることができる。ここで、有機繊維コードとしては、ナイロン製コード、ポリエチレンテレフタレート(PET)製コード、ポリエチレンナフタレート(PEN)製コード、アラミド製コード、アラミドとナイロンのハイブリッドコードなどを例示することができるが、有機繊維コードとしては、PET製コード、PEN製コード、アラミド製コード、アラミドとナイロンのハイブリッドコード等のクリープ変形し難いコードを用いることが好ましい。
更に、この空気入りタイヤ10では、ビード部3のビードコア4のタイヤ径方向外方に、ラジアルカーカス5に沿ってタイヤ径方向外方に向けて厚みが漸減する断面略三角形のビードフィラー8が配設されている。
また、この空気入りタイヤ10では、周方向ベルト補強層7のタイヤ径方向外側に、トレッドゴムが配設されており、該トレッドゴムの表面には、タイヤ周方向に延びる例えば3本の周方向溝91,92,93が形成されている。なお、周方向溝91,92,93はタイヤ赤道面EPに関して面対称となるように配置されている。因みに、周方向溝91,92,93の幅は、例えば8〜18mmとすることができ、周方向溝91,92,93の深さは、例えば6〜10mmとすることができる。
そして、この空気入りタイヤ10は、本発明のタイヤの製造方法の一例を用いて、例えば以下のようにして製造することができる。
<グリーンタイヤ形成工程>
まず、グリーンタイヤ形成工程において、常法に従い、グリーンタイヤを作製する。ここで、図2にグリーンタイヤ10Aのトレッド部の近傍のタイヤ幅方向断面図を示すように、グリーンタイヤ10Aは、ラジアルカーカス5のクラウン部のタイヤ径方向外側に、2層のベルト層61,62よりなる交錯ベルト6と、周方向ベルト補強層7と、未加硫トレッドゴム1Aとを順次配設して形成されている。
ここで、ベルト層61,62は、互いに平行に配列された複数本のコード(図示せず)をゴム被覆してなるプライを、タイヤ径方向に隣接するベルト層61,62間でコードがタイヤ赤道面EPに対して互いに異なる方向に傾斜するようにラジアルカーカス5の外周面側に順次貼り付けて形成することができる。
また、周方向ベルト補強層7は、コードを未加硫ゴムで被覆してなるストリップ71をベルト層62の外周面側でタイヤ周方向に螺旋状に巻き回して形成されている。なお、図2に周方向ベルト補強層7の一部を拡大して示すように、ストリップ71は、幅がwであり、巻回ピッチpで巻き回されている。そして、タイヤ幅方向断面視において、タイヤ幅方向に隣接するストリップ71同士は互いに離隔しており、互いに隣接するストリップ71間の間隙のタイヤ幅方向寸法はdである。
未加硫トレッドゴム1Aの表面には、タイヤ周方向に延びる凹部91A,92A,93Aが合計3本形成されている。具体的には、未加硫トレッドゴム1Aの表面のうち、グリーンタイヤ10Aをタイヤ成形用金型内で加熱および加圧して図1に示す空気入りタイヤ10を形成した際に周方向溝91,92,93が形成されることとなる領域には、凹部91A,92A,93Aが形成されている。ここで、凹部91A,92A,93Aの形成(凹部形成工程)は、未加硫ゴムを押出機から押し出して未加硫トレッドゴム10Aを形成する際の口金の形状を調整することにより行ってもよいし、帯状の未加硫ゴムを押出機から押し出した後に表面を掘削することにより行ってもよい。
なお、上記一例のグリーンタイヤ10Aでは、周方向溝91,92,93が形成されることとなる領域の全てに凹部91A,92A,93Aを形成したが、本発明のタイヤの製造方法では、凹部は、未加硫トレッドゴム表面のうち、周方向溝が形成されることとなる領域の少なくとも一部に形成すればよい。
因みに、本発明において、「未加硫」とは、加硫反応が完全には終了していない状態を指し、「未加硫」には、一部が加硫されている状態も含まれる。
<加硫成形工程>
次に、加硫成形工程では、グリーンタイヤ形成工程で作製したグリーンタイヤ10Aをタイヤ成形用金型内で加熱および加圧して空気入りタイヤ10を形成する。具体的には、加硫成形工程では、未加硫のグリーンタイヤ10Aをタイヤ成形用金型内に装填した後、グリーンタイヤ10Aの内周面側に設置したブラダーの内部に高温高圧の流体を供給して該ブラダーを膨らませ、ブラダーの外周面でグリーンタイヤ10Aの内周面を押圧してグリーンタイヤ10Aを金型内周面に圧接させることにより、空気入りタイヤ10を形成する。
