JP4966792B2 - ホログラム記録装置及びホログラム記録方法 - Google Patents
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Description
再生時には、ホログラム再生装置は、参照光と同一の光である再生照明光を記録媒体に照射することにより、干渉稿からの回折光を発生させる。そして、ホログラム再生装置は、この回折光をレンズで平行光とし、この平行光をCCD、CMOSセンサ等の二次元受光素子で受光する。
ここで、記録時における物体光のパワーをDC成分のレベルに合わせると、記録媒体には物体光のDC成分のみが記録されてしまい、物体光の高周波数のデータはほとんど記録されなくなってしまう。
一方、記録時における物体光のパワーを高周波数のデータを記録可能なレベルに上げると、物体光のDC成分が飽和してしまい、記録媒体に記録されたデータが破損してしまう。
また、ランダム位相マスクを有していないホログラム記録装置においても、位相の揺れを補償することが望まれている。
また、請求項2に記載の発明であるホログラム記録装置は、参照光を記録媒体に導く第一の光学系と、物体光を記録媒体に導く第二の光学系と、前記第一の光学系において前記参照光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第一のモニタ用光と、前記第二の光学系において前記物体光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第二のモニタ用光と、によって形成されるモニタ用干渉稿を検出する検出部と、検出された前記モニタ用干渉稿における位相の補償量を算出する算出部と、を備え、前記第一の光学系及び前記第二の光学系の少なくとも一方は、算出された前記位相の補償量に基づいて、前記参照光及び前記物体光の少なくとも一方の位相を補償する補償部を備え、前記第一の光学系又は前記第二の光学系は、有効径外に平行光をそのまま透過させる平行光透過部が形成された第二のレンズを備えており、前記参照光又は前記物体光は、前記第二のレンズの有効径内側を通り、前記第一のモニタ用光又は前記第二のモニタ用光は、前記第二のレンズの前記平行光透過部を通ることを特徴とする。
ここで、「ほぼ同一の光路」とは、光路が平行に数cm(例えば、3cm)ずれたものを含み、同一の光路、すなわち、重畳された光路も含む。光路が平行に数cmよりも大きくずれている場合には、モニタ用干渉稿の位相と記録媒体に記録される干渉稿の位相との相関が小さくなり、補償に不適となってしまう。
また、検出部は、参照光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第一のモニタ用光と、第二の光学系において物体光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第二のモニタ用光と、によって形成されるモニタ用干渉稿を検出するために、光路距離方向においても記録媒体の近傍に設けられる。ここで、検出部は、光路距離方向において記録媒体から数十cm(例えば、30cm)の位置に設けられていてもよいが、光路距離方向における検出部と記録媒体との距離によるノイズを小さくするため、この距離を短く設定することが好ましい。
この「ほぼ同一の光路」は、位相を好適に補償するために、重畳された光路であることが好ましい。
また、第一のモニタ用光及び第二のモニタ用光は、モニタ用干渉稿を形成する場所において平行光(すなわち、平面波)であればよいが、一旦球面波等となった光を平面波に戻すと波面が崩れるおそれがあるので、第一の光学系及び第二の光学系において常に平行光であることが好ましい。
また、このように構成されたホログラム記録装置は、簡易な構成で参照光又は物体光の光路と第一のモニタ用光又は第二のモニタ用光の光路とをほぼ同一とするとともに、第一のモニタ用光又は第二のモニタ用光を確実に平行光とすることができる。
また、請求項5に記載の発明であるホログラム記録方法は、参照光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第一のモニタ用光と、物体光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第二のモニタ用光と、によって形成されるモニタ用干渉稿を検出する検出ステップと、検出された前記モニタ用干渉稿における位相の補償量を算出する算出ステップと、算出された前記位相の補償量に基づいて、前記参照光及び前記物体光の少なくとも一方の位相を補償し、前記参照光及び前記物体光によって形成される干渉稿を記録媒体に記録する記録ステップと、を含み、前記検出ステップにおいて、前記第一のモニタ用光又は前記第二のモニタ用光は、有効径外に平行光をそのまま透過させる平行光透過部が形成された第二のレンズの前記平行光透過部を通っており、前記記録ステップにおいて、前記参照光又は前記物体光は、前記第二のレンズの有効径内側を通っていることを特徴とする。
