JP2014216418A - 位相同期レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学部品の耐パワーによって、信号光の数の制限を受けることなく、高出力なレーザ光を放射することができる位相同期レーザ装置を得ることを目的とする。
【解決手段】N個のタップミラー9−1〜9−Nを受信光路10と同軸に配置し、タップミラー9−n(n=1,2,・・・,N)が、コリメータ7−nから出力された信号光の一部を受信光路10の方向に反射させて、残りの大部分の信号光を出力光路11−nの方向に透過させる一方、局発光コリメータ8から出力された局発光を受信光路10の方向に透過させるように構成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、高出力なレーザ光の放射が可能な位相同期レーザ装置に関するものである。
以下の特許文献1に開示されている位相同期レーザ装置では、信号光を分岐した後に、単一のレーザ光を光増幅の種光として用いて、分岐後の各信号光を光増幅してから合成(コヒーレントビーム結合(CBC:Coherent Beam Combine))を行うようにしている。
このコヒーレントビーム結合では、分岐後の各信号光の位相を揃えているので、高出力で高輝度なビームが得られる。
ただし、特許文献1に開示されている位相同期レーザ装置では、信号数が増加した場合、局発光と信号光との合波に使用するビームスプリッタなどの光学部品が巨大になる問題があり、また、信号光を空間的に配置しているため、信号光間の距離が離れて、受信効率が劣化するという問題がある。
以下の特許文献2及び非特許文献1に開示されている位相同期レーザ装置では、回折格子を用いて、単一ビームに空間的に合波する手法を採用しており、信号数が増加しても、ビームスプリッタなどの光学部品が巨大になる問題や、信号光間の距離が離れて、受信効率が劣化する問題を解消している。
特開2000−323774号公報(図1) 特表2011−507035号公報(図1)
Optics Letters. Vol. 33, No. 4, F15, 2008
従来の位相同期レーザ装置は以上のように構成されているので、回折格子を用いて、単一ビームに空間的に合波することで、信号数が増加しても、ビームスプリッタなどの光学部品が巨大になる問題や、信号光間の距離が離れて、受信効率が劣化する問題を解消することができる。しかし、複数の信号光が1つの回折格子に集光されるため、合波可能な信号光の数が、その回折格子の耐パワーによって制限される。そのため、数多くの信号光を合波することが困難であり、十分に高出力なレーザ光を放射することができないことがある課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、光学部品の耐パワーによって、信号光の数の制限を受けることなく、高出力なレーザ光を放射することができる位相同期レーザ装置を得ることを目的とする。
この発明に係る位相同期レーザ装置は、単一周波数のレーザ光を出力する光出力手段と、光出力手段から出力されたレーザ光を信号光と参照光とに分岐する光分岐手段と、光分岐手段により分岐された信号光を複数に分岐する信号光分岐手段と、信号光分岐手段により分岐された複数の信号光の周波数を各位相制御信号にしたがってシフトする周波数シフト手段と、周波数シフト手段による周波数シフト後の複数の信号光を周波数が異なるディザリング信号で位相変調する位相変調手段と、位相変調手段による位相変調後の複数の信号光を増幅する信号光増幅手段と、信号光増幅手段により増幅された複数の信号光を空間に出力するとともに、光分岐手段により分岐された参照光を空間に出力する空間出力手段と、空間出力手段から出力された複数の信号光の一部を受信光路の方向に反射させて、残りの信号光を出力光路の方向に透過させる一方、空間出力手段から出力された参照光を受信光路の方向に透過させる光透過反射手段と、受信光路上の光を受信して、その受信信号を出力する光検出手段と、基準信号を出力する基準信号源と、光検出手段より出力された受信信号からディザリング信号の各周波数に対応する信号をそれぞれ抽出し、複数の抽出信号の周波数を上記基準信号と同じ周波数に変換する信号抽出手段とを設け、位相同期手段が、信号抽出手段による周波数変換後の複数の抽出信号と基準信号源から出力された基準信号との位相誤差をそれぞれ検出し、その位相誤差を示す各位相制御信号を周波数シフト手段に出力するようにしたものである。
