JP6104069B2 - ビーム結合装置、ビーム結合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のビームを結合するビーム結合技術に関する。
複数のビームを結合して高強度のレーザ出力を得るコヒーレントビーム結合が知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。高強度のレーザ出力を得るためには、それら複数のビームそれぞれの位相を揃える必要がある。
特許文献1及び特許文献2は、ビーム結合方式の1つとして「LOCSET方式」を開示している。LOCSET方式では、複数のビームそれぞれを互いに区別できるように、それぞれのビームの変調(振幅変調や周波数変調)が行われる。そして、結合されたビームの遠視野像(Far Field Pattern)を、1個のセンサ(例えばフォトダイオード)を用いて観測する。計算装置は、観測データに基づいて複雑な計算を行うことにより、複数のビーム間の位相差を検出し、その位相差が無くなるように複数のビームそれぞれの位相をフィードバック制御する。
特許文献3は、ビーム結合方式の1つとして「光ヘテロダイン方式」を開示している。光ヘテロダイン方式では、マスターオシレータから出力された基本ビームが、参照ビームと複数のビームとに分割される。参照ビームの周波数は、周波数シフタ(optical frequency shifter)によってシフトさせられる。周波数シフト後の参照ビームと複数のビームそれぞれとを重ね合わせると、ビート(うなり)が発生する。そして、複数のセンサを用いて、複数の重ね合わせビームそれぞれのビートを観測する。計算装置は、観測データに基づいて複雑な計算を行うことにより、複数のビーム間の位相差を検出し、その位相差が無くなるように複数のビームそれぞれの位相をフィードバック制御する。
US特許第7,233,433号 特開2011−43808号公報 US特許第7,884,997号
結合すべきビームの本数が増加するにつれ、それぞれのビームの位相を所望の状態に制御するために要する計算量及び計算時間は爆発的に増大する。
本発明の1つの目的は、複数のビームを結合するビーム結合において、それぞれのビームの位相を所望の状態に制御するために要する計算量及び計算時間を削減することができる技術を提供することにある。
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の1つの観点において、複数のビーム(B1〜Bn)を結合するビーム結合装置(1)が提供される。そのビーム結合装置(1)は、フィルタ部(50)と位相制御部(100)とを備える。フィルタ部(50)は、複数のビーム(B1〜Bn)のうち一部を選択ビーム(Bs)として選択し、選択ビーム(Bs)を通過させる。位相制御部(100)は、選択ビーム(Bs)の測定に基づき、選択ビーム(Bs)のそれぞれの位相を所望の状態に制御する。フィルタ部(50)は、複数のビーム(B1〜Bn)の全てが選択されるように、選択ビーム(Bs)を時間的に変化させる。
本発明の他の観点において、複数のビーム(B1〜Bn)を結合するビーム結合方法が提供される。そのビーム結合方法は、[A]複数のビーム(B1〜Bn)のうち一部を選択ビーム(Bs)として選択するステップと、[B]選択ビーム(Bs)の測定に基づき、選択ビーム(Bs)のそれぞれの位相を所望の状態に制御するステップと、[C]複数のビーム(B1〜Bn)の全てが選択されるように、選択ビーム(Bs)を時間的に変化させるステップと、を含む。
本発明によれば、複数のビームを結合するビーム結合において、それぞれのビームの位相を所望の状態に制御するために要する計算量及び計算時間を削減することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態に係るビーム結合装置の構成を示す概略図である。 図2は、本発明の実施の形態に係るビーム結合装置における選択ビームの時間遷移の一例を示す概念図である。 図3は、本発明の実施の形態に係るビーム結合装置における選択ビームの時間遷移の他の例を示す概念図である。 図4は、本発明の実施の形態に係るビーム結合装置のマルチビーム生成部の構成の一例を示す概略図である。 図5は、本発明の実施の形態に係るビーム結合装置における位相制御の一例を示す概念図である。 図6は、本発明の実施の形態に係るビーム結合装置における位相制御の他の例を示す概念図である。 図7は、本発明の実施の形態に係るビーム結合装置のフィルタ部の構成及び作用の一例を示す概念図である。 図8は、本発明の実施の形態に係るビーム結合装置のマルチビーム生成部の構成の他の例を示す概略図である。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
