JP6105224B2 - プライマー組成物、ニッケル水素二次電池正極及びその製造方法 - Google Patents

プライマー組成物、ニッケル水素二次電池正極及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プライマー組成物、ニッケル水素二次電池正極及びその製造方法に関する。
近年、デジタルカメラや携帯電話のような小型携帯型電子機器が広く用いられるようになってきた。これらの電子機器には、容積を最小限にし、かつ重量を軽くすることが常に求められてきており、搭載される電池においても、小型、軽量かつ大容量の電池の実現が求められている。一方、バスやトラック等に搭載する大型二次電池においても、従来の鉛蓄電池に代えて、軽量で高出力性能を有する大型二次電池の実現が望まれている。
そのような要求に応えるため、ニッケル水素二次電池などのアルカリ二次電池やリチウムイオン電池などの非水系二次電池の開発が活発に行われている。そして、電池の高性能化を実現するため、電極の改良が検討されている。
ところで、変電所、自動車、電車等に用いられるニッケル水素二次電池には、従来の乾電池や携帯機器等に用いられるものに比べて、高出力、高電圧及び高容量が要求される。そのため、大型のものを使用する必要がある。車両にニッケル水素二次電池を搭載した場合、ブレーキ時に生じる回生電力を搭載されたニッケル水素二次電池に蓄えておき、車両の動力源として使用することができる。そのため、車両の運行エネルギー効率を高めることができる。ここで、回生電力をニッケル水素二次電池に充電する際には、大電流で急速充電する必要がある。他方、ニッケル水素二次電池を利用して車両を駆動する際には、大電流で急速放電する必要がある。
一般に、ニッケル水素電池をはじめとするアルカリ蓄電池の正極では、集電体として発泡状ニッケルなどの多孔質基材が用いられる。これに、水酸化コバルトやオキシ水酸化コバルトなどを表面に被覆した水酸化ニッケル粉末、もしくは水酸化コバルトや酸化コバルトなどのコバルト化合物を添加した水酸化ニッケル粉末が充填される。水酸化コバルトや酸化コバルトなどは、充電時にオキシ水酸化コバルトに変化して高い電気伝導性を示し、水酸化ニッケル粒子の間に緻密な導電性ネットワークを形成する。これによって、高い利用率が得られる。一方、電極材料に発泡状ニッケルやコバルト化合物を使用するため、コストダウンが難しかった。なお利用率とは、電池の理論容量に対する現実の放電容量の割合である。
発泡状ニッケル以外の材料を基材として用いる電極も開示されている。例えば、特許文献1には、α型水酸化コバルトで表面被覆された水酸化ニッケル、導電助材及び結着材を含む混合物が、二次元構造集電体に担持されているアルカリ二次電池用ニッケル正極が開示されている。
特許文献2には、発泡多孔体基板である多孔質の発泡ニッケルに合材インキを充填する代わりに、二次元構造集電体である平滑なニッケル基板に活物質、バインダー、導電助材を含む合材インキを塗布する手法が開示されている。
特開2000−77068号公報 特開2010−108821号公報
二次元構造集電体を基材とする場合、発泡状ニッケルのように三次元的に広がったニッケルの網が水酸化ニッケルを包み、機械的密着力により固定することができない。つまり、バインダーによる化学的密着力のみが、活物質と基材との接触を保持しているため、活物質保持力が弱かった。これは、充放電サイクルによって、バインダーを構成する有機ポリマーが徐々に酸化劣化し、密着力低下によって基材と合材が剥離するためである。結果として、剥離した活物質と基材の間で電子伝導しにくくなり、利用率が低下するという問題があった。
また、水酸化コバルトの使用が必須であったため、コストダウンが難しいという問題があった。
本発明は、出力特性及びサイクル寿命が良好であり、また、サイクル特性への影響が抑制されたニッケル水素二次電池用正極用のプライマー組成物を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るプライマー組成物は、二次元構造集電体を備え、前記二次元構造集電体に担持された活物質の主成分が水酸化コバルトでないニッケル水素二次電池正極用のものであって、平均粒子径1〜50μmの葉状黒鉛粒子(A)と、平均粒子径0.01〜0.3μmのカーボンブラック(B)と、水系樹脂(C)と、を含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、出力特性及びサイクル寿命が良好であり、また、サイクル特性への影響が抑制されたニッケル水素二次電池用正極用のプライマー組成物を提供することができる。
本発明の正極用プライマー組成物を使用した電極と、プライマー組成物を使用せず基材と合材層のみからなる電極をそれぞれ使用したニッケル水素電池の充放電サイクル特性の試験結果の1例を示す。
本発明に係るニッケル水素二次電池正極用のプライマー組成物は、二次元構造集電体に塗工されることにより、下地層を構成することができる。そして、下地層に塗工された合材インキは、合材層を構成することができる。このようにして得られたニッケル水素二次電池正極を使用してニッケル水素二次電池を製造することが好ましい。なお本発明で、二次元構造集電体を箔状集電体ともいう。
本発明の正極用プライマー組成物は、平均粒子径1〜50μmの葉状黒鉛粒子(A)と、平均粒子径0.01〜0.3μmのカーボンブラック(B)と、水系樹脂(C)とを含有することが好ましい。
一般に黒鉛粒子は、葉状、球状、土状等があるが、本発明において黒鉛粒子は、下地層の導電性の観点から平滑な粒子表面を有する葉状が好ましい。
葉状黒鉛粒子(A)は、平均粒子径1〜50μmが好ましく、平均粒子径3〜40μmがより好ましい。なお、本発明で平均粒子径とは、粒子、水及び分散体を混合した混合物を、動的光散乱方式の粒度分布計(日機装(株)製「マイクロトラックUPA」)を使用して、体積粒度分布において、粒子径の細かいものからその粒子の体積割合を積算していったときに、50%となるところの粒子径(D50)を意味する。