さらに、請求項1,2に記載のホログラム記録装置及び請求項4,5に記載のホログラム記録方法は、簡易な構成で参照光又は物体光の光路と第一のモニタ用光又は第二のモニタ用光の光路とをほぼ同一とすることができる。
請求項3に記載のホログラム記録装置は、物体光をランダムな波面の光とする場合であっても、第二のモニタ用光を平行光のまま記録媒体近傍の検出部に照射することができる。
ここで、位相補償デバイス17、ミラー19、ミラー20、レンズ21、シャッタ22及びレンズ23の組み合わせが、特許請求の範囲における「第一の光学系」の一例である。
また、偏光ビームスプリッタ24、空間光変調素子25、ランダム位相マスク26、シャッタ27及びレンズ28の組み合わせが、特許請求の範囲における「第二の光学系」の一例である。
レンズ12は、レーザ発生部11により照射されたレーザを拡げて出射する。
レンズ13は、コリメーティングレンズであり、レンズ12により拡げられたビームを平行光束にして出射する。
これらレンズ12及びレンズ13が、レーザを所定倍率の平行光束に拡大するビームエキスパンダを構成する。
半波長板14は、レンズ13から出射された平行光束を、直交する二つの直線偏光成分の間の光学的な位相差を180度にして透過させる。
ミラー15は、半波長板14を透過した平行光束を偏光ビームスプリッタ16に向けて反射する。
偏光ビームスプリッタ16は、入射する平行光束をその偏光成分により分離するフィルタである。詳しくは、偏光ビームスプリッタ16は、入射する平行光束の一成分を位相補償デバイス17に向けて反射し、他の成分を偏光ビームスプリッタ24に向けて透過させる。
ミラー19は、回転器18によって回転可能であり、位相補償デバイス17が反射した光を参照光として反射する。
ミラー20は、回転不能であり、位相補償デバイス17が反射した光を第一のモニタ用光として反射する。
シャッタ22は、参照光を通過させる、及び、参照光を遮断する、といった二つの状態を切換可能である。また、シャッタ22は、第一のモニタ用光を常に通過させる。
レンズ23は、シャッタ22を通過した参照光を記録媒体40へ導くレンズである。また、レンズ23は、第一のモニタ用光を位相センサ32へ導く。
これらレンズ21及びレンズ23は、リレーレンズを構成しており、ミラー19が回転した場合でも、参照光が記録媒体40の同一位置に照射されるようになっている。
レンズ28は、対物レンズであり、物体光を記録媒体40に集光させる。ここで、図3(a)に示すように、レンズ28は、有効径外に孔28aが形成されており、物体光は、レンズ28の有効径内側を通り、第二のモニタ用光は、レンズ28の孔28aを通り、位相センサ32へ到達する。このレンズ28が、特許請求の範囲における「第一のレンズ」の一例である。なお、図3(b)に示すように、レンズ28の変形例であるレンズ28Bは、孔28aに変えて、有効径外に平行光をそのまま透過させる平行光透過部28bを備えていてもよい。かかる平行光透過部28bは、レンズ28Bを切削加工することにより形成可能である。この場合、物体光は、レンズ28Bの有効径内側を通り、第二のモニタ用光は、レンズ28Bの平行光透過部28bを通る。この平行光透過部28bを備えたレンズ28Bが、特許請求の範囲における「第二のレンズ」の一例である。
ハーフミラー30は、平行光となった回折光を透過させる。
CCD31は、ハーフミラー30を透過した回折光を撮像する。このCCD31が、特許請求の範囲における「検出部」の一例である。
I(t)=A1 2+A2 2+2A1A2cos(φ2(t)−φ1(t)+δ)
…式(1)
ここで、A1は第一モニタ用光の振幅、A2は第二モニタ用光の振幅、φ1(t)は第一モニタ用光の位相、φ2(t)は第二モニタ用光の位相、tは時刻、δは位相の補償量であり、位相を補償していない場合には、δ=0である。
制御部33は、位相センサ32によって検出されたモニタ用干渉稿から得られる強度I(t)と、予め設定された第一モニタ用光の振幅A1及び第二モニタ用光の振幅A2と、に基づいて、検出されたモニタ用干渉稿の白黒の強度変化をキャプチャしたものに高速フーリエ変換を適用することにより、基本周波数の位相を算出する。算出された位相が、φ2(t)−φ1(t)+δに相当する。
