JP6105345B2 - クロロプレンゴム組成物 - Google Patents

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本発明は、シール、電線またはケーブル用被覆材等の用途に適するクロロプレンゴム組成物に関する。
クロロプレンゴムは、天然ゴムに比べて耐候性、耐薬品性、耐熱性、耐オゾン性、耐油性に優れ、Oリング、グロメット、コンベヤベルト、ロール、ライジング、ウエットスーツ、電線被覆などの用途に用いられている。
クロロプレンゴムの架橋系(添加剤)としては、エチレンチオウレア等のチオウレア系架橋促進剤に、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系架橋促進剤をリターダー(スコーチ防止剤)として組み合わせたものが一般的に用いられている(非特許文献1)。
上記架橋系は、架橋ゴムの物性、生産性ともに良好であるが、エチレンチオウレアはPRTR制度(Pollutant Release and Transfer Register;環境汚染物質排出移動登録制度)にて第一種指定化学物質である。テトラメチルチウラムジスルフィドも前記第一種指定化学物質であり、また、分解時に発がん性のあるニトロソアミンを生成するなど、人体および環境に対する影響が懸念されている。
ニトロソアミンを発生しない架橋促進剤を用いることにより、環境保護に寄与し得るクロロプレンゴム組成物を得ることを目的として、クロロプレンゴム組成物に、クロロプレンゴム組成物のゴム分100重量部に対し、酸化亜鉛、酸化マグネシウムよりなる群から選択された1種以上の架橋剤0.1重量部〜5重量部と、テトラキス(アルキル)チウラムジスルフィド0.1重量部〜5重量部を添加する技術が提案されている(特許文献1、2)。
また、エチレンチオウレア、1,3−ジフェニルチオウレア、1,3−ジエチルチオウレア等のチオウレア系架橋促進剤と、テトラキス(アルキル)チウラムジスルフィドを用いた場合に、ニトロソアミンの生成が抑制されることが開示されている(特許文献3)。
さらに、チアゾール系架橋促進剤であるジベンゾチアジルジスルフィドが、環境に対する影響の少ないクロロプレンゴム用のスコーチ防止剤として用いられる(非特許文献1、2)。
さらにまた、非イオウ変性型クロロプレンゴム100重量部に老化防止剤1.0重量部〜8.0重量部、共架橋剤1.0重量部〜4.0重量部、有機過酸化物1.0重量部〜3.5重量部およびその他の配合剤を分散させてなる、過酸化物により架橋されたクロロプレンゴム組成物も開示されている(特許文献4)。
しかし、ジエチルチオウレア等のチオウレア系架橋促進剤と、テトラキス(アルキル)チウラムジスルフィド、ジベンゾチアジルジスルフィド等をクロロプレンゴムと組み合わせた場合には、成形中に組成物の早期架橋(スコーチ)が進行して高粘度となり、成形不良を招いたり、また化合物の保管安定性に問題があった。保管安定性の問題とは、未架橋ゴムを高温で保管することによるスコーチの進行であり、たとえば未架橋ゴムを40℃で7日間保管することにより著しいスコーチの進行が見られた。
さらに、架橋反応が遅く、生産性を重視して短時間で架橋する場合、ゴム物性が不十分となる。チオウレア系架橋促進剤を増量して反応性を向上させても、耐スコーチ性が悪化する。なお、耐スコーチ性に優れる架橋促進剤としてトリメチルチオウレアが報告されている(非特許文献3〜5)が、トリメチルチオウレアについては、やはりニトロソアミンの発生が懸念される。
さらにまた、有機過酸化物架橋剤により架橋させたクロロプレンゴム組成物については、ゴム物性および耐スコーチ性は良好であるが、耐熱老化性が低いといった問題点が確認された。
特開2002−265688号公報 特開2002−265687号公報 特開平6−279621号公報 特開平7−145269号公報
ゴム工業便覧 第4版,社団法人 日本ゴム協会編,平成6年1月20日発刊,第266頁 チウラム(TMTD)を含まない加硫系に関する検討;立畠 達夫,www.sanshin-ci.co.jp/index/download2/GR006.pdf NOC技術ノートNo. 271;日本ゴム協会誌 Vol. 56 (7) 461-462 (1983) NOC技術ノートNo. 272;日本ゴム協会誌 Vol. 56 (8) 534-535 (1983) NOC技術ノートNo. 273;日本ゴム協会誌 Vol. 56 (9) 597-598 (1983)
そこで、本発明は、良好なゴム物性および耐スコーチ性等の加工性をバランスよく備え、製造工程においてニトロソアミンを生成することなく、人体および環境に対する影響の少ないクロロプレンゴム組成物を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明者らは、クロロプレンゴムの架橋促進剤として、アルキル基の炭素数が3〜12であるジアルキルチオウレアを用い、スコーチ防止剤として、分子中にチオカルボニル基またはチオール基に直接結合する第2級アミノ基を有しないチアゾール系スコーチ防止剤を用いることにより、ニトロソアミンを発生させることなく迅速な架橋が達成され、かつ耐スコーチ性にも優れることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の[1]〜[11]に関する。