葉状黒鉛粒子(A)は、例えば、塊状の天然黒鉛を粉砕することや、天然黒鉛の層間化合物のへき開面に沿って、層間剥離を行なうことにより得ることができる。粉砕による場合、例えば、ボールミルなどを用いての乾式粉砕法により、葉状黒鉛を得ることができる。
葉状黒鉛粒子(A)は、前記の層間化合物のへき開面を利用する方法でも得られることができる。具体的には、例えば、天然黒鉛を硫酸と硝酸との混酸で処理して得られる黒鉛と硫酸との層間化合物を、又は天然黒鉛を硫酸中で電気的に酸化して得られる黒鉛と硫酸との層間化合物等を加熱膨張させて得られる膨張黒鉛を、結晶構造のへき開面を剥離させる方法などで得られる。前記膨張黒鉛は、へき開面の層間が広がっているため、へき開面に沿って容易に層間剥離をし、平滑な粒子表面、すなわち葉状黒鉛粒子が得られる。
葉状黒鉛粒子(A)は、中越黒鉛(株)製のCX−3000、FBF、BF、CBR、SSC−3000、SSC−600、SSC−3、SSC、CX−600、CPF−8、CPF−3、CPB−6S、CPB−3、96E、96L、96L−3、90L−3、CPC、S−87、K−3、CF−80、CF−48、CF−32、CP−150、CP−100、CP、HF−80、HF−48、HF−32、SC−120、SC−80、SC−60、SC−32、富士黒鉛工業(株)製の、UF−2、CBF−1、CBF−3、CPF−3、96L、COP,FAC−1、FAC−2、FGB、CSP−2、CF−2、SECカーボン(株)製のSNO−20、SNO−10、SNO−5、SNE−20、SNE−10、SNE−5、日本黒鉛工業(株)製のCSSP、CSPE、CSP、CP、CB−150、CB−100、ACP、ACB−150、SP−10、SP−20、J−SP、SP−270、HOP、CMX、UP−5、UP−10、UP−20、伊藤黒鉛工業(株)のZ−5F、CNP−7、CNP−15、CNP−35、Z−100、Z+80、Z−25、Z−50、X−10、X−20、が挙げられる。
カーボンブラック(B)は、葉状黒鉛粒子(A)の粒子群が形成する隙間に入り込むことで下地層の導電性を向上させる役割を果たす。導電性の向上に対するカーボンブラック(B)の寄与は、カーボンブラック(B)の全てが当該隙間に入り込むのではなく、その一部が入り込めば導電性が向上すると推測している。
カーボンブラック(B)は、気体もしくは液体の原料を反応炉中で連続的に熱分解し製造するファーネスブラック、特にエチレン重油を原料としたケッチェンブラック、原料ガスを燃焼させて、その炎をチャンネル鋼底面にあて急冷し析出させたチャンネルブラック、ガスを原料とし燃焼と熱分解を周期的に繰り返すことにより得られるサーマルブラック、特にアセチレンガスを原料とするアセチレンブラックなどが好ましい。また、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボン等も使用できる。カーボンブラック(B)は、単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。
カーボンブラック(B)の平均一次粒子径は、0.01〜0.3μmが好ましい。ここで、平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、1万倍〜10万倍に適宜拡大した画像から、10〜50個の粒子の数値を平均することで得られる。さらにカーボンブラック(B)は、その比表面積の値が大きいほど、カーボンブラック粒子どうしの接触点が増えるため、電極の内部抵抗を下げるのに有利となる。具体的には、窒素の吸着量から求められる比表面積(BET)で、20m/g以上1500m/g以下が好ましく、50m/g以上1500m/g以下がより好ましく、100m/g以上1500m/g以下が更に好ましい。比表面積が20m/gを下回るカーボンブラックを用いると、十分な導電性を得ることが難しくなる場合があり、1500m/gを超えるカーボンブラックは、市場では入手が困難である。
市販のカーボンブラックとしては、例えば、トーカブラック#4300、#4400、#4500、#5500等(東海カーボン(株)製、ファーネスブラック)、プリンテックスL等(デグサ(株)製、ファーネスブラック)、Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA等、Conductex SC ULTRA、Conductex 975 ULTRA等、PUER BLACK100、115、205等(コロンビヤン(株)製、ファーネスブラック)、#2350、#2400B、#2600B、#3050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、#5400B等(三菱化学(株)製、ファーネスブラック)、MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、BlackPearls2000等(キャボット(株)製、ファーネスブラック)、Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、SuperP−Li(TIMCAL(株)製)、ケッチェンブラックEC−300J、EC−600JD(アクゾ(株)製)、デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35(電気化学工業(株)製、アセチレンブラック)等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
水系樹脂(C)は、葉状黒鉛粒子(A)やカーボンブラック(B)を結着させ、さらに下地層を形成した際、下地層と集電体間、及び合材層と下地層間を密着させるために使用する。