この発明によれば、光透過反射手段が、空間出力手段から出力された複数の信号光の一部を受信光路の方向に反射させて、残りの信号光を出力光路の方向に透過させる一方、空間出力手段から出力された参照光を受信光路の方向に透過させるように構成したので、光学部品の耐パワーによって、信号光の数の制限を受けることなく、高出力なレーザ光を放射することができる効果がある。
この発明の実施の形態1による位相同期レーザ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による位相同期レーザ装置の光コンポーネントアレイ14を示す構成図である。 複数の信号光を空間的に配置し、集光レンズを用いて、複数の信号光を単一の光検出器に集光している様子を示す説明図である。 受信信号のスペクトルイメージを示す説明図である。 この発明の実施の形態2による位相同期レーザ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による位相同期レーザ装置の4象限光検出器21を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による位相同期レーザ装置の光軸調整機構24−nを示す構成図である。 この発明の実施の形態2による位相同期レーザ装置の光軸調整機構24−nを示す構成図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による位相同期レーザ装置を示す構成図である。
図1において、基準レーザ1は単一周波数の基準光を発振する光源である。この実施の形態1では、信号光はCW光であるものとする。なお、基準レーザ1は光出力手段を構成している。
光分岐スプリッタ2は基準レーザ1により発振された基準光を信号光と局発光に分岐して、信号光を光N分岐スプリッタ3に出力するとともに、その局発光を局発光コリメータ8に出力する。なお、光分岐スプリッタ2は光分岐手段を構成している。
光N分岐スプリッタ3は光分岐スプリッタ2から出力された信号光をN分岐して、各信号光を光周波数シフタ4−1〜4−Nに出力する。なお、光N分岐スプリッタ3は信号光分岐手段を構成している。
光周波数シフタ4−n(n=1,2,・・・,N)は光N分岐スプリッタ3により分岐された信号光の周波数を位相同期回路17−nから出力された位相制御信号が示す位相誤差にしたがってシフトする処理を実施する。なお、光周波数シフタ4−nは周波数シフト手段を構成している。
光位相変調器5−n(n=1,2,・・・,N)は光周波数シフタ4−nによる周波数シフト後の信号光を周波数弁別回路16−nから出力されたディザリング信号で位相変調する処理を実施する。なお、光位相変調器5−nは位相変調手段を構成している。
周波数弁別回路16−1〜16−Nから出力されるディザリング信号は周波数が予め設定されている既知の信号であり、各ディザリング信号の周波数はf,f,・・・,fである。
光増幅器6−n(n=1,2,・・・,N)は光位相変調器5−nによる位相変調後の信号光を増幅する処理を実施する。なお、光増幅器6−nは信号光増幅手段を構成している。
コリメータ7−n(n=1,2,・・・,N)は光増幅器6−nにより増幅された信号光を無限遠光に変換して空間に出力する処理を実施する。
局発光コリメータ8は光分岐スプリッタ2から出力された局発光を無限遠光に変換して空間に出力する処理を実施する。
なお、コリメータ7−n及び局発光コリメータ8から空間出力手段が構成されている。
タップミラー9−n(n=1,2,・・・,N)は受信光路10と同軸、一列に配置されており、コリメータ7−nから出力された信号光の一部を受信光路10の方向に反射させて、残りの大部分の信号光を出力光路11−nの方向に透過させる一方、局発光コリメータ8から出力された局発光を受信光路10の方向に透過させる処理を実施する。なお、タップミラー9−nは光透過反射手段を構成している。
集光レンズ12は受信光路10に配置されており、受信光路10上の光を光検出器13に集光する。
光検出器13は集光レンズ12により集光された光を受信して、その受信信号を周波数弁別回路16−nに出力する処理を実施する。
なお、集光レンズ12及び光検出器13から光検出手段が構成されている。
図1の例では、コリメータ7−n、局発光コリメータ8、タップミラー9−n、集光レンズ12及び光検出器13から光コンポーネントアレイ14が構成されている。
図2は光コンポーネントアレイ14を示す構成図である。
RF基準信号源15はRF基準信号を出力する信号源である。