1.第1の実施の形態
図1は、本実施の形態に係るビーム結合装置1の構成を示す概略図である。ビーム結合装置1は、レーザ発振器10、マルチビーム生成部20、位相シフト部30、位相シフト制御部35、ビームスプリッタ40、フィルタ部50、レンズ60、及びセンサ部70を備えている。
レーザ発振器10は、マスターオシレータ(master oscillator)として機能し、基本ビームBaを生成、出力する。
マルチビーム生成部20は、レーザ発振器10から出力された基本ビームBaを受け取る。そして、マルチビーム生成部20は、受け取った基本ビームBaを分割することによって、複数のビームB1〜Bnを生成する。尚、nは2以上の整数である。
位相シフト部30は、複数のビームB1〜Bnを受け取る。この位相シフト部30は、ビームB1〜Bnのそれぞれの位相をシフトすることができるように構成されている。例えば、図1に示されるように、位相シフト部30は、位相シフタ31−1〜31−nを備えている。各位相シフタ31として、例えば、ピエゾ鏡(pieso−actuator mirror system)が用いられる。他の例としては、透過型の位相シフタが用いられる。位相シフタ31−1〜31−nは、それぞれビームB1〜Bnを受け取り、それらビームB1〜Bnの位相をシフト可能なように配置されている。
位相シフタ31−1〜31−nのそれぞれによる位相シフト量を制御するのが、位相シフト制御部35である。この位相シフト制御部35と上記の位相シフト部30の組み合わせにより「位相制御部100」が構成される。この位相制御部100は、複数のビームB1〜Bnのそれぞれの位相を制御する機能を有している。位相制御部100による位相制御の詳細は後述される。
ビームスプリッタ40は、位相制御後のビームB1〜Bnのそれぞれを2方向に分割する。一方のビームB1〜Bnは、結合され、レーザ出力となる。他方のビームB1〜Bnは、フィルタ部50に供給される。
フィルタ部50は、位相制御後のビームB1〜Bnを受け取る。このフィルタ部50は、受け取ったビームB1〜Bnのうち一部のビームだけを通過させる機能を有する空間フィルタである。フィルタ部50を通過するビームは、以下、「選択ビームBs」と参照される。つまり、フィルタ部50は、複数のビームB1〜Bnのうち一部を選択ビームBsとして選択し、その選択ビームBsだけを通過させる機能を有している。尚、選択ビームBsは、複数のビームB1〜Bnのうち少なくとも2本を含んでいる。
また、フィルタ部50は、通過させる選択ビームBsを時間的に変化させる(切り替える)機能も有している。より詳細には、フィルタ部50は、所定の期間内にビームB1〜Bnの全てが選択されるように、選択ビームBsを時間的に変化させる。このようなフィルタ部50として、例えば、開口部を有する円盤が考えられる。その円盤が回転することにより、開口部の位置が時間的に変化し、選択ビームBsを切り替えることができる。あるいは、液晶を利用してフィルタ部50を実現することも可能である。
レンズ60は、選択ビームBsを集光する。
センサ部70は、選択ビームBsの測定を行い、その測定結果を示す測定データMESを生成する。例えば、センサ部70は、フォトダイオードで実現される。測定データMESは、位相シフト制御部35にフィードバックされる。
位相シフト制御部35(位相制御部100)は、センサ部70から測定データMESを受け取る。そして、位相シフト制御部35は、受け取った測定データMESに基づき、選択ビームBsとなっているそれぞれのビームの位相を所望の状態に制御する。例えば、ビームB1〜B3が選択ビームBsとなっている場合、位相シフト制御部35は、位相シフタ31−1〜31−3のそれぞれによる位相シフト量を調整することにより、選択ビームB1〜B3のそれぞれの位相を制御する。典型的には、位相シフト制御部35は、選択ビームBsとなっているビームのそれぞれの位相が揃うようにフィードバック制御を行う。