水系樹脂(C)としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、カルボキシメチルセルロース等のセルロース樹脂、スチレン−ブタジエンゴムやフッ素ゴム等の合成ゴム、ポリアニリンやポリアセチレン等の導電性樹脂等、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、及びテトラフルオロエチレン等のフッ素原子を含む高分子化合物が挙げられる。また、これらの樹脂の変性物、混合物、又は共重合体でも良い。これら水系樹脂は、1種又は複数を組み合わせて使用することも出来る。
また、水系樹脂の形態としては、水溶性型、エマルション型、ハイドロゾル型等が挙げられ、適宜選択することができる。
葉状黒鉛粒子(A)、及びカーボンブラック(B)を使用する割合は、葉状黒鉛粒子(A)、カーボンブラック(B)の合計100重量%中、黒鉛粒子(A)の割合が60〜99重量%が好ましく、65〜95重量%がより好ましい。また、カーボンブラック(B)の割合は、1〜40重量%が好ましく、5〜35重量%がより好ましい。黒鉛粒子(A)及びカーボンブラック(B)が下地層中に適切に存在することで、集電体及び合材層との密着がより向上し、導電性もより向上できる。
下地層は、葉状黒鉛粒子(A)、カーボンブラック(B)及び水系樹脂(C)を含むプライマー組成物を製造した後、そのプライマー組成物を集電体に塗工・乾燥することにより形成されるのが好ましい。
プライマー組成物の製造を説明する。まず葉状黒鉛粒子(A)は、予め溶媒と分散剤を配合して分散を行い分散体として製造したのち使用することが好ましい。カーボンブラック(B)も葉状黒鉛粒子(A)と同様には分散体として製造してから使用することが好ましい。そして、葉状黒鉛粒子(A)分散体、カーボンブラック(B)分散体及び水系樹脂(C)を混合することによってプライマー組成物を得ることができる。分散剤は、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、界面活性剤等が好ましい。
前記分散及び混合は、顔料分散等に通常用いられている分散機、混合機が使用できる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;エム・テクニック(株)製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;ペイントコンディショナー(レッドデビル(株)製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス(株)製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ(株)製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;湿式ジェットミル(ジーナス(株)製「ジーナスPY」、スギノマシン(株)製「スターバースト」、ナノマイザー(株)製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック(株)製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械(株)製「MICROS」等のメディアレス分散機;又は、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
例えば、メディア型分散機を使用する場合は、アジテーター及びベッセルがセラミック製又は樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーター及びベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いることが好ましい。そして、メディアとしては、ガラスビーズ、又は、ジルコニアビーズ、若しくはアルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。また、ロールミルを使用する場合についても、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用しても良いし、複数種の装置を組み合わせて使用しても良い。
プライマー組成物は、必要に応じてさらに成膜助剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、防腐剤、pH調整剤、粘性調整剤などを必要に応じて配合できる。
プライマー組成物の粘度は、その塗工方法により適宜調整すればよく、10mPa・s以上30,000mPa・s以下とするのが好ましい。
下地層の塗工としては、例えばダイコーティング法、ロールコーティング法、ドクターコーティング法、ナイフコーティング法、スプレーコティング法、グラビアコーティング法、スクリーン塗工法又は静電塗装法等を挙げる事ができる。また、乾燥には、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機などの装置が使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。例えば、放置乾燥でもよい。
下地層の厚みは、0.1〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜8μmがより好ましい。下地層の目付け量は0.0001〜0.01g/cmが好ましく、0.0005〜0.005g/cmがより好ましい。
箔状集電体は、金属を薄く打ち延ばした基材からなり、表面及び端面が平滑であり、多孔質体構造による凹凸や孔加工を有していない。そのため、多孔質体構造で凹凸を有する発泡ニッケルや孔加工を有するパンチングプレートと形状は大きく異なる。
箔状集電体の材質としては、アルカリ電解液耐性の観点から、ニッケルが好ましい。また、コストの観点から、鉄材質の表面を電解液による腐食防止のためにニッケルメッキしたものが好ましい。