周波数弁別回路16−n(n=1,2,・・・,N)は例えばRF発振器とRFミキサを用いて構成されており、周波数f(n=1,2,・・・,N)のディザリング信号を光位相変調器5−nに出力するとともに、光検出器13より出力された受信信号から当該ディザリング信号の周波数fに対応する信号を抽出し、その抽出信号の周波数をRF基準信号源15から出力されるRF基準信号と同じ周波数に変換する処理を実施する。なお、周波数弁別回路16−nは信号抽出手段を構成している。
位相同期回路17−n(n=1,2,・・・,N)は周波数弁別回路16−nによる周波数変換後の抽出信号とRF基準信号源15から出力されたRF基準信号との位相誤差を検出し、その位相誤差を示す位相制御信号を光周波数シフタ4−nに出力する処理を実施する。なお、位相同期回路17−nは位相同期手段を構成している。
次に動作について説明する。
基準レーザ1は、単一周波数の基準光を発振する。
光分岐スプリッタ2は、基準レーザ1が基準光を発振すると、その基準光を信号光と局発光に分岐して、信号光を光N分岐スプリッタ3に出力するとともに、その局発光を局発光コリメータ8に出力する。
光周波数シフタ4−n(n=1,2,・・・,N)は、N本の信号光の位相同期を確立するため、光N分岐スプリッタ3から信号光を受けると、その信号光の周波数を後述する位相同期回路17−nから出力された位相制御信号が示す位相誤差(RF基準信号との位相誤差)を解消するようにシフトする。
光位相変調器5−n(n=1,2,・・・,N)は、光周波数シフタ4−nから周波数シフト後の信号光を受けると、その信号光を後述する周波数弁別回路16−nから出力されたディザリング信号で位相変調する。
なお、光位相変調器5−1は、信号光を周波数fのディザリング信号で位相変調し、光位相変調器5−2は、信号光を周波数fのディザリング信号で位相変調し、光位相変調器5−Nは、信号光を周波数fのディザリング信号で位相変調する。
光増幅器6−n(n=1,2,・・・,N)は、光位相変調器5−nから位相変調後の信号光を受けると、その信号光を増幅して、増幅後の信号光をコリメータ7−nに出力する。
コリメータ7−nは、光増幅器6−nから増幅後の信号光を受けると、その信号光を無限遠光に変換して、タップミラー9−nが配置されている空間に出力する。
局発光コリメータ8は、光分岐スプリッタ2から局発光を受けると、その局発光を無限遠光に変換して、タップミラー9−nが配置されている空間に出力する。
タップミラー9−1〜9−Nは、図1及び図2に示すように、受信光路10と同軸に配置されている。図中、横方向の位置が揃えられている。また、タップミラー9−1〜9−Nは、角度も揃えられている。
タップミラー9−n(n=1,2,・・・,N)は、コリメータ7−nから信号光を受けると、その信号光の大部分を出力光路11−nの方向に透過させ、その信号光の一部を受信光路10の方向に反射させる。
また、タップミラー9−nは、局発光コリメータ8から局発光を受け、また、図中上側のタップミラーにより反射された信号光を受けると、その局発光と信号光の大部分を受信光路10の方向に透過させる。ただし、タップミラー9−1は、図中上側にタップミラーが配置されていないので、局発光コリメータ8から出力された局発光だけを受信光路10の方向に透過させる。
上記の特許文献2や非特許文献1に開示されている位相同期レーザ装置では、複数の信号光を1つの回折格子に集光して、単一ビームに空間的に合波しているため、大きなエネルギーが1つの回折格子にかかる。このため、多くの信号光を合波するには、耐パワーが大きな回折格子を用いる必要がある。また、耐パワーが大きな回折格子を用いても、その耐パワーには限度があるため、合波可能な信号光の数は、その回折格子の耐パワーによって制限される。
この実施の形態1では、信号光の本数が増えても、タップミラー9−nには1本の信号光だけが入射されるため、タップミラー9−nの耐パワーによって、合波可能な信号光の数が制限されることはない。
したがって、必要な信号光の本数だけタップミラー9−nを配置することで、高出力なビームを形成することができる。
図3に示すように、複数の信号光を空間的に配置し、集光レンズを用いて、複数の信号光を単一の光検出器に集光することで、単一の光検出器が複数の信号光を受信する方式では、光検出器に対する各信号光の入射角度が異なる。このため、信号光の本数が増えると、集光レンズの端側から光検出器に入射される信号光は入射角度が浅くなるため、光検出器での受信効率が劣化して、位相同期の確立のために必要な受信信号が得られないことがある。
この実施の形態1では、信号光の本数が増えても、タップミラー9−nには1本の信号光が入射されるだけであり、また、N個のタップミラー9−1〜9−Nが受信光路10と同軸に配置されている。このため、信号光の本数が増えても、光検出器13での受信効率が劣化しない。