位相制御の方式としては、様々考えられる。例えば、センサ部70で選択ビームBsの遠視野像の強度を測定し、その測定強度が最大となるように選択ビームBsのそれぞれの位相をフィードバック制御してもよい。あるいは、特許文献1や特許文献2に記載されている「LOCSET方式」により、選択ビームBsのそれぞれの位相をフィードバック制御してもよい。あるいは、特許文献3に記載されている「光ヘテロダイン方式」により、選択ビームBsのそれぞれの位相をフィードバック制御してもよい。
位相制御の対象は、上述の通り選択ビームBsとなっているビームである。位相シフト制御部35は、フィルタ部50と情報をやりとりすることにより、選択ビームBsを把握することができる。例えば、フィルタ部50は、選択ビームBsとなっているビームを位相シフト制御部35にリアルタイムに通知する。あるいは、位相シフト制御部35が、フィルタ部50に指示を出して選択ビームBsを選択させてもよい。いずれにせよ、位相シフト制御部35は、選択ビームBsを把握することができる。
また、上述の通り、フィルタ部50は、選択ビームBsを時間的に切り替えることにより、所定の期間内にビームB1〜Bnの全てを選択する。これにより、位相シフト制御部35(位相制御部100)は、全てのビームB1〜Bnの位相を所望の状態に制御することができる。典型的には、位相シフト制御部35(位相制御部100)は、全てのビームB1〜Bnの位相が揃うようにフィードバック制御を行う。
図2は、選択ビームBsの時間遷移の一例を示している。期間t1において、フィルタ部50は、ビームB1〜B3を選択ビームBsとして選択し、位相制御部100は、ビームB1を基準ビームとして用い、その他のビームB2、B3の位相を基準ビームB1の位相に揃える。期間t2において、フィルタ部50は、ビームB3〜B5を選択ビームBsとして選択し、位相制御部100は、ビームB3を基準ビームとして用い、その他のビームB4、B5の位相を基準ビームB3の位相に揃える。期間t3において、フィルタ部50は、ビームB5〜B7を選択ビームBsとして選択し、位相制御部100は、ビームB5を基準ビームとして用い、その他のビームB6、B7の位相を基準ビームB5の位相に揃える。期間t4において、フィルタ部50は、ビームB7〜B9を選択ビームBsとして選択し、位相制御部100は、ビームB7を基準ビームとして用い、その他のビームB8、B9の位相を基準ビームB7の位相に揃える。このようにして、全てのビームB1〜B9の位相を揃えることができる。
図3は、選択ビームBsの時間遷移の他の例を示している。図3の例では、全期間にわたってビームB1が選択ビームBsの1つとして選択され、そのビームB1が常に基準ビームとして用いられる。具体的には、期間t1において、フィルタ部50は、ビームB1、B2、B6を選択ビームBsとして選択し、位相制御部100は、ビームB2、B6の位相を基準ビームB1の位相に揃える。期間t2において、フィルタ部50は、ビームB1、B3、B7を選択ビームBsとして選択し、位相制御部100は、ビームB3、B7の位相を基準ビームB1の位相に揃える。期間t3において、フィルタ部50は、ビームB1、B4、B8を選択ビームBsとして選択し、位相制御部100は、ビームB4、B8の位相を基準ビームB1の位相に揃える。期間t4において、フィルタ部50は、ビームB1、B5、B9を選択ビームBsとして選択し、位相制御部100は、ビームB5、B9の位相を基準ビームB1の位相に揃える。このようにして、全てのビームB1〜B9の位相を揃えることができる。
一般に、複数のビームの位相を一括して揃えるためのアルゴリズムは、そのビームの本数が増えるに従って複雑になる。例えば、k本(kは2以上の整数)のビームの位相を一括して揃えるために必要な計算量が2に比例するとする。このとき、9本のビームB1〜B9の位相を一括して揃えようとすると、2に比例する計算量が必要となる。しかしながら、図2や図3で示された方式の場合、1回あたりの位相制御対象は3本の選択ビームBsだけであるため、4×2に比例する計算量で済む。すなわち、本実施の形態によれば、計算量(計算時間)を著しく削減することが可能となる。