箔状集電体には、プライマー組成物を塗工するために表面が平滑な平板状の箔が用いられる。集電体の厚みは、10〜70μmが好ましく、15〜60μmがより好ましい。箔状集電体の総厚が10μm以上になると、集電体自身の強度がより向上し、塗工及びプレス加工時に電極の破損が生じにくくなる。また、箔状集電体の総厚が70μm以下であれば、集電体自身の強度を適切にしやすく、塗工時の集電体の巻き取りがより容易になる。
ニッケルメッキの厚みは、0.1〜5μmであることが好ましく、0.5〜4μmがさらに好ましい。ニッケルメッキの厚みが、0.1μm以上になると、電解液による腐食が生じにくくなる。また、ニッケルメッキの厚みが5μm以下になると、コスト的に有利になる。
集電体に形成された下地層に合材インキを塗工することにより、合材層を形成することができる。この合材インキは、活物質、導電材料及びポリマーエマルション(D)を含有することが好ましい。
活物質としては、ニッケル水素二次電池用の正極活物質として公知のものを使用できる。例えば、水酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル等のニッケル化合物が挙げられる。水酸化ニッケルの種類としては、水酸化ニッケルの表面を、水酸化コバルト及びオキシ水酸化コバルトの少なくとも一方で被覆したコバルトコート水酸化ニッケルがより好ましい。また、水酸化ニッケルに水酸化コバルト、酸化コバルトなどを添加して混合したものも使用できる。
本発明では、コバルトコートなしでも所望の導電性が得られるため、コストダウンしやすい。しかし、コバルトコート水酸化ニッケルの使用により導電性をより高めて使用することを妨げるものではない。
活物質の粒子径は、0.5〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、3〜40μmがさらに好ましい。
活物質が合材インキの不揮発分の合計に占める割合は、80〜98重量%が好ましく、85〜95重量%がより好ましい。
ポリマーエマルション(D)は、合材層を形成する際に活物質同士、及び活物質を下地層と結着させるために使用される。
アクリルエマルションは、例えば、水和性の官能基を含有する第1のモノマー(d−1)1〜5重量%と、芳香環を含有する第2のモノマー(d−2)20〜60重量%と、水和性官能基及び芳香環を含有しない第3のモノマー(d−3)35〜79重量%と、を含み、当該モノマー混合物を乳化重合により合成したガラス転移温度−40〜20℃のエマルションであることが好ましい。このエマルションを合材層が含有することで、正極の導電性がより向上し、充放電サイクル特性もより向上する。
水和性の官能基を含有するモノマー(d−1)は、親水性の官能基を含有するモノマーである。例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル(ホモポリマーのガラス転移温度Tg=−15℃、以下同様)、アクリル酸ヒドロキシプロピル(Tg=−7℃)、アクリル酸ヒドロキシブチル(Tg=−80℃)、メタクリル酸ヒドロキシエチル(Tg=55℃)、メタクリル酸ヒドロキシプロピル(Tg=26℃)、メタクリル酸ヒドロキシブチル等(Tg=−40℃)のヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド(Tg=153℃)、メタクリルアミド(Tg=77℃)、ダイアセトンアクリルアミド(Tg=77℃)、N‐イソプロピルアクリルアミド(Tg=134℃)、N‐メチルアクリルアミド(Tg=130℃)、N‐メチルメタクリルアミド(Tg=65℃)、N,N‐ジメチルアクリルアミド(Tg=119℃)、N‐エチルアクリルアミド(Tg=100℃)、N,N‐ジエチルアクリルアミド(Tg=81℃)、N‐ブチルアクリルアミド(Tg=46℃)、ヒドロキシエチルアクリルアミド(Tg=98℃)、アクリロイルモルホリン(Tg=145℃)等のアミド基含有モノマー、メタクリル酸グリシジル(Tg=41℃)、アクリル酸グリシジル(Tg=10℃)等のグリシジル基含有モノマー、等が挙げられる。これらの中で、アミド基含有モノマーが特に好ましい。
水和性の官能基を含有するモノマー(d−1)の使用量は、1〜5重量%が好ましく、2〜4重量%がさらに好ましい。1重量%以上になると、水分子との水和の効果により、化学的安定性がより向上する。また、5重量%以下になると、乳化重合時の安定性がより高まる。即ち、エマルションの流動性が増し、エマルションが凝集しにくい傾向にある。
芳香環含有モノマー(d−2)について説明する。芳香環含有モノマー(d−2)を用いることにより、アルカリ溶液中で加水分解され易い例えばアクリル酸アルキルエステルの使用量を削減できるため、耐アルカリ性をより向上できる。さらに、エマルションのガラス転移点を適切な範囲にコントロールすることにより、集電材への密着性をより向上できる。
芳香環含有モノマー(d−2)の使用量は、全モノマー中20〜60重量%が好ましく、25〜55重量%がより好ましい。20重量%以上になると、ポリマーの耐アルカリ性がより向上する。また、60重量%以下であれば、集電材への密着性がより向上する。
芳香環含有モノマー(d−2)としては、スチレン(ホモポリマーのガラス転移温度Tg=100℃、以下同様)、α−メチルスチレン(Tg=168℃)及びベンジルメタクリレート(Tg=54℃)等が挙げられる。
その他のモノマー(d−3)について説明する。
本実施の形態におけるその他のモノマー(d−3)とは、水和性の官能基を含有するモノマー(d−1)及び芳香環含有モノマー(d−2)以外のラジカル重合性のモノマーである。
その他のモノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル(Tg=100℃)、メタクリル酸エチル(Tg=65℃)、メタクリル酸ブチル(Tg=20℃)、メタクリル酸イソブチル(Tg=67℃)、メタクリル酸ターシャリーブチル(Tg=107℃)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(Tg=−10℃)、メタクリル酸シクロヘキシル(Tg=66℃)等のメタクリル酸エステル類;