[1]クロロプレンゴム100質量部に対し、アルキル基の炭素数が3〜12であるジアルキルチオウレアを1質量部〜5質量部、分子中にチオカルボニル基またはチオール基に直接結合する第2級アミノ基を有しないチアゾール系スコーチ防止剤を0.1質量部〜3質量部、および金属酸化物を含有する、クロロプレンゴム組成物。
[2]アルキル基の炭素数が3〜12であるジアルキルチオウレアが、ジブチルチオウレアおよびジラウリルチオウレアより選択される1種以上である、上記[1]に記載のクロロプレンゴム組成物。
[3]分子中にチオカルボニル基またはチオール基に直接結合する第2級アミノ基を有しないチアゾール系スコーチ防止剤がジベンゾチアジルジスルフィドである、上記[1]または[2]に記載のクロロプレンゴム組成物。
[4]さらにジエチルチオウレアを0.1質量部〜0.5質量部含有する、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のクロロプレンゴム組成物。
[5]クロロプレンゴムのムーニー粘度[ML(1+4)100℃]が60〜140である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のクロロプレンゴム組成物。
[6]さらにジフェニルアミン系老化防止剤を0.5質量部〜5質量部含有する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のクロロプレンゴム組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のクロロプレンゴム組成物を架橋および成形してなる、ゴム成形体。
[8]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のクロロプレンゴム組成物を架橋および成形してなる、シール。
[9]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のクロロプレンゴム組成物を架橋および成形してなる、電線またはケーブルの被覆材。
[10]上記[9]に記載の被覆材により被覆してなる、電線。
[11]上記[9]に記載の被覆材により被覆してなる、ケーブル。
本発明によれば、速やかに架橋され、かつ耐スコーチ性も良好で、ゴム物性にも優れるクロロプレンゴム組成物を提供することができる。また、本発明のクロロプレンゴム組成物は、ニトロソアミンを生成するおそれのない架橋促進剤およびスコーチ防止剤を用いて調製されるため、人体および環境に対して悪影響を及ぼすおそれがない。
本発明のクロロプレンゴム組成物は、クロロプレンゴム100質量部に対し、アルキル基の炭素数が3〜12であるジアルキルチオウレアを1質量部〜5質量部、および、分子中にチオカルボニル基またはチオール基に直接結合する第2級アミノ基を有しないチアゾール系スコーチ防止剤を0.1質量部〜3質量部含有してなる。
本発明において用いるクロロプレンゴムは、クロロプレンの重合によって得られる合成ゴムである。本発明において用いるクロロプレンゴムとしては、ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]が60〜140であるものが好ましく、ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]が90〜130であるものがより好ましく、100〜120であるものがさらに好ましい。ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]が60〜140であるクロロプレンゴムを用いた場合、耐スコーチ性および成形加工性が良好なゴム組成物を得ることができる。なお、「ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]」とは、日本工業規格(JIS) K 6300−1:2001に従って、ムーニー粘度計により測定される粘度である。
上記クロロプレンゴムとしては、自体公知の方法に従ってクロロプレンを重合させ、適宜ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]を調整して得たクロロプレンゴムを用いてもよいが、「ショウプレンWHV」(ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=109〜130)、「ショウプレンWHV100」(ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=95〜105)、「ショウプレンWXK」(ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=73〜89)、「ショウプレンWXKT」(ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=106〜117)、「ショウプレンSND5」(ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