そして、制御部33は、φ2(t)−φ1(t)+δがゼロとなるようにδの値を算出し、かかるδに基づいて駆動制御信号を決定し、位相補償デバイス17に出力する。かかるδに基づいて駆動された位相補償デバイス17は、φ1(t)及びφ2(t)に含まれる位相ノイズをキャンセルすることができる。
ここで、制御部33は、δと駆動制御信号との関係を予め記憶しており、かかる関係が、駆動制御信号を決定する際に使用される。なお、位相補償デバイス17がピエゾアクチュエータ付きミラーである場合には、δと駆動制御信号、すなわち、ピエゾアクチュエータに印加される電圧とは、線形の関係を有する。
全ての干渉稿が記録された後、記録媒体40に記録された干渉稿が固定される。
図4は、空間光変調素子によるページとSNRとの関係を示すグラフである。
横軸は、空間光変調素子25により表示されたページの番号(1〜11ページまでを表示)を示し、縦軸は、測定されたSNR(信号対雑音比)を示す。
図4に示すように、位相を補償することによって、平均で2.5dB、最大で3dBの改善効果が見られた。
図5に示すように、位相を補償しなかった場合には、参照光の位相は、時間とともにドリフトしてしまう。
図6に示すように、位相を補償した場合には、参照光の位相は、ドリフトしない。なお、図6における位相のスパイクは、記録媒体40を動かす際の振動によるものである。
また、位相センサ32は、参照光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第一のモニタ用光と、第二の光学系において物体光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第二のモニタ用光と、によって形成されるモニタ用干渉稿を検出するために、光路距離方向においても記録媒体40の近傍に設けられる。ここで、位相センサ32は、光路距離方向において記録媒体40から数十cm(例えば、30cm)の位置に設けられていてもよいが、光路距離方向における位相センサ32と記録媒体40との距離によるノイズを小さくするため、この距離を短く設定することが好ましい。
この「ほぼ同一の光路」は、位相を好適に補償するために、重畳された光路であることが好ましい。
また、第一のモニタ用光及び第二のモニタ用光は、モニタ用干渉稿を形成する場所において平行光(すなわち、平面波)であればよいが、一旦球面波等となった光を平面波に戻すと波面が崩れるおそれがあるので、第一の光学系及び第二の光学系において常に平行光であることが好ましい。
例えば、ホログラム記録装置は、参照光の位相を補償するだけでなく、参照光及び物体光の少なくとも一方の位相を補償する構成であってもよい。ここで、参照光及び物体光の両方の位相を補償する場合には、参照光における補償量をδ1、物体光における補償量をδ2とすると、前記式(1)のδとの間において、下記式(2)が成立する。
δ=δ1+δ2 …式(2)
ここで、物体光の位相の揺れを補償するためには、ホログラム記録装置10は、偏光ビームスプリッタ24とランダム位相マスク26との間に透過型の位相補償デバイスを備えていてもよい。
また、ランダム位相マスク26は省略可能である。
さらに、本発明は、第二の光学系において、参照光の光路上かつ第一のモニタ用光の光路外に設けられたランダム位相マスクを備える構成であってもよい。
17 位相補償デバイス(補償部)
19 ミラー(第一の光学系)
20 ミラー(第一の光学系)
21 レンズ(第一の光学系、第一のレンズ)
21a 孔
21B レンズ(第一の光学系、第二のレンズ)
21b 平行光透過部
22 シャッタ(第一の光学系)
23 レンズ(第一の光学系、第一のレンズ)
23a 孔
23B レンズ(第一の光学系、第二のレンズ)
23b 平行光透過部
24 偏光ビームスプリッタ(第二の光学系)
25 空間光変調素子(第二の光学系)
26 ランダム位相デバイス(第二の光学系)
27 シャッタ(第二の光学系)
28 レンズ(第二の光学系、第一のレンズ)
28B レンズ(第二の光学系、第二のレンズ)
28a 孔
28b 平行光透過部
32 位相センサ(検出部)
33 制御部(算出部)
40 記録媒体
Claims (5)
- 参照光を記録媒体に導く第一の光学系と、
物体光を記録媒体に導く第二の光学系と、