ここで、加硫成形工程において使用するタイヤ成形用金型は、空気入りタイヤ10のトレッド部1を成形するトレッド部成形面と、空気入りタイヤ10のサイドウォール部2を成形するサイドウォール部成形面と、空気入りタイヤ10のビード部3を成形するビード部成形面とを有している。そして、図3(a),(b)にタイヤ成形用金型100の金型幅方向断面の一部を示すように、タイヤ成形用金型100の金型内周面、より具体的にはトレッド部成形面には、タイヤ周方向に延びる周方向溝を空気入りタイヤ10のトレッド部踏面に形成するための凸部が形成されている(図3(a),(b)では周方向溝93を形成するための凸部113のみを図示)。
そして、加硫成形工程では、グリーンタイヤ10Aの未加硫トレッドゴム1Aに形成された凹部91A,92A,93Aと、タイヤ成形用金型100のトレッド部成形面に形成された凸部とを図3(a)に示すようにタイヤ径方向(或いは、金型径方向)に対向させた状態でグリーンタイヤ10Aをタイヤ成形用金型内に装填し、図3(b)に示すようにグリーンタイヤ10Aを金型内周面に圧接させて加硫成形を実施する。
ここで、この一例のタイヤの製造方法によれば、加硫成形工程において、グリーンタイヤ10Aの未加硫トレッドゴム1Aに形成された凹部と、タイヤ成形用金型100の内周面に設けられた凸部とが当接する。従って、この一例のタイヤの製造方法によれば、未加硫トレッドゴム1Aに凹部を形成しない場合と比較して、未加硫トレッドゴム1Aと凸部との接触により生じるタイヤ成形用金型内での未加硫トレッドゴム1Aの流動を小さくすることができる。よって、狭幅のストリップ71を使用し、かつ、ストリップ71の巻回ピッチpに対するストリップ71間の間隙のタイヤ幅方向寸法dの比(間隙率d/p)が小さくなるようにストリップ71を巻き回して周方向ベルト補強層7を形成した場合であっても、タイヤ成形用金型内での未加硫トレッドゴム1Aの流れによりストリップ71が移動するのを抑制することができる。そして、その結果、ストリップ71の巻回ピッチの乱れが発生するのを抑制して、巻回ピッチの乱れに起因した偏摩耗の発生を抑制することができる。
なお、ブラダーを用いてグリーンタイヤ10Aを金型内周面に圧接させる際には、未加硫トレッドゴム1Aは、タイヤ成形用金型内でタイヤ幅方向中心側からタイヤ幅方向外側に向かって流動する。従って、空気入りタイヤ10のタイヤ幅方向最外側に位置する周方向溝92,93が形成されることとなる領域では、未加硫トレッドゴム1Aの流動が特に大きくなり易い。しかし、上記グリーンタイヤ10Aでは、周方向溝92,93が形成されることとなる領域、即ち、周方向溝が形成されることとなる領域のうち、タイヤ幅方向最外側に位置する領域に凹部92A,93Aを形成しているので、この一例のタイヤの製造方法によれば、周方向溝92,93が形成されることとなる領域においてゴムの流動が大きくなるのを抑制することができる。従って、タイヤ幅方向外側領域においてストリップ71の移動を効率的に抑制し、巻回ピッチの乱れに起因した偏摩耗の発生を抑制することができる。
ここで、グリーンタイヤ10Aの周方向ベルト補強層7は、間隙率d/pが0.2以上0.7以下となるようにストリップ71を巻き回して形成することが好ましい。間隙率d/pを0.2以上とすれば、周方向ベルト補強層7におけるコードの使用量を低減することができるので、周方向ベルト補強層7のコードのクリープ変形に起因したフラットスポットの発生を十分に抑制することができるからである。また、間隙率d/pを0.7以下とすれば、ストリップ71間の間隙が大きくなりすぎるのを防止して、周方向ベルト補強層7による交錯ベルト6の補強効果を十分に確保することができるからである。また、間隙率d/pを0.7以下とすれば、交錯ベルト6を形成するベルト層61,62のコードがストリップ71間の間隙部分においてうねる(波打つ)のを十分に抑制することができるからである。
なお、本発明において「間隙率d/p」とは、周方向ベルト補強層内で巻回ピッチpや間隙のタイヤ幅方向寸法dが変化している場合には、周方向ベルト層内の間隙率の平均値を指す。