集光レンズ12は、受信光路10に配置されており、受信光路10上の光(タップミラー9−1〜9−Nにより反射されたN本の信号光+局発光)を光検出器13に集光する。
光検出器13は、集光レンズ12により集光された光を受信して、その受信信号を周波数弁別回路16−nに出力する。
ここで、図4は受信信号のスペクトルイメージを示す説明図である。
受信信号には、図4に示すように、光周波数シフタ4−1〜4−Nにより周波数シフトされた周波数faomにキャリア信号が存在し、また、そのキャリア信号からディザリング信号の周波数f,f,・・・,fだけ離れた周波数faom+f,faom+f,・・・,faom+fにサイドキャリア信号が存在している。
周波数弁別回路16−n(n=1,2,・・・,N)は、周波数f(n=1,2,・・・,N)のディザリング信号を光位相変調器5−nに出力する。
また、周波数弁別回路16−n(n=1,2,・・・,N)は、光検出器13から受信信号を受けると、その受信信号からディザリング信号の周波数fに対応する信号(周波数faom+fのサイドキャリア信号)を抽出し、その抽出信号の周波数faom+fをRF基準信号源15から出力されるRF基準信号と同じ周波数frefに変換する。
位相同期回路17−n(n=1,2,・・・,N)は、周波数弁別回路16−nから周波数変換後の抽出信号を受けると、その抽出信号とRF基準信号源15から出力されたRF基準信号との位相誤差を検出し、その位相誤差を示す位相制御信号を光周波数シフタ4−nに出力する。
これにより、光周波数シフタ4−nでは、上述したように、RF基準信号との位相誤差が解消するように信号光の周波数をシフトするので、N本の信号光の位相同期が確立される。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、N個のタップミラー9−1〜9−Nを受信光路10と同軸に配置し、タップミラー9−n(n=1,2,・・・,N)が、コリメータ7−nから出力された信号光の一部を受信光路10の方向に反射させて、残りの大部分の信号光を出力光路11−nの方向に透過させる一方、局発光コリメータ8から出力された局発光を受信光路10の方向に透過させるように構成したので、光学部品の耐パワーによって、信号光の数の制限を受けることなく、高出力なレーザ光を放射することができる効果を奏する。
また、信号光の本数が増えても、光検出器13での受信効率の劣化を回避することができる効果を奏する。
また、コリメータ7−nは小型であるため、信号光の本数が増えても、小型の位相同期レーザ装置を得ることができる効果を奏する。
この実施の形態1では、タップミラー9−1〜9−Nが受信光路10と同軸に配置されているものを示したが、角度が揃えられていれば、若干、横方向の位置がずれていても、光検出器13での受信効率はほとんど劣化しないため、光コンポーネントアレイ14の組み立て作業の容易化を図ることができる。
この実施の形態1では、光位相変調器5−n(n=1,2,・・・,N)が、光周波数シフタ4−nによる周波数シフト後の信号光をディザリング信号で位相変調するものを示したが、信号光をディザリング信号で位相変調する方式に限るものではなく、例えば、信号光を強度変調する方式を用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態1では、受信信号からディザリング信号の周波数fに対応する信号(周波数faom+fのサイドキャリア信号)を抽出する周波数弁別回路16−n(n=1,2,・・・,N)を設けているものを示したが、デジタルサンプリングなどを用いて、受信信号からディザリング信号の周波数fに対応する信号を抽出するようにしてもよい。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、コリメータ7−1〜7−Nから出力される信号光の光軸が全て一致していることを前提にしているが、これらの信号光の光軸にずれが生じている場合、タップミラー9−1〜9−Nから出力光路11−1〜11−Nに出力される信号光の方向にずれが生じる。
この実施の形態2では、コリメータ7−1〜7−Nから出力された信号光の光軸にずれが生じていても、そのずれを解消することが可能な機構を備えている位相同期レーザ装置について説明する。
図5はこの発明の実施の形態2による位相同期レーザ装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