以上に説明されたように、本実施の形態によれば、フィルタ部50を設けることにより、1回あたりの位相制御対象の数を少なくすることができる。位相制御対象の数が少なくなると、その分だけ位相制御アルゴリズムが簡易になるため、計算量及び計算時間が削減される。すなわち、本実施の形態によれば、複数のビームB1〜Bnの位相を所望の状態に制御するために要する計算量及び計算時間を削減することが可能となる。
2.第2の実施の形態
第2の実施の形態では、第1の実施の形態で説明されたビーム結合装置1の具体的な構成例を説明する。
図4は、マルチビーム生成部20の構成の一例を示している。図4の例において、マルチビーム生成部20は、ビーム分割部21とビーム増幅部22を備えている。
ビーム分割部21は、レーザ発振器10から出力された基本ビームBaを受け取る。そして、ビーム分割部21は、受け取った基本ビームBaを分割することによって、複数のビームB1〜Bnを生成する。より詳細には、ビーム分割部21は、図4に示されるように、ビームスプリッタ21−1〜21−nを用いることにより、ビームB1〜Bnのそれぞれを生成する。
ビーム増幅部22は、複数のビームB1〜Bnを受け取り、それら複数のビームB1〜Bnのそれぞれを増幅する。例えば、図4に示されるように、ビーム増幅部22は、増幅器(power amplifier)22−1〜22−nを備えている。増幅器22−1〜22−nは、それぞれ、ビームB1〜Bnを増幅する。
再度図1を参照して、本実施の形態では、センサ部70は、選択ビームBsの遠視野像(Far Field Pattern)の強度を測定する。例えば、センサ部70は、選択ビームBsの遠視野像のセンターローブの強度を測定する。そのようなセンサ部70の機能は、1個のフォトダイオードにより実現可能である。センサ部70は、測定強度を示す測定データMESを生成し、その測定データMESを位相シフト制御部35にリアルタイムに送る。
位相シフト制御部35(位相制御部100)は、測定データMESに基づき、選択ビームBsとなっているそれぞれのビームの位相を所望の状態に制御する。より詳細には、位相シフト制御部35は、センサ部70による測定強度が最大となるように、選択ビームBsのそれぞれの位相をフィードバック制御する。
図5は、本実施の形態における位相制御の一例を示す概念図である。図5に示される例では、選択ビームBsは2本のビームB1、B2である。そのうちビームB1が基準ビームとして用いられ、他方のビームB2の位相φ2を基準ビームB1の位相に揃えるような制御が行われる。言い換えれば、センサ部70による測定強度が最大となるような位相φ2(最適位相φo2)の探索が行われる。より詳細には、ビームB2の位相φ2の初期値はφi2である。位相シフト制御部35は、その初期状態から測定強度が増加する方向に位相φ2を変化させることにより、最適位相φo2を検出する。本例では、変数は位相φ2の1つだけであり、位相制御アルゴリズムは極めてシンプルである。
図6は、本実施の形態における位相制御の他の例を示す概念図である。図6に示される例では、選択ビームBsは3本のビームB1、B2、B3である。そのうちビームB1が基準ビームとして用いられ、その他のビームB2、B3の位相φ2、φ3を基準ビームB1の位相に揃えるような制御が行われる。言い換えれば、センサ部70による測定強度が最大となるような位相φ2(最適位相φo2)と位相φ3(最適位相φo3)の組み合わせの探索が行われる。より詳細には、ビームB2の位相φ2の初期値はφi2であり、ビームB3の位相φ3の初期値はφi3である。位相シフト制御部35は、その初期状態から測定強度が増加する方向に位相φ2、φ3を変化させることにより、最適位相φo2、φo3を検出する。本例では、変数は位相φ2、φ3の2つだけであり、位相制御アルゴリズムは比較的シンプルである。
選択ビームBsの本数が増えるに従い、位相制御アルゴリズムは複雑化する。よって、選択ビームBsの本数は3本程度が好適である(図2、図3、図6参照)。