アクリル酸メチル(ホモポリマーのガラス転移温度Tg=−8℃、以下同様)、アクリル酸エチル(Tg=−20℃)、アクリル酸ブチル(Tg=−45℃)、アクリル酸−2−エチルヘキシル等(Tg=−55℃)のアクリル酸エステル類;
等を挙げることができる。
その他のモノマー(d−3)は、ポリマーの理論ガラス転移温度Tgが、−40〜20℃となるように、適宜選択することが好ましい。また、ポリマーの理論ガラス転移温度Tgの範囲は−35〜15℃がさらに好ましい。
本実施の形態におけるエマルションのポリマーの理論ガラス転移温度Tgは下記の式[I]により導かれる。
1/Tg
=[(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+・・・+(Wn/Tgn)]/100
・・・[I]
ただし、
W1:単量体1の重量%、
Tg1:モノマー1のみから形成され得るホモポリマーのガラス転移温度(K)、
W2:モノマー2の重量%、
Tg2:モノマー2のみから形成され得るホモポリマーのガラス転移温度(K)、
Wn:モノマーnの重量%、
Tgn:モノマーnのみから形成され得るホモポリマーのガラス転移温度(K)、
(ここで、W1+W2+・・・・+Wn=100)
なお、ラジカル重合性不飽和モノマーを水性媒体中で重合する際に乳化剤として、ラジカル重合性不飽和基を有するものを使用する場合には、ラジカル重合性不飽和モノマーの構成の特定及び共重合体のTgの計算に際して、ラジカル重合性不飽和基を有する乳化剤はモノマーには含めないものとする。
本実施の形態でポリマーエマルション(D)は、乳化重合で共重合することが重要である。共重合の際、重合安定性の観点から乳化剤を用いることが好ましい。
乳化剤は、用いるモノマーの合計100重量部に対して、0.1重量部以上5重量部以下が好ましく、1重量部以上3重量部以下より好ましい。乳化剤量が0.1重量部以上になると、重合安定性がより向上する。また、乳化剤量が5重量部以下になると、二次電池電極の耐アルカリ性がより向上する。
本実施の形態では、乳化剤として、アニオン性乳化剤やノニオン性乳化剤を単独若しくは併用できる。また、乳化剤は、ラジカル重合性の官能基を有する反応性乳化剤であってもよいし、ラジカル重合性の官能基を有さない非反応性乳化剤であってもよい。あるいは、両者を併用することもできる。
本実施の形態において用いられる乳化剤のうち、反応性乳化剤は、分子内にラジカル重合可能な不飽和2重結合を1個以上有するアニオン性又はノニオン性の乳化剤である。例えば、スルホコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王(株)製ラテムルS−120P、S−180A、三洋化成(株)製エレミノールJS−2等)、アルキルフェノールエーテル系(市販品としては、第一工業製薬(株)製アクアロンKH−10、RN−20等)が挙げられる。
本実施の形態において用いられる乳化剤のうち、非反応性乳化剤としては、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン系非反応性乳化剤と、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等のポリオキシ多環フェニルエーテル類;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系非反応性乳化剤と、が挙げられる。
具体的には、アニオン系非反応性乳化剤としては、ハイテノールNF−08〔エチレンオキサイド単位の繰り返し数(以下、「EOユニット数」という):8〕、NF−17(EOユニット数:17)〔以上、第一工業製薬(株)製〕、エレミノールCLS−20(EOユニット数:10)、エレミノールES−12(EOユニット数:6)、ES−30(EOユニット数:15)、ES−70(EOユニット数:35)〔以上、三洋化成工業(株)製〕等が挙げられる。
ノニオン系非反応性乳化剤としては、エマルゲン1108(EOユニット数:8)、1118S−70(EOユニット数:18)、1135S−70(EOユニット数:35)、1150S−70(EOユニット数:50)〔以上、花王(株)製〕等が挙げられる。
上記の非反応性乳化剤は単独で用いてもよく、複数種併用することも可能である。
なお、乳化剤のうち、反応性乳化剤としては、従来公知のものを使用できる。
本実施の形態において用いることができるラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、乳化重合に使用するモノマーの合計100重量部に対し0.1〜1重量部であることが好ましく、0.2〜0.8重量部であることがより好ましい。0.1重量部以上になると、重合安定性がより向上する。また、1重量部以下になると、耐水性がより向上する。
また、過酸化物系開始剤と還元剤の組み合わせたレドックス開始剤を用いることも好ましい。レドックス開始剤としては、過酸化物系開始剤と還元剤の組み合わせが好ましい。過酸化物系開始剤としては、パーブチルH(ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド)、パーブチルO(ターシャリーブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート)、キュメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイドが挙げられる。還元剤としては、エルビットN(イソアスコルビン酸ナトリウム)、L−アスコルビン酸(ビタミンC)、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム(SMBS)、次亜硫酸ナトリウム(ハイドロサルファイト)が挙げられる。