また、グリーンタイヤ10Aの周方向ベルト補強層7を形成するストリップ71は、幅wが7mm以下であることが好ましい。同一の間隙率d/pでストリップ71を巻き回す場合、ストリップ71の幅wを7mm以下とすれば、幅wが7mm超のストリップを使用した場合と比較し、交錯ベルト6を形成するベルト層61,62のコードがうねる(波打つ)のを確実に抑制することができるからである。
更に、グリーンタイヤ10Aの未加硫トレッドゴム1Aに形成された凹部のタイヤ幅方向断面積Bは、タイヤ成形用金型100の金型内周面に形成された凸部の金型幅方向断面積Aの0.3倍以上0.9倍以下(0.3≦B/A≦0.9)であることが好ましい。比B/Aを0.3以上とすれば、グリーンタイヤ10Aを加硫成形する際に凸部により未加硫トレッドゴム1Aの流れが局所的に大きくなるのを十分に抑制することができるからである。また、比B/Aを0.9以下とすれば、凹部を形成した部分と凹部を形成していない部分との間で未加硫トレッドゴム1Aの経時収縮量が不均一になるのを抑制することができるからである。また、比B/Aを0.9以下とすれば、凹部を形成した部分において未加硫トレッドゴム1Aが折れ曲がり易くなるのを抑制して、タイヤの製造効率が低下するのを抑制することができるからである。
なお、凹部のタイヤ幅方向断面積Bは、図3(a)に示す仮想線l、仮想線mおよび仮想線nで囲まれる領域の面積である。因みに、仮想線lは、タイヤ成形用金型の凸部の一方の基部P1を通ってタイヤ径方向(或いは、金型径方向)に延びる線であり、仮想線mは、タイヤ成形用金型の凸部の他方の基部Q1を通ってタイヤ径方向(或いは、金型径方向)に延びる線である。また、仮想線nは、凸部の幅中心線から各仮想線l,mまでの距離の2倍の位置を通ってタイヤ径方向(或いは、金型径方向)に延びる仮想線l’,m’と、未加硫トレッドゴム1Aの表面との交点P2,Q2を結んだ線である。
なお、通常、間隙率d/pが大きいほど(即ち、ストリップ71間の間隙が大きいほど)、ストリップ71の巻回ピッチpは乱れ易くなる。そこで、ストリップ71の巻回ピッチpの乱れの発生を十分に抑制する観点からは、間隙率d/pと、比B/Aとが下記の関係を満たすように、間隙率d/pの大きさに合わせて比B/Aの大きさを変動させることが好ましい。
0.5≦(間隙率d/p)/(比B/A)≦1.5
以上、図面を参照して本発明のタイヤの製造方法について説明したが、本発明のタイヤの製造方法は、上記一例に限定されることはなく、本発明のタイヤの製造方法には、適宜変更を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜3)
未加硫トレッドゴムの表面に凹部を形成したグリーンタイヤを使用して、図1に示す構成を有し、サイズが205/55R16の空気入りタイヤを表1に示す諸元で作製した。
そして、作製した空気入りタイヤについて、以下の方法で性能を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1〜5)
未加硫トレッドゴムの表面に凹部を形成していないグリーンタイヤを使用して、図1に示す構成を有し、サイズが205/55R16の空気入りタイヤを表1に示す諸元で作製した。
そして、作製した空気入りタイヤについて、以下の方法で性能を評価した。結果を表1に示す。
<ストリップの巻回ピッチ乱れ>
周方向溝のタイヤ径方向内側に位置する全てのストリップについて、ストリップ間の間隙のタイヤ幅方向寸法を測定した。そして、測定した複数の間隙について、最大寸法で最小寸法を除して間隙寸法比を求めた。間隙寸法比が1.0に近いほど巻回ピッチに乱れが生じておらず、好ましい。
<ベルト層の波打ち>
作製したタイヤからカットサンプルを5つ切り出し、2層のベルト層よりなる交錯ベルトについて、タイヤ径方向の最も外側に位置するコードと、最も内側に位置するコードとの、タイヤ径方向距離(ベルト波打ち量)を測定した。そして、ベルト波打ち量の平均値を求めた。ベルト波打ち量は、値が小さいほどベルト層のコードの波打ちが小さいことを示し、好ましい。
<耐フラットスポット性>
作製したタイヤをサイズ6.5J×16のリムに組み付け、230kPaの内圧を充填した。そして、以下の手順でフラットスポット試験を行った。
(1)タイヤのRFV(Radial Force Variation)を測定する。