=67〜76)、「ショウプレンSND35」(ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=63〜73)、「ショウプレンSND37」(ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=73〜89)、「ショウプレンSND43」(ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=78〜88)、「ショウプレンSND45」(ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=60〜73)、「ショウプレンSND48」(ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=85〜100)、「ショウプレンTW100」(ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=85〜102)(以上昭和電工株式会社製)等の市販の製品を用いることが便利である。本発明においては、前記のクロロプレンゴムより1種または2種以上を選択して用いることができる。
本発明のゴム組成物において、上記クロロプレンゴムは通常40質量%〜90質量%含有され、好ましくは50質量%〜60質量%含有される。
本発明において、架橋促進剤として用いるアルキル基の炭素数が3〜12であるジアルキルチオウレアとしては、1,3−ジプロピルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、1,3−ジヘキシルチオウレア、1,3−ジオクチルチオウレア、1,3−ジデシルチオウレア、1,3−ジラウリルチオウレア等が挙げられるが、1,3−ジブチルチオウレアおよび1,3−ジラウリルチオウレアが好ましく、1,3−ジラウリルチオウレアがより好ましい。本発明においては、前記ジアルキルチオウレアとして、自体公知の製造方法に準じて製造したものを用いてもよいが、「アクセルBUR−F」、「アクセルLUR」(川口化学工業株式会社製)等の市販の製品を用いることもできる。本発明においては、前記のジアルキルチオウレアから1種または2種以上を選択して用いることができる。
ジアルキルチオウレアのアルキル基の炭素数が3より小さいと、架橋成形体に良好な圧縮ひずみ性を付与するために適度な架橋速度を得るには多量に添加する必要があり、その結果、耐スコーチ性が悪化する(後述する40℃で7日間保存後の最低ムーニー粘度変化が増大し、スコーチタイムが短縮する)。一方、アルキル基の炭素数が12を超えるジアルキルチオウレアについては、工業的に入手することが困難である。
本発明のゴム組成物においては、上記ジアルキルチオウレアは、クロロプレンゴム100質量部に対し、1質量部〜5質量部含有され、好ましくは2質量部〜4質量部、より好ましくは2.5質量部〜3質量部含有される。
本発明のクロロプレンゴム組成物においては、上記したアルキル基の炭素数が3〜12であるジアルキルチオウレアとともに、ニトロソアミンを発生させない架橋促進剤として知られるジエチルチオウレアを用いることができる。
アルキル基の炭素数が3〜12であるジアルキルチオウレアとジエチルチオウレアを併用することにより、アルキル基の炭素数が3〜12であるジアルキルチオウレアの使用量を減少させることができ、その結果、原料コストを低く抑えることができる。
本発明のクロロプレンゴム組成物において、ジエチルチオウレアは、クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部〜0.5質量部含有させることができる。なお、ジエチルチオウレアを併用する場合、アルキル基の炭素数が3〜12であるジアルキルチオウレアの含有量は、1質量部〜3質量部とすることが好ましい。
本発明においては、ニトロソアミンを発生させないスコーチ防止剤として、分子中にチオカルボニル基またはチオール基に直接結合する第2級アミノ基を有しないチアゾール系スコーチ防止剤を用いる。かかるチアゾール系スコーチ防止剤としては、ジベンゾチアジルジスルフィドが好ましく用いられる。前記チアゾール系スコーチ防止剤は、自体公知の製造方法に準じて製造したものを用いることもできるが、「ノクセラーDM」(大内新興化学工業株式会社製)等の市販の製品を用いることもできる。
本発明のクロロプレンゴム組成物において、分子中にチオカルボニル基またはチオール基に直接結合する第2級アミノ基を有しないチアゾール系スコーチ防止剤は、クロロプレンゴム100質量部に対し、0.1質量部〜3質量部含有され、好ましくは0.1質量部〜2質量部、より好ましくは0.3質量部〜1質量部含有される。
本発明のクロロプレンゴム組成物においては、酸受容体として金属酸化物が含有される。前記金属酸化物は、クロロプレンゴム組成物中において架橋剤として機能する。かかる金属酸化物としては酸化マグネシウムが一般的に用いられ、クロロプレンを含むゴム組成物の場合、酸化マグネシウムと酸化亜鉛を組み合わせて用いることが好ましい。
本発明のクロロプレンゴム組成物においては、上記金属酸化物はクロロプレンゴム100質量部に対し、通常5質量部〜10質量部含有され、好ましくは7質量部〜9質量部含有される。