図7は、図3で示されたような選択ビームBsの切り替えを実現可能なフィルタ部50の構成例を示している。ここでは、全体として9本のビームB1〜B9を考え、そのうちビームB1を基準ビームとして用いる。図7に示されるように、9本のビームB1〜B9は、基準ビームB1を中心として対称的に配置されている。より詳細には、ビームB2〜B9が、基準ビームB1を中心とした円周上に等間隔に配置されている。
フィルタ部50(空間フィルタ)は、開口部を有する円盤である。開口部は、ビームが通過可能な部分であり、円盤の中心を通って細長く形成されている。その円盤の中心の位置が、基準ビームB1の配置位置に対応している。このようなフィルタ部50が回転することにより、基準ビームB1を常に選択しつつ、選択ビームBsの組み合わせを時間的に切り替えることが可能となる。
具体的には、期間t1において、フィルタ部50は、ビームB1、B2、B6を選択ビームBsとして選択する。期間t2において、フィルタ部50は、ビームB1、B3、B7を選択ビームBsとして選択する。期間t3において、フィルタ部50は、ビームB1、B4、B8を選択ビームBsとして選択する。期間t4において、フィルタ部50は、ビームB1、B5、B9を選択ビームBsとして選択する。
このようにして、基準ビームB1を常に選択しつつ、選択ビームBsを時間的に切り替え、更に所定の期間内にビームB1〜Bnの全てを選択するフィルタ部50が実現される。すなわち、図3で示された選択ビームBsの切り替えが実現される。
3.第3の実施の形態
第3の実施の形態では、「LOCSET方式(特許文献1、特許文献2を参照)」にフィルタ部50を適用することを考える。LOCSET方式では、複数のビームを互いに区別できるように、それぞれのビームの変調(振幅変調や周波数変調)を行う必要がある。但し、フィルタ部50を適用すれば、区別すべき位相制御対象の数を減らすことができるため、変調器・復調器の数も減らすことが可能となる。
図8は、第3の実施の形態の場合のマルチビーム生成部20の構成の一例を示している。図8の例において、マルチビーム生成部20は、ビーム分割部23、ビーム変調部24、ビーム分割部25、及びビーム増幅部26を備えている。
ビーム分割部23は、レーザ発振器10から出力された基本ビームBaを受け取る。そして、ビーム分割部23は、受け取った基本ビームBaを分割することによって、複数のビームBg1〜Bg3を生成する。より詳細には、ビーム分割部23は、ビームスプリッタ23−1〜23−3を用いることにより、ビームBg1〜Bg3のそれぞれを生成する。
ビーム変調部24は、ビーム分割部23から出力されたビームBg1〜Bg3を受け取る。そして、ビーム変調部24は、ビームBg1〜Bg3を互いに区別できるように、それぞれのビームBg1〜Bg3の変調を行う。より詳細には、ビーム変調部24は、変調器24−1〜24−3を備えている。変調器24−1〜24−3は、ビームBg1〜Bg3のそれぞれに対して異なる変調を行う。
ビーム分割部25は、変調後のビームBg1〜Bg3を受け取る。そして、ビーム分割部25は、受け取ったビームBg1〜Bg3を分割することによって、複数のビームB1〜B9を生成する。より詳細には、ビーム分割部25は、ビームスプリッタ25−2〜25−5を用いることにより、ビームBg1からビームB2〜B5を生成する。また、ビーム分割部25は、ビームスプリッタ25−6〜25−9を用いることにより、ビームBg3からビームB6〜B9を生成する。更に、ビーム分割部25は、ビームBg2をそのままビームB1として出力する。
ビーム増幅部26は、複数のビームB1〜B9を受け取り、それら複数のビームB1〜B9のそれぞれを増幅する。例えば、図8に示されるように、ビーム増幅部26は、増幅器26−1〜26−9を備えている。増幅器26−1〜26−9は、それぞれ、ビームB1〜B9を増幅する。
このようにして、ビームBg1から第1グループ(ビームB2〜B5)が生成され、ビームBg3から第2グループ(ビームB6〜B9)が生成され、ビームBg2から基準ビームB1が生成される。ビームBg1、Bg2、Bg3は互いに区別可能であるため、基準ビームB1、第1グループ、第2グループも互いに区別可能である。よって、図3や図7で示されたように、基準ビームB1、第1グループのいずれか1つ、及び第2グループのいずれか1つの合計3ビームを選択ビームBsとして選択すれば、選択ビームBs間の区別は可能である。