4象限光検出器21は図1の光検出器13と同様に、集光レンズ12により集光された光を受信して、その受信信号を周波数弁別回路16−nに出力する光検出器であるが、この4象限光検出器21は信号検出範囲が4象限に分かれており、4象限の受信信号Sa1,Sa2,Sa3,Sa4の総和(Sa1+Sa2+Sa3+Sa4)を周波数弁別回路16−nに出力し、各象限の受信信号Sa1,Sa2,Sa3,Sa4を周波数弁別回路22−nに出力する処理を実施する。なお、4象限光検出器21は光検出手段を構成している。
周波数弁別回路22−n(n=1,2,・・・,N)は4象限光検出器21より出力された各象限の受信信号Sa1,Sa2,Sa3,Sa4からディザリング信号の周波数fに対応する信号(周波数faom+fのサイドキャリア信号)を抽出する処理を実施する。
重心演算回路23−n(n=1,2,・・・,N)は例えばCPUを実装している半導体集積回路、ワンチップマイコン、あるいは、ダイオードなどを用いたアナログ回路などから構成されており、周波数弁別回路22−nにより抽出されたディザリング信号の周波数fに対応する信号の重心を演算し、その重心の位置に基づいてX軸制御信号とY軸制御信号を出力する処理を実施する。
なお、周波数弁別回路22−n及び重心演算回路23−nから重心演算手段が構成されている。
光軸調整機構24−n(n=1,2,・・・,N)は重心演算回路23−nから出力されたX軸制御信号にしたがって、コリメータ7−nから空間出力された信号光の光軸(X軸方向)を調整し、重心演算回路23−nから出力されたY軸制御信号にしたがって上記信号光の光軸(Y軸方向)を調整する機構である。なお、光軸調整機構24−nは光軸調整手段を構成している。
図6はこの発明の実施の形態2による位相同期レーザ装置の4象限光検出器21を示す構成図である。
図6において、4象限光電変換器31は信号検出範囲が4象限に分かれており、4象限の受信信号Sa1,Sa2,Sa3,Sa4を出力する処理を実施する。
加算器32は4象限光電変換器31から出力された受信信号Sa1と受信信号Sa2を加算する処理を実施する。
加算器33は4象限光電変換器31から出力された受信信号Sa3と受信信号Sa4を加算する処理を実施する。
加算器34は加算器32の加算結果(Sa1+Sa2)と加算器33の加算結果(Sa3+Sa4)とを加算する処理を実施する。
出力端子35は加算器34の加算結果(Sa1+Sa2+Sa3+Sa4)を周波数弁別回路16−nに出力する端子である。
出力端子36は4象限光電変換器31から出力された受信信号Sa1を周波数弁別回路22−nに出力する端子である。
出力端子37は4象限光電変換器31から出力された受信信号Sa2を周波数弁別回路22−nに出力する端子である。
出力端子38は4象限光電変換器31から出力された受信信号Sa3を周波数弁別回路22−nに出力する端子である。
出力端子39は4象限光電変換器31から出力された受信信号Sa4を周波数弁別回路22−nに出力する端子である。
図7はこの発明の実施の形態2による位相同期レーザ装置の光軸調整機構24−nを示す構成図である。
図7において、アダプティブミラー41はコリメータ7−nから空間出力された信号光を反射する光学素子である。
アダプティブミラー42はアダプティブミラー41により反射された信号光を出力光路11−nの方向に反射する光学素子である。
サーボモータ43は重心演算回路23−nから出力されたX軸制御信号にしたがってアダプティブミラー41の角度又は位置を調整する処理を実施する。
サーボモータ44は重心演算回路23−nから出力されたY軸制御信号にしたがってアダプティブミラー42の角度又は位置を調整する処理を実施する。
次に動作について説明する。
この実施の形態2では、光検出器13の代わりに、4象限光検出器21を実装し、周波数弁別回路22−n、重心演算回路23−n及び光軸調整機構24−nを設けている点で、上記実施の形態1と相違している。
以下、上記実施の形態1と相違している部分について説明する。
4象限光検出器21の4象限光電変換器31は、信号検出範囲が4象限に分かれており、集光レンズ12から集光された光を受けると、4象限の受信信号Sa1,Sa2,Sa3,Sa4を出力する。
図6の例では、信号光1は、4象限光検出器21の中心に入射されている場合を示しており、信号光2は、4象限光検出器21の中心から第2象限側にずれて入射されている場合を示している。
加算器32は、4象限光電変換器31から出力された第1象限の受信信号Sa1と、第2象限の受信信号Sa2とを加算して、その加算結果を加算器34に出力する。
加算器33は、4象限光電変換器31から出力された第3象限の受信信号Sa3と、第4象限の受信信号Sa4とを加算して、その加算結果を加算器34に出力する。