本発明のクロロプレンゴム組成物には、さらにジフェニルアミン系老化防止剤が含有されることが好ましい。ジフェニルアミン系老化防止剤を含有させることにより、架橋特性に悪影響を及ぼすことなく、良好な耐熱老化性を付与することができる。
ジフェニルアミン系老化防止剤としては、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホンアミド)ジフェニルアミン、スチレン化ジフェニルアミン等が挙げられ、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、スチレン化ジフェニルアミン等が好ましく用いられる。
本発明においては、上記ジフェニルアミン系老化防止剤は、自体公知の方法により製造したものを用いることができるが、「ノクラックODA−N」、「ノクラックAD−F」、「ノクラックCD」、「ノクラックTD」(以上大内新興化学工業株式会社製)、「ノンフレックスOD−3」、「ノンフレックスDCO」、「ステアラーLAS」(以上精工化学株式会社製)、アンテージDDA(川口化学工業株式会社製)等の市販の製品を用いることもできる。
本発明のクロロプレンゴム組成物には、上記したジフェニルアミン系老化防止剤より、1種または2種以上を選択して、含有させることができる。
本発明のクロロプレンゴム組成物におけるジフェニルアミン系老化防止剤の含有量は、クロロプレンゴム100質量部に対し、0.5質量部〜5質量部とすることが好ましく、1質量部〜3質量部とすることがより好ましい。
本発明のクロロプレンゴム組成物には、本発明の特徴を損なわない範囲で、上記以外の添加剤を含有させることができる。かかる添加剤としては、ジフェニルアミン系老化防止剤以外の老化防止剤、プロセス油、可塑剤、加工助剤、難燃剤、充填剤など、ゴム工業で一般的に用いられる添加剤が挙げられる。本発明においては、これらの1種または2種以上を組み合わせて、必要に応じて適宜添加することができる。
ジフェニルアミン系老化防止剤以外の老化防止剤としては、フェニル−1−ナフチルアミン等のアミン系老化防止剤、モノ(α−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル)フェノール等のフェノール系老化防止剤、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール等のイミダゾール系老化防止剤などが挙げられる。
プロセス油としては、パラフィン系プロセス油、ナフテン系プロセス油、芳香族系プロセス油などが挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸ジオクチル等のフタル酸系可塑剤、ジオクチルアジペート等のアジピン酸系可塑剤、セバシン酸ジオクチル等のセバシン酸系可塑剤、トリメリット酸トリス−2−エチルヘキシル等のトリメリット酸系可塑剤、ポリエーテル、ポリエステル等の重合型可塑剤などが挙げられる。
加工助剤としては、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸またはその金属塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、パラフィンワックス等が挙げられる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモンなどが挙げられる。
充填剤としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機充填剤、フッ素樹脂パウダー等の有機充填剤などが挙げられる。
本発明のクロロプレンゴム組成物は、上記したクロロプレンゴム、ジアルキルチオウレア、チアゾール系スコーチ防止剤および金属酸化物に、必要に応じてジフェニルアミン系老化防止剤および適宜添加剤を加え、従来公知のインタミックス、ニーダ、バンバリーミキサ等の混練機、オープンロール又は二軸混練押出機等を用いて混練して調製することができる。
次いで、本発明のクロロプレンゴム組成物を、射出成形機、圧縮成形機、加熱プレス機又は押出成形機等を用いて所望の形状に成形し架橋する、または架橋成形することにより、本発明のゴム成形体を得ることができる。前記架橋または架橋成形は、ゴム工業において通常用いられる条件で行うことができ、たとえば120℃〜200℃で2分間〜3時間といった条件で加熱することにより行うことが好ましい。
本発明のクロロプレンゴム組成物は、速やかに架橋され、かつ耐スコーチ性も良好で、ゴム物性にも優れる。また、本発明のゴム成形体は、機械的強度、耐候性、耐薬品性、耐熱性、耐寒性、耐油性等の要求される各種シールや、電線、ケーブル等の被覆材などとして好適に用いることができる。
従って、本発明は、上記クロロプレンゴム組成物を成形し架橋し、または架橋成形してなるゴム成形体により形成されるシール、および電線またはケーブル用の被覆材を提供する。
また、本発明は、上記被覆材により被覆された電線またはケーブルを提供する。