合材インキには、さらに導電材料を含むことが好ましい。例えば、ニッケル粉末、銅粉末、酸化コバルト、水酸化コバルト、カーボン等を挙げることができる。カーボンとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、炭素繊維、フラーレン類を挙げることができる。好ましくは、アセチレンブラック、ファーネスブラックである。導電性材料の粒子径は大きいため、あらかじめ、水、分散樹脂を用いて0.1〜50μmに分散して使用するのが好ましい。分散樹脂としては、アクリル系水溶性樹脂、スチレン/アクリル系水溶性樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水性ウレタン樹脂等が好ましい。
合材インキは、活物質100重量部に対してポリマーエマルション(D)を0.05〜20重量部配合することが好ましく、0.1〜10重量部がより好ましい。0.05重量部未満では、活物質と下地層との結着力が低下し、その結果、活物質と基材の接触が保たれず、正極の利用率が低下する恐れがある。また、20重量部を超えると、合材インキに占める活物質の割合が低下し、電極のエネルギー密度が低下し易い。さらに、電気を通しにくいポリマーの割合が増大することによって、電極の電気抵抗が増大する恐れもある。
合材インキには、さらに成膜助剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、防腐剤、pH調整剤、粘性調整剤などを必要に応じて配合できる。
合材インキの粘度は、塗工方法により適宜選択できるが、100mPa・s以上、30,000mPa・s以下とするのが好ましい。
合材層は、前記下地層の上に合材インキを塗工・乾燥することで形成できる。合材層の厚みは、1〜500μmが好ましく、10〜300μmがより好ましい。合材層の目付け量は0.001〜0.1g/cmが好ましく、0.005〜0.05g/cmがより好ましい。
ニッケル水素二次電池正極は、下地層の上に合材層を形成後、電極を平版プレスやカレンダーロール等によりプレス処理されても良い。これにより、下地層と合材層との密着性がより向上する。
(分散機・混合機)
合材インキを製造するときの活物質及びポリマーエマルション(D)の混合には、前記プライマー組成物の製造と同様の分散機、混合機を使用できる。
ニッケル水素二次電池は、本発明のニッケル水素二次電池正極と負極と電解液と、必要に応じて設けられるセパレータを備えることが好ましい。電池の形状は、ペーパー型、円筒型、コイン型、ボタン型、又は積層型等使用する目的に応じた種々の形状とすることができる。
電解液としては、水酸化カリウム水溶液や、水酸化カリウム水溶液に水酸化ナトリウム又は水酸化リチウムを添加したもの等が挙げられる。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布及びそれらに親水性処理を施したものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明のニッケル水素二次電池正極を備えたニッケル水素二次電池は、変電所、バス、トラック、電車等の用途に好ましく使用できる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。尚、実施例及び比較例における「部」は「重量部」を表す。
(黒鉛粒子分散体(1))
黒鉛粒子(A)として葉状黒鉛CPB−3(中越黒鉛(株)製、粒子径18μm)を10部、分散剤として水溶性アクリル樹脂のジョンクリル96J(BASF(株)製、不揮発分34%)を5.9部、水84.1部をミキサーに入れて混合し、ホモミキサーを用いて1時間分散を行い、黒鉛粒子分散体(1)を得た。
(カーボンブラック分散体)
カーボンブラック(B)としてアセチレンブラック(デンカブラックHS−100)10部、分散剤として水溶性アクリル樹脂のジョンクリル96Jを5.9部、水84.1部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて5時間分散を行い、カーボンブラック(a)分散体を得た。なお、マイクロトラックUPAを用いて粒子径を測定したところ、粒子径(D50)は0.3μmであった。
<プライマー組成物製造例1>
黒鉛粒子を10重量%含む黒鉛粒子分散体(1)90部と、カーボンブラックを10重量%含むカーボンブラック(a)分散体10部とに対して、バインダーとして水溶性セルロース樹脂のカルボキシメチルセルロース1.5部、水50部を混合して、プライマー組成物を得た。
<プライマー組成物製造例2〜10>
表1に示すように原料の種類や使用量を変えた以外は製造例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
Figure 0006105224
以下、表1の略称の内容を記載する。
・CPB−3:葉状黒鉛(中越黒鉛(株)製、粒子径18μm)
・FBF:葉状黒鉛(中越黒鉛(株)製、粒子径8μm)
・CNP−15:葉状黒鉛(伊藤黒鉛(株)製、平均粒子径15μm)
・Z−100:葉状黒鉛(伊藤黒鉛(株)製、平均粒子径60μm)
・SG−BH8:球状黒鉛(伊藤黒鉛(株)製、平均粒子径8μm)
・カーボンブラック(a):アセチレンブラック、デンカブラックHS−100(電気化学工業(株)製)
・カーボンブラック(f):ファーネスブラック、Super−PLi(TIMCAL(株)製)
・CMC:カルボキシメチルセルロース(ダイセルファインケム(株)製)
・W−168:アクリル系エマルション樹脂(トーヨーケム(株)製)
<ポリマーエマルション合成例1>
水和性官能基含有モノマー(d−1)としてアクリル酸2ヒドロキシエチル3.0部、芳香環を含有する第2のモノマー(d−2)としてスチレン50部、モノマー(d−3)としてアクリル酸2−エチルへキシル47部、乳化剤としてエレミノールCLS−20(三洋化成工業(株)製の反応性乳化剤)1.4部、イオン交換水53.1部の混合物を板羽根で乳化し、モノマープレエマルションを作成し、滴下槽に入れた。