加算器34は、加算器32の加算結果(Sa1+Sa2)と、加算器33の加算結果(Sa3+Sa4)とを加算する。
これにより、4象限光検出器21の出力端子35から加算器34の加算結果(Sa1+Sa2+Sa3+Sa4)が周波数弁別回路16−nに出力される。加算器34の加算結果(Sa1+Sa2+Sa3+Sa4)は、図1の光検出器13から出力される受信信号と同じである。
4象限光検出器21の出力端子36から第1象限の受信信号Sa1が周波数弁別回路22−nに出力され、出力端子37から第2象限の受信信号Sa2が周波数弁別回路22−nに出力される。
また、4象限光検出器21の出力端子38から第3象限の受信信号Sa3が周波数弁別回路22−nに出力され、出力端子39から第4象限の受信信号Sa4が周波数弁別回路22−nに出力される。
周波数弁別回路22−n(n=1,2,・・・,N)は、4象限光検出器21から4象限の受信信号Sa1,Sa2,Sa3,Sa4を受けると、その受信信号Sa1,Sa2,Sa3,Sa4からディザリング信号の周波数fに対応する信号(周波数faom+fのサイドキャリア信号)を抽出する。
以下、説明の便宜上、受信信号Sa1から抽出した周波数faom+fのサイドキャリア信号をSc1で表し、受信信号Sa2から抽出した周波数faom+fのサイドキャリア信号をSc2で表し、受信信号Sa3から抽出した周波数faom+fのサイドキャリア信号をSc3で表し、受信信号Sa4から抽出した周波数faom+fのサイドキャリア信号をSc4で表すものとする。
重心演算回路23−n(n=1,2,・・・,N)は、周波数弁別回路22−nからサイドキャリア信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc3を受けると、下記の式(1)に示すように、そのサイドキャリア信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc3の重心を演算する。
Figure 2014216418
重心演算回路23−nは、サイドキャリア信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc3の重心を演算すると、その重心のX軸の位置と、原点(4象限光電変換器31の中心位置)との距離を示すX軸制御信号を光軸調整機構24−nに出力する。
また、その重心のY軸の位置と、原点(4象限光電変換器31の中心位置)との距離を示すY軸制御信号を光軸調整機構24−nに出力する。
光軸調整機構24−n(n=1,2,・・・,N)は、重心演算回路23−nからX軸制御信号を受けると、そのX軸制御信号にしたがってコリメータ7−nから空間出力された信号光の光軸(X軸方向)を調整し、重心演算回路23−nからY軸制御信号を受けると、そのY軸制御信号にしたがって上記信号光の光軸(Y軸方向)を調整する。
光軸調整機構24−nが図7のように構成されている場合、サーボモータ43が、重心演算回路23−nから出力されたX軸制御信号にしたがってアダプティブミラー41の角度又は位置を調整し、サーボモータ44が、重心演算回路23−nから出力されたY軸制御信号にしたがってアダプティブミラー42の角度又は位置を調整する。
光軸調整機構24−nがX軸制御信号,Y軸制御信号にしたがってサイドキャリア信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc3の重心が原点の位置と一致するように、信号光の光軸を調整することで、コリメータ7−1〜7−Nから空間出力された信号光の光軸にずれが生じていても、そのずれを解消することができる。
ここでは、サイドキャリア信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc3の重心が原点の位置と一致するように、信号光の光軸を調整するものを示したが、サイドキャリア信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc3の重心が所定の位置(原点以外の位置)と一致するように、信号光の光軸を調整するようにしてもよい。
この場合、信号光の出力光路11−1〜11−Nが一様に所定角度だけ傾いた形態になる。
ここでは、光軸調整機構24−nが図7のように構成されている例を説明したが、図8に示すように、サーボモータ53が、重心演算回路23−nから出力されたX軸制御信号,Y軸制御信号にしたがって、光増幅器6−nにより増幅された信号光を放射する光ファイバ51と、レンズ52との相対位置を調整することで、その信号光の光軸を調整するようにしてもよい。