(2)96km/hで1時間ドラム走行試験を行った後、RFVを測定し、得られたRFVとタイヤの回転角度との関係から得られる波形をフーリエ変換して、1次成分の係数を求め、RFV1次ボトム(フーリエ変換されたRFVの1次の波においてRFV値が最も小さい位置)を検索する。続いて、得られたRFV1次ボトムの位置にて、タイヤに5.88kNの静荷重を負荷して、ドラムに16時間押し付け続ける。その後、96km/hで再びドラム走行試験を行い、走行時間を横軸に、RFV1次ボトム値を縦軸にとってグラフを描き、試験手順(1)で測定したRFV1次ボトム値との差分を、1〜30分の範囲で積分することで得られる面積をフラットスポット値として算出する。
そして、比較例1のタイヤのフラットスポット値を100として指数評価した。表1に示すフラットスポット値の指数は、値が小さいほどフラットスポットが低減していることを示す。
Figure 0006105959
表1より、実施例1〜3のタイヤでは、フラットスポットおよびコード波打ちの発生を抑制しつつ、タイヤ成形用金型内での未加硫トレッドゴムの流動によりストリップが移動するのを抑制して巻回ピッチの乱れが発生するのを抑制し得ることが分かる。なお、比較例1のタイヤは耐フラットスポット性が低い。また、比較例2〜4のタイヤは巻回ピッチの乱れが大きい。更に、比較例5のタイヤは、ベルト層の波打ち量が大きい。
本発明のタイヤの製造方法によれば、狭幅のストリップを小さな間隙率で巻き回して周方向ベルト補強層を形成した場合であっても、タイヤ成形用金型内での未加硫トレッドゴムの流動によりストリップが移動するのを抑制して、偏摩耗の発生を抑制することができる。
1 トレッド部、2 サイドウォール部、3 ビード部、4 ビードコア、5 ラジアルカーカス、6 交錯ベルト、7 周方向ベルト補強層、8 ビードフィラー、91,92,93 周方向溝、10 空気入りタイヤ、61,62 ベルト層、71 ストリップ、1A 未加硫トレッドゴム、10A グリーンタイヤ、91A,92A,93A 凹部、100 タイヤ成形用金型、113 凸部

Claims (4)

  1. グリーンタイヤをタイヤ成形用金型内で加熱および加圧してタイヤを形成する加硫成形工程を含むタイヤの製造方法であって、
    前記グリーンタイヤは、カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に、タイヤ径方向に隣接するベルト層間でコードをタイヤ赤道面に対して互いに異なる方向に傾斜させた2層以上のベルト層よりなる交錯ベルトと、コードをゴム被覆してなるストリップをタイヤ周方向に螺旋状に巻き回して形成した周方向ベルト補強層と、未加硫トレッドゴムとを順次配設してなり、
    前記グリーンタイヤのタイヤ幅方向断面視において、タイヤ幅方向に隣接する前記ストリップは互いに離隔し、
    前記タイヤ成形用金型は、タイヤ周方向に延びる周方向溝をタイヤのトレッド部踏面に形成する凸部を金型内周面に有し、
    前記未加硫トレッドゴムの表面のうち、周方向溝が形成されることとなる領域の少なくとも一部に凹部を形成する凹部形成工程を含み、
    前記凸部の金型幅方向断面積Aと、前記凹部のタイヤ幅方向断面積Bとが、下記関係式(1)を満たすことを特徴とする、タイヤの製造方法。
    0.3≦B/A≦0.9 ・・・(1)
  2. 前記凹部形成工程において、タイヤのタイヤ幅方向最外側に位置する周方向溝が形成されることとなる領域に前記凹部を形成することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  3. 前記ストリップの巻回ピッチpと、タイヤ幅方向に隣接するストリップ間の間隙のタイヤ幅方向寸法dとが、下記関係式(2)を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載のタイヤの製造方法。
    0.2≦d/p≦0.7 ・・・(2)
  4. 前記ストリップの幅が7mm以下であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のタイヤの製造方法。
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