還流冷却器、攪拌機、温度計、窒素導入管、原料投入口を具備する容積2Lの4つ口フラスコを反応容器とし、該反応容器にイオン交換水89.4部を入れ、窒素を導入しつつ攪拌しながら、液温を60℃に温めた。次いで、反応容器中に、乳化剤としてCLS−20を0.1部添加し、滴下槽から上記モノマープレエマルションを5時間かけて連続的に滴下し、過硫酸アンモニウムを0.6部用いて、70℃で5時間かけて乳化重合した。
滴下終了後、3時間、70℃に保ち、熟成を行った。その後冷却を開始し、50℃まで冷却し、180メッシュのポリエステル製の濾布で濾過し、ポリマーエマルションを得た。濾布に残った凝集物はなく、重合安定性は良好であった。
濾過後のエマルションの一部を測り取り、150℃で20分間乾燥し、不揮発分濃度を求めたところ40.0重量%であった。また、前記エマルションは、pH2.0、粘度10mPa・sであった。
マイクロトラックUPA(Leeds&Northrup社製)を用い、動的光散乱法によりpH2.0におけるD50粒子径を測定したところ、190nmであった。
モノマーから求められるポリマーの理論ガラス転移温度Tgは6℃である。
<ポリマーエマルション合成例2〜8>
表2に示すように原料の種類や使用量を変えた以外は合成例1と同様にして、ポリマーエマルションを得た。
Figure 0006105224
以下、表2の略称の内容を記載する。
・2HEMA:アクリル酸2ヒドロキシエチル
・GMA:メタクリル酸グリシジル
・DEAA:N,N‐ジエチルアクリルアミド
・St:スチレン
・BzMA:メタクリル酸ベンジル
・2EHA:アクリル酸2−エチルへキシル
・MMA:メタクリル酸メチル
<合材インキ>
正極活物質として水酸化ニッケルCZ(コバルトコート品、田中化学研究所(株)製)45部、導電材料としてカーボンブラック(a)分散体を50部、バインダーとして合成例1で得られたポリマーエマルション12.5部、イオン交換水10部を混合して、正極用合材インキを作製した。その際の粘度は4000mPa・sであった。
[実施例1]
製造例1で得たプライマー組成物を集電体となる厚さ30μmのニッケルメッキ鋼鈑上にドクターブレードを用いて塗工した後、減圧雰囲気下で加熱乾燥して厚み5μmの下地層を得た。下地層の目付け量は0.0015g/cmであった。さらに、ニッケル水素二次電池正極用合材インキを下地層上に塗工した後、加熱乾燥した。さらに、ロールプレス機によってプレス処理を行い、厚み85μmの正極を得た。合材層の目付け量は0.015g/cmであった。
<ニッケル水素二次電池用負極の作製>
負極活物質として水素吸蔵合金100部、カーボンブラック(a)分散体50部、合成例1で得られたバインダー樹脂組成物12.5部をディスパーで混錬し、負極用合材インキを作製した。その際の粘度は6000mPa・sであった。合材インキを集電体であるニッケルメッキ鋼鈑上にドクターブレードを用いて塗工した後、100℃で乾燥、ロールプレスで厚さを調整した後、所定の大きさに切断して負極を作製した。
(電池組み立て)
先に作製した正極を直径15.9mmに、負極を直径16.1mmに打ち抜き、セパレータとして親水化処理ポリプロピレンを23mmに打ち抜き、セパレータを介して互いに合材層を対向させ、電解液(水酸化カリウム4.8規定+水酸化ナトリウム1.2規定)を満たして二極密閉式金属セルを組み立てた。セル組み立て後、所定の電池特性評価を行った。
(充放電サイクル特性試験)
上記のように作製した試験電池について、充放電サイクル試験を行ない、サイクル経過による充放電特性の推移を測定した。この充放電サイクル試験では、最初に活性化充放電を行なった後に3C−3C充放電サイクルを行なった。活性化充放電及び3C−3C充放電における試験条件はそれぞれ以下のとおりである。
(活性化充放電)
充電:定電流0.2C(定格容量の100%まで充電)5サイクル
放電:定電流0.2C(放電終止電圧0.8V)5サイクル
充電:定電流0.5C(定格充電容量の100%まで充電)5サイクル
放電:定電流0.5C(放電終止電圧0.8V)5サイクル
充電:定電流1.0C(定格充電容量の100%まで充電)30サイクル
放電:定電流1.0C(放電終止電圧0.8V)30サイクル
(充放電)
充電:定電流3.0C(定格充電容量の100%まで充電)
放電:定電流3.0C(放電終止電圧1.0V)
充放電サイクル特性試験は、2000サイクル充放電した後の利用率で評価を行なった。図1に、一例として、実施例1と比較例1とについて、充放電サイクル特性試験の結果を示す。利用率は、以下の式で表される。
利用率(%)=放電容量(mAh)/理論電池容量(mAh)×100
80〜100%:極めて良好(◎)
60〜80% :良好(○)
50〜60% :比較的良好(△)
〜50% :不良(×)
(急速充放電特性試験)
急速充放電特性試験は最初に活性化充放電を行なった後に10C−10C充放電サイクルを行なった。活性化充放電及び10C−10C高速充放電における試験条件はそれぞれ以下のとおりである。
(活性化充放電)
充電:定電流0.2C(定格充電容量の100%まで充電)5サイクル
放電:定電流0.2C(放電終止電圧0.8V)5サイクル
充電:定電流0.5C(定格充電容量の100%まで充電)5サイクル
放電:定電流0.5C(放電終止電圧0.8V)5サイクル
充電:定電流1.0C(定格充電容量の100%まで充電)30サイクル
放電:定電流1.0C(放電終止電圧0.8V)30サイクル
充電:定電流3.0C(定格充電容量の100%まで充電)50サイクル
放電:定電流3.0C(放電終止電圧0.8V)50サイクル
(充放電)
充電:定電流10.0C(定格充電容量の100%まで充電)
充電:定電流10.0C(放電終止電圧1.0V)