上記実施の形態1,2では、基準レーザ1から発振される基準光に含まれている信号光がCW光である例を示したが、その信号光はパルス光であってもよく、また、そのパルス光は通信データによって変調されたパルスでもよい。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 基準レーザ(光出力手段)、2 光分岐スプリッタ(光分岐手段)、3 光N分岐スプリッタ(信号光分岐手段)、4−1〜4−N 光周波数シフタ(周波数シフト手段)、5−1〜5−N 光位相変調器(位相変調手段)、6−1〜6−N 光増幅器(信号光増幅手段)、7−1〜7−N コリメータ(空間出力手段)、8 局発光コリメータ(空間出力手段)、9−1〜9−N タップミラー(光透過反射手段)、10 受信光路、11 出力光路、12 集光レンズ(光検出手段)、13 光検出器(光検出手段)、14 光コンポーネントアレイ、15 RF基準信号源、16−1〜16−N 周波数弁別回路(信号抽出手段)、17−1〜17−N 位相同期回路(位相同期手段)、21 4象限光検出器(光検出手段)、22−1〜22−N 周波数弁別回路(重心演算手段)、23−1〜23−N 重心演算回路(重心演算手段)、24−1〜24−N 光軸調整機構(光軸調整手段)、31 4象限光電変換器、32,33,34 加算器,35〜39 出力端子、41,42 アダプティブミラー、43,44 サーボモータ、51 光ファイバ、52 レンズ、53 サーボモータ。

Claims (4)

  1. 単一周波数のレーザ光を出力する光出力手段と、
    上記光出力手段から出力されたレーザ光を信号光と参照光とに分岐する光分岐手段と、上記光分岐手段により分岐された信号光を複数に分岐する信号光分岐手段と、
    上記信号光分岐手段により分岐された複数の信号光の周波数を各位相制御信号にしたがってシフトする周波数シフト手段と、
    上記周波数シフト手段による周波数シフト後の複数の信号光を周波数が異なるディザリング信号で位相変調する位相変調手段と、
    上記位相変調手段による位相変調後の複数の信号光を増幅する信号光増幅手段と、
    上記信号光増幅手段により増幅された複数の信号光を空間に出力するとともに、上記光分岐手段により分岐された参照光を空間に出力する空間出力手段と、
    上記空間出力手段から出力された複数の信号光の一部を受信光路の方向に反射させて、残りの信号光を出力光路の方向に透過させる一方、上記空間出力手段から出力された参照光を上記受信光路の方向に透過させる光透過反射手段と、
    上記受信光路上の光を受信して、その受信信号を出力する光検出手段と、
    基準信号を出力する基準信号源と、
    上記光検出手段より出力された受信信号から上記ディザリング信号の各周波数に対応する信号をそれぞれ抽出し、複数の抽出信号の周波数を上記基準信号と同じ周波数に変換する信号抽出手段と、
    上記信号抽出手段による周波数変換後の複数の抽出信号と上記基準信号源から出力された基準信号との位相誤差をそれぞれ検出し、上記位相誤差を示す各位相制御信号を上記周波数シフト手段に出力する位相同期手段と
    を備えた位相同期レーザ装置。
  2. 光透過反射手段は、空間出力手段から出力される信号光毎に、当該信号光の一部を受信光路の方向に反射させて、残りの信号光を出力光路の方向に透過させる一方、参照光を上記受信光路の方向に透過させるタップミラーを配置することで構成されており、
    上記複数のタップミラーは、上記受信光路と同軸に配置されていることを特徴とする請求項1記載の位相同期レーザ装置。
  3. 4象限の受信信号の総和を信号抽出手段に出力する他に、各象限の受信信号をそれぞれ出力する4象限光検出器から光検出手段が構成されており、
    上記4象限光検出器より出力された各象限の受信信号からディザリング信号の各周波数に対応する信号をそれぞれ抽出し、上記ディザリング信号の各周波数に対応する信号の重心を演算する重心演算手段と、
    上記重心演算手段の重心演算結果にしたがって空間出力手段から出力された複数の信号光の光軸を調整する光軸調整手段とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の位相同期レーザ装置。
  4. 光出力手段は、信号光としてパルス光を出力することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の位相同期レーザ装置。
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