さらに、本発明のクロロプレンゴム組成物は、ニトロソアミン生成のおそれのない架橋促進剤およびスコーチ防止剤を含有するため、ゴム組成物を成形し架橋する工程またはゴム組成物を架橋成形する工程においてニトロソアミンの生成がなく、作業環境は著しく改善される。
さらに本発明について、実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例のクロロプレンゴム組成物の調製に使用した材料は、以下のとおりである。
クロロプレンゴムとしては、次の(a)〜(d)を用いた。
(a)「ショウプレンSND43」(昭和電工株式会社製);ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=78〜88
(b)「ショウプレンWXKT」(昭和電工株式会社製);ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=106〜117
(c)「ショウプレンWHV」(昭和電工株式会社製);ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=109〜130
(d)「ショウプレンW」(昭和電工株式会社製);ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=42〜51
架橋促進剤としては、次の(a)〜(d)を用いた。
(a)エチレンチオウレア(アルキル基の炭素数=2);「アクセル22―S」(川口化学工業株式会社製)
(b)ジエチルチオウレア(アルキル基の炭素数=2);「アクセルEUR」(川口化学工業株式会社製)
(c)ジブチルチオウレア(アルキル基の炭素数=4);「アクセルBUR−F」(川口化学工業株式会社製)
(d)ジラウリルチオウレア(アルキル基の炭素数=12);「アクセルLUR」(川口化学工業株式会社製)
スコーチ防止剤としては、次の(a)〜(c)を用いた。
(a)テトラメチルチウラムジスルフィド;「ノクセラーTT」(大内新興化学工業株式会社製)
(b)テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド;「ノクセラーTOT−N」(大内新興化学工業株式会社製)
(c)ジベンゾチアジルジスルフィド;「ノクセラーDM」(大内新興化学工業株式会社製)
金属酸化物としては、酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛を用いた。
老化防止剤としては、ジフェニルアミン系の老化防止剤である4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(「ノクラックCD」、大内新興化学工業株式会社製)、およびフェノール系の老化防止剤である2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル)フェノール(「ノクラックNS−6」、大内新興化学工業株式会社製)を用いた。
さらに加工助剤としてステアリン酸を、充填剤としてカーボンブラックを、プロセス油としてナフテン系プロセス油を用いた。
[実施例1〜9および比較例1〜9]
表1に示す各成分をオープンロールにて混練して、実施例1〜9および比較例1〜9のクロロプレンゴム組成物を得た。
Figure 0006105345
実施例および比較例の各クロロプレンゴム組成物について、耐スコーチ性を下記方法により評価した。
すなわち、混練翌日および40℃で7日間保存した後に、日本工業規格(JIS) K 6300−1:2001に準拠して、L型ロータを使用し、125℃にてムーニースコーチ試験を行い、最低ムーニー粘度(Vm)およびスコーチタイム(t5)を測定した。
本発明の目的には、最低ムーニー粘度(Vm)の変化が55M以下であることが好ましく、50M以下であることがより好ましい。また、スコーチタイム(t5)が4分以上であることが好ましく、5分以上であることがより好ましい。
次に、実施例1〜10および比較例1〜6の各クロロプレンゴム組成物を150℃で30分間加熱することにより架橋して、厚さが約2mmのシート形状のゴム成形体(11cm×13cm)を得、以下の評価を行った。
(1)常態物性
JIS K6250:2006の6.に規定される標準条件下(温度=23℃±2℃、湿度=50%±10%)において、ゴム成形体の硬さ、100%伸張時の引張応力(100%モジュラス)、引張強さおよび切断時伸びを次に示す方法により測定した。
(a)硬さ
JIS K 6253−3:2012に準拠し、上記ゴム成形体より調製したシート形状の試験片を3枚重ねて約6mmの厚さにしたものについて、タイプAデュロメータを用いて瞬間値を測定した。
(b)引張応力、引張強さおよび切断時伸び
JIS K 6251:2010に準拠し、上記ゴム成形体により調製したダンベル状3号形試験片を用いて測定した。
(2)圧縮永久ひずみ性
JIS K 6262:2006に準拠し、上記ゴム成形体により調製した大型試験片を用いて圧縮率25%、100℃で70時間圧縮し、圧縮装置から取り出して30分後に残留するひずみを求めた。圧縮永久ひずみ率(%)は、次の式(1)により算出した。
Figure 0006105345
なお、本発明の目的には、クロロプレンゴム組成物を架橋して得られるゴム成形体の圧縮永久ひずみ率が30%以下であることが好ましい。
(3)耐熱老化性
上記ゴム成形体より調製したダンベル状3号形試験片を、強制循環型空気加熱老化試験機で、100℃で70時間加熱した後、上記と同様に硬さ、引張強さおよび切断時伸びを測定し、下記式(2)〜(4)により、硬さの変化、引張強さ変化率および切断時伸び変化率を求めた。
Figure 0006105345
Figure 0006105345
Figure 0006105345
本発明の目的には、硬さの変化が+10以下、引張強さ変化率が−10%以上、切断時伸び変化率が−20%以上であることが好ましい。
上記についての評価結果は、表2に示した。
Figure 0006105345
表2より明らかなように、本発明の実施例1〜10のクロロプレンゴム組成物については、架橋成形時にニトロソアミンは生成せず、何れも良好な耐スコーチ性が認められた。また、各実施例のクロロプレンゴム組成物を架橋して得たゴム成形体は、いずれも圧縮永久ひずみ率が十分に小さく、十分な耐熱老化性を示した。
一方、架橋促進剤としてエチレンチオウレアを用い、スコーチ防止剤としてテトラメチルチウラムジスルフィドを用いた比較例1のクロロプレンゴム組成物については、架橋成形時にニトロソアミンが生成する。エチレンチオウレアの代わりにジエチルチオウレアを用い、スコーチ防止剤としてジベンゾチアジルジスルフィドを用いた比較例2、およびスコーチ防止剤を含まない比較例5の各クロロプレンゴム組成物については、架橋成形時にニトロソアミンは生成しないが、耐スコーチ性が不十分であることが認められた。また、その架橋成形体の圧縮永久ひずみ率も大きいものであった。ジラウリルチオウレアの含有量が少なく、スコーチ防止剤を含まない比較例3のクロロプレンゴム組成物については、その架橋成形体の圧縮永久ひずみ率が大きく、耐熱老化性にも劣るものであった。ジラウリルチオウレアおよびスコーチ防止剤の含有量が多過ぎる比較例4のクロロプレンゴム組成物は、耐スコーチ性が不十分であった。アルキル基の炭素数が2であるジエチルチオウレアを架橋促進剤とし、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドをスコーチ防止剤として用いた比較例6のクロロプレンゴム組成物については、架橋成形時にニトロソアミンは生成しないが、耐スコーチ性が不十分であることが認められた。
以上詳述したように、本発明によれば、ニトロソアミンを生成することなく、速やかに架橋され、かつ耐スコーチ性も良好で、ゴム物性にも優れるクロロプレンゴム組成物を提供することができる。本発明のクロロプレンゴム組成物を成形し架橋し、または架橋成形して得られる成形体は圧縮永久ひずみ性および耐熱老化性にも優れ、シールや、電線またはケーブル用の被覆材として好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. クロロプレンゴム100質量部に対し、アルキル基の炭素数が3〜12であるジアルキルチオウレアを1質量部〜5質量部、分子中にチオカルボニル基またはチオール基に直接結合する第2級アミノ基を有しないチアゾール系スコーチ防止剤を0.1質量部〜3質量部、および金属酸化物を含有する、クロロプレンゴム組成物。
  2. アルキル基の炭素数が3〜12であるジアルキルチオウレアが、ジブチルチオウレアおよびジラウリルチオウレアより選択される1種以上である、請求項1に記載のクロロプレンゴム組成物。
  3. 分子中にチオカルボニル基またはチオール基に直接結合する第2級アミノ基を有しないチアゾール系スコーチ防止剤がジベンゾチアジルジスルフィドである、請求項1または2に記載のクロロプレンゴム組成物。
  4. さらにジエチルチオウレアを0.1質量部〜0.5質量部含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクロロプレンゴム組成物。
  5. クロロプレンゴムのムーニー粘度[ML(1+4)100℃]が60〜140である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクロロプレンゴム組成物。
  6. さらにジフェニルアミン系老化防止剤を0.5質量部〜5質量部含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクロロプレンゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のクロロプレンゴム組成物を架橋および成形してなる、ゴム成形体。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のクロロプレンゴム組成物を架橋および成形してなる、シール。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のクロロプレンゴム組成物を架橋および成形してなる、電線またはケーブルの被覆材。
  10. 請求項9に記載の被覆材により被覆してなる、電線。
  11. 請求項9に記載の被覆材により被覆してなる、ケーブル。
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