センサ部70は、1個のフォトダイオードにより実現可能である。センサ部70は、選択ビームBsの遠視野像を測定し、測定データMESを位相シフト制御部35に送る。位相シフト制御部35(位相制御部100)は、復調器を備えており、3本の選択ビームBsのそれぞれを識別しながら、選択ビームBs間の位相差を検出する。そして、位相シフト制御部35は、その位相差が無くなるように選択ビームBsそれぞれの位相をフィードバック制御する。
このようにして、LOCSET方式による位相制御が実現される。フィルタ部50を用いない場合、ビームB1〜B9のそれぞれを区別する必要があるため、変調器・復調器も9セットずつ必要である。一方、本実施の形態のようにフィルタ部50を用いる場合、区別すべき位相制御対象の数が減るため、変調器・復調器の数を減らすことが可能となる。あるいは、同じ変調数でビーム結合数を増やすことができる。
以上、本発明の実施の形態が添付の図面を参照することにより説明された。但し、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で当業者により適宜変更され得る。
1 ビーム結合装置
10 レーザ発振器
20 マルチビーム生成部
21 ビーム分割部
21−1〜21−n ビームスプリッタ
22 ビーム増幅部
22−1〜22−n 増幅器
23 ビーム分割部
23−1〜23−3 ビームスプリッタ
24 ビーム変調部
24−1〜24−3 変調器
25 ビーム分割部
25−2〜25−9 ビームスプリッタ
26 ビーム増幅部
26−1〜26−9 増幅器
30 位相シフト部
31−1〜31−n 位相シフタ
35 位相シフト制御部
40 ビームスプリッタ
50 フィルタ部
60 レンズ
70 センサ部
100 位相制御部
B1〜Bn ビーム
Ba 基本ビーム
Bs 選択ビーム
MES 測定データ

Claims (7)

  1. 複数のビームを結合するビーム結合装置であって、
    前記複数のビームのうち一部を選択ビームとして選択し、前記選択ビームを通過させるフィルタ部と、
    前記選択ビームの測定に基づき、前記選択ビームのそれぞれの位相を所望の状態に制御する位相制御部と
    を備え、
    前記フィルタ部は、前記複数のビームの全てが選択されるように、前記選択ビームを時間的に変化させる
    ビーム結合装置。
  2. 請求項1に記載のビーム結合装置であって、
    更に、前記選択ビームの遠視野像の強度を測定するセンサ部を備え、
    前記位相制御部は、前記測定される強度が最大となるように、前記選択ビームのそれぞれの位相を制御する
    ビーム結合装置。
  3. 請求項2に記載のビーム結合装置であって、
    前記複数のビームは、基準ビームを含んでおり、
    前記フィルタ部は、前記基準ビームを前記選択ビームの1つとして常に選択し、
    前記位相制御部は、前記選択ビームのうち前記基準ビーム以外のそれぞれの位相を、前記基準ビームの位相に揃える
    ビーム結合装置。
  4. 請求項3に記載のビーム結合装置であって、
    前記複数のビームは、前記基準ビームを中心として対称的に配置されている
    ビーム結合装置。
  5. 請求項1に記載のビーム結合装置であって、
    前記位相制御部は、LOCSET方式により、前記選択ビームのそれぞれの位相を制御する
    ビーム結合装置。
  6. 請求項1に記載のビーム結合装置であって、
    前記位相制御部は、光ヘテロダイン方式により、前記選択ビームのそれぞれの位相を制御する
    ビーム結合装置。
  7. 複数のビームを結合するビーム結合方法であって、
    前記複数のビームのうち一部を選択ビームとして選択するステップと、
    前記選択ビームの測定に基づき、前記選択ビームのそれぞれの位相を所望の状態に制御するステップと、
    前記複数のビームの全てが選択されるように、前記選択ビームを時間的に変化させるステップと
    を含む
    ビーム結合方法。
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