前記第一の光学系において前記参照光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第一のモニタ用光と、前記第二の光学系において前記物体光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第二のモニタ用光と、によって形成されるモニタ用干渉稿を検出する検出部と、
検出された前記モニタ用干渉稿における位相の補償量を算出する算出部と、
を備え、
前記第一の光学系及び前記第二の光学系の少なくとも一方は、算出された前記位相の補償量に基づいて、前記参照光及び前記物体光の少なくとも一方の位相を補償する補償部を備え、
前記第一の光学系又は前記第二の光学系は、有効径外に孔が形成された第一のレンズを備えており、
前記参照光又は前記物体光は、前記第一のレンズの有効径内側を通り、
前記第一のモニタ用光又は前記第二のモニタ用光は、前記第一のレンズの前記孔を通る
ことを特徴とするホログラム記録装置。 - 参照光を記録媒体に導く第一の光学系と、
物体光を記録媒体に導く第二の光学系と、
前記第一の光学系において前記参照光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第一のモニタ用光と、前記第二の光学系において前記物体光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第二のモニタ用光と、によって形成されるモニタ用干渉稿を検出する検出部と、
検出された前記モニタ用干渉稿における位相の補償量を算出する算出部と、
を備え、
前記第一の光学系及び前記第二の光学系の少なくとも一方は、算出された前記位相の補償量に基づいて、前記参照光及び前記物体光の少なくとも一方の位相を補償する補償部を備え、
前記第一の光学系又は前記第二の光学系は、有効径外に平行光をそのまま透過させる平行光透過部が形成された第二のレンズを備えており、
前記参照光又は前記物体光は、前記第二のレンズの有効径内側を通り、
前記第一のモニタ用光又は前記第二のモニタ用光は、前記第二のレンズの前記平行光透過部を通る
ことを特徴とするホログラム記録装置。 - 前記第一の光学系又は前記第二の光学系は、前記参照光又は前記物体光の光路上かつ前記第一のモニタ用光又は前記第二のモニタ用光の光路外に設けられたランダム位相マスクを備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホログラム記録装置。 - 参照光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第一のモニタ用光と、物体光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第二のモニタ用光と、によって形成されるモニタ用干渉稿を検出する検出ステップと、
検出された前記モニタ用干渉稿における位相の補償量を算出する算出ステップと、
算出された前記位相の補償量に基づいて、前記参照光及び前記物体光の少なくとも一方の位相を補償し、前記参照光及び前記物体光によって形成される干渉稿を記録媒体に記録する記録ステップと、
を含み、
前記検出ステップにおいて、前記第一のモニタ用光又は前記第二のモニタ用光は、有効径外に孔が形成された第一のレンズの前記孔を通っており、
前記記録ステップにおいて、前記参照光又は前記物体光は、前記第一のレンズの有効径内側を通っている
ことを特徴とするホログラム記録方法。 - 参照光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第一のモニタ用光と、物体光とほぼ同一の光路を通過する平行光である第二のモニタ用光と、によって形成されるモニタ用干渉稿を検出する検出ステップと、
検出された前記モニタ用干渉稿における位相の補償量を算出する算出ステップと、
算出された前記位相の補償量に基づいて、前記参照光及び前記物体光の少なくとも一方の位相を補償し、前記参照光及び前記物体光によって形成される干渉稿を記録媒体に記録する記録ステップと、
を含み、
前記検出ステップにおいて、前記第一のモニタ用光又は前記第二のモニタ用光は、有効径外に平行光をそのまま透過させる平行光透過部が形成された第二のレンズの前記平行光透過部を通っており、
前記記録ステップにおいて、前記参照光又は前記物体光は、前記第二のレンズの有効径内側を通っている
ことを特徴とするホログラム記録方法。
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