高速充放電特性試験は、500サイクル充放電した後の利用率で評価を行なった。
80〜100%:極めて良好(◎)
60〜80% :良好(○)
50〜60% :比較的良好(△)
〜50% :不良(×)
[実施例2〜13]、[比較例1〜5]
表3に示すようにプライマー組成物製造例及び、正極用のポリマーエマルション合成例の組み合せを変えた以外は実施例1と同様にして、ニッケル水素二次電池正極を得て、実施例1と同様に評価した。
[実施例14]
正極活物質として水酸化ニッケルZD(非コバルトコート品、田中化学研究所(株)製)45部、導電材料としてカーボンブラック(a)分散体を50部、バインダーとして合成例1で得られたポリマーエマルション12.5部、イオン交換水10部を混合して、正極用合材インキを作製した。その際の粘度は4000mPa・sであった。その後、実施例1と同様にして、ニッケル水素二次電池正極を得て、実施例1と同様に評価した。
Figure 0006105224
表3及び図1に示すように、本発明のニッケル水素二次電池正極を用いた場合、形成される下地層の表面が平滑なため合材層との接触抵抗が低下し、良好な電池充放電保存特性が得られると考えられる。
特に、実施例1〜3では、ポリマーエマルションの電解液耐性が良好なため、形成される電極の電解液耐性が向上し、充放電サイクル特性及び高速充放電特性が非常に優れていると考えられる。
さらに、実施例14では、非コバルトコート品の水酸化ニッケルZDを用いても、下地層の接触抵抗の低減効果により、充放電サイクル特性及び高速充放電特性が良好であると考えられる。
一方、比較例1では、プライマー組成物を用いないでニッケル水素二次電池正極を形成しているため、正極の導電性が低く、充分な充放電サイクル特性及び高速充放電が得られないと考えられる。
また、比較例2では、用いる葉状黒鉛粒子の粒子径が大きいため、黒鉛粒子の分散が充分に行なえず、得られる下地層の表面の平滑性が維持できず、密着性が低下し、その結果充分な電池充放電特性及び高速充放電が得られないと考えられる。
また、比較例3に示すように、葉状黒鉛以外の黒鉛粒子を用いた場合、形成される下地層の表面の平滑性が維持できず、密着性が低下し、その結果十分な電池充放電特性及び高速充放電特性が得られないと考えられる。
また、比較例4では、黒鉛粒子を用いないでプライマー組成物を作製しているため、得られる下地層の表面が荒れているため合材層との電気抵抗が増大すると考えられる。
さらに、比較例5では、カーボンブラックを用いないでプライマー組成物を作製しているため、得られる下地層の黒鉛粒子同士に空隙が発生し、密着性も低く、導電ネットワークが十分でない。その結果、電池充放電特性及び高速充放電が低下すると考えられる。

Claims (9)

  1. 二次元構造集電体を備えたニッケル水素二次電池正極用のプライマー組成物であって、
    平均粒子径1〜50μmの葉状黒鉛粒子(A)と、
    平均粒子径0.01〜0.3μmのカーボンブラック(B)と、
    アクリル樹脂およびセルロース樹脂のいずれかの水系樹脂(C)と、を含有し、
    葉状黒鉛粒子(A)、カーボンブラック(B)の合計100重量%中、葉状黒鉛粒子(A)の割合が60〜99重量%、カーボンブラック(B)の割合が1〜40重量%であることを特徴とするプライマー組成物。
  2. 請求項記載のプライマー組成物から構成される下地層と、
    ニッケルメッキ鋼鈑からなり、前記下地層が形成された二次元構造集電体と、
    前記下地層上に形成された合材層と、を備えたニッケル水素二次電池正極。
  3. 前記下地層の厚みが0.1〜20μmであることを特徴とする請求項記載のニッケル水素二次電池正極。
  4. 前記合材層が、
    乳化重合して得られるポリマーエマルション(D)と、
    活物質と、
    導電材料と、を含むことを特徴とする請求項2又は3記載のニッケル水素二次電池正極。
  5. 前記活物質が水酸化ニッケルであることを特徴とする請求項記載のニッケル水素二次電池正極。
  6. 前記水酸化ニッケルの表面が、オキシ水酸化コバルト及び水酸化コバルトの少なくとも一方により被覆されたことを特徴とする請求項記載のニッケル水素二次電池正極。
  7. 前記ポリマーエマルション(D)が、ガラス転移温度−40〜20℃のアクリル系ポリマーエマルションであることを特徴とする請求項記載のニッケル水素二次電池正極。
  8. 前記ポリマーエマルション(D)が、
    ヒドロキシル基、アミド基、およびグリシジル基のいずれかの水和性官能基を含有する第1のモノマー(d−1)1〜5重量%と、
    芳香環を含有する第2のモノマー(d−2)20〜60重量%と、
    前記水和性官能基及び芳香環を含有しない第3のモノマー(d−3)35〜79重量%と、を含むモノマー群を、乳化重合して得られることを特徴とする請求項4又は7記載のニッケル水素二次電池正極。
  9. プライマー組成物を二次元構造集電体上に塗工することにより下地層を形成する工程と、
    乳化重合して得られるポリマーエマルション(D)と、活物質と、導電材料とを含む合材インキを前記下地層上に塗工することにより合材層を形成する工程と、を備え、
    前記プライマー組成物に、
    平均粒子径1〜50μmの葉状黒鉛粒子(A)と、
    平均粒子径0.01〜0.3μmのカーボンブラック(B)と、
    アクリル樹脂およびセルロース樹脂のいずれかの水系樹脂(C)と、を含有させ、
    葉状黒鉛粒子(A)、カーボンブラック(B)の合計100重量%中、葉状黒鉛粒子(A)の割合を60〜99重量%、カーボンブラック(B)の割合を1〜40重量%とし、
    前記下地層の目付け量を0.0001〜0.01g/cmとし、
    前記合材層の目付け量を0.001〜0.1g/cmとすることを特徴とするニッケル水素電池用正極の製